JP2007111427A - X線撮影システム及びx線撮影方法 - Google Patents

X線撮影システム及びx線撮影方法 Download PDF

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Abstract

【課題】微小な対象物であっても視認性の高い撮影画像を得ることができるX線撮影方法及びX線撮影システムを提供する。
【解決手段】X線撮影システム1では、被写体に焦点径D(μm)のX線を照射するX線管2と、当該照射されたX線のX線量に応じたX線画像を記録するフィルム31とを用いて、径s(μm)が0.05≦s≦50の撮影対象物を撮影する際に、前記X線管2の焦点径Dを1≦D≦30とし、10≦M≦40の拡大率Mで位相コントラスト撮影を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、被写体にX線を照射し、そのX線画像を撮影するX線撮影システム及びX線撮影方法に関する。
従来から、撮影画像の視認性を向上させるため、位相コントラスト法による撮影が行われている(例えば、特許文献1参照)。位相コントラスト撮影は、X線管の焦点径、X線管から被写体までの距離、被写体から画像検出器までの距離を所定の関係とする拡大撮影である。この位相コントラスト撮影では、X線屈折の現象から被写体のエッジ部分が強調された画像を得ることができるため、精査を要する読影に最適な画像を医師に提供することが可能となる。このエッジ強調はエッジ効果と呼ばれている。
また、近年の医療システムのデジタル化に伴い、前記位相コントラスト撮影をデジタル検出器を用いて実施するシステムが開発されている(特許文献2参照)。
位相コントラスト撮影は、乳房を被写体とする乳房撮影システムにおいて、東芝社製乳房撮影装置「MGU−100B」(X線管の焦点径100μm)で撮影し、コニカミノルタ社製レジウスシステム(model190)でデータ処理を行い、同社製イメージャ(ドライプロmodel793)でフィルム出力を行うシステムが実用化されている。乳房撮影は主に乳癌の所見となる腫瘤、微小石灰化クラスタといった病変部の陰影(以下、異常陰影という)を検出するために行われるものである。これらの検出は精査を要するため、位相コントラスト撮影によるエッジ効果は読影に際して非常に有用なものとなる。
エッジ効果は、X線管の焦点径との関係に大きく左右されることが分かっている(例えば、特許文献3参照)。被写体の細部まで精細に観察可能な撮影画像を得るためには、位相コントラスト撮影時の拡大率を上げる、或いはX線管の焦点径を大きくし照射するX線量を増加させることが考えられるが、拡大率及び/又は焦点径の増大とともにエッジ強調の度合いが低下するボケと呼ばれる現象が生じる。ボケが生じるとエッジ効果が失われ、位相コントラスト撮影の意義が薄れてしまう。
また、デジタル検出器の制御単位(画素サイズ)と前記ボケとの関係を所定の関係とすることで、エッジ強調部分のデジタル検出結果を良好とする方法が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
特開2001−91479号公報 特開2001−299733号公報 特開2001−311701号公報 特開2003−180670号公報
上記乳房撮影では、腫瘤は約3〜15(mm)、微小石灰化クラスタは数百(μm)と、検出対象は有る程度の大きさを有している。これらよりもさらに小さい50μm以下の対象物、例えばアスベスト等についても位相コントラスト撮影により視認性の高い撮影画像を得るためには、拡大率を上げる必要がある。
しかしながら、上述したように単純な拡大率の増加はボケを生じさせ、エッジ効果の低下を招くこととなる。このため、乳房撮影と同じ条件で撮影を行っても微小な対象物を視認できる画質を得ることはできない。
本発明の課題は、微小な対象物であっても視認性の高い撮影画像を得ることができるX線撮影方法及びX線撮影システムを提供することである。
請求項1に記載の発明は、
被写体に焦点径D(μm)のX線を照射するX線管と、当該照射されたX線のX線量に応じたX線画像を記録する画像記録材とを用いて拡大率M(ただし、前記X線管の焦点から前記被写体までの距離をR1、前記X線管の焦点から前記画像検出器までの距離をR3としたとき、拡大率M=R3/R1とする。)の位相コントラスト撮影を行うX線撮影システムにおいて、
径s(μm)が0.05≦s≦50の撮影対象物を撮影する際に、
前記X線管の焦点径Dを、1≦D≦30とし、
前記拡大率Mを、10≦M≦40とすることを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のX線撮影システムにおいて、
前記X線管の焦点から前記画像検出器までの距離R3(m)を、3≦R3≦5とすることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、X線撮影方法において、
被写体に焦点径D(μm)のX線を照射するX線管と、当該照射されたX線のX線量に応じたX線画像を記録する画像記録材とを用いて拡大率M(ただし、前記X線管の焦点から前記被写体までの距離をR1、前記X線管の焦点から前記画像検出器までの距離をR3としたとき、拡大率M=R3/R1とする。)の位相コントラスト撮影を行うX線撮影方法において、
径s(μm)が0.05≦s≦50の撮影対象物を撮影する際に、
前記X線管の焦点径Dを、1≦D≦30とし、
前記拡大率Mを、10≦M≦40とすることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載のX線撮影方法において、
前記X線管の焦点から前記画像検出器までの距離R3(m)を、3≦R3≦5とすることを特徴とする。
請求項1、3に記載の発明によれば、直径が0.05〜50(μm)と非常に微小な対象物であっても、鮮明に視認することができる高画質の拡大画像を医師に提供することができる。また、画像記録材の直接X線画像を記録することにより、微弱な画像信号の変化もそのまま記録することができ、信号の損失が少ない。
請求項2、4に記載の発明によれば、限られた撮影環境の中であっても、拡大率が10〜30と比較的大きい拡大率に調整することが可能となる。
まず、構成を説明する。
図1に、本実施形態におけるX線撮影システム1を示す。
X線撮影システム1は、図1に示すように、X線管2、撮影装置3を備えて構成されており、X線管2から被写体Wに向けて照射したX線を撮影装置3で受け、そのX線量に応じたX線画像を撮影装置3内に装着されたフィルム31に記録するものである。撮影時には、被写体WとX線管2、被写体Wとフィルム31間の距離R1、R2を調整することにより拡大率Mの位相コントラスト撮影を行う。
X線管2は、焦点径D(μm)のX線を発生させて被写体Wに向けて照射するものである。X線管2では、この焦点径Dが大きくなるほど一定時間内に照射されるX線量が大きくなる。
撮影装置3は、スクリーン・フィルム方式の撮影を行うものであり、フィルム31を含む撮影部32、撮影制御を行うための本体部33等を備えて構成されている。
撮影部32は、フィルム31を内蔵し、撮影部位に合わせてその高さ位置を調整可能に構成されている。
フィルム31は支持体上に感光材が塗布された、X線画像の画像記録材であり、カセッテと呼ばれる筐体に収容された状態で撮影部32に装着される。カセッテ内にはスクリーンが取り付けられており、フィルム31はこのスクリーンに当接した状態でカセッテ内に収容される。スクリーンは、X線の照射量に応じた光量の蛍光を発光する蛍光体が支持体上に塗布されたものである。フィルム31はこのスクリーンにより発光された蛍光に感光し、これによりX線量に応じたX線画像の潜像がフィルム31上に記録されることとなる。
X線画像の潜像が記録されたフィルム31は、図示しないフィルム出力システムにおいて現像処理を行うことにより、フィルム31上のX線画像を可視化することができる。
