JP2007113024A - 可溶合金型温度ヒューズ - Google Patents
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Abstract
【課題】環境上問題のある有害金属を含まず動作温度を190℃以上の高温領域に設定できる可溶合金型温度ヒューズを提供する。
【解決手段】可溶合金型温度ヒューズは、一対のリ−ド部材1,2に低融点可溶合金3が抵抗溶接により接合され、低融点可溶合金3の表面にはフラックス被膜4が形成され、アルミナ等のセラミック碍管の絶縁容器またはケース5に収容されて構成される。ここで、低融点可溶合金3は3.0〜4.0重量%のAg、6.0〜10.0重量%のIn、および残部がSnからなる有害金属を含まない三元合金低融点可溶合金3、またはこれにBiを添加した四元合金を使用し、190〜210℃の範囲内の動作温度で確実に作動させるものが選定され、かつ特定されるコーティング材でフラックス被膜4を形成した。
【選択図】図1
【解決手段】可溶合金型温度ヒューズは、一対のリ−ド部材1,2に低融点可溶合金3が抵抗溶接により接合され、低融点可溶合金3の表面にはフラックス被膜4が形成され、アルミナ等のセラミック碍管の絶縁容器またはケース5に収容されて構成される。ここで、低融点可溶合金3は3.0〜4.0重量%のAg、6.0〜10.0重量%のIn、および残部がSnからなる有害金属を含まない三元合金低融点可溶合金3、またはこれにBiを添加した四元合金を使用し、190〜210℃の範囲内の動作温度で確実に作動させるものが選定され、かつ特定されるコーティング材でフラックス被膜4を形成した。
【選択図】図1
Description
本発明は、周囲温度に感応して電気機器の損傷を防ぐ保護素子、特に所定温度で溶融する低融点可溶合金を用いた有害金属を含まない可溶合金型温度ヒュ−ズに関する。
電気・電子機器等を過熱損傷から保護する保護素子として、特定温度で動作して回路を遮断する温度ヒューズが知られている。このうち、可溶合金型温度ヒューズは感温材として低融点可溶合金を用い、周囲温度の過昇により通電回路に設けた低融点可溶合金を溶融して回路遮断するものである。また、低融点可溶合金は発熱抵抗体と併設して抵抗体の通電加熱により低融点可溶合金を強制的に溶断させることもあり、通常、抵抗内蔵型温度ヒューズと称して保護素子に利用されている。これら可溶合金型温度ヒューズは、保温コタツ、炊飯器等の家電製品、液晶テレビや複写機器等のOA機器、照明機器など機器の安全手段として広く利用されている。
一方、感温材としての低融点可溶合金は、従来、定格動作温度が最も高温の温度ヒューズでも共晶はんだ62Sn−38Pb(重量%)を用いて動作温度を183±2℃としており、使用上推奨されるヒューズ本体の温度も140℃程度が上限であつた。これは主として可溶合金が収容される絶縁ケースからリードを導出する際の封着用樹脂材の耐熱温度を150℃程度に設定して設計されていた。それゆえ、古くから用いられてきたSn−Pb系合金を使用する場合、溶融特性上からもこの温度以上の熱定格を有する温度ヒューズを作ることは困難とされていた。
ところで、Sn−Pb系合金を用いる場合、組成物の鉛(Pb)が地下水に深刻な汚染をもたらしていることで問題となっている。そして、このような温度ヒューズを搭載した電気・電子機器の廃棄物から雨水などの作用により鉛が溶出し、長期にわたって有害金属を漏出させることから環境汚染が危惧される。それゆえに、鉛やカドミウム等の人体に有害な物質の使用が規制され、例えば、欧州における特定化学物質を規制するRoHS規制があるなどでの対応が求められている。こうした問題を回避するために、特許文献1および特許文献2に開示されるように、鉛フリーの温度ヒューズが提案されてきている。しかしながら、従来の鉛フリー可溶合金型温度ヒュ−ズは、その使用範囲がいずれも200℃以下にあるため適用分野での制限があった。たとえば、家庭電化製品としてのヘアカーラーはその電熱部を保護するには動作温度が215〜225℃の範囲の温度ヒューズが要求されている。しかし、このような動作温度の可溶合金型温度ヒューズがなく、通常は構造的により複雑でコスト的にも高価となる感温ペレットを感温材に用いた感温ペレット型温度ヒューズを使用せざるを得なかった。
特開2003−249155号公報
特開2003−147461号公報
