JP2007113202A - 上部構造を支持する基礎構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】杭先端が支持層に達しない深さに設定して地盤中に建て込んだ複数本の摩擦杭と、該摩擦杭の杭頭部とつながる基礎スラブとからなる上部構造を支持する基礎であって、 次式(1) W=(x−4)×15 kN/m2 ・・・・式(1) 但し、Wは上部構造で考慮する荷重を示す。 xは上部構造の地上階数を示す。から上部構造で考慮する荷重Wを求め、この荷重Wに対して、前記基礎スラブ底面の接地圧及び前記摩擦杭の周面摩擦力の合力で前記上部構造を支持する構成とした上部構造を支持する基礎構造。
【選択図】図6
Description
を基礎スラブ底面の接地圧と摩擦杭の周面摩擦力が協働して支持するようにした上部構造
を支持する基礎構造に関する。
らの基礎のうち杭基礎において、杭は地盤との周面摩擦力と杭先端抵抗で支持されるが、
後者の杭先端抵抗を重視したのが支持杭である。
ことを念頭に置く必要があるが、それでは軟弱地盤の場合にはどのような基礎形式が望ま
しいのであろうか。杭基礎が使用されるような軟弱地盤は中間層を含む多層地盤であり、
普段から地盤沈下が進行していることが多い。地盤沈下の原因には地下水汲み上げなど人
為的な理由も含まれることがあるが、地盤沈下のメカニズムそのものは自然の営み自然の
成行きである。その意味で地盤沈下が生じている地域では建物もそれに応じて沈下するこ
とが自然であると言える。
過大な鉛直あるいは水平方向の傾斜が生じることなく、図9に示すように、一体的な一様
沈下であればそれは被害とは言えないからである。なお、図中bは摩擦杭Cの周面に生じ
る正の摩擦力である。
設計指針」2001(編集・発行:日本建築学会)には、直接基礎と杭基礎が複合してその両
者で上部構造を支持するパイルド・ラフト基礎が規定された。そして、「建築基礎構造設
計例集」2004(編集・発行:日本建築学会)に具体的数値等が例示された。
のであり、その目的の一つは、既に伝統的な木杭基礎に具現化されていたパイルドラフト
基礎の考え方を具体的数値等で計算できる基礎構造、詳しくは、基礎スラブ底面の接地圧
と摩擦杭の周面摩擦力が協働して上部構造を支持する本工法に特有な細目を具体的数値等
で計算できる基礎構造を提供することにある。
る過大な応力を抑え、杭頭部の被害を防止できる上部構造を支持する基礎構造を提供する
ことにあり、更なる目的は、地震時に過大な応力の発生の恐れがある杭先端境界付近及び
剛性の変化が激しい中間層境界付近での杭の被害を防止できる上部構造を支持する基礎構
造を提供することにある。
杭先端が支持層に達しない深さに設定して地盤中に建て込んだ複数本の摩擦杭と、該摩擦
杭の杭頭部とつながる基礎スラブとからなる上部構造を支持する基礎であって、
次式(1)
W=(x−4)×15 kN/m2 ・・・・式(1)
但し、Wは上部構造で考慮する荷重を示す。
xは上部構造の地上階数を示す。
から上部構造で考慮する荷重Wを求め、この荷重Wに対して、前記基礎スラブ底面の接地
圧及び前記摩擦杭の周面摩擦力の合力で前記上部構造を支持する構成としたことを最も主
要な特徴とするものである。
する荷重Wを求め、施工現場における平板載荷試験データをもとに、或いはボーリングデ
ータなどをもとに根入れを考慮して決めた基礎スラブ底面の接地圧から、摩擦杭の周面摩擦力,杭径,杭長,杭本数等の杭仕様を計算によって求めることが出来る。また、地震時に過大な応力の発生の恐れがある杭頭部,杭先端境界付近及び剛性の変化が激しい中間層境界付近の杭同士の継手部に無溶接の靭性継手を配置することでの杭の被害を防止することができるといった利点がある。
上下二重スラブのべた基礎で構成されている。この下部スラブ2のスラブ厚さは後述する
理由により30〜45cmとすることが望ましいが、格子梁1の間隔によってはこの下部
スラブ2のスラブ厚をある程度調整してもよい。
