JP2007107127A - 再生セルロース繊維からなる繊維構造物 - Google Patents

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賢二 安達
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竹夫 大塚
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Abstract

【課題】既に形成された繊維構造物に対して後加工によって付与するのではなく、繊維素材自体を天然物に由来した成分で構成させて、良好な抗菌効果・防臭(脱臭)効果を有している新規な繊維構造物を提供すること。
【解決手段】茶殻粉末から溶出した溶出成分と該茶殻粉末の非溶解残留物を合計で5〜60重量%含有して形成された再生セルロース繊維からなることを特徴とする繊維構造物。
【選択図】図1

Description

本発明は、繊維構造物に関し、さらに詳しくは、天然物に由来するお茶成分を含有していて、肌に優しくアレルギー体質の方などが衣類等として着用するのに好適で、さらに、良好な抗菌効果・防臭(脱臭)効果を有している繊維構造物に関するものである。
従来、耐久性のある抗菌性能をセルロース系繊維に与えることを目的に、日本茶などの茶葉から抽出した成分をセルロース系繊維上に固定化させて繊維製品を構成することが提案されている(特許文献1)。
しかし、この特許文献1に記載されている提案は、セルロース系繊維製品類を、配位結合能を有する金属塩0.5〜5.0重量%で前処理を行って後、茶葉抽出物のカテキン類を0.1〜5.0重量%含む処理液で処理することにより繊維上に固定化させるというものであり、該前処理条件やカテキン類処理液での処理では、繊維上にカテキン類を十分に強く固定化することが難しく、所期の効果の対洗濯耐久性において劣るという不都合があった。また、一方で、たとえセルロース系繊維製品類に対して強固に固定化できたとしても、後処理で付与する技術の限界として、繊維製品の風合いの悪化や繊維の物理特性の低下などの問題があった。
また、茶樹の生葉または乾燥葉を乾留抽出した、茶葉タンニンを主成分とする茶抽出物、または生葉または乾燥葉を水もしくはアルコールで抽出して得られた、茶葉タンニンを主成分とする茶抽出物を、固結剤と共に繊維に含浸し固定してなる抗菌性繊維製品類が提案されている(特許文献2)。
しかし、この特許文献2の提案になる抗菌性繊維製品類は、綿、麻、羊毛、絹などの天然繊維、あるいは、ポリエステル系、アクリル系、ポリアミド系などの合成繊維によるものなどであってもよく、その繊維種類を選ばないところに一つの利点があるが、固結剤とともに茶抽出物を固定化させるものであるため、風合いが硬くなるという欠点があった。
特開2001−329463号公報 特開平8−296173号公報
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、既に形成された繊維構造物に対して後加工によって付与するのではなく、繊維素材自体を茶葉という天然物に由来した成分で構成させて、良好な抗菌効果・防臭(脱臭)効果を有する新規な繊維構造物を提供することにある。
上述した目的を達成する本発明の繊維構造物は、以下の(1) の構成を有する。
(1)茶殻粉末から溶出した溶出成分と該茶殻粉末の非溶解残留物を合計で5〜60重量%含有して形成された再生セルロース繊維からなる繊維構造物。
請求項1にかかる本発明の繊維構造物によれば、繊維素材自体が天然物に由来した茶殻溶出物を含んだものとして形成され、本発明で所期のねらいとする、アレルギー体質の方たちが衣類などとして着用もしくは使用するのに好適で、かつ、優れた抗菌・防臭(脱臭)効果を半永久的に良好に維持することができる繊維構造物が提供されるものである。
以下、更に詳しく本発明の繊維構造物について、説明をする。
本発明の繊維構造物は、茶殻(お茶の出し殻)粉末から溶出した溶出成分と該茶殻粉末の非溶解残留物を合計で5〜60重量%含有して形成されている再生セルロース繊維からなることを特徴とするものである。
本発明において、茶殻粉末とは、お茶を出した後の茶葉を乾燥した後に、ボールミル装置あるいは振動ミル装置などを用いて微細な粉末状に粉砕して得られたものをいう。ここで、微細化する程度は、平均で、粒径が7μm以下、好ましくは5μm以下、最も好ましくは3μm以下とすることが良い。特に、製糸性を良くする観点から、本発明者等の知見によれば、平均で0.5〜3μmの範囲内である微細な茶殻粉末を用いるのが良いものである。
微細な茶殻粉末を、その粒径に関してバラツキなく得るには、適宜のボールミル装置あるいは振動ミル装置などを用いて粉末状にした茶殻粉末を、例えば、5〜10%苛性ソーダ水溶液などに分散させた分散液にして、孔径が、例えば7μm、5μm、3μmあるいは1μmなどの濾過布を用いて濾過し、茶殻粉末の径を調整することができ、そのような適宜孔径のフィルター材とボールミル装置あるいは振動ミル装置等の粉砕装置を組合せ用いることによって所望の粒径の茶殻粉末を得ればよい。
なