JP2007107713A - ガス供給方法およびガス供給装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】温水や電力などの外部ユーティリティを用いることなく、減圧弁の結露や凍結を防止してガスを安定的かつ長時間にわたって供給することを可能とするガス供給方法を提供する。
【解決手段】ガス容器11(〜14)に蓄えられたジュール・トムソン効果の大きい高圧のガスを、減圧弁21(〜24)にて減圧して供給するガス供給方法であって、ガス容器11(〜14)と減圧弁21(〜24)とを備えるガスライン1(〜4)を二つ以上用意し、一のガスラインによる前記ガスの供給中に、常温下に置かれた減圧弁の温度が低下して結露温度以下となった場合、ガスの供給路を、所定の温度以上の減圧弁を備え、かつガス容器に残留するガスの最も少ない他のガスラインに切り換えることを特徴とするガス供給方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ガス容器に蓄えられた高圧のガスを減圧してユーザに供給するに際し、減圧弁の結露や凍結を防止し、ガスの供給を安定的かつ長時間にわたって行うことを可能とするガス供給方法およびガス供給装置に関する。
半導体や化学製品の製造工程においては、様々なプロセスガスやエッチングガスが高圧のガス容器より配管を通じて連続的に供給される。供給されるガスは数kgf/cm2(0.1〜1MPa)程度の圧力であることが一般的であるのに対し、ガス容器の中では数MPa〜数十MPa程度の圧力で圧縮され、高圧気体または液体の状態で貯留されている。このため、減圧弁によってかかる高圧のガスを減圧調整し、ユーザに供給している。
減圧弁の高圧側(一次側)と低圧側(二次側)とでは、上記のように数倍から数十倍の圧力差があるため、これを通過するガスには激しい断熱膨張(断熱可逆膨張)および/またはジュール・トムソン膨張(断熱不可逆膨張)が発生する。断熱膨張は等エントロピー変化であり、理想気体を含むすべてのガスについて必ず温度の低下をもたらす現象であり、減圧弁を通過するガスの流速が速い場合は断熱膨張に近い膨張現象がおこる。一方、減圧弁を通過する流速が遅い場合は、ジュール・トムソン膨張に近い膨張現象となる。ジュール・トムソン膨張は等エンタルピー変化であり、理想気体ではガスの温度は変化しないが、実在ガスでは温度が上昇または降下する。これをジュール・トムソン効果という。減圧弁による一般的なガスの減圧供給に際しては、両膨張の中間的な状態が発生している。
ここで、ジュール・トムソン効果が生じるときの、圧力降下に対する温度変化の割合をジュール・トムソン係数といい、下式(1)で定義される。Tはガスの温度、pは圧力、hは比エンタルピーである。
Figure 2007107713
式(1)より、ジュール・トムソン係数が正であるとき、ガスの圧力が降下すると温度が下がることがわかる。また、式(1)を変形すると下式(2)が導かれる。なお、Vはガスの体積、Cpは定圧熱容量である。
Figure 2007107713
式(2)で、理想気体はpV=RTが常に成り立つため、右辺はゼロになり、ジュール・トムソン効果は生じない。しかし、実在ガスでは右辺の[ ]内がゼロにならず、温度Tが高い場合はこれが正になり、逆に温度Tが低い場合はこれが負になる。
正負の境をとなる温度を逆転温度といい、これが常温以上であれば式(1)のジュール・トムソン係数は正となり、すなわち常温の高圧ガスを減圧弁にて等エンタルピー膨張させたときにガスの温度は降下する。逆に、逆転温度が常温以下のガスについては、減圧時に生じるジュール・トムソン効果はガスの温度を上昇させる方向に働くため、減圧弁を介したガスの減圧供給を実際に行う場合、断熱膨張による温度降下が一部または全部相殺され、ガスや減圧弁の温度変化は小さくなる。
なお、ジュール・トムソン係数はガスの種別のほか、ガスの温度または圧力によっても変化する。
ここで、半導体製造工程におけるプロセスガスとして代表的なシラン(SiH4),三フッ化窒素(NF3),フッ化珪素(SiF4)もしくはフロン116(C26)、または空気の主成分である窒素(N2),酸素(O2)もしくはアルゴン(Ar)などのガスは、いずれも逆転温度が常温以上であるため、常温の高圧ガス容器から減圧してガスを取り出す際に生じるジュール・トムソン効果はガスの温度を低下させる方向に働く。
すなわち、これらのガスについては、減圧弁を介した通常のガス供給を行った場合、断熱膨張およびジュール・トムソン膨張により相乗的にガスの温度が降下し、減圧弁や配管の熱が奪われることとなる。
一方、減圧弁には種々の作動原理に基づくものが存在するが、一般的には調圧用とシール用の二つのスプリングにてシートおよびダイヤフラムと呼ばれる可動部をバランスして保持し、一次側からの高圧ガスの流入をスプリングの付勢力により抑制しながら、所望の二次側圧力を維持する構造を有している。このため、減圧弁が上記した断熱膨張および/またはジュール・トムソン膨張により冷却され、周辺空気中の水蒸気の結露や、最悪の場合凍結が生じると、シートやダイヤフラムの可動性が損なわれ、供給されるガス圧やガス流量の精度よい制御が困難となる。また、一般に金属製の減圧弁およびその周辺の配管表面が結露した状態で長期間放置されると、腐食により該金属の強度が低下し、応力による割れや亀裂が生じる危険性がある。
この問題を解決するため、従来は、減圧弁に温水を流通させるチューブや電気ヒータなどの加温手段を設け、減圧弁が冷えるのを防止しながらガスの供給を行っていた。例えば下記特許文献1には、塩化水素ガスを減圧気化する減圧器10をラインごと伝熱媒体18に浸漬し、伝熱媒体18の温度を温度センサ20にてモニタすることで、減圧器10を所定の温度に維持する凍結防止装置16の発明が記載されている。またこの発明では、ボンベ1に対して2つのガスラインを備え、ガス供給量の大小によって使用ラインを自在に選択および切り換えて使用できる構成としている(特許文献1:段落[0042])。さらに交換待機用のボンベ2を配置し、ボンベ1の交換時や不具合発生時にラインを切り換えてガス供給ができるようにしている(特許文献1:段落[0015])。
特開2000−259256号公報
しかし、従来の減圧弁やその凍結防止装置では、加温のための温水や電気ヒータなどに大量のエネルギー供給が必要であった。また減圧弁や減圧器の温度を監視してはいないため、ガス供給量が増えた場合などには、伝熱媒体に温度ムラが生じたり、電気ヒータの加熱量が不足したりして、減圧弁や減圧器が冷えすぎて圧力制御が不可能になるなど、ガスの安定的な供給が滞るという問題があった。
そこで本発明においては、温水や電力などの外部ユーティリティを用いることなく、または用いる場合も供給すべきエネルギーを極力少なくして、減圧弁の結露や凍結を防止してガスを安定的かつ長時間にわたって供給することを可能とするガス供給方法、および該方法の実施に使用するガス供給装置を提供することを目的とする。
本発明にかかるガス供給方法は、
(1)ガス容器に蓄えられた高圧のガスを、減圧弁にて減圧してユーザに供給するガス供給方法であって、
ガス容器と減圧弁とを備えるガスラインを二つ以上用意し、一のガスラインによる前記ガスの供給中に、そのガスラインの減圧弁の温度が低下して所定の温度以下となった場合、ガスの供給路を、前記所定の温度以上の減圧弁を備える他のガスラインに切り換えることを特徴とするガス供給方法;
(2)ガス容器に蓄えられた高圧のガスを、減圧弁にて減圧してユーザに供給するガス供給方法であって、
ガス容器と減圧弁とを備えるガスラインを二つ以上用意し、一のガスラインによる前記ガスの供給中に、そのガスラインのガス容器に蓄えられたガスの残量の減少率が所定の値以上となった場合、ガスの供給路を他のガスラインに切り換えることを特徴とするガス供給方法;
(3)ガス容器に蓄えられた高圧のガスを、減圧弁にて減圧してユーザに供給するガス供給方法であって、
ガス容器と減圧弁とを備えるガスラインを二つ以上用意し、一のガスラインによる前記ガスの供給中に、そのガスラインの減圧弁の温度が低下して所定の温度以下となった場合、または該ガスラインのガス容器に蓄えられたガスの残量の減少率が所定の値以上となった場合、ガスの供給路を、前記所定の温度以上の減圧弁を備える他のガスラインに切り換えることを特徴とするガス供給方法;
(4)所定の温度が、
前記減圧弁の結露温度である上記(1)または(3)に記載のガス供給方法;
(5)他のガスラインが、
前記ガス容器に蓄えられたガスの残量が最も少ないガスラインである上記(1)から(4)のいずれかに記載のガス供給方法;
(6)減圧弁が常温の雰囲気下に置かれることを特徴とする上記(1)から(5)のいずれかに記載のガス供給方法;
(7)減圧弁をヒータにより加温することを特徴とする上記(1)から(6)のいずれかに記載のガス供給方法;
(8)減圧弁の一次側と二次側におけるガスの圧力と温度から求めたガスの平均のジュール・トムソン係数が+5[K/MPa]以上であることを特徴とする上記(1)から(7)のいずれかに記載のガス供給方法;
(9)減圧弁の下流側に設けたユーザ供給ガス調圧弁により、前記減圧弁にて減圧されたガスをさらに減圧することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のガス供給方法;
を要旨とする。
また本発明にかかるガス供給装置は、
(10)高圧でガスが蓄えられたガス容器と、該ガス容器からガスを導出する配管と、配管の途中に設けられ前記高圧のガスを減圧する減圧弁と、該減圧弁の温度を測定する温度センサとを備えるガスラインが二式以上設けられたガス供給装置であって、かつ、
前記温度センサより減圧弁の温度データを取得する温度データ取得手段と、減圧弁が所定の温度以上であるガスラインのうちのいずれかを選択するライン選択手段と、選択されたガスラインをガスが流通するようガスの供給路を切り換える切換信号を発信する発信手段と、を有する制御器と、
前記切換信号を受信して前記ガスの供給路を前記選択されたガスラインに切り換える切換手段と、
を備えることを特徴とするガス供給装置;
(11)ガスラインには、ガス容器に蓄えられたガスの残量データを取得してこれを前記制御器に送信するガス残量検知手段を備え、
前記ライン選択手段においては、減圧弁が所定の温度以上であるガスラインであって、かつ、最もガスの残量の少ないガス容器を備えるガスラインを選択することを特徴とする上記(10)に記載のガス供給装置;
(12)高圧でガスが蓄えられたガス容器と、該ガス容器からガスを導出する配管と、配管の途中に設けられ前記高圧のガスを減圧する減圧弁と、を備えるガスラインが二式以上設けられたガス供給装置であって、かつ、
ガス容器に蓄えられたガスの残量データを取得するガス残量検知手段と、前記ガスの残量データより、該ガス容器に蓄えられたガスの残量の減少率を取得するガス減少率取得手段と、前記減少率が所定の値以上である場合、他のガスラインをガスが流通するようガスの供給路を切り換える切換信号を発信する発信手段と、を有する制御器と、
前記切換信号を受信して前記ガスの供給路を前記選択されたガスラインに切り換える切換手段と、
を備えることを特徴とするガス供給装置;
(13)減圧弁の下流側に、ユーザ供給ガス調圧弁を備えることを特徴とする上記(10)から(12)のいずれかに記載のガス供給装置;
を要旨とする。
