JP2007107470A - 空燃比センサの診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】空燃比センサの診断を早期かつ適切なタイミングで行わせて、空燃比制御精度の悪化を未然に防止し、また、無駄な電力消費を防止する。
【解決手段】エンジンの始動を事前に予測すると、空燃比センサの診断を行う。そして、前記診断で空燃比センサの異常が判定されると、空燃比フィードバック制御の実行を禁止すると共に、空燃比センサのセンサ素子を加熱するヒータの作動を禁止する。一方、空燃比センサが正常であれば、エンジン始動前から前記ヒータに通電させ、空燃比フィードバック制御の実行を許可する。
【選択図】図3

Description

本発明は、内燃機関の空燃比を検出する空燃比センサの診断装置に関する。
特許文献1には、車両のドアの開閉、キーシリンダへのキーの差し込み、運転者の着座、シートベルトの装着などを検出し、これらの検出結果から内燃機関の始動予定を判断し、始動予定の発生が判断されたときに、内燃機関の始動準備を開始させる始動準備システムが開示されている。
前記内燃機関の始動準備としては、内燃機関に燃料を噴射する燃料噴射弁に備えられた電熱ヒータへの通電開始などが行われる。
特開2004−340028号公報
ところで、上記のような始動準備の一環として、空燃比センサの素子を加熱するヒータへの通電を、内燃機関の始動前から行わせることで、空燃比センサの早期活性化、引いては、空燃比センサの検出結果を用いた空燃比フィードバック制御の早期開始を図ることができる。
しかしながら、空燃比センサに異常が発生していて、実際の空燃比を精度良く検出することができない場合には、始動後早期に空燃比フィードバック制御を開始させても、かえって空燃比制御精度を悪化させることになってしまう。
また、空燃比センサに異常が発生しているときに、ヒータに通電してセンサ素子を加熱することは無駄であり、内燃機関の始動前からヒータに通電することは、無駄に電力を消費することになってしまう。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、空燃比センサの診断を早期かつ適切なタイミングで行わせて、空燃比センサの検出結果を用いた空燃比フィードバック制御によって空燃比制御精度を悪化させてしまうことを未然に防止し、また、無駄な電力消費を防止することを目的とする。
そのため請求項1記載の発明に係る空燃比センサの診断装置は、内燃機関の始動を事前に予測する始動予測手段と、この始動予測手段によって内燃機関の始動が予測されたときに、空燃比センサの診断を行う診断手段と、を備えたことを特徴とする。
かかる構成によると、内燃機関の始動を事前に予測し、内燃機関が始動される前に空燃比センサの診断を行わせる。
従って、始動までの期間及び/又は始動後において、空燃比センサを用いた空燃比制御や各種デバイスを作動させることの適否を事前に判断でき、誤った空燃比制御が行われたり、無用なデバイスの作動によって電力が無駄に消費されたりすることを防止できる。
請求項2記載の発明は、診断手段によって空燃比センサの異常が判定されたときに、空燃比センサの検出結果に基づく空燃比制御を禁止する制御禁止手段を設けたことを特徴とする。
かかる構成によると、内燃機関の始動を事前に予測した時点で空燃比センサの異常が判定されたときには、その後、空燃比センサの検出結果に基づいて空燃比を制御すると、実際の空燃比とは異なる検出結果に基づいて誤った空燃比制御がなされる可能性があるので、空燃比センサの検出結果に基づく空燃比制御を禁止する。
従って、空燃比センサの異常時には、空燃比センサの検出結果に基づく空燃比制御を予め禁止して、異常な空燃比センサの検出結果に基づき空燃比が誤って制御されることを未然に防止できる。
請求項3記載の発明は、空燃比センサが素子を加熱するためのヒータを備え、診断手段によって空燃比センサの異常が判定されたときに、少なくとも内燃機関の始動後における前記ヒータの作動を禁止するヒータ作動禁止手段を設けたことを特徴とする。
かかる構成によると、空燃比センサの異常が診断された場合には、空燃比センサの検出結果を用いた空燃比制御等を禁止すべきであり、空燃比センサを用いないのであれば、ヒータへの通電は、無駄な電力消費となる。
