JP2007112734A - 抗cdcp1抗体を含有する癌細胞増殖抑制剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】CDCP1タンパク質を認識し細胞増殖抑制作用を有する抗体、当該抗体を有効成分として含有する癌細胞増殖抑制剤および癌治療剤、当該抗体を用いた癌細胞の増殖を抑制する方法、当該抗体を産生する細胞、ならびに癌細胞増殖抑制剤および癌治療剤の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明者らはLNCapをマウスに免疫し、LNCapの増殖を抑制する作用を持つモノクローナル抗体LV26Bを産生するハイブリドーマを樹立することに成功した。LV26BはADCCまたはCDCに拠らないでLNCapの増殖を抑制する作用を持つことが示された。またLV26BはCDCP1タンパク質に結合した。
【選択図】なし

Description

本発明は、抗CDCP1抗体を有効成分とする癌細胞増殖抑制剤および癌細胞増殖抑制作用を有する該抗体に関する。
癌は、日本および欧米を始めとする世界各国においてその主要な死亡原因となる極めて悪性度の高い病気である。癌治療を目指した過去の多大な研究にもかかわらず、その患者数は増加の一途をたどっており、これまでにない画期的な作用を持つ新薬の開発が強く望まれている。近年になり、モノクローナル抗体医薬による癌治療が臨床応用されるようになり、一定の成果をあげるに至った(非特許文献1および2参照)。これらには、抗Her2/neu抗体(trastuzumab/Herceptin)、抗CD20抗体(rituximab/Rituxan)、抗EGFR抗体(cetuximab/Erbitux)、抗VEGF抗体(bevacizumab/Avastin)、抗CD52抗体(alemtuzumab/Campath-1H)などが含まれ、乳癌、大腸癌、リンパ腫などの癌の一部の患者において効果を示している。抗体医薬は、その標的分子特異性の高さから、従来のcytotoxicな化学療法剤に比較して副作用が少なく、また低分子医薬に比較し血中半減期が長いことから作用の持続時間が長い、といった利点が存在する。また、抗体医薬には患者の免疫能を活性化し、ADCC(Antibody-dependent cellular cytotoxicity;抗体依存性細胞障害)や、CDC(complement-dependent cytotoxicity;補体依存性細胞障害)による抗腫瘍効果を発揮するという特徴もあり、その薬効に寄与していると考えられている。このように抗体医薬には従来の化学療法剤に比べ数々の利点が存在することから、癌治療薬として優れた効果を持ち得ることが期待される。
しかしながら、上に挙げた抗体医薬を始め、現在開発されている抗体医薬についても、従来の薬剤に比較して改善されたとはいえ、その薬効はまだ限られたものであり、満足できる程度に達しているとは到底いえない。すなわち、より優れた作用を持つ新たな抗体医薬は、依然その開発が強く要望されている状況である。
WO 2002/004508 US 2002142003 EP 1396501 US 2004053343 WO 2004074481 WO 2005042102 Adams GPおよびWeiner LM著、Nat Biotechnol.、2005 Sep、Vol.23、No.9、p.1147-57. Harris M著、Lancet Oncol.、2004 May、Vol.5、No.5、p.292-302. Marwa Scherl-Mostageer, Wolfgang Sommergruber, Roger Abseher, Rudolf Hauptmann, Peter Ambros, Norbert Schweifer著、Oncogene、2001年、Vol.20、No.32、p.4402-4408 John D Hooper, Andries Zijlstra, Ronald T. Aimes, Hongyan Liang, Gisela F Claassen, David Tarin, Jacqueline E Testa, James P Quigley 著、Oncogene、2003年、Vol.22、No.12、p.1783-1794 Tod A Brown, Tai Mei Yang, Tatiana Zaitsevskaia, Yuping Xia, Clarence A Dunn, Randy O Sigle, Beatrice Knudsen, William G Carter 著、Journal of Biological Chemistry、2004年、Vol.279、No.15、p.14772-14783 Ami S Bhatt, Hediye Erdjument-Bromage, Paul Tempst, Charles S Craik, Mark M Moasser 著、Oncogene、2005年、Vol.24、No.34、p.5333-5343 CONZE, TIM; LAMMERS, REINER; KUCI, SELIM; SCHERL-MOSTAGEER, MARWA; SCHWEIFER, NORBERT; KANZ, LOTHAR; BUHRING, HANS-JORG 著、Annals of the NewYork Academy of Sciences、2003年、Vol.996、p.222-226 Hans-Jorg Buhring(Jorgのo、およびBuhringのuにはウムラウトが付く), Selim Kuci(Kuciのcにはセディーユが付く), Tim Conze, Gisa Rathke, Kerol Bartolovi, Frank Grunebach(Grunebachのuにはウムラウトが付く), Marwa Scherl-Mostageer, Tim H. Brummendorf(Brummendorfのuにはウムラウトが付く), Norbert Schweifer, Reiner Lammers 著、Stem Cells、2004年、Vol.22、No.3、p.334-343 Cyril H. Benes, Ning Wu, Andrew E.H. Elia, Tejal Dharia, Lewis C. Cantley, Stephen P. Soltoff 著、Cell、2005年、Vol.121、No.2、p.271-280
本発明は、CDCP1タンパク質を認識し細胞増殖抑制作用を有する抗体、当該抗体を有効成分として含有する癌細胞増殖抑制剤および癌治療剤、当該抗体を用いた癌細胞の増殖を抑制する方法、当該抗体を産生する細胞、ならびに癌細胞増殖抑制剤および癌治療剤の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、新たな癌治療抗体医薬の開発を目指し、既存の抗体医薬の標的分子とは異なる、新たな標的分子の探索を行った。
詳しくは、本発明者らは前立腺癌細胞株LNCapをマウスに免疫し、得られたハイブリドーマの培養上清について、LNCapの増殖抑制作用を調べるスクリーニングを行うことにより、LNCapの増殖を抑制する作用を持つモノクローナル抗体、LV26Bを産生するハイブリドーマを樹立することに成功した。LV26Bは、ADCCやCDCなどで必要とされるエフェクター成分を介する作用ではなく、抗体単独の作用として、LNCapの増殖を抑制する作用を持つことが示された。LV26Bが結合する抗原タンパクの精製を行ったところ、LV26BはCDCP1(別名SIMA135、Trask)に結合することが明らかとなった。
CDCP1遺伝子は、最初、ヒトの大腸癌、および肺癌で強く発現する遺伝子として見出された(Oncogene. 2001 Jul 19;20(32):4402-8.)。塩基配列の解析からCDCP1遺伝子は、836アミノ酸からなるポリペプチドをコードしていることが推定された。このアミノ酸配列中には、1つの膜貫通領域、および2〜3個のCUBドメインと呼ばれるドメイン構造が存在することが示され、CDCP1は1型膜タンパクであるものと推定された。その後、CDCP1は以下に示す別々の複数のアプローチによってもそれぞれ独立して見出された。
・転移能の高い細胞株に強く発現するタンパクとしての同定(Oncogene. 2003 Mar 27;22(12):1783-94.)
・細胞の接着/脱接着によりそのチロシンリン酸化が制御されるタンパクとしての同定(J Biol Chem. 2004 Apr 9;279(15):14772-83. Epub 2004 Jan 22.)
・分裂期にsrcによりリン酸化されるタンパクとしての同定(Oncogene. 2005 Aug 11;24(34):5333-43.)
これら以外にもCDCP1について、現時点で以下に示す報告が存在する。
・CDCP1の血液幹細胞における発現についての報告(Ann N Y Acad Sci. 2003 May;996:222-6.)
・CDCP1の血液細胞における発現についての報告(Stem Cells. 2004;22(3):334-43.)
・CDCP1とPKCdeltaとの相互作用についての報告(Cell. 2005 Apr 22;121(2):271-80.)
CDCP1については、上記の報告が存在するものの、そのいずれにおいてもCDCP1の生理機能の解明はなされていない。まして、CDCP1がどのようなメカニズムによってその生理機能を発揮するかについては、全く不明のままである。CDCP1は既知のレセプター型タンパクとは相同性を示さないことから、何らかのリガンドのレセプターとして働いているのかどうかについても全く推測することができない。これらのことから、CDCP1に結合する抗体がCDCP1の機能についてどのような作用を及ぼし得るか、さらにはCDCP1に結合することによって、それを発現する細胞にどのような影響を与え得るのかについては、全く推測することができないといえる。
本発明者らにより、CDCP1に結合する抗体が、抗体単独の作用として、それを発現する細胞の増殖を抑制する作用を持つことが、初めて明らかとなった。CDCP1は前立腺癌以外にも、大腸癌、肺癌において発現していることが、上記の報告からも明らかである。従って、CDCP1に結合する抗体は、前立腺癌を始めとするこれら各種の癌に対する新たな治療抗体医薬となり得るものと期待される。
すなわち、本発明は、CDCP1タンパク質を認識し、癌細胞増殖抑制作用を有する抗体、当該抗体を有効成分とする癌細胞増殖抑制剤および癌治療剤、当該抗体を用いた癌細胞の増殖を抑制する方法、当該抗体を産生する細胞、ならびに癌細胞増殖抑制剤および癌治療剤の製造方法に関し、より具体的には、
〔1〕 抗CDCP1抗体を有効成分とする、癌細胞増殖抑制剤、
〔2〕 癌が、前立腺癌、肺癌、大腸癌、膵臓癌、または乳癌である、〔1〕に記載の癌細胞増殖抑制剤、
〔3〕 抗CDCP1抗体が、抗体依存性細胞障害活性または補体依存性細胞障害活性に拠らない細胞増殖抑制作用を有する抗CDCP1抗体である、〔1〕または〔2〕に記載の癌細胞増殖抑制剤、
〔4〕 抗CDCP1抗体を有効成分とする、癌治療剤、
〔5〕 癌が前立腺癌、肺癌、大腸癌、膵臓癌、または乳癌である、〔4〕に記載の癌治療剤、
〔6〕 抗CDCP1抗体が、抗体依存性細胞障害活性または補体依存性細胞障害活性に拠らない細胞増殖抑制作用を有する抗CDCP1抗体である、〔4〕または〔5〕に記載の癌治療剤、
〔7〕 抗CDCP1抗体を用いることを特徴とする、前立腺癌細胞の増殖を抑制する方法、
〔8〕 抗体依存性細胞障害活性または補体依存性細胞障害活性に拠らない細胞増殖抑制作用を有する抗CDCP1抗体を用いることを特徴とする、癌細胞の増殖を抑制する方法、
〔9〕 CDCP1タンパク質を認識し、細胞内にシグナル伝達する物質を用いることを特徴とする、癌細胞の増殖を抑制する方法、
〔10〕 癌が前立腺癌である、〔8〕または〔9〕に記載の癌細胞の増殖を抑制する方法、
〔11〕 CDCP1タンパク質を認識し、抗体依存性細胞障害活性または補体依存性細胞障害活性に拠らない細胞増殖抑制作用を有する抗体、
〔12〕 CDCP1タンパク質が、配列番号:2に記載のアミノ酸配列を含む、〔11〕に記載の抗体、
〔13〕 抗体がモノクローナル抗体である、〔11〕または〔12〕に記載の抗体、
〔14〕 重鎖可変領域に存在するCDR1、2、3がそれぞれ配列番号:7、8、9に記載のアミノ酸配列であり、軽鎖可変領域に存在するCDR1、2、3がそれぞれ配列番号:10、11、12に記載のアミノ酸配列である、〔11〕〜〔13〕のいずれかに記載の抗体、
〔15〕 重鎖可変領域及び軽鎖可変領域がそれぞれ配列番号:5及び配列番号:6に記載のアミノ酸配列である抗体が認識するCDCP1タンパク質のエピトープを認識する、〔11〕に記載の抗体、
〔16〕 〔11〕〜〔15〕のいずれかに記載の抗体を産生する細胞、
〔17〕 該細胞が、該抗体を産生する能力を有する哺乳動物由来の脾臓細胞と哺乳動物由来のミエローマ細胞とを融合して得られる融合細胞であることを特徴とする、〔16〕に記載の細胞、
〔18〕 〔16〕または〔17〕に記載の細胞を培養し、癌細胞増殖抑制作用を有する抗体を精製する工程を含む、癌細胞増殖抑制剤の製造方法、
〔19〕 〔16〕または〔17〕に記載の細胞を培養し、癌細胞増殖抑制作用を有する抗体を精製する工程を含む、癌治療剤の製造方法、を提供するものである。
本発明によって、CDCP1タンパク質を認識し、癌細胞増殖抑制作用を有する抗体が新たに提供された。本発明のCDCP1タンパク質を認識する抗体は抗体依存性細胞障害活性または補体依存性細胞障害活性に拠らない癌細胞増殖抑制作用を有する。CDCP1は本発明において明らかにされた前立腺癌以外にも、大腸癌、肺癌において発現していることが、上記の報告からも明らかである。従って、CDCP1に結合する本発明の抗体は、前立腺癌を始めとするこれら各種の癌に対する新たな治療抗体医薬となり得るものと期待される。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明者らによって、前立腺癌細胞株LNCapの増殖を抑制する作用を持つモノクローナル抗体LV26Bが初めて提供された。そして当該抗体がCDCP1タンパク質に結合し、抗体依存性細胞障害活性または補体依存性細胞障害活性に拠らない抗体単独の作用として、癌細胞の増殖を抑制することが初めて明らかにされた。
すなわち本発明は、CDCP1タンパク質を認識し、抗体依存性細胞障害活性または補体依存性細胞障害活性に拠らない細胞増殖抑制作用を有する抗体を提供する。以下、本発明においてCDCP1タンパク質を認識する(CDCP1タンパク質に結合する)抗体を、「抗CDCP1抗体」と示す場合がある。なお本発明における「抗体依存性細胞介在性細胞障害活性(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity:ADCC活性)」とは、標的細胞の細胞表面抗原に特異的抗体が付着した際、そのFc部分にFcγ受容体保有細胞(免疫細胞等)がFcγ受容体を介して結合し、標的細胞に障害を与える活性を意味する。また「補体依存性細胞障害活性(complement-dependent cytotoxicity:CDC活性)」とは、補体系による細胞障害活性を意味する。また「細胞増殖抑制作用」とは、個々の細胞の増殖を遅くすることであってもよいし、細胞の死を誘導することであってもよい。その活性は、当業者であれば、通常の増殖測定法(Li Y. et al. (2004) Blood, 104(4), 1137-44、Lu D. et al. (2004) J Biol Chem. 279(4), 2856-65、Trikha M. et al. (2004) Int J Cancer 110(3), 326-35)や実施例2に記載の方法などにより測定することができ、例えば実施例2に記載の方法の場合、抗体を加えない対照に対して通常10%以上、好ましくは15%以上、より好ましくは20%以上の細胞増殖を抑制することを意味する。
本発明の抗CDCP1抗体は、抗体依存性細胞障害活性または補体依存性細胞障害活性に拠らない細胞増殖抑制作用を有する抗体であれば、抗体依存性細胞障害活性または補体依存性細胞障害活性を併せ持っていてもよい。
本発明の抗CDCP1抗体は、いずれのイムノグロブリン(Ig)クラスに属するものでも良いが、好ましくはIgG型であり、より好ましくはIgG1である。
本発明におけるヒトのCDCP1タンパク質のアミノ酸配列を配列番号:2に、該アミノ酸配列をコードするDNA(CDCP1遺伝子)の塩基配列を配列番号:1に示す。本発明の抗CDCP1抗体は、好ましくは配列番号:2に記載のアミノ酸配列を含むCDCP1タンパク質を認識する抗体である。
CDCP1に相当するタンパク質を有するヒト以外の生物としては、例えばマウス(アクセッション番号AAH85253)、イヌ(アクセッション番号:XP_541913)、ラット(アクセッション番号:XP_236747)、ウシ(アクセッション番号:XP_612363)、ニワトリ(アクセッション番号:XP_418802)等が挙げられる。括弧の中にGenBank等遺伝子データベースにおけるアクセッション番号を示す。
上記以外のタンパク質であっても、例えば本願配列表に記載された配列と高い相同性(通常70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上)を有し、かつCDCP1が有する機能を持つタンパク質は、本発明のCDCP1タンパク質に含まれる。上記タンパク質とは例えば、配列番号:2に記載のアミノ酸配列において、1以上のアミノ酸が付加、欠失、置換、挿入されたアミノ酸配列からなるタンパク質であって、通常変化するアミノ酸数が30アミノ酸以内、好ましくは10アミノ酸以内、より好ましくは5アミノ酸以内、最も好ましくは3アミノ酸以内である。
本発明における「CDCP1遺伝子」には、例えば配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAに対応する他の生物における内在性の遺伝子(例えば、ヒトのCDCP1遺伝子のホモログ等)が含まれる。
