JP2007111958A - 光学素子の製造方法および光学素子成形物 - Google Patents
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Abstract
【課題】外周形状が非円形であって、樹脂層を有する光学素子を効率的に製造できる光学素子の製造方法などを提供する。
【解決手段】外周形状が非円形の透光性部材の一面に、光学素子面形状が形成された樹脂層を具備する光学素子の製造方法において、(1)外周形状が非円形の光学素子形成領域と、ダミー領域とを有する透光性部材の基板と、基板の光学素子形成領域の樹脂層に光学素子形状を形成するための光学素子面成形部とダミー領域と対向する位置に設けられたダミー成形部とを有してなる型材とを用意し、透光性部材の基板と型材とのいずれかに対して未硬化の光学材料樹脂を滴下する工程と、(2)基板および型材により、光学材料樹脂を同心円状に押し広げて光学素子形成領域に塗布する塗布工程と、(3)光学材料樹脂を硬化させる工程と、を含む。
【選択図】図1
【解決手段】外周形状が非円形の透光性部材の一面に、光学素子面形状が形成された樹脂層を具備する光学素子の製造方法において、(1)外周形状が非円形の光学素子形成領域と、ダミー領域とを有する透光性部材の基板と、基板の光学素子形成領域の樹脂層に光学素子形状を形成するための光学素子面成形部とダミー領域と対向する位置に設けられたダミー成形部とを有してなる型材とを用意し、透光性部材の基板と型材とのいずれかに対して未硬化の光学材料樹脂を滴下する工程と、(2)基板および型材により、光学材料樹脂を同心円状に押し広げて光学素子形成領域に塗布する塗布工程と、(3)光学材料樹脂を硬化させる工程と、を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は、外周形状が非円形であって、樹脂層を有する光学素子の製造方法および光学素子成形物に関する。
従来から、ハードコート用の樹脂層や回折機能を有する樹脂層を光学面に形成してなる光学素子は広く一般に知られている。かかる樹脂層を形成する場合の一手法として、光学素子に滴下した未硬化の光学材料樹脂を押し広げて塗布し、光学材料樹脂を硬化させて樹脂層を形成する方法が知られている。また、レンズ周縁を研削加工して非円形のレンズを形成する技術も公知である(特許文献1参照)。
実開平5−93752号公報
ここで、外周形状が非円形であって、樹脂層を有する光学素子を製造する場合には以下のような問題が指摘されていた。
すなわち、予め非円形にカットされた光学素子に対し、光学材料樹脂を中央から押し広げて塗布しようとすると、光学素子の長手方向端部まで樹脂をむらなく塗布するのが困難となる。また、樹脂層を形成した円形の光学素子を加工して非円形に形成する場合には、レンズ部分と切除部分とを同じ肉厚にすると非円形の光学素子を切り出すための加工時間が長くなるため、更なる改善が要望されていた。
すなわち、予め非円形にカットされた光学素子に対し、光学材料樹脂を中央から押し広げて塗布しようとすると、光学素子の長手方向端部まで樹脂をむらなく塗布するのが困難となる。また、樹脂層を形成した円形の光学素子を加工して非円形に形成する場合には、レンズ部分と切除部分とを同じ肉厚にすると非円形の光学素子を切り出すための加工時間が長くなるため、更なる改善が要望されていた。
本発明は上記従来技術の課題を解決するものであって、その目的は、外周形状が非円形であって、樹脂層を有する光学素子を効率的に製造できる光学素子の製造方法などを提供することである。
第1の発明は、外周形状が非円形である透光性部材の一面に、光学素子面形状が形成された樹脂層を具備する光学素子の製造方法である。この第1の発明は、(1)外周形状が非円形である光学素子形成領域と、該光学素子形成領域の周囲に形成されたダミー領域とを有し、ダミー領域は光学素子形成領域と光学素子形成領域の外接円との間の位置を含むとともに、ダミー領域の厚さは光学素子形成領域よりも薄く形成されており、一方の面における光学素子形成領域とダミー領域との間には段差無く形成された形状を有する透光性部材の基板と、基板の光学素子形成領域の樹脂層に光学素子形状を形成するための光学素子面成形部とダミー領域と対向する位置に設けられたダミー成形部とを有してなる型材とを用意し、透光性部材の基板と型材とのいずれかに対して未硬化の光学材料樹脂を滴下する工程と、(2)基板および型材により、光学材料樹脂を同心円状に押し広げて光学素子形成領域に塗布する塗布工程と、(3)光学材料樹脂を硬化させる工程と、を含む。
