ところで、上記従来の通信装置は、ユーザによる宛先識別情報の入力を受け付け、ユーザにより入力された宛先識別情報に対応する宛先との通信を行うこともできるが、ユーザにより誤った宛先識別情報が入力された場合、誤って入力された宛先識別情報に対応する宛先、すなわち、ユーザが意図しない宛先と通信が行われる場合があり、ユーザにとっての利便性が充分ではなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ユーザが意図しない宛先との通信が行われることを防止することができる通信装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の通信装置は、宛先毎に、宛先を識別する情報である第1宛先識別情報に対応付けて宛先名情報を格納する宛先記憶手段を有する所定数の情報管理装置と通信可能に接続された通信装置であって、外部から、宛先を識別する情報である第2宛先識別情報の入力を受け付ける宛先受付手段と、前記宛先記憶手段に前記第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により、前記宛先記憶手段に前記第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されていると判定された場合に、前記第2宛先識別情報に対応する宛先との通信を許可する許可手段と、を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、通信装置は、宛先毎に、宛先を識別する情報である第1宛先識別情報に対応付けて宛先名情報を格納する宛先記憶手段を有する所定数の情報管理装置と通信可能に接続されており、宛先受付手段により、外部から、宛先を識別する情報である第2宛先識別情報の入力が受け付けられ、判定手段により、宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かが判定される。そして、宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されていると判定された場合に、許可手段により、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が許可される。
従って、情報管理装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されている場合に、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が許可され、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が行われるため、すなわち、情報管理装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されていない場合は、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が許可されず、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が行われないため、誤って入力された宛先識別情報に対応する宛先、すなわち、ユーザが意図しない宛先との通信が行われることを防止することができる。また、通信先を宛先記憶手段に格納されている宛先に限定することも可能である。
請求項2記載の通信装置は、請求項1記載の通信装置において、前記情報管理装置に対して、前記第2宛先識別情報とともに、前記宛先記憶手段に前記第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かの情報である有無情報の返信を要求する旨の情報を送信する第1の送信手段と、前記情報管理装置から返信された有無情報を受信する第1の受信手段と、を備え、前記判定手段は、前記第1の受信手段により受信された有無情報に基づいて、前記宛先記憶手段に前記第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定することを特徴としている。
上記構成によれば、第1の送信手段により、情報管理装置に対して、第2宛先識別情報とともに、宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かの情報である有無情報の返信を要求する旨の情報が送信され、第1の受信手段により、情報管理装置から返信された有無情報が受信される。そして、受信された有無情報に基づいて、判定手段により、宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かが判定される。
従って、情報管理装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かの情報である有無情報に基づいて、情報管理装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かが判定されるため、簡単な処理で、情報管理装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定することができる。
請求項3記載の通信装置は、請求項1記載の通信装置において、前記情報管理装置に対して、前記宛先記憶手段に格納された第1宛先識別情報及び宛先名情報の返信を要求する旨の情報を送信する第2の送信手段と、前記情報管理装置から返信された前記第1宛先識別情報及び宛先名情報を受信する第2の受信手段と、を備え、前記判定手段は、前記第2の受信手段により受信された前記第1宛先識別情報及び宛先名情報から前記第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報を検索することにより、前記宛先記憶手段に前記第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定することを特徴としている。
上記構成によれば、第2の送信手段により、情報管理装置に対して、宛先記憶手段に格納された第1宛先識別情報及び宛先名情報の返信を要求する旨の情報が送信され、第2の受信手段により、情報管理装置から返信された第1宛先識別情報及び宛先名情報が受信される。そして、判定手段により、受信された第1宛先識別情報及び宛先名情報から第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が検索されることによって、宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かが判定される。
従って、第1宛先識別情報及び宛先名情報から第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が検索されることによって、情報管理装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かが判定されるため、通信装置を情報管理装置と接続しておく時間が短縮される。また、情報管理装置が、自装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定する必要がなくなり、情報管理装置が行う処理の負担が軽減される。
請求項4記載の通信装置は、請求項1乃至3のいずれか1に記載の通信装置において、前記許可手段により、前記第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が許可されなかった場合に、通信不可である旨の情報を報知する報知手段を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が許可されなかった場合に、報知手段により、通信不可である旨の情報が報知される。
