JP2007113430A - 斜板式圧縮機 - Google Patents

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豊 長谷川
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Abstract

【課題】 斜板とシューとの摺接部で発生した熱の放熱効率向上策が施された斜板式圧縮機を提供する。
【解決手段】 回転軸と、回転軸により駆動される斜板と、斜板の外周縁部を相対摺動可能に挟持する一対のシューを介して斜板に作動係合すると共にシリンダボアに挿入されてシリンダボア内で往復動するピストンと、シリンダボアに連通する吸入室と吐出室と、回転軸と斜板とピストンと吸入室と吐出室とを収容するハウジングとを備え、斜板の表面積を増加させる放熱部が斜板に形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、斜板式圧縮機に関するものである。
回転軸と、回転軸により駆動される斜板と、斜板の外周縁部を相対摺動可能に挟持する一対のシューを介して斜板に作動係合すると共にシリンダボアに挿入されてシリンダボア内で往復動するピストンと、シリンダボアに連通する吸入室と吐出室と、回転軸と斜板とピストンと吸入室と吐出室とを収容するハウジングとを備える斜板式圧縮機が、特許文献1等に開示されている。
実開昭63−174579
斜板とシューとの摺接部の焼き付きを防止するため、潤滑油や固体潤滑剤による該部の発熱抑制が従来から行なわれている。他方、斜板とシューとの摺接部で発生した熱の放熱効率の向上は、従来行なわれていない。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、斜板とシューとの摺接部で発生した熱の放熱効率向上策が施された斜板式圧縮機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明においては、回転軸と、回転軸により駆動される斜板と、斜板の外周縁部を相対摺動可能に挟持する一対のシューを介して斜板に作動係合すると共にシリンダボアに挿入されてシリンダボア内で往復動するピストンと、シリンダボアに連通する吸入室と吐出室と、回転軸と斜板とピストンと吸入室と吐出室とを収容するハウジングとを備え、斜板の表面積を増加させる放熱部が斜板に形成されていることを特徴とする斜板式圧縮機を提供する。
斜板の表面積を増加させる放熱部を斜板に形成することにより、斜板とシューとの摺接部で発生した熱の放熱効率を向上させることができる。
本発明の好ましい態様においては、放熱部は、斜板の外周側面から径方向内方へ延びる複数の穴である。
斜板の外周側面から径方向内方へ延びる複数の放射状の穴を斜板に形成し、斜板の表面積を増加させることにより、斜板とシューとの摺接部で発生した熱の放熱効率を向上させることができる。
斜板の肉厚中心部は斜板の曲げ剛性に余り寄与しないので、斜板の外周側面から径方向内方へ延びる穴を複数形成しても斜板の曲げ強度は余り低下しない。従って、放射状穴を複数形成しても、圧縮反力は支障無く斜板を経由してハウジングに伝達される。
本発明の好ましい態様においては、放熱部は、斜板の外周側面に形成された周溝である。
本発明の好ましい態様においては、放熱部は、斜板のシュー摺接面を除く表面に形成された多数の凹部である。
本発明の好ましい態様においては、放熱部は、斜板のシュー摺接面を除く表面に形成された多数の突起である。
本発明の好ましい態様においては、放熱部は、斜板のシュー摺接面を除く表面に形成された多数の溝である。
斜板の外周側面に周溝を形成し、或いは斜板のシュー摺接面を除く表面に多数の凹部を形成し、或いは斜板のシュー摺接面を除く表面に多数の突起を形成し、或いは斜板のシュー摺接面を除く表面に多数の溝を形成することにより、シューの作動を妨げることなく、斜板とシューとの摺接部で発生した熱の放熱効率を向上させることができる。
本発明により、斜板とシューとの摺接部で発生した熱の放熱効率向上策が施された斜板式圧縮機が提供される。
本発明の実施例に係る斜板式圧縮機を説明する。
図1に示すように、斜板式圧縮機Aは、回転軸10と、回転軸10に固定されたローター11と、傾角可変に回転軸10に支持された斜板12とを備えている。斜板12は、斜板12の傾角変動を許容するリンク機構13を介してローター11に連結され、ローター11ひいては回転軸10に同期して回転する。
斜板12は、円環板12aと、円環板12aの中央穴に嵌合して円環板12aに固定されると共に回転軸10により貫通され且つリンク機構13に係合するボス部12bとを有している。図1、2に示すように、円環板12aに、外周側面から径方向内方へ延び内周側面に到達するる放射状の複数の穴12cが形成されている。
斜板12の周縁部に摺接する一対のシュー14を介してピストン15が斜板12に係留されている。ピストン15は、シリンダブロック16に形成されたシリンダボア16aに挿入されている。
ローター11とリンク機構13と斜板12とシュー14とピストン15とは、回転軸10により駆動される圧縮機構を形成している。
回転軸10、ローター11、リンク機構13、斜板12、シュー14を収容するクランク室17を形成する有底円筒状のフロントハウジング18が配設されている。
回転軸10の一端は、フロントハウジングのボス部18aを貫通して外部へ延びている。フロントハウジングのボス部18aの貫通穴と当該貫通穴に挿通された回転軸との間の隙間をシールする軸封装置19が配設されている。
