JP2007115429A - 圧接端子 - Google Patents

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Abstract

【課題】被覆電線に対する安定した電気的接続が得られる圧接端子を提供すること。
【解決手段】圧接端子10は、その側板部13,13に、該側板部13,13それぞれから内側に切り起こされた二対の電線圧接刃14,14,14,14を含む電線圧接部15と、側板部13,13のうちの一方から内側に切り起こされた電線持ち上げ片16と、電線圧接部15と電線持ち上げ片16との間に形成された一対の電線加締片17,17と、を有する。電線持ち上げ片16は、その先端部を側板部13,13のうちの他方に向けて、底板部12と対向しながら延長するように曲げられている。電線圧接刃14,14,14,14に圧接された被覆電線60が電線加締片17,17により加締められる際に、当該被覆電線60により電線持ち上げ片16がその先端部を底板部12に向けて変位するように曲げられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、対向する電線圧接刃が配置された電線圧接部を備える圧接端子(即ち、ピアッシング端子)に係り、より詳細には、被覆電線の線状導体部(換言すれば、少なくとも一本の導線)の外周面を被覆する絶縁外皮を切除せずに被覆電線をそのまま電線圧接部に圧入することにより電線圧接刃で絶縁外皮を貫くとともに導体部を挟持させることによって被覆電線の導体部と電気的に接続する圧接端子に関する。
従来の圧接端子の一例として、コネクタハウジングのカバーに形成された電線押え部に、コネクタハウジングに収容された際に対向するように配置された電線持ち上げ片(張力吸収板)を備えたものが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。その圧接端子を備えた圧接コネクタについて図22を参照しながら説明する。
図22に示されるように、圧接端子100は、その端子本体の前端部に電気接続部(電気接触部)101と、該電気接続部101の後方に電線圧接刃を有する電線圧接部102と、更に該電線圧接部102の後方に一対の電線加締片(電線挟持部)103と、そして更に該電線加締片103の後方にある端子本体の後端部に電線持ち上げ片108を備える。
この圧接端子100と被覆電線120の導体部との電気的接続は、被覆電線120の導体部の外周面を被覆する絶縁外皮を切除せずに被覆電線120をそのまま電線圧接部102に圧入することにより電線圧接刃で絶縁外皮を貫くとともに導体部を挟持させることによってなされる。
そして、被覆電線120を接続した圧接端子100が圧接コネクタ99のコネクタハウジング106の端子収容室107に収容された状態で、該コネクタハウジング106に圧接コネクタ99のカバー104を嵌合ロックすることによって、カバー104の後部内面の電線押え部(電線押え突起)105が被覆電線120を電線持ち上げ片108の後方で押圧する。
尚、上記圧接端子100に限らず、従来の圧接端子の電線圧接部は、該電線圧接部に圧接された被覆電線から、振動、衝撃、等による被覆電線への引っ張り応力等を含む応力の影響を受けやすいので、いずれの応力も直接電線圧接部に影響しないように保護するために、圧接端子を収容する圧接コネクタには、圧接端子の被覆電線を加締めるための電線加締片だけでなく更に被覆電線を曲がった状態で係止する機構を備えたストレインリリーフ構造が一般に採用される。即ち、電線加締片による被覆電線の圧着だけでは、望ましい電線固着力が得られないため、ストレインリリーフ構造が圧接コネクタに設けられる。
このことに関して言えば、図22に示される圧接コネクタ99においても、圧接端子100の電線加締片103と電線持ち上げ片108、およびカバー104の電線押え部105によりストレインリリーフ構造が形成されている。
このような圧接端子100では、電線持ち上げ片108の高さが固定されているため、電線加締片103で被覆電線120を加締めた際の被覆電線120の屈曲角度は、電線加締片103による加締め高さに依存し、電線固着力にバラツキが生じ易い。更に、電線加締片103と電線持ち上げ片108との間の距離が短いと被覆電線120の屈曲角度のバラツキが大きくなる上、被覆電線120へのダメージも懸念される。そのため、電線加締片103と電線持ち上げ片108との間の距離を大きく設定すると、圧接端子100の端子長が長くなってしまい、よって圧接端子の小型化は望めない。また、この圧接端子100では、電線圧接部102に圧接された被覆電線120の後方への引っ張り時に電線持ち上げ片108により被覆電線120が破断されてしまう可能性が高く、ストレインリリーフ構造の電線保持力と電線圧接部102の電線保持力とが加算され難い。
ところで、圧接端子ではないが、電線の後方への引っ張り応力を吸収するための電線持ち上げ片(浮き上げ支持片)を電線圧着部(芯線圧着部)の後方に配置し、電線持ち上げ片上に載った被覆電線を当該電線持ち上げ片の後方に位置する電線加締片(被覆圧着部)で加締めた圧着端子が知られている(例えば、特許文献3参照)。
仮に、このような圧着端子のストレインリリーフ構造を圧接端子に採用し、電線持ち上げ片を電線圧接部の後方に配置し、電線持ち上げ片上に載った被覆電線を当該電線持ち上げ片の後方に位置する電線加締片で加締めると、電線圧接部の直ぐ後方に電線持ち上げ片があるため、電線圧接部と被覆電線の導体部との電気的接続が安定しない可能性が極めて高い。そのため、電線圧接部と電線持ち上げ片との間の距離を大きく設定すると、圧接端子の端子長が長くなってしまい、よって圧接端子の小型化は望めないことになる。
特開平8−37040号公報(図7〜図9) 実開昭61−35369号公報(図1〜図3) 実開平5−17928号公報(図1〜図3)
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、被覆電線に対する安定した電気的接続が得られる圧接端子を提供することにある。
前述した目的を達成するため、本発明に係る圧接端子は、下記(1)〜(7)を特徴としている。
(1) 少なくとも一対の電線圧接刃を含む電線圧接部を端子本体に備え、被覆電線の線状の導体部の外周面を被覆する絶縁外皮を切除せずに前記被覆電線を前記電線圧接刃の間に圧入することにより前記電線圧接刃で前記絶縁外皮を貫くとともに前記導体部を挟持させることによって前記被覆電線の導体部と電気的に接続する圧接端子であって、