従って、情報管理装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されておらず、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が許可されなかった場合に、通信不可である旨の情報が報知されるため、ユーザは、誤った宛先を入力したことを認識することができる。
請求項5記載の通信装置は、請求項1乃至4のいずれか1に記載の通信装置において、外部からの選択入力を受け付けて、前記宛先記憶手段に前記第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されている場合に限って通信を許可する第1の設定と、前記宛先記憶手段に前記第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かにかかわらず通信を許可する第2の設定との内、いずれかの設定を行う設定受付手段を備え、前記許可手段は、前記設定受付手段により前記第2の設定に対応する選択入力が受け付けられた場合には、前記判定手段による判定にかかわらず、前記第2宛先識別情報に対応する宛先との通信を許可することを特徴としている。
上記構成によれば、設定受付手段により、宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されている場合に限って通信を許可する第1の設定と、宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かにかかわらず通信を許可する第2の設定との内、外部からの選択入力が受け付けられていずれかの設定が行われる。そして、第2の設定に対応する選択入力が受け付けられた場合には、判定手段による判定にかかわらず、許可手段により、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が許可される。
従って、ユーザは、情報管理装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されている場合に限って通信を許可する第1の設定と、情報管理装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かにかかわらず通信を許可する第2の設定との内、いずれかを選択することができるため、ユーザにとっての利便性が向上する。
請求項6記載の通信装置は、請求項5記載の通信装置において、外部から、個人を認証する情報である第1個人認証情報を取得する第1の取得手段と、個人を認証する情報である第2個人認証情報を予め格納する第1の記憶手段と、前記第1の取得手段により取得された第1個人認証情報と前記第1の記憶手段に格納されている第2個人認証情報とが一致しない場合に、前記設定受付手段の設定を禁止する第1の禁止手段と、を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、第1の取得手段により、外部から、個人を認証する情報である第1個人認証情報が取得され、第1の記憶手段に、個人を認証する情報である第2個人認証情報が予め格納されている。そして、取得された第1個人認証情報と格納されている第2個人認証情報とが一致しない場合に、第1の禁止手段により、設定受付手段の設定が禁止される。
従って、第1個人認証情報と第2個人認証情報とが一致しない場合に、第1の設定、又は第2の設定を設定することが禁止されるため、個人認証なしに、設定が変更されることを防止することができる。例えば、第1の記憶手段に第2個人認証情報が格納されているユーザ(例えば、管理者、責任者等)以外には、第1の設定を使用させることができるため、通信先を宛先記憶手段に格納されている宛先に限定することも可能である。
請求項7記載の通信装置は、請求項1乃至6のいずれか1に記載の通信装置において、前記所定数は、複数であり、外部から、前記所定数の情報管理装置の内、いずれか1の情報管理装置の選択を受け付ける装置選択受付手段を備え、前記判定手段は、前記装置選択受付手段により選択が受け付けられた情報管理装置が有する宛先記憶手段に前記第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定することを特徴としている。
上記構成によれば、通信装置は、複数の情報管理装置と通信可能に接続されており、装置選択受付手段により、複数の情報管理装置の内、いずれか1の情報管理装置の外部からの選択が受け付けられる。そして、判定手段により、選択が受け付けられた情報管理装置が有する宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かが判定される。
従って、ユーザは、複数の情報管理装置の中から、所望の第1宛先識別情報が宛先記憶手段に格納されている情報管理装置を選択することができるため、ユーザにとっての利便性が向上する。例えば、会社において通信装置を使用するにあたり、1の情報管理装置に、同じ会社の他の支社や本社等の第1宛先識別情報を格納し、他の情報管理装置に、取引先等の他の会社の第1宛先識別情報を格納しておく場合に、同じ会社の他の支社や本社等の第1宛先識別情報が格納されている情報管理装置を選択しておけば、誤って他の会社との通信が行われ、機密事項等が漏洩することを防止することができる。
請求項8記載の通信装置は、請求項7記載の通信装置において、外部から、個人を認証する情報である第3個人認証情報を取得する第2の取得手段と、個人を認証する情報である第4個人認証情報を予め格納する第2の記憶手段と、前記第2の取得手段により取得された第3個人認証情報と前記第2の記憶手段に格納されている第4個人認証情報とが一致しない場合に、前記装置選択受付手段の受け付けを禁止する第2の禁止手段と、を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、第2の取得手段により、外部から、個人を認証する情報である第3個人認証情報が取得され、第2の記憶手段に、個人を認証する情報である第4個人認証情報が予め格納されている。そして、取得された第3個人認証情報と格納されている第4個人認証情報とが一致しない場合に、第2の禁止手段により、装置選択受付手段の受け付けが禁止される。
従って、第3個人認証情報と第4個人認証情報とが一致しない場合に、情報管理装置の選択の受け付けが禁止されるため、個人認証なしに、情報管理装置が選択されることを防止することができる。例えば、第2の記憶手段に第4個人認証情報が格納されているユーザ(例えば、管理者、責任者等)以外が通信装置を使用する場合、情報管理装置を選択することができないため、通信先を特定の情報管理装置の宛先記憶手段に格納されている宛先に限定することも可能である。
請求項1記載の通信装置によれば、情報管理装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されている場合に、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が許可され、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が行われるため、すなわち、情報管理装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されていない場合は、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が許可されず、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が行われないため、誤って入力された宛先識別情報に対応する宛先、すなわち、ユーザが意図しない宛先との通信が行われることを防止することができる。また、通信先を宛先記憶手段に格納されている宛先に限定することも可能である。