従って、空燃比センサの異常が、内燃機関の始動を予測した時点で診断された場合には、少なくとも内燃機関の始動後におけるヒータの作動を禁止することで、無駄な電力消費を回避できる。
請求項4記載の発明は、診断手段によって空燃比センサの異常が判定されたときに、少なくとも内燃機関の始動後における所定の排気対策デバイスの作動を禁止する排気対策デバイス作動禁止手段を設けたことを特徴とする。
かかる構成によると、空燃比センサの検出結果に基づく空燃比制御の実行を前提として作動させるべき排気対策デバイスを備える場合には、空燃比センサが異常で空燃比センサを用いた空燃比制御が行えないと、前記排気対策デバイスの作動は無駄になる。
従って、空燃比センサの異常が、内燃機関の始動を予測した時点で診断された場合には、少なくとも内燃機関の始動後における排気対策デバイスの作動を禁止することで、排気対策デバイスの無駄な作動を回避し、無用な電力の消費を未然に防止する。
請求項5記載の発明は、前記ヒータ及び/又は所定の排気対策デバイスを、始動予測手段によって内燃機関の始動が予測されたときから作動させる始動準備手段を備え、前記ヒータ作動禁止手段及び/又は排気対策デバイス作動禁止手段が、内燃機関の始動後と共に、内燃機関の始動が予測されたときから始動されるまでの間においても、前記ヒータ及び/又は所定の排気対策デバイスの作動を禁止することを特徴とする。
かかる構成によると、空燃比センサのヒータや所定の排気対策デバイスを、内燃機関の始動が予測された時点から作動させることで、内燃機関の始動時からの空燃比センサを用いた空燃比制御を可能し、また、内燃機関の始動時から排気対策デバイスを有効に作用させることができるが、空燃比センサの異常が内燃機関の始動を予測した時点で診断されたときには、空燃比センサのヒータや所定の排気対策デバイスの作動を機関始動前から禁止する。
従って、空燃比センサの正常時には、始動時及び始動直後における排気性能の改善を図ることができる一方、空燃比センサの異常時に無駄に空燃比センサのヒータや排気対策デバイスを作動させてしまうことを回避できる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
図1は、実施形態における車両用内燃機関のシステム構成図である。
図1において、エンジン101(ガソリン内燃機関)の吸気管102には、スロットルモータ103aでスロットルバルブ103bを開閉駆動する電子制御スロットル104が介装される。
そして、前記電子制御スロットル104及び吸気バルブ105を介して、燃焼室106内に空気が吸入される。
各気筒の吸気ポート130には、電磁式の燃料噴射弁131が設けられており、各燃料噴射弁131には、燃料を加熱するためのインジェクタヒータ131aを備えられている。
前記燃料噴射弁131は、コントロールユニット114からの噴射パルス信号によって開弁駆動されると、所定圧力に調整された燃料を吸気バルブ105に向けて噴射する。
前記燃焼室106内に形成された混合気は、図示省略した点火プラグによる火花点火によって着火燃焼する。
燃焼室106内の燃焼排気は、排気バルブ107を介して排気管に排出され、フロント触媒108(例えば三元触媒)及びリア触媒109(例えばNOx吸蔵還元触媒)で浄化された後、大気中に放出される。
前記リア触媒109には、ヒータ109aが備えられている。
前記吸気バルブ105及び排気バルブ107は、それぞれ吸気側カムシャフト111,排気側カムシャフト110に設けられたカムによって開閉駆動される。
燃料タンク135には、電動式の燃料ポンプ136が内蔵され、この燃料ポンプ136を駆動することで燃料が前記燃料噴射弁131に向けて圧送される。
前記燃料ポンプ136から吐出された燃料を各燃料噴射弁131に分配する分配管137には、燃圧センサ138が設けられており、該燃圧センサ138で検出される燃圧が目標圧になるように、前記燃料ポンプ136の吐出量が前記コントロールユニット114によってフィードバック制御されるようになっている。
前記コントロールユニット114は、マイクロコンピュータを内蔵し、予め記憶されたプログラムに従って各種センサからの検出信号を演算処理して、前記電子制御スロットル104,燃料噴射弁131,インジェクタヒータ131a,燃料ポンプ136などの制御信号を出力する。
