JP2013193709A - 車両用ヒートポンプ式空調機及びその制御方法 - Google Patents

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裕一 金巻
Masatoshi Morishita
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Abstract

【課題】車両用ヒートポンプ式空調機において、複数の室外熱交換器を前後に直列状に配置し、これに伴う各室外熱交換器における熱交換効率の相違に着目して、連続的な暖房の実施を効果的に行うことができるようにする。
【解決手段】冷媒回路10内に、圧縮機1,室外熱交換器,膨張弁4,内部熱交換5器をそなえた車両用ヒートポンプ式空調機であって、室外熱交換器は、何れも車両の外気導入口に外気取入面を向けて前後に直列に並べられて、前方の室外熱交換器3Aと後方の室外熱交換器3Bとを含んで複数備えられ、室外熱交換器3A,3Bに暖房運転時に温度低下前の冷媒を供給して除霜する除霜運転回路19と、除霜運転回路19を室外熱交換器3A,3Bに選択的に使用するように切り替える切替手段20a,20bと、を備え、室外熱交換器3A,3Bには、外気取入面の面積又は形状或いは熱交換容量が互いに異なるものが使用される。
【選択図】図1

Description

本発明は、自動車に搭載する車両用ヒートポンプ式空調機及びその制御方法に関するものである。
ヒートポンプ式空調機は、ヒートポンプの可逆性を利用して、冷房運転と暖房運転とを切り替えることができ、家庭用や業務用といった建物用のエアコン(いわゆる、ヒートポンプエアコン)として広く普及している。
図7(a),(b)は、このヒートポンプ式空調機の冷房運転と暖房運転とを説明する図である。
ヒートポンプ式空調機は、図7(a),(b)に示すように、コンプレッサ101と、切替弁102と、室外熱交換器103と、膨張弁104と、室内熱交換器105とをこの順で、冷媒回路100内に備えている。また、室外熱交換器103には、ファン103aが付設され、外気を室外熱交換器103に通過させて外気との熱交換を促進し、室内熱交換器105には、ファン105aが付設され、空気を室内熱交換器105に通過させて冷却又は加熱して室内に送風するようになっている。なお、この例ではコンプレッサ101にアキュムレータ106が付設され、コンプレッサ101の吐出圧が安定化されるようになっている。
外気温度が高い(例えば、真夏の35℃)場合の冷房運転時には、図7(a)に示すように、切替弁102が順方向の流れを生成して、冷媒回路100内で、圧縮機(コンプレッサ)101,室外熱交換器(室外機)103,膨張弁104,室内熱交換器(室内機)105の順で冷媒を循環させる。これにより、圧縮機101で圧縮され高温,高圧になった冷媒は室外熱交換器103において熱を放出して冷却され凝縮される。この際、室外熱交換器103は凝縮器(コンデンサ)として機能する。凝縮された冷媒は膨張弁104において断熱膨張することにより冷却され、その後、室内熱交換器105において周囲の空気の熱を奪い、自身はその分だけ温度上昇して圧縮器101に進む。この際、室内熱交換器105は蒸発器(エバポレータ)として機能する。このような冷媒の循環(冷房サイクル)によって、室内熱交換器105の設置された室内が冷房される。
また、外気温度が低い場合の暖房運転時には、図7(b)に示すように、切替弁102が逆方向の流れを生成して、冷媒回路(熱媒回路)100内で、圧縮機(コンプレッサ)101,室内熱交換器105,膨張弁104,室外熱交換器103の順で冷媒を循環させる。これにより、圧縮機101で圧縮され高温,高圧になった冷媒は室内熱交換器105において熱を放出して冷却され凝縮される。この際、室内熱交換器105は凝縮器(コンデンサ)として機能する。凝縮された冷媒は膨張弁104において断熱膨張することにより冷却され、その後、室外熱交換器103において周囲の空気の熱を奪い、自身はその分だけ温度上昇して圧縮器101に進む。この際、室外熱交換器103は蒸発器(エバポレータ)として機能する。このような冷媒の循環(暖房サイクル)によって、室内熱交換器105の設置された室内が暖房される。
ところが、図7(b)に示すように、暖房運転時に、例えば、寒冷地の厳寒期のように外気温度が極端に低下(例えば、−10℃以下)すると、室外熱交換器103に霜(フロスト)が発生し付着して、次第に霜の付着量が増加していくと、暖房能力が低下するだけでなく、着霜量が多いと継続運転が不可能となる。
建物用の空調機では、このように着霜,氷結が発生したら、室内機の送風を停止して、暖房と逆サイクル運転(即ち、冷房サイクル運転)をすることによって、着霜,氷結した蒸発器(室外熱交換器103)に高温の冷媒を流すことで除霜,解氷し、暖房を間欠的に実施(デフロスト運転)することで暖房運転を継続することを可能としている。
しかし、自動車に装備される車両用空調機の場合、ウインドウガラスの曇り防止による視界の確保の観点から、暖房を連続的に実施できるようにすることが必要であり、間欠運転を実施することができない。