本発明にかかるガス供給方法によれば、同種のガスを供給する二つ以上のガスラインより、常に所定温度以上の減圧弁を備えるラインを選び出してこれをガスの供給路とするため、周辺空気に含まれる水蒸気の結露や凍結などの問題を生じることなく、減圧弁を介したガスの安定的かつ長時間の供給が可能となる。また本発明のガス供給方法においては断熱膨張および/またはジュール・トムソン膨張によるガスの温度降下によって冷却された減圧弁を、周辺空気との熱の授受によって加温することから、温水や電力などの外部ユーティリティを不用とすることができる。
以下、本発明の第一の実施の形態につき、図面を用いて具体的に説明する。図1は本実施の形態にかかるガス供給装置の系統図である。10はガス供給装置、1乃至4はガスライン、11乃至14はガス容器、21乃至24は減圧弁、31乃至34は切換手段の例としての空気圧作動弁、40は制御器、111乃至114はガス残量検知手段の例としての重量計、121乃至124は温度センサである。図中、実線はガスの供給路を表わし、鎖線は制御器40の処理する制御信号の伝達経路を表わす。
ガス供給装置10は、本発明にかかるガス供給方法の実施に使用する装置であり、ガス容器11乃至14から高圧ガスを取り出し、これを減圧してユーザに安定的かつ長時間にわたり供給することを可能とするものである。ユーザは例えば半導体製造装置や化学装置などのガス使用設備である。ガス供給装置10は、並列して設けられた複数のガスライン1乃至4から構成されている。各ガスラインには、高圧ガスを貯留するガス容器11(12乃至14)と、高圧ガスを減圧する減圧弁21(22乃至24)と、ガスの供給路の切り換えを行う空気圧作動弁31(32乃至34)とを備える。
本発明に用いられるガスは特に限定されるものではないが、半導体製造装置や化学装置にて使用される頻度が高く、かつジュール・トムソン効果による降下温度の大きいものを用いた場合に特に有益であり、本発明の効果を顕著に発揮することができる。具体的には、シラン(SiH4),三フッ化窒素(NF3),フッ化珪素(SiF4),フロン116(C26),二酸化炭素(CO2),六フッ化硫黄(SF6),亜酸化窒素(N2O)などの半導体製造用のプロセスガスが例示される。
上記のガス、および空気の主要成分である窒素(N2),酸素(O2),アルゴン(Ar)について、pH線図(圧力・比エンタルピー線図)から求めたジュール・トムソン効果による降下温度の例を表1および表2に示す。本発明においては、一次側圧力(p1),一次側温度(T1),二次側圧力(p2),二次側温度(T2)を用いて、下式(3)より求められるμAVを、一次側と二次側におけるガスの圧力と温度から求めた、該ガスの「平均のジュール・トムソン係数」と定義する。また表1に示される、平均のジュール・トムソン係数(μAV)が+5[K/MPa]以上のガスを用いる場合であっても、減圧弁の急激な温度降下による結露や凍結の虞を回避できるため、本発明によるガスの安定供給の効果が十分に発揮されるものといえる。
Figure 2007107713
(表1)
Figure 2007107713
(表2)
Figure 2007107713
ガス容器11乃至14は市販のガスボンベを用いることができる。数MPa乃至数十MPa程度の内圧に耐え、また貯留するガスにより腐食しないものが好ましい。
減圧弁21乃至24は、一次側を高圧のガス容器に連結し、二次側を低圧のユーザ側に連結する。一次側の高圧ガスを減圧して二次側に排出する機能を有するものであれば、上記した可動性のシートやダイヤフラムをスプリングでバランスして保持するタイプのほか、特に作動原理は限定されるものではなく、いわゆる圧力調整弁や調圧弁などであってもよい。また減圧弁21乃至24は、各ガスラインについてそれぞれ一台から構成されても、直列または並列に配設された複数台から構成されてもよい。
ガスライン1乃至4は、ガス容器11乃至14、減圧弁21乃至24、およびこれらを連通する配管とを有し、それぞれガスの供給路を形成するものである。図1では分岐のない直管上に減圧弁21乃至24と空気圧作動弁31乃至34を設けたものを例示しているが、本発明の目的を達成するためのガスライン1乃至4はこの形式に限られず、例えば途中に分岐を有していても、また並列する複数本の配管より構成されていてもよい。
ガスラインの系統数は、二式以上であれば特に限定されないが、冷却された減圧弁の温度が回復するための時間を十分にとるため、三式以上、特に好ましくは四式以上とすることが好適である。
切換手段は、具体的にはガスライン1乃至4のいずれか1以上を選択してガスの供給路を切り換える装置である。図1では例として、電磁弁によって弁の開閉がそれぞれ制御される4つの空気圧作動弁31乃至34を図示しているが、減圧弁21乃至24と空気圧作動弁31乃至34とは、いずれが上流側に設けられてもよい。この他、例えば多方弁を一つ、または二つ以上を組み合わせて配設し、その上流側にガスライン1乃至4を連結し、下流側にユーザ側の装置を連結してもよい。また、空気圧作動弁31乃至34は減圧弁21乃至24とそれぞれ一体に設けられていてもよい。すなわち、減圧弁21(22乃至24)の二次側圧力を、ゼロから所定の圧力まで昇降させる圧力調整装置を減圧弁21(22乃至24)に設けることによっても本発明にかかる切換手段の機能を実現することができる。なお、本発明において、ガスの供給路を切り換えるとは、導通している一つ(または複数)のガスラインを閉じて、閉止していた他の一つ(または複数)のガスラインを開く場合のほか、一つ(または複数)のガスラインを開いたまま他の一つ(または複数)のガスラインを更に開く場合や、複数の導通しているガスラインのうちの一部を閉じるだけの場合を含む。
本実施の形態にかかるガス供給装置において、ガスラインを具体的に切り換える方法について以下説明する。ただし、ガスラインの選択順序や、同時に選択されるガスラインの数などにつき、本発明は以下の方法に限られるものではなく、例えば同時に複数のガスラインからガスを供給してもよい。