また、配列番号:1に記載の塩基配列からなるDNAに対応する他の生物の内在性のDNAは、一般的に、配列番号:1に記載のDNAと高い相同性を有する。高い相同性とは、50%以上、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上(例えば、95%以上、さらには96%、97%、98%または99%以上)の相同性を意味する。この相同性は、mBLASTアルゴリズム(Altschul et al. (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 2264-8; Karlin and Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5873-7)によって決定することができる。また、該DNAは、生体内から単離した場合、配列番号:1に記載のDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすると考えられる。
ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、当業者であれば、適宜選択することができる。一例を示せば、25%ホルムアミド、より厳しい条件では50%ホルムアミド、4×SSC、50mM Hepes pH7.0、10×デンハルト溶液、20μg/ml変性サケ精子DNAを含むハイブリダイゼーション溶液中、42℃で一晩プレハイブリダイゼーションを行った後、標識したプローブを添加し、42℃で一晩保温することによりハイブリダイゼーションを行う。その後の洗浄における洗浄液および温度条件は、例えば「2×SSC、0.1%SDS、50℃」、「2×SSC、0.1%SDS、42℃」、「1xSSC、0.1% SDS、37℃」程度で、より厳しい条件としては「2×SSC、0.1%SDS、65℃」、「0.5xSSC、0.1% SDS、42℃」程度で、さらに厳しい条件としては「0.2xSSC、0.1% SDS、65℃」程度で実施することができる。このようにハイブリダイゼーションの洗浄の条件が厳しくなるほどプローブ配列と高い相同性を有するポリヌクレオチドの単離を期待しうる。但し、上記SSC、SDSおよび温度の条件の組み合わせは例示であり、当業者であれば、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを決定する上記若しくは他の要素(例えば、プローブ濃度、プローブの長さ、ハイブリダイゼーション反応時間など)を適宜組み合わせることにより、上記と同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。また、当業者においては、他の生物におけるCDCP1遺伝子に相当する内在性の遺伝子を、CDCP1遺伝子の塩基配列を基に適宜取得することが可能である。なお、本明細書においては、ヒト以外の生物におけるCDCP1タンパク質(遺伝子)に相当するタンパク質(遺伝子)、あるいは、上述のCDCP1と機能的に同等なタンパク質(遺伝子)を、単に「CDCP1タンパク質(遺伝子)」もしくは「CDCP1」と記載する場合がある。
CDCP1タンパク質は、天然のタンパク質のほか、遺伝子組み換え技術を利用した組換えタンパク質として調製することができる。天然のタンパク質は、例えばCDCP1タンパク質が発現していると考えられる細胞(組織)の抽出液に対し、CDCP1タンパク質に対する抗体を用いたアフィニティークロマトグラフィーを用いる方法により調製することが可能である。一方、組換えタンパク質は、CDCP1タンパク質をコードするDNAで形質転換した細胞を培養することにより調製することが可能である。
本発明において「発現」とは遺伝子からの「転写」あるいはポリペプチドへの「翻訳」及びタンパク質の「分解抑制」によるものが含まれる。「CDCP1タンパク質の発現」とは、CDCP1タンパク質をコードする遺伝子の転写および翻訳が生じること、またはこれらの転写・翻訳によりCDCP1タンパク質が生成されることを意味する。
本発明の抗CDCP1抗体は、当業者に公知の方法により調製することが可能である。本発明においてはモノクローナル抗体であることが好ましいが、均質な抗体を安定に生産できるかぎり、ポリクローナル抗体であっても良い。モノクローナル抗体およびポリクローナル抗体は当業者に公知の方法により作製することができる。
本発明の抗CDCP1抗体取得の感作抗原として使用されるタンパク質は、ヒト、マウス、ラットなど、その由来となる動物種に制限されない。しかし細胞融合に使用する親細胞との適合性を考慮して選択することが好ましく、一般的には、哺乳動物由来のタンパク質が好ましく、特にヒト由来のタンパク質が好ましい。例えば、CDCP1がヒトCDCP1の場合、ヒトCDCP1タンパク質やヒトCDCP1を発現する細胞、ヒトCDCP1の部分ペプチドなどを用いることができる。また、完全なタンパク質あるいはタンパク質の部分ペプチドであってもよい。タンパク質の部分ペプチドとしては、例えば、タンパク質のアミノ基(N)末端断片やカルボキシ(C)末端断片が挙げられる。本発明における抗CDCP1抗体とは、タンパク質の全長又は断片に反応する抗体を意味する。
モノクローナル抗体であれば、例えば、本願実施例記載のようにして調製することが可能である。例えば、前立腺癌細胞株LNCapをマウスに投与して免疫し、同マウスより脾臓を抽出し、細胞を分離の上、該細胞とマウスミエローマ細胞とを融合させる。できた融合細胞(ハイブリドーマ)の中から、癌細胞増殖抑制作用を持つ抗体を産生するクローンを選択する。癌細胞増殖抑制作用を持つモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを単離し、当該ハイブリドーマを培養し、培養上清から一般的なアフィニティ精製法により抗体を精製することで、調製することが可能である。
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、例えば以下のようにしても作製することができる。まず、公知の方法にしたがって、感作抗原を動物に免疫する。一般的方法として、感作抗原を哺乳動物の腹腔内または皮下に注射することにより行われる。具体的には、感作抗原をPBS(Phosphate-Buffered Saline)や生理食塩水等で適当量に希釈、懸濁したものに所望により通常のアジュバント、例えばフロイント完全アジュバントを適量混合し、乳化後、哺乳動物に4-21日毎に数回投与する。また、感作抗原免疫時に適当な担体を使用することもできる。
このように哺乳動物を免疫し、血清中に所望の抗体レベルが上昇するのを確認した後に、哺乳動物から免疫細胞を採取し、細胞融合に付すが、好ましい免疫細胞としては、特に脾細胞が挙げられる。
前記免疫細胞と融合される他方の親細胞として、哺乳動物のミエローマ細胞を用いる。このミエローマ細胞は、公知の種々の細胞株、例えば、P3U1(P3-X63Ag8U1)、P3(P3x63Ag8.653)(J. Immnol.(1979)123, 1548-1550)、 P3x63Ag8U.1(Current Topics in Microbiology and Immunology(1978)81, 1-7)、 NS-1 (Kohler. G. and Milstein, C. Eur. J. Immunol.(1976)6, 511-519)、MPC-11(Margulies. D.H. et al., Cell(1976)8, 405-415)、SP2/0 (Shulman, M. et al., Nature(1978)276, 269-270)、FO(deSt. Groth, S. F. et al., J. Immunol. Methods(1980)35, 1-21)、S194(Trowbridge, I. S. J. Exp. Med.(1978)148, 313-323)、R210(Galfre, G. et al., Nature(1979)277, 131-133)等が好適に使用される。
前記免疫細胞とミエローマ細胞との細胞融合は、基本的には公知の方法、たとえば、ケーラーとミルステインらの方法(Kohler. G. and Milstein, C.、Methods Enzymol.(1981)73, 3-46)等に準じて行うことができる。
より具体的には、前記細胞融合は、例えば細胞融合促進剤の存在下に通常の栄養培養液中で実施される。融合促進剤としては、例えばポリエチレングリコール(PEG)、センダイウイルス(HVJ)等が使用され、更に所望により融合効率を高めるためにジメチルスルホキシド等の補助剤を添加使用することもできる。
免疫細胞とミエローマ細胞との使用割合は任意に設定することができる。例えば、ミエローマ細胞に対して免疫細胞を1-10倍とするのが好ましい。前記細胞融合に用いる培養液としては、例えば、前記ミエローマ細胞株の増殖に好適なRPMI1640培養液、MEM培養液、その他、この種の細胞培養に用いられる通常の培養液が使用可能であり、さらに、牛胎児血清(FCS)等の血清補液を併用することもできる。
細胞融合は、前記免疫細胞とミエローマ細胞との所定量を前記培養液中でよく混合し、予め37℃程度に加温したPEG溶液(例えば平均分子量1000-6000程度)を通常30-60%(w/v)の濃度で添加し、混合することによって目的とするハイブリドーマを形成する。続いて、適当な培養液を逐次添加し、遠心して上清を除去する操作を繰り返すことによりハイブリドーマの生育に好ましくない細胞融合剤等を除去する。
このようにして得られたハイブリドーマは、通常の選択培養液、例えばHAT培養液(ヒポキサンチン、アミノプテリンおよびチミジンを含む培養液)で培養することにより選択される。上記HAT培養液での培養は、目的とするハイブリドーマ以外の細胞(非融合細胞)が死滅するのに十分な時間(通常、数日〜数週間)継続する。ついで、通常の限界希釈法を実施し、目的とする抗体を産生するハイブリドーマのスクリーニングおよび単一クローニングを行う。
また、ヒト以外の動物に抗原を免疫して上記ハイブリドーマを得る他に、ヒトリンパ球、例えばEBウィルスに感染したヒトリンパ球をin vitroでタンパク質、タンパク質発現細胞又はその溶解物で感作し、感作リンパ球をヒト由来の永久分裂能を有するミエローマ細胞、例えばU266と融合させ、所望の活性(例えば、細胞増殖抑制活性)を有するヒト抗体を産生するハイブリドーマを得ることもできる。
このようにして作製されるモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、通常の培養液中で継代培養することが可能であり、また、液体窒素中で長期保存することが可能である。
すなわち、所望の抗原や所望の抗原を発現する細胞を感作抗原として使用して、これを通常の免疫方法にしたがって免疫し、得られる免疫細胞を通常の細胞融合法によって公知の親細胞と融合させ、通常のスクリーニング法により、モノクローナルな抗体産生細胞(ハイブリドーマ)をスクリーニングすることによって作製できる。
また、ポリクローナル抗体であれば、例えば、次のようにして得ることができる。天然のCDCP1タンパク質、あるいはGSTとの融合タンパク質として大腸菌等の微生物において発現させたリコンビナントCDCP1タンパク質、またはその部分ペプチドをウサギ等の小動物に免疫し血清を得る。これを、例えば、硫安沈殿、プロテインA、プロテインGカラム、DEAEイオン交換クロマトグラフィー、CDCP1タンパク質や合成ペプチドをカップリングしたアフィニティーカラム等により精製することにより調製する。
抗原の調製は、例えば、バキュロウイルスを用いた方法(例えば、WO98/46777など)などに準じて行うことができる。抗原の免疫原性が低い場合には、アルブミン等の免疫原性を有する巨大分子と結合させ、免疫を行えばよい。
また、抗体遺伝子をハイブリドーマからクローニングし、適当なベクターに組み込んで、これを宿主に導入し、遺伝子組換え技術を用いて産生させた遺伝子組換え型抗体を用いることができる(例えば、Carl, A.K. Borrebaeck, James, W. Larrick, THERAPEUTIC MONOCLONAL ANTIBODIES, Published in the United Kingdom by MACMILLAN PUBLISHERS LTD, 1990参照)。具体的には、ハイブリドーマのmRNAから逆転写酵素を用いて抗体の可変領域(V領域)のcDNAを合成する。目的とする抗体のV領域をコードするDNAが得られれば、これを所望の抗体定常領域(C領域)をコードするDNAと連結し、これを発現ベクターへ組み込む。または、抗体のV領域をコードするDNAを、抗体C領域のDNAを含む発現ベクターへ組み込んでもよい。発現制御領域、例えば、エンハンサー、プロモーターの制御のもとで発現するよう発現ベクターに組み込む。次に、この発現ベクターにより宿主細胞を形質転換し、抗体を発現させることができる。
本発明の抗CDCP1抗体は、モノクローナル抗体であることが好ましい。しかし、CDCP1タンパク質に結合し、細胞増殖抑制作用を有する限り、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体のほかに、遺伝子改変抗体(キメラ抗体、ヒト化抗体など)、低分子化抗体(抗体断片も含む)、多特異性抗体等、さらに抗体修飾物が含まれる。
低分子化抗体は、全長抗体(whole antibody、例えばwhole IgG等)の一部分が欠損している抗体断片を含み、抗原(CDCP1タンパク質)への結合能を有していれば特に限定されない。抗体断片は、全長抗体の一部分であれば特に限定されないが、重鎖可変領域(VH)又は/及び軽鎖可変領域(VL)を含んでいることが好ましい。
本発明の抗CDCP1抗体のVHのアミノ酸配列を配列番号:5に、VLのアミノ酸配列を配列番号:6に示す。VHまたはVLのアミノ酸配列は、置換、欠失、付加及び/又は挿入がされていてもよい。さらに抗原への結合能を有する限り、VH又は/及びVLの一部を欠損させてもよい。又、可変領域はキメラ化やヒト化されていてもよい。抗体断片の具体例としては、例えば、Fab、Fab'、F(ab')2、Fvなどを挙げることができる。また、低分子化抗体の具体例としては、例えば、Fab、Fab'、F(ab')2、Fv、scFv(single chain Fv)、ダイアボディ、sc(Fv)2(single chain (Fv)2)などを挙げることができる。
ここで、「Fv」断片は最小の抗体断片であり、完全な抗原認識部位と結合部位を含む。「Fv」断片は1つのVHおよびVLが非共有結合により強く連結されたダイマー(VH-VLダイマー)である。各可変領域の3つの相補鎖決定領域(complementarity determining region;CDR)が相互作用し、VH-VLダイマーの表面に抗原結合部位を形成する。6つのCDRが抗体に抗原結合部位を付与している。しかしながら、1つの可変領域(または、抗原に特異的な3つのCDRのみを含むFvの半分)であっても、全結合部位よりも親和性は低いが、抗原を認識し、結合する能力を有する。
本発明のVHおよびVLに存在する各CDRを、各可変領域をコードする配列のN末端から存在する順にCDR1、CDR2、CDR3とする(図4および5参照)。
本発明の抗CDCP1抗体におけるVHに存在するCDR1、2、3のアミノ酸配列を、それぞれ配列番号:7、8、9に示す。また、VLに存在するCDR1、2、3のアミノ酸配列を、それぞれ配列番号:10、11、12に示す。
scFvには、抗体のVHおよびVLが含まれ、これらの領域は単一のポリペプチド鎖中に存在する。一般に、FvポリペプチドはさらにVHおよびVLの間にポリペプチドリンカーを含んでおり、これによりscFvは、抗原結合のために必要な構造を形成することができる(scFvの総説については、Pluckthun『The Pharmacology of Monoclonal Antibodies』Vol.113(Rosenburg and Moore ed (Springer Verlag, New York) pp.269-315, 1994)を参照)。リンカーは、その両端に連結された抗体可変領域の発現を阻害するものでなければ特に限定されない。
ダイアボディは、遺伝子融合により構築された二価(bivalent)の抗体断片を指す(Holliger P et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90: 6444-6448 (1993)、EP404,097号、WO93/11161号等)。ダイアボディは、2本のポリペプチド鎖から構成されるダイマーであり、通常、ポリペプチド鎖は各々、同じ鎖中でVL及びVHが、互いに結合できない位に短い、例えば、5残基程度のリンカーにより結合されている。同一ポリペプチド鎖上にコードされるVLとVHとは、その間のリンカーが短いため単鎖可変領域フラグメントを形成することが出来ず二量体を形成するため、ダイアボディは2つの抗原結合部位を有することとなる。
sc(Fv)2は、2つのVH及び2つのVLをリンカー等で結合して一本鎖にした低分子化抗体である(Hudson et al、J Immunol. Methods 1999;231:177-189)。sc(Fv)2は、例えば、scFvをリンカーで結ぶことによって作製できる。
抗体の可変領域を結合するリンカーとしては、遺伝子工学により導入し得る任意のペプチドリンカー、又は合成化合物リンカー(例えば、Protein Engineering, 9(3), 299-305, 1996参照)に開示されるリンカー等を用いることができる。ペプチドリンカーを用いる場合、その長さは特に限定されず、目的に応じて当業者が適宜選択することが可能であるが、通常、1〜100アミノ酸、好ましくは3〜50アミノ酸、更に好ましくは5〜30アミノ酸、特に好ましくは12〜18アミノ酸(例えば、15アミノ酸)である。
合成化学物リンカー(化学架橋剤)は、ペプチドの架橋に通常用いられている架橋剤、例えばN-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)、ジスクシンイミジルスベレート(DSS)、ビス(スルホスクシンイミジル)スベレート(BS3)、ジチオビス(スクシンイミジルプロピオネート)(DSP)、ジチオビス(スルホスクシンイミジルプロピオネート)(DTSSP)、エチレングリコールビス(スクシンイミジルスクシネート)(EGS)、エチレングリコールビス(スルホスクシンイミジルスクシネート)(スルホ−EGS)、ジスクシンイミジル酒石酸塩(DST)、ジスルホスクシンイミジル酒石酸塩(スルホ−DST)、ビス[2-(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン(BSOCOES)、ビス[2-(スルホスクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン(スルホ-BSOCOES)などであり、これらの架橋剤は市販されている。