暖房を連続的に実施できるようにする技術としては、例えば特許文献1に記載されたものがある。この技術は、室外熱交換器を複数設けて選択して使用できるようにし、使用していた室外熱交換器が着霜したら、別の着霜していない室外熱交換器に切り替えて使用することにより、暖房と逆サイクル運転を行なうことなく暖房を連続的に実施できるようにするものである。
特公昭59−4627号公報
特許文献1には、車両用空調機に適用することは記載されていないが、特許文献1の技術は、ヒートポンプ式の車両用空調機において、暖房を連続的に実施できるようにするには有効である。しかしながら、複数の室外熱交換器を選択的に使用する技術を車両用空調機に適用する場合、車両の限られたスペース内に複数の外部熱交換機を設置することになり、複数の室外熱交換器をいかに効率よく動作できるようにするかが大きな課題となる。
車両に複数の室外熱交換器を搭載する場合、最も一般的には、同一規格の室外熱交換器を複数搭載することになる。車両用空調機の室外熱交換器は、車両の走行風を利用して熱交換を行なうので、効率よく熱交換を行なうためには、走行風が直接室外熱交換器の吸熱或いは放熱する面に流れ込むように配置することが重要である。例えば2つの同一規格の室外熱交換器を搭載する場合、2つの室外熱交換器を何れも車両の外気導入口に外気取入面(正面)を向ける姿勢で横並びに配置することになる。
エンジン(原動機)を走行駆動源として備えた車両(ハイブリッド電気自自動車も含む)の場合、車両の外気導入口としては、いわゆる、ラジエータグリルがあるが、この場合、ラジエータグリルには、エンジン冷却用のラジエータが配置されるため、直に外気が導入されるように室外熱交換器を配置するスペースは極めて限られる。
また、エンジン冷却用のラジエータが不要である純粋な電気自動車の場合には、車両の前部に外気導入口を設けてバッテリーやインバータを冷却するためのラジエータを装備する場合があるが、エンジン冷却用のラジエータほどは大きくないため、外気導入口の比較的多くの部分を空調機の室外熱交換器に外気を送るために用いることが可能にはなる。しかし、やはり、車両の外気導入口の広さには制限があるので、複数の室外熱交換器を横並びに配置することは困難な場合が多い。
もちろん、室外熱交換器を小型にすれば、限られたスペースに横並びに配置することは可能になるが、それでは、室外熱交換器の能力が不足して、空調機の暖房能力も冷房能力も低下してしまう。このため、複数の室外熱交換器を車両に搭載するには、複数の室外熱交換器を、何れも車両の外気導入口に外気取入面(正面)を向ける姿勢として縦並びに(つまり、空気の流れ方向に対して直列状に)配置することになる。
複数の室外熱交換器を直列状に配置すると、当然ながら、車両の外気導入口に近い室外熱交換器は走行風(フレッシュエア)を直に受けるため効率よく熱交換を行なえるが、車両の外気導入口から遠い室外熱交換器は前方の室外熱交換器の陰に隠れた状態で走行風を間接的に受けるため、熱交換を効率よく行なうことが困難になる。つまり、複数の室外熱交換器を直列状に配置する場合、同一規格の室外熱交換器を用いてもその熱交換能力は同等にはならない。
このため、車両用空調機において、使用していた室外熱交換器が着霜したら着霜していない別の室外熱交換器に切り替えて使用することにより暖房を連続的に実施する技術を適用しながら、限られたスペースに複数の室外熱交換器を装備できるようにこれらを前後に直列状に配置し、これに伴う各室外熱交換器における熱交換効率の相違に着目して、連続的な暖房の実施を効果的に行うことができるようにすることが望まれる。
本発明は、かかる課題に鑑み創案されたもので、車両に複数の室外熱交換器を前後に直列状に配置し、これに伴う各室外熱交換器における熱交換効率の相違に着目して、連続的な暖房の実施を効果的に行うことができるようにした、車両用ヒートポンプ式空調機及びその制御方法を提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明の車両用ヒートポンプ式空調機は、冷媒回路内に、圧縮機,室外熱交換器,膨張弁,室内熱交換器をそなえた車両用ヒートポンプ式空調機であって、前記室外熱交換器は、何れも車両の外気導入口に外気取入面を向けて前後に直列に並べられて、前方の室外熱交換器と後方の室外熱交換器とを含んで複数備えられ、前記複数の室外熱交換器に暖房運転時に温度低下前の冷媒を供給して除霜する除霜運転回路と、前記除霜運転回路を前記複数の室外熱交換器に選択的に使用するように切り替える切替手段と、を備え、前記複数の室外熱交換器には、前記外気取入面の面積又は形状或いは熱交換容量が互いに異なるものが使用されていることを特徴としている。
(2)前記後方の室外熱交換器は、前記前方の室外熱交換器よりも前記外気取入面の面積が大きく形成され、前記後方の室外熱交換器の前記外気取入面の一部が前記外気導入口に向けて直接露出するように配置されていることが好ましい。
(3)この場合、前記後方の室外熱交換器における前記外気導入口に向けて直接露出する前記外気取入面の一部は、前記前方の室外熱交換器よりも上方に配置され、前記後方の室外熱交換器の冷媒入口は、鉛直上方に配置されていることが好ましい。
(4)さらに、前記前方の室外熱交換器の冷媒入口が鉛直下方に配置されていることが好ましい。
(5)前記前方の室外熱交換器と前記後方の室外熱交換器とは、外気導入効率を加味した熱交換能力(熱交換容量ではなく、外気導入形態に応じた効率を加味した実際の能力)が同等又は略同等に設定されていることが好ましい。
