JP2007110296A - スピーカー装置用構成部材及びその製造方法 - Google Patents

スピーカー装置用構成部材及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2007110296A
JP2007110296A JP2005297356A JP2005297356A JP2007110296A JP 2007110296 A JP2007110296 A JP 2007110296A JP 2005297356 A JP2005297356 A JP 2005297356A JP 2005297356 A JP2005297356 A JP 2005297356A JP 2007110296 A JP2007110296 A JP 2007110296A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
speaker device
base material
edge
knitted fabric
damper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005297356A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Hachiya
聡 八矢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku Pioneer Corp
Pioneer Corp
Original Assignee
Tohoku Pioneer Corp
Pioneer Electronic Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku Pioneer Corp, Pioneer Electronic Corp filed Critical Tohoku Pioneer Corp
Priority to JP2005297356A priority Critical patent/JP2007110296A/ja
Publication of JP2007110296A publication Critical patent/JP2007110296A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Audible-Bandwidth Dynamoelectric Transducers Other Than Pickups (AREA)
  • Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)

Abstract

【課題】引っ張り力の作用時に方向によって伸び量が不均一となるのを抑制することが可能な素材を用いて構成されるスピーカー装置用構成部材等を提供する。
【解決手段】スピーカー装置用構成部材は、弾性を有する編み糸にて作製された丸編み生地により形成されている。スピーカー装置用構成部材はエッジやダンパーであるのが好ましい。また、丸編み生地の各編目は放射方向に整列されてなるのが好ましい。よって、スピーカー装置へ大入力に対応する音声信号が入力され振動板等が大きく移動したような場合でも、スピーカー装置用構成部材は、引っ張り力の作用する方向によっての伸び量が不均一となるようなことなく、また、一般的な3軸織物と比べて伸び量も大きくなるのでスピーカー装置用構成部材からツッパリ音等の異常音が生じることはなく高品位な音再生を実現ができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、スピーカー装置用構成部材の構成素材等に関する。
一般的に、スピーカー装置は、ヨーク、マグネット及びプレートを含む磁気回路系と、フレーム、ボイスコイルボビン、ボイスコイル、ダンパー、振動板及びエッジを含む振動系部材とを備えて構成される。そのような振動系部材のうちエッジやダンパーは、その弾性力によって、振動板などの振動系部材を適正な位置に保持すると共に、アンプ側から出力される音声入力信号に応じて、それらの振動系部材をその音の放射方向に直線的に上下運動させる役割を担う。
このような構成を有するスピーカー装置において高品位な音声を出力するためには、振動板及びボイスコイルボビンなどの移動を伴う振動系部材を支持する、エッジやダンパーなどの支持系部材を柔軟性のある素材構成とし、そのような振動系部材を歪みなく振動させることが必要である。
