JP2007112270A - 蓄冷式冷房ユニット - Google Patents
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- Y02E60/14—Thermal energy storage
Abstract
【解決手段】空気の吸込口及び冷風の吹出口を設けたケーシング内に、車両空調用の冷凍サイクルに連結された蓄冷用冷却コイル8と、蓄冷用冷却コイル8により冷却する蓄冷材を密封した蓄冷パック31と、空気の吸い込み及び吹き出しを行うファンとを具備し、吸込口を下部中央に配置するとともに吹出口を上部の左右両端近傍に配置した蓄冷式冷房ユニットが、蓄冷用コイル8及び蓄冷パック31を収納する内部ケース35を備えている。
【選択図】図1
Description
蓄冷用冷却コイルは、冷凍サイクル中において、エンジンが駆動される車両走行中等にキャビン内の空調に使用される空調用エバポレータと並列に設置され、エンジンで駆動されるコンプレッサから交互に冷媒の供給を受けて蓄冷するものである。
また、上述した蓄冷式冷房ユニットにおいて、ケーシングの下部中央に吸込口を設けて上部の左右両端部付近に設けた吹出口から冷風を吹き出す構成の場合、蓄冷パック全体と略均等に熱交換させて左右の吹出口から冷風を吹き出すことは困難である。具体的に説明すると、ケーシングの下部中央から吸入された空気の主流は、上部の左右両端にある吹出口へ向けて斜めに略直線的な流れを形成する。従って、たとえば蓄冷パックの下部両端付近や上部中央付近は熱交換する空気の流れが少なくなり、同部分の蓄冷材が保有する冷熱を十分に利用した蓄熱冷房運転を実施できないという問題が生じてくる。
本発明に係る蓄冷式冷房ユニットは、空気の吸込口及び冷風の吹出口を設けたケーシング内に、車両空調用の冷凍サイクルに連結された蓄冷用冷却コイルと、該蓄冷用冷却コイルにより冷却する蓄冷材を密封した蓄冷パックと、空気の吸い込み及び吹き出しを行うファンとを具備し、前記吸込口を下部中央に配置するとともに前記吹出口を上部の左右両端近傍に配置した蓄冷式冷房ユニットにおいて、前記蓄冷用コイル及び前記蓄冷パックを収納する内部ケースを設けたことを特徴とするものである。
なお、この場合のジグザグ形状は、上下方向または左右方向のいずれでもよい。
この場合、前記溝部を蛇行させることにより、蓄冷パックの伝熱面積はより一層増大する。
また、蓄冷パックの表面に形成した溝部、流路形状比の最適化、ドレンパンの傾斜設置及びシール部材の取り付けによっても、空調性能の向上や空調可能時間の延長が可能になる。
図9に示す冷媒回路図は、主として車両用空調装置に適用されるものであり、たとえばトラック等の車両に装備される蓄冷装置付き空調装置に採用されている。図9において、1はコンプレッサ、2はコンデンサ、3はレシーバ、4は空調用エバポレータ、5は感温筒6を備えた温度式の膨張弁(以下、「空調用膨張弁」ともいう)、7は空調電磁弁、8は蓄冷用冷却コイル、9は感温筒10を備えた温度式の膨張弁(以下、「蓄冷用膨張弁」ともいう)、11は蓄冷電磁弁、12は逆止弁、13は空調用エバポレータの温度を検知し作動するフロストサーモ、14は装置全体の制御装置である。
なお、上述した運転時間の一例をあげると、たとえば空調用エバポレータ4に冷媒を流す空調運転時間を45秒とし、蓄冷用冷却コイル8に冷媒を流す蓄冷運転時間を20秒とする。
蓄冷式冷房ユニット20は、空気の吸込口21及び冷風の吹出口22を設けたケーシング23内に、蓄冷ユニット30及びファン40を内蔵している。蓄冷ユニット30は、上述した車両空調用の冷凍サイクル(冷媒回路)に連結されている蓄冷用冷却コイル8と、該蓄冷用冷却コイル8により冷却する水等の蓄冷材をパックケース内に密封した蓄冷パック31とを具備し、これら蓄冷用冷却コイル8及び蓄冷パック31を収納する内部ケース35を設けた構成とされる。この蓄冷ユニット30は、蓄冷用冷却コイル8を構成する扁平押出チューブ8aの両面を、蓄冷パック31で両側から挟持した構成とされる。なお、蓄冷用冷却コイル8は、たとえば図1に示すように、左右一対のヘッダー8b,8b間を複数(図示の例では3本)の扁平押出チューブ8aにより連結した構成とされ、各扁平押出チューブ8aには図示しない多数の冷媒流路が設けられている。
ケーシング23は、キャビン内に前方を向いて露出するフロントパネル23Fと、キャビン後部壁面を形成するパネル材15の窓ガラス用開口部16に取り付けられたリアパネル23Rとに分割される。