(6)また、前記前方の室外熱交換器は、前記後方の室外熱交換器よりも前記外気取入面の面積又は形状或いは熱交換容量が大きく、前記前方の室外熱交換器はメイン熱交換器として使用され、前記後方の室外熱交換器はサブ熱交換器として使用されることが好ましい。
(7)前方の室外熱交換器の側部に、前記外気導入口から取り入れられた走行風を前記後方の室外熱交換器の前記外気取入面に案内するガイド部材が装備されていることが好ましい。
(8)さらに、前記複数の室外熱交換器の少なくとも何れかには、ヒータ、或いは、車載の電動機又は電池の発熱を利用した除霜装置が付設されていることが好ましい。
(9)所定の周期で前記前方の室外熱交換器と前記後方の室外熱交換器と交互に除霜するように前記切替手段を制御する制御装置を備えていることが好ましい。
(10)本発明の車両用ヒートポンプ式空調機の制御方法は、請求項5記載の車両用ヒートポンプ式空調機の制御方法であって、前記切替手段を用いて所定の周期で切替を実施して前記前方の室外熱交換器と前記後方の室外熱交換器とを交互に除霜することを特徴としている。
本発明の車両用ヒートポンプ式空調機によれば、切替手段によって、複数の室外熱交換器に対して選択的に除霜運転回路を使用するようにして、暖房運転時に室外熱交換器に温度低下前の冷媒を供給して除霜しながら、他の室外熱交換器を用いて暖房運転を実施することができる。これにより室外熱交換器への着霜や氷結を防止又は抑制しながら暖房を連続的に実施することができる。
また、複数の室外熱交換器は、車両の外気導入口に外気取入面を向けて前後に直列に並べられて備えられるので、各室外熱交換器は、外気取入面の面積を確保して熱交換容量を確保しながら、車両に搭載することができる。
このように複数の室外熱交換器を直列状に配置すると、車両の外気導入口に近い室外熱交換器は走行風を直に受けるため効率よく熱交換を行なえるが、車両の外気導入口から遠い室外熱交換器は前方の室外熱交換器の陰に隠れた状態で走行風を間接的に受けるため、熱交換を効率よく行なうことが困難になる。この点、後方の室外熱交換器を、前方の室外熱交換器よりも外気取入面の面積を大きく形成し、後方の室外熱交換器の外気取入面の一部を外気導入口に向けて直接露出するように配置すれば、効率を考慮した場合、後方の室外熱交換器の熱交換能力を前方の室外熱交換器の熱交換能力に近づけることができる。
この場合、後方の室外熱交換器における外気導入口に向けて直接露出する外気取入面の一部を、前方の室外熱交換器よりも上方に配置し、後方の室外熱交換器の冷媒入口を、鉛直上方に配置すれば、後方の室外熱交換器に進入した冷媒を外気導入口に向けて直接露出する外気取入面の部分を利用して効率よく熱交換を行なうことができる。
これに加えて、前方の室外熱交換器の冷媒入口を鉛直下方に配置すると、後方の室外熱交換器の熱交換効率が向上する。つまり、前方の室外熱交換器の使用時に、鉛直下方に配置した冷媒入口の付近で熱交換した外気が後方の室外熱交換器に流入するため、例えば暖房時には冷媒に熱を奪われ温度が極めて低下した外気が後方の室外熱交換器の鉛直下部に流入しこの部分を冷却する。このため、後方の室外熱交換器に使用を切り替えた時点では、後方の室外熱交換器の鉛直下部では冷媒の吸熱効果を得難い。この点、上記のように、後方の室外熱交換器における冷媒入口が鉛直上方に配置されていると、鉛直上方は前方の室外熱交換器による温度影響が少ないので、比較的効率よく暖房時の熱交換を行なうことができる。
また、例えば、後方の室外熱交換器を前方の室外熱交換器よりも熱交換容量が大きい規格のものにすれば、前方の室外熱交換器と後方の室外熱交換器とを熱交換能力(熱交換容量ではなく、効率を加味した実際の能力)を同等又は略同等に設定することができ、この場合、例えば、所定の周期で前方の室外熱交換器と後方の室外熱交換器とを交互に使用するように切替制御をすれば、シンプルな制御で、暖房を連続的に実施することができる。
また、前方の室外熱交換器を、後方の室外熱交換器よりも外気取入面の面積又は形状或いは熱交換容量を大きくし、前方の室外熱交換器はメイン熱交換器として使用し、後方の室外熱交換器はサブ熱交換器として使用すれば、後方の室外熱交換器使用時の暖房時に一時的に暖房能力が低下するが、この時間は僅かであり、暖房能力低下により車内温度の低下が大きくなる前に、メイン熱交換器である前方の室外熱交換器に復帰させて暖房能力を回復させることができる。
また、前方の室外熱交換器の側部に、外気導入口から取り入れられた走行風を後方の室外熱交換器の外気取入面に案内するガイド部材を装備すれば、後方の室外熱交換器に前方の室外熱交換器を通過しない外気が直に入り込むので、後方の室外熱交換器の着霜のおそれを低減することができ、後方の室外熱交換器の熱交換効率を向上させることもできる。
さらに、室外熱交換器には、ヒータ、或いは、車載の電動機又は電池の発熱を利用した除霜装置が付設されていれば、室外熱交換器の着霜や氷結をより確実に防止又は抑制することができ、また、除霜運転回路を使用することなく室外熱交換器を暖房運転したままで除霜を実施することができる。