そこで、この種の課題を解決することが可能なスピーカー装置用エッジが例えば特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載のスピーカー装置用エッジは、その内部に補強部材が設けられ、その補強部材は芳香族ポリアミド繊維、綿、ポリエステル繊維などの材料にて形成され、さらに、その補強部材は平織り、亀甲編み又は三軸織りによって作製されている。このような構成により、スピーカー装置へ大きな入力があった場合にも、横ぶれ等の不要振動が発生して音質の低下を生じさせる虞を低減できるとされている。
また、その他にも、この種の課題を解決することが可能な、ダンパーやエッジなどのスピーカー装置用中心部材が例えば特許文献2に記載されている。この特許文献2に記載のスピーカー装置用中心部材は、ポリアミド繊維からなる2本一組の緯糸と、同じくポリアミド繊維からなる2本一組の経糸及び他の2本一組の経糸を各糸の交差角度が60度となるように平組織りされており、いわゆる3軸織物に形成されてなる。これにより、経糸と緯糸との交差部には内角が60度の正三角形の隙間が形成されている。よって、スピーカー装置の出力を増大させていったときに生じる中心保持部材を要因とするローリングが抑制され、振動板の上下運動を常に直線運動に保持することができるとされている。
なお、丸編み構造を有する編物地等として、弾性丸編地や(例えば、特許文献3を参照)、柄編物(例えば、特許文献4を参照)や、腰当て保温コルセット(例えば、特許文献5を参照)などが知られている。
特開2004−128840号公報 実公平7−44155号公報 実公平8−9186号公報 特開昭58−191250号公報 特許第2585656号公報
上記した3軸織物としてのスピーカー装置用中心部材は、2軸織物のように引っ張り力の作用する方向によって伸び量(変形量)が異なるというようなことがないため、スピーカー装置の駆動時にローリング(横揺れ)が生じ難いという利点を有する。しかしながら、その反面、かかるスピーカー装置用中心部材は、その構造上、引っ張り力に対する伸び量が小さいという欠点を有し、スピーカー装置の駆動時に振動板等の適正な上下運動を妨げる虞がある。
本発明が解決しようとする課題としては、上記のようなものが例として挙げられる。本発明は、引っ張り力の作用時に方向によって伸び量が不均一となるのを抑制することが可能な素材を用いて構成されるスピーカー装置用構成部材及びその製造方法並びにスピーカー装置を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、スピーカー装置用構成部材であって、弾性を有する編み糸を用いて作製された丸編み生地により形成されてなることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、スピーカー装置用構成部材の製造方法であって、弾性を有する編み糸を用いて丸編み生地としての筒状の基材を作製する基材作製工程と、雄型及び雌型の2つで一組の金型を準備して、前記基材作製工程により作製された前記基材の各編目が前記基材の中心から前記基材の外縁にかけて放射状に整列するように当該基材を前記雄型及び前記雌型のいずれか一方に固定し、前記金型を所定の温度に加熱しつつ、前記雄型と前記雌型とによって前記基材をプレスしてスピーカー装置用構成部材を成型する成型工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の1つの観点では、スピーカー装置用構成部材は、弾性を有する編み糸を用いて作製された丸編み生地により形成されてなる。
上記のスピーカー装置用構成部材は、弾性を有する編み糸を用いて作製された丸編み生地により形成されてなる。ここで、「丸編み生地」とは、一般的に、各編目が横方向に連続的につながり、一方向にらせん状に編まれた筒状の生地をいう。
好適な例では、スピーカー装置用構成部材は、略環状の形状を有するスピーカー装置用エッジ、又は略環状の形状を有するスピーカー装置用ダンパーであるのが好ましい。また、前記編み糸は、綿、麻、シルクなどの天然繊維又はポリエステル、アラミド、ナイロンなどの有機系繊維とすることができる。また、前記丸編み生地には熱硬化性樹脂が含浸されてなるのが好ましい。また、前記丸編み生地の各編目は放射方向に整列されてなるのが好ましい。ここで、「放射方向」とは、スピーカー装置用構成部材の中心を基準として、その中心から当該スピーカー装置用構成部材の外縁側に向かう方向をいう。また、上記のスピーカー装置用構成部材を備えるスピーカー装置を構成することができる。