減圧弁21乃至24は、それぞれ温度センサ121乃至124を有している。また減圧弁21乃至24はいずれも常温の雰囲気下に置かれ、所定の二次側圧力が得られるよう、内蔵されたスプリングの軸力調整等による出力の調整を行っておく。ガス供給装置10の稼動時には、温度センサ121乃至124は、連続的にまたは所定の時間間隔ごとに減圧弁21乃至24の温度データを取得する。減圧弁のうち、いずれの部位の温度を温度センサにより取得するかは特に限定されないが、例えば可動性のシートまたはダイヤフラムの温度を測定することにより、減圧弁の機能が損なわれる虞のある部位の温度を直接精度よくモニタすることができる。また、二次側の出口近傍の温度を測定することにより、減圧弁のうち最も冷却されやすい部位をモニタすることができる。また、減圧弁の表面温度を測定することにより、最も結露が発生しやすい部位である雰囲気空気との境界の温度をモニタすることができる。本発明においては、上記のいずれかの箇所の温度、またはいずれか複数箇所の温度の単純もしくは加重平均を、「減圧弁の温度」とする。なお、温度センサは市販のものを使用可能である。
ガスの供給開始時には、減圧弁21乃至24はいずれも常温である。
まず、ガスの供給路としてガスライン1を選択する。空気圧作動弁31が開かれると、ガス容器11に貯留されていた高圧ガスは減圧弁21にて減圧され、断熱膨張および/またはジュール・トムソン膨張により温度を降下させてユーザ側に供給される。温度が降下したガスは減圧弁21および周辺空気を冷却する。この間、温度センサ121は減圧弁21の温度データを制御器40に所定の時間間隔で送信する。
ガスの供給開始直前の状態において、ガスライン1では、ガス容器11から減圧弁21を経て空気圧作動弁31の一次側(上流側)に至るまでの配管内が高圧であり、空気圧作動弁31の二次側(下流側)からユーザに至るまでの配管内がこれに対し低圧になっている。この状態から空気圧作動弁31を電磁弁の働きにより瞬時に開放すると、減圧弁21の二次側から空気圧作動弁31の一次側に至る配管の内部に蓄えられていた高圧ガスには断熱膨張に近い急激な膨張が生じ、該ガスおよび空気圧作動弁31の温度は低下する。減圧機能のない空気圧作動弁31の開口径は大きく、これを通過する高圧ガスの流速が速いため、等エントロピー膨張に近い状態となるためである。ただし、かかるガスの体積は僅かであり、その通過時間も一般に数秒程度であるため、空気圧作動弁31の冷却が結露などを生じるほどの問題となることはない。一方、これ以後に減圧弁21を通過して新たに供給されるガスについては、減圧弁21において減圧および冷却がなされると、空気圧作動弁31ではそれ以上に減圧されることなくそのまま通過する。したがって減圧弁21において最も冷却されたガスは、常温の雰囲気にて徐々に温度を回復させながら空気圧作動弁31を通過することとなるため、空気圧作動弁31の温度低下が減圧弁21に優先して問題となることはない。
制御器40は、温度センサから温度データを取得し、減圧弁が所定の温度以下となったときにガスラインを切り換える制御を行う。制御器40の構成装置は特に限定されないが、減圧弁の温度データを取得する温度データ取得手段と、減圧弁が所定の許容下限温度を下回った場合に他のガス供給のラインを選択するライン選択手段と、選択されたラインにガスの供給路を切り換えるよう切換信号を発信する発信手段と、を実現するハードウェアを有することが好ましい。
なお、ライン選択手段は中央処理装置(CPU)を備え、予め入力された許容下限温度と温度データ取得手段にて取得した温度データとを差分演算する演算機能と、演算結果の正負よりライン選択の要否を決定し、所定の判断基準に従ってラインを決定するライン決定機能をともに備えることが好ましい。
本実施の形態においては、前記許容下限温度を、減圧弁の結露温度とする。ただしその他、凍結温度、減圧弁の使用温度範囲(製品仕様)の下限値、または任意に設定した温度とすることもできる。
許容下限温度には、減圧弁の結露温度に対して所定幅の正または負のマージンを設けてもよい。正のマージンを設けることにより、減圧弁の結露をより確実に防止できる。また負のマージンを設けることにより、減圧弁(温度モニタ点)の冷却と、周辺空気の冷却による減圧弁可動部への結露の発生とのタイムラグを解消し、ガスラインの切り換えの頻度を下げることができる。ガスの比熱や供給量に対して減圧弁の熱容量が比較的大きい場合、または減圧弁と近傍の配管との間で熱伝達が良好に行われる場合には、かかる負のマージンを設けるとよい。
ガスライン1の減圧弁21が備える温度センサ121から送信された温度データに基づき、減圧弁21が結露温度を下回ったものと制御器40のCPUが判断すると、ライン選択手段ではガスライン2乃至4のいずれかを次のガス供給路として選択する。
ガスライン2乃至4のいずれを選択するかについては、ガス容器12乃至14に貯留されているガスの残量の少ない順、多い順、減圧弁22乃至24の温度の高い順、または予め設定した順列(例えば設置された時期の古い順など)に基づいて決定してもよい。さらに、各ガスラインの雰囲気温度や減圧弁の熱容量が同一でない場合などは減圧弁の冷却速度や温度回復速度が異なることとなるため、減圧弁の温度履歴からガスラインごとのガス供給可能時間を制御器40にて演算および記憶しておき、以後のライン選択の際には、その時点で最もガス供給時間が長いと予想されるガスラインを選択することとしてもよい。
これらの条件を、優先順位または閾値を適宜設定し、複合的に用いることで、よりきめの細かいライン選択の判断が可能となり好適である。
このうち、ガスの残量の少ないガス容器を備えるガスラインを優先的に選択すれば、かかる少ない残量のガスを早く使いきってガス容器を新しいものと交換することができるとともに、すべてのガス容器が同時に空になってガスの供給が停止する不都合を回避できる。
