JP2007115524A - 平板ディスプレイ用外囲器及び平板ディスプレイ - Google Patents

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Abstract

【課題】スペーサレス構造とした平板ディスプレイ用外囲器において大気圧負荷時の引張応力に耐える構造としつつ、そりの問題を解消し且つ軽量化すること。
【解決手段】フロントガラス及びリアガラスを有するガラス容器、並びにリアプレートを備え、フロントガラスはフェース部とスカート部とを有し、スカート部端部のシールエッジ部とリアガラスとが気密封着されており、リアガラスのヤング率/リアプレートのヤング率の比が2〜3で、リアガラスの外径及びリアプレートの外径が実質的にフロントガラスの外径よりも大きく、フロントガラスのシールエッジ部最大外径をDFG(mm)、リアガラスの厚さをTRG(mm)、リアプレートの厚さをTRP(mm)とするとき、1.5≦TRG≦3.0、及び0.014≦TRP/DFG≦0.023を満足する平板ディスプレイ用外囲器の提供。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィールドエミッションディスプレイ(以下、「FED」という)を代表とする、冷陰極型電子放出源を備えた平板型のディスプレイと、該ディスプレイに用いる外囲器に関する。
近年、テレビジョン放送受像装置(以下、「テレビ」という。)として、陰極線管を用いたテレビに替わり液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)やプラズマディスプレイパネル(以下、「PDP」という)等の平板ディスプレイ(フラットパネルディスプレイ。以下、「FPD」という)に対する需要が高まっている。また、前記のLCDやPDP以外のFPDとしてはFEDが知られている。前記のFEDは、LCD、PDP及び陰極線管(以下、「CRT」という。)に比べて消費電力が小さく、かつLCD等に比べて高輝度であり、視野角が広く動画表示に優れているのが特徴で、一般家庭への普及が期待されている。
FEDは、画素ごとに複数の極微小なエミッタ(冷陰極素子)が対向配置され、CRTと同様に真空中でエミッタから蛍光体へ向け電子線を放出して画像を形成する画像表示装置である。エミッタを画素ごとに独立して駆動するFEDは、CRTと異なり電子ビームを広角度で走査させる必要がないので、CRTよりもはるかに奥行きが薄く、かつ平坦な画像表示面を形成できる。たとえば、特開平7−230776号公報(特許文献1)参照。
従来のFEDは、内部に大気圧に耐え得るための支持構造、且つ間隙保持部材としての複数のスペーサを配置し、蛍光体が塗布されたフロントガラスと、電子を放出するためのエミッタを有するリアガラスとが、側壁を形成する略矩形状の外枠を介して接合されている。すなわち、FEDの外囲器はフロントガラス、リアガラス及び外枠からなっており、各部材は封着剤を用いて気密封着されている。また、前記のフロントガラスとリアガラスとは、複数のスペーサを介し対向している。
前記外囲器の内部空間、すなわち対向するフロントガラスとリアガラスとの間の空間は典型的には10−3〜10−7Paの高真空状態であり、リアガラス上のエミッタから前記空間中に放出された電子がフロントガラスの内面に形成された蛍光体に衝突して励起発光させる。その結果、画素が発色し画像が形成される。
前述のように外囲器の内部は高真空状態であるが、外囲器の外側から大気圧が負荷された状態においてもフロントガラスとリアガラスとの間の距離(典型的には1〜3mm)を保持する必要があるため、前述のとおり複数のスペーサがフロントガラスとリアガラスの間に介在している。しかしながら、上記のような構造のFEDにおいては、スペーサの存在によって以下のような問題が発生する。
第1の問題は、スペーサ表面でのチャージアップによって生じる、エミッタから放出された電子ビームの揺らぎや、スペーサ表面から放出される2次電子が他の蛍光体を発光させる表示色純度不良などの画質の劣化である。
また、前記スペーサは、ガラス容器の外囲器の内側と外側との気圧差によって負荷された圧力に耐えうる支持構造の役割をも担っている。しかし、多数のスペーサに対し均一な圧力荷重が負荷されるように構成することは困難で、いずれかのスペーサに対し集中的に荷重が負荷される場合がある。