低分子化抗体を得るには、抗体を酵素、例えば、パパイン、ペプシンなどで処理し、抗体断片を生成させるか、又はこれら抗体断片をコードするDNAを構築し、これを発現ベクターに導入した後、適当な宿主細胞で発現させればよい(例えば、Co, M. S. et al., J. Immunol. (1994) 152, 2968-2976 ; Better, M. and Horwitz, A. H., Methods Enzymol. (1989) 178, 476-496 ; Pluckthun, A. and Skerra, A., Methods Enzymol. (1989) 178, 497-515 ; Lamoyi, E., Methods Enzymol. (1986) 121, 652-663 ; Rousseaux, J. et al., Methods Enzymol. (1986) 121, 663-669 ; Bird, R. E. and Walker, B. W., Trends Biotechnol. (1991) 9, 132-137参照)。
キメラ抗体は、異なる動物由来の配列を組み合わせて作製される抗体であり、例えば、マウス抗体の重鎖、軽鎖の可変領域とヒト抗体の重鎖、軽鎖の定常領域からなる抗体などである。キメラ抗体の作製は公知の方法を用いて行うことができ、例えば、抗体V領域をコードするDNAとヒト抗体C領域をコードするDNAとを連結し、これを発現ベクターに組み込んで宿主に導入し産生させることにより得られる。
ヒト化抗体は、再構成(reshaped)ヒト抗体とも称される改変抗体である。ヒト化抗体は、免疫動物由来の抗体のCDRを、ヒト抗体の相補性決定領域へ移植することによって構築される。その一般的な遺伝子組換え手法も知られている。
具体的には、マウス抗体のCDRとヒト抗体のフレームワーク領域(framework region;FR)を連結するように設計したDNA配列を、末端部にオーバーラップする部分を有するように作製した数個のオリゴヌクレオチドからPCR法により合成する。得られたDNAを、ヒト抗体定常領域をコードするDNAと連結し、次いで発現ベクターに組み込んで、これを宿主に導入し産生させることにより得られる(欧州特許出願公開番号EP 239400、国際特許出願公開番号WO 96/02576参照)。CDRを介して連結されるヒト抗体のFRは、相補性決定領域が良好な抗原結合部位を形成するものが選択される。必要に応じ、再構成ヒト抗体の相補性決定領域が適切な抗原結合部位を形成するように抗体の可変領域におけるフレームワーク領域のアミノ酸を置換してもよい(Sato K et al, Cancer Research 1993, 53: 851-856)。また、様々なヒト抗体由来のフレームワーク領域に置換してもよい(国際特許出願公開番号WO 99/51743参照)。
CDRを介して連結されるヒト抗体のフレームワーク領域は、相補性決定領域が良好な抗原結合部位を形成するものが選択される。必要に応じ、再構成ヒト抗体の相補性決定領域が適切な抗原結合部位を形成するように、抗体の可変領域におけるフレームワーク領域のアミノ酸を置換してもよい(Sato, K.etal., CancerRes.(1993)53, 851-856)。
キメラ抗体やヒト化抗体を作製した後に、可変領域(例えば、FR)や定常領域中のアミノ酸を他のアミノ酸で置換等してもよい。
抗体修飾物としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)等の各種分子と結合した抗体を挙げることができる。本発明の抗体修飾物においては、結合される物質は限定されない。このような抗体修飾物を得るには、得られた抗体に化学的な修飾を施すことによって得ることができる。これらの方法はこの分野において既に確立されている。
本発明において好ましい抗体は、重鎖可変領域に存在するCDR1、2、3がそれぞれ配列番号:7、8、9に記載のアミノ酸配列であり、軽鎖可変領域に存在するCDR1、2、3がそれぞれ配列番号:10、11、12に記載のアミノ酸配列である抗体である。
本発明の抗体には、上記配列番号:5〜12のいずれかに記載のアミノ酸配列において1又は複数のアミノ酸が置換、欠失、付加および/または挿入され、かつ本発明に記載の抗体と機能的に同等な抗体も含まれる。
ここで「機能的に同等」とは、対象となる抗体が本発明の抗体と同様の生物学的あるいは生化学的活性を有することを指す。このような活性としては、例えば、細胞増殖抑制活性、あるいは結合活性を例示することができる。
あるポリペプチドと機能的に同等なポリペプチドを調製するための、当業者によく知られた方法としては、ポリペプチドに変異を導入する方法が知られている。例えば、当業者であれば、部位特異的変異誘発法(Hashimoto-Gotoh, T. et al. (1995) Gene 152, 271-275、Zoller, MJ, and Smith, M.(1983) Methods Enzymol. 100, 468-500、Kramer, W. et al. (1984) Nucleic Acids Res. 12, 9441-9456、Kramer W, and Fritz HJ(1987) Methods. Enzymol. 154, 350-367、Kunkel,TA(1985) Proc Natl Acad Sci USA. 82, 488-492、Kunkel (1988) Methods Enzymol. 85, 2763-2766)などを用いて、本発明の抗体に適宜変異を導入することにより、該抗体と機能的に同等な抗体を調製することができる。また、アミノ酸の変異は自然界においても生じうる。このように、本発明の抗体のアミノ酸配列において1もしくは複数のアミノ酸が変異したアミノ酸配列を有し、該抗体と機能的に同等な抗体もまた本発明の抗体に含まれる。このような変異体における、変異するアミノ酸数は、通常、50アミノ酸以内であり、好ましくは30アミノ酸以内であり、さらに好ましくは10アミノ酸以内(例えば、5アミノ酸以内)であると考えられる。
変異するアミノ酸残基においては、アミノ酸側鎖の性質が保存されている別のアミノ酸に変異されることが望ましい。例えばアミノ酸側鎖の性質としては、疎水性アミノ酸(A、I、L、M、F、P、W、Y、V)、親水性アミノ酸(R、D、N、C、E、Q、G、H、K、S、T)、脂肪族側鎖を有するアミノ酸(G、A、V、L、I、P)、水酸基含有側鎖を有するアミノ酸(S、T、Y)、硫黄原子含有側鎖を有するアミノ酸(C、M)、カルボン酸及びアミド含有側鎖を有するアミノ酸(D、N、E、Q)、塩基含有側鎖を有するアミノ離(R、K、H)、芳香族含有側鎖を有するアミノ酸(H、F、Y、W)を挙げることができる(括弧内はいずれもアミノ酸の一文字標記を表す)。
あるアミノ酸配列に対する1又は複数個のアミノ酸残基の欠失、付加及び/又は他のアミノ酸による置換により修飾されたアミノ酸配列を有するポリペプチドがその生物学的活性を維持することはすでに知られている(Mark, D. F. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1984) 81, 5662-5666 、Zoller, M. J. & Smith, M. Nucleic Acids Research (1982) 10, 6487-6500 、Wang, A. et al., Science 224, 1431-1433 、Dalbadie-McFarland, G. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1982) 79, 6409-6413 )。
本発明の抗体のアミノ酸配列に複数個のアミノ酸残基が付加された抗体には、これら抗体を含む融合タンパク質が含まれる。融合タンパク質は、これら抗体と他のペプチド又はタンパク質とが融合したものであり、本発明に含まれる。融合タンパク質を作製する方法は、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドと他のペプチド又はポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをフレームが一致するように連結してこれを発現ベクターに導入し、宿主で発現させればよく、当業者に公知の手法を用いることができる。本発明の抗体との融合に付される他のペプチド又はポリペプチドとしては、例えば、FLAG(Hopp, T. P. et al., BioTechnology (1988) 6, 1204-1210 )、6個のHis(ヒスチジン)残基からなる6×His、10×His、インフルエンザ凝集素(HA)、ヒトc-mycの断片、VSV-GPの断片、p18HIVの断片、T7-tag、HSV-tag、E-tag、SV40T抗原の断片、lck tag、α-tubulinの断片、B-tag、Protein C の断片等の公知のペプチドを使用することができる。また、本発明の抗体との融合に付される他のポリペプチドとしては、例えば、GST(グルタチオン−S−トランスフェラーゼ)、HA(インフルエンザ凝集素)、イムノグロブリン定常領域、β−ガラクトシダーゼ、MBP(マルトース結合タンパク質)等が挙げられる。市販されているこれらペプチドまたはポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを、本発明の抗体をコードするポリヌクレオチドと融合させ、これにより調製された融合ポリヌクレオチドを発現させることにより、融合ポリペプチドを調製することができる。
