JP2007110018A - ヒートシンクおよびその製造方法 - Google Patents

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Noriyuki Nakayama
敬之 中山
Yoshimizu Takeno
祥瑞 竹野
Shigeki Maekawa
滋樹 前川
Hideo Noda
秀夫 野田
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Abstract

【課題】ヒートシンク本体とその外壁に設置されたサブマウント部材とが反りを生じることなく、高熱伝導性にて接合されたヒートシンクおよびその製造方法を提供すること。
【解決手段】ヒートシンク本体2は、被冷却体CDを冷却するための冷却媒体路を内蔵する構造を有し、冷却媒体の流入口と流出口を含む第一部材21、サブマウント部材3が設置された外壁221を含む第二部材22、および第一部材21と第二部材22とで挟持されて上記冷却媒体路を形成するための溝または孔を含む第三部材23との積層体から構成されている。外壁221には、切り欠き部222が設けられていて、サブマウント部材3は、そこに接合材層4を介して第二部材22と接合される。
【選択図】図2

Description

本発明は、ヒートシンクおよびその製造方法に関し、詳しくは冷媒を用いてレーザ発振素子などの被冷却体を冷却するのに好適なヒートシンクおよびその製造方法に関するものである。
従来から、上記のような被冷却体を所定の端部に沿って接合させた金属からなる第一の板状部材と、冷却液を導入する入口開口部および上記入口開口部に接続され上記端部に対応する領域の一端に達するよう設けられた冷却液導入溝と冷却液を排出する出口開口部および前記出口開口部に接続され上記端部に対応する領域の他端に達するよう設けられ冷却液排出溝がそれぞれ形成された金属からなる第二の板状部材と、上記端部に対応する領域に沿って形成され、且つ上記冷却液導入溝および上記冷却液排出溝に連通して上記被冷却体の長手方向に冷却液を流す少なくとも1以上の冷却用溝が設けられた金属からなる第三の板状部材とを備えた冷却装置、上記冷却装置と被冷却体である半導体レーザとを備えた半導体レーザ光源装置、さらには上記半導体レーザと上記第一の板状部材の間に銅と高融点金属からなる合金で構成されているサブマウントが載置された半導体レーザ光源装置は、後記する特許文献1から公知である。
ところで上記の従来技術では、上記サブマウントは、上記第一の板状部材の表面に適当な接合材を介して接合される(特許文献1の図14における第一の板状部材31とサブマウント35を参照)。その際に、上記サブマウントは、平坦な上記第一の板状部材の表面に上記接合材を介して載置され、次いで必要個所を上記接合材の融点以上の温度に加熱し、その後冷却して上記第一の板状部材の表面に接合されるが、平坦な上記第一の板状部材の表面に載置して十分な接合強度とするには上記接合材の厚みを、大きくする必要があり、一方、多くの接合材は上記第一の板状部材の構成材(通常は銅)と比較して熱伝導性が小さいので、上記サブマウント上に搭載された半導体レーザの発熱を良好に上記第一の板状部材に伝導し得ない大きな問題がある。
特許文献1の上記問題を解決するために、サブマウントとして上記第一の板状部材と同程度の大きさの板材を採用する提案がある。この提案では、サブマウントと第一の板状部材との接触面積が大きいので伝熱の問題は軽減する利点はあるものの、サブマウントと第一の板状部材との大きな線膨張係数差に基づくバイメタル効果によりヒートシンクの全体が反れ曲がり、それを除去するのに焼きなましの工程が別途必要となる問題がある。
国際公開番号WO2002/035666号公報(請求項1、請求項8、請求項9、図14)