請求項2記載の通信装置によれば、情報管理装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かの情報である有無情報に基づいて、情報管理装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かが判定されるため、簡単な処理で、情報管理装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定することができる。
請求項3記載の通信装置によれば、第1宛先識別情報及び宛先名情報から第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が検索されることによって、情報管理装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かが判定されるため、通信装置を情報管理装置と接続しておく時間が短縮される。また、情報管理装置が、自装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定する必要がなくなり、情報管理装置が行う処理の負担が軽減される。
請求項4記載の通信装置によれば、情報管理装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されておらず、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が許可されなかった場合に、通信不可である旨の情報が報知されるため、ユーザは、誤った宛先を入力したことを認識することができる。
請求項5記載の通信装置によれば、ユーザは、情報管理装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されている場合に限って通信を許可する第1の設定と、情報管理装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かにかかわらず通信を許可する第2の設定との内、いずれかを選択することができるため、ユーザにとっての利便性が向上する。
請求項6記載の通信装置によれば、第1個人認証情報と第2個人認証情報とが一致しない場合に、第1の設定、又は第2の設定を設定することが禁止されるため、個人認証なしに、設定が変更されることを防止することができる。例えば、第1の記憶手段に第2個人認証情報が格納されているユーザ(例えば、管理者、責任者等)以外には、第1の設定を使用させることができるため、通信先を宛先記憶手段に格納されている宛先に限定することも可能である。
請求項7記載の通信装置によれば、ユーザは、複数の情報管理装置の中から、所望の第1宛先識別情報が宛先記憶手段に格納されている情報管理装置を選択することができるため、ユーザにとっての利便性が向上する。例えば、会社において通信装置を使用するにあたり、1の情報管理装置に、同じ会社の他の支社や本社等の第1宛先識別情報を格納し、他の情報管理装置に、取引先等の他の会社の第1宛先識別情報を格納しておく場合に、同じ会社の他の支社や本社等の第1宛先識別情報が格納されている情報管理装置を選択しておけば、誤って他の会社との通信が行われ、機密事項等が漏洩することを防止することができる。
請求項8記載の通信装置によれば、第3個人認証情報と第4個人認証情報とが一致しない場合に、情報管理装置の選択の受け付けが禁止されるため、個人認証なしに、情報管理装置が選択されることを防止することができる。例えば、第2の記憶手段に第4個人認証情報が格納されているユーザ(例えば、管理者、責任者等)以外が通信装置を使用する場合、情報管理装置を選択することができないため、通信先を特定の情報管理装置の宛先記憶手段に格納されている宛先に限定することも可能である。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る通信装置1の一例を示すブロック図である。図示するように、通信装置1は、制御部(CPU:Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、原稿読取部104、コーデック105、画像メモリ106、印刷部107、操作部108、表示部109、モデム110、NCU(Network Control Unit)111、及びLAN I/F(Local Area Network Interface)112を備えたものであって、各部101乃至112はバス113によって通信可能に接続されている。この通信装置1は、画像データをファクシミリ送受信するファクシミリ機能、電子メールにより画像データを送受信するインターネットファクシミリ機能を備える。
制御部101は、ROM102に格納された制御プログラムに従って、この通信装置1を構成する各部を制御し、後述する設定受付部101a(図3参照)等として機能するものである。RAM103は、制御部101の主メモリ、ワークエリア等として機能するものである。
原稿読取部104は、原稿の画像を読み取って画像データを生成し、所定の出力先に出力するものである。この原稿読取部104は、図示しないが、CCD(Charge Coupled Device)等のイメージセンサや光源等の光学系を有するフラットベッドスキャナ(FBS:Flat Bed Scanner)、原稿自動供給装置(ADF:Automatic Document Feeder)等の原稿供給機構等を有して構成されている。コーデック105は、コピーやファクシミリ送受信等のために画像データを符号化し、符号化されている画像データを復号(展開)する。
画像メモリ106は、原稿読取部104から直接出力された画像データ、コーデック105において符号化された画像データ、受信した画像データ等を格納する。印刷部107は、画像メモリ106から読み出された画像データを印刷出力するものである。この印刷部107における印刷方式としては、例えば、電子写真方式を用いることができる。
操作部108は、ユーザが情報を入力する入力キー、タッチパネル等から構成されており、ユーザによる各種の操作入力は、この操作部108を介して行われる。入力キーとしては、通信開始を指示するためのスタートキー、ファクシミリ番号等を入力するためのテンキー、各種設定を行うためのカーソルキー等がある。表示部109は、例えば操作部108に並設された、各種の設定状態や通信装置1の動作状態などを文字や図形などで表示する液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)や、点灯又は消灯で表示するLEDランプなどを備えている。
モデム110は、例えばITU−T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)の勧告V.30規格又はこれと同様のものに従った送受信データの変調及び復調を行うものである。NCU111は、電話回線を制御して電話をかけたり、切ったりする回線網制御装置であり、PSTN(Public Switched Telephone Networks)4に接続されている。制御部101は、このモデム110及びNCU111を制御して、画像データのファクシミリ送受信を行うことができる。
LAN I/F112は、LAN(Local Area Network)5と通信装置1とを通信可能に接続するものである。LAN5には、第1情報管理装置2(情報管理装置に相当する)、ルータ6が接続されると共に、ルータ6及びインターネット7を介して第2情報管理装置3(情報管理装置に相当する)が接続されている。従って、通信装置1は、第1情報管理装置2、第2情報管理装置3と通信可能に接続されている。ここでは、第1情報管理装置2は、LDAP(Light Directory Access Protocol)を実装した、いわゆるLDAPサーバである。この第1情報管理装置2は、宛先毎に、宛先を識別する情報である第1宛先識別情報(例えば、ファクシミリ番号やメールアドレス等)に対応付けて宛先名情報を格納する第1宛先記憶部21(宛先記憶手段に相当する)を有する。
図2は、第1宛先記憶部21に格納されている、宛先名情報と、第1宛先識別情報と、を含む電話帳データの一例を示した図である。この電話帳データに含まれる宛先名情報、ファクシミリ番号等は、第1情報管理装置2の操作部(不図示)を介して、ユーザにより入力され、第1宛先記憶部21に書き込まれるようになっている。図示するように、電話帳データは、「番号」フィールドと、「宛先名情報」フィールドと、「ファクシミリ番号(第1宛先識別情報)」フィールドと、「メールアドレス(第1宛先識別情報)」フィールドと、からなり、同一レコードの情報が対応付けて格納されている。「番号」フィールドには、宛先名情報、ファクシミリ番号等が書き込まれた順に付けられる番号が格納されている。「宛先名情報」フィールド、「ファクシミリ番号」フィールド、「メールアドレス」フィールドには、それぞれ、宛先の名称(東京本社、大阪支社等)、ファクシミリ番号(03−1234−5678、06−1234−5678等)、メールアドレス(abc@xx.ne.jp、def@xx.ne.jp等)が格納されている。
なお、第2情報管理装置3は、第1情報管理装置2と同様の構成であり、第2宛先記憶部31(宛先記憶手段に相当する)を有するが、宛先記憶部31に格納されている第1宛先識別情報及び宛先名情報(すなわち、電話帳データ)は、第1情報管理装置2の宛先記憶部21に格納されている第1宛先識別情報及び宛先名情報(すなわち、電話帳データ)と相違する。また、ここでは、通信装置1に2台の情報管理装置が通信可能に接続されている場合について説明したが、これに限らず、2以外の1又は複数台の通信管理装置が通信装置1に通信可能に接続されている形態であってもよい。
次に、制御部101の機能構成について説明する。制御部101は、図3に示すように、設定受付部101a、第1取得部101b、第1記憶部101c、第1禁止部101d、装置選択受付部101e、第2取得部101f、第2記憶部101g、第2禁止部101h、宛先受付部101i、判定部101j、送信部101k、受信部101l、通信制御部101m、報知制御部101n、及び通信部101oを機能的に備えている。
設定受付部101a(設定受付手段に相当する)は、外部からの選択入力を操作部108を介して受け付けて、第1情報管理装置2の第1宛先記憶部21(又は、第2情報管理装置3の第2宛先記憶部31)に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されている場合に限って通信を許可する第1の設定と、第1情報管理装置2の第1宛先記憶部21(又は、第2情報管理装置3の第2宛先記憶部31)に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かにかかわらず通信を許可する第2の設定との内、いずれかの設定を行うものである。すなわち、第1の設定と、第2の設定との内、選択入力を受け付けた設定を通信制御部101mに設定する。
第1取得部101b(第1の取得手段に相当する)は、外部から、個人を認証する情報である第1個人認証情報を取得するものである。ここでは、第1個人認証情報は、ユーザID及びパスワードからなるものであり、第1取得部101bは、操作部108からユーザにより入力されるユーザID及びパスワードを取得する。
第1記憶部101c(第1の記憶手段に相当する)は、個人を認証する情報である第2個人認証情報を格納しているものである。ここでは、第2個人認証情報は、ユーザID(例えば、「001」のような複数の英数字からなる所定の文字列)及びパスワード(例えば、「abcd1234」のような複数の英数字からなる所定の文字列)からなるものであり、第1記憶部101cは、第2個人認証情報として、ユーザID及びパスワードを格納している。
第1禁止部101d(第1の禁止手段に相当する)は、第1取得部101bにより取得された第1個人認証情報と第1記憶部101cに格納されている第2個人認証情報とが一致しない場合に、設定受付部101aの設定を禁止するものである。すなわち、第1取得部101bにより取得された第1個人認証情報と第1記憶部101cに格納されている第2個人認証情報とが一致した場合に、設定受付部101aにより、第1の設定と、第2の設定との内、いずれかの選択が受け付けられ、選択が受け付けられたいずれかの設定が通信制御部101mに設定される。従って、ユーザは、通信装置1に格納されている第2個人認証情報(ここでは、ユーザID及びパスワード)と同一の第1個人認証情報を操作部108から入力した場合に、第1の設定と、第2の設定との内、いずれかを操作部108から選択することができる。
装置選択受付部101e(装置選択受付手段に相当する)は、外部から、所定数(ここでは、2つ)の第1情報管理装置2、第2情報管理装置3の内、いずれか1の情報管理装置の選択を操作部108を介して受け付けるものである。装置選択受付部101eは、選択を受け付けた第1情報管理装置2、又は第2情報管理装置3の情報を送信部101kに出力する。
第2取得部101f(第2の取得手段に相当する)は、外部から、個人を認証する情報である第3個人認証情報を取得するものである。ここでは、第3個人認証情報は、ユーザID及びパスワードからなるものであり、第2取得部101fは、操作部108からユーザにより入力されるユーザID及びパスワードを取得する。
第2記憶部101g(第2の記憶手段に相当する)は、個人を認証する情報である第4個人認証情報を格納しているものである。ここでは、第4個人認証情報は、ユーザID(例えば、「002」のような複数の英数字からなる所定の文字列)及びパスワード(例えば、「efgh5678」のような複数の英数字からなる所定の文字列)からなるものであり、第2記憶部101gは、ユーザID及びパスワードを格納している。
第2禁止部101h(第2の禁止手段に相当する)は、第2取得部101fにより取得された第3個人認証情報と第2記憶部101gに格納されている第4個人認証情報とが一致しない場合に、装置選択受付部101eの受け付けを禁止するものである。すなわち、第2取得部101fにより取得された第3個人認証情報と第2記憶部101gに格納されている第4個人認証情報とが一致した場合に、装置選択受付部101eにより、第1情報管理装置2、第2情報管理装置3の内、いずれか1の選択が受け付けられる。従って、ユーザは、通信装置1に格納されている第4個人認証情報(ここでは、ユーザID及びパスワード)と同一の第3個人認証情報を操作部108から入力した場合に、第1情報管理装置2、第2情報管理装置3の内、いずれか1を操作部108から選択することができる。
なお、ここでは、第1記憶部101c、第2記憶部101gに相異なる個人認証情報(第2個人認証情報、第4個人認証情報)が格納されている場合について説明したが、第2個人認証情報と第4個人認証情報は同一のものであってもよい。また、ここでは、個人認証情報がユーザID及びパスワードである場合について説明したが、これに限らず、例えば、指紋、網膜、虹彩、声紋等の生体情報であってもよい。この場合、予め生体情報を格納しておき、生体(ユーザ)から生体情報を取得するようにすればよい。