本発明の抗体は、後述するそれを産生する細胞や宿主あるいは精製方法により、アミノ酸配列、分子量、等電点又は糖鎖の有無や形態などが異なり得る。しかしながら、得られた抗体が、本発明の抗体と同等の機能を有している限り、本発明に含まれる。例えば、本発明の抗体を原核細胞、例えば大腸菌で発現させた場合、本来の抗体のアミノ酸配列のN末端にメチオニン残基が付加される。本発明の抗体はこのような抗体も包含する。
上記抗CDCP1抗体が認識するCDCP1タンパク質のエピトープを認識する抗体は、当業者に公知の方法により得ることが可能である。例えば、抗CDCP1抗体が認識するCDCP1タンパク質のエピトープを通常の方法により決定し、該エピトープに含まれるアミノ酸配列を有するポリペプチドを免疫原として抗体を作製する方法や、通常の方法で作製された抗体のエピトープを決定し、抗CDCP1抗体とエピトープが同じ抗体を選択する方法などにより得ることができる。
本発明においては、重鎖可変領域及び軽鎖可変領域がそれぞれ配列番号:5及び配列番号:6に記載のアミノ酸配列である抗体が認識するCDCP1タンパク質のエピトープを認識する抗体が好ましい。
また本発明の抗CDCP1抗体は、CDCP1タンパク質と結合することにより、該タンパク質の機能を阻害し、癌細胞の増殖を抑制する機能を有する。すなわち本発明は、抗CDCP1抗体を有効成分として含有する癌細胞増殖抑制剤を提供する。本発明において「抗CDCP1抗体を有効成分として含有する」とは、抗CDCP1抗体を主要な活性成分として含むという意味であり、抗CDCP1抗体の含有率を制限するものではない。
本発明の癌細胞増殖抑制剤に含有される抗CDCP1抗体は、好ましくは、抗体依存性細胞障害活性または補体依存性細胞障害活性に拠らない細胞増殖抑制作用を有する抗体である。
また本発明の抗CDCP1抗体は、癌細胞増殖抑制作用を有していることから、癌の治療あるいは予防にも有用であると考えられる。すなわち本発明は、抗CDCP1抗体を有効成分とする、癌治療剤を提供する。本発明の抗CDCP1抗体を人体に投与する目的(抗体治療)で使用する場合には、免疫原性を低下させるため、ヒト抗体やヒト型抗体にすることが好ましい。
本発明の癌細胞増殖抑制剤あるいは癌治療剤の標的は癌(細胞)であれば特に限定されないが、好ましくは前立腺癌、肺癌、大腸癌、膵臓癌、乳癌からなる群より選択される癌(細胞)である。特に好ましいのは、前立腺癌(細胞)である。
本発明の抗体を医薬組成物として用いる場合には、当業者に公知の方法で製剤化することが可能である。例えば、水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、又は懸濁液剤の注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、薬理学上許容される担体もしくは媒体、具体的には、滅菌水や生理食塩水、植物油、乳化剤、懸濁剤、界面活性剤、安定剤、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、結合剤などと適宜組み合わせて、一般に認められた製薬実施に要求される単位用量形態で混和することによって製剤化することが考えられる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
注射のための無菌組成物は注射用蒸留水のようなベヒクルを用いて通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射用の水溶液としては、例えば生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液、例えばD-ソルビトール、D-マンノース、D-マンニトール、塩化ナトリウムが挙げられ、適当な溶解補助剤、例えばアルコール、具体的にはエタノール、ポリアルコール、例えばプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、非イオン性界面活性剤、例えばポリソルベート80(TM)、HCO-50と併用してもよい。
油性液としてはゴマ油、大豆油があげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールと併用してもよい。また、緩衝剤、例えばリン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液、無痛化剤、例えば、塩酸プロカイン、安定剤、例えばベンジルアルコール、フェノール、酸化防止剤と配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填させる。
投与は好ましくは非経口投与であり、具体的には、注射剤型、経鼻投与剤型、経肺投与剤型、経皮投与型などが挙げられる。注射剤型の例としては、例えば、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射などにより全身または局部的に投与することができる。
また、患者の年齢、症状により適宜投与方法を選択することができる。抗体または抗体をコードするポリヌクレオチドを含有する医薬組成物の投与量としては、例えば、一回につき体重1kgあたり0.0001mgから1000mgの範囲で選ぶことが可能である。あるいは、例えば、患者あたり0.001〜100000mg/bodyの範囲で投与量を選ぶことができるが、これらの数値に必ずしも制限されるものではない。投与量、投与方法は、患者の体重や年齢、症状などにより変動するが、当業者であれば適宜選択することが可能である。
さらに本発明は、抗CDCP1抗体を用いることを特徴とする、癌細胞の増殖を抑制する方法に関する。当該癌細胞増殖抑制方法においては、例えば、まず抑制を目的とする癌細胞を培養する。次いで、培養した癌細胞に適宜希釈した抗CDCP1抗体を添加し、さらに培養することにより、目的とする癌細胞の増殖を抑制することが可能である。前立腺癌細胞株LNCapの細胞の増殖を抑制する場合は、まずLNCapを、5x104cells/mLとなるように培地(RPMI1640, 10% Fetal Bovine Serum, Penicillin, Streptomycin)に懸濁し、100μL/wellで96wellに蒔き込む。この時、培地中のFetal Bovine Serumは、56℃で30min以上保温する処理を行なうことにより、非働化したものを用いる。次いで、約24時間培養後に、適宜希釈した抗CDCP1抗体を25μL/wellで加えることにより、前立腺癌細胞の増殖を抑制することが可能である。
癌細胞の増殖を抑制する方法のその他の態様として、例えばCDCP1タンパク質を認識し細胞内にシグナル伝達する物質(例えば、抗CDCP1抗体)を用いる方法が挙げられる。
なお、これらの癌細胞増殖抑制方法の対象となる癌細胞に特に制限は無いが、好ましくは前立腺癌細胞である。
また本発明は、本発明の抗CDCP1抗体を産生する細胞を提供する。好ましくは、抗CDCP1抗体を産生する能力を有する哺乳動物由来の脾臓細胞と哺乳動物由来のミエローマ細胞とを融合して得られる融合細胞(ハイブリドーマ)である。本発明におけるハイブリドーマの取得は、上述した方法に基づいて行うことができる。
また本発明は、抗CDCP1抗体を産生する細胞を培養し、癌細胞増殖抑制作用を有する抗体を精製する工程を含む、癌細胞増殖抑制剤あるいは癌治療剤の製造方法を提供する。
本製造方法においては、まず抗CDCP1抗体を産生する細胞(例えばハイブリドーマ)を培養する。培養は公知の方法に従い行うことができる。
例えば、ハイブリドーマから本発明の抗CDCP1抗体を取得するには、当該ハイブリドーマを通常の方法にしたがい培養し、その培養上清として得る方法、あるいはハイブリドーマをこれと適合性がある哺乳動物に投与して増殖させ、その腹水として得る方法などが採用される。前者の方法は、高純度の抗体を得るのに適しており、一方、後者の方法は、抗体の大量生産に適している。
抗体の分離、精製は、通常のポリペプチドの精製で使用されている分離、精製方法を使用すればよく、何ら限定されるものではない。例えば、クロマトグラフィーカラム、フィルター、限外濾過、塩析、溶媒沈殿、溶媒抽出、蒸留、免疫沈降、SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動、等電点電気泳動法、透析、再結晶等を適宜選択、組み合わせれば抗体を分離、精製することができる。