前記端子本体が、
底板部と、
前記底板部の両側縁から対向しながら上方へ延長するように立設された少なくとも一対の側板部と、
前記側板部の少なくとも一方から内側に切り起こされた電線持ち上げ片と、
前記電線圧接部と前記電線持ち上げ片との間に形成された電線加締片と、
を有し、
前記電線持ち上げ片が、該電線持ち上げ片の先端部を前記側板部の他方に向けて、前記底板部と対向しながら延長するように曲げられており、そして
前記電線圧接刃に圧接された前記被覆電線が前記電線加締片により加締められる際に、当該被覆電線により前記電線持ち上げ片が該電線持ち上げ片の先端部を前記底板部に向けて変位するように曲げられること。
(2) 少なくとも一対の電線圧接刃を含む電線圧接部を端子本体に備え、被覆電線の線状の導体部の外周面を被覆する絶縁外皮を切除せずに前記被覆電線を前記電線圧接刃の間に圧入することにより前記電線圧接刃で前記絶縁外皮を貫くとともに前記導体部を挟持させることによって前記被覆電線の導体部と電気的に接続する圧接端子であって、
前記端子本体が、
底板部と、
前記底板部の両側縁から対向しながら上方へ延長するように立設された少なくとも一対の側板部と、
前記側板部の一方から内側に切り起こされた電線持ち上げ片と、
前記電線圧接部と前記電線持ち上げ片との間に形成された電線加締片と、
を有し、
前記電線持ち上げ片が前記底板部と対向しながら前記側板部の他方側へ延長するように曲げられ且つ更に前記電線持ち上げ片の先端部が前記底板部に向けて曲げられており、
前記電線持ち上げ片の先端部が、前記底板部に当接しているか、あるいは、前記電線圧接刃に圧接された前記被覆電線が前記電線加締片により加締められる際に前記底板部に当接するように前記底板部との間に僅かな隙間を持って近接しており、そして
前記電線圧接刃に圧接された前記被覆電線が前記電線加締片により加締められる際に、前記電線持ち上げ片が、前記被覆電線によって前記底板部に向けて押圧されることにより、前記電線持ち上げ片上に載った前記被覆電線の部分を前記底板部側へ近づけるように、変形すること。
(3) 少なくとも一対の電線圧接刃を含む電線圧接部を端子本体に備え、被覆電線の線状の導体部の外周面を被覆する絶縁外皮を切除せずに前記被覆電線を前記電線圧接刃の間に圧入することにより前記電線圧接刃で前記絶縁外皮を貫くとともに前記導体部を挟持させることによって前記被覆電線の導体部と電気的に接続する圧接端子であって、
前記端子本体が、
底板部と、
前記底板部の両側縁から対向しながら上方へ延長するように立設された少なくとも一対の側板部と、
前記側板部の一方から内側に切り起こされた電線持ち上げ片と、
前記電線圧接部と前記電線持ち上げ片との間に形成された電線加締片と、
を有し、
前記電線持ち上げ片が前記底板部と対向しながら前記側板部の他方側へ延長するように曲げられ且つ更に前記電線持ち上げ片の側部が前記底板部に向けて曲げられており、
前記電線持ち上げ片の側部が、前記底板部に当接しているか、あるいは、前記電線圧接刃に圧接された前記被覆電線が前記電線加締片により加締められる際に前記底板部に当接するように前記底板部との間に僅かな隙間を持って近接しており、そして
前記電線圧接刃に圧接された前記被覆電線が前記電線加締片により加締められる際に、前記電線持ち上げ片が、前記被覆電線によって前記底板部に向けて押圧されることにより、前記電線持ち上げ片上に載った前記被覆電線の部分を前記底板部側へ近づけるように、変形すること。
(4) 上記(1)〜(3)のいずれかの構成の圧接端子において、
前記端子本体が、導電性金属板材をプレス成形することにより一体的に形成されており、そして前記電線圧接部の前記電線圧接刃が、前記側板部それぞれから内側に切り起こされるとともに、当該電線圧接部の先端面を前記底板部の上で向かい合わせにしながら前記底板部の上方へ延長するように、配置されていること。
(5) 上記(4)の構成の圧接端子において、
前記電線持ち上げ片上で支持された前記被覆電線の部分の軸線位置が、前記電線加締片によって加締められることにより前記電線圧接部において前記底板部側に押圧された前記被覆電線の部分の軸線位置よりも前記底板部に対して高いこと。
(6) 上記(1)〜(5)のいずれかの構成の圧接端子において、
相手方端子と電気的に接続するための電気接続部が前記底板部の前端部に形成され、前記電線持ち上げ片が該底板部の後端部に形成され、そして前記底板部の前端部と後端部との間に前記電線圧接部および前記電線加締片が形成されていること。
(7) 上記(1)〜(6)のいずれかの構成の圧接端子であって、
前記電線持ち上げ片が、前記電線加締片、および前記圧接端子を収容可能なコネクタハウジングを備えたコネクタの電線押え部と協働し、引っ張り応力を含む前記被覆電線への応力による前記電線圧接刃と前記導体部との電気的接続への影響を阻止するためのストレインリリーフ構造を形成すること。
本発明の圧接端子は、線状の導体部および該導体部の外周面を被覆する絶縁外皮を有する被覆電線と電気的に接続可能である。このような被覆電線の本発明の圧接端子との電気的接続を簡潔に説明すると、被覆電線が電線圧接刃の間に圧入されることにより圧接される際に当該電線圧接刃により絶縁外皮を貫かれるとともに導体部を挟持され、被覆電線が底板部に向けて押圧されるように電線加締片により加締められ、そして被覆電線が電線持ち上げ片上に乗り上げて電線持ち上げ片上で支持される。
上記(1)〜(3)のいずれかの構成の圧接端子によれば、被覆電線に対する電線加締片による加締め高さに追従して電線持ち上げ片が底板部に対して変位可能(即ち、底板部に向かって倒れこみ可能)であるため、電線固着力のバラツキが抑えられる。従って、電線加締片と電線持ち上げ片との間の距離を縮められるため、ストレインリリーフ構造の小型化を図ることができ、これにより圧接端子を小型化することができる。更に、電線持ち上げ片が底板部に対して変位可能であるため、被覆電線へのダメージを軽減できる。その上、電線圧接部において電線圧接刃により圧接された被覆電線の後方への(即ち、電線持ち上げ片の方への)引っ張り時にも、被覆電線に追従して電線持ち上げ片が底板部に対して変位可能(即ち、底板部に向かって倒れこみ可能)であるため、被覆電線の破断による電線固着力のバラツキも抑えられる。また、上記(1)〜(3)のいずれかの構成の圧接端子によれば、電線持ち上げ片が電線加締片の後方に配置されるので、電線圧接刃と電線加締片との間の被覆電線の部分を略直線状に延長させることができ、よって電線圧接部と被覆電線の導体部との電気的接続を安定させることができる。