本体部33はX線管2と接続されており、X線管2及び撮影部32の撮影動作の制御操作を行うための操作部や、撮影装置3の各部を集中制御する制御部、他の外部装置と通信を行う通信部等を備えている。
本体部33では、操作部を介してX線管2における管電圧、管電流等のX線の照射条件や照射タイミング等を指示操作することが可能であり、制御部ではこの指示操作に応じてX線管2等の各部の動作を集中制御する。
次に、上記X線撮影システム1による位相コントラスト撮影について説明する。
図2は、位相コントラスト撮影の概略を説明する図である。
図2に示すように、通常の撮影方法の場合、被写体Wとにフィルム31が接する位置に被写体Wが配置されている(図2の密着撮影位置)。この場合、そのフィルム31に記録されるX線画像(潜像)はライフサイズ(被写体Wと同一サイズであることをいう)とほぼ等サイズとなる。
これに対し、位相コントラスト撮影は、被写体Wとフィルム31間に距離を設けるものであり、X線管2からコーンビーム状に照射されたX線により、ライフサイズに対して拡大されたX線画像(以下、拡大画像という)の潜像がフィルム31に記録されることとなる。
ここで、拡大画像のライフサイズに対する拡大率Mは、X線管2の焦点aから被写体Wまでの距離をR1、被写体Wからフィルム31までの距離をR2、X線管2の焦点aからフィルム31までの距離をR3(R3=R1+R2)とすると、下記式(1)により求めることができる。
M=R3/R1・・・(1)
位相コントラスト拡大画像では、図3に示すように、被写体Wの辺縁を通過することにより屈折したX線が被写体Wを介さずに通過したX線とフィルム31上で重なり合い、重なった部分のX線強度が強くなる。一方で、屈折したX線の分だけ、被写体Wの辺縁内側の部分においてX線強度が弱くなる現象が生じる。そのため、被写体Wの辺縁を境にしてX線強度差が広がるエッジ強調作用(エッジ効果ともいう)が働き、辺縁部分が鮮鋭に描写された視認性の高いX線画像を得ることができる。
X線源が点線源(つまり、焦点aが点)であるとみなした場合、辺縁部分におけるX線強度は図4の実線で示すようなものとなる。図4に示すEは、エッジ強調の半値幅を示し、下記式(2)により求めることができる。半値幅Eはエッジの山−谷間の距離を示す。
Figure 2007111427
しかし、医療現場や非破壊検査施設では、クーリッジX線管(熱電子X線管ともいう)が広く使用されており、このクーリッジX線管では、図5に示すように焦点径Dが有る程度大きくなるため、理想的な点線源とみなすことができない。この場合、図5に示すように、エッジ強調の半値幅Eが広がり、かつ強度が低下することとなるため、幾何学的不鋭が生じることとなる。この幾何学的不鋭をボケという。
ボケが生じた場合の辺縁部分におけるX線強度は、図4の点線で示すようなものとなる。ボケが生じた際のエッジ強調の半値幅は、幾何学的不鋭のため理想的な点線源を想定した場合のエッジ強調幅Eより広がることとなる。このボケが生じた場合のエッジ強調の半値幅をEBとすると、EBは下記式(3)から求めることができる。
Figure 2007111427
式中、δ及びrの定義は、式2と同じである。
また、EBはボケが無い場合のエッジ強調半値幅Eにボケの大きさを示すBを加え、EB=E+Bで示される。
ここで、アスベスト等のような、径が50μm以下という微小な撮影対象物の視認性を向上させるためには、拡大率Mを大きくすることが必要である。拡大率Mを大きくするためには、式1より距離R2を大きくすればよいが、距離R2の増加はボケの半値幅EBの増大を招くこととなる。ここで、上記撮影対象物の径をs(μm)とすると、径sとは対象物が略球形や略立方体等の異形体ではない場合はその外接円の直径を、糸状の細長いもの等、異形体である場合には異形体の延展方向(細長い方向)と直交方向の断面の直径を意味するものとする。
なお、拡大率Mを調整する場合、距離R1を固定し、距離R2を増減することにより拡大率Mを可変することができるが、距離R1の設定が余りにも大きいと実際の撮影において不適切な距離設定となる場合がある。例えば拡大率M=20(倍)のとき、距離R1=1(m)とすると距離R2は19(m)に設定しなければならないが、通常の撮影室ではこのような設定は現実的ではない。