次いで、当該細胞またはその培養上清から産生された抗体を回収する。クロマトグラフィーとしては、例えばアフィニティークロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー等が挙げられる(Strategies for Protein Purification and Characterization: A Laboratory Course Manual. Ed Daniel R. Marshak et al., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1996)。これらのクロマトグラフィーは、液相クロマトグラフィー、例えばHPLC、FPLC等の液相クロマトグラフィーを用いて行うことができる。アフィニティークロマトグラフィーに用いるカラムとしては、プロテインAカラム、プロテインGカラムが挙げられる。例えば、プロテインAを用いたカラムとして、Hyper D, POROS, Sepharose F. F. (Pharmacia)等が挙げられる。
なお必要に応じ、抗体の精製前又は精製後に適当なタンパク質修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を加えたり部分的にペプチドを除去することもできる。タンパク質修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、リシルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グルコシダーゼなどが用いられる。
以上のような工程を経て得られた、癌細胞増殖抑制作用を有する抗体は、癌細胞増殖抑制剤あるいは癌治療剤として有用である。
以下、本発明を実施例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により制限されるものではない。
〔実施例1〕癌細胞増殖抑制作用を持つ抗体の作製
癌細胞増殖抑制作用を持つ抗体の作製は、以下の方法を基本とし、適宜変更を加えて行った。
前立腺癌細胞株LNCapを、約4x107cells/mLとなるようにPBSに懸濁した。Balb/cマウス(メス)の腹腔に上記細胞懸濁液を0.25mL/headで投与することにより免疫を行った。初回免疫の2週間後に再度同様の免疫を行い、その後1週間ごとに追加の免疫を行った。最終免疫の3〜5日後にマウスより脾臓細胞を摘出し、マウスミエローマ細胞株P3U1(P3-X63Ag8U1)との細胞融合を行った。
細胞融合は次に示す一般的な方法を基本とし、適宜変更を加えて行った。なお、全ての培地中のFetal Bovine Serumは、56℃で30min以上保温する処理を行なうことにより、非働化したものを用いた。P3U1は培地1(RPMI1640, 10% Fetal Bovine Serum, Penicillin, Streptomycin)で培養して準備した。マウス脾臓細胞とP3U1を培地2(RPMI1640, Penicillin, Streptomycin)でそれぞれ洗浄した後、その比が5:1となるように混合し、遠心した。沈殿した細胞にPolyethylene Glycol 1500(Roche Diagnostics、Cat. No. 783 641)を徐々に加えながら穏やかに混合した。培地2を徐々に加えながらさらに穏やかに混合した後、遠心により細胞を沈殿させた。沈殿した細胞を、培地3(RPMI1640, 10% Fetal Bovine Serum, HAT media supplement(Sigma、Cat. No. H-0262), BM-Condimed H1 Hybridoma Cloning Supplement(Roche Diagnostics、Cat. No. 1 088 947), Penicillin, Streptomycin)で適宜希釈し、200μl/wellで96wellプレートに蒔き込み培養を行った。
ハイブリドーマのコロニーが十分に形成された時点で、その培養上清を用い、癌細胞増殖抑制作用を調べるアッセイによるスクリーニングを行った。スクリーニングは次に示す方法を基本とし、適宜変更を加えて行った。LNCapを、5x104cells/mLとなるように培地1に懸濁した。この細胞懸濁液に1/250量のHT supplement(Invitrogen、Cat. No. 11067-030)を加え、これを100μL/wellで96wellプレートに蒔き込んだ。約24時間培養後、ハイブリドーマの培養上清を50μL/wellで加えた。さらに3日間培養した後に、Cell Count Reagent SF(ナカライテスク、Cat. No. 07553-44)を15μL/wellで加えた。2時間培養した後、OD450nmの測定を行った。増殖抑制の認められたwellのハイブリドーマを選択し、拡大培養した後に、限界希釈(limiting dilution)法によるシングルクローン化を行った。限界希釈により得られた各シングルクローンについて、上記の癌細胞増殖抑制作用を調べるアッセイを行うことにより、癌細胞増殖抑制作用を持つモノクローナル抗体(LV26B)産生ハイブリドーマを単離した。IsoStrip Mouse Monoclonal Antibody Isotyping Kit(Roche Diagnostics、Cat. No. 1 493 027)を用い、メーカー推奨の操作を行うことによりLV26Bのアイソタイプを調べたところ、IgG1であることが明らかとなった。
〔実施例2〕LV26Bの癌細胞増殖抑制作用の評価
LV26B産生ハイブリドーマを培地4(RPMI1640, 10% Ultra-low IgG Fetal Bovine Serum(Invitrogen、Cat. No. 16250-078), HAT media supplement(Sigma、Cat. No. H-0262), BM-Condimed H1 Hybridoma Cloning Supplement(Roche Diagnostics、Cat. No. 1 088 947), Penicillin, Streptomycin)で培養した。この培養上清からProtein G-Sepharoseを用いた一般的なアフィニティ精製法により、LV26Bを精製した。精製物のタンパク量は、DCプロテインアッセイキットI(Bio-Rad、Cat. No. 500-0111JA)を用い、メーカー推奨の操作を行うことにより求めた。精製LV26Bを用い、LNCapの増殖に対する抑制作用を調べた。LNCapを、5x104cells/mLとなるように培地1に懸濁し、100μL/wellで96wellに蒔き込んだ。約24時間培養後、適宜希釈した抗体を25μL/wellで加えた。さらに3日間培養した後に、Cell Count Reagent SFを12.5μL/wellで加えた。2時間培養した後、OD450nmの測定を行った。なお、全ての培地中のFetal Bovine Serumは、56℃で30min以上保温する処理を行なうことにより、非働化したものを用いた。抗体を加えないwellにおける増殖抑制作用を0%として求めた各抗体濃度における増殖抑制作用を図1のグラフに示す。最大35%以上の増殖抑制作用が認められた。
〔実施例3〕LV26Bが結合する抗原の同定
LV26Bを固定化したゲルは次のようにして作製した。約1.3mgの精製LV26Bと約400μLのProtein G-Sepharoseを混ぜ、4℃で約3時間混和することにより、LV26BをProtein G-Sepharoseに吸着させた。これを0.2M ホウ酸ナトリウム溶液(pH9.0)に懸濁し、遠心することにより、溶液の置換を行った。20mMのDimethyl pimelimidateを含む0.2M ホウ酸ナトリウム溶液(pH9.0)にゲルを懸濁し、室温で30分間混和することにより、抗体のProtein Gへの架橋を行った。ゲルを遠心により回収し、0.2Mグリシン溶液(pH8.0)に懸濁した。室温で2時間混和することにより、未反応の反応基のブロッキングを行った。ゲルを遠心により回収し、PBSで洗浄することによりLV26Bゲルとした。
LNCapのNP40ライゼートは次のようにして作製した。LNCapを1mM EDTAを含むPBSにより培養フラスコよりはがし、遠心することにより回収した。沈殿した細胞に1x107cells/mLとなるように、Complete EDTA-free(Roche Diagnostics、Cat. No. 1 836 170)を含むNP40ライシスバッファー(50mM Tris-HCl pH8.0, 0.5% NP40, 0.15M NaCl, 1mM EDTA)を加えて懸濁した。これを氷上に30分間置き、時々混和することにより細胞を溶解させた。遠心することにより不溶物を除き、LNCapのNP40ライゼートを得た。