本発明は、斯界における如上の諸問題に鑑みて、ヒートシンク本体と当該ヒートシンク本体の外壁に設置されたサブマウントが前記したバイメタル効果の問題を伴うことなく、しかも従来よりも高熱伝導性にて接合されたヒートシンクおよびその製造方法を提供することを課題とするものである。
本発明のヒートシンクは、被冷却体を冷却するための冷却媒体路を内蔵するヒートシンク本体、上記ヒートシンク本体の外壁に設置されて上記被冷却体の線膨張係数と上記外壁を形成する材料の線膨張係数との中間の線膨張係数を有するサブマウント部材を含むヒートシンクであって、上記サブマウント部材は、少なくとも一部が上記外壁に埋め込まれた状態で上記外壁に接合されたことを特徴とするものである。
本発明のヒートシンクの製造方法は、被冷却体を冷却するための冷却媒体路を内蔵するヒートシンク本体、上記ヒートシンク本体の外壁に設置されたサブマウント部材を含むヒートシンクの製造方法であって、上記外壁に切り欠き部を設けてそこに接合材を介して上記サブマウント部材を設置する第一工程、加熱による上記ヒートシンク本体の線膨張量より小さい線膨張量を有する拘束材にて上記加熱の際の線膨張量差に基づく相互押圧力が上記切り欠き部の面と上記サブマウント部材との間に生じるように上記ヒートシンク本体を拘束する第二工程、上記接合材が溶融する温度に加熱し、上記サブマウント部材を上記ヒートシンク本体に接合する第三工程、を含むことを特徴とするものである。
本発明のヒートシンクの他の製造方法は、被冷却体を冷却するための冷却媒体路を内蔵するヒートシンク本体、上記ヒートシンク本体の外壁に設置されたサブマウント部材を含むヒートシンクの製造方法であって、上記外壁に切り欠き部を設けてそこに接合材を介して上記サブマウント部材を設置する第一工程、上記ヒートシンク本体の外面にヒートシンク拘束補助材を設ける第四工程、加熱による上記ヒートシンク本体と上記ヒートシンク拘束補助材との合計線膨張量より小さい線膨張量を有する拘束材にて上記加熱の際の線膨張量差に基づく相互押圧力が上記切り欠き部の面と上記サブマウント部材との間に生じるように上記ヒートシンク本体と上記ヒートシンク拘束補助材とを拘束する第五工程、上記接合材が溶融する温度に加熱し、上記サブマウント部材を上記ヒートシンク本体に接合する第六工程、を含むことを特徴とするものである。
本発明のヒートシンクでは、サブマウント部材は、その少なくとも一部が上記ヒートシンク本体の外壁に埋め込まれた状態で接合されるので、両者間の接合のための効果的な拘束が容易であるので、従来技術より格段に薄い接合材にて接合が可能であり、加えて上記両者間の接触面積も増大するので、上記両者間の熱伝導性が向上する。このために、サブマウント部材として、被冷却体を搭載可能な範囲で小面積のもの採用が可能となるので、前記したバイメタル効果の問題も解消する。
本発明のヒートシンクの製造方法では、上記ヒートシンク本体の外壁に切り欠き部を設けてそこに接合材を介して上記サブマウント部材を設置し、且つ上記ヒートシンク本体の線膨張量、または当該ヒートシンク本体と一緒に拘束材により拘束される上記ヒートシンク拘束補助材との合計線膨張量より小さい線膨張量を有する拘束材にて、上記加熱の際の線膨張量差に基づく相互押圧力が上記切り欠き部の面と上記サブマウント部材との間に生じるように拘束した状態で上記接合材が溶融する温度に加熱し、上記サブマウント部材を上記ヒートシンク本体に接合するので、ヒートシンク本体とサブマウント部材との接合が一層薄い接合材厚のもとで一層安定的に接合される効果がある。
以下において、説明の順位の早い図に示されたものと同じものが後続の図に示された場合には、後続の図においては同じものには同じ符号を付して、後続の図では説明を省略することがある。
実施の形態1.