外部駆動源の回転動力を回転軸10の一端に伝達する電磁クラッチ20が、フロントハウジングのボス部18aに取り付けられている。
吸入孔21aと吐出孔21bとが形成されると共に、吸入孔21aを開閉する吸入弁と吐出孔21bを開閉する吐出弁とを有し、シリンダブロック16の一端に対峙する弁板21が配設されている。
吸入孔21aと吸入弁とを介してシリンダボア16aに連通する吸入室22aと、吐出弁と吐出孔21bとを介してシリンダボア16aに連通する吐出室22bとを有し、弁板21に対峙するリアハウジング22が配設されている。吸入室22aは吸入ポート23を介して図示しない車両空調装置の蒸発器に接続し、吐出室22bは図示しない吐出ポートを介して図示しない車両空調装置の凝縮器に接続している。
フロントハウジング18、シリンダブロック16、弁板21、リアハウジング22は、ボルト24により一体に組み付けられている。
フロントハウジング18、シリンダブロック16、リアハウジング22は、協働して、回転軸10、ローター11、斜板12、シュー14、ピストン15、シリンダボア16a、吸入室22a、吐出室22bを収容するハウジングを形成している。
斜板式圧縮機Aは、吐出室22bとクランク室17とを連通させる給気通路を開閉する容量制御弁25と、クランク室17と吸入室22aとを連通させる排気通路26と、排気通路連26に配設された絞り27とを備えている。
斜板式圧縮機Aにおいては、図示しない外部駆動源の回転動力が電磁クラッチ20を介して回転軸10に伝達され、回転軸10の回転がローター11、リンク機構13を介して斜板12に伝達される。斜板12の回転に伴う斜板12周縁部の回転軸10延在方向の往復動が、シュー14を介してピストン15に伝達され、ピストン15がシリンダボア16a内で往復動する。車両空調装置の蒸発器から還流した冷媒ガスが、吸入ポート23と吸入室22aと吸入孔21aと吸入弁とを介してシリンダボア16aへ吸入され、シリンダボア16a内で圧縮され、吐出孔21bと吐出弁と吐出室22bと図示しない吐出ポートとを介して車両空調装置の凝縮器へ流出する。
容量制御弁25の作動により、吐出室21bとクランク室17との間の給気通路が開閉されて、吐出圧のクランク室17への導入が切り入りされ、クランク室圧力が制御されて斜板12の傾角が可変制御され、圧縮機の吐出容量が可変制御される。
斜板式圧縮機Aにおいては、斜板12の円環板12aに、外周側面から径方向内方へ延び内周側面に到達する放射状の複数の穴12cを形成して、斜板12の表面積を増加させることにより、斜板12とシュー14との摺接部で発生した熱の放熱効率を向上させている。この結果、シュー14の焼き付きが効果的に防止されている。
円環板12aの肉厚中心部は円環板12aの曲げ剛性に余り寄与しないので、円環板12aに放射状の穴12cを複数形成しても円環板12aの曲げ強度は余り低下しない。従って、放射状の穴12cを複数形成しても、圧縮反力は支障無く斜板12と、リンク機構13とローター11とを経由してフロントハウジング18に伝達される。
放射状の穴12cに代えて、円環板12aの外周側面に周溝を形成し、或いは円環板12aのシュー摺接面を除く表面に多数の凹部を形成し、或いは円環板12aのシュー摺接面を除く表面に多数の突起を形成し、或いは円環板12aのシュー摺接面を除く表面に多数の周溝や放射溝を形成して、斜板12の表面積を増加させても良い。
シュー14の作動を妨げることなく、斜板12とシュー14との摺接部で発生した熱の放熱効率を向上させることができる。
本発明は、固定容量斜板式圧縮機、可変容量斜板式圧縮機、片頭ピストン型斜板式圧縮機、双頭ピストン型斜板式圧縮機に利用可能である。
本発明の実施例に係る斜板式圧縮機の断面図である。 本発明の実施例に係る斜板式圧縮機が備える斜板の部分正面図である。
符号の説明
A 斜板式圧縮機
10 回転軸
11 ローター
12 斜板
12a 円環板
12c 穴
13 リンク機構
14 シュー
15 ピストン
16 シリンダブロック
18 フロントハウジング
19 軸封装置
20 電磁クラッチ
22 リアハウジング

Claims (6)

  1. 回転軸と、回転軸により駆動される斜板と、斜板の外周縁部を相対摺動可能に挟持する一対のシューを介して斜板に作動係合すると共にシリンダボアに挿入されてシリンダボア内で往復動するピストンと、シリンダボアに連通する吸入室と吐出室と、回転軸と斜板とピストンと吸入室と吐出室とを収容するハウジングとを備え、斜板の表面積を増加させる放熱部が斜板に形成されていることを特徴とする斜板式圧縮機。
  2. 放熱部は、斜板の外周側面から径方向内方へ延びる複数の放射状の穴であることを特徴とする請求項1に記載の斜板式圧縮機。
  3. 放熱部は、斜板の外周側面に形成された周溝であることを特徴とする請求項1に記載の斜板式圧縮機。
  4. 放熱部は、斜板のシュー摺接面を除く表面に形成された多数の凹部であることを特徴とする請求項1に記載の斜板式圧縮機。
  5. 放熱部は、斜板のシュー摺接面を除く表面に形成された多数の突起であることを特徴とする請求項1に記載の斜板式圧縮機。
  6. 放熱部は、斜板のシュー摺接面を除く表面に形成された多数の溝であることを特徴とする請求項1に記載の斜板式圧縮機。
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