第2の問題は、前記の集中荷重が負荷されることにより、スペーサとフロントガラスとの接触面及び/又はスペーサとリアガラスとの接触面で亀裂の発生が懸念されることである。第3の問題は、フロントガラスとリアガラスとの間に、アスペクト比が非常に大きいスペーサを多数配置する作業自体、技術的に難度が高いことである。第4の問題は、スペーサを多数用いるため、部材点数及び組み立て工程数が増加して製造工程の煩雑化や生産性の低下に繋がることである。第5の問題は、外囲器の内部を真空にする工程において、狭小な空間内にスペーサが多数個あることによって排気抵抗が増加し、これによって生産性が低下することである。上記のように、フロントガラスとリアガラスとの間にスペーサを介在させることによって様々な問題を引き起こしている。
このような問題を解決するため、本発明者らは欧州特許出願公開第1560251号明細書(特許文献2)に開示されるように、スペーサを用いない構造の平板ディスプレイ用外囲器を提案している。特許文献2の平板ディスプレイ用外囲器は、リアプレート、リム及びブリッジからなる支持部材並びにガラス容器を有するものであって、前記支持部材によってフロントガラスとリアガラスの封着部に発生する引張応力を抑制するものである。しかしながら、特許文献2の平板ディスプレイ用外囲器は、金属製の支持部材、すなわちリアプレート、リム及びブリッジを備えたものであるために、複雑な構成となり組立てが容易でない問題があった。
さらに、内部(真空部分)にスペーサを用いない構造の外囲器としては特許文献3が開示されている。特許文献3の発明の外囲器は、特許文献2と異なりリアプレート(特許文献2のリアガラスに相当)とフェースプレート(特許文献2のフロントガラスに相当)との間に介在する枠上の支持用スペーサを備え、リアプレートを補強する補強材を有することを特徴としている。
なお、特許文献2のリアガラスは、特許文献3においてリアプレートと記載され、特許文献2のリアプレートは、特許文献3において補強材と記載され、特許文献2のフロントガラスは、特許文献3においてフェースプレートと記載されている。
特許文献3の発明の外囲器は、特許文献2のフェース部の周辺から屈曲して延存するスカート部を有するものと同様に、大気圧下で支持用スペーサとリアプレート(特許文献2のリアガラス)のシール部(封着部)に発生する引張応力が大きくなる。さらに、リアプレート(特許文献2のリアガラス)と補強材(特許文献2のリアプレートに相当)との間で発生する引張応力が大きく、いずれも外囲器としての機械的信頼性を損なう問題がある。
前記のシール部(封着部)で発生する引張り応力、及びリアプレート(特許文献2のリアガラス)と補強材(特許文献2のリアプレート)との間で発生する引張り応力を低減するためには、支持用スペーサの形状、支持用スペーサとリアプレート(特許文献2のリアガラス)との接触面積、リアプレート(特許文献2のリアガラス)の厚さなどを適切に設定する必要がある。しかしながら、特許文献3は前記シール部での引張応力を低減するための解決策を何ら提示していない。
加えて、特許文献3の発明の外囲器は内部にスペーサ(特許文献3における補強用スペーサ41)が存在しないために、リアプレート(特許文献2のリアガラス)を補強するためにリアプレート(特許文献2のリアガラス)と補強材(特許文献2のリアプレート)とを加熱処理により接着した場合、両者の熱膨張率の差によってそりを生じる。
前記のそりは、リアプレート(特許文献2のリアガラス)上に形成された電子源を変形させ、また電子放出の方向がばらつく原因となり、色純度不良などの問題を生じ画質を劣化させ、さらにはリアプレート(特許文献2のリアガラス)を破損させる原因となる。このようなそりの解決手段ついても特許文献3には開示も示唆もない。
特開平7−230776号公報(図1) 欧州特許出願公開第1560251号明細書(Claim 1) 特開2003−109527号公報(図1等)
