JP2007118361A - 構造用木材の製造方法および製造システム - Google Patents
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Abstract
【課題】曲がりのある赤松などの針葉樹の原木丸太を矯正して、木造住宅の構造材として用いることを可能にするための構造用木材の製造方法を提案すること。
【解決手段】曲がりのある木材を入れた圧力容器内に過熱蒸気を供給して当該木材を90℃以上となるように40分間程度煮沸する(煮沸工程ST2)。次に、木材をその材軸方向の両端を拘束した状態でプレスして、曲がりのない真直な丸太にする(プレス工程ST3)。しかる後に、木材を矯正後の状態に拘束した状態で自然乾燥させる(乾燥工程ST4)。これにより、曲がりのある丸太を真直ぐな丸太にプレス成形することができ、乾燥後の丸太は曲がりのある状態に戻ることがない。曲がりのある赤松材などから、柱材、梁材などとして用いることのできる構造用木材を製造できる。
【選択図】図1
【解決手段】曲がりのある木材を入れた圧力容器内に過熱蒸気を供給して当該木材を90℃以上となるように40分間程度煮沸する(煮沸工程ST2)。次に、木材をその材軸方向の両端を拘束した状態でプレスして、曲がりのない真直な丸太にする(プレス工程ST3)。しかる後に、木材を矯正後の状態に拘束した状態で自然乾燥させる(乾燥工程ST4)。これにより、曲がりのある丸太を真直ぐな丸太にプレス成形することができ、乾燥後の丸太は曲がりのある状態に戻ることがない。曲がりのある赤松材などから、柱材、梁材などとして用いることのできる構造用木材を製造できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、赤松などのような針葉樹の原木丸太の曲げを矯正して、木造建物の柱、梁などの構造材として利用できるようにするための構造用木材の製造方法および製造システムに関するものである。
木造住宅などの柱、梁などの構造材として用いられる木材は、太くて真直ぐな原木丸太から製造される。赤松などの針葉樹には曲がりものが多く、構造材として用いるのに適しているものが比較的少ない。このため、赤松などの針葉樹林が多いにも拘わらず、このような森林資源が有効活用されていないのが現状である。
本発明の課題は、曲がりのある赤松などの針葉樹の原木丸太を矯正して、木造住宅の構造材として用いることを可能にした構造用木材の製造方法および製造システムを提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の構造用木材の製造方法は、曲がりのある木材を入れた圧力容器内に過熱蒸気を供給して当該木材を煮沸する煮沸工程と、煮沸後の木材をその材軸方向の両端を拘束した状態で当該材軸に直交する方向からプレスして、曲がりを矯正するプレス工程と、木材を矯正後の状態に拘束した状態で自然乾燥させる乾燥工程とを含むことを特徴としている。
木材を過熱蒸気により加圧状態で加熱することにより、すなわち、オートクレーブすることにより、次工程におけるプレス時に、木材に発生する内部応力を大幅に低減でき、また、割れなどの発生も抑制できる。
また、プレス工程においては、木材の材軸方向の両端を拘束した状態でプレスを行うことにより、引張り変形を抑制あるいは防止した状態で木材をプレスできる。木材の圧縮変形は20〜30%と許容範囲が広いが、引張り変形の許容範囲は約2%程度である。両端がフリーの状態で、曲がりのある木材を材軸に直交する方向からプレスすると、材軸を挟み、一方の側に引張り変形が生じ、他方の側に圧縮変形が生じ、引張り変形が生ずる側に割れなどの不具合が発生してしまう。本発明では、両端を拘束しておくことにより、材軸方向に引張り変形が2%以下の状態、あるいは引張り変形が起きない状態で、曲がりを矯正できる。
さらに、矯正後の木材を、矯正後の状態に拘束したまま自然乾燥させることにより、矯正後の形状が木材に固定される。すなわち、乾燥後の木材は、含水率が増加しても、再び曲がりのある状態に戻ることがなく、矯正後の形状が半永久的に木材に記憶される。
本発明の方法によって製造された木材は、割れ、反り、歪などが生じないので、木造住宅などにおける柱材、梁材などの構造用木材として用いるのに適している。
ここで、前記煮沸工程では、圧力容器内に100℃以上に加熱された過熱蒸気を供給して、前記木材を90℃以上に加熱することが望ましい。また、前記煮沸工程では、少なくとも30分以上に亘って前記木材を煮沸することが望ましい。さらに、乾燥工程では、前記木材の含水率が10〜12%になるまで放置することが望ましい。