これに対し、距離R1の設定を小さくすると、照射野が小さくなり、被写体Wの一部しか撮影できないこととなってしまう。一般的には、被写体WとX線管2の間には余分な被爆を防ぐための照射野絞りや筐体を設置していることが多いため、距離R1を小さくするには限界がある。
よって、撮影室内等、距離R3の設定に制限がある場合には、距離R3を固定し、その固定した距離R3の中で距離R1、R2の比率を変えることが好ましい。例えば、R3=3.5(m)に決定した場合、この距離R3に対し、R1=0.7(m)、R2=2.8(m)とする。一般的な撮影室の広さを考慮すると、距離Rを3≦R3≦5の範囲とし、この範囲内で拡大率Mと拡大画像の視認性との関係を見ながら、経験的、実験的に最適な距離R3、R1、R2を決定すればよい。
また、式3からも分かるように、ボケBの程度は焦点径Dに依るところが大きい。0.05≦s≦50の微小な対象物を拡大画像上で観察する場合には、焦点径Dを大きくすればX線の照射量が増えて拡大画像の視認性が向上するが、その分ボケの程度も大きくなり、結果としてエッジ強調作用が得られない画像となってしまう。
よって、本発明に係るX線撮影システム1では、0.05≦s≦50(μm)の微小な対象物を撮影する際には、X線管2の焦点径Dを1≦D≦30(μm)とし、かつ拡大率Mを10≦M≦40(μm)とすることでその撮影画像を出力した際に良好な視認性を得ることができる。
上記撮影システム1において下記の実験条件により位相コントラスト撮影を行い、得られた拡大画像についての視覚評価を行った。
〈実験条件〉
直径5(mm)のガラスウールを被写体として位相コントラスト撮影を行い、得られた拡大画像をフィルムに出力して視覚評価を行った。
X線管球は、コニカミノルタ社で試作したものを用い、焦点径D=10(μm)のものを使用した。撮影装置はコニカミノルタ社製の試作機を用いた。画像記録材を含むカセッテはコダック社製Min-R2000フィルムシステムを使用し、撮影済みフィルムの現像にはコニカミノルタ社製自動現像機SRX-101を用いた。
被写体は、直径5(mm)のガラスウールである。
また、比較用として画像検出器(蛍光体プレート又はFPD(Flat Panel Detector)を適用可)を用いてデジタル画像データを生成する撮影装置を用いて撮影を行った。画像検出器は同社製のレジウスプレートRP−5PM及びレジウスカセッテRC−110Mを用いた。
上記画像検出器により検出された拡大画像の読取は、コニカミノルタ社製regius model 190により、読取画素ピッチ43.75(μm)で読み取った。
この読取画像のフィルムへの出力は、同社製drypro model 793により、書込画素ピッチ25(μm)で出力した。このとき、読取画像の各画素と出力画像の各画素を1:1に対応させて補間処理を行わずに出力した。
〈撮影条件〉
撮影時のX線管の管電圧は65(kVp)、管電流は1(mA)である。
また、X線管の焦点から画像検出器までの距離R3は、R3(R1+R2)=3.5(m)で固定し、距離R1、R2をそれぞれ2≧R1≧0.07、3.43≧R2≧1.5の範囲で可変して拡大率Mが1≦M≦50となる範囲で撮影を行った。
〈評価基準〉
フィルム上に出力形成された拡大画像の評価基準は以下の通りである。
・:繊維一本のそれぞれを鮮明に認識することが可能。
△:繊維の存在が確認できる。
×:繊維の存在が確認できない。
上記の評価基準に従って、7人の画像評価者がフィルム上の画像を観察し、被写体となったガラスウール繊維の画像について評価を行った。
〈評価結果〉
評価結果は、下記の表1の通りである。
上述した実験条件において被写体であるガラスウール繊維の直径sを0.05〜50(μm)まで一定値毎に段階的に変化させて同じ撮影条件で撮影を行った場合も同様の評価結果が得られた。
Figure 2007111427