本発明は、前述のスペーサの影響による種々の問題を解消するため、FED等のFPDに用いる外囲器を、スペーサを使用しない構造(以下、「スペーサレス構造」という。)とした場合において、内部を真空にし大気圧が負荷された際に発生する引張応力に耐えうる構造としつつ外囲器全体の軽量化を実現することを第1の目的とする。さらに、前記のそりの問題を解消すること(そりの縮小)を第2の目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、フロントガラス及び平板状のリアガラスを有するガラス容器、並びに前記リアガラスに固着されたリアプレートを備えた平板ディスプレイ用外囲器であって、前記フロントガラスは、略矩形の画像を表示可能なフェース部と、該フェース部の周縁から略垂直に延在するスカート部とを有し、該スカート部の端部のシールエッジ部と、前記リアガラスとが気密封着されており、前記リアガラスのヤング率ERG及びリアプレートのヤング率ERPが、2≦ERP/ERG≦3なる関係を有し、前記リアガラスの外径及びリアプレートの外径が、実質的にフロントガラスの外径よりも大きく、前記フロントガラスのシールエッジ部最大外径をDFG(mm)、リアガラスの厚さをTRG(mm)、リアプレートの厚さをTRP(mm)とするとき、1.5≦TRG≦3.0、及び0.014≦TRP/DFG≦0.023を満足することを特徴とする平板ディスプレイ用外囲器提供する。以下、この外囲器を第1の発明とする。
前記平板ディスプレイ用外囲器においては、前記フロントガラスの短軸端の位置におけるシールエッジ部の幅をTSE(mm)とするとき、関係式0.028≦TSE/DFG≦0.034を満足するものであることが好ましい。以下、この外囲器を第2の発明とする。
また、前記フロントガラス及びリアガラスのヤング率が、70〜80GPaであることが好ましい。さらに、前記平板ディスプレイ用外囲器においては、前記リアプレートが、炭化ケイ素アルミニウムからなるものであることが好ましい。
また、本発明は前記のような平板ディスプレイ用外囲器を用いてなる平板ディスプレイを提供する。
本発明の平板ディスプレイ用外囲器によれば、リアプレートの厚さ、フロントガラスのシールエッジ部の幅(厚さ)を好適な範囲に設定しているので、フロントガラスとリアガラスの間にスペーサを配設しなくても、大気圧が負荷された際に封着部に発生する引張応力を低く抑えることができ、且つリアガラス及びリアプレートのそりが発生しないので本来の高い画質を確保し、さらには機械的信頼性も確保することができる。さらに、フロントガラスを支持するリムやブリッジを必要としないので、質量の増大が抑制され、軽量化を実現できる。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明において平板ディスプレイとは、本質的に内部が高真空状態で、エミッタから放射された電子線を用いて蛍光体を励起発光させる自発光型の平板ディスプレイをいう。
そして、図1に示した本発明の平板ディスプレイ用外囲器1は、ガラス容器とリアプレート2とから構成されるものである。前記ガラス容器はフロントガラス3及びリアガラス4からなり、これら二つを封着して気密封止できる構造になっている。また、前記リアプレート2は、前記リアガラス4に固着又は接着されてリアガラス4を支持するものである。
図1の平板ディスプレイ用外囲器1は、簡略的に全体の4分の1を示したものであり、実際の製品は図中の軸Aを中心とする対称形である。また、これらの図は特徴部を誇張して示したものであり、各部位の寸法比は実際の製品とは異なる場合があることは言うまでもない。なお、本明細書において断ることなく単に「外囲器」と記載する場合は、平板ディスプレイ用外囲器をいうものとする。
ここで、前記リアガラス4のヤング率をERG及びリアプレート2のヤング率をERPとするとき、ERP/ERGの値が2≦ERP/ERG≦3なる関係を有するものとする。前記のフロントガラス3及びリアガラス4は、ヤング率(縦弾性係数)が70〜80GPaであれば好ましい。すなわち、リアプレート2のヤング率ERPは、1.4×10〜2.4×10GPaであることが好ましい。ERP/ERGの値が2未満であるとリアプレートを薄くした場合に、大気圧下でのリアプレートとリアガラスを合わせた部材全体の剛性が不十分となってリアプレートの撓みが大きくなり、リアガラスに形成された電子源とフロントガラス内面に形成された蛍光体との距離のばらつきや、所定の距離を維持できなくなる等問題があり、ERP/ERGの値が3を超えるとリアプレートの剛性が過剰になり、その結果シールエッジ部の引張応力が高くなり、外囲器としての構造的信頼性を損なう問題がある。前記の条件を満たすリアプレート2としては、アルミ系金属浸透複合材である炭化ケイ素アルミニウム(AlSiC)やニッケル合金などが好ましい。