宛先受付部101i(宛先受付手段に相当する)は、外部から、宛先を識別する情報である第2宛先識別情報(例えば、ファクシミリ番号やメールアドレス等)の入力を操作部108を介して受け付けるものである。すなわち、ユーザにより操作部108から入力される第2宛先識別情報を受け付けるものである。判定部101j(判定手段に相当する)は、装置選択受付部101eにより選択が受け付けられた情報管理装置の宛先記憶部に、第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定するものである。この判定を行うため、判定部101jは、所定の情報(コマンド)を送信部101kに出力する。なお、判定部101jは、制御部101により、通信開始命令を受け付けたと判断された場合に、上記の判定を行う。制御部101は、例えば、宛先受付部101iにより、第2宛先識別情報の入力が受け付けられ、通信装置1の所定の位置に原稿が載置され、操作部108のスタートキーが操作された場合に、通信開始命令を受け付けたと判断する。
送信部101k(第1の送信手段に相当する)は、判定部101jからの所定の情報を受け付けると、装置選択受付部101eにより選択が受け付けられた情報管理装置に対して、宛先受付部101iにより入力が受け付けられた第2宛先識別情報とともに、宛先記憶部に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かの情報である有無情報の返信を要求する旨の情報を送信するものである。例えば、装置選択受付部101eにより、第1情報管理装置2の選択が受け付けられており、宛先受付部101iにより、第2宛先識別情報として、「06−1234−5678」が受け付けられている場合、第1情報管理装置2に対して、「06−1234−5678」とともに、第1宛先記憶部21に、「06−1234−5678」と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かの情報である有無情報の返信を要求する旨の情報を送信する。
一方、第1情報管理装置2(又は、第2情報管理装置3)は、送信部101kからの情報を受信すると、第1宛先記憶部21(又は、第2宛先記憶部31)に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定し、その旨の情報である有無情報を通信装置1に返信する。例えば、第1情報管理装置2は、第2宛先識別情報として、「06−1234−5678」とともに、有無情報の返信を要求する旨の情報を受信した場合、第1宛先記憶部21(すなわち、電話帳データ)から「06−1234−5678」と対応する第1宛先識別情報を検索することにより、「06−1234−5678」と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定する。図2に示す電話帳データを格納している場合、「06−1234−5678」と対応する第1宛先識別情報が格納されているので、第1宛先記憶部21に、「06−1234−5678」と対応する第1宛先識別情報が格納されている旨の情報を通信装置1に返信する。
また、例えば、第1情報管理装置2は、第2宛先識別情報として、「06−1234−5679」とともに、有無情報の返信を要求する旨の情報を受信した場合、第1宛先記憶部21(すなわち、電話帳データ)から「06−1234−5679」と対応する第1宛先識別情報を検索することにより、「06−1234−5679」と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定する。図2に示す電話帳データを格納している場合、「06−1234−5679」と対応する第1宛先識別情報は格納されていないので、第1宛先記憶部21に、「06−1234−5679」と対応する第1宛先識別情報が格納されていない旨の情報を通信装置1に返信する。
受信部101l(第1の受信手段に相当する)は、情報管理装置から返信された有無情報を受信するものである。判定部101jは、この受信部101lにより受信された有無情報に基づいて、装置選択受付部101eにより選択が受け付けられた情報管理装置の宛先記憶部に、第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定する。例えば、受信部101lにより、第1宛先記憶部21に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されている旨の情報が受信された場合、判定部101jは、第1情報管理装置2の第1宛先記憶部21に、第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されていると判定する。また、例えば、受信部101lにより、第1宛先記憶部21に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されていない旨の情報が受信された場合、判定部101jは、第1情報管理装置2の第1宛先記憶部21に、第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されていないと判定する。
通信制御部101m(許可手段に相当する)は、設定受付部101aにより第1の設定が設定されている場合に、判定部101jにより、選択が受け付けられた情報管理装置の宛先記憶部に、第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されていると判定されると、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信を許可するものである。すなわち、通信制御部101mは、設定受付部101aにより第1の設定に対応する選択入力が受け付けられた場合に、判定部101jにより、第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されていると判定されると、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信を許可し、判定部101jにより、第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されていないと判定されると、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信を許可せず、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信を禁止する。
また、通信制御部101mは、設定受付部101aにより第2の設定に対応する選択入力が受け付けられた場合には、判定部101jによる判定にかかわらず、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信を許可するものである。例えば、設定受付部101aにより第2の設定に対応する選択入力が受け付けられた場合には、判定部101jにより、選択が受け付けられた情報管理装置の宛先記憶部に、第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されていないと判定されても、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信を許可する。
報知制御部101n(報知手段の一部に相当する)は、通信制御部101mにより、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が許可されなかった(禁止された)場合に、すなわち、第1の設定が設定されており、選択が受け付けられた情報管理装置の宛先記憶部に、第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されていない場合に、通信不可である旨の情報の報知を指示する旨の情報を表示部109に出力するものである。表示部109は、報知制御部101nからの情報を受け付けると、例えば、「入力された番号が登録されていないため、通信できません。」というようなメッセージをLCDに表示する。なお、ここでは、上記のようなメッセージを表示することにより、通信不可である旨の情報を報知する場合について説明したが、これに限らず、例えば、通信装置1にスピーカ(不図示)を設け、「入力された番号が登録されていないため、通信できません。」というような音声メッセージをスピーカから出力することにより、通信不可である旨の情報を報知するようにしてもよい。