なお、表1中のNo.1は位相コントラスト撮影との比較を行うために、拡大率1の通常撮影を行ったものである。「デジタル判定」の項目は、画像検出器を用いてX線画像をデジタルデータとして得た場合の出力画像についての評価結果を示し、「フィルム判定」は本発明を適用した出力画像についての評価結果である。
また、表1中のボケB、エッジ強調幅EBは、式2、3から算出している。
表1の評価結果において、No.4〜No.8から拡大率Mが10〜40のとき、直径s=0.05〜50(μm)と非常に微小なガラスウール繊維が鮮明となる非常に良好な画質が得られている。拡大率Mが1〜5と比較的小さいNo.1〜3では、微小な撮影対象を確認することができない結果となっている。これは、拡大率Mが小さいためボケBが小さくなってエッジ効果が得られるものの、微小な撮影対象物を視認するのに充分な拡大がなされていないことによるものと考えられる。一方、No.9の結果から、拡大率M=50とすると拡大による視認性が高くなるのに対してボケBの比率が大きくなり、逆にガラスウール繊維が確認できない画質となることが分かる。
デジタルデータで得られたX線画像についても、No.4〜No.8の撮影条件により微小な撮影対象物も確認可能な画質が得られている。これに対し、フィルムにより得られたX線画像では、同じ撮影条件でもより良好な評価結果となっている。これは、デジタル化の過程で生成された画像信号のサンプリング時に、各画素(サンプリングピッチ)内でエッジ強調部分に対応する強弱の画像(信号)部分が平均化(相殺)され、位相コントラスト撮影本来のエッジ効果が十分に発揮されないことによるものと考えられる。
一方、フィルムの場合には、このようなデジタル化の過程が無く、X線量の変化量をそのままフィルムへの感光量に変換させることができる。よって、微弱な信号変化も画像に反映させることができ、エッジ効果も十分に得られることとなる。
実施例2では、実施例1の実験条件において、X線管の焦点径D=30(μm)として撮影を行い、得られた拡大画像の画像評価を行った。
〈実験条件〉
焦点径D=30(μm)のX線管を使用していることを除き、実験条件は実施例1と同一である。
〈撮影条件〉及び〈評価条件〉
撮影条件及び評価条件は、実施例1と同一である。
〈評価結果〉
評価結果は、下記の表2の通りである。
実施例2においても被写体であるガラスウール繊維の直径sを0.05〜50(μm)まで一定値毎に段階的に変化させて同じ撮影条件で撮影を行ったところ、同様の評価結果が得られた。
Figure 2007111427
なお、表2中のNo.1は位相コントラスト撮影との比較を行うために、拡大率1の通常撮影を行ったものである。
また、表2中のボケB、エッジ強調幅EBは、式2、3から算出している。
表2の評価結果において、No.4〜No.40から拡大率Mが10〜40のとき、直径s=0.05〜50(μm)と非常に微小な撮影対象物も鮮明に視認可能な画質が得られることが分かる。拡大率Mが1〜5と比較的小さいNo.1〜3では、微小な撮影対象を確認することができない結果となっている。これは、拡大率Mが小さいためボケBが小さくなってエッジ効果が得られるものの、微小な撮影対象物を視認するのに充分な拡大がなされていないことによるものと考えられる。一方、No.9の結果から、拡大率M=50とすると拡大による視認性が高くなるのに対してボケの比率が大きくなり、逆にガラスウール繊維が確認できない画質となることが分かる。
表1の評価結果と併せて考慮すると、焦点径Dを10から30へと大きくしても画質には影響がなく、微小な撮影対象が鮮明となるまで拡大することができるとともに、鮮鋭性が高い出力画像が得られることが分かる。
また、デジタルデータで得られたX線画像についても、No.4〜No.8の撮影条件により微小な撮影対象物も確認可能な画質が得られており、これに対してフィルムにより得られたX線画像では、同じ撮影条件でもより良好な評価結果となっているのは実施例1と同様であり、その理由も同じであると考えられる。
一般に、R1が大きくなると、画像検出器に到達する単位時間あたりのX線量が減少するため、出力画像において充分な濃度が得られなくなり、視認性が低下する。