ここで、前記リアガラスの外径及びリアプレートの外径は、実質的にフロントガラスの外径以上の大きさとする。「リアガラスの外径が実質的にフロントガラスの外径以上の大きさとする」とは、全周においてリアガラス4の外径がフロントガラス3の外径よりも大きい又は等しい場合だけでなく、リアガラス4の縁辺に切り欠き部や凹部が設けられて部分的にリアガラス4の外径がフロントガラス3の外径よりも小さい場合であっても、前記切り欠き部や凹部に起因して外囲器に発生する引張応力が小さい(10MPa以下)場合は切り欠き部や凹部による外径の大小の逆転を無視できるものと考え、リアガラス4の外径がフロントガラス3の外径以上の大きさであるものとみなすことを意味する。
また、フロントガラス3は、内面に蛍光体が塗布され、エミッタから放射された電子線によって画像を表示するスクリーンを有するフェース部6と、該フェース部6の周縁から屈曲して延在する、側壁としてのスカート部7を備える。該スカート部7の端部は前記リアガラス4と気密封着される。以下、前記の「スカート部7の端部」をシールエッジ部という。
そして、本発明の外囲器1においては、前記フロントガラス3のシールエッジ部の最大外径をDFG(mm)、リアガラスの厚さをTRG(mm)、リアプレート2の厚さをTRP(mm)とするとき、1.5≦TRG≦3.0、及び0.014≦TRP/DFG≦0.023を満足するように構成する。フロントガラス3の対角軸上のシールエッジ部最大外径とは、フロントガラス3とリアガラス4とが封着される箇所(シールエッジ部)におけるフロントガラス4の最大の外径をいうものである。図1では、フロントガラス3のシールエッジ部の最大半径5を図示しており、この半径がDFG/2にあたる。すなわち、その倍の長さが「フロントガラス3のシールエッジ部最大外径DFG」となる。
本発明の外囲器において、TRP/DFGが0.014未満、すなわちTRPが0.014DFG未満であると、「リアガラスとリアプレートの界面に発生する引張り応力」と「リアガラスとリアプレートとを接着する接着剤の許容応力」とを比較した場合、前者の方が高くなり外囲器としての機械的信頼性を保つことが困難になる。また、TRP/DFGが0.023を超えると、すなわちTRPが0.023DFGを超えると、相対的にリアプレートの厚さTRPが厚くなり、その結果外囲器の質量増加につながる。したがって、前記TRP/DFGの値は0.014〜0.023の範囲とする。
また、前記リアガラスの厚さTRG(mm)は、1.5mm未満であると外囲器の背面部分全体の剛性が低くなり、3.0mmを超えると外囲器の質量増加につながるだけでなく、リアガラス上にエミッタを形成する上で厚くなることはCVDプロセス上、リアガラスに大きな温度分布が発生し、エミッタを均一に形成しにくくなるため好ましくない。したがって、リアガラスの厚さTRGの値は1.5〜3.0mmの範囲とする。
本発明の外囲器は、上記のような構成とすることにより、機械的信頼性を維持しつつ軽量化を実現できる。
さらに、前記フロントガラスの短軸端の位置におけるシールエッジ部の幅をTSE(mm)とするとき、0.028≦TSE/DFG≦0.034、すなわち0.028DFG≦TSE≦0.034DFGとなるようにTSEの値を設定することが好ましい。ここで、「フロントガラスの短軸端」とは、フロントガラスの短軸、すなわちフロントガラスのフェース部の中心点を通り且つ短辺に平行な軸の端部をいい、TSEとは短軸端に相当する位置のシールエッジ部の幅をいう。したがって、TSEとはフロントガラスの長辺中央の位置におけるシールエッジ部の幅と等しいものである。