逆に、ガス残量の多いガス容器を備えるガスラインを優先的に選択すれば、いずれかのガス容器が空になってガスラインの有効な系統数が少なくなる時期を先に延ばすことができるため、例えば夜間などでガス容器の交換ができない場合にも、すべてのガスラインを順次切り換えて安定的にガス供給を行い続けることが可能となり本発明の効果を長時間にわたって享受することができる。
また、減圧弁の温度の高い順にガスラインを選択することにより、減圧弁が結露温度まで冷却されて次のガスライン選択をするまでの各回の時間が一般に長くなるため、ガス供給路の切り換えの頻度を下げることができる。予想されるガス供給可能時間を制御器40にてガスラインごとに求め、その長い順に選択する場合、この効果をさらに高めることができる。
具体的には、例えば以下の判断基準に基づいてライン選択を行うことが好適である。
i)ライン選択の瞬間において、減圧弁の温度が閾値(例えば18℃)以上であって、かつガス容器に残留する高圧ガスが最も少ないガスラインを優先する。
ii)ライン選択の瞬間において、減圧弁の温度が閾値(例えば18℃)以上であって、かつガス容器に残留する高圧ガスが最も多いガスラインを優先する。
iii)ライン選択の瞬間において、減圧弁の温度が閾値(例えば18℃)以上であって、かつガス容器の設置された時期が最も古いガスラインを優先する。
iv)上記i)〜iii)において、減圧弁の温度が閾値以上のものがない場合は、減圧弁の温度が最も高いガスラインを優先する。
v)上記i)〜iii)において、減圧弁の温度が閾値以上のものがない場合は、予想されるガス供給可能時間の最も長いガスラインを優先する。
vi)ライン選択の瞬間において、減圧弁の温度が最も高いガスラインを優先する。
vii)ライン選択の瞬間において、予想されるガス供給可能時間の最も長いガスラインを優先する。
viii)ライン選択の瞬間において、減圧弁の温度が結露温度(例えば20℃、相対湿度50%の空気が結露しない温度:11℃)以上であって、かつガス容器に残留する高圧ガスが最も少ないガスラインを優先する。
ix)ライン選択の瞬間において、減圧弁の温度が結露温度(例えば20℃、相対湿度50%の空気が結露しない温度:11℃)以上であって、かつガス容器に残留する高圧ガスが最も多いガスラインを優先する。
x)ライン選択の瞬間において、減圧弁の温度が結露温度(例えば20℃、相対湿度50%の空気が結露しない温度:11℃)以上であって、かつガス容器の設置された時期が最も古いガスラインを優先する。
各ガス容器に残留するガスの量を検知し、制御器40によるライン選択の判断に供するため、ガスラインはガス残量検知手段を備えるとよい。ガス残量検知手段としては、例えばガス残量をガス容器の重量とともに測定する重量計や、ガス容器の出口圧力を測定する圧力計などが好適に用いられる。
本実施の形態では、図1に示すようにガス容器11乃至14にそれぞれ重量計111乃至114を設けている。重量計111乃至114は、貯留されているガスの残量の大小がガスラインごとに比較可能な重量データを、制御器40に所定の時間間隔ごとに送信する。重量計111乃至114には、データロガー機能を有する市販のデジタル重量計を使用可能である。
本実施の形態においては、貯留されるガスの残量が、ガス容器11<ガス容器12<ガス容器13<ガス容器14の順であるとして以下説明する。
また、制御器40のライン選択手段においては、減圧弁の温度が高い順にガスラインを優先的に選択し、減圧弁が同じ温度の場合はガスの残量の少ない順にガスラインを選択するものとする。ただし、ここでいう同じ温度とは、数度程度の差異は許容してよい。
かかる場合、初期状態における減圧弁22乃至24がともに常温であることから、初回のライン選択においてはガスの残量の大小が判断材料となり、ガスライン1の減圧弁21の温度が結露温度を下回った場合に、ガスライン1から切り換えて採用される次のガス供給路はガスライン2となる。制御器40の発信手段は、かかるライン選択の結果を受け、ガスライン1の空気圧作動弁31を閉じて、ガスライン2の空気圧作動弁32を開くよう、これらの空気圧作動弁の開閉を制御する電磁弁にむけて切換信号を発信する。
ガスライン2にてガスの供給が行われる間、減圧弁22の温度は断熱膨張および/またはジュール・トムソン膨張したガスによって冷却されて低下し、逆にガス供給の停止した減圧弁21は常温雰囲気によって加温されて温度が回復していく。この間、温度センサ121乃至124は、減圧弁の温度データを制御器40の温度データ取得手段に送りつづける。所定時間が経過し、減圧弁22の温度が結露温度を下回ると、制御器40では二度目のライン選択を行う。一般に、常温雰囲気による減圧弁の温度回復に対し、ガスによる減圧弁の冷却の方が温度変化の速度は大きい。よって、二度目のライン選択の際に、減圧弁21は常温程度まで温度は回復していない場合が一般的である。このため、減圧弁23と24とがともに常温であって、ガスの貯留残量が、ガス容器13<ガス容器14であることから、ライン選択手段では二度目のライン選択の結果としてガスライン3を選択する。発信手段では、空気圧作動弁32を閉じ、空気圧作動弁33を開くよう、両空気圧作動弁の開閉を制御する電磁弁に切換信号を発信する。
ガスライン3によるガス供給が行われ、減圧弁23の温度が結露温度以下となると、三度目のライン選択が行われる。減圧弁21の温度がいまだ常温程度まで回復していない場合はガスライン4が選択され、回復している場合はガス残量の大小に基づきガスライン1が選択される。以降も同様にガスラインが繰り返し選択され、ガスが間断なくユーザに供給される。