図1〜図3は、本発明のヒートシンクに就いての実施の形態1を説明するものであって、図1は当該ヒートシンクの斜視図であり、図2は図1の一部分解図であり、図3は図1のX−X線に沿った拡大断面図である。
図1〜図3において、ヒートシンク1は、ヒートシンク本体2およびサブマウント部材3を含み、サブマウント部材3の表面上には、本発明において冷却対象とされるレーザ発振素子、あるいはその他の被冷却体CDが搭載される。ヒートシンク本体2は、被冷却体CDを冷却するための冷却媒体路を内蔵する構造を有し、実施の形態1でのそれは、冷却媒体の流入口と流出口を含む第一部材21、サブマウント部材3が設置された外壁221を含む第二部材22、および第一部材21と第二部材22とで挟持されて上記冷却媒体路を形成するための溝または孔を含む第三部材23との積層体から構成されている。かかる積層体を使用すると、冷却媒体路を内蔵するヒートシンク本体2の製造が容易となる。
第三部材23は、三枚の板材231〜233から構成されていて、板材232には上記冷却媒体路を形成するための孔(図示せず)が穿孔されており、板材232の両側から板材231と板材233とで挟むことにより冷却媒体路が形成される。冷却媒体は、第一部材21に設けられた流入口から流入し、上記冷却媒体路を経由して第一部材21に設けられた流出口から流出し、かくしてサブマウント部材3上の被冷却体CDが冷却される。なお、第一部材21における冷却媒体の流入口と流出口や第三部材23の冷却媒体路の形状や形成方法については、前記特許文献1に詳細に説明されている。従って本発明では、それの冷却媒体の流入出口や冷却媒体路については特許文献1を参照することとして、ヒートシンク本体2の断面を示す図3(後記図6も同じ)は、それを簡略化するために、冷却媒体の流入出口や冷却媒体路が存在しない個所の断面を示す。
ヒートシンク本体2およびサブマウント部材3の各構成材料としては、従来技術の場合と同じであってよく、例えばヒートシンク本体2(第一部材21〜第三部材23)としては、銅などの熱伝導性の高い金属材料が好ましく、サブマウント部材3としては、被冷却体CDの線膨張係数(単位;ppm/K、以下同じ)とサブマウント部材3が設置される外壁(実施の形態1では、第二部材22の外壁221)を形成する材料の線膨張係数との中間の線膨張係数を有する材料、例えばCu−W、Cu−Moなどが用いられる。
第二部材22の外壁221には、図2に示すように、第二部材22の端部の一部を機械的あるいはその他の方法で欠落させて形成された切り欠き部222が設けられていて、サブマウント部材3は、切り欠き部222に図3に示すように接合材層4を介して第二部材22と接合されている。接合材層4は、切り欠き部222の底面とサブマウント部材3の図上での下面とを接合する接合材層部分41、および切り欠き部222の側面とサブマウント部材3の側面とを接合する接合材層部分42とを含む。前記特許文献1の場合と異なって、本発明ではサブマウント部材3は上記2面で第二部材22と接合されるので、両部材22、3間の熱伝導性が改善される。接合材層4の構成材料としては、特に制限はなく、例えばNi−P、Pb−Snなどが例示される。図2(後記図5も同じ)では、被冷却体CDの図示は省略されているが、それは、通常、ヒートシンク本体2にサブマウント部材3が接合された後に当該サブマウント部材3上に搭載される。なお図3では、接合材層4
以外の接合材層の図示は省略されているが、第一部材21と板材233、板材233と板材232、板材232と板材231、板材231と第二部材22、との各間もNi−P、Pb−Snなどで接合されている。
実施の形態2.
図4〜図6は、本発明のヒートシンクに就いての実施の形態2を説明するものであって、図4は当該ヒートシンクの斜視図であり、図5は図4の一部分解図であり、図6は図4のX−X線に沿った断面図である。
実施の形態2は、前記実施の形態1とは、第二部材22が第一部材21や第三部材23と同じ長さを有する長尺材224と長尺材224より短い短尺材223の二枚で構成されていて、当該両材の長さ差に基づいて切り欠き部222が形成されている点において異なり、それ以外は同構造である。サブマウント部材3は、両材223、224の長さ差に基づいて生じる切り欠き部222に設置される。実施の形態1では、切り欠き部222を形成するために第二部材22の一部を除去する作業あるいは工程が必要であったが、実施の形態2ではかかる作業あるいは工程が不要であって、単に上記に両材223、224を重ねるだけで済むのでヒートシンク1の生産能率が向上する効果がある。なお実施の形態2では、サブマウント部材3は図6に示すようにサブマウント3と長尺材224との間に位置する接合材層部分41と、サブマウント部材3と短尺材223との間に位置する接合材層部分42とで第二部材22と接合されることになる。なお図6では、接合材層4以外の接合材層の図示は省略されているが、第一部材21と板材233、板材233と板材232、板材232と板材231、板材231と長尺材224、長尺材224と短尺材223、との各間もNi−P、Pb−Snなどで接合されている。
実施の形態3.