それゆえに、動作温度の高い可溶合金型温度ヒューズの提供が望まれている。本発明者の知見によれば、温度ヒューズに用いられる低融点可溶合金は、特定の温度で球状溶断させる必要上、できれば単一の溶融点を持つ共晶合金組成が好ましい。しかし、該当する高い温度帯の共晶組成が見当らない場合でも使用可能な合金を選択して使用できることが分かった。例えば、多元合金からなる低融点可溶合金は、固相線温度以上の温度で合金は溶け始め、液相線温度で完全に液状に溶融する。一般に固相線温度と液相線温度の差を固液共存域と言うが、この固液共存域が小さい合金ほど温度ヒューズでの溶断温度のバラツキは小さくなり、実用的温度ヒューズとしての固液共存域は10℃未満、好ましくは5℃未満であることが判明した。
さらに、電源回路に直列に実装される温度ヒューズの特性上から、こうした高温作動の温度ヒューズは内部抵抗値が長期の高温保管によっても変化せず、省エネルギーや動作温度の安定面から2.5×10−7Ω・m以下に維持されることが望まれる。加えて、温度ヒューズの組立過程を含み高温保管中のフラックス被膜の特性劣化が懸念され、標準的温度ヒューズの可溶合金とリード線のそれぞれの線径φが0.6〜0.7mmである場合に機械的強度でリード線の引張強度は5.6N以上であることが必要とされる。たとえば、フラックス被膜のコーティング材に精製ガムロジン、ウッドロジン、トールオイルロジンなどの天然ロジンは、主成分アビエチン酸を代表とする樹脂酸であり、分子中に炭素二重結合(C=C)を有する。それゆえ、このようなロジンをそのまま使用すると、高温保管中にC=Cに酸素が反応し開裂して脂肪酸の分子同士が互いに重合して急激に粘度低下を起こし、合金表面に塗布したフラックス膜の流動性を損なう。これは温度ヒューズ合金の溶断動作を妨げることから経時的に溶断不良を発生させると考えられる。すなわち、従来の可溶合金型温度ヒューズを動作温度の最大値183℃を超える200℃以上で動作させるために、フラックス被膜の特性を考慮し、実際に使用する熱環境である190℃から200℃の状態で長期保管に耐えて安定動作を確保する必要がある。
したがって、本発明は上述の課題を解決するために、本発明者の知見に基づきPbやCd等の有害物質を含まずかつ比較的高い動作温度190〜210℃の範囲内に設定できる低融点可溶合金を有する新規かつ改良された可溶合金型温度ヒューズの提供を目的とするものである。
換言すると、絶縁ケースからのリード部材を導出する際に耐熱封着材を用いて高温保管に耐えると共に錫(Sn)を主成分とし、これに動作温度を微調整するための微量の銀(Ag)、および線材加工性を改善するインジウム(In)を含有させた有害金属フリーの低融点可溶合金を用いた新規かつ改良された可溶合金型温度ヒューズを提供することにある。ここで、低融点可溶合金のコーティング材に特殊配合のロジンを用いてフラックス被膜の耐熱性、耐候性および耐酸化性を改善して高温保管特性を向上させた可溶合金型温度ヒューズの提供にある。
本発明によれば、一対のリ−ド部材の一端部間に低融点可溶合金を接続して絶縁ケ−スに収容し、低融点可溶合金は3.0〜4.0重量%のAg、6.0〜10.0重量%のIn、および残部がSnからなる有害金属を含まない三元合金で、その表面にはフラックス被膜を有し、動作温度を190℃〜210℃の範囲内で設定したことを特徴とする可溶合金型温度ヒューズが提供される。なお、低融点可溶合金に0.2〜1.0重量%のBiを含む四元合金を使用することで、動作温度を略204℃に設定した有害金属フリーの可溶合金型温度ヒュ−ズが開示される。さらに、フラックス被膜は天然ロジンの欠陥を解消するために、C=Cに水素付加させた水添ロジン、共役系{−C=C−C=C−}を熱に強い芳香族系に変換している不均化ロジン、あるいは{C=C}を予め2または3量化重合させて漬している重合ロジンのいずれか、またはこれらの酸変性化ロジンを使用することで、前述の酸化重合硬化を起こし難いフラックス膜を提案する。
従来、合金型温度ヒューズは、最も高温のもので共晶はんだ62Sn−38Pb(重量%)を用いた動作温度183±2℃が上限であつた。これは主として該当温度以上の可溶合金が無かったこと、封着用樹脂材の耐熱温度、190℃以上210℃未満の高温に耐えうるコーティング用フラックスが無かったことによる。それゆえ、古くから用いられてきたSn−Pb系合金を使用する場合、溶融特性上からもこの温度以上の熱定格を有する温度ヒューズを作ることは困難とされていた。しかし、本発明によれば、フラックス被膜の特殊配合により耐酸化性、耐熱性、耐候性を向上させると共に低融点可溶合金の選定によって、動作温度が190〜210℃の範囲内に設定できる主成分がSnからなる有害金属フリーの可溶合金型温度ヒューズを提供する。