本発明の第1実施形態にかかる車両用ヒートポンプ式空調機の構成図であって、(a)は冷房運転時の状態を示し、(b)は暖房運転時の状態を示す。 本発明の第1実施形態にかかる車両用ヒートポンプ式空調機の室外熱交換器の配置構成を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態にかかる車両用ヒートポンプ式空調機の室外熱交換器の配置構成の変形例を示す斜視図である。 本発明の第2実施形態にかかる車両用ヒートポンプ式空調機の構成図であって、(a)は冷房運転時の状態を示し、(b)は暖房運転時の状態を示す。 本発明の第3実施形態にかかる車両用ヒートポンプ式空調機の室外熱交換器回りの配置構成を説明する平面図である。 本発明の第4実施形態にかかる車両用ヒートポンプ式空調機の室外熱交換器の配置構成を示す斜視図である。 背景技術にかかるヒートポンプ式空調機の構成図であって、(a)は冷房運転時の状態を示し、(b)は暖房運転時の状態を示す。
以下、図面により本発明の実施の形態にかかる車両用ヒートポンプ式空調機を説明する。
図1〜図3は第1実施形態に関し、図4は第2実施形態に関し、図5は第3実施形態に関し、図6は第4実施形態に関する。各図を用いて順に説明する。
〔第1実施形態〕
まず、第1実施形態にかかる車両用ヒートポンプ式空調機(以下、カーエアコンともいう)を説明する。
図1(a),(b)に示すように、このカーエアコンは、コンプレッサ1と、切替弁2と、室外熱交換器(室外機)3A,3Bと、膨張弁4と、室内熱交換器(室内機)5とをこの順で、冷媒回路(あるいは熱媒回路)10内に備えている。コンプレッサ1にアキュムレータ6が付設され、コンプレッサ1の吐出圧が安定化されるようになっている。室外熱交換器3A,3Bには、ファン3Cが付設され、外気を室外熱交換器3A,3Bに通過させて外気との熱交換を促進し、室内熱交換器5には、ファン5aが付設され、車両の内部の空気(内気)又は外部の空気(外気)を室内熱交換器5に通過させて冷却又は加熱して車室内に送風するようになっている。
また、カーエアコンの各部を自動制御するために、制御装置としてエアコンECU(Electric Control Unit,電子制御装置〕50が装備されている。エアコンECU50は、マイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスである。エアコンECU50は、例えば、エアコンの自動運転時には、設定温度、内気温度(車室内の気温)及び外気温度の各センサ検出値に基づいて、切替弁2を自動で制御する。また、エアコン操作スイッチの指令情報に基づいても各部を制御する。
冷媒回路10は、コンプレッサ1と切替弁2との間の流路11と、切替弁2と室外熱交換器3A,3Bとの間の流路12と、室外熱交換器3A,3Bと膨張弁4との間の流路13と、膨張弁4と室内熱交換器5との間の流路14と、室内熱交換器5と切替弁2との間の流路15と、切替弁2とアキュムレータ6との間の流路16と、アキュムレータ6とコンプレッサ1との間の流路17と、を備えて構成される。
室外熱交換器3A,3Bは複数(ここでは2台)が冷媒回路10内に並列に設けられている。このため、冷媒回路10はこの室外熱交換器3A,3Bの部分で、2本の流路18a,18bに分岐し、各流路18a,18bに室外熱交換器3A,3Bがそれぞれ介装されている。また、室内熱交換器5,切替弁2間の流路15と、2本に分岐した各流路18a,18bとの間には、除霜運転回路を構成するバイパス流路19が介装され、このバイパス流路19は、途中で分岐しており、各分岐部19a,19bが対応する流路18a,18bに接続されている。
各分岐部19a,19bには、それぞれ、切替手段としての開閉弁20a,20bと、流路15側から流路18a,18b側への冷媒の流れを許容し流路18a,18b側から流路15側への冷媒の流れを阻止する逆止弁21a,21bと、が介装されている。図1(b)に示す暖房運転時に、開閉弁20a,20bを開放すると、圧縮機11で圧縮され高温,高圧になった冷媒の一部が分岐部19a,19b及び流路18a,18bを経て室外熱交換器3A,3Bに流入し、室外熱交換器3A,3Bを加熱できるようになっている。なお、暖房運転時には、エアコンECU50が外気温等に基づいて、開閉弁20a,20bを適宜開閉制御する。
ところで、室外熱交換器3A,3Bは、正面の外気取入面3Af,3Bfから外気を取り入れて内部の冷媒(あるいは熱媒)と空気との熱交換を行なう。カーエアコンの場合には、一般に車体の前部に開口した外気導入口(例えば、ラジエータグリル)に外気取入面3Af,3Bfを向けて室外熱交換器3A,3Bは設置される。しかし、車両の外気導入口やこの後方の車両内空間(例えばエンジンルーム前部)は大きさが限られるため、複数の室外熱交換器3A,3Bを横並びに配置して何れの室外熱交換器3A,3Bも外気導入口に直に向くように配置することは容易でない。
そこで、ここでは、図1,図2に示すように、室外熱交換器3A,3Bを何れの外気取入面も車両の外気導入口を向くように前後に直列に(縦並びに)並べて配置している。なお、図1において、外気の流れを白抜き矢印で示している。外気導入口は白抜き矢印の基点側に位置する。また、図2には、方向を示す矢印を付記しており、前は車両前方を、後は車両後方を、右は車両右側方を、左は車両左側方を、下は鉛直下方を、上は鉛直上方を、それぞれ示す。もちろん車両が水平路面上に位置しているものとする。