また、上記した第1の発明では、光学材料樹脂の硬化後に、基板からダミー領域を除去する工程をさらに備えることが好ましい。
さらに、上記した第1の発明では、ダミー領域の基板背面側には、光学素子形成領域と接続された突起状の補強部分を形成し、光学材料樹脂の硬化後に、補強部分を押圧して型材と基板とを離脱させる工程をさらに備えることが好ましい。
さらに、上記した第1の発明では、ダミー領域の基板背面側には、光学素子形成領域と接続された突起状の補強部分を形成し、光学材料樹脂の硬化後に、補強部分を押圧して型材と基板とを離脱させる工程をさらに備えることが好ましい。
第2の発明に係る光学素子成形物は、外周形状が非円形である光学素子形成領域と、該光学素子形成領域の周囲に形成されたダミー領域とを有し、ダミー領域は光学素子形成領域と光学素子形成領域の外接円との間の位置を含んでなる透光性部材の基板と、基板の一面において外接円の中心部から同心円状に広がる樹脂層と、を備える。そして、光学素子形成領域の樹脂層には光学素子面形状が形成されるとともに、ダミー領域の厚さが光学素子形成領域よりも薄く設定されており、基板の樹脂層形成面の背面側には段差が形成されている。
また、上記した第2の発明では、ダミー領域の基板背面側に、光学素子形成領域と接続された突起状の補強部分を形成するようにしてもよい。
さらに、上記した第2の発明では、光学素子形成領域の外接円よりも基板外周側の位置および基板背面側の光学素子形成領域以外の位置の少なくとも一方に、基板の回転角を位置決めするための位置決め部を形成するようにしてもよい。
さらに、上記した第2の発明では、光学素子形成領域の外接円よりも基板外周側の位置および基板背面側の光学素子形成領域以外の位置の少なくとも一方に、基板の回転角を位置決めするための位置決め部を形成するようにしてもよい。
本発明によれば、外周形状が非円形であって、樹脂層を有する光学素子を効率的に製造することができる。
(第1実施形態の説明)
図1は第1実施形態に係る矩形レンズの製造方法の説明図である。第1実施形態では、型材11,12を用いて、レンズ部材(透光性部材)である基板13に樹脂層からなる矩形レンズを形成する。そして、樹脂層の形成後に基板13の不要部分を除去して矩形レンズを切り出す。第1実施形態の矩形レンズでは、それぞれ回折格子をなす第1樹脂層および第2樹脂層がレンズ部材に積層されている(図1(e)参照)。
図1は第1実施形態に係る矩形レンズの製造方法の説明図である。第1実施形態では、型材11,12を用いて、レンズ部材(透光性部材)である基板13に樹脂層からなる矩形レンズを形成する。そして、樹脂層の形成後に基板13の不要部分を除去して矩形レンズを切り出す。第1実施形態の矩形レンズでは、それぞれ回折格子をなす第1樹脂層および第2樹脂層がレンズ部材に積層されている(図1(e)参照)。
図2に、第1樹脂層の回折格子を形成するための第1の型材11を示す。なお、第2樹脂層を形成するための第2の型材12は、後述の光学素子型の形状が相違する点を除いては、第1の型材11と同じ構成であることから説明を省略する。
第1の型材11には、矩形の光学素子形成領域11aと、光学素子形成領域11aの周囲にダミー領域11bとが形成されている。第1の型材11の光学素子形成領域11aには光学素子型が形成されている。この光学素子型は第1樹脂層の回折格子に対応する同心円状の輪帯パターンとなっている。
第1の型材11には、矩形の光学素子形成領域11aと、光学素子形成領域11aの周囲にダミー領域11bとが形成されている。第1の型材11の光学素子形成領域11aには光学素子型が形成されている。この光学素子型は第1樹脂層の回折格子に対応する同心円状の輪帯パターンとなっている。