尚、上記(1)の構成の圧接端子の具体的な実施形態としては、例えば、端子本体が、底板部と、少なくとも一対の側板部と、該側板部の一方から内側に切り起こされた電線持ち上げ片と、電線圧接部と電線持ち上げ片との間に形成された電線加締片と、を有し、電線持ち上げ片が、その先端部を側板部の他方に向けて、底板部と対向しながら延長するように曲げられており、そして電線圧接刃に圧接された被覆電線が電線加締片により加締められる際に、当該被覆電線により電線持ち上げ片がその先端部を底板部に向けて変位するように曲げられる形態や、端子本体が、底板部と、少なくとも一対の側板部と、該側板部それぞれから内側に切り起こされた一対の電線持ち上げ片と、電線圧接部と電線持ち上げ片との間に形成された電線加締片と、を有し、電線持ち上げ片が、それらの先端部を互いに向かい合わせにし、底板部と対向しながら延長するように曲げられており、そして電線圧接刃に圧接された被覆電線が電線加締片により加締められる際に、当該被覆電線により電線持ち上げ片がそれらの先端部を底板部に向けて変位するように曲げられる形態等が挙げられる。
尚、上記(2)の構成の圧接端子では、電線持ち上げ片が底板部と対向しながら側板部の他方側へ延長するように曲げられ且つ更に電線持ち上げ片の先端部が底板部に向けて曲げられており、電線持ち上げ片の先端部が、底板部に当接しているか、あるいは、電線圧接刃に圧接された被覆電線が電線加締片により加締められる際に底板部に当接するように底板部との間に僅かな隙間を持って近接しており、そして電線圧接刃に圧接された被覆電線が電線加締片により加締められる際に、電線持ち上げ片が、被覆電線によって底板部に向けて押圧されることにより、電線持ち上げ片上に載った被覆電線の部分を底板部側へ近づけるように、変形する。従って、上記(2)の構成の圧接端子によれば、板バネのように作用する弾性支持部として働く電線持ち上げ片の先端部によって、電線持ち上げ片への衝撃を確実に吸収することができる。
尚、上記(3)の構成の圧接端子では、電線持ち上げ片が底板部と対向しながら側板部の他方側へ延長するように曲げられ且つ更に電線持ち上げ片の側部が底板部に向けて曲げられており、電線持ち上げ片の側部が、底板部に当接しているか、あるいは、電線圧接刃に圧接された被覆電線が電線加締片により加締められる際に底板部に当接するように底板部との間に僅かな隙間を持って近接しており、そして電線圧接刃に圧接された被覆電線が電線加締片により加締められる際に、電線持ち上げ片が、被覆電線によって底板部に向けて押圧されることにより、電線持ち上げ片上に載った被覆電線の部分を底板部側へ近づけるように、変形する。従って、上記(3)の構成の圧接端子によれば、板バネのように作用する弾性支持部として働く電線持ち上げ片の側部によって、電線持ち上げ片への衝撃を確実に吸収することができる。
上記(4)の構成の圧接端子では、端子本体が、導電性金属板材をプレス成形することにより一体的に形成されており、そして電線圧接部の電線圧接刃が、側板部それぞれから内側に切り起こされるとともに、当該電線圧接部の先端面を底板部の上で向かい合わせにしながら底板部の上方へ延長するように、配置されている。従って、圧接端子の製造は、導電性金属板材をプレス成形することにより容易になされる。
上記(5)の構成の圧接端子によれば、電線持ち上げ片上で支持された被覆電線の部分の軸線位置が、電線加締片によって加締められることにより電線圧接部において底板部側に押圧された被覆電線の部分の軸線位置よりも底板部に対して高いので、被覆電線を曲がった状態で係止するストレインリリーフ構造に好適である。
また、上記(6)の構成のように、相手方端子と電気的に接続するための電気接続部が底板部の前端部に形成され、電線持ち上げ片が底板部の後端部に形成され、そして底板部の前端部と後端部との間に電線圧接部および電線加締片が形成されている圧接端子は、ストレインリリーフ構造を協働して形成するコネクタに収容される圧接端子として好適である。
即ち、このような圧接端子は、上記(7)の構成のように、電線持ち上げ片が、前記電線加締片、および圧接端子を収容可能なコネクタハウジングを備えたコネクタの電線押え部と協働し、引っ張り応力を含む被覆電線への応力による電線圧接刃と導体部との電気的接続への影響を阻止するためのストレインリリーフ構造を形成する。
本発明によれば、被覆電線に対する安定した電気的接続が得られる圧接端子を提供することができる。
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための最良の形態を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
以下、本発明に係る複数の好適な実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図6を参照して、本発明の圧接端子の第1実施形態について説明する。
図1は本発明の圧接端子の第1実施形態を示す、前方斜め上から見た外観斜視図、図2は図1の圧接端子を後方斜め上から見た外観斜視図(前端部省略。)、図3は図2の圧接端子の縦断面図(前端部省略。)、図4は図1の圧接端子の製造工程を説明するための平面図、図5は図1の圧接端子に被覆電線を接続した状態を示す縦断面図(前端部省略。)、そして図6は図1の圧接端子に被覆電線を接続した状態で、図5に示されるVI−VI線の所でカットした場合の矢視断面図である。
図1〜図6に示されるように、本発明の第1実施形態である圧接端子10は、底板部12と、当該底板部12の両側縁から対向しながら上方へ延長するように立設された一対の側板部13,13と、を備え、導電性金属板材をプレス成形することにより底板部12と側板部13,13とが一体的に形成された圧接端子10である。
側板部13,13は、該側板部13,13それぞれから内側に切り起こされた二対の電線圧接刃14,14,14,14を含む電線圧接部15と、側板部13,13のうちの一方から内側に切り起こされた電線持ち上げ片16と、電線圧接部15と電線持ち上げ片16との間に形成された一対の電線加締片17,17と、を有する。