ここで、一般論として、例えば、2軸織物にて形成されたスピーカー装置用中心部材(本発明のスピーカー装置用構成部材に相当)は、その経糸及び緯糸の各延在方向からの引っ張り力に対して伸び難い傾向を示す一方、その斜め方向からの引っ張り力に対して伸びやすい傾向を示す(上記の特許文献2を参照)。これに対して、3軸織物にて形成されたスピーカー装置用中心部材(本発明のスピーカー装置用構成部材に相当)は、上記の2軸織物にて形成されたスピーカー装置用中心部材のように引っ張り力の作用する方向によって伸び量が異なるという問題は有しないが、その構造上、引っ張り力による伸び量が小さいため、スピーカー装置用振動板等の適正な上下運動を妨げる虞がある。
この点、上記のスピーカー装置用構成部材は上記した素材構成を有するので、当該スピーカー装置用構成部材をスピーカー装置へ適用することにより、次のような作用効果を奏する。即ち、スピーカー装置へ大入力に対応する音声信号が入力され、スピーカー装置用振動板等が大きく移動したような場合でも、上記のスピーカー装置用構成部材は、引っ張り力の作用する方向によって伸び量が不均一となるようなことなく、また、一般的な3軸織物と比べて伸び量も大きくなるので、スピーカー装置用構成部材からツッパリ音などの異常音が生じるようなことはない。よって、スピーカー装置へ大入力に対応する音声信号が入力された場合でも高品位な音再生を実現することができる。
本発明の他の観点では、スピーカー装置用構成部材の製造方法は、弾性を有する編み糸を用いて丸編み生地としての筒状の基材を作製する基材作製工程と、雄型及び雌型の2つで一組の金型を準備して、前記基材作製工程により作製された前記基材の各編目が前記基材の中心から前記基材の外縁にかけて放射状に整列するように当該基材を前記雄型及び前記雌型のいずれか一方に固定し、前記金型を所定の温度に加熱しつつ、前記雄型と前記雌型とによって前記基材をプレスしてスピーカー装置用構成部材を成型する成型工程と、を備える。
上記のスピーカー装置用構成部材の製造方法では、まず、基材作製工程は、弾性を有する編み糸を用いて丸編み生地としての筒状の基材を作製する。次に、成型工程は、上記の基材作製工程により作製された基材の各編目が、当該基材の中心から当該基材の外縁にかけて放射状に整列するように当該基材を雄型及び雌型のいずれか一方に固定し、金型を所定の温度に加熱しつつ、雄型と雌型とによって当該基材をプレスする。これにより、スピーカー装置用構成部材を成型することができる。かかる成型方法により成型されてなるスピーカー装置用構成部材では、スピーカー装置の駆動時に、その内周側に生じる張力とその外周側に生じる張力との大きさに違いが生じるが、この場合でも、上記した素材構成を有するため当該スピーカー装置用構成部材が変形するようなことはない。
上記のスピーカー装置用構成部材の製造方法の一つの態様では、前記成型工程の前工程として、前記基材作製工程により作製された前記基材に熱硬化性樹脂を含浸させる含浸工程を備える。これにより、上記の成型工程において被成型物を成型し易くすることができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[スピーカー装置の構成]
図1に、本発明のスピーカー装置用構成部材を含むスピーカー装置100を、その中心軸L1を通る平面で切断したときの断面図を示す。
スピーカー装置100は、図1に示すように、主として、ヨーク1、マグネット2及びプレート3を含む磁気回路70と、ボイスコイルボビン4、ボイスコイル5、フレーム6、ダンパー7、振動板8、エッジ9、センターキャップ10を含む振動系部材71(以下、「スピーカー装置用構成部材」とも呼ぶ)とを備えて構成される。なお、本発明では、スピーカー装置の構成及び駆動方式等、並びに、スピーカー装置用構成部材の形状、位置、大きさなどは、以下に述べる構成等に限定されるものではない。
まず、磁気回路70の構成について説明する。
磁気回路70は、外磁型の磁気回路として構成されている。ヨーク1は、円柱状のポール部1aと、そのポール部1aの外周壁の下端部から外側へ延在するフランジ部1bとを有している。マグネット2は、環状の形状をなし、フランジ部1b上に取り付けられている。プレート3は、環状の形状をなし、マグネット2上に取り付けられている。そして、ヨーク1の要素であるポール部1aの外周壁と、プレート3の内周壁との間に形成された空隙(磁気ギャップ11)にマグネット2の磁束を集中させている。
次に、振動系部材71の構成について説明する。
ボイスコイルボビン4は、円筒状の形状をなし、ヨーク1の要素であるポール部1aの外周壁の上端部近傍を覆う位置に設けられる。
ボイスコイル5は、1つの配線からなり、図示しないプラス及びマイナスのリード線を夫々有し、ボイスコイルボビン4の外周壁の下端部近傍に巻かれている。プラス側のリード線はL(又はR)チャンネル信号の入力配線であり、マイナス側のリード線はグランド(GND:接地)信号の入力配線である。プラス及びマイナスの各リード線はそれぞれ各錦糸線12の一端側に接続されていると共に、各錦糸線12の他端側は、それぞれ後述するフレーム6の第2段部6bに設けられた端子部13に接続されている。また、端子部13は、アンプ側の出力配線14にも接続されている。これにより、ボイスコイル5には、端子部13、各錦糸線12、プラス及びマイナスの各リード線を介してアンプ側から1チャンネル分の信号や電力が入力される。
フレーム6は、略杯状の形状及び階段状の断面形状をなし、スピーカー装置100を構成する様々な構成部材を支持する機能を有する。フレーム6は、その下側位置に第1段部6a、その中央位置に第2段部6b、その上側位置に第3段部6cを夫々有している。第1段部6aは、プレート3上に取り付けられている。
ダンパー7は、環状の形状をなし、ボイスコイルボビン4等を弾性的に支持する。ダンパー7の内周縁部はボイスコイルボビン4の外周壁の上端部近傍に取り付けられている一方、ダンパー7の外周縁部はフレーム6の第2段部6b上に取り付けられている。
振動板8は、コーン状の形状をなし、入力信号に応じた音波を放射する機能を有する。振動板8の内周縁部はボイスコイルボビン4の外周壁の上端部に且つダンパー7の上側に取り付けられている。
エッジ9は、環状の平面形状及びΩ状の断面形状を有し、スピーカー装置100で生じる不要な振動を吸収し、振動板8をボイスコイルボビン4と共に弾性的に支持する機能を有する。エッジ9の内周縁部は振動板8の外周縁部に取り付けられている一方、エッジ9の外周縁部はフレーム6の第3段部6c上に取り付けられている。
センターキャップ10は、半球状の形状をなし、スピーカー装置100の内部に粉塵や水分等が侵入するのを防止する機能を有する。センターキャップ10は、ボイスコイルボビン4の上面側を覆う位置に配置され、ボイスコイルボビン4の外周壁の上端部に取り付けられている。
以上の構成を有するスピーカー装置100において、アンプ側の出力配線14から出力された電気信号は、端子部13、各錦糸線12、ボイスコイル5のプラス及びマイナスのリード線を介してボイスコイル5へ供給される。これにより、磁気ギャップ11内でボイスコイル5に駆動力が発生し、振動板8をスピーカー装置100の中心軸L1方向に振動させる。こうして、スピーカー装置100は、矢印Y1の方向に音波を放射する。
[スピーカー装置用構成部材の素材構成]
本発明に係る実施例は、スピーカー装置用構成部材の素材構成に特徴を有している。ここに、本実施例の好適な適用対象となるスピーカー装置用構成部材としては、例えば、エッジ9やダンパー7などが挙げられる。但し、本発明の適用対象となるスピーカー装置用構成部材は、エッジ9やダンパー7のみに限定されるものではない。
まず、図2を参照して、エッジ9の構成について詳述する。図2(a)は、図1の矢印Y1方向と逆方向からエッジ9を観察したときの当該エッジ9の平面図を示す。図2(a)に示す黒色の点は、エッジ9の中心Oを示している。図2(b)は、図2(a)における切断線A−A’に沿った断面図であり、特に、エッジ9の中心Oを通る位置で切断した当該エッジ9の断面図である。
エッジ9は、環状の平面形状を有し、その外側に外周部9aと、その内側に内周部9cと、外周部9aと内周部9cの間に弾性部9bを有する。エッジ9の内周部9cは、振動板8の外周縁部に取り付けられると共に、エッジ9の外周部9aは、フレーム6の第3段部6c上に取り付けられる。弾性部9bは、略Ω状の断面形状を有し、主として、振動板8をスピーカー装置100の中心軸L1方向に弾性的に且つ移動自在に支持する機能を有する。
次に、図3を参照して、ダンパー7の構成について詳述する。図3(a)は、図1の矢印Y1方向と逆方向からダンパー7を観察したときの当該ダンパー7の平面図を示す。図3(a)に示す黒色の点は、ダンパー7の中心Oを示している。図3(b)は、図3(a)における切断線B−B’に沿った断面図であり、特に、ダンパー7の中心Oを通る位置で切断した当該ダンパー7の断面図である。
ダンパー7は、環状の平面形状を有し、その外側に外周部7aと、その内側に内周部7cと、外周部7aと内周部7cの間に弾性部7bを有する。ダンパー7の内周部7cは、ボイスコイルボビン4の外周壁の上端部近傍位置に取り付けられると共に、ダンパー7の外周部7aは、フレーム6の第2段部6b上に取り付けられる。弾性部7bは、複数の波型を各々連続的に繋げたような断面形状を有し、主として、ボイスコイルボビン4等をスピーカー装置100の中心軸L1方向に弾性的に且つ移動自在に支持する機能を有する。
以上の構成を有するエッジ9及びダンパー7は、弾性を有する編み糸、例えば、綿、麻、シルクなどの天然繊維よりなる編み糸、或いは、ポリエステル、アラミド、ナイロンなどの有機系繊維よりなる編み糸を用いて、周知の丸編機によって丸編み生地に形成され、さらに、加熱型プレス装置等によって上記の形状に成型されてなる。ここで、「丸編み生地」とは、一般的に、各編目が横方向に連続的につながり、一方向にらせん状に編まれた筒状の生地をいう。好適な例では、エッジ9又はダンパー7を構成する丸編み生地には、図示しないフェノール樹脂などの熱硬性樹脂が含浸されているのが好ましい。図4は、図2(a)におけるエッジ9の一部分(破線領域E1に相当)、又は、図3(a)におけるダンパー7の一部分(破線領域E2に相当)を夫々拡大して示す部分平面図である。
図4に示すように、エッジ9又はダンパー7を構成する丸編み生地の各編目50は、略円形状の形状に形成されていると共に、各網目50は、図2(a)又は図3(a)において放射方向に整列されてなる。図4の破線領域E10には、一群の編目50が放射方向(図2(a)又は図3(a)における矢印Y12方向)に整列されている様子が示されている。ここで、「放射方向」とは、エッジ9又はダンパー7の中心Oを基準として、当該中心Oから当該エッジ9又はダンパー7の外周部9a又は7a側に向かう方向をいう。
次に、図5及び図6等を参照して、比較例と比較した、本発明の実施例に係る特有の作用効果について説明する。
図5(a)は、比較例に係るエッジ90の平面図を示す。図5(b)は、図5(a)におけるエッジ90の一部分(破線領域E3に相当)を拡大して示す部分平面図である。図6は、比較例に係るエッジ90及び本実施例に係るエッジ9における引張り応力(MPa)と、伸び量{変位量(mm)}との関係を示すグラフである。図6において、グラフGr1は本実施例に係るグラフを示すと共に、グラフGr2は比較例に係るグラフを示す。
まず、比較例に係るエッジ90の構成及びその問題点について簡単に説明する。
エッジ90は、本実施例と同様の形状及び機能を有し、その外側に外周部90aと、その内側に内周部90cと、外周部90aと内周部90cの間に弾性部90bを有する。エッジ90は、経糸91と緯糸92を用いて、周知の織機によって、いわゆる2軸織物としての平織り生地に形成されてなり、さらに、加熱型プレス装置等によって上記の形状に成型されてなる。このため、任意の相隣接する経糸91と、任意の相隣接する緯糸92との交差位置には、矩形状の形状を有する編目93が形成されている。
このような素材構成を有する比較例は、2軸織物としての平織り生地に形成されているため、図5(b)において、経糸91の延在方向(矢印Y12)及び緯糸92の延在方向(矢印Y10)への引っ張り力に対しては伸び難い傾向を示す一方、その斜め方向(矢印Y11や矢印Y13方向等)への引っ張り力に対しては伸び易い傾向を示す。
この点について、図5(a)等を参照して更に詳述する。図5(a)に示される、矢印Y10、矢印Y11、矢印Y12、矢印Y13等の各長さは、それらの各矢印の位置において引っ張り力が作用した場合のエッジ90の伸び量(変形量)を示している。
比較例に係るエッジ90において、その放射方向に均一な引っ張り力が作用した場合、経糸91又は緯糸92の延在方向(矢印Y12方向又は矢印Y10方向)の位置、即ち、エッジ90を平面的に見たときに、時計方向で12時、3時、6時及び9時に対応する位置では伸び難い傾向を示す一方、経糸91又は緯糸92の延在方向でない位置、即ち、時計方向で12時から3時の間に対応する位置、及び、時計方向で3時から6時の間に対応する位置、及び、時計方向で6時から9時の間に対応する位置、及び、時計方向で9時から12時の間に対応する位置では夫々伸び易い傾向を示す。その中でも、特に、経糸91と緯糸92のなす角度が45度、135度、225度及び315度となる位置(矢印Y11方向又は矢印Y13方向に対応する位置)では伸び量が最も大きくなる。つまり、比較例に係るエッジ90では、引っ張り力が作用する方向によって伸び量が不均一となる。
したがって、このような素材構成を有するエッジ90をスピーカー装置へ適用することにより、次のような問題が生じる。即ち、スピーカー装置へ大入力に対応する音声信号が入力され、振動板等が大きく移動したような場合、比較例では、エッジ90の円周上の各位置における引っ張り力による伸び量(変形量)が異なるため、図6のグラフGr2に示すように、破線領域E4付近において、エッジ90から、いわゆるツッパリ音などの異常音が生じてしまうという問題がある。
これに対して、本発明の実施例に係るエッジ9は、上記の弾性を有する編み糸を用いて丸編み生地に形成され、その丸編み生地の各編目50は、略円形状の形状に形成されていると共に、各網目50はエッジ9の放射方向に整列されてなる。
図2(a)に示すように、本実施例に係るエッジ9において、その放射方向に均一な引っ張り力が作用した場合、そのような素材構成により、そのエッジ9の円周上の各位置における伸び量は均一となると共に、上記した3軸織物及び比較例と比べて伸び量が大きくなる。ここで、図2(a)に示される、矢印Y10、矢印Y11、矢印Y12、矢印Y13等の各長さは、それらの各矢印の位置において引っ張り力が作用した場合のエッジ9の伸び量(変形量)を示している。
したがって、このような素材構成を有するエッジ9をスピーカー装置100へ適用することにより、次のような作用効果を奏する。即ち、スピーカー装置100へ大入力に対応する音声信号が入力され、振動板8等が大きく移動したような場合でも、エッジ9は、引っ張り力の作用する方向によって伸び量が不均一となるようなことなく(即ち、エッジ9の円周上の各位置における伸び量は均一になり)、また、図6のグラフGr1に示すように、上記した比較例と比べて伸び量も大きくなるので、かかる比較例等のように、エッジ9からツッパリ音などの異常音が生じるようなことはない。よって、スピーカー装置100へ大入力に対応する音声信号が入力された場合でも高品位な音再生を実現することができる。また、本実施例に係るダンパー7も、上記した本実施例に係るエッジ9と同様の素材構成を有するため、かかるエッジ9と同様の作用効果を奏する。
[スピーカー装置用構成部材の製造方法]
次に、図7乃至図10等を参照して、本発明の実施例に係るスピーカー装置用構成部材の製造方法について説明する。
図7は、本発明の実施例に係るスピーカー装置用構成部材の製造方法を示すフローチャートである。図8〜図10は、図7における各製造工程に対応する工程図を示す。
まず、筒状の丸編み生地よりなる基材を作製する(工程S1)。具体的には、図8(a)において、綿、麻、シルクなどの天然繊維よりなる弾性を有する第1の編み糸80a及び第2の編み糸80b、或いは、ポリエステル、アラミド、ナイロンなどの有機系繊維よりなる弾性を有する第1の編み糸80a及び第2の編み糸80bを周知の丸編機(図示略)に供給し、かかる丸編機を用いて、第1の編み糸80a及び第2の編み糸80bの各網目80cがらせん状になるように編成(破線領域E5を参照)を行う。これにより、筒状の丸編み生地よりなる基材80が作製される。
次に、図8(b)に示すように、周知の方法にてフェノール樹脂などの熱硬性樹脂85を筒状の丸編み生地よりなる基材80に含浸させる(工程S2)。これにより、後述の成型工程において被成型物を成型し易くすることができる。次に、図9(a)に示すように、熱硬性樹脂85を含浸してなる基材80を所望の形状に裁断(カット)する(工程S3)。