一方、ダミー領域11bは、光学素子形成領域11aとともに樹脂が塗布される光学素子非形成部分である。このダミー領域11bは光学素子形成領域11aの外側に形成される。そして、ダミー領域11bは少なくとも光学素子形成領域11aの外接円以上の大きさに設定されている。ここで、型材11にダミー領域11bを設けるのは、光学素子形成領域11aにむらなく樹脂を塗布できるようにするためである。以下、その理由を詳述する。
上記の光学素子形成領域は非円形の形状となるため、型材が光学素子形成領域と同形状であると以下の不都合が生じる。すなわち、光学素子形成領域の中心に樹脂を滴下して押し広げる場合、同心円状に広がった樹脂が光学素子形成領域の短手方向端部まで到達すると、それ以後は樹脂が型材からはみ出して側面に回り込みだす(図2(c)参照)。したがって、上記の型材では、光学素子形成領域の長手方向には樹脂が十分に行き渡らないので樹脂を均一に塗布するのが困難である。しかも、型材からはみ出した樹脂は型材の側面を著しく汚すこととなる。
一方、光学素子形成領域の外周に沿って型材に土手を設けたとしても、樹脂の膜厚にムラが生じるので、光学素子形成領域の全面に樹脂を均一に塗布するのはやはり困難である。以上の理由から、第1実施形態の型材11では、光学素子形成領域11aの外接円の範囲まで樹脂をむらなく塗布できるようにダミー領域11bを設けている(図2(b)参照)。
また、図3に第1実施形態の基板を示す。基板13は、光学素子用のプラスチック樹脂を射出成形してなる薄板状の成形物である。この基板13の全体形状は、図3(a)に示す平面方向からみてほぼ円形に形成されている。
基板13は、厚肉部分13aと薄肉部分13bとを有している。ここで、基板13の厚肉部分13aは、型材の光学素子形成領域に対応する光学素子形成領域となる。また、基板13の薄肉部分13bは、光学素子形成領域の外接円と光学素子形成領域との間を含むように形成されており、この薄肉部分13bはダミー領域となる。
基板13は、厚肉部分13aと薄肉部分13bとを有している。ここで、基板13の厚肉部分13aは、型材の光学素子形成領域に対応する光学素子形成領域となる。また、基板13の薄肉部分13bは、光学素子形成領域の外接円と光学素子形成領域との間を含むように形成されており、この薄肉部分13bはダミー領域となる。
基板13の厚肉部分13aの形状は平面方向からみて矩形状となっている。また、この厚肉部分13aの範囲は、型材11の光学素子形成領域11aと合致する。そして、基板13の厚肉部分13aの表面にはレンズ作用を有する光学面が形成されている。
基板13の薄肉部分13bは、厚肉部分13aの周囲に形成されている。図3(a)に示す基板13の一面(樹脂層形成面)側は、厚肉部分13aおよび薄肉部分13bの表面が連続的な平面または曲面を構成している。その一方で、基板13の他面(樹脂層形成面の背面)側には厚肉部分13aと薄肉部分13bとの肉厚差による段差が形成される。そのため、図3(b)に示すように、基板13の断面形状は浅底の帽子状をなしている。
基板13の薄肉部分13bは、厚肉部分13aの周囲に形成されている。図3(a)に示す基板13の一面(樹脂層形成面)側は、厚肉部分13aおよび薄肉部分13bの表面が連続的な平面または曲面を構成している。その一方で、基板13の他面(樹脂層形成面の背面)側には厚肉部分13aと薄肉部分13bとの肉厚差による段差が形成される。そのため、図3(b)に示すように、基板13の断面形状は浅底の帽子状をなしている。
また、基板13の薄肉部分13bは、平面方向からみて、厚肉部分(光学素子形成領域)13aの外接円よりも大きな円形に設定されている。そのため、光学素子形成領域の外接円の中心部に樹脂を滴下し、型材11(または型材12)と基板13との間で樹脂を押し広げた場合には、光学素子形成領域(13a)に樹脂をむらなく塗布できる。