フラックス被膜のコーティング材は、従来天然ロジンおよびその誘導体を主体に用いられて来た。精製ガムロジン、ウッドロジン、トールオイルロジン等の天然ロジンにおいては、その化学構造にC=C二重結合を有し高温下で保管すると空気中の酸素と反応し酸化重合により次第に硬化することが知られている。本発明の目的とする190〜210℃の動作温度を有する温度ヒューズは、使用温度が通常の170〜190℃より高温であり、前述の硬化機構によりコーティング被膜が短時間で酸化重合によって硬化して溶融合金の溶断動作を妨げ、未溶断となることを知見した。そこで本発明のコーティング材のフラックスに配合するロジンを耐酸化性、耐熱性、耐候性を増した水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、または酸変性水添ロジン、酸変性不均化ロジン、酸変性重合ロジンのいずれかに特定し、これを30.0〜90.0重量%として使用する。残部はベヘニン酸、ステアリン酸またはパルメチン酸からなる脂肪酸を使用することを特徴とする。また、上記フラックスコーティング材100部に対して、必要に応じて、パルメチン酸、ステアリン酸、ベへニン酸等の脂肪酸、または、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸の脂肪族二塩基酸を1.0〜50.0重量部の範囲で添加する。それにより、温度ヒューズの動作温度を安定化させることができる。
本発明の可溶合金型温度ヒューズは特定の低融点可溶合金とフラックス被膜を有するので動作温度が190〜210℃の比較的高い温度領域で使用でき、かつ感温ペレット型温度ヒューズに比べてローコストの保護素子を提供し、高温領域に適用範囲を拡大するなどの工業的価値がある。また、フラックスには配合するロジンを耐酸化性、耐熱性、耐候性を向上させる水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、酸変性水添ロジン、酸変性不均化ロジンまたは酸変性重合ロジンに特定し、これを30.0〜90.0重量%として、残部をベヘニン酸アミドやパルメチン酸アミドなどとして動作温度での溶断を確実化する。また、フラックス被膜のコーティング材100部に対して、必要に応じて、パルメチン酸、ステアリン酸、ベへニン酸の脂肪酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸の脂肪族二塩基酸を1.0〜50.0重量部の範囲で添加することを開示し、フラックス被膜の硬化による不具合の発生を防止することを提示する。さらに、低融点可溶合金にはPbやCdなどの有害金属を含有しないので環境保全に役立つ有害金属フリーの可溶合金型温度ヒューズの提供を実現するなどの実用的効果を奏する。
本発明の可溶合金型温度ヒューズは各種タイプの温度ヒューズとして利用可能であり、例えば、アキシャルタイプ、ラジアルタイプ、小型薄型タイプ、および抵抗内蔵型タイプ等に利用でき、特定の型式タイプに限定されるものではない。以下、実施形態の一例としてはアキシャルタイプの可溶合金型温度ヒューズについて説明する。本発明の特徴とするコーティング材のフラックスは配合するロジンを耐酸化性、耐熱性、耐候性を増した水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、酸変性水添ロジン、酸変性不均化ロジン、酸変性重合ロジンのいずれかに限定し、これを30.0〜90.0重量%として、残部をベヘニン酸アミド、パルメチン酸アミド等を使用する。また、上記フラックス100部に対して、必要に応じて、パルメチン酸、ステアリン酸、ベへニン酸等の脂肪酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸の脂肪族二塩基酸を1.0〜50.0重量部の範囲で添加することもでき、それにより低融点可溶合金の動作温度で確実に溶断させる。