また、室外熱交換器3A,3Bの外気取入面3Af,3Bfが車両前方に向いているのは、室外熱交換器3A,3Bよりも車両前方である車体の前部に開口して図示しない外気導入口が設けられているためである。外気導入口が室外熱交換器3A,3Bに対して車両前方に位置していなければ、各外気取入面3Af,3Bfも車両前方でなく、外気導入口の方向に向けて設置される。
そして、本実施形態では、後方の室外熱交換器3Bは、前方の室外熱交換器3Aよりも外気取入面3Bfの面積が大きいものが適用されている。ここでは、前方の室外熱交換器3Aの外気取入面3Afと後方の室外熱交換器3Bの外気取入面3Bfとの面積比は、50:70としている。また、本実施形態の場合、この面積比は熱交換容量の比にも相当している。なお、この「50」及び「70」の数値は、室外熱交換器3を1つだけにした場合の面積及び熱交換容量を「100」とした場合の値である。
ただし、面積比50:70は、室外熱交換器3A,3Bのサイズを抑制(したがって、外気取入面の大きさや熱交換容量の大きさも抑制)しつつ、後述するように室外熱交換器3A,3Bの一方のみを使用して暖房運転を行なう場合の暖房能力をある程度確保するという観点と、後方の室外熱交換器3Bを、前方の室外熱交換器3Aと実質的に同等な熱交換能力とするためのものである。面積比は、これに限らない。
さらに、後方の室外熱交換器3Bの上部が外気取入面3Bfの面積の大きい分だけ前方の室外熱交換器3Aよりも上方に突出しており、この突出した外気取入面3Bfの上部領域は、前方の室外熱交換器3Aに妨げられることなく、車両の外気導入口から取り入れられた走行風(フレッシュエア)を直に受けるようになっている。したがって、後方の室外熱交換器3Bは、前方の室外熱交換器3Aに対する外気取入面3Bfの拡張とこの拡張分を、走行風を直に受けるように配置することによって、室外熱交換器3Aに妨げられることによる圧損で熱変換効率が低下する分を相殺でき、効率を加味した後方の室外熱交換器3Bの熱交換能力は、前方の室外熱交換器3Aと同等かあるいはそれ以上が確保されている。
また、室外熱交換器3A,3Bには、通常の熱交換器と同様に、内部に冷媒の流通する冷媒流路が配設されており、冷媒流路の周囲には多数のフィンが設けられている。図2には、これらの詳細は図示しないが、冷媒は冷媒入口から冷媒流路に流入し、冷媒流路内を流通する間に外気との熱交換によって吸熱又は放熱して冷媒出口から流出していく。図2では、冷媒流路を極めて模式的に記載している。
図2に示すように、前方の室外熱交換器3Aでは、冷媒入口31が鉛直下方の左右一端部に配置され、冷媒出口32が鉛直上方の左右他端部に配置され、この間に冷媒流路33が縦横に配置されている。冷媒入口31から流入した冷媒は、冷媒流路33において、下から上へ、或いは上下に往復しながら鉛直下方の左右一端側から鉛直上方の左右他端側に進み冷媒出口32に到達する。
後方の室外熱交換器3Bでは、冷媒入口34が鉛直上方の左右他端部に配置され、冷媒出口35が鉛直下方の左右一端部に配置され、この間を冷媒流路36が縦横に配置されている。この冷媒流路36は冷媒入口34から流入した冷媒は、冷媒流路36において、左右他端部から左右一端部へ、或いは左右に往復しながら鉛直上方の左右他端部側から鉛直下方の左右一端部側に進み冷媒出口35に到達する。
なお、図3に示すように、後方の室外熱交換器3Bについて、冷媒入口34が鉛直上方の左右他端部に配置され、冷媒出口35が鉛直下方の左右一端部に配置され、この間を冷媒流路36が縦横に配置され、冷媒入口34から流入した冷媒が、冷媒流路36において、上から下へ、或いは上下に往復しながら鉛直上方の左右他端側から鉛直下方の左右一端側に進み冷媒出口35に到達するように構成することもできる。
本発明の第1実施形態にかかる車両用ヒートポンプ式空調機は、上述のように構成されているので、以下のように冷房運転や暖房運転が実施される。
例えば、冷房運転時には、図1(a)に示すように、エアコンECU50の制御により切替弁2が順方向の流れを生成して、冷媒回路10内で、圧縮機1,室外熱交換器3A,3B,膨張弁4,室内熱交換器5の順で冷媒を循環させる。また、この時には、開閉弁20a,20bはいずれも閉鎖され、除霜運転回路を構成するバイパス流路19には冷媒は流通しない。したがって、2台の室外熱交換器3A,3Bを共に利用して冷房運転が行なわれる。
これにより、圧縮機1で圧縮され高温,高圧になった冷媒は室外熱交換器3A,3Bにおいて走行風等による外気によって熱を放出して冷却され凝縮される。この際、室外熱交換器3A,3Bは凝縮器(コンデンサ)として機能する。凝縮された冷媒は膨張弁4において断熱膨張することにより冷却され、その後、室内熱交換器5において周囲の空気の熱を奪い、自身はその分だけ温度上昇して圧縮器1に進む。この際、室内熱交換器5は蒸発器(エバポレータ)として機能する。このような冷媒の循環(冷房サイクル)によって、室内熱交換器5の設置された車室内が冷房される。