電線圧接刃14は、少なくとも一対、圧接端子10に設けられていれば、圧接端子10に必要な機能が満足される。また、電線加締片17,17は、少なくとも一つ、圧接端子10に設けられていれば、渦巻状に曲げることができるので、圧接端子10に必要な機能が満足される。二対の電線圧接刃14,14,14,14については、その内の一対の電線圧接刃14,14について以下に記述するが、他の一対の電線圧接刃14,14については同様な記述となるため省略する。
電線圧接刃14,14は、それらの先端面を底板部12の上で向かい合わせにしながら底板部12の上方へ延長するように配置されている。電線持ち上げ片16は底板部12の上に配置されるように曲げられている。
電線持ち上げ片16は、特に図2および図3から明らかなように、電線圧接部15と電線加締片17と電線持ち上げ片16とが連設された側板部13,13のうちの一方の、底板部12の側縁に接続する部分18の上端の所から底板部12の上に曲げられている。より詳細には、電線持ち上げ片16は、その先端部を側板部13,13のうちの他方に向けて、底板部12と対向しながら延長するように曲げられている。
圧接端子10は、図5および図6に示される線状の導体部61および該導体部61の外周面を被覆する絶縁外皮62を有する被覆電線60と電気的に接続可能である。このような被覆電線60の圧接端子10との電気的接続を簡潔に説明すると、被覆電線60が電線圧接刃14,14の間に圧入されることにより圧接される際に当該電線圧接刃14,14により絶縁外皮62を貫かれるとともに導体部61を挟持され、被覆電線60が底板部12に向けて押圧されるように電線加締片17,17により加締められ、そして被覆電線60が電線持ち上げ片16上に乗り上げて電線持ち上げ片16上で支持される。
また、特に図6から明らかなように、電線圧接刃14,14に圧接された被覆電線60が電線加締片17,17により加締められる際に、当該被覆電線60により電線持ち上げ片16がその先端部を底板部12に向けて変位するように曲げられる。
図5に示されるように、電線持ち上げ片16上で支持された被覆電線60の部分の軸線位置C2は、電線加締片17,17によって加締められることにより電線圧接部15において底板部12側に押圧された被覆電線60の部分の軸線位置C1よりも底板部12に対して高い。
圧接端子10は、相手方端子(不図示)と電気的に接続するための電気接続部19が底板部12の前端部に形成され、電線持ち上げ片16が底板部12の後端部に形成され、そして底板部12の前端部と後端部との間に電線圧接部15および電線加締片17,17が形成されている。
このように構成された圧接端子10の詳細について以下で説明する。
図1〜図3に示されるように、圧接端子10は、一枚の導電性金属板材に、打ち抜き加工および折り曲げ加工を含むプレス成形を施すことにより、一体的に形成された端子本体20に、上述の電気接続部19と、上述の電線圧接刃14,14を含む電線圧接部15と、上述の電線加締片17,17を含む加締部21と、上述の電線持ち上げ片16を含む電線持ち上げ部22と、を備えている。
電線持ち上げ片16は、電線加締片17,17、および圧接端子10を収容可能なコネクタハウジングを備えたコネクタの電線押え部と協働し、引っ張り応力を含む被覆電線60への応力による電線圧接刃14,14と導体部61との電気的接続への影響を阻止するためのストレインリリーフ構造を形成する。
圧接端子10を収容可能なコネクタハウジングを備えたコネクタとしては、例えば図22に示されるような端子収容室を有するコネクタハウジングと該コネクタハウジングに嵌合ロックされた際に電線押え部で被覆電線を押圧するカバーとを備えた圧接コネクタを、圧接端子10が収容可能な寸法を持つように適宜変形したものが挙げられる。しかしながら、コネクタハウジングが、電線押え部が形成されたカバー部をヒンジで一体に連結して備えた圧接コネクタであってもよい。
電気接続部19は、端子本体20の前端部に配置されており、端子本体20の底板部12の前端部を含めて中空の四角柱状に折り曲げ加工されることで雌型の電気接続部として形成されている。電気接続部19には、相手方端子の雄型の電気接続部が挿入され、電気的に接続される。尚、電気接続部19は、雌型でなくともよく、雄型であってもよい。また、電気接続部19は、端子本体20を例えばL字形に形成した場合、その一端部に形成されるものであってもよい。
電気接続部19の後方に形成された電線圧接部15の電線圧接刃14,14は、側板部13,13をその厚さ方向に貫通して形成された窓部23,23の縁からそれぞれ内側(即ち、側板部13,13の間)に突出するように折り曲げ加工される。電線圧接刃14,14の対向する先端面の間隔は被覆電線60の導体部61の外径よりも小さい。
電線圧接部15の後方に形成された加締部21の電線加締片17,17は、それらの後端面が前端面よりも長くなるように形成されている。加締部21の後方に形成された電線持ち上げ部22の電線持ち上げ片16は、端子本体20の後端に配置されている。
次に、図4を参照して、圧接端子10の製造工程について説明する。尚、図4では、左側に打ち抜き加工直後の圧接端子が示され、そして右側に、更に折り曲げ加工が施された直後の圧接端子が示される。
製造工程には、導電性金属板材である母材80が用いられ、まず、母材80に対し、打ち抜き加工を行なうことで、ランナ81に接続された端子本体20が形成される。この状態の端子本体20は、底板部12と、電気接続部19、電線圧接部15、加締部21、および電線持ち上げ部16を有する側板部13,13と、を備えた平板片である。
この状態の端子本体20では、中空の四角柱状の電気接続部19を作り出すための第1,第2,第3,第4,第5板部82,83,84,85,86が形成され、電線圧接部15にはコ字形状の窓部(スリット)23,23,23,23によって電線圧接刃14,14,14,14がそれぞれ形成され、加締部21には電線加締片17,17がそれぞれ形成され、そして電線持ち上げ部22には電線持ち上げ片16が形成される。このとき、第3板部84には、相手方端子の雄型の電気接続部に接続される弾性接続片24を作り出すための舌片状板部87が連続して形成される。
次に、この状態の端子本体20に折り曲げ加工が施され、図4の右側に示される状態となり、最後に切断線88に沿ってランナ81から切断することで圧接端子10のプレス成形が完了する。