前記各種センサとしては、前記燃圧センサ138の他、運転者が操作するアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するアクセル開度センサ116、エンジン101の吸入空気量Qを検出するエアフローメータ115、クランクシャフト120の回転位置を検出するクランク角センサ117、スロットルバルブ103bの開度TVOを検出するスロットルセンサ118、エンジン101の冷却水温度を検出する水温センサ119、前記フロント触媒108の上流側での排気中の酸素濃度に基づいて排気空燃比を検出するヒータ付の空燃比センサ121等が設けられている。
前記空燃比センサ121は、例えば、ジルコニアからなる部材の表裏に電極を配し、前記ジルコニア部材の表裏における酸素分圧の違いによって前記電極間に起電力を生じさせる酸素濃淡電池を含んで構成されるセンサである。
前記コントロールユニット114は、前記空燃比センサ121で検出される実際の排気空燃比が目標空燃比に近づくように、前記燃料噴射弁131による燃料噴射量をフィードバック制御する。
また、前記コントロールユニット114は、運転者によるイグニッションキーやスタートボタンなどの操作によるエンジン始動に先立って、エンジンの始動を事前に予測し、エンジン始動を予測した時点で前記空燃比センサ121の診断を行う機能、即ち、始動予測手段,診断手段としての機能を有している。
以下では、上記の始動予測・診断処理について説明する。
図3のフローチャートは、始動予測・診断処理の第1実施形態を示す。
図3のフローチャートにおいて、まず、ステップS11では、乗員の乗車若しくは乗車意思を検知することで、エンジンの始動を事前に予測する。
前記乗員の乗車若しくは乗車意思の検知は、例えば以下の動作検知・システム状態の検知・認証などに基づいて行われる。
(1)車両のドアの開閉
(2)キー又はリモコンによるドアの開錠
(3)リモートコントローラのID信号の照合
(4)イグニッションキーシリンダに対するキーの差し込み
(5)ドアの鍵穴に対するキーの差し込み
(6)運転席に対する着座
(7)運転席におけるシートベルトの着用
(8)防盗システムの解除
(9)車両周辺における移動体の検知
(10)個人認証
前記個人認証とは、乗車した人間又は乗車の意志を示した人間が、予め登録されている一人若しくは複数人のうちの一人であるか否かを識別するものであり、例えば、防盗システムの解除、ドアの自動開錠、オートシートポジション、運転特性の自動変更制御、運転資格・運転履歴の自動確認などに用いられるものである。
そして、個人認証は、指紋などによる生体認証、運転免許証などによる所有物認証、更には、パスワードによる知識認証などに基づいて行われ、予め登録されている人間であると認証されたときに、特定の運転者の乗車又は乗車の意志を判断し、エンジンが始動されるものと予測する。
但し、エンジンの始動を予測する方法を、上記の乗員の乗車若しくは乗車意思の検知に因る方法に限定するものではない。
前記コントロールユニット114には、上記のようにして、乗車又は乗車の意志を判断するために、図2に示すように、ドアスイッチ81,個人認証装置82,着座センサ83,シートベルトスイッチ84などからの検出信号が入力されるようになっている。
ステップS11で上記のようにしてエンジンの始動を事前に予測すると、次にステップS12へ進み、前記空燃比センサ121の診断を行う。即ち、前記空燃比センサ121の診断を、エンジンが始動される前に実行する。
前記ステップS12における診断処理の詳細を、図4のフローチャートに従って説明する。
まず、ステップS101では、センサ素子(酸素濃淡電池)の電極間に、一定周期の電圧を発生する電源と測定抵抗とを直列に接続し、センサ素子の電極間に一定周期の電圧を印加する。
ステップS102では、センサ素子の電極間に一定周期の電圧を印加している状態での前記測定抵抗の端子電圧を検出する。
ステップS103では、前記ステップS102で検出した測定抵抗の端子電圧の振幅を検出する。
そして、ステップS104では、前記ステップS103で検出した端子電圧の振幅と予め記憶された基準振幅とを比較する。
そして、振幅の検出結果が基準振幅以上であれば、ステップS105へ進んで、空燃比センサ121が正常であると判定し、振幅の検出結果が基準振幅未満であれば、ステップS106へ進んで、空燃比センサ121の異常を判定する。
前記空燃比センサ121のセンサ素子が、酸素分圧の差による起電力を取り出せる正常状態であれば、センサ素子に一定の周期の電圧を印加したときに、端子電圧(電極間に流れる電流)に印加電圧の変動に対応する周期的な変動が生じることになるから、振幅の検出結果が基準振幅以上であるときには、空燃比センサ121が正常であると判定する。
一方、断線或いは印加電圧の変化に対する電流の立ち上がりに極端な遅れが発生するような劣化が生じている場合には、測定抵抗の端子電圧の変化が基準振幅未満となり、その場合は空燃比センサ121の異常を判定する。
但し、空燃比センサ121の診断方法を、図4のフローチャートに示したものに限定するものではなく、例えば、一般的な断線・ショートの検出であっても良いし、センサ素子の内部抵抗を計測する方法であっても良い。
また、そのときの空燃比センサ121のセンサ素子温度を、冷却水温度等から推定して、センサ素子温度に応じて前記基準振幅を可変に設定することができる。
更に、エンジン始動を予測した時点からヒータ121aによるセンサ素子の加熱を開始させ、その後の端子電圧の振幅の変化に基づいて、空燃比センサ121の診断を行わせることもできる。
上記のようにして、エンジン始動を事前に予測した時点で、空燃比センサ121の診断を行うと、次のステップS13では、診断の結果、空燃比センサ121が正常であると判定されたか異常であると判定されたかを判別する。
そして、空燃比センサ121が正常であるときには、ステップS14へ進み、前記空燃比センサ121に備えられるセンサ素子を加熱するためのヒータ121aへの通電を、エンジン始動前から開始させ、更に、エンジン始動後(キースイッチON後)の空燃比センサ121の検出結果を用いた空燃比フィードバック制御を許可する。
尚、診断のためのヒータ121aに通電させる場合には、診断の結果正常であると判定された場合に引き続きヒータ121aへの通電を行わせれば良い。
一方、空燃比センサ121の異常が判定されたときには、ステップS15へ進み、前記ヒータ121aへの通電を禁止すると共に(ヒータ作動禁止手段)、エンジン始動後の空燃比センサ121の検出結果を用いた空燃比フィードバック制御を禁止する(制御禁止手段)。
尚、診断のためのヒータ121aに通電させる場合には、診断の結果異常であると判定された時点でヒータ121aへの通電を遮断させる。
空燃比センサ121の正常時に、エンジン始動前からヒータ121aへの通電を開始させておけば、始動開始前若しくは始動後の早いタイミングで空燃比センサ121の素子温度を活性温度にまで昇温させることができ、エンジン始動後の空燃比フィードバック制御の開始を早めることができる。
更に、空燃比センサ121が正常であることに基づいて、空燃比フィードバック制御を許可するから、実際とは異なる排気空燃比の検出結果に基づいて燃料噴射量が誤ってフィードバック制御されることが回避され、フィードバック制御の開始当初から、目標空燃比に向けた精度の良いフィードバック制御を行わせることができる。
一方、空燃比センサ121の異常が判定されているときには、空燃比センサ121を用いた空燃比フィードバック制御を禁止するから、空燃比フィードバック制御を実行することでかえって空燃比の制御精度を低下させることを未然に防止することができる。
また、上記のように空燃比センサ121の異常のために、空燃比センサ121を用いた空燃比フィードバック制御を禁止する場合には、ヒータ121aによる加熱は不要であるから、エンジン始動前からヒータ121aへの通電を禁止することで、ヒータ121aへの通電による無駄な電力消費を防止することができる。
尚、エンジン始動が事前に予測された時点から作動させるデバイス(以下、エンジン始動デバイスという)として、前記ヒータ121aと他に、リア触媒109のヒータ109a,インジェクタヒータ131a,燃料ポンプ136などを含めることができる。
リア触媒109のヒータ109aをエンジン始動前から作動させておけば、始動直後からリア触媒109における高い浄化性能を発揮させることができる。
インジェクタヒータ131aをエンジン始動前から作動させておけば、エンジン始動時から燃料を良好に霧化させて、着火・燃焼安定性に優れた混合気を形成させることができる。