地盤の応答が急変する可能性のある場合には、図5に示すように、その境界付近にも上記
の構成からなる無溶接の靭性継手Dを配置する構成とする。このように、上部構造Kが地
震力を受けた場合に、杭頭部,剛性の変化が激しい中間層の境界付近では杭に過大な応力
が発生する恐れがあるが、これらの部分に無溶接の靭性継手Dを設けることによって、杭
の被害を防止するものである。
ブBの底面の接地圧と摩擦杭Cの摩擦支持力で構成される。このような上部構造Kの荷重
とバランスした支持力を持たせる基礎構造はフローティング基礎と呼ばれる構造形式の考
え方と同様であるが、具体的な検討としては、上部構造Kの荷重に替えて、後述する上部
構造で考慮する荷重Wを用いる点に特徴があり、また基礎スラブ底面の接地圧に対しても
摩擦杭の周面摩擦力に対しても法規上の長期許容支持力を用いて設計する。
にはどの程度の大きさの支持力が基礎構造Aに要求されるのであろうか、その求め方を図
6に示す設計のフローチャート図に基づいて以下に説明する。
摩擦杭Cと、該摩擦杭Cの杭頭部とつながる基礎スラブBとからなる上部構造Kを支持す
る基礎構造Aの場合に、この基礎構造Aに要求される支持力Wを下記の式(1)
W=(x−4)×15 kN/m2 ・・・・式(1)
から求める。求められた値Wは考慮すべき上部構造Kの荷重であり、xは上部構造Kの地
上階数である。また、数字4は排除した土の重量と新しくできる地下室の重量の差に相応
する階数分である。
本実施例では、地下1階(GLー6m)を造ることを原則とし、その部分の土の単位体積
重量を18kN /m3 と仮定する。また、地下部分の単位体積重量を18kN /m3 と仮定する。すなわち、地下の空間に対して、コンクリート躯体の占める容積比を30〜35%とする。この場合、コンクリートの単位体積重量24kN /m3 とすれば、地下部分の単位体積重量は、24×(0.30 〜0.35)=7.2 〜8.4 kN /m3 と推定される。
/m3 と計算できる。この重量差は地下水があって浮力が生じる場合でも変わらない。ま
た、地下室だけが水中にある場合を想定すると浮くものと考えられる。因みに、液状化地
盤で水の入っていない水槽が浮いた実例がある。
れば、10×6=60kN /m2 となる。地上階の1階当たりの重量は12〜15kN /m2 と推
定できるので、この重量差を階数に換算すると、60÷(12〜15)=4〜5階となり、安全
側に見て4階部分がフローティング基礎としてバランスする「重量に対応する上部階数」
と計算できる。したがって、上部階は4階までが土の重量とバランスしており、5階以上
の重量に対してだけ鉛直支持力を考えればよいことになる。地上階の1階当たりの重量は
安全側を考慮して15kN /m2 とする。
グデータをもとに根入れを考慮して決めることを原則とする。試験が不可能な場合又はボ
ーリングデータが無い場合は、安全側の処置として法規上、軟弱地盤としての最低値であ
る20kN/m2 を用いて計算する。ただし、杭の配置が決まった場合に、杭の占める面積分
は差し引いて計算する。
面積を変えることで繰り返し計算し、最適値を見つける。
なわち、上部構造Kの荷重から接地圧を差し引いた値に対して、必要な支持力を持つよう
に杭の諸元を決定する。ただし、接地圧を求める面積や、杭径,杭長,杭本数は互いに相
関しているので、何回かの繰り返し計算が必要となる。
が占める面積と半々から始める。この値に対して、杭径と杭長,本数の概算値を求める。
その際、法規で許されている長期許容値としての杭周面摩擦力のみを考慮し、杭先端抵抗
力は無視する。ただし、杭先端位置が支持層あるいはそれに相当する地層でないことを地
盤柱状図等で確認しておくことを必要条件とする。この繰り返し計算をすることで、最終
的に収斂させる。
生じているのが実状である。したがって、杭の鉛直支持力を杭周面摩擦力と杭先端支持力
の和として計算する。もし、この計算結果が杭周面摩擦力度のみを考慮した長期許容支持
力の1.2倍以上の値を示すようであれば、杭先端の支持力が大き過ぎて杭先端抵抗力重