SE/DFGの値が0.028未満であると、シールエッジ部に発生する引張応力が、フロントガラスとリアガラスとを封着する封着材の許容応力を超えてしまい外囲器の機械的信頼性を損なうおそれがある。一方、TSE/DFGの値が0.034を超えるとシールエッジ部の幅が必要以上に大きくなる。その結果、フロントガラス全体の体積におけるスカート部の体積の比率が大きくなるため、溶融ガラス塊(「ゴブ」ともいう。)をプレス成形してフロントガラスを製造するときにフロントガラスの端部であるシールエッジ部までゴブが充填されなくなる充填不足の問題が生じる。したがって、関係式0.028≦TSE/DFG≦0.034を満足するようにシールエッジ部の幅の設定することが好ましい。
さらに、前記リアプレートの線熱膨張係数をαRP(/℃)、とリアガラスの線熱膨張係数をαRG(/℃)とするとき、0.96≦αRP/αRG≦1.04なる関係を有するものであることが好ましい。ここで、前記の線熱膨張係数は、リアガラスとリアプレートとを接着する接着材のガラス転移温度T(℃)におけるリアプレートの線熱膨張係数の値及びリアガラスの線熱膨張係数の値とする。
αRP/αRGの値が0.96未満又は1.04超であると、リアガラスとリアプレートの熱膨張差によってそりが大きくなり、リアガラス上の電子源自体に悪影響を及ぼし、電子放出方向をばらつきを生じさせ、さらにはリアガラスの破損などの問題を生じる。特に、αRP/αRGが1.04を超える場合には、リアプレートがリアガラス側に凸になる変形となり、フロントガラスのシールエッジ部とリアガラスとの間で発生する引張り応力がさらに大きくなり外囲器の機械的信頼性を損なう。したがって、関係式0.96≦αRP/αRG≦1.04を満足するようなリアガラスとリアプレートそれぞれの線熱膨張係数を有する材料を選定することが好ましい。
次いで実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は後述の実施例の構成に限定されるものではない。以下、表1〜4に記載の寸法及びヤング率のフロントガラス、リアガラス及びリアプレートを条件として、図1に示されるような外囲器の4分の1のモデルに関し、有限要素法(10節点4面体要素)によってフェース部6に大気圧(101.3kPa)が負荷された場合にリアガラスとリアプレートの界面に発生する引張応力の最大値の数値解析を行った。なお、いずれの実施例及び比較例の場合もリアガラスの外径及びリアプレートの外径が実質的にフロントガラスの外径よりも大きくなるように条件設定した。また、リアプレートの材質をニッケル合金(比重8.3)とした。さらに、以下の実施例及び比較例において、リアガラスの線熱膨張係数αRGを79×10−7/℃、リアプレートの線熱膨張係数αRPを77×10−7/℃とした。
また、表中に示す符号は下記の値を表す。
FG :フロントガラスのシールエッジ部最大外径(mm)
CF :フロントガラスのフェース部中央の厚さ(mm)
SE :フロントガラスの短軸端の位置におけるシールエッジ部の幅(mm)
RP :リアプレートの厚さ(mm)
RG :リアガラスの厚さ(mm)
RP :リアプレートのヤング率(GPa)
RG :リアガラスのヤング率(GPa)
σRG :リアガラスとリアプレートの界面に発生する引張応力の最大値(MPa)
質量比:基準とする外囲器に対する各実施例及び比較例の外囲器の質量比。
なお、
実施例1〜3及び比較例1,2については実施例3の外囲器の質量を1.00としたときの質量比、
実施例4〜6及び比較例3,4については実施例6の外囲器の質量を1.00としたときの質量比、
実施例7〜9及び比較例5,6については実施例9の外囲器の質量を1.00としたときの質量比、
実施例10〜12及び比較例7,8については実施例12の外囲器の質量を1.00としたときの質量比を表す。
Figure 2007115524
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Figure 2007115524
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実施例1〜12は、第1の発明の要件を満足するものであるので、リアガラスとリアプレートの間に発生する最大引張応力σRGが許容値(10MPa)以下であり、かつ質量の過剰な増大を抑えることができた。一方、比較例1,3,5及び7は、TRP/DFGの値が0.014未満となるようにリアプレートを薄くすることにより軽量化は達成されるが、リアガラスとリアプレートの間に発生する最大引張応力σRGが許容値(10MPa)を超えるという問題を有する。また、比較例2,4,6及び8は、TRP/DFGの値が0.023超となるようにリアプレートを厚くすることによりリアガラスとリアプレートの間に発生する最大引張応力σRGを許容値以下とすることができるが、外囲器の質量が増大するという問題を有する。