通信部101oは、通信制御部101mにより、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が許可された場合に、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信を行うものである。ここでは、通信部101oは、第2宛先識別情報がファクシミリ番号である場合、第2宛先識別情報に対応する宛先に、原稿読取部104により生成された原稿の画像データをファクシミリ送信し、第2宛先識別情報がメールアドレスである場合、原稿読取部104により生成された画像データを添付した電子メールを送信する。
なお、通信装置1は、指定された時刻に通信を行う、いわゆる時刻指定通信を行うことができ、制御部101は、操作部108を介して通信時刻の指定を受け付けるようになっている。制御部101により、通信時刻の指定が受け付けられ、通信開始命令が受け付けられると、時刻指定通信が行われる。この場合、通信制御部101mは、第1の設定が設定されており、判定部101jにより、選択が受け付けられた情報管理装置の宛先記憶部に、第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されていると判定された場合、又は、第2の設定が設定されている場合、時刻指定通信を行う通信ジョブ(ここでは、画像データをファクシミリ送信するジョブ、画像データを添付した電子メールを送信するジョブ)に対して通信を許可する旨の属性を付加する。そして、通信部101oは、制御部101により指定が受け付けられた通信時刻に、通信を許可する旨の属性が付加されているか否かを判断し、通信を許可する旨の属性が付加されていると判断した場合は、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信を行う。
逆に、通信時刻が指定されることなく、制御部101により、通信開始命令が受け付けられた場合、通常の通信が行われる。すなわち、制御部101により、通信開始命令が受け付けられた後、通信制御部101mにより、第2宛先識別情報との通信が許可されると、通信部101oは、通信可能な状態になれば、直ちに第2宛先識別情報との通信を行う。
以下、通信装置1において行われる動作について、図4及び図5に示すフローチャートに基づいて説明する。第1取得部101bは、まず、第1個人認証情報を取得したか否かを判断する(S1)。すなわち、ユーザにより、操作部108から、ユーザID及びパスワードからなる第1個人認証情報が入力されたか否かを判断する。第1取得部101bは、第1個人認証情報を取得していないと判断した場合(S1:NO)、第1個人認証情報を取得したと判断するまで、ステップS1の動作を繰り返し実行する。第1取得部101bにより、第1個人認証情報を取得したと判断された場合(S1:YES)、第1禁止部101dは、第1取得部101bにより取得された第1個人認証情報と第1記憶部101cに格納されている第2個人認証情報とが一致するか否かを判断する(S2)。
第1禁止部101dは、第1個人認証情報と第2個人認証情報とが一致しないと判断した場合(S2:NO)、設定受付部101aの設定を禁止する(S3)。すなわち、設定受付部101aが、外部からの選択入力を受け付けて、第1の設定と、第2の設定との内、いずれかの設定を行うことを禁止する。なお、ステップS3の動作の後、ステップS1の動作が実行される。
逆に、第1禁止部101dにより、第1個人認証情報と第2個人認証情報とが一致すると判断された場合(S2:YES)、設定受付部101aは、第1の設定と第2の設定との内、いずれかに対応する選択入力を受け付けたか否かを判断する(S4)。すなわち、ユーザにより、操作部108から、第1の設定と第2の設定との内、いずれかが選択されたか否かを判断する。設定受付部101aは、第1の設定と第2の設定との内、いずれかに対応する選択入力を受け付けていない判断した場合(S4:NO)、第1の設定と第2の設定との内、いずれかに対応する選択入力を受け付けた判断するまで、ステップS4の動作を繰り返し実行する。設定受付部101aは、第1の設定と第2の設定との内、いずれかに対応する選択入力を受け付けたと判断した場合(S4:YES)、選択を受け付けた第1の設定、又は第2の設定を通信制御部101mに設定する(S5)。
次に、第2取得部101fは、第3個人認証情報を取得したか否かを判断する(S6)。すなわち、ユーザにより、操作部108から、ユーザID及びパスワードからなる第3個人認証情報が入力されたか否かを判断する。第2取得部101fは、第3個人認証情報を取得していないと判断した場合(S6:NO)、第3個人認証情報を取得したと判断するまで、ステップS6の動作を繰り返し実行する。第2取得部101fにより、第3個人認証情報を取得したと判断された場合(S6:YES)、第2禁止部101hは、第2取得部101fにより取得された第3個人認証情報と第2記憶部101gに格納されている第4個人認証情報とが一致するか否かを判断する(S7)。
第2禁止部101hは、第3個人認証情報と第4個人認証情報とが一致しないと判断した場合(S7:NO)、装置選択受付部101eの受け付けを禁止する(S8)。すなわち、装置選択受付部101eが、外部から、第1情報管理装置2、第2情報管理装置3の内、いずれか1の選択を受け付けることを禁止する。なお、ステップS8の動作の後、S6の動作が実行される。
逆に、第2禁止部101hにより、第3個人認証情報と第4個人認証情報とが一致すると判断された場合(S7:YES)、装置選択受付部101eは、第1情報管理装置2、第2情報管理装置3との内、いずれか1の選択を受け付けたか否かを判断する(S9)。すなわち、ユーザにより、操作部108から、第1情報管理装置2、第2情報管理装置3との内、いずれか1が選択されたか否かを判断する。装置選択受付部101eは、第1情報管理装置2、第2情報管理装置3との内、いずれかの選択を受け付けていない判断した場合(S9:NO)、第1情報管理装置2、第2情報管理装置3との内、いずれか1の選択を受け付けた判断するまで、ステップS9の動作を繰り返し実行する。装置選択受付部101eは、第1情報管理装置2、第2情報管理装置3との内、いずれか1の選択を受け付けたと判断した場合(S9:YES)、選択を受け付けた第1情報管理装置2、又は第2情報管理装置3の情報を送信部101kに出力する(S10)。
次に、宛先受付部101iは、第2宛先識別情報の入力を受け付けたか否かを判断する(S11)。すなわち、ユーザにより、操作部108から、ファクシミリ番号やメールアドレス等の第2宛先識別情報が入力されたか否かを判断する。宛先受付部101iは、第2宛先識別情報の入力を受け付けていないと判断した場合(S11:NO)、第2宛先識別情報の入力を受け付けたと判断するまで、ステップS11の動作を繰り返し実行する。宛先受付部101iにより、第2宛先識別情報の入力を受け付けたと判断された場合(S11:YES)、制御部101は、通信開始命令を受け付けたか否かを判断する(S12)。例えば、通信装置1の所定の位置に原稿が載置され、操作部108のスタートキーが操作された場合に、制御部101は、通信開始命令を受け付けたと判断する。制御部101は、通信開始命令を受け付けていないと判断した場合(S12:NO)、通信開始命令を受け付けたと判断するまで、ステップS12の動作を繰り返し実行する。制御部101により、通信開始命令を受け付けたと判断された場合(S12:YES)、通信制御部101mは、設定受付部101aにより、第1の設定と、第2の設定との内、いずれが設定されているかを判断する(S13)。