さらに、基板13の他面側には、射出成形時のゲートまたはランナなどによって、薄肉部分13bの一部に突起状の補強部分13cが形成されている(図3(b)参照)。この補強部分13cは薄肉部分13bと一体成形されており、基板13の光学素子形成領域13aから基板外周に向けて直線状に延長している。この基板13の補強部分13cは、基板13と型材11,12とを位置合わせするときの位置決め部や、基板13を型材11,12から離脱させるときの被押圧部として機能する。さらにまた、基板13の外周部には、厚肉部分13aの外接円よりも外周側の位置に切り欠き13dが設けられている。この切り欠き13dは、上記の補強部分13cとともに基板13と型材11,12とを位置合わせするときの位置決め部として機能する。
さらに、基板13の他面側には、射出成形時のゲートまたはランナなどによって、薄肉部分13bの一部に突起状の補強部分13cが形成されている(図3(b)参照)。この補強部分13cは薄肉部分13bと一体成形されており、基板13の光学素子形成領域13aから基板外周に向けて直線状に延長している。この基板13の補強部分13cは、基板13と型材11,12とを位置合わせするときの位置決め部や、基板13を型材11,12から離脱させるときの被押圧部として機能する。さらにまた、基板13の外周部には、厚肉部分13aの外接円よりも外周側の位置に切り欠き13dが設けられている。この切り欠き13dは、上記の補強部分13cとともに基板13と型材11,12とを位置合わせするときの位置決め部として機能する。
以下、第1実施形態における矩形レンズの製造方法の各工程を説明する。
(1)第1樹脂層の形成
まず、図1(a)に示すように、第1の型材11に対して、光学素子形成領域11aの外接円の中心に未硬化の紫外線硬化型樹脂14(光学材料樹脂)を滴下する。そして、レンズ部材(透光性部材)の基板13を第1の型材11の上方に位置合わせして配置する。なお、型材11と基板13との位置合わせは、基板13の補強部分13cおよび切り欠き13dの位置を参照して簡単に行うことができる。
(1)第1樹脂層の形成
まず、図1(a)に示すように、第1の型材11に対して、光学素子形成領域11aの外接円の中心に未硬化の紫外線硬化型樹脂14(光学材料樹脂)を滴下する。そして、レンズ部材(透光性部材)の基板13を第1の型材11の上方に位置合わせして配置する。なお、型材11と基板13との位置合わせは、基板13の補強部分13cおよび切り欠き13dの位置を参照して簡単に行うことができる。
次に、基板13を第1の型材11に押しつけて、未硬化の紫外線硬化型樹脂14を第1の型材11上に押し広げて塗布する。このとき、紫外線硬化型樹脂14は光学素子形成領域11aの中心から同心円状に広がって、光学素子形成領域11aの外接円の範囲にむらなく塗布される(図2(b)参照)。
ここで、紫外線硬化型樹脂14を大気圧下で型材に塗布する場合には、回折格子の溝に空気が巻き込まれて樹脂層に気泡が形成されるおそれがある。そのため、特に限定するものではないが、紫外線硬化型樹脂14の塗布工程は減圧下で行うことが好ましい。なお、紫外線硬化型樹脂14の硬化前に大気圧下に戻せば、大気圧で型材および基板が押圧されることで樹脂と光学素子型との密着性をより高めることもできる。
ここで、紫外線硬化型樹脂14を大気圧下で型材に塗布する場合には、回折格子の溝に空気が巻き込まれて樹脂層に気泡が形成されるおそれがある。そのため、特に限定するものではないが、紫外線硬化型樹脂14の塗布工程は減圧下で行うことが好ましい。なお、紫外線硬化型樹脂14の硬化前に大気圧下に戻せば、大気圧で型材および基板が押圧されることで樹脂と光学素子型との密着性をより高めることもできる。
次に、図1(b)に示すように、基板13に紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂14を硬化させる。これにより、基板13の表面に第1樹脂層が形成される。なお、基板13の厚肉部分13aには、第1樹脂層によって第1の型材11の光学素子型に対応する回折格子が形成されることとなる。
その後、第1の型材11のダミー領域11bに配置されたイジェクトピン(不図示)で基板13の補強部分13cを押圧して、第1の型材11から基板13を取り外す。
その後、第1の型材11のダミー領域11bに配置されたイジェクトピン(不図示)で基板13の補強部分13cを押圧して、第1の型材11から基板13を取り外す。