更に、燃料ポンプ136をエンジン始動前から作動させておくことで、始動時の最初の燃料噴射から要求の燃料圧力の下で燃料噴射を行わせることができ、燃料を良好に微粒化できると共に、燃料の計量精度を高くできる。
そして、空燃比センサ121の異常が診断されたときに、ヒータ121aへの通電のみを禁止させ、他のエンジン始動デバイスについてはエンジンの始動前から作動させるようにすることができる。
また、ヒータ121aを含むエンジン始動デバイスのエンジン始動前からの作動を一切行わず、前記エンジン始動デバイスをエンジン始動に伴って作動させるようにする一方、エンジン始動前の診断で空燃比センサ121が故障していると診断された場合に、エンジン始動後のヒータ121aの作動を禁止する構成とすることができる。
図5のフローチャートは、始動予測・診断処理の第2実施形態を示す。
図5のフローチャートにおいて、ステップS21では、前記ステップS11と同様にして、乗員の乗車若しくは乗車意思を検知することで、エンジンの始動を事前に予測する。
次のステップS22では、前記ステップS12と同様にして、空燃比センサ121の診断を行う。
ステップS23では、空燃比センサ121が正常であると判定されたか否かを判別する。
そして、空燃比センサ121が正常であれば、ステップS24へ進んで、空燃比センサ121の検出結果を用いる空燃比フィードバック制御の実行を許可すると共に、前記ヒータ121a、リア触媒109のヒータ109a,インジェクタヒータ131a,燃料ポンプ136などエンジン始動デバイスを、エンジンの始動前から作動させる。
一方、空燃比センサ121が故障している場合には、ステップS25へ進んで、空燃比センサ121の検出結果を用いる空燃比フィードバック制御の実行を禁止すると共に、前記ヒータ121a、及び、前記空燃比フィードバック制御の実行を前提として有効に働くことになるデバイス(排気対策デバイス)のエンジン始動前及び始動後の作動を禁止し(排気対策デバイス作動禁止手段)、他のエンジン始動デバイスについてはエンジン始動前から作動させる。
前記排気対策デバイスとして、本実施形態では、前記エンジン始動デバイスのうちのリア触媒109のヒータ109aの作動を禁止する。
空燃比センサ121の異常により空燃比フィードバック制御を実行させることができない場合には、リア触媒109が高い転換効率を発揮する排気空燃比に精度良く制御できず、リア触媒109をヒータ109aの加熱によって早期に活性化したとしても、リア触媒109で効果的に排気を浄化することができない。
従って、ヒータ109aによる加熱は、電力を無駄に消費することになってしまうので、空燃比センサ121が故障している場合には、ヒータ121aと共に、排気対策デバイスとしての前記ヒータ109aの作動を禁止する。
尚、エンジン始動前からのエンジン始動デバイスの作動を一切行わずに、空燃比センサ121が故障しているときに、エンジン始動後のヒータ109a及びヒータ109aの作動を禁止することができる。
また、排気対策デバイスを、上記のヒータ109aに限定するものではなく、空燃比フィードバック制御の実行を前提として作動することで、排気性状の改善に寄与するデバイスであれば良い。
ここで、上記実施形態から把握し得る請求項以外の技術的思想について、以下に効果と共に記載する。
(イ)請求項4記載の空燃比センサの診断装置において、
前記所定の排気対策デバイスが、排気浄化触媒を加熱するヒータであることを特徴とする空燃比センサの診断装置。
かかる構成によると、空燃比センサが故障していて空燃比フィードバック制御が行えず、排気浄化触媒が高い転換効率を発揮できない条件下で、ヒータにより無駄に触媒が加熱することを回避できる。
(ロ)請求項1〜5のいずれか1つに記載の空燃比センサの診断装置において、
前記診断手段が、前記空燃比センサのセンサ素子に一定周期の電圧を印加し、そのときの電流の振幅に基づいて前記空燃比センサが正常であるか故障しているかを判定することを特徴とする空燃比センサの診断装置。
かかる構成によると、印加される電圧の周期的な変動に見合う電流変化を示すか否かに基づいて、空燃比センサの異常を断線等の異常を含めて精度良く判定できる。
(ハ)請求項1〜5のいずれか1つに記載の空燃比センサの診断装置において、