このように圧接端子10の製造は、導電性金属板材をプレス成形することにより容易になされる。
図5に示すように、圧接端子10へは被覆電線60の端末部が電気的に接続される。即ち、圧接により電線圧接刃14,14が絶縁外皮62を切り破って被覆電線60に食い込み、被覆電線60が電線加締片17,17により加締められ、そして電線持ち上げ片16上に被覆電線60が載置される。これにより、被覆電線60の端末部は圧接端子10上で略S字の状態で固着される。
さて、電線持ち上げ部22において、被覆電線60の加締め時の応力や被覆電線60が後方に引っ張られることで与えられた引っ張り応力は、図6中の矢印D方向である底板部12に向けた方向に主にかかり、図6中の矢印E方向である片持ち状の電線持ち上げ片16の突出方向にも幾らかかかる。これにより、電線持ち上げ片16の先端部は、底板部12に近づく方向に変形する。
以上、説明したように、圧接端子10によれば、被覆電線60に対する電線加締片17,17による加締め高さに追従して電線持ち上げ片16が底板部12に対して変位可能(即ち、底板部12に向かって倒れこみ可能)であるため、電線固着力のバラツキが抑えられる。従って、電線加締片17,17と電線持ち上げ片16との間の距離を縮められるため、ストレインリリーフ構造の小型化を図ることができ、これにより圧接端子10を小型化することができる。更に、電線持ち上げ片16が底板部12に対して変位可能であるため、被覆電線60へのダメージを軽減できる。その上、電線圧接部15において電線圧接刃14,14により圧接された被覆電線60の後方への(即ち、電線持ち上げ片16の方への)引っ張り時にも、被覆電線60に追従して電線持ち上げ片16が底板部12に対して変位可能(即ち、底板部12に向かって倒れこみ可能)であるため、被覆電線60の破断による電線固着力のバラツキも抑えられる。また、圧接端子10によれば、電線持ち上げ片16が電線加締片17,17の後方に配置されるので、電線圧接刃14,14と電線加締片17,17との間の被覆電線60の部分を略直線状に延長させることができ、よって電線圧接部15と被覆電線60の導体部61との電気的接続を安定させることができる。
尚、電線圧接部15において電線圧接刃14,14により圧接されている被覆電線60が後方へ(即ち、電線持ち上げ片16の方へ)引っ張られると、電線圧接刃14,14を後方へ倒れさせようとする応力が働く(電線圧接刃14,14の後方への倒れこみは被覆電線60との不完全な電気的接続を招く。)ことにより、当該電線圧接刃14,14が形成されている側板部13,13を互いに向かって倒れる方向に変形させようとする応力が働く。しかし、この際、その引っ張り応力の方向と交差する方向に電線持ち上げ片16が曲げられているため、電線圧接部14,14の変形が阻止される。
このように、圧接端子10によれば、電線圧接部15における被覆電線60との安定した電気的接続を得ることができる。
また、圧接端子10の製造は、導電性金属板材をプレス成形することにより容易になされる。
また、この圧接端子10によれば、電線持ち上げ片16上で支持された被覆電線60の部分の軸線位置C2が、電線加締片17,17によって加締められることにより電線圧接部15において底板部12側に押圧された被覆電線60の部分の軸線位置C1よりも底板部12に対して高いので、被覆電線60を曲がった状態で係止するストレインリリーフ構造に好適である。
また、相手方端子と電気的に接続するための電気接続部19が底板部12の前端部に形成され、電線持ち上げ片16が底板部12の後端部に形成され、そして底板部12の前端部と後端部との間に電線圧接部15および電線加締片17,17が形成されている圧接端子10は、ストレインリリーフ構造を協働して形成するコネクタに収容される圧接端子として好適である。
即ち、このような圧接端子10は、電線持ち上げ片16が、圧接端子10を収容可能なコネクタハウジングを備えたコネクタの電線押え部、および電線加締片17,17と協働し、引っ張り応力を含む被覆電線60への応力による電線圧接刃14,14と導体部61との電気的接続への影響を阻止するためのストレインリリーフ構造を形成する。
(圧接端子10の第1変形例)
次に、図7〜図11を参照して、圧接端子10の第1変形例について説明する。
図7は圧接端子10の第1変形例を示す、前方斜め上から見た外観斜視図、図8は図7の圧接端子の一部破断外観斜視図、図9は図7の圧接端子の後面図、図10は図7の圧接端子に被覆電線を接続した状態を示す縦断面図(前端部省略。)、そして図11は図7の圧接端子に被覆電線を接続した状態で、図10に示されるXI−XI線の所でカットした場合の矢視断面図である。
図7〜図11に示されるように、この第1変形例と図1〜図6に示したものとの相違点は、電線持ち上げ片16が、その延長された先端部に底板部12に当接する先端弾性支持部25を備えていることである。より詳細に、該相違点としては、電線持ち上げ片16が底板部12と対向しながら側板部13,13の他方側へ延長するように曲げられ且つ更に電線持ち上げ片16の先端部が底板部12に向けて曲げられ、これにより先端弾性支持部25が形成され、当該先端弾性支持部25が底板部12に常時当接しており、そして電線圧接刃14,14に圧接された被覆電線60が電線加締片17,17により加締められる際に、電線持ち上げ片16が、被覆電線60によって底板部12に向けて押圧されることにより、電線持ち上げ片16上に載った被覆電線60の部分を底板部12側へ近づけるように、変形する点、である。尚、この第1変形例は、電線持ち上げ片16の一部形状が異なるだけであり、その他の部分については、図1〜図6に示したものと同様であるので、同一部分には同一符号を付して説明を簡略化あるいは省略する。
この第1変形例では、電線持ち上げ片16が、その天板部と底板部12との間に先端弾性支持部25が位置するように、略V字形に折り曲げ成形されているので、電線持ち上げ片16の上方から応力が加えられた際に主に弾性変形する。尚、先端弾性支持部25は、電線圧接刃14,14に圧接された被覆電線60が電線加締片17,17により加締められる際に、底板部12に当接するように底板部12との間に僅かな隙間(例えば、0.05mm程度)を持って近接している形態を採ったものであってもよい。