次に、本発明の可溶合金型温度ヒューズは、低融点可溶合金の組成を選択して190〜210℃の範囲内の動作温度を設定する。低融点可溶合金は3.0〜4.0重量%のAg、6.0〜10.0重量%のIn、および残部がSnからなる有害金属を含まない三元合金であり、動作温度を190℃〜210℃の範囲内で設定される。この場合に合金の融け始める温度の固相線温度と、完全に融け終わる温度の液相線温度とをDSCチャートで求めて動作温度を設定できる。これ以外の場合、例えば、Agの添加量が3.0重量%未満であるとAg添加による溶融温度低下の効果が充分でなく温度調整ができなかった。また、Snに対するAgの割合が5.0重量%を超えると急激に固液共存域が増大し、溶断動作の安定性が損なわれ製品化が困難であった。
同様に、低融点可溶合金は3.0〜4.0重量%のAg、6.0〜10.0重量%のIn、0.2〜1.0重量%のBi、および残部がSnからなる四元合金である場合に、動作温度を略204℃に設定した可溶合金型温度ヒュ−ズが提供される。これらの有効組成の低融点可溶合金は上述する特定されたフラックス被膜を形成することで確実な溶断動作が得られる。
以下、本発明の実施例であるアキシャルタイプ可溶合金型温度ヒューズについて図面を参照しつつ説明する。この可溶合金型温度ヒューズは、図1に示すように、めっき銅線からなる一対のリ−ド部材1,2に、本発明の特徴とする低融点可溶合金3が抵抗溶接により接合され、低融点可溶合金3の表面にはフラックス被膜4が形成され、アルミナ等のセラミック碍管の絶縁容器またはケース5に収容されて構成される。ここで、低融点可溶合金3は3.5重量%のAg(3.0〜4.0重量%の範囲内で設定することが望ましい)、8.0重量%のIn(6.0〜10.0重量%の範囲内で設定することが望ましい)、および残部がSnからなる有害金属を含まない組成の三元合金で、動作温度が204℃であった。なお、AgおよびInの添加量を前述の望ましい範囲内で設定することで動作温度は190℃〜210℃の範囲内で設定できる。また、フラックス被膜4のコーティング材はロジン、ワックスおよび活性剤からなり、ロジンは耐酸化性、耐熱性、耐候性を増した水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、または酸変性水添ロジン、酸変性不均化ロジン、酸変性重合ロジンから選定し、これを50重量%として、残部をベヘニン酸アミド、パルメチン酸アミド等からなる。なお、ロジンは30.0〜90.0重量%の範囲内で選定することで所望する効果を奏することが判明した。さらに、必要に応じて、上記フラックス100部に対して、パルメチン酸、ステアリン酸、ベへニン酸等の脂肪酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸の脂肪族二塩基酸を1.0〜50.0重量部の範囲で添加することもでき、それにより低融点可溶合金の動作温度での溶断を確実に溶断する。その後、エポキシ樹脂と少量の無機物添加材からなる耐熱封着材6,7によりリード部材1,2の導出部を残して絶縁ケース5の両端部を封着して構成される。なお、低融点可溶合金3の形状に関し、通常、φ0.3〜0.7mm線を使用するが、必要に応じて同一の断面積を有するテープ状合金の平角片も使用できるほか、要求に応じてφ0.3mm以下とすることやφ0.7mm以上に変更することもできる。また、低融点可溶合金は合金鋳塊の押出し加工及び引抜き加工により製造されるが、その後加工処理として必要に応じてテープ状に圧延加工することもできる。
前述のフラックス被膜4に使用するコーティング材において、表1は使用するロジン配合に関するフラックス被膜としての良否を判定する耐熱性評価表である。評価表から明らかなように、精製ガムロジン、ウッドロジンおよびトールオイルロジンの天然ロジンの場合、添加物の有無に拘わらず全てが耐熱性195℃で500時間以内の耐熱性不可の結果であった。これに対して、水添ロジン、不均化ロジンおよび重合ロジンとそれぞれの酸変性化ロジンは全て実用可能な耐熱性良の結果を示した。一方、耐熱封着材6,7は樹脂材にエポキシ樹脂を無機物添加材にBET法による比表面積300m2/gで平均粒径7nmのヒュームドシリカ(SiO2)を用いて樹脂材の2液常温硬化型エポキシ樹脂の硬化前主剤100重量部に対して無機物添加材2.5重量部を均一に混ぜ合わせて準備した。さらに、リ−ド部材1.2はSn−Cuめっき銅線のほかにAgめっき銅線、Snめっき銅線、Niめっき銅線が使用できる。