視の考え方に近過ぎているので、再計算するものとする。
1.1〜1.2 ×Ra=1.1 〜1.2 ×(1/3)RF≦(1/3)(Rp+RF)
然であることを考慮している。決定された最終的な基礎形式について沈下検討を行う。厳
密には、日本建築学会「建築基礎構造設計指針」(2001)に示された詳細検討法によるのが
望ましいが、日本建築学会「建築基礎構造設計指針」(1988)に示された簡便法によって行
ってもよい。
A 基礎構造
B 基礎スラブ
C 杭
C0 杭先端
C1 下杭
C2 上杭
D 靭性継手
G 地盤
G1 支持層
G2 軟弱地盤
G3 地表面
1 格子梁
2 下スラブ
3 上スラブ
41 ,42 端板
5 内リング
6 外リング
Claims (8)
- 杭先端が支持層に達しない深さに設定して地盤中に建て込んだ複数本の摩擦杭と、該摩
擦杭の杭頭部とつながる基礎スラブとからなる上部構造を支持する基礎であって、
次式(1)
W=(x−4)×15 kN/m2 ・・・・式(1)
但し、Wは上部構造で考慮する荷重を示す。
xは上部構造の地上階数を示す。
から上部構造で考慮する荷重Wを求め、この荷重Wに対して、前記基礎スラブ底面の接地
圧及び前記摩擦杭の周面摩擦力の合力で前記上部構造を支持する構成としたことを特徴と
する上部構造を支持する基礎構造。 - 前記基礎スラブは、前記上部構造のスパンを2分あるいは3分する格子梁で組み立てら
れた上下二重の基礎スラブのべた基礎であることを特徴とする請求項1記載の上部構造を
支持する基礎構造。 - 前記基礎スラブを構成する下部スラブのスラブ厚は30〜45cmであることを特徴と
する請求項2記載の上部構造を支持する基礎構造。 - 前記摩擦杭はストレート杭又は節杭であり、前記上部構造で考慮する荷重Wから基礎ス
ラブ底面の接地圧を差し引いた値に対して必要な(摩擦)支持力を持つように、前記摩擦
杭の杭仕様を決定する構成としたことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか一つに記
載の上部構造を支持する基礎構造。 - 前記摩擦杭の周面摩擦力は、摩擦杭の先端支持力も含めた全鉛直支持力から杭先端支持力を差し引いた値であって、長期許容支持力の1.2倍以下の値であることを特徴とする請求項1〜4のうちいずれか一つに記載の上部構造を支持する基礎構造。
- 前記摩擦杭は前記基礎スラブ底面に対して均等に配置したことを特徴とする請求項1〜
5のうちいずれか一つに記載の上部構造を支持する基礎構造。 - 上部構造が大規模で摩擦杭にかかる荷重が大きい場合には、上部構造への地震力の入力
を減少させるため、摩擦杭の杭頭に無溶接の靭性継手を配置することを特徴とする請求項
1〜6のうちいずれか一つに記載の上部構造を支持する基礎構造。 - 地震時に過大な応力の発生の恐れがある杭先端境界付近及び剛性の変化が激しい中間層
境界付近の摩擦杭同士の継手部に無溶接の靭性継手を配置することを特徴とする請求項1
〜7のうちいずれか一つに記載の上部構造を支持する基礎構造。
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JP2005303369A JP2007113202A (ja) | 2005-10-18 | 2005-10-18 | 上部構造を支持する基礎構造 |
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JP (1) | JP2007113202A (ja) |
Citations (5)
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2005
- 2005-10-18 JP JP2005303369A patent/JP2007113202A/ja active Pending
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