ここで、補強部分13cを押圧するのは、基板13の離脱時において薄肉部分13bの破損を防止するためである。すなわち、基板13の薄肉部分13bを直接イジェクトピンで押圧した場合には、薄肉部分13bの被押圧箇所に穴があいたり、厚肉部分13aとの付け根で薄肉部分13bが折れるなどの現象が起こりやすくなる。このように薄肉部分13bが破損すると、型材11と基板13との離脱が円滑に行われなくなる。また、二層以上の樹脂層を形成する場合には、次の工程において基板13の薄肉部分13bで樹脂を押し広げることができなくなる。そのため、第1実施形態では、基板13の厚肉部分13aと接続された補強部分13cを押圧して、薄肉部分13bを破損させることなく型材11から基板13を離脱させている。
(2)第2樹脂層の形成
次に、図1(c)に示すように、光学素子型が球面または非球面の光学素子面である第2の型材12に対し、光学素子形成領域12aの中心に未硬化の紫外線硬化型樹脂15を滴下する。なお、この(2)の工程の紫外線硬化型樹脂15には、第1樹脂層の紫外線硬化型樹脂14とは屈折率の値が異なる別の樹脂が使用される。そして、第1樹脂層を下向きにした状態で、上記(1)の基板13を第2の型材12の上方に位置合わせして配置する。なお、型材12と基板13との位置合わせは、基板13の補強部分13cおよび切り欠き13dの位置を参照して簡単に行うことができる。
次に、図1(c)に示すように、光学素子型が球面または非球面の光学素子面である第2の型材12に対し、光学素子形成領域12aの中心に未硬化の紫外線硬化型樹脂15を滴下する。なお、この(2)の工程の紫外線硬化型樹脂15には、第1樹脂層の紫外線硬化型樹脂14とは屈折率の値が異なる別の樹脂が使用される。そして、第1樹脂層を下向きにした状態で、上記(1)の基板13を第2の型材12の上方に位置合わせして配置する。なお、型材12と基板13との位置合わせは、基板13の補強部分13cおよび切り欠き13dの位置を参照して簡単に行うことができる。
次に、基板13を第2の型材12に押しつけて、未硬化の紫外線硬化型樹脂15を第2の型材12上に押し広げて塗布する。これにより、第1樹脂層の形成範囲(第2の型材12における光学素子形成領域12aの外接円の範囲)に紫外線硬化型樹脂15がむらなく塗布される。なお、この紫外線硬化型樹脂15の塗布工程も減圧下で行うことが好ましい。
次に、図1(d)に示すように、基板13に紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂15を硬化させる。これにより、第1樹脂層の下に第2樹脂層が積層される。なお、第2樹脂層の光学素子形成領域(基板13の厚肉部分13a)では、第1樹脂層側が第1樹脂層の回折格子とかみ合う形状の回折格子をなし、表面側が第2の型材12の光学素子型に対応する光学素子面をなしている。その後、上記(1)と同様の要領で、第2の型材12から基板13を取り外す。
(3)薄肉部分の除去
次に、図1(e)に示すように、基板13の厚肉部分13aの周囲をワイヤーソー、レーザー加工または液体ジェット加工で切断し、基板13の薄肉部分13bを除去する。上記の加工方法のうち、レーザー加工は他の2つの加工方法と比べて著しく短い時間で基板13を切断できるので好ましい。また、レーザー加工による加工変質層の発生が問題となる場合には、液体ジェット加工で基板13を切断すれば加工変質層が問題となることは少なく、かつワイヤーソーと比べて加工時間を短縮することができる。なお、研削加工によって基板13の薄肉部分13bを除去するようにしてもよい。以上の工程で第1実施形態の矩形レンズが製造される。
次に、図1(e)に示すように、基板13の厚肉部分13aの周囲をワイヤーソー、レーザー加工または液体ジェット加工で切断し、基板13の薄肉部分13bを除去する。上記の加工方法のうち、レーザー加工は他の2つの加工方法と比べて著しく短い時間で基板13を切断できるので好ましい。また、レーザー加工による加工変質層の発生が問題となる場合には、液体ジェット加工で基板13を切断すれば加工変質層が問題となることは少なく、かつワイヤーソーと比べて加工時間を短縮することができる。なお、研削加工によって基板13の薄肉部分13bを除去するようにしてもよい。以上の工程で第1実施形態の矩形レンズが製造される。