図10に示すように、圧接端子10へは被覆電線60の端末部が電気的に接続される。即ち、圧接により電線圧接刃14,14が絶縁外皮62を切り破って被覆電線60に食い込み、被覆電線60が電線加締片17,17により加締められ、そして電線持ち上げ片16上に被覆電線60が載置される。これにより、被覆電線60の端末部は圧接端子10上で略S字の状態で固着される。
尚、電線持ち上げ部22において、被覆電線60の加締め時の応力や被覆電線60が後方に引っ張られることで与えられた引っ張り応力は、図11中の矢印D方向である底板部12に向けた方向に主にかかり、図11中の矢印E方向である片持ち状の電線持ち上げ片16の突出方向にも幾らかかかる。これにより、電線持ち上げ片16は底板部12に近づく方向に変形し、そして更に先端弾性支持部25が弾性変形することで応力を吸収する。
また、圧接端子10の第1変形例の製造は、図4に基づいた説明の通り、一枚の導電性金属板材をプレス成形することにより容易になされる。
以上、説明したように、圧接端子10の第1変形例によれば、板バネのように作用する電線持ち上げ片の先端部(即ち、先端弾性支持部25)によって、電線持ち上げ片16への衝撃を確実に吸収することができる。その他の作用や効果については、図1〜図6に関する説明から容易に類推可能であるため説明を省略する。
(圧接端子10の第2変形例)
次に、図12〜図17を参照して、圧接端子10の第2変形例について説明する。
図12は圧接端子10の第2変形例を示す、前方斜め上から見た外観斜視図、図13は図12の圧接端子の縦断面図、図14は図12の圧接端子の一部破断外観斜視図、図15は図12の圧接端子の後面図、図16は図12の圧接端子に被覆電線を接続した状態を示す縦断面図(前端部省略。)、そして図17は図12の圧接端子に被覆電線を接続した状態で、図16に示されるXVII−XVII線の所でカットした場合の矢視断面図である。
図12〜図17に示されるように、この第2変形例と図1〜図6に示したものとの相違点は、電線持ち上げ片16が、その延設された側部に底板部12に当接する側部弾性支持部26を備えていることである。より詳細に、該相違点としては、電線持ち上げ片16が底板部12と対向しながら側板部13,13の他方側へ延長するように曲げられ且つ更に電線持ち上げ片16の側部が底板部12に向けて曲げられ、これにより側部弾性支持部26が形成され、当該側部弾性支持部26が底板部12に常時当接しており、そして電線圧接刃14,14に圧接された被覆電線60が電線加締片17,17により加締められる際に、電線持ち上げ片16が、被覆電線60によって底板部12に向けて押圧されることにより、電線持ち上げ片16上に載った被覆電線60の部分を底板部12側へ近づけるように、変形する点、である。尚、この第2変形例は、電線持ち上げ片16の一部形状が異なるだけであり、その他の部分については、図1〜図6に示したものと同様であるので、同一部分には同一符号を付して説明を簡略化あるいは省略する。
この第2変形例では、電線持ち上げ片16が、その天板部と底板部12との間に側部弾性支持部26が位置するように、略V字形に折り曲げ成形されているので、電線持ち上げ片16の上方から応力が加えられた際に主に弾性変形する。尚、側部弾性支持部26は、電線圧接刃14,14に圧接された被覆電線60が電線加締片17,17により加締められる際に、底板部12に当接するように底板部12との間に僅かな隙間(例えば、0.05mm程度)を持って近接している形態を採ったものであってもよい。
図16に示すように、圧接端子10へは被覆電線60の端末部が電気的に接続される。即ち、圧接により電線圧接刃14,14が絶縁外皮62を切り破って被覆電線60に食い込み、被覆電線60が電線加締片17,17により加締められ、そして電線持ち上げ片16上に被覆電線60が載置される。これにより、被覆電線60の端末部は圧接端子10上で略S字の状態で固着される。
尚、電線持ち上げ部22において、被覆電線60の加締め時の応力や被覆電線60が後方に引っ張られることで与えられた引っ張り応力は、図17中の矢印D方向である底板部12に向けた方向に主にかかり、図17中の矢印E方向である片持ち状の電線持ち上げ片16の突出方向にも幾らかかかる。これにより、電線持ち上げ片16は底板部12に近づく方向に変形し、そして更に側部弾性支持部26が弾性変形することで応力を吸収する。
また、圧接端子10の第2変形例の製造は、図4に基づいた説明の通り、一枚の導電性金属板材をプレス成形することにより容易になされる。
以上、説明したように、圧接端子10の第2変形例によれば、板バネのように作用する電線持ち上げ片の側部(即ち、側部弾性支持部26)によって、電線持ち上げ片16への衝撃を確実に吸収することができる。その他の作用や効果については、図1〜図6に関する説明から容易に類推可能であるため説明を省略する。
(第2実施形態)
次に、図18〜図21を参照して、本発明の圧接端子の第2実施形態について説明する。
図18は本発明の圧接端子の第2実施形態を示す、前方斜め上から見た外観斜視図、図19は図18の圧接端子を後方斜め上から見た外観斜視図(前端部省略。)、図20は図18の圧接端子に被覆電線を接続した状態を示す縦断面図(前端部省略。)、そして図21は図18の圧接端子に被覆電線を接続した状態で、図20に示されるXXI−XXI線の所でカットした場合の矢視断面図である。尚、上述した圧接端子10と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素等については、図中に同一符号あるいは相当符号を付すことによって説明を簡略化あるいは省略する。
図18〜図21に示されるように、本発明の第2実施形態である圧接端子30と図1〜図6に示したものとの相違点は、電線持ち上げ部22に、側板部13,13それぞれから内側に切り起こされた一対の電線持ち上げ片31,31を備えていることである。より詳細に、該相違点としては、電線持ち上げ片31,31が、それらの先端面33,33を互いに向かい合わせにし、底板部12と対向しながら延長するように曲げられており、そして電線圧接刃14,14に圧接された被覆電線60が電線加締片17,17により加締められる際に、当該被覆電線60により電線持ち上げ片31,31がそれらの先端部を底板部12に向けて変位するように曲げられる点、である。
一対の電線持ち上げ片31,31は、特に図19から明らかなように、電線圧接部15と電線加締片17,17と電線持ち上げ片31,31とが連設された側板部13,13の底板部12の両側縁に接続する部分32,32の上端の所それぞれから底板部12の上で互いに向かい合うように曲げられている。電線持ち上げ片31,31の先端面33,33は、僅かな隙間(例えば、0.05mm程度)を持って近接している。