以上説明したように、一式のみのガスラインによれば減圧弁はすぐに結露温度に至るため、これを結露温度以上に維持して安定的にガスを供給することが困難となるところ、本発明のガス供給装置10によれば、冷却された減圧弁によるガス供給を一時的に停止することによって、常温雰囲気にて加温して減圧弁を温度回復させる。これにより減圧弁の結露を防止し、温水や電気ヒータなどを用いることなく安定的かつ長時間にわたってガスを連続的に供給することができる。
ただし、減圧弁21乃至24には、リボンヒータや温水チューブなどのヒータを補助的に設けてもよい。この場合、電力や温水などの外部ユーティリティを用いる必要はあるものの、例えば雰囲気温度の低い寒冷期や、ガス供給量が多く断熱膨張および/またはジュール・トムソン膨張による温度降下速度が極めて速い場合に、限定的かつ補助的に減圧弁を加温することで、さらに安定的かつ長時間にわたりガス供給を行うことが可能となる。これにより、従来のガス供給装置に比べ、電力や温水などにより与えるべき熱エネルギーを大幅にセーブできるという利点が得られる。
図1の系統図に従い、四式のガスラインを備える本実施の形態にかかるガス供給装置にて、高圧ガスの減圧供給を行うシミュレーションを行った。ガス、減圧弁、周辺空気について用いた諸元を下表3に示す。ガスにはシラン(SiH4)を用いた。減圧弁は細孔管にて模擬した。周辺空気の温度を常温(20℃)としてガスの二次側温度および周辺空気との熱平衡状態における減圧弁表面の到達温度を求めたところ、それぞれ−78.3℃および−4.6℃となった。
(表3)
Figure 2007107713
常温の減圧弁(細孔管)に対し、上記ガスを2NL/minの流量で流通させたところ、減圧弁表面が結露温度の11℃に至るまでの時間は約9分間であった。結露温度に至ったところでガスの供給を停止し、常温の周辺空気により温度が回復していく減圧弁表面の温度履歴に関するシミュレーション結果を図2に示す(参考例)。
一方、四式のガスラインを、減圧弁表面が結露温度の11℃に至るごとに順次切り換えてガスの流通を行った場合の、各減圧弁表面の温度履歴に関するシミュレーション結果を図3に示す(実施例)。
図2に示す参考例より、ガスラインが一式のみの場合、ガスの供給開始から約9分で減圧弁の表面は結露温度に至るため、安定的なガス供給が可能な時間はきわめて短い。また常温の周辺空気によって減圧弁の温度が常温まで回復するには、理論的には無限大の時間がかかるため、一式のガスラインのみによって結露することなくガスの供給を行う場合、ヒータによる加温が不可欠といえる。
一方、図3に示す実施例より、ガスラインが四式設けられた場合、約9分間で常温から結露温度まで冷却された減圧弁には、その後、長い温度回復の時間が与えられるため、順次ガスラインを切り換えてガス供給に用いることで、極めて長時間にわたり減圧弁を結露温度以上に保つことができる。
ガスライン1に着目した場合、実施例にかかる減圧弁21の温度履歴は以下のようになる。
i)時刻0〜9分までは、シランガスがガスライン1を通じて減圧供給され、減圧弁21は20℃から11℃まで冷却される。
ii)減圧弁21の温度が11℃となると、ガスの供給路が他のガスライン2乃至4に順次切り換えられるため、減圧弁21は時刻36分までの約27分間、常温の周辺空気により加温されて約17.7℃まで温度回復する。
iii)時刻36〜43分までの約7分間、二度目のガス供給がガスライン1にて行われ、これにより減圧弁21は再度11℃まで冷却される。11℃となったところで他のガスラインへの切り換えが行われる。
iv)時刻43〜63分までの約20分間、減圧弁21は周辺空気により加温され、約16.7℃まで温度回復する。
v)時刻63〜69分までの約6分間、三度目のガス供給がガスライン1にて行われ、これにより減圧弁21は11℃まで冷却される。
vi)時刻69〜87分までの約18分間、減圧弁21は周辺空気により加温され、約16.3℃まで温度回復する。
vii)以降、ガスライン1を含むすべてのガスラインの備える減圧弁の温度が11℃に収束し、選択可能なガスラインが存在しなくなるまで、ガスの供給路を順次切り換えてガス供給が行われる。
四式のガスラインにおける減圧弁の回復温度が11℃に収束するのは、シミュレーション上は約200分経過時であり、これが理論上のガスの連続供給が可能な時間となる。実際には、ガスラインの切り換えに有限の時間がかかること、減圧弁の周囲に温度勾配のある空気の境界層が形成され周辺空気との熱伝達率が低下すること、逆に減圧弁には配管を通じて熱が流入すること、などの理由により、ガスの連続供給が可能な時間は理論上のものとは異なる可能性がある。しかし、ヒータなどの外部ユーティリティなき場合、一式のガスラインではわずかに9分間のガス供給で減圧弁が結露してしまうのに対し、本発明にかかるガス供給方法およびこれに用いられるガス供給装置によればその10倍乃至20倍以上もの長時間にわたる安定的なガス供給が可能であるため、その効果は極めて大きいといえる。
図4は本発明の第二の実施の形態にかかるガス供給装置の系統図である。ガス供給装置10、ガス容器11乃至14、減圧弁21乃至24、空気圧作動弁31乃至34、重量計111乃至114、温度センサ121乃至124は第一の実施の形態と共通する。
ガスライン1乃至4には、ガス容器11乃至14の出口圧力を測定する圧力センサ131乃至134と、かかる圧力データを制御器40に送る信号ラインを備えている。
本実施の形態にかかるガス供給装置、およびこれを用いたガス供給方法は、ガス供給中のガスラインを流れるガスの量が所定以上である場合、そのガスラインに設けられた減圧弁の冷却が厳しいものと推定し、減圧弁の現実の温度が結露温度などの目標温度に達しているか否かにかかわらず、ガスの供給路を他のガスラインに切り換えることを特徴とする。