以下、第1実施形態の効果を説明する。
第1実施形態では、光学素子形成領域の外接円の範囲にダミー領域を設けた型材11,12および基板13を使用するため、矩形の光学素子形成領域にむらなく樹脂を塗布することができる。また、第1実施形態では、押し広げた紫外線硬化型樹脂14,15が光学素子形成領域の短手方向端部に到達しても、樹脂が型材の側面に流れ込まないので型材11,12の側面の汚れも抑制される。そして、第1実施形態では、基板13の切除部分(薄肉部分)がレンズ部分(厚肉部分)よりも薄いので、矩形レンズを短い加工時間で切り出すことができる。したがって、矩形レンズの製造歩留まりを向上させることができる。
第1実施形態では、光学素子形成領域の外接円の範囲にダミー領域を設けた型材11,12および基板13を使用するため、矩形の光学素子形成領域にむらなく樹脂を塗布することができる。また、第1実施形態では、押し広げた紫外線硬化型樹脂14,15が光学素子形成領域の短手方向端部に到達しても、樹脂が型材の側面に流れ込まないので型材11,12の側面の汚れも抑制される。そして、第1実施形態では、基板13の切除部分(薄肉部分)がレンズ部分(厚肉部分)よりも薄いので、矩形レンズを短い加工時間で切り出すことができる。したがって、矩形レンズの製造歩留まりを向上させることができる。
(第2実施形態の説明)
図4は第2実施形態に係る矩形レンズの製造方法の説明図である。第2実施形態は、2枚のレンズ部材(113、213)の中間に、回折格子をなす第1樹脂層および第2樹脂層が形成された貼り合わせレンズの製造方法に関する。なお、以下に示す第2実施形態の各工程の説明では、第1実施形態と共通の構成には同一符号を付して説明を省略する。
図4は第2実施形態に係る矩形レンズの製造方法の説明図である。第2実施形態は、2枚のレンズ部材(113、213)の中間に、回折格子をなす第1樹脂層および第2樹脂層が形成された貼り合わせレンズの製造方法に関する。なお、以下に示す第2実施形態の各工程の説明では、第1実施形態と共通の構成には同一符号を付して説明を省略する。
(1)第1樹脂層の形成
まず、図4(a)および図4(b)に示すように、第1実施形態の(1)と同様の工程で、型材11を用いて第1の基板113の表面に第1樹脂層の回折格子を形成する。
(2)第2樹脂層の形成
次に、第1の基板113と同形状に形成された第2の基板213を用意する。そして、図4(c)に示すように、第2の基板213に対して、光学素子形成領域213aの中心に未硬化の紫外線硬化型樹脂15を滴下する。この(2)の工程の紫外線硬化型樹脂15には、第1樹脂層の紫外線硬化型樹脂14とは屈折率の値が異なる別の樹脂が使用される。
まず、図4(a)および図4(b)に示すように、第1実施形態の(1)と同様の工程で、型材11を用いて第1の基板113の表面に第1樹脂層の回折格子を形成する。
(2)第2樹脂層の形成
次に、第1の基板113と同形状に形成された第2の基板213を用意する。そして、図4(c)に示すように、第2の基板213に対して、光学素子形成領域213aの中心に未硬化の紫外線硬化型樹脂15を滴下する。この(2)の工程の紫外線硬化型樹脂15には、第1樹脂層の紫外線硬化型樹脂14とは屈折率の値が異なる別の樹脂が使用される。
次に、上記(1)の工程で第1樹脂層が形成された第1の基板113を、第1樹脂層を下向きにした状態で第2の基板213の上方に位置合わせして配置する。そして、第1の基板113を第2の基板213に押しつけて、第1樹脂層で紫外線硬化型樹脂15を押し広げる。これにより、第1樹脂層と第2の基板213との間において、紫外線硬化型樹脂15が光学素子形成領域213aの外接円の範囲内にむらなく塗布される。