次に、かかる基材80を所定の形状に成型する(工程S4)。具体的には、まず、図9(b)に示すように、スピーカー装置用構成部材を成型するための雌型95a及び雄型95bの2つで一組の金型95を準備し、それらを図示しない加熱型プレス装置内に設置する。なお、この例に係る金型95は、エッジ9の成型用の金型である。したがって、ダンパー7を成型するためには、ダンパー7の成型用の金型を用意する必要がある。続いて、図10(a)において、熱硬性樹脂85を含浸してなる基材80の各網目80cが当該基材80の中心Oから当該基材80の外縁80xにかけて放射状に整列するように(即ち、図中矢印方向に整列するように)、かかる基材80を雄型95bに被せるように固定する。続いて、図10(b)の矢印Y20に示すように、所定の温度に加熱された雌型95a及び雄型95bを用い、雌型95aを雄型95b側へ移動させつつ、かかる基材80をクランプ(プレス)する。これらの一連の動作は、上記した加熱型プレス装置によって実行される。なお、このとき、本発明では、かかる基材80を雄型95bではなく雌型95aに被せるように固定しても構わない。
こうして、図2及び図3等に示される、本発明の実施例に係るエッジ9やダンパー7などのスピーカー装置用構成部材を成型することができる。かかる成型方法により成型されてなるエッジ9やダンパー7などのスピーカー装置用構成部材では、スピーカー装置100の駆動時に、その内周側に生じる張力とその外周側に生じる張力との大きさに違いが生じるが、この場合でも、上記した素材構成を有するため当該スピーカー装置用構成部材が変形するようなことはない。
[変形例]
上記の実施例では、外磁型のスピーカー装置に本発明のスピーカー装置用構成部材を適用するようにしたが、これに限らず、本発明では、内磁型のスピーカー装置に本発明のスピーカー装置用構成部材を適用するようにしても構わない。
本発明のスピーカー装置用構成部材を含むスピーカー装置の断面図を示す。 本実施例に係るエッジの平面図及び断面図を示す。 本実施例に係るダンパーの平面図及び断面図を示す。 本実施例に係るエッジ又はダンパーの一部分を拡大して示す平面図である。 比較例に係るエッジの平面図及び断面図を示す。 本実施例に係るエッジと比較例に係るエッジにおける応力と変形量の関係を示すグラフである。 本実施例に係るスピーカー装置用構成部材の製造方法のフローチャートを示す。 本実施例に係るスピーカー装置用構成部材の製造工程を示す工程図である。 本実施例に係るスピーカー装置用構成部材の製造工程を示す工程図である。 本実施例に係るスピーカー装置用構成部材の製造工程を示す工程図である。
符号の説明
7 ダンパー
9 エッジ
70 磁気回路
71 振動系部材
100 スピーカー装置

Claims (8)

  1. 弾性を有する編み糸を用いて作製された丸編み生地により形成されてなることを特徴とするスピーカー装置用構成部材。
  2. 前記丸編み生地の各編目は放射方向に整列されてなることを特徴とする請求項1に記載のスピーカー装置用構成部材。
  3. 前記丸編み生地には熱硬化性樹脂が含浸されてなることを特徴とする請求項1に記載のスピーカー装置用構成部材。
  4. 前記編み糸は天然繊維又は有機系繊維よりなることを特徴とする請求項1に記載のスピーカー装置用構成部材。
  5. スピーカー装置用エッジ又はスピーカー装置用ダンパーであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスピーカー装置用構成部材。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載のスピーカー装置用構成部材を備えることを特徴とするスピーカー装置。
  7. 弾性を有する編み糸を用いて丸編み生地としての筒状の基材を作製する基材作製工程と、
    雄型及び雌型の2つで一組の金型を準備して、前記基材作製工程により作製された前記基材の各編目が前記基材の中心から前記基材の外縁にかけて放射状に整列するように当該基材を前記雄型及び前記雌型のいずれか一方に固定し、前記金型を所定の温度に加熱しつつ、前記雄型と前記雌型とによって前記基材をプレスしてスピーカー装置用構成部材を成型する成型工程と、を備えることを特徴とするスピーカー装置構成部材の製造方法。
  8. 前記成型工程の前工程として、
    前記基材作製工程により作製された前記基材に熱硬化性樹脂を含浸させる含浸工程を備えることを特徴とする請求項7に記載のスピーカー装置用構成部材の製造方法。