暖房運転時には、図1(b)に示すように、エアコンECU50の制御により切替弁2が冷房運転時とは逆方向の流れを生成して、冷媒回路(熱媒回路)10内で、圧縮機1,室内熱交換器5,膨張弁4,室外熱交換器3A,3Bの順で冷媒(熱媒)を循環させる。また、この時に、室外熱交換器3A,3Bのうち着霜した或いは着霜の可能性の高いものの方は、開閉弁20a,20bを開放して除霜運転回路を構成するバイパス流路19の分岐部19a,19bの一方に冷媒を流通させ、除霜運転をする。このときには、2台の室外熱交換器3A,3Bのうち除霜運転をしていない方の室外熱交換器が暖房運転に使用される。
これにより、圧縮機1で圧縮され高温,高圧になった冷媒は室内熱交換器5において熱を放出して冷却され凝縮される。この際、室内熱交換器5は凝縮器(コンデンサ)として機能する。凝縮された冷媒は膨張弁4において断熱膨張することにより冷却され、その後、室外熱交換器3A,3Bにおいて周囲の空気の熱を奪い、自身はその分だけ温度上昇して圧縮器1に進む。この際、室外熱交換器3A,3Bは蒸発器(エバポレータ)として機能する。このような冷媒の循環(暖房サイクル)によって、室内熱交換器5の設置された室内が暖房される。
そして、室外熱交換器3A,3Bのうち着霜した或いは着霜の可能性の高いものの方は、除霜運転回路を用いて除霜運転をし、残りの室外熱交換器により暖房運転をするので、暖房運転の能力は低下するものの、着霜した或いは着霜の可能性の高い室外熱交換器は除霜又は着霜のおそれを回避して、その後、除霜運転から暖房運転に切り替えることができる。
外気温度が低いと暖房運転をすることによって、室外熱交換器が着霜したり或いは着霜の可能性が高まったりしてくるので、一方の室外熱交換器を暖房運転している際には、他方の室外熱交換器を除霜運転して除霜又は着霜のおそれを回避しておいて、一方の室外熱交換器が暖房運転によって着霜したり或いは着霜の可能性が高まったりしたら、開閉弁20a,20bの開閉を切り替えて、一方の室外熱交換器を除霜運転に、他方の室外熱交換器を蒸発器として機能させ暖房運転とすればよい。
特に、本実施形態では、効率を加味した実質的な熱交換能力が、前方の室外熱交換器3Aと後方の室外熱交換器3Bとでほぼ同等に設定されているので、例えば外気温が所定温度以下では、エアコンECU50により所定の周期で前方の室外熱交換器3Aと後方の室外熱交換器3Bと交互に除霜するように開閉弁20a,20bを交互に開放制御することによって、シンプルな制御で、着霜を回避しながら暖房を連続的に実施することができる。
なお、この際の所定の周期としては、数分程度(例えば、5分)と想定するが、外気温や走行状態等に基づいてこの周期を可変にすることも考えられる。外気温が低いほど、また、走行速度が高いほど、着霜が早まることが想定されるため、周期を短くすることが有効と考えられる。
なお、この時には、室外熱交換器3A,3Bは片方しか使わないので、その分だけ熱交換能力が低下し暖房能力も低下するが、暖房能力をフルに発揮するのは、車室内を急速に暖房し且つウインドのデフロスタを最大出力にする場合であり、一定の暖房能力とウインドのデフロスタ能力は連続的に確保される。
また、複数の室外熱交換器3A,3Bは、車両の外気導入口に外気取入面3Af,3Bfを向けて前後に直列に並べられて備えられるので、各室外熱交換器3A,3Bを、その外気取入面3Af,3Bfの面積を確保して熱交換容量を確保しながら、車両の狭いスペースに搭載することができる利点もある。
そして、複数の室外熱交換器3A,3Bを直列状に配置すると、車両の外気導入口に近い前方の室外熱交換器3Aは走行風を直に受けるため効率よく熱交換を行なえるが、車両の外気導入口から遠く前方の室外熱交換器3Aの陰に隠れた状態で走行風を間接的に受けるため、熱交換の効率が低下するが、後方の室外熱交換器3Bを、前方の室外熱交換器3Aよりも外気取入面の面積を大きく形成し、後方の室外熱交換器の外気取入面3Bfの一部を外気導入口に向けて直接露出するように配置するため、上述のように、効率を考慮した場合、後方の室外熱交換器の熱交換能力を前方の室外熱交換器の熱交換能力に近づけることができる。
しかも、後方の室外熱交換器3Bにおいて、外気導入口に向けて直接露出する外気取入面3Bfの一部を、前方の室外熱交換器3Aよりも上方に配置し、後方の室外熱交換器3Bの冷媒入口34を、鉛直上方に配置するので、後方の室外熱交換器3Bに進入した冷媒を外気導入口に直接露出し外気の風を受ける外気取入面3Bfの上方部分を利用して効率よく熱交換を行なうことができる。
これに加えて、前方の室外熱交換器3Aの冷媒入口31を鉛直下方に配置すると、後方の室外熱交換器3Bの熱交換効率が向上する。
つまり、暖房運転時に室外熱交換器3A,3Bを蒸発器として使用する時には、冷媒は外気により温度上昇するため、蒸発器の冷媒側圧力損失が小さく、且つ蒸発器出口過熱度が十分得られるように、膨張弁4で絞りを調節した場合、冷媒入口温度よりも冷媒出口温度の方が高くなる(冷媒入口温度<冷媒出口温度)。この関係上、フロストが発生するような条件においては、前方の室外熱交換器3Aの冷媒入口31付近を流通し熱交換した空気の温度は非常に低くなる。これに対して、前方の室外熱交換器3Aの冷媒出口32付近を流通し熱交換した空気の温度はそこまでは低くならない。
そして、前方の室外熱交換器3Aの使用時に、鉛直下方に配置した冷媒入口31の付近で熱交換した空気が後方の室外熱交換器3Bに流入するため、後方の室外熱交換器3Bにおいて、前方の室外熱交換器3Aの冷媒入口31付近の後方に位置する箇所では、温度が非常に低くなった空気が流入する。このため、後方の室外熱交換器3Bの着霜のおそれが高まり、また、この箇所では空気との熱交換による冷媒の温度上昇は僅かしか実現できない。