次に、図4(d)に示すように、第1の基板113(または第2の基板213)に紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂15を硬化させる。これにより、第1の基板113および第2の基板213の間に第2樹脂層が形成されるとともに、第1の基板113および第2の基板213が貼り合わされる。また、第1樹脂層の回折格子は一種の型材の役割を果たすので、第2樹脂層の光学素子形成領域には、第1樹脂層の回折格子とかみ合う形状の回折格子が構成される。以上で、回折格子をなす第1樹脂層および第2樹脂層を2枚の基板113,213の間に有する矩形レンズが形成される。
(3)薄肉部分の除去
次に、図4(e)に示すように、基板の厚肉部分(113a,213a)の周囲をワイヤーソー、レーザー加工または液体ジェット加工で切断し、基板の薄肉部分(113b,213b)を除去する。以上の工程で第2実施形態の矩形レンズが製造される。上記の第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
次に、図4(e)に示すように、基板の厚肉部分(113a,213a)の周囲をワイヤーソー、レーザー加工または液体ジェット加工で切断し、基板の薄肉部分(113b,213b)を除去する。以上の工程で第2実施形態の矩形レンズが製造される。上記の第2実施形態においても第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
(実施形態の補足事項)
以上、本発明を上記の実施形態によって説明してきたが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではない。
(1)本発明では、基板または型材の光学素子形成領域にスピンコートで樹脂を押し広げて塗布するようにしてもよい。勿論、基板に樹脂を塗布する場合にも、光学素子形成領域以外にダミー領域を設けることが肝要である。
以上、本発明を上記の実施形態によって説明してきたが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではない。
(1)本発明では、基板または型材の光学素子形成領域にスピンコートで樹脂を押し広げて塗布するようにしてもよい。勿論、基板に樹脂を塗布する場合にも、光学素子形成領域以外にダミー領域を設けることが肝要である。
(2)本発明において、レンズに形成する樹脂層は回折格子に限定されることなく、例えばハードコート用の樹脂層などであってもよい。また、本発明の光学材料樹脂は紫外線硬化型樹脂に限定されることなく、例えば加熱硬化型樹脂であってもよい。
(3)基板の材料は上記実施形態のようにプラスチック製に限定されることなく、ガラス製の基板であってもよい。なお、本発明において基板外周に設ける位置決め部は突起であってもよい。
(3)基板の材料は上記実施形態のようにプラスチック製に限定されることなく、ガラス製の基板であってもよい。なお、本発明において基板外周に設ける位置決め部は突起であってもよい。
(4)本発明の光学素子における樹脂層の数は、上記実施形態のように2層に限定されるものではない。例えば、光学素子の樹脂層は1層だけであってもよく、あるいは樹脂層が3層以上積層されたものであってもよい。
11,12…型材
11a,12a…型材の光学素子形成領域
11b,12b…型材のダミー領域
13,113,213…基板
13a,113a,213a…基板の厚肉部分(光学素子形成領域)
13b,113b,213b…基板の薄肉部分(ダミー領域)
13c…補強部分
13d…切り欠き
14,15…紫外線硬化型樹脂
11a,12a…型材の光学素子形成領域
11b,12b…型材のダミー領域
13,113,213…基板
13a,113a,213a…基板の厚肉部分(光学素子形成領域)
13b,113b,213b…基板の薄肉部分(ダミー領域)
13c…補強部分
13d…切り欠き
14,15…紫外線硬化型樹脂
Claims (6)
- 外周形状が非円形である透光性部材の一面に、光学素子面形状が形成された樹脂層を具備する光学素子の製造方法であって、