JP2005297356A 2005-10-12 2005-10-12 スピーカー装置用構成部材及びその製造方法 Pending JP2007110296A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005297356A JP2007110296A (ja) 2005-10-12 2005-10-12 スピーカー装置用構成部材及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005297356A JP2007110296A (ja) 2005-10-12 2005-10-12 スピーカー装置用構成部材及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007110296A true JP2007110296A (ja) 2007-04-26

Family

ID=38035811

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005297356A Pending JP2007110296A (ja) 2005-10-12 2005-10-12 スピーカー装置用構成部材及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007110296A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9763012B2 (en) 2011-03-30 2017-09-12 Bose Corporation Monofilament fabric acoustic suspension elements

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9763012B2 (en) 2011-03-30 2017-09-12 Bose Corporation Monofilament fabric acoustic suspension elements

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4795712B2 (ja) スピーカー装置用振動系部品及びその製造方法
WO2013141373A1 (ja) スピーカ用振動板
JP2006325125A (ja) スピーカ用振動板及びその製造方法
US20050232457A1 (en) Speaker-use diaphragm and speaker
US20050232458A1 (en) Speaker-use diaphragm and speaker
US7706564B2 (en) Diaphragm and speaker
JP2005328336A (ja) スピーカー装置用ダンパー、そのダンパーを用いたスピーカー装置及びその製造方法
US9743194B1 (en) Woven transducer apparatus
KR101043525B1 (ko) 평판 진동판과 이를 이용한 평면 스피커
JP2007110296A (ja) スピーカー装置用構成部材及びその製造方法
US20070287344A1 (en) Fabric Construction Specifically For Damper
JP2004128840A (ja) スピーカエッジ及びその製造方法
JP2009239589A (ja) スピーカ用振動板及びそれを用いたスピーカとスピーカ用振動板の製造方法
JP2006352276A (ja) スピーカ用ダンパー及びスピーカ用ダンパーの製造方法、そのスピーカ用ダンパーを用いたスピーカユニット
KR20120022277A (ko) 평판 진동판과 이를 이용한 평면 스피커
JP2006295444A (ja) スピーカ用エッジ、振動板、および、スピーカ装置
EP3681174B1 (en) Speaker
JP2008005119A (ja) スピーカ装置
CN105578358A (zh) 弹波及其纱织入方法
KR100836778B1 (ko) 스피커용 댐퍼의 제조방법 및 스피커용 댐퍼
TWI642311B (zh) Speaker vibrating sheet material with jumper as identification and manufacturing method thereof
JPH0132476Y2 (ja)
JP3208647B2 (ja) スピーカ用ダンパー
CN114277490A (zh) 编织布料、编织方法、及以该编织布料或该编织方法所编织而成的布料所制成的扬声器软件
TW201709751A (zh) 織入金屬扁線的喇叭振動片布料及其製造方法