前記始動予測手段が、乗員の乗車若しくは乗車意思の検知に基づいてエンジンの始動を事前に予測することを特徴とする空燃比センサの診断装置。
かかる構成によると、乗員が車両に乗り込んだことや、乗車の意思を示す何らか動作、該動作に伴うシステム状態の切り換りなどからエンジンの始動を予測し、エンジンが始動されると予測されたときに、空燃比センサの故障診断を行い、例えば、空燃比センサの検出結果を用いた空燃比フィードバック制御の実行の適否を判断する。
(ニ)請求項1〜5のいずれか1つに記載の空燃比センサの診断装置において、
前記始動予測手段が、乗員の乗車若しくは乗車意思の検知に基づいてエンジンの始動を事前に予測する構成であって、乗員の乗車意思を、乗員の個人認証に基づいて検知することを特徴とする空燃比センサの診断装置。
かかる構成によると、車両に対する乗員(運転者)を特定すべく、乗員が予め登録されている人間であるか否かを、例えば、指紋などによる生体認証、運転免許証などによる所有物認証、更には、パスワードによる知識認証などに基づいて行い、前記予め登録されている人間であると認定されたときに、乗車若しくは乗車意思を検知して、エンジンの始動を予測する。
実施形態における車両用エンジンのシステム図。 実施形態におけるコントロールユニットのシステム図。 エンジン始動予測・診断処理の第1実施形態を示すフローチャート。 実施形態における空燃比センサの診断処理を示すフローチャート。 エンジン始動予測・診断処理の第2実施形態を示すフローチャート。
符号の説明
81…ドアスイッチ、82…個人認証装置、83…着座センサ、84…シートベルトスイッチ、101…エンジン、104…電子制御スロットル、109…リア触媒、109a…ヒータ、114…コントロールユニット、121…空燃比センサ、121a…ヒータ、131…燃料噴射弁、131a…インジェクタヒータ、135…燃料タンク、136…燃料ポンプ、138…燃圧センサ、139…温度センサ

Claims (5)

  1. 内燃機関の空燃比を検出する空燃比センサの診断装置であって、
    前記内燃機関の始動を事前に予測する始動予測手段と、該始動予測手段によって前記内燃機関の始動が予測されたときに、前記空燃比センサの診断を行う診断手段と、を備えたことを特徴とする空燃比センサの診断装置。
  2. 前記診断手段によって前記空燃比センサの異常が判定されたときに、前記空燃比センサの検出結果に基づく空燃比制御を禁止する制御禁止手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の空燃比センサの診断装置。
  3. 前記空燃比センサが素子を加熱するためのヒータを備え、前記診断手段によって前記空燃比センサの異常が判定されたときに、少なくとも前記内燃機関の始動後における前記ヒータの作動を禁止するヒータ作動禁止手段を設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の空燃比センサの診断装置。
  4. 前記診断手段によって前記空燃比センサの異常が判定されたときに、少なくとも前記内燃機関の始動後における所定の排気対策デバイスの作動を禁止する排気対策デバイス作動禁止手段を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の空燃比センサの診断装置。
  5. 前記ヒータ及び/又は所定の排気対策デバイスを、前記始動予測手段によって前記内燃機関の始動が予測されたときから作動させる始動準備手段を備え、
    前記ヒータ作動禁止手段及び/又は排気対策デバイス作動禁止手段が、前記内燃機関の始動後と共に、前記内燃機関の始動が予測されたときから始動されるまでの間においても、前記ヒータ及び/又は所定の排気対策デバイスの作動を禁止することを特徴とする請求項3又は4記載の空燃比センサの診断装置。
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JP2011256841A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Nippon Soken Inc バルブタイミング調整装置

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