また、以下、表5〜8に記載の寸法及びヤング率のフロントガラス、リアガラス及びリアプレートを条件として、図1に示されるような外囲器の4分の1のモデルに関し、有限要素法(10節点4面体要素)によってフェース部6に大気圧(101.3kPa)が負荷された場合にフロントガラスの短軸端の位置におけるシールエッジ部に発生する引張応力の最大値の数値解析を行った。なお、いずれの実施例及び比較例の場合もリアガラスの外径及びリアプレートの外径が実質的にフロントガラスの外径よりも大きくなるように条件設定した。
表5〜8に示す符号は表1〜4に記載のものと同じものを表す。なお、σSEは前記のフロントガラスの短軸端の位置におけるシールエッジ部に発生する引張応力の最大値(MPa)を表す。
Figure 2007115524
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Figure 2007115524
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実施例13〜24は、第2の発明の要件を満足するものであるので、フロントガラスの短軸端の位置におけるシールエッジ部に発生する引張応力の最大値σSEを許容値(10MPa)以下に抑えることができた。一方、比較例9,11,13及び15は、シールエッジ部の幅が小さくTSE/DFGの値が0.028未満となるため、σSEの値が許容値(10MPa)を上回る。また、比較例10,12,14及び16は、TSE/DFGの値が0.034を上回る形状であるため、フロントガラス全体に対するスカート部の体積比率が大きく、ゴブの充填不足の問題が生じやすい。
さらに、以下、フロントガラス、リアガラス、リアプレートからなる外囲器の組立てを行い、リアプレートに発生するそりを測定した。各構成材料の条件について以下に示す。
FG :フロントガラスのシールエッジ部最大外径=337mm
RG :リアガラスの対角軸上の最大外径=384mm
RG :リアガラスの厚さ=2.8mm
RP :リアプレート(ガラス以外の素材からなるもの)の厚さ=6mm
リアプレート(ガラスからなるもの)の厚さ=9mm
SE :フロントガラスの短軸端の位置におけるシールエッジ部の幅=11mm。
リアプレートの材質としては、ニッケル合金2種、炭化ケイ素アルミ3種、チタン合金、リアガラスと同様のガラスを用いた。接着材は、気密性及び耐熱性に優れかつ高強度が得られるポリイミド系接着材を用いた。外囲器の組立ては、まずフロントガラスとリアガラスとの封着部分にディスペンサを用いて接着材を適量塗布し、リアガラスとリアプレートとの接着部分のリアプレート側に接着材をブレードコータを用いて塗布した。次に、これらの各部材を、約200℃,2時間で加熱乾燥した。さらに、これらを重ねてずれないように固定し、約350℃,2時間で焼成して各部を封着・接着し外囲器とした。
このようにして得た外囲器のリアプレート及びリアガラスの「そり」の測定結果を表9に示す。表中の記号の意味を以下に示す。
αRG :リアガラスの線熱膨張係数(×10−7/℃)
αRP :リアプレートの線熱膨張係数(×10−7/℃)
線熱膨張係数は、接着剤のガラス転移点温度(250℃)における値である。
δRP :リアプレート中央の面に垂直方向のそり(mm)。具体的には、図2に示すように、そりによって生じたリアプレートの中央と端部との間の垂直方向の距離を表す。
なお、実施例25のリアプレートはニッケル合金製であり、鉄52%及びニッケル48%からなる。
実施例26のリアプレートは炭化ケイ素アルミニウム製であり、炭化ケイ素55%及びアルミニウム45%からなる。
比較例17のリアプレートはリアガラスと同じ素材からなる。
比較例18のリアプレートは純チタン製である。
比較例19のリアプレートはニッケル合金製であり、鉄55%及びニッケル45%からなる。