図20および図21に示すように、圧接端子30へは被覆電線60の端末部が電気的に接続される。即ち、圧接により電線圧接刃14,14が絶縁外皮62を切り破って被覆電線60に食い込み、被覆電線60が電線加締片17,17により加締められ、そして電線持ち上げ片31,31上に被覆電線60が載置される。これにより、被覆電線60の端末部は圧接端子30上で略S字の状態で固着される。
図20に示されるように、電線持ち上げ片31,31上で支持された被覆電線60の部分の軸線位置C2は、電線加締片17,17によって加締められることにより電線圧接部15において底板部12側に押圧された被覆電線60の部分の軸線位置C1よりも底板部12に対して高い。
尚、電線持ち上げ部22において、被覆電線60の加締め時の応力や被覆電線60が後方に引っ張られることで与えられた引っ張り応力は、図21中の矢印D方向である底板部12に向けた方向に主にかかり、図21中の矢印E方向である片持ち状の電線持ち上げ片31,31の突出方向にも幾らかかかる。これにより、電線持ち上げ片31,31は底板部12に近づく方向に変形する。
以上、説明したように、圧接端子30によれば、被覆電線60に対する電線加締片17,17による加締め高さに追従して電線持ち上げ片31,31が底板部12に対して変位可能(即ち、底板部12に向かって倒れこみ可能)であるため、電線固着力のバラツキが抑えられる。従って、電線加締片17,17と電線持ち上げ片31,31との間の距離を縮められるため、ストレインリリーフ構造の小型化を図ることができ、これにより圧接端子30を小型化することができる。更に、電線持ち上げ片31,31が底板部12に対して変位可能であるため、被覆電線60へのダメージを軽減できる。その上、電線圧接部15において電線圧接刃14,14により圧接された被覆電線60の後方への(即ち、電線持ち上げ片31,31の方への)引っ張り時にも、被覆電線60に追従して電線持ち上げ片31,31が底板部12に対して変位可能(即ち、底板部12に向かって倒れこみ可能)であるため、被覆電線60の破断による電線固着力のバラツキも抑えられる。また、圧接端子30によれば、電線持ち上げ片31,31が電線加締片17,17の後方に配置されるので、電線圧接刃14,14と電線加締片17,17との間の被覆電線60の部分を略直線状に延長させることができ、よって電線圧接部15と被覆電線60の導体部61との電気的接続を安定させることができる。
尚、電線圧接部15において電線圧接刃14,14により圧接されている被覆電線60が後方へ(即ち、電線持ち上げ片31,31の方へ)引っ張られると、電線圧接刃14,14を後方へ倒れさせようとする応力が働く(電線圧接刃14,14の後方への倒れこみは被覆電線60との不完全な電気的接続を招く。)ことにより、当該電線圧接刃14,14が形成されている側板部13,13を互いに向かって倒れる方向に変形させようとする応力が働く。しかし、この際、その引っ張り応力の方向と交差する方向に電線持ち上げ片31,31が曲げられているため、電線圧接部14,14の変形が阻止される。
このように、圧接端子30によれば、電線圧接部15における被覆電線60との安定した電気的接続を得ることができる。
また、圧接端子30の製造は、図4に基づいた説明の通り、一枚の導電性金属板材をプレス成形することにより容易になされる。
また、この圧接端子30によれば、電線持ち上げ片31,31上で支持された被覆電線60の部分の軸線位置C2が、電線加締片17,17によって加締められることにより電線圧接部15において底板部12側に押圧された被覆電線60の部分の軸線位置C1よりも底板部12に対して高いので、被覆電線60を曲がった状態で係止するストレインリリーフ構造に好適である。
また、相手方端子と電気的に接続するための電気接続部19が底板部12の前端部に形成され、電線持ち上げ片31,31が底板部12の後端部に形成され、そして底板部12の前端部と後端部との間に電線圧接部15および電線加締片17,17が形成されている圧接端子30は、ストレインリリーフ構造を協働して形成するコネクタに収容される圧接端子として好適である。
即ち、このような圧接端子30は、電線持ち上げ片31,31が、圧接端子30を収容可能なコネクタハウジングを備えたコネクタの電線押え部、および電線加締片17,17と協働し、引っ張り応力を含む被覆電線60への応力による電線圧接刃14,14と導体部61との電気的接続への影響を阻止するためのストレインリリーフ構造を形成する。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数値、形態、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
例えば、上述した実施形態では電線持ち上げ部22が端子本体20(底板部12)の後端に配置されていたが、電線持ち上げ部20から底板部12や側板部13,13が更に後方に延長された後端部を備えた形態であってもよい。
本発明は、被覆電線に対する安定した電気的接続が得られる効果を奏するので、ストレインリリーフ構造を形成するための圧接端子に有用である。
本発明の圧接端子の第1実施形態を示す、前方斜め上から見た外観斜視図である。 図1の圧接端子を後方斜め上から見た外観斜視図(前端部省略。)である。 図2の圧接端子の縦断面図(前端部省略。)である。 図1の圧接端子の製造工程を説明するための平面図である。 図1の圧接端子に被覆電線を接続した状態を示す縦断面図(前端部省略。)である。 図1の圧接端子に被覆電線を接続した状態で、図5に示されるVI−VI線の所でカットした場合の矢視断面図である。 図1の圧接端子の第1変形例を示す、前方斜め上から見た外観斜視図である。 図7の圧接端子の一部破断外観斜視図である。 図7の圧接端子の後面図である。 図7の圧接端子に被覆電線を接続した状態を示す縦断面図(前端部省略。)である。 図7の圧接端子に被覆電線を接続した状態で、図10に示されるXI−XI線の所でカットした場合の矢視断面図である。 図1の圧接端子の第2変形例を示す、前方斜め上から見た外観斜視図である。 図12の圧接端子の縦断面図である。 図12の圧接端子の一部破断外観斜視図である。 図12の圧接端子の後面図である。 図12の圧接端子に被覆電線を接続した状態を示す縦断面図(前端部省略。)である。 図12の圧接端子に被覆電線を接続した状態で、図16に示されるXVII−XVII線の所でカットした場合の矢視断面図である。 本発明の圧接端子の第2実施形態を示す、前方斜め上から見た外観斜視図である。 図18の圧接端子を後方斜め上から見た外観斜視図(前端部省略。)である。 図18の圧接端子に被覆電線を接続した状態を示す縦断面図(前端部省略。)である。 図18の圧接端子に被覆電線を接続した状態で、図20に示されるXXI−XXI線の所でカットした場合の矢視断面図である。 従来の圧接コネクタの縦断面図である。