外周形状が非円形である光学素子形成領域と、該光学素子形成領域の周囲に形成されたダミー領域とを有し、前記ダミー領域は前記光学素子形成領域と前記光学素子形成領域の外接円との間の位置を含むとともに、前記ダミー領域の厚さは前記光学素子形成領域よりも薄く形成されており、一方の面における前記光学素子形成領域と前記ダミー領域との間には段差無く形成された形状を有する透光性部材の基板と、前記基板の光学素子形成領域の樹脂層に光学素子形状を形成するための光学素子面成形部と前記ダミー領域と対向する位置に設けられたダミー成形部とを有してなる型材とを用意し、前記透光性部材の基板と前記型材とのいずれかに対して未硬化の光学材料樹脂を滴下する工程と、
前記基板および前記型材により、前記光学材料樹脂を同心円状に押し広げて前記光学素子形成領域に塗布する塗布工程と、
前記光学材料樹脂を硬化させる工程と、
を含むことを特徴とする光学素子の製造方法。 - 前記光学材料樹脂の硬化後に、前記基板から前記ダミー領域を除去する工程をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の光学素子の製造方法。
- 前記ダミー領域の基板背面側には、前記光学素子形成領域と接続された突起状の補強部分が形成されており、
前記光学材料樹脂の硬化後に、前記補強部分を押圧して前記型材と前記基板とを離脱させる工程をさらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光学素子の製造方法。 - 外周形状が非円形である光学素子形成領域と、該光学素子形成領域の周囲に形成されたダミー領域とを有し、前記ダミー領域は前記光学素子形成領域と前記光学素子形成領域の外接円との間の位置を含んでなる透光性部材の基板と、前記基板の一面において前記外接円の中心部から同心円状に広がる樹脂層と、を備え、
前記光学素子形成領域の樹脂層には光学素子面形状が形成されるとともに、前記ダミー領域の厚さが前記光学素子形成領域よりも薄く設定されており、前記基板の樹脂層形成面の背面側には段差が形成されていることを特徴とする光学素子成形物。 - 前記ダミー領域の基板背面側には、前記光学素子形成領域と接続された突起状の補強部分が形成されてなることを特徴とする請求項4に記載の光学素子成形物。
- 前記光学素子形成領域の外接円よりも基板外周側の位置および基板背面側の光学素子形成領域以外の位置の少なくとも一方に、前記基板の回転角を位置決めするための位置決め部が形成されてなることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の光学素子成形物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005304714A JP2007111958A (ja) | 2005-10-19 | 2005-10-19 | 光学素子の製造方法および光学素子成形物 |
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JP2005304714A Withdrawn JP2007111958A (ja) | 2005-10-19 | 2005-10-19 | 光学素子の製造方法および光学素子成形物 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2010027131A1 (ko) * | 2008-09-08 | 2010-03-11 | 연세대학교 산학협력단 | 기능성 나노패턴을 갖는 렌즈 제조방법 |
-
2005
- 2005-10-19 JP JP2005304714A patent/JP2007111958A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
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WO2010027131A1 (ko) * | 2008-09-08 | 2010-03-11 | 연세대학교 산학협력단 | 기능성 나노패턴을 갖는 렌즈 제조방법 |
KR101020634B1 (ko) * | 2008-09-08 | 2011-03-09 | 연세대학교 산학협력단 | 기능성 나노패턴을 갖는 렌즈의 제조방법 |
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