すなわち、蓄冷式冷房ユニット20は、吸込口21及び吹出口22を設けたケーシング23内に、冷媒回路から冷媒の供給を受ける蓄冷用冷却コイル8及び蓄冷用冷却コイル8に供給された冷媒が吸熱して冷却する蓄冷パック31を内部ケース35に収納してなる蓄冷ユニット30と、空気の流れを形成するファン40とを具備した構成とされる。
また、吹出口22,22の上部には、それぞれにファン40が設置されており、キャビン内の空気を吸込口21から吸引し、後述する空気流路や溝部を通って冷却された冷風が吹出口22,22からキャビン内へ吹き出すようになっている。なお、ファン40は、フロントパネル23Fの裏面上部に固定されている。
この内部ケース35は、扁平押出チューブ8aを挟持する蓄冷パック31の前後両表面との間に空気流路となる隙間32を形成するとともに、吸入口21に連通する吸込開口33を下部に形成し、左右の吹出口22にそれぞれ連通するように吹出開口34を上部に形成した構成とされる。この内部ケース35は、内部に収納した蓄冷用冷却コイル8及び蓄冷パック31とともに一体化した蓄冷ユニット30として、リアパネル23Rに対し図示省略のボルト等により固定支持される。
このような内部ケース35を設けたことにより、蓄冷ユニット30の断熱性能が増して侵入熱を防ぐため、蓄冷パック31や蓄冷用冷却コイル8が外部からの侵入熱の影響を受けにくくなる。
このような流路断面積の変化により、後述する蓄冷パック31の溝部31aを流れる風量分布が均一化するので、蓄冷パック31が保有する冷熱を最大限に利用することができる。
図1は、左右に二分割した蓄冷パック30の内部構造例として右半分を模式的に示す断面図であり、内部ケース35の内壁面と蓄冷パック31との間に存在する隙間32には空気流路50が形成されている。この空気流路50は、吹出口21の中央部に沿って左右に分割した二つの蓄冷ユニット30毎に、それぞれの内部に設置された蓄冷パック31の表面に沿って吸込口21から吹出口22に至るジグザグ形状の流路とされる。
図示の例では、蓄冷パック31の周囲が吸込開口33及び吹出開口34を残して内部ケース35により囲まれ、さらに、空気流路50となる隙間32の下端部及び上端部には、吸込口21及び吹出口22に連通する吸込開口33及び吹出開口34となる部分を除いて仕切壁52,53が設けられている。これらの仕切壁52,53及び内部ケース35の壁面で区画された矩形状の領域は、空気流路50となる隙間32が流路となる左右方向の連通部分50a,50bを残して、上下方向に設けた流路仕切部材51により左右方向が三分割されているので、上下方向に流れ方向を変えるジグザグ形状の空気流路50が形成される。このような空気流路50は、扁平押出チューブ8aを挟持する蓄冷パック31の前後両面に形成される。
また、上述した実施形態では、上下方向に設けた流路仕切部材51により空気流路50のジグザグ形状を形成したが、左右方向に設けた流路仕切部材により空気流路50のジグザグ形状を形成してもよい。
そして、上述した空気流路50及び溝部空気流路54は、他方(左半分)の蓄冷ユニット30にも左右対称として同様に設けられているので、吸込口21から吸い込まれた空気は、左右の蓄冷ユニット30に二分割された左右2系統の流路を備えている。
このとき、空気流路50及び溝部空気流路54の流路形状比は、溝部空気流路54を流れる空気量が空気流路50を流れる空気量より少なくなるように設定する。これは、平面より伝熱面積が大きいため熱交換効率のよい溝部空気流路54を流れる空気量(風量)を小さくすることにより、溝部空気流路54側の蓄冷パック31内が空気流路50側より先に放冷してしまうことを防止するものである。この結果、蓄冷パック31が保有する冷熱をパック全体にわたって略均等に放冷させることができるので、蓄熱パック31の交換熱量を最大限に利用することができる。
すなわち、蓄冷パック31内の蓄冷材が均一に解けないと、先に解けて放冷能力のない空気流路を流れる空気温度が上昇するので、合流した後の最終的な吹出温度が高くなる。このため、蓄冷式冷房ユニット20は、所望の温度に冷却された冷風を吹き出すことができなくなる。
Dc=4hc/{2(h+c)}
続いて、風量比1.5〜2.75に対応する流路形状比(Du/Dc)を図7(a)から読み取ると、Du/Dc=1.0〜1.3となる。従って、たとえば溝部31aの溝高さhを10mm、溝幅cを5mmとすれば溝部等価直径Dcが6.7mmとなり、この場合に許容される流路高さDuは、6.7(6.7×1.0)〜8.7(6.7×1.3)mmとなる。