別の実施例は、上述する実施例1の低融点可溶合金にビスマス(Bi)を少量添加したものを用いた。この場合、低融点可溶合金は3.0〜4.0重量%のAg、6.0〜10.0重量%のIn、0.2〜1.0重量%のBi、および残部がSnからなる範囲内で選定した四元合金が使用できる。この実施例は動作温度を略204℃に設定した可溶合金型温度ヒューズである。このような組成の低融点可溶合金は動作温度が所定温度に容易に設定できる利点を有する。一方、動作温度での動作精度を高めるために、低融点可溶合金の表面を被覆するコーティング被膜には上述するフラックスが使用される。可溶合金型温度ヒューズの製作は、前述した実施例と同様であり、詳細な説明を省略する。なお、アキシャルタイプ以外のラジアルタイプ、小型薄型のチップタイプ、抵抗内蔵タイプ、絶縁容器使用のパッケージタイプなど各種タイプの可溶合金型温度ヒューズにも絶縁容器またはケースとリード部材とを気密的に封着固定する場合、上述する低融点可溶合金とコーティング材を用いて高温に耐える温度ヒューズとして適用できるのは勿論である。
換言すると、本発明の可溶合金型温度ヒューズは、一対のリ−ド部材1,2に低融点可溶合金3が抵抗溶接により接合され、低融点可溶合金3の表面にはフラックスのコーティング被膜4が形成され、アルミナ等のセラミック碍管の絶縁容器またはケース5に収容されて構成される。ここで、低融点可溶合金3は3.0〜4.0重量%のAg、6.0〜10.0重量%のIn、および残部がSnからなる有害金属を含まない三元合金低融点可溶合金3、またはこれにBiを添加した四元合金を使用し、190〜210℃の範囲内の動作温度で確実に作動させるフラックスのコーティング被膜4を形成して構成する。この可溶合金型温度ヒューズは家庭用および産業用電気機器類で安全性を保証するための保護素子として広く利用され、機器類の過熱時に電気回路を遮断するなどして機器の損傷を防ぎ安全運転を確保する。
1,2;リード部材
3;低融点可溶合金
4;フラックス被膜
5;絶縁ケ−ス(容器)
6,7;耐熱封着材
3;低融点可溶合金
4;フラックス被膜
5;絶縁ケ−ス(容器)
6,7;耐熱封着材
Claims (4)
- 一対のリ−ド部材の一端部間にフラックス被膜を有する低融点可溶合金を接続して絶縁ケ−スに収容した温度ヒューズであって、前記低融点可溶合金は3.0〜4.0重量%のAg、6.0〜10.0重量%のIn、および残部がSnからなる有害金属を含まない三元合金であり、動作温度を190℃〜210℃の範囲内で設定したことを特徴とする可溶合金型温度ヒューズ。
- 前記低融点可溶合金はさらに0.2〜1.0重量%のBiを含む四元合金であり、動作温度を略204℃に設定したことを特徴とする請求項1に記載の可溶合金型温度ヒュ−ズ。
- 前記フラックス被膜は水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、酸変性水添ロジン、酸変性不均化ロジンまたは酸変性重合ロジンを30〜90重量%の範囲内で含有し、残部がベヘニン酸アミド、ステアリン酸アミドまたはパルメチン酸アミドからなる脂肪酸アミドであることを特徴とする請求項1または2に記載の可溶合金型温度ヒューズ。
- 前記フラックス被膜はその100重量部に対して、パルメチン酸、ステアリン酸、ベへニン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸からなる群から選ばれるいずれかの脂肪酸または脂肪族二塩基酸を1〜50重量部の範囲内で添加したことを特徴とする請求項3に記載の可溶合金型温度ヒュ−ズ。
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JP2005302452A JP2007113024A (ja) | 2005-10-18 | 2005-10-18 | 可溶合金型温度ヒューズ |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009093944A (ja) * | 2007-10-10 | 2009-04-30 | Nec Schott Components Corp | 可溶合金型温度ヒューズ |
JP2012186169A (ja) * | 2012-04-05 | 2012-09-27 | Nec Schott Components Corp | 可溶合金型温度ヒューズ |
-
2005
- 2005-10-18 JP JP2005302452A patent/JP2007113024A/ja not_active Withdrawn
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