一方、後方の室外熱交換器3Bにおいて、前方の室外熱交換器3Aの冷媒出口32付近の後方に位置する箇所では、温度があまり低くならない空気が流入する。このため、後方の室外熱交換器3Bの着霜も抑制され、また、この箇所では空気との熱交換による冷媒の温度上昇を比較的大きくすることができる。したがって、比較的効率よく暖房時の熱交換を行なうことができる。
〔第2実施形態〕
次に、図4を参照して第2実施形態にかかる車両用ヒートポンプ式空調機を説明する。
図4(a),(b)に示すように、このカーエアコンの基本的な冷媒回路10は図1(a),(b)に示す第1実施形態のものと同様であるので、同符号をつけて説明を省略し、相違点のみ説明する。
本実施形態では、除霜運転回路を構成するバイパス流路22が、膨張弁4と室内熱交換器5との間の流路14と、2本に分岐した各流路18a,18bとの間に介装されている。このバイパス流路22も、途中で分岐しており、各分岐部22a,22bが対応する流路18a,18bに接続されている。各分岐部22a,22bには、それぞれ、切替手段としての開閉弁20a,20bと、流路14側から流路18a,18b側への冷媒の流れを許容し流路18a,18b側から流路14側への冷媒の流れを阻止する逆止弁21a,21bと、が介装されている。
図4(b)に示す暖房運転時に、開閉弁20a,20bを開放すると、圧縮機11で圧縮され高温,高圧になった冷媒の一部が分岐部22a,22b及び流路18a,18bを経て室外熱交換器3A,3Bに流入し、室外熱交換器3A,3Bを加熱できるようになっている。なお、暖房運転時には、エアコンECU50が外気温等に基づいて、開閉弁20a,20bを適宜開閉制御する。
本実施形態のかかる車両用ヒートポンプ式空調機は、上述のように構成されているので、図4(b)に示す暖房運転時において、バイパス流路22を用いた除霜運転時には、室内熱交換器5から流出したが膨張弁4に流入する前のまだ温かさの残った冷媒が分岐部22a,22b及び流路18a,18bを経て室外熱交換器3A,3Bに流入し、室外熱交換器3A,3Bを加熱して、除霜することができる。これ以外の作用や効果は、第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
〔第3実施形態〕
次に、図5を参照して第3実施形態にかかる車両用ヒートポンプ式空調機を説明する。
図5に示すように、本実施形態は、前方の室外熱交換器3Aの側部(ここでは、両側部)に、室外熱交換器3Aの側部から後方の室外熱交換器3Bの外気取入面3Bfに案内するガイドプレート(ガイド部材)30が装備されている。また、前方の室外熱交換器3Aに対して後方の室外熱交換器3Bを距離aだけ離隔させている。
この距離aを、前方の室外熱交換器3Aの横幅Wの半分[=0.5W]程度まで確保すれば後方の室外熱交換器3Bの外気取入面3Bfに十分な外気を案内することができるものと考えられる。ただし、実機の設置スペースを考慮すると距離aを0.5W程度まで大きく確保することは困難なので、距離aをある程度確保し、0.5Wに近づけることが好ましい。なお、ガイドプレート30の上部や下部にガイドプレート(ガイド部材)30を装備してもよい。
本実施形態のかかる車両用ヒートポンプ式空調機は、上述のように構成されているので、ガイドプレート30に案内され後方の室外熱交換器3Bに前方の室外熱交換器3Aを通過しない外気が直に入り込むようになり、後方の室外熱交換器3Bの熱交換効率を向上させることができる。また、前方の室外熱交換器3Aに対して後方の室外熱交換器3Bをある程度の距離aだけ離隔させているので、前方の室外熱交換器3Aの側部から後方の室外熱交換器3Bへの外気の回り込みが十分に行なわれるようになり、後方の室外熱交換器3Bの熱交換効率をより向上させることができる。
〔第4実施形態〕
次に、図6を参照して第4実施形態にかかる車両用ヒートポンプ式空調機を説明する。
図6に示すように、本実施形態では、前方の室外熱交換器3A外の外気取入面3Afを、後方の室外熱交換器3Bの外気取入面3Bfよりも面積又は形状或いは熱交換容量を大きくし、前方の室外熱交換器3Aはメイン熱交換器として使用し、後方の室外熱交換器3Bはサブ熱交換器として使用する。
なお、ここでは、前方の室外熱交換器3Aの外気取入面3Afと後方の室外熱交換器3Bの外気取入面3Bfとを、面積比70:50(ただし、室外熱交換器を1つだけにした場合の面積を「100」とする)としている。面積比70:50は一例であり、これ以外の設定も考えられる。
このように構成すれば、前方の室外熱交換器3Aの外気取入面3Afが比較的大きくなり、フレッシュエアが多くあたるため長時間フロストさせずに暖房運転を維持できる。一方、前方の室外熱交換器3Aが着霜した又は着霜するおそれが高まって、前方の室外熱交換器3Aを除霜運転するときには、後方の室外熱交換器3Bのみを使用して暖房運転を行なうため、一時的に暖房能力が低下するが、この時間は僅かであり、暖房能力低下により車内温度の低下が大きくなる前に、メイン熱交換器である前方の室外熱交換器3Aに復帰させて暖房能力を回復させることができる。
〔その他〕