図7および図8は、本発明のヒートシンクの製造方法に就いて説明するものである。図7は、図8の矢印Aの方向から見た、ヒートシンク本体2が前記したヒートシンク拘束補助材の一例としての板状の抑え材5と一緒に前記した拘束材の一例としてのボルト・ナット6で拘束された状態の側面図であり、図8は図7の平面図である。実施の形態3では、ヒートシンク本体2として前記実施の形態2に示されたものが採用されている。但し本発明の第一工程の段階において、第一部材21、第二部材22、および第三部材23の各部分は、層間に施された接合材により既に接合済みのものであってもよく、あるいは各部分の層間に接合材は施されてはいても、未だ接合されていない状態のものであってもよい。
実施の形態3の第一工程においては、ヒートシンク本体2の図示個所に切り欠き部222が設けられて、そこに接合材(図示せず)を介してサブマウント部材3が設置される。その際、当該接合材は、予めサブマウント部材3の接続を必要とする面および/または切り欠き部222の接続を必要とする面に施与されていてもよく、あるいは切り欠き部222に薄片状や粉状の接合材が施与され、その上にサブマウント部材3が置かれてもよい。
第四工程では、ヒートシンク本体2の外面に抑え材5が設けられる。抑え材5は、上下一対の内側抑え材51、52、左右一対の内側抑え材53、54、上下一対の外側抑え材55、56、および左右一対の外側抑え材57、58を含み、図示する通り、内側抑え材51、52および左右一対の内側抑え材53、54は、ヒートシンク本体2の各被抑え面と略同じ面積のものであるが、上下一対の外側抑え材55、56、および左右一対の外側抑え材57、58は、後記する6個のボルト・ナット部分61〜66を設置可能なようにヒートシンク本体2の各被抑え面より大きい面積を有する。
第五工程においてヒートシンク本体2と抑え材5とは、加熱による後記の線膨張量差に基づく相互押圧力が切り欠き部222の面とサブマウント部材3との間に生じるようにボルト・ナット6により一緒に拘束される。即ちボルト・ナット6は、互いに同構造の6個のボルト・ナット部分61〜66から構成されており、未接合のサブマウント部材3を有するヒートシンク本体2が、図7、図8に示すように、抑え材5と一緒にボルト・ナット部分61〜66により拘束される。
図7、図8において、サブマウント部材3を有するヒートシンク本体2は、図上でのその左右の各側面に内側抑え材53、54が当てがわれ、その各外側から外側抑え材57、58が当てがわれ、図8に示すように2本のボルト・ナット部分61、62により拘束される。また上記ヒートシンク本体2は、図上でのその上下の各面に内側抑え材51、52が当てがわれ、その各外側から外側抑え材55、56が当てがわれ、4本のボルト・ナット部分63〜66により拘束される。したがって、サブマウント部材3を有するヒートシンク本体2は、左右方向と上下方向の合計4方向から拘束される。なお拘束に先立って、ヒートシンク本体2の第一部材21、第二部材22、および第三部材23の積層に際し、当該各部材に位置決め用の穴をあらかじめ明けておき、積層時に適当な位置決めピンを用いて固定することで、各部材を位置的に精度良く接合することができる。
いま、例えばボルト・ナット部分64による拘束に着目すると、それは、ヒートシンク本体2、その上下の各面に当てがわれた内側抑え材51、52、更にその各外側に当てがわれた外側抑え材55、56を拘束している。材料の線膨張量は、構成材料の線膨張係数と厚み(あるいは長さ)に依存するが、ボルト・ナット部分64で拘束されたものを加熱した場合、ボルト・ナット64の拘束に寄与する個所の当該加熱による各線膨張量は、ヒートシンク本体2、内側抑え材51、52および外側抑え材55、56の当該加熱による合計線膨張量より小さくなるように、予め関係する各構成材料種と厚みが設定される。他のボルト・ナット部分61、62、63、65、66についても上記と同様である。