この侵入熱は、フロントパネル23Fに取り付けられたファン40と内部ケース35との間に形成される隙間25からファン40に吸引された外部の空気(内部ケース35の内側を通過していない空気あるいは、冷却されていない空気)が侵入し、せっかく冷却した冷風と混合されて吹出温度を上昇させるものである。
そこで、ファン40のケーシング41と内部ケース35との接続部に、スポンジやウレタン等のシール部材を設けた導風板60を取り付けて隙間25を塞ぎ、隙間25を通って空気流路50に吸い込まれる外部空気の流通を防止する。
また、図8(b)に示す第2実施例では、導風板60を内部ケース35側に予め取り付けておき、リアパネル23Rの所定位置にフロントパネル23Fを取り付けた状態にすると、導風板60のシール部材61がファン40のケーシング41に押し付けられて内側から接続部の隙間25を塞ぐようになっている。
また、図8(c)に示す第3実施例では、導風板60をファン40のケーシング41及び内部ケース35の両方に予め取り付けておき、リアパネル23Rの所定位置にフロントパネル23Fを取り付けた状態にすると、両方の導風板60に取り付けたシール部材61あるいは片方の導風板60と他方の導風板60に取り付けたシール部材61とが密着して接続部の隙間25を塞ぐようになっている。
また、下部中央の吸入口21から右上の吹出口22に至るジグザグ形状の空気流路50と、下部中央の吸入口21から左上の吹出口に至るジグザグ形状の空気流路50とが別々に形成されるので、吸入口21から吸い込まれた空気は蓄冷パック31の表面全体を略均一に通過して左右の吹出口22から吹き出されるようになる。従って、蓄冷パック31の全体から略均等に放冷させることができるようになり、蓄冷パック31が保有する冷熱の全量を略均等に有効利用することで、冷却能力が高くしかも冷却時間の長い蓄熱冷房運転が可能となる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
2 コンデンサ
4 空調用エバポレータ
5,9 膨張弁
7 空調電磁弁
8 蓄冷用冷却コイル
8a 扁平押出チューブ
11 蓄冷電磁弁
14 制御装置
20 蓄冷式冷房ユニット
21 吸込口
22 吹出口
23 ケーシング
23F フロントパネル
23R リアパネル
30 蓄冷ユニット
31 蓄冷パック
31a 溝部
32 隙間
35 内部ケース
36 ドレンパン
40 ファン
50 空気流路
51 流路仕切部材
54 溝部空気流路
60 導風板
Claims (7)
- 空気の吸込口及び冷風の吹出口を設けたケーシング内に、車両空調用の冷凍サイクルに連結された蓄冷用冷却コイルと、該蓄冷用冷却コイルにより冷却する蓄冷材を密封した蓄冷パックと、空気の吸い込み及び吹き出しを行うファンとを具備し、前記吸込口を下部中央に配置するとともに前記吹出口を上部の左右両端近傍に配置した蓄冷式冷房ユニットにおいて、
前記蓄冷用コイル及び前記蓄冷パックを収納する内部ケースを設けたことを特徴とする蓄冷式冷房ユニット。 - 前記内部ケースを左右に分割し、前記内部ケースの内面と前記蓄冷パックの表面との間に形成されて前記吸込口から前記吹出口に至る空気流路が、流れ方向を交互に逆転させるジグザグ形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の蓄冷式冷房ユニット。
- 前記蓄冷パックの表面に溝部を形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の蓄冷式冷房ユニット。
- 前記溝部を蛇行させたことを特徴とする請求項3に記載の蓄冷式冷房ユニット。
- 前記蓄冷パックが前記蓄冷用冷却コイルの扁平押出チューブを両側から挟持して配置され、前記溝部を流れる風量が前記蓄冷パックの表面に沿って形成された空気流路を流れる風量より少なくなるように、前記溝部と前記空気流路との流路形状比を設定したことを特徴とする請求項3または4に記載の蓄冷式冷房ユニット。
- 前記ファンと前記内部ケースとの接続部に勘合部を遮風するシール部材を設けた導風板を取り付けたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の蓄冷式冷房ユニット。
- 前記蓄冷パックの下方に配置されるドレンパンが、前記吸込口から左右の両端部側へ向けて高くなるよう傾斜して設けられていることを特徴とする請求項5に記載の蓄冷式冷房ユニット。
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