通信制御部101mにより、第1の設定が設定されていると判断された場合(S13:第1)、判定部101jは、装置選択受付部101eにより選択が受け付けられた情報管理装置の宛先記憶部に、第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定する(S14)。すなわち、判定部101jは、送信部101kに所定の情報(コマンド)を出力し、送信部101kは、判定部101jからの所定の情報を受け付け、装置選択受付部101eにより選択が受け付けられた情報管理装置に対して、第2宛先識別情報とともに、有無情報の返信を要求する旨の情報を送信する。そして、受信部101lは、情報管理装置から返信された有無情報を受信し、判定部101jは、受信部101lにより受信された有無情報に基づいて、装置選択受付部101eにより選択が受け付けられた情報管理装置の宛先記憶部に、第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定する。
判定部101jにより、選択が受け付けられた情報管理装置の宛先記憶部に、第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されていないと判定された場合(S14:NO)、通信制御部101mは、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信を許可せず、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信を禁止する(S15)。次に、報知制御部101nは、通信不可である旨の情報の報知を指示する旨の情報を表示部109に出力し、表示部109は、通信不可である旨のメッセージをLCDに表示することにより、通信不可である旨の情報を報知する(S16)。
逆に、判定部101jにより、選択が受け付けられた情報管理装置の宛先記憶部に、第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されていると判定された場合(S14:YES)、通信制御部101mは、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信を許可する(S17)。また、通信制御部101mは、ステップS13において、第2の設定が設定されていると判断した場合(S13:第2)、ステップS17の動作を実行する。そして、通信部101oは、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信を行う(S18)。
このように、情報管理装置の宛先記憶部に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されている場合に、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が許可され、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が行われるため、すなわち、情報管理装置の宛先記憶部に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されていない場合は、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が許可されず、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が行われないため、誤って入力された宛先識別情報に対応する宛先、すなわち、ユーザが意図しない宛先との通信が行われることを防止することができる。
また、情報管理装置の宛先記憶部に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かの情報である有無情報に基づいて、情報管理装置の宛先記憶部に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かが判定されるため、簡単な処理で、情報管理装置の宛先記憶部に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定することができる。
また、情報管理装置の宛先記憶手段に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されておらず、第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が許可されなかった場合に、通信不可である旨の情報が報知されるため、ユーザは、誤った宛先を入力したことを認識することができる。
また、ユーザは、情報管理装置の宛先記憶部に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されている場合に限って通信を許可する第1の設定と、情報管理装置の宛先記憶部に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かにかかわらず通信を許可する第2の設定との内、いずれかを選択することができるため、ユーザにとっての利便性が向上する。
また、ユーザは、第1情報管理装置2、第2情報管理装置3の内、所望の第1宛先識別情報が格納されている情報管理装置を選択することができるため、ユーザにとっての利便性が向上する。例えば、会社において通信装置1を使用するにあたり、第1情報管理装置2に、同じ会社の他の支社や本社等の第1宛先識別情報を格納し、第2情報管理装置3に、取引先等の他の会社の第1宛先識別情報を格納しておく場合には、同じ会社の他の支社や本社等の第1宛先識別情報が格納されている第1情報管理装置2を選択しておけば、誤って他の会社との通信が行われ、会社内の機密事項等が漏洩することを防止することができる。
また、第1個人認証情報と第2個人認証情報とが一致しない場合に、第1の設定、又は第2の設定を設定することが禁止され、第3個人認証情報と第4個人認証情報とが一致しない場合に、情報管理装置の選択の受け付けが禁止されるため、個人認証なしに、設定が変更されること、及び情報管理装置が選択されることを防止することができる。例えば、第1記憶部101cに第2個人認証情報が格納されており、第2記憶部101gに第4個人認証情報が格納されているユーザ(例えば、管理者、責任者等)以外に、第1の設定を使用させ、通信先を第1情報管理装置2の宛先記憶部21に格納されている宛先に限定することも可能である。
なお、本実施形態においては、判定部101jは、受信部101lにより受信された有無情報に基づいて、装置選択受付部101eにより選択が受け付けられた情報管理装置の宛先記憶部に、第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定する場合について説明した。以下、判定部101jにおける判定の他の実施形態について説明する。
他の実施形態において、送信部101k(第2の送信手段に相当する)は、装置選択受付部101eにより選択が受け付けられた情報管理装置に対して、宛先記憶部に格納された第1宛先識別情報及び宛先名情報(すなわち、電話帳データ)の返信を要求する旨の情報を送信する。