符号の説明
10,30 圧接端子
12 底板部
13 側板部
14 電線圧接刃
15 電線圧接部
16,31 電線持ち上げ片
17 電線加締片
25 先端弾性支持部
26 側部弾性支持部
60 被覆電線
61 導体部
62 絶縁外皮

Claims (6)

  1. 少なくとも一対の電線圧接刃を含む電線圧接部を端子本体に備え、被覆電線の線状の導体部の外周面を被覆する絶縁外皮を切除せずに前記被覆電線を前記電線圧接刃の間に圧入することにより前記電線圧接刃で前記絶縁外皮を貫くとともに前記導体部を挟持させることによって前記被覆電線の導体部と電気的に接続する圧接端子であって、
    前記端子本体が、
    底板部と、
    前記底板部の両側縁から対向しながら上方へ延長するように立設された少なくとも一対の側板部と、
    前記側板部の少なくとも一方から内側に切り起こされた電線持ち上げ片と、
    前記電線圧接部と前記電線持ち上げ片との間に形成された電線加締片と、
    を有し、
    前記電線持ち上げ片が、該電線持ち上げ片の先端部を前記側板部の他方に向けて、前記底板部と対向しながら延長するように曲げられており、そして
    前記電線圧接刃に圧接された前記被覆電線が前記電線加締片により加締められる際に、当該被覆電線により前記電線持ち上げ片が該電線持ち上げ片の先端部を前記底板部に向けて変位するように曲げられることを特徴とする圧接端子。
  2. 少なくとも一対の電線圧接刃を含む電線圧接部を端子本体に備え、被覆電線の線状の導体部の外周面を被覆する絶縁外皮を切除せずに前記被覆電線を前記電線圧接刃の間に圧入することにより前記電線圧接刃で前記絶縁外皮を貫くとともに前記導体部を挟持させることによって前記被覆電線の導体部と電気的に接続する圧接端子であって、
    前記端子本体が、
    底板部と、
    前記底板部の両側縁から対向しながら上方へ延長するように立設された少なくとも一対の側板部と、
    前記側板部の一方から内側に切り起こされた電線持ち上げ片と、
    前記電線圧接部と前記電線持ち上げ片との間に形成された電線加締片と、
    を有し、
    前記電線持ち上げ片が前記底板部と対向しながら前記側板部の他方側へ延長するように曲げられ且つ更に前記電線持ち上げ片の先端部が前記底板部に向けて曲げられており、
    前記電線持ち上げ片の先端部が、前記底板部に当接しているか、あるいは、前記電線圧接刃に圧接された前記被覆電線が前記電線加締片により加締められる際に前記底板部に当接するように前記底板部との間に僅かな隙間を持って近接しており、そして
    前記電線圧接刃に圧接された前記被覆電線が前記電線加締片により加締められる際に、前記電線持ち上げ片が、前記被覆電線によって前記底板部に向けて押圧されることにより、前記電線持ち上げ片上に載った前記被覆電線の部分を前記底板部側へ近づけるように、変形することを特徴とする圧接端子。
  3. 少なくとも一対の電線圧接刃を含む電線圧接部を端子本体に備え、被覆電線の線状の導体部の外周面を被覆する絶縁外皮を切除せずに前記被覆電線を前記電線圧接刃の間に圧入することにより前記電線圧接刃で前記絶縁外皮を貫くとともに前記導体部を挟持させることによって前記被覆電線の導体部と電気的に接続する圧接端子であって、
    前記端子本体が、
    底板部と、
    前記底板部の両側縁から対向しながら上方へ延長するように立設された少なくとも一対の側板部と、
    前記側板部の一方から内側に切り起こされた電線持ち上げ片と、
    前記電線圧接部と前記電線持ち上げ片との間に形成された電線加締片と、
    を有し、
    前記電線持ち上げ片が前記底板部と対向しながら前記側板部の他方側へ延長するように曲げられ且つ更に前記電線持ち上げ片の側部が前記底板部に向けて曲げられており、
    前記電線持ち上げ片の側部が、前記底板部に当接しているか、あるいは、前記電線圧接刃に圧接された前記被覆電線が前記電線加締片により加締められる際に前記底板部に当接するように前記底板部との間に僅かな隙間を持って近接しており、そして
    前記電線圧接刃に圧接された前記被覆電線が前記電線加締片により加締められる際に、前記電線持ち上げ片が、前記被覆電線によって前記底板部に向けて押圧されることにより、前記電線持ち上げ片上に載った前記被覆電線の部分を前記底板部側へ近づけるように、変形することを特徴とする圧接端子。
  4. 前記端子本体が、導電性金属板材をプレス成形することにより一体的に形成されており、そして前記電線圧接部の前記電線圧接刃が、前記側板部それぞれから内側に切り起こされるとともに、当該電線圧接部の先端面を前記底板部の上で向かい合わせにしながら前記底板部の上方へ延長するように、配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載した圧接端子。
  5. 前記電線持ち上げ片上で支持された前記被覆電線の部分の軸線位置が、前記電線加締片によって加締められることにより前記電線圧接部において前記底板部側に押圧された前記被覆電線の部分の軸線位置よりも前記底板部に対して高いことを特徴とする請求項4に記載した圧接端子。
  6. 相手方端子と電気的に接続するための電気接続部が前記底板部の前端部に形成され、前記電線持ち上げ片が該底板部の後端部に形成され、そして前記底板部の前端部と後端部との間に前記電線圧接部および前記電線加締片が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載した圧接端子。
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