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態を適宜変更して実施することができる。
例えば、室外熱交換器3A,3Bに、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータ等の各種ヒータ、或いは、車載の電動機又は電池の発熱を利用した除霜装置を付設すれば、室外熱交換器3A,3Bの着霜や氷結をより確実に防止又は抑制することができ、また、多くの条件下で除霜運転回路を使用することなく室外熱交換器を暖房運転したままで除霜を実施することができる。
また、効率を加味した実質的な熱交換能力が、前方の室外熱交換器3Aと後方の室外熱交換器3Bとでほぼ同等に設定されていれば、例えば外気温が所定温度以下では、所定の周期で前方の室外熱交換器3Aと後方の室外熱交換器3Bと交互に除霜するように開閉弁20a,20bを交互に開放制御するというシンプルな制御で、着霜を回避しながら暖房を連続的に実施することができるが、この事項については、複数の室外熱交換器を前後でなく横並びで同様の外気導入条件下とし、各室外熱交換器を同一容量(例えば同一規格の同一形状)のものを適用しても実施しうるものである。
1 コンプレッサ
2 切替弁
3A,3B 室外熱交換器(室外機)
3Af,3Bf 外気取入面
3C ファン
4 膨張弁
5 室内熱交換器(室内機)
5a ファン
6 アキュムレータ
10 冷媒回路(熱媒回路)
11〜17,18,18a,18b 冷媒回路の流路
19 バイパス流路(除霜運転回路)
19a,19b 分岐部
20a,20b 切替手段としての開閉弁
21a,21b 逆止弁
31,34 冷媒入口
32,35 冷媒出口
33,36 冷媒流路
50 制御装置としてのECU

Claims (10)

  1. 冷媒回路内に、圧縮機,室外熱交換器,膨張弁,室内熱交換器をそなえた車両用ヒートポンプ式空調機であって、
    前記室外熱交換器は、何れも車両の外気導入口に外気取入面を向けて前後に直列に並べられて、前方の室外熱交換器と後方の室外熱交換器とを含んで複数備えられ、
    前記複数の室外熱交換器に暖房運転時に温度低下前の冷媒を供給して除霜する除霜運転回路と、
    前記除霜運転回路を前記複数の室外熱交換器に選択的に使用するように切り替える切替手段と、を備え、
    前記複数の室外熱交換器には、前記外気取入面の面積又は形状或いは熱交換容量が互いに異なるものが使用されている
    ことを特徴とする、車両用ヒートポンプ式空調機。
  2. 前記後方の室外熱交換器は、前記前方の室外熱交換器よりも前記外気取入面の面積が大きく形成され、前記後方の室外熱交換器の前記外気取入面の一部が前記外気導入口に向けて直接露出するように配置されている
    ことを特徴とする、請求項1車両用ヒートポンプ式空調機。
  3. 前記後方の室外熱交換器における前記外気導入口に向けて直接露出する前記外気取入面の一部は、前記前方の室外熱交換器よりも上方に配置され、
    前記後方の室外熱交換器の冷媒入口は、鉛直上方に配置されている
    ことを特徴とする、請求項2記載の車両用ヒートポンプ式空調機。
  4. 前記前方の室外熱交換器の冷媒入口が鉛直下方に配置されている
    ことを特徴とする、請求項3記載の車両用ヒートポンプ式空調機。
  5. 前記前方の室外熱交換器と前記後方の室外熱交換器とは、外気導入効率を加味した熱交換能力が同等又は略同等に設定されている
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載の車両用ヒートポンプ式空調機。
  6. 前記前方の室外熱交換器は、前記後方の室外熱交換器よりも前記外気取入面の面積又は形状或いは熱交換容量が大きく、前記前方の室外熱交換器はメイン熱交換器として使用され、前記後方の室外熱交換器はサブ熱交換器として使用される
    ことを特徴とする、請求項1記載の車両用ヒートポンプ式空調機。
  7. 前方の室外熱交換器の側部に、前記外気導入口から取り入れられた走行風を前記後方の室外熱交換器の前記外気取入面に案内するガイド部材が装備されている
    ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載の車両用ヒートポンプ式空調機。
  8. 前記複数の室外熱交換器の少なくとも何れかには、ヒータ、或いは、車載の電動機又は電池の発熱を利用した除霜装置が付設されている
    ことを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載の車両用ヒートポンプ式空調機。
  9. 所定の周期で前記前方の室外熱交換器と前記後方の室外熱交換器と交互に除霜するように前記切替手段を制御する制御装置を備えている
    ことを特徴とする、請求項5記載の車両用ヒートポンプ式空調機。
  10. 請求項5記載の車両用ヒートポンプ式空調機の制御方法であって、
    前記切替手段を用いて所定の周期で切替を実施して前記前方の室外熱交換器と前記後方の室外熱交換器とを交互に除霜する
    ことを特徴とする、車両用ヒートポンプ式空調機の制御方法。
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