一方、第1情報管理装置2(又は、第2情報管理装置3)は、送信部101kからの情報を受信すると、第1宛先記憶部21(又は、第2宛先記憶部31)に格納された第1宛先識別情報及び宛先名情報(すなわち、電話帳データ)を通信装置1に返信する。
受信部101l(第2の受信手段に相当する)は、情報管理装置から返信された第1宛先識別情報及び宛先名情報(すなわち、電話帳データ)を受信する。受信部101lにより受信された第1宛先識別情報及び宛先名情報は、RAM103に書き込まれる。判定部101jは、受信部101lにより受信された第1宛先識別情報及び宛先名情報から第2宛先識別情報を検索することにより、装置選択受付部101eにより選択が受け付けられた情報管理装置の宛先記憶部に、第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定する。
なお、他の実施形態においては、送信部101kは、所定の時間間隔毎(例えば、1時間毎)に、装置選択受付部101eにより選択が受け付けられた情報管理装置に対して、宛先記憶部に格納された第1宛先識別情報及び宛先名情報(すなわち、電話帳データ)の返信を要求する旨の情報を送信する。従って、RAM103に格納されている第1宛先識別情報及び宛先名情報は、所定の時間間隔毎に更新されるようになっている。
このように、情報管理装置から第1宛先識別情報及び宛先名情報を受信し、受信した第1宛先識別情報及び宛先名情報から第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報を検索することにより、選択が受け付けられた情報管理装置の宛先記憶部に、第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定した場合、通信装置1と情報管理装置とを接続しておく時間が短縮される。例えば、第2情報管理装置3は、ルータ6及びインターネット7を介して通信装置1と接続されているが、他の実施形態においては、上記のように、通信装置1と第2情報管理装置3を接続しておく時間が短縮されるため、通信に要するコストを削減することができる。また、情報管理装置が、自装置の宛先記憶部に第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定する必要がなくなり、情報管理装置が行う処理の負担が軽減される。
また、通信装置1は、1の通信開始命令を受け付けて、複数の第2宛先識別情報のそれぞれに対応する宛先との通信を行う、いわゆる同報通信を行うことができる。例えば、同一の画像データを複数のファクシミリ番号(第2宛先識別情報)のそれぞれに対応する宛先に、順次又は一斉にファクシミリ送信することができる。また、例えば、同一の画像データを添付した電子メールを複数のメールアドレス(第2宛先識別情報)のそれぞれに対応する宛先に、順次又は一斉に送信することができる。また、例えば、画像データのファクシミリ送信と、ファクシミリ送信する画像データと同一のものを添付した電子メールの送信とを、ファクシミリ番号(第2宛先識別情報)に対応する宛先、及び、メールアドレス(第2宛先識別情報)に対応する宛先に、順次又は一斉に送信することができる。
上記の同報通信を行うため、宛先受付部101iは、複数の第2宛先識別情報の入力を受け付けるようになっている。宛先受付部101iにより、複数の第2宛先識別情報の入力が受け付けられた場合、送信部101kは、装置選択受付部101eにより選択が受け付けられた情報管理装置に対して、宛先受付部101iにより入力が受け付けられた複数の第2宛先識別情報とともに、宛先記憶部に複数の第2宛先識別情報のそれぞれと対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かの情報である有無情報の返信を要求する旨の情報を送信する。判定部101jは、受信部101lにより受信された有無情報に基づいて、装置選択受付部101eにより選択が受け付けられた情報管理装置の宛先記憶部に、複数の第2宛先識別情報のそれぞれと対応する第1宛先識別情報が格納されているか否かを判定する。
通信制御部101mは、設定受付部101aにより第1の設定が設定されている場合に、判定部101jにより、選択が受け付けられた情報管理装置の宛先記憶部に、複数の第2宛先識別情報のそれぞれと対応する第1宛先識別情報が全て格納されていると判定されると、複数の第2宛先識別情報のそれぞれに対応する宛先との通信を全て許可する。すなわち、通信制御部101mは、判定部101jにより、複数の第2宛先識別情報のそれぞれと対応する第1宛先識別情報が全て格納されていると判定された場合、複数の第2宛先識別情報のそれぞれに対応する宛先との通信を全て許可し、判定部101jにより、複数の第2宛先識別情報の内、1つでも対応する第1宛先識別情報が格納されていないと判定された場合、複数の第2宛先識別情報のそれぞれに対応する宛先との通信を全て許可せず、複数の第2宛先識別情報のそれぞれに対応する宛先との通信を全て禁止する。
報知制御部101nは、通信制御部101mにより、複数の第2宛先識別情報のそれぞれに対応する宛先との通信が全て許可されなかった(禁止された)場合に、通信不可である旨の情報と、判定部101jにより、選択が受け付けられた情報管理装置の宛先記憶部に、対応する第1宛先識別情報が格納されていないと判定された第2宛先識別情報と、の報知を指示する旨の情報を表示部109に出力する。表示部109は、報知制御部101nからの情報を受け付けると、例えば、「入力された06−1234−9999が登録されていないため、通信できません。」というようなメッセージをLCDに表示する。これにより、ユーザは、誤った宛先を入力したことを認識することができる。
ここでは、通信制御部101mは、第1の設定が設定されており、判定部101jにより、複数の第2宛先識別情報の内、1つでも対応する第1宛先識別情報が格納されていないと判定された場合、複数の第2宛先識別情報のそれぞれに対応する宛先との通信を全て許可せず、複数の第2宛先識別情報のそれぞれに対応する宛先との通信を全て禁止する場合について説明したが、複数の第2宛先識別情報の内、対応する第1宛先識別情報が格納されていると判定された第2宛先識別情報に対応する宛先との通信のみを許可するようにしてもよい。この場合、通信制御部110mは、判定部101jにより、選択が受け付けられた情報管理装置の宛先記憶部に、対応する第1宛先識別情報が格納されていないと判定された第2宛先識別情報と、対応する第1宛先識別情報が格納されていないと判定された第2宛先識別情報に対応する宛先との通信が不可である旨の情報と、の報知を指示する旨の情報を表示部109に出力する。
また、本実施形態においては、第1情報管理装置2、第2情報管理装置3が、いわゆるLDAPサーバである場合について説明したが、宛先毎に、第1宛先識別情報に対応付けて宛先名情報を格納し、通信装置1からの情報に基づいて、第2宛先識別情報と対応する第1宛先識別情報を検索し、有無情報を返信(他の実施形態においては、第1宛先識別情報及び宛先名情報を返信)することができる装置であれば、LDAPサーバに限定されるものではない。例えば、LDAP以外の、ディレクトリサービスにアクセスするためのプロトコルを実装し、通信装置1からの要求に応じて情報を返信することができるサーバ装置であってもよい。
また、本実施形態においては、本発明の通信装置がインターネットファクシミリ装置である場合について説明したが、これに限らず、外部からの入力を受け付けた宛先識別情報に対応する宛先との通信を行うことができる通信装置であれば、例えば、電話機、携帯電話機、パーソナルコンピュータ等であってもよい。本実施形態においては、第2宛先識別情報に対応する宛先に画像データを送信するようになっているが、本発明の通信装置が電話機である形態においては、第2宛先識別情報である電話番号に対応する宛先に発呼するようにすればよい。