また、処理対象の木材としては、伐採後に所定長さに切断された原木丸太でもよいし、このような原木丸太を皮剥ぎしたものでもよいし、所定の断面形状となるように切断加工された後の原木丸太であってもよい。
次に、本発明は構造用木材の製造システムに関するものであり、上記の方法によって実質的に曲がりの無い構造用木材を製造することを特徴としている。
本発明によれば、所定長さに切断された曲がりのある原木丸太を、構造用木材として用いるのに適した曲がりの無い丸太にプレス成形することができ、また、プレス成形後の真直ぐな形状が半永久的に木材に記憶され、元の曲がりのある状態に戻ることがない。したがって、本発明によれば、赤松などの日本の森林資源を木造住宅などの構造材として有効活用できる。
以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明を適用した構造用木材の製造工程を示す概略フローチャートである。本例の製造工程には、赤松などの原木丸太1を皮剥ぎして一定の長さに切断する前処理工程(ST1)と、一定長さの加工用丸太12を加圧雰囲気中で過熱蒸気により煮沸する煮沸工程(ST2)と、煮沸後の加工用丸太13をプレス成形してその曲がりを矯正するプレス工程(ST3)と、プレス成形後の成形丸太14を自然乾燥させる乾燥工程(ST4)と、乾燥後の乾燥済み丸太15に後処理を施して所定寸法の構造用木材16を得る後処理工程(ST5)とが含まれている。前処理工程(ST1)では、例えば、原木丸太11の曲がりのある方向の両側部分を切断して、太鼓状断面の加工用丸太12としている。また、後処理工程(ST5)では、乾燥後の丸太に切断加工、表面処理などが必要に応じて施される。
図2は煮沸工程(ST2)において用いる煮沸用の圧力容器の一例を示す側面図および前側端面図である。圧力容器20は、ステンレススチール製の円筒状胴部22の後端開口が同一素材の皿型鏡板23によって封鎖され、その前端開口には同一素材からなる横開閉式の手動扉24が取り付けられた構造となっている。圧力容器20は架台25によって水平に支持されている。
圧力容器20の内部には台車レール26が設置されており、この台車レール26に沿って加工用丸太を載せた台車27を圧力容器20に入れる。この後、当該圧力容器20を密閉し、その円筒状胴部22に形成されている過熱蒸気の循環口28を介して過熱蒸気を不図示の蒸気供給源から供給して、内部の加工用丸太を圧力下で過熱蒸気によって加熱する。過熱蒸気は100℃以上、例えば、110℃のものが供給され、加工用丸太の加熱は40分間程度行われる。これにより、加工用丸太は90℃以上に加熱され、次工程で行われるプレス成形時に発生する内部応力が約1/10程度と大幅に低減された状態になる。
図3は、プレス工程(ST3)において用いる油圧式丸太成形プレスの一例を示す正面図および側面図である。油圧式丸太成形プレス30は、水平に設置された細長い下面圧盤31と、左右一対の垂直ガイド32、33によって、下面圧盤31の真上に水平に支持されている上面圧盤34とを備えており、上面圧盤34は水平状態のままで垂直ガイド32、33に沿って昇降可能となっている。
下面圧盤31の両端部には固定側クランプ盤35および可動側クランプ盤36が取り付けられている。可動側クランプ盤36はクランプシリンダ37に取り付けられており、クランプシリンダ37は下面圧盤31に固定されている。クランプシリンダ37によって、可動側クランプ盤36が移動して、クランプ盤36、37の間隔を調整できる。加工用丸太1は、その曲がりが上方に凸となるように、想像線で示す状態で、その両端部がクランプ盤36、37に乗せられてセットされる。この状態では、加工用丸太1はその軸線方向の両端がクランプ盤36、37によって挟まれ、両側への伸びが拘束される。
上面圧盤34は、中央に連結されている昇降シリンダ38によって昇降する。また、左右一対の加圧シリンダ39a、39bによって下方に押圧される。曲がりのある加工用丸太1は、上面圧盤34を下降させることによりプレスされて、曲がりが矯正された真直ぐな丸太になる。
図4は乾燥工程(ST4)において用いる丸太拘束型の一例を示す平面図および側面図である。丸太拘束型40は、細長い底板41および左右の枠板42、43を備えた溝形断面をしており、ここに、プレス成形後の丸太2が装着される。また、左右の枠板42、43にはその長手方向に一定の間隔でクランプ具44を取り付け可能となっている。