比較例20のリアプレートは炭化ケイ素アルミニウム製であり、炭化ケイ素50%及びアルミニウム50%からなる。
比較例21のリアプレートは炭化ケイ素アルミニウム製であり、炭化ケイ素が60%及びアルミニウム40%からなる。
Figure 2007115524
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実施例25及び26は、αRP/αRGの値が0.96以上1.04以下の範囲であるので、そりによる割れが発生しない。
比較例17は、αRP/αRGの値は0.96以上1.04以下の範囲であるため「そり」による割れは発生しないが、リアプレートがリアガラスと同じ材質でありERP/ERGの値が2未満となるためリアプレートの厚くなり質量増大につながる。
比較例18は、αRP/αRGの値が0.96未満であるため割れは発生しないものの、そりの量が0.12mmと大きかった。
比較例19は、αRP/αRGの値が1.04を超えるため割れは発生しないものの、そりの量が0.10mmと大きかった。
比較例20は、αRP/αRGの値が0.96を大きく下回るため「そり」による割れが発生した。割れによりそりの大きさの計測はできなかった。
比較例21は、αRP/αRGの値が1.04を大きく上回るため「そり」による割れが発生した。割れによりそりの大きさの計測はできなかった。
本発明の平板ディスプレイ用外囲器は、フロントガラスとリアガラスの間にスペーサを配設しなくても、大気圧が負荷された際に封着部に発生する引張応力を低く抑えることができ、安全性を確保することができるだけでなく、フロントガラスを支持するリムやブリッジを必要としないので質量の増大が抑制され軽量化を実現でき、極めて有用である。
本発明の平板ディスプレイ用外囲器の一部(4分の1)を示す説明図。 実施例におけるそりの測定方法の説明図。
符号の説明
1:平板ディスプレイ用外囲器
2:リアプレート
3:フロントガラス
4:リアガラス
5:フロントガラスのシールエッジ部半径(DFG/2)
6:フェース部
7:スカート部

Claims (7)

  1. フロントガラス及び平板状のリアガラスを有するガラス容器、並びに前記リアガラスに固着されたリアプレートを備えた平板ディスプレイ用外囲器であって、
    前記フロントガラスは、略矩形の画像を表示可能なフェース部と、該フェース部の周縁から屈曲して延在するスカート部とを有し、該スカート部の端部のシールエッジ部と、前記リアガラスとが気密封着されており、
    前記リアガラスのヤング率ERG及びリアプレートのヤング率ERPが、2≦ERP/ERG≦3なる関係を有し、
    前記リアガラスの外径及びリアプレートの外径が、実質的にフロントガラスの外径よりも大きく、
    前記フロントガラスのシールエッジ部最大外径をDFG(mm)、リアガラスの厚さをTRG(mm)、リアプレートの厚さをTRP(mm)とするとき、1.5≦TRG≦3.0、及び0.014≦TRP/DFG≦0.023を満足することを特徴とする平板ディスプレイ用外囲器。
  2. 前記フロントガラスの短軸端の位置におけるシールエッジ部の幅をTSE(mm)とするとき、関係式0.028≦TSE/DFG≦0.034を満足する請求項1記載の平板ディスプレイ用外囲器。
  3. 前記フロントガラスのヤング率が、70〜80GPaである請求項1又は2に記載の平板ディスプレイ用外囲器。
  4. 前記リアガラスのヤング率が70〜80GPaである請求項1〜3の何れか1項に記載の平板ディスプレイ用外囲器。
  5. 前記リアプレートの線熱膨張係数をαRP(/℃)とし、前記リアガラスの線熱膨張係数をαRG(/℃)とするとき、0.96≦αRP/αRG≦1.04なる関係を満足する請求項1〜4の何れかに1項に記載の平板ディスプレイ用外囲器。
  6. 前記リアプレートが、炭化ケイ素アルミニウムからなる請求項1〜4の何れか1項に記載の平板ディスプレイ用外囲器。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の平板ディスプレイ用外囲器を用いてなる平板ディスプレイ。
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