逆に、R1が小さすぎると、画像検出器の全面にX線を照射できないため、出力画像において濃度ムラが生じ、均一性が低くなる。また、撮影できる被写体の範囲が小さくなるため、撮影目的によっては不適切な場合がある。
また、R2が大きいほど散乱線が除去され、ノイズの少ない良好な画質となり、拡大率Mが大きいほど鮮鋭性、粒状性が良好となる。
拡大率M及びR2は、位相コントラスト効果(エッジ効果)に寄与する因子となり、拡大率M及びR2がともに大きくなるほど位相コントラスト効果が大きくなり、被写体の細部が鮮明となる、良好な画像が得られる。
実際に、適用する焦点径D、拡大率M、拡大率Mに応じた距離R1、R2、R3等を決定する際には、ボケBの程度や、上述したような出力画像の画質とその画質を左右する因子との関係から、実験的又は経験的に最良の画質が得られるものを選択すればよい。
なお、X線源は点線源に近いほどボケBが小さくなるので、焦点径Dは限りなく小さいものが良い。
以上のように、本実施形態によれば、X線管の焦点径D(μm)を1≦D≦30とし、位相コントラスト撮影における拡大率Mを、10≦M≦40とすることにより、直径sが0.05≦s≦50と非常に微小な撮影対象を視認可能な高画質の拡大画像を得ることができる。
また、撮影室内の広さを考慮して、X線管の焦点から前記画像検出器までの距離R3(m)を、3≦R3≦5の範囲内で固定し、その固定された距離R3の中で距離R1、R2を可変して拡大率Mを調整している。よって、限られた室内の中で拡大率Mを10≦M≦40と比較的大きい拡大率Mに調整することが可能となる。
また、フィルム・スクリーン方式による撮影を行うことにより、微弱な信号変化をとらえることが可能となり、微小な対象物を撮影する際には、X線画像をデジタルデータとして生成する場合に比較して、より視認性の高い高画質な出力画像を得ることができる。
本実施形態における撮影システムの構成を示す図である。 位相コントラスト撮影を説明する図である。 位相コントラスト効果(エッジ効果)について説明する図である。 エッジ効果におけるエッジ強度とボケの関係を示す図である。 位相コントラスト効果においてボケが生じる場合について説明する図である。
符号の説明
1 撮影システム
2 X線管
a 焦点
3 撮影装置
31 フィルム

Claims (4)

  1. 被写体に焦点径D(μm)のX線を照射するX線管と、当該照射されたX線のX線量に応じたX線画像を記録する画像記録材とを用いて拡大率M(ただし、前記X線管の焦点から前記被写体までの距離をR1、前記X線管の焦点から前記画像検出器までの距離をR3としたとき、拡大率M=R3/R1とする。)の位相コントラスト撮影を行うX線撮影システムにおいて、
    径s(μm)が0.05≦s≦50の撮影対象物を撮影する際に、
    前記X線管の焦点径Dを、1≦D≦30とし、
    前記拡大率Mを、10≦M≦40とすることを特徴とするX線撮影システム。
  2. 前記X線管の焦点から前記画像検出器までの距離R3(m)を、3≦R3≦5とすることを特徴とする請求項1に記載のX線撮影システム。
  3. 被写体に焦点径D(μm)のX線を照射するX線管と、当該照射されたX線のX線量に応じたX線画像を記録する画像記録材とを用いて拡大率M(ただし、前記X線管の焦点から前記被写体までの距離をR1、前記X線管の焦点から前記画像検出器までの距離をR3としたとき、拡大率M=R3/R1とする。)の位相コントラスト撮影を行うX線撮影方法において、
    径s(μm)が0.05≦s≦50の撮影対象物を撮影する際に、
    前記X線管の焦点径Dを、1≦D≦30とし、
    前記拡大率Mを、10≦M≦40とすることを特徴とするX線撮影方法。
  4. 前記X線管の焦点から前記画像検出器までの距離R3(m)を、3≦R3≦5とすることを特徴とする請求項3に記載のX線撮影方法。
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