かくすると、かかる線膨張量差によりヒートシンク本体2とサブマウント部材3との間に生じる相互押圧力により良好に接合される。例えば、ヒートシンク本体2が銅製である場合、内側抑え材51〜54としては、セラミックス(線膨張係数;8.1)が、外側抑え材55〜58としてはSUS(線膨張係数;17.5)が、ボルト・ナット部分61〜6としては鉄(線膨張係数;14.1)などがそれぞれ例示される。なお、セラミックス製の内側抑え材51〜54は、それらを使用しない場合には、ヒートシンク本体2を構成する銅と外側抑え材55〜58とが直接溶着したり、溶融した余剰の接合材により接合する問題があるが、かかる直接溶着や接合を防止するうえで効果がある。
第六工程では、上記の拘束状態において接合材が溶融する温度に加熱され、ついで冷却されることによりサブマウント部材3はヒートシンク本体2に接合される。いま、内側抑え材51、52としてセラミックス製板を用い、外側抑え材55、56としてSUS製板を用い、また外側抑え材55の上面から外側抑え材56の下面までの厚みをLとし、拘束材6にて拘束せずに加熱した場合、長さLは、それを構成する各構成部材の厚み、線膨張係数、並びに温度変化量に応じてΔLだけ増加し、一方、拘束に寄与するボルト部分の長さが上記と同じLの鉄製ボルト・ナット部分64の当該ボルト部分はΔL’だけ増加する。例えば、SUS製外側抑え材55、56の各厚みを15mm、セラミックス製内側抑え材51、52板の各厚みを2mm、ヒートシンク本体2の合計厚みを6mmとし、即ちLが40mm(15×2+2×2+6)であって900℃に昇温したとすると、ΔLは0.598mm、ΔL’は0.507mmとなる。なおこの計算には、293K〜800Kの間の線膨張係数の各平均値、即ち、SUSは17.5、セラミックスは8.1、銅は18.4、鉄は14.1を使用した。
このために、拘束材としての鉄製のボルト・ナット64にて拘束して上記と同じ加熱をした場合には、当該ボルト・ナット64で拘束されたSUS製外側抑え材55、56の間に加圧力が発生し、ヒートシンク本体2内の各部材は相互押圧力が生じた状況下で接合される。以上は、SUS製外側抑え材55、56の間におけるヒートシンク本体2内の厚み方向の加圧について述べたが、左右一対のSUS製の外側抑え材57、58に挟まれる方向でも同様に加圧力が発生するため、切り欠き部分222に設置されたサブマウント部材3は上下および左右から加圧されることとなり、図6に示すように、接合材層部分41および接合材層部分42の2箇所で良好に接合されることとなる。その際に接合材自体も加圧されるので、接合材層部分41および接合材層部分42の各厚みも従来技術と比較して薄くなる。
前記特許文献1の技術では、サブマウント部材3のヒートシンク本体2への接合に30μm程度の高厚みの接合材が必要であるが、本発明の拘束下での加熱では10μm程度以下、例えば5μm前後の低厚みの接合材層にて極めて良好な接合が達成される。さらに、ヒートシンク本体2の例えば第二部材22に切り欠き部222を設けて、そこにサブマウント部材3を設置してヒートシンク本体2と接合するので、ヒートシンク本体2とサブマウント部材3との接合面積も増加するので当該両者間の熱伝導性が一層向上し、延いては冷却性能が高くなるという効果が得られる。
本発明においては、サブマウント部材3とヒートシンク本体2との接合には、従来公知あるいは周知の接合材が制限なく採用可能であって、例えば前記したように、Ni−P、Pb−Snなどが例示される。Pb−Snは、融点が低いので前記特許文献1におけるような切り欠き部222がない場合でも使用可能であるが、熱伝導率が50W/mKと低い欠点がある。一方、Ni−Pは融点890℃と高いが熱伝導率が90W/mKと高い利点がある。本発明のように拘束下での加熱を採用する場合には真空下での加熱が容易であるので高熱伝性のNi−Pの採用が容易となる。
いま、サブマウント部材3とヒートシンク本体2との接合に厚さ30μmのPb−Sn接合材を使用した特許文献1のヒートシンクにおいて、冷却水の流量を0.5リットル/min、冷却水入口での水温を25℃、サブマウント部材3への入熱を50Wとした場合、サブマウント部材3から第二部材22までの熱抵抗は0.206K/Wであった。これに対して、本実施の形態において、接合材層4が5μmのNi−Pmである場合では、当該部分の熱抵抗は0.125K/Wとなり、高い冷却性能が得られる。この結果、冷却対象たるレーザ発振素などの被冷却体CDに発生する歪を軽減でき、かつ高い冷却性能を持つことにより、被冷却体CDの寿命を延ばすことのできるヒートシンクが得られる。
本発明は、前記した実施の形態1〜3に限定されるものではなく、前記解決課題および解決手段の精神に沿った各種の変形態様を包含する。例えば実施の形態1〜3では、ヒートシンク本体2の、サブマウント部材3が設置される外壁は、第二部材22の外壁221としたが、第一部材21の外壁など、ヒートシンク本体2の任意の個所の外壁であってもよい。ヒートシンク本体2としては、サブマウント部材3が接合される時点において、第一部材21、第二部材22、第三部材23の各部分が層間に施された接合材により既に接合済みのものであってもよい。
また第三部材23として、三枚の板材231〜233から構成されたものに代えて、冷却媒体路を形成するための孔が穿孔された一枚の板材や冷却媒体路を形成するための溝が堀設された一枚の板材であってもよい。かかる一枚の板材は、第一部材21と第二部材22とで挟持されることにより、冷却媒体路が形成される。さらにヒートシンク本体2は、被冷却体を冷却するための冷却媒体路を内蔵するブロック体であってもよい。また切り欠き部222の形状は、実施の形態1および2で示されたそれら以外の形状であって、プレス成型、化学的エッチング、機械的削除、あるいはその他の形成方法で形成されたものであってもよい。
実施の形態3は、ヒートシンク本体2がヒートシンク拘束補助材の一例としての合計4枚の抑え材5と共にボルト・ナット6にて拘束された例であって、抑え材5はヒートシンク本体2を、特に、サブマウント部材3とヒートシンク本体2との間を効果的に加圧せしめるように相互押圧力を伝達する効果を有する。抑え材5としては、実施の形態3で採用したセラミックス板とSUS板との組み合わせ以外にも、セラミックス板のみ、前記した溶着なのどの問題がない場合にはSUS板のみ、あるいはそれら以外の材料からなる1種以上の板材や成形材などであってもよい。また拘束材としては、ボルト・ナット以外にも、要は前記した線膨張量差に基づいてサブマウント部材3とヒートシンク本体2との間を効果的に加圧せしめるものであればよい。
実施の形態3では、ヒートシンク拘束補助材を使用したが、それを使用せずにサブマウント部材3を含むヒートシンク本体2を適当な拘束材にて直接拘束し加熱してもよい。その場合には、拘束材としてその線膨張量がヒートシンク本体2のそれより小さいものを用いることができる。なお本発明における拘束材としては、ヒートシンク拘束補助材と同等あるいは類似の作用をなす部分を有するもの、例えば鉄製ボルトの一部が板状となっているもの、も有用である。
本発明は、長寿命にして高性能のレーザ発振装置用のヒートシンクとしての利用可能性が高い。
本発明の実施の形態1のヒートシンクの斜視図である。 図1の一部分解図である。 図1のX−X線に沿った拡大断面図である。 本発明の実施の形態2のヒートシンクの斜視図である。 図4の一部分解図である。 図4のX−X線に沿った断面図である。 本発明のヒートシンクの製造方法に就いての実施の形態3の側面図である。 図7の平面図である。
符号の説明
1 ヒートシンク、2 ヒートシンク本体、21 第一部材、22 第二部材、
221 外壁、222 切り欠き部、223 短尺材、224 長尺材、23 第三部材、231 板材、232 板材、233 板材、3 サブマウント部材、4 接合材層、
41 接合材層部分、42 接合材層部分、5 抑え材、51 内側抑え材、
52 内側抑え材、53 内側抑え材、54 内側抑え材、55 外側抑え材、
56 外側抑え材、57 外側抑え材、58 外側抑え材、6 ボルト・ナット、
61〜66 ボルト・ナット部分、CD 被冷却体。


Claims (7)

  1. 被冷却体を冷却するための冷却媒体路を内蔵するヒートシンク本体、上記ヒートシンク本体の外壁に設置されて上記被冷却体の線膨張係数と上記外壁を形成する材料の線膨張係数との中間の線膨張係数を有するサブマウント部材を含むヒートシンクであって、上記サブマウント部材は、少なくとも一部が上記外壁に埋め込まれた状態で上記外壁に接合されたことを特徴とするヒートシンク。
  2. 上記ヒートシンク本体は、冷却媒体の流入口と流出口を含む第一部材、上記外壁を含む第二部材、上記第一部材と上記第二部材とで挟持されて上記冷却媒体路を形成するための溝または孔を含む第三部材との積層体であることを特徴とする請求項1記載のヒートシンク。
  3. 上記第二部材は、切り欠き部を含み、上記サブマウント部材は、上記切り欠き部に埋め込まれたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のヒートシンク。
  4. 上記切り欠き部は、上記第二部材の一部を欠落させて形成されたことを特徴とする請求項3記載のヒートシンク。
  5. 上記切り欠き部は、上記第二部材として板長の異なる2枚の板材を使用し、上記2枚の板材のうちの長尺の板材の上に短尺の板材を重ねることにより形成されたことを特徴とする請求項3記載のヒートシンク。
  6. 被冷却体を冷却するための冷却媒体路を内蔵するヒートシンク本体、上記ヒートシンク本体の外壁に設置されたサブマウント部材を含むヒートシンクの製造方法であって、上記外壁に切り欠き部を設けてそこに接合材を介して上記サブマウント部材を設置する第一工程、加熱による上記ヒートシンク本体の線膨張量より小さい線膨張量を有する拘束材にて上記加熱の際の線膨張量差に基づく相互押圧力が上記切り欠き部の面と上記サブマウント部材との間に生じるように上記ヒートシンク本体を拘束する第二工程、上記接合材が溶融する温度に加熱し、上記サブマウント部材を上記ヒートシンク本体に接合する第三工程、を含むことを特徴とするヒートシンクの製造方法。
  7. 被冷却体を冷却するための冷却媒体路を内蔵するヒートシンク本体、上記ヒートシンク本体の外壁に設置されたサブマウント部材を含むヒートシンクの製造方法であって、上記外壁に切り欠き部を設けてそこに接合材を介して上記サブマウント部材を設置する第一工程、上記ヒートシンク本体の外面にヒートシンク拘束補助材を設ける第四工程、加熱による上記ヒートシンク本体と上記ヒートシンク拘束補助材との合計線膨張量より小さい線膨張量を有する拘束材にて上記加熱の際の線膨張量差に基づく相互押圧力が上記切り欠き部の面と上記サブマウント部材との間に生じるように上記ヒートシンク本体と上記ヒートシンク拘束補助材とを拘束する第五工程、上記接合材が溶融する温度に加熱し、上記サブマウント部材を上記ヒートシンク本体に接合する第六工程、を含むことを特徴とするヒートシンクの製造方法。


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