LV26BゲルによるLV26B抗原の精製は次のようにして行った。LV26BゲルとLNCapのNP40ライゼートを混ぜ、4℃で約3時間混和した。これをカラムに充填し、NP40ライシスバッファー、および1M NaCl洗浄バッファー(50mM Tris-HCl pH8.0, 0.5% NP40, 1M NaCl)により洗浄した。ゲルに結合した抗原タンパクを溶出バッファー(0.1M Glycine-HCl pH2.5, 0.5% NP40)により溶出し、約500μLずつ分画して採取した。溶出液に約1/10量の1M Tris-HCl pH8.0を加えることにより溶出液を中和した。各溶出画分をSDS-PAGEにより分離し、銀染色IIキットワコー(和光純薬、Cat. No. 291-503101)を用いてメーカー推奨の操作により銀染色を行った結果を図2に示す。溶出画分2および3に、約70kDa、および約135kDaのバンドが検出された。
溶出画分2および3をまとめ、Amicon Ultra-4, 10,000 MWCO(Millipore、Cat. No. UFC8 010 24)を用い、遠心することにより約50μL程度にまで濃縮した。これをSDS-PAGEにより分離し、Simply Blue SafeStain(Invitrogen、Cat. No. LC6060)を用いてメーカー推奨の操作により染色を行った。染色された約70kDa、および約135kDaのバンドをゲルから切り出し、Peptide Mass Fingerprint(PMF)解析を行った(株式会社 島津製作所 プロテオーム解析センター http://www.shimadzu-biotech.jp/research/proteome/mol.html)。各バンドについて得られた質量分析の結果についてMascot検索(http://www.matrixscience.com)を行ったところ、いずれのバンドについてもCDCP1と一致することが明らかとなった。図3に、約135kDaのバンドについてのMascot検索の結果を示す。
〔実施例4〕LV26B抗体遺伝子配列の決定
LV26B産生ハイブリドーマから、ISOGEN(ニッポンジーン、Cat. No. 311-02501)を用い、メーカー推奨の方法に従ってtotal RNAを調製した。このtotal RNAを鋳型とし、SMARTTM RACE cDNA Amplification Kit(Clontech、Cat. No. 634914)を用い、基本的にメーカー推奨の方法に従って、逆転写反応、および抗体遺伝子cDNAのPCRによる増幅を行なった。
具体的には次の操作を行なった。1μLのTotal RNA(3.6μg/μL)に、1μLのBD SMART IITM A Oligonucleotide、1μLの5’-RACE CDS primer、および2μL のRNase free waterを加え、70℃で2min保温した。これに、次の試薬を順次加え、42℃で1.5hr保温した。
5x First-Strand buffer 2μL
20mM DTT 1μL
10mM dNTP mix 1μL
BD PowerScriptTM Reverse Transcriptase 1μL
反応産物に、Tricine-EDTA bufferを100μL加え、72℃で7min保温した後、-20℃で凍結した。この反応産物を鋳型とし、次の条件によるPCRを行なった。
<反応液組成>
上記反応産物 2.5μL
10x BD Advantage 2 PCR buffer 5μL
10x Universal Primer A mix 5μL
10μM 遺伝子特異的primer 1μL
10mM dNTP mix 1μL
50x BD Advantage 2 polymerase mix 1μL
Water 34.5μL
遺伝子特異的primerは、以下の配列のものを用いた。
H鎖: MHC-IgG1 primer 5' ggg cca gtg gat aga cag atg 3'(配列番号:13)
L鎖: MLC-K primer 5' gct cac tgg atg gtg gga aga tg 3'(配列番号:14)
<反応条件>
94℃、30sec

94℃、5sec → 72℃、3min x 5サイクル

94℃、5sec → 70℃、10sec → 72℃、3min x 5サイクル

94℃、5sec → 68℃、10sec → 72℃、3min x 25サイクル

72℃、7min

4℃
PCR産物をアガロースゲル電気泳動により分離し、増幅された約500kbpのDNA断片をゲルから切り出した。QIAquick PCR Purification Kit(Qiagen、Cat. No. 28104)を用い、メーカー推奨の方法に従ってこのDNA断片を精製し、pCR(R)II-TOPOベクター(Invitrogen)にTAクローニング法により組み込んだ。複数の得られたサブクローンについて一般的な方法によりシークエンシングを行なうことにより、LV26B抗体遺伝子の可変領域の配列を決定した。決定したLV26B抗体遺伝子の重鎖可変領域の塩基配列を配列番号:3に、当該塩基配列によってコードされるアミノ酸配列を配列番号:5に、軽鎖可変領域の塩基配列を配列番号:4に、当該塩基配列によってコードされるアミノ酸配列を配列番号:6にそれぞれ示す。またこれら重鎖可変領域および軽鎖可変領域の塩基配列、アミノ酸配列、CDR1、2、3を図示したものをそれぞれ図4および5に示す。
図1は、精製LV26BによるLNCap増殖抑制作用を示すグラフである。各抗体濃度における増殖抑制作用を表す。 図2は、LV26Bゲルを用いたアフィニティ精製により精製されたLV26B抗原を示す写真である。各溶出画分をSDS-PAGEにより分離し、銀染色を行った結果、約70kDa、および約135kDaのバンドが検出された。 図3は、約135kDaのバンドについてのMascot検索の結果を示す図である。CDCP1のアミノ酸配列から推定される各ペプチドのうち質量が一致したものを赤色と下線で示した。 図4は、LV26B遺伝子の重鎖可変領域の塩基配列とアミノ酸配列を示す図である。CDR1、2、3に相当するアミノ酸配列を四角で囲って示した。なお、配列番号:3に示す塩基配列の相補鎖である塩基配列については、配列表への記載を省略した。 図5は、LV26B遺伝子の軽鎖可変領域の塩基配列とアミノ酸配列を示す図である。CDR1、2、3に相当するアミノ酸配列を四角で囲って示した。なお、配列番号:4に示す塩基配列の相補鎖である塩基配列については、配列表への記載を省略した。

Claims (19)

  1. 抗CDCP1抗体を有効成分とする、癌細胞増殖抑制剤。
  2. 癌が、前立腺癌、肺癌、大腸癌、膵臓癌、または乳癌である、請求項1に記載の癌細胞増殖抑制剤。
  3. 抗CDCP1抗体が、抗体依存性細胞障害活性または補体依存性細胞障害活性に拠らない細胞増殖抑制作用を有する抗CDCP1抗体である、請求項1または2に記載の癌細胞増殖抑制剤。
  4. 抗CDCP1抗体を有効成分とする、癌治療剤。
  5. 癌が前立腺癌、肺癌、大腸癌、膵臓癌、または乳癌である、請求項4に記載の癌治療剤。
  6. 抗CDCP1抗体が、抗体依存性細胞障害活性または補体依存性細胞障害活性に拠らない細胞増殖抑制作用を有する抗CDCP1抗体である、請求項4または5に記載の癌治療剤。
  7. 抗CDCP1抗体を用いることを特徴とする、前立腺癌細胞の増殖を抑制する方法。
  8. 抗体依存性細胞障害活性または補体依存性細胞障害活性に拠らない細胞増殖抑制作用を有する抗CDCP1抗体を用いることを特徴とする、癌細胞の増殖を抑制する方法。
  9. CDCP1タンパク質を認識し、細胞内にシグナル伝達する物質を用いることを特徴とする、癌細胞の増殖を抑制する方法。
  10. 癌が前立腺癌である、請求項8または9に記載の癌細胞の増殖を抑制する方法。
  11. CDCP1タンパク質を認識し、抗体依存性細胞障害活性または補体依存性細胞障害活性に拠らない細胞増殖抑制作用を有する抗体。
  12. CDCP1タンパク質が、配列番号:2に記載のアミノ酸配列を含む、請求項11に記載の抗体。
  13. 抗体がモノクローナル抗体である、請求項11または12に記載の抗体。
  14. 重鎖可変領域に存在するCDR1、2、3がそれぞれ配列番号:7、8、9に記載のアミノ酸配列であり、軽鎖可変領域に存在するCDR1、2、3がそれぞれ配列番号:10、11、12に記載のアミノ酸配列である、請求項11〜13のいずれかに記載の抗体。
  15. 重鎖可変領域及び軽鎖可変領域がそれぞれ配列番号:5及び配列番号:6に記載のアミノ酸配列である抗体が認識するCDCP1タンパク質のエピトープを認識する、請求項11に記載の抗体。
  16. 請求項11〜15のいずれかに記載の抗体を産生する細胞。
  17. 該細胞が、該抗体を産生する能力を有する哺乳動物由来の脾臓細胞と哺乳動物由来のミエローマ細胞とを融合して得られる融合細胞であることを特徴とする、請求項16に記載の細胞。
  18. 請求項16または17に記載の細胞を培養し、癌細胞増殖抑制作用を有する抗体を精製する工程を含む、癌細胞増殖抑制剤の製造方法。
  19. 請求項16または17に記載の細胞を培養し、癌細胞増殖抑制作用を有する抗体を精製する工程を含む、癌治療剤の製造方法。
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