丸太拘束型40に装着された丸太2は、一定の間隔で取り付けたクランプ具44によってクランプされる。これにより、丸太2はその材軸に直交する方向への変形ができないように拘束された状態になり、この状態で自然乾燥される。例えば、その含水率が10〜12%に収束するように、2ヶ月間程度、自然乾燥される。自然乾燥を経て、加工用丸太2に、プレス成形後の真直ぐな形状が半永久的に固定(記憶)される。
1 曲がりのある加工用丸太
2 曲がりが矯正されたプレス成形後の丸太
20 圧力容器
30 油圧式丸太成形プレス
40 丸太拘束型
2 曲がりが矯正されたプレス成形後の丸太
20 圧力容器
30 油圧式丸太成形プレス
40 丸太拘束型
Claims (7)
- 曲がりのある木材を入れた圧力容器内に過熱蒸気を供給して当該木材を煮沸する煮沸工程と、
煮沸後の木材を、その材軸方向の両端を拘束した状態で、当該材軸に直交する方向からプレスして、曲がりを矯正するプレス工程と、
木材を矯正後の状態に拘束した状態で、自然乾燥させる乾燥工程とを含むことを特徴とする構造用木材の製造方法。 - 請求項1において、
前記煮沸工程では、圧力容器内に100℃以上に加熱された過熱蒸気を供給して、前記木材を90℃以上に加熱することを特徴とする構造用木材の製造方法。 - 請求項2において、
前記煮沸工程では、少なくとも30分以上に亘って前記木材を煮沸することを特徴とする構造用木材の製造方法。 - 請求項1ないし3のうちのいずれかの項において、
前記プレス工程では、前記木材に材軸方向の伸び変形が実質的に生ずることの無いように、当該木材を拘束することを特徴とする構造用木材の製造方法。 - 請求項1ないし4のうちのいずれかの項において、
乾燥工程では、前記木材の含水率が10〜12%になるまで放置することを特徴とする構造用木材の製造方法。 - 請求項1ないし5のうちのいずれかの項において、
前記木材は、所定長さの原木丸太、皮剥ぎ後の所定長さの原木丸太、あるいは所定の断面形状となるように切断加工された後の原木丸太であることを特徴とする構造用木材の製造方法。 - 請求項1ないし6のうちのいずれかの項に記載の方法により構造用木材を製造することを特徴とする構造用木材の製造システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005313048A JP2007118361A (ja) | 2005-10-27 | 2005-10-27 | 構造用木材の製造方法および製造システム |
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JP2005313048A JP2007118361A (ja) | 2005-10-27 | 2005-10-27 | 構造用木材の製造方法および製造システム |
Publications (1)
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JP2007118361A true JP2007118361A (ja) | 2007-05-17 |
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JP2005313048A Pending JP2007118361A (ja) | 2005-10-27 | 2005-10-27 | 構造用木材の製造方法および製造システム |
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JP (1) | JP2007118361A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101109873B1 (ko) | 2009-07-08 | 2012-03-13 | 충남대학교산학협력단 | 폐목재침목의 재활용 방법 |
CN104290157A (zh) * | 2014-10-08 | 2015-01-21 | 苏州市相城区阳澄湖镇工耕堂家具工作室 | 一种黄花梨木材的添香处理工艺 |
-
2005
- 2005-10-27 JP JP2005313048A patent/JP2007118361A/ja active Pending
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