ガスラインを流れるガスの流量が所定量以上であるかどうかは、例えばガスラインに流量計を設けてその測定および判断をすることができるが、その他の方法として本発明においては、ガス残量検知手段によりガス容器11乃至14に蓄えられたガスの残量の減少率を測定し、これに基づいてガスの流量を算出する方式としてもよい。具体的なガス残量検知手段としては、データロガー機能を有する重量計111乃至114や、ガス容器11乃至14の出口圧力を測定する圧力センサ131乃至134が例示される。重量計111乃至114によるガス容器の重量測定値の変化率や、圧力センサ131乃至134によるガス容器出口圧力の測定値の変化率に基づいて、ガスライン1乃至4を流れるガス流量を算出することが可能である。
特に、シラン(SiH4)や三フッ化窒素(NF3)など、ガス容器内部における圧縮率の高いガスについては、ガスの充填量が減少するとガス容器の出口圧力が大きく降下するため、圧力センサ131乃至134の測定値に所定の換算式を施すことで、ガスの充填残量を精度よく検知することができる。一方、圧縮率の低いガスについては、重量計111乃至114の測定値を用いることにより、ガスの充填残量を比較的精度よく検知することができる。
ガス減少率取得手段では、かかる圧力測定値や重量測定値の単位時間ごとの差分をとることでこれらの時刻変化率を計算し、ガスの充填残量の減少率を求めることができる。かかる計算は、圧力センサ131乃至134または重量計111乃至114において個別に行ってもよく、またはこれらの測定値を信号ラインを介して制御器40に取り込んだうえで、制御器40のCPUによって一括して行ってもよい。図4に示す本実施の形態においては、ガス減少率取得手段を制御器40のCPUによって実現し、ガス容器に充填されたガスの残量の減少率を算出している。ガスの残量の減少分は、即ちガスラインを通じてユーザに供給されたガスの量に相当するため、ガスの充填残量の減少率を測定することにより、そのガスラインを流通するガスの量を知ることができる。ガスの流量と減圧弁の冷却速度とは互いに換算可能であることから、ガスの流量および/または減圧弁の冷却速度の許容最大値を制御器40に予め設定しておき、ガスの供給がこれを超える場合は他のガスラインに切り換えることで、減圧弁の結露や凍結を防止することができる。特に、ジュール・トムソン効果による冷却効率の高いガスを供給する場合や、ガスの供給量が多い場合は、減圧弁の現実の温度に基づくガスラインの切り換え制御では、減圧弁の温度低下の検知からガスラインの切り換えによるガスの供給停止までのタイムラグにより減圧弁が過剰な冷却をうける虞があるため、上記のガス流量に基づく切り換えの制御が有効である。
なお、図4に示すように、ガスライン1乃至4にはそれぞれ重量計111乃至114と圧力センサ131乃至134とをともに備えてもよい。両者を併用して、いずれか一方の測定値に基づくガスの残量の変化率が所定値を超えた場合にガスラインを切り換える制御を行うことで、減圧弁21乃至24の結露や凍結をより安全に防止することができる。
さらに、供給されるガスの流量に基づいてガスラインを切り換える上記の制御と、温度センサ121乃至124による減圧弁21乃至24の現実の測定温度に基づいてガスラインを切り換える制御とを併用してもよい。かかる場合、例えば通常は温度センサによる温度測定値に基づいてガスラインの切り換えを行い、温度センサの故障時などのバックアップとしてガス残量検知手段によるガスラインの切り換えを行うこともできる。またかかる切り換えに際し、他のガスラインを選択する判断基準としては、本発明の第一の実施の形態にて説明したように、減圧弁の現実の温度、ガス容器に残留するガスの残量の大小、ガス容器の設置された時期の古さ、または予想されるガス供給可能時間の長さなどのパラメータに適宜の重率を乗じて用いることができる。他のガスラインを選択し、ガスの供給路を切り換える場合は、第一の実施の形態と同様に、制御器40より切換信号を発信し、空気圧作動弁31乃至34の電磁弁を開閉する。
本発明にかかるガス供給装置においては、減圧弁21乃至24とユーザ側のガス使用設備との間に減圧用のユーザ供給ガス調圧弁140を備えることも好適である。これにより、ガス容器11乃至14に蓄えられた高圧ガスを減圧弁21乃至24と、ユーザ供給ガス調圧弁140とで多段階に減圧することができ、各弁における断熱膨張および/またはジュール・トムソン膨張による温度降下を低減することができる。
図4に示す本発明の第二の実施の形態においては、ガスライン1乃至4の合流部の下流(ユーザ)側に一つの減圧弁を設けることでユーザ供給ガス調圧弁140を実現している。かかるユーザ供給ガス調圧弁140は、ガスライン1乃至4の合流部の下流側に二つ以上を直列に設けてもよく、またガスライン1乃至4において減圧弁21乃至24と該合流部との間にそれぞれ一つまたは二つ以上を設けてもよく、該合流部の上流側と下流側にそれぞれ設けてもよい。
また、ユーザ供給ガス調圧弁140には、その温度データを取得して制御器40に取り込む温度センサ(図示せず)を設け、ガスの供給中にユーザ供給ガス調圧弁140の温度が所定以下となった場合には所定の切り換えまたは制御を行ってもよい。
具体的には、例えば図4に示すようにユーザ供給ガス調圧弁140がガスライン1乃至4の合流部の下流側に設けられている場合、ユーザ供給ガス調圧弁140の温度が結露温度に至った際には、減圧弁21乃至24の出口側(二次側)圧力を低下させユーザ供給ガス調圧弁140におけるガスの減圧の負荷を軽減することでその温度降下を緩和するよう圧力調整をしてもよい。また、ユーザ供給ガス調圧弁がガスライン1乃至4の減圧弁21乃至24の下流側にそれぞれに設けられている場合は、上記圧力調整のほか、ユーザ供給ガス調圧弁の温度が結露温度に至った際にガスラインを切り換える制御を行ってもよい。さらに、ユーザ供給ガス調圧弁の温度に基づくガスラインの前記切り換え制御は、減圧弁21乃至24の温度降下に応じてガスラインを切り換える本発明の切り換え制御と併用して行ってもよい。
本発明にかかるガス供給方法およびガス供給装置によって好適に減圧して供給されるガスは、上記の半導体製造装置や化学装置のプロセスガスやエッチングガスのほか、様々な製造装置や実験装置に対する材料ガス、反応ガスまたはパージガスなどを対象とすることができ、広範囲での利用が可能である。
本発明の第一の実施の形態にかかるガス供給装置の系統図である。 一式のガスラインにおける減圧弁表面の温度履歴である(参考例)。 四式のガスラインにおける各減圧弁表面の温度履歴である(実施例)。 本発明の第二の実施の形態にかかるガス供給装置の系統図である。
符号の説明
1,2,3,4 ガスライン
10 ガス供給装置
11,12,13,14 ガス容器
21,22,23,24 減圧弁
31,32,33,34 空気圧作動弁
40 制御器
111,112,113,114 重量計
121,122,123,124 温度センサ
131,132,133,134 圧力センサ
140 ユーザ供給ガス調圧弁

Claims (13)

  1. ガス容器に蓄えられた高圧のガスを、減圧弁にて減圧してユーザに供給するガス供給方法であって、
    ガス容器と減圧弁とを備えるガスラインを二つ以上用意し、一のガスラインによる前記ガスの供給中に、そのガスラインの減圧弁の温度が低下して所定の温度以下となった場合、ガスの供給路を、前記所定の温度以上の減圧弁を備える他のガスラインに切り換えることを特徴とするガス供給方法。
  2. ガス容器に蓄えられた高圧のガスを、減圧弁にて減圧してユーザに供給するガス供給方法であって、
    ガス容器と減圧弁とを備えるガスラインを二つ以上用意し、一のガスラインによる前記ガスの供給中に、そのガスラインのガス容器に蓄えられたガスの残量の減少率が所定の値以上となった場合、ガスの供給路を他のガスラインに切り換えることを特徴とするガス供給方法。
  3. ガス容器に蓄えられた高圧のガスを、減圧弁にて減圧してユーザに供給するガス供給方法であって、
    ガス容器と減圧弁とを備えるガスラインを二つ以上用意し、一のガスラインによる前記ガスの供給中に、そのガスラインの減圧弁の温度が低下して所定の温度以下となった場合、または該ガスラインのガス容器に蓄えられたガスの残量の減少率が所定の値以上となった場合、ガスの供給路を、前記所定の温度以上の減圧弁を備える他のガスラインに切り換えることを特徴とするガス供給方法。
  4. 所定の温度が、
    前記減圧弁の結露温度である請求項1または3に記載のガス供給方法。
  5. 他のガスラインが、
    前記ガス容器に蓄えられたガスの残量が最も少ないガスラインである請求項1から4のいずれかに記載のガス供給方法。
  6. 減圧弁が常温の雰囲気下に置かれることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のガス供給方法。
  7. 減圧弁をヒータにより加温することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のガス供給方法。
  8. 減圧弁の一次側と二次側におけるガスの圧力と温度から求めたガスの平均のジュール・トムソン係数が+5[K/MPa]以上であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のガス供給方法。
  9. 減圧弁の下流側に設けたユーザ供給ガス調圧弁により、前記減圧弁にて減圧されたガスをさらに減圧することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のガス供給方法。
  10. 高圧でガスが蓄えられたガス容器と、該ガス容器からガスを導出する配管と、配管の途中に設けられ前記高圧のガスを減圧する減圧弁と、該減圧弁の温度を測定する温度センサとを備えるガスラインが二式以上設けられたガス供給装置であって、かつ、
    前記温度センサより減圧弁の温度データを取得する温度データ取得手段と、減圧弁が所定の温度以上であるガスラインのうちのいずれかを選択するライン選択手段と、選択されたガスラインをガスが流通するようガスの供給路を切り換える切換信号を発信する発信手段と、を有する制御器と、
    前記切換信号を受信して前記ガスの供給路を前記選択されたガスラインに切り換える切換手段と、
    を備えることを特徴とするガス供給装置。
  11. ガスラインには、ガス容器に蓄えられたガスの残量データを取得してこれを前記制御器に送信するガス残量検知手段を備え、
    前記ライン選択手段においては、減圧弁が所定の温度以上であるガスラインであって、かつ、最もガスの残量の少ないガス容器を備えるガスラインを選択することを特徴とする請求項10に記載のガス供給装置。
  12. 高圧でガスが蓄えられたガス容器と、該ガス容器からガスを導出する配管と、配管の途中に設けられ前記高圧のガスを減圧する減圧弁と、を備えるガスラインが二式以上設けられたガス供給装置であって、かつ、
    ガス容器に蓄えられたガスの残量データを取得するガス残量検知手段と、前記ガスの残量データより、該ガス容器に蓄えられたガスの残量の減少率を取得するガス減少率取得手段と、前記減少率が所定の値以上である場合、他のガスラインをガスが流通するようガスの供給路を切り換える切換信号を発信する発信手段と、を有する制御器と、
    前記切換信号を受信して前記ガスの供給路を前記選択されたガスラインに切り換える切換手段と、
    を備えることを特徴とするガス供給装置。
  13. 減圧弁の下流側に、ユーザ供給ガス調圧弁を備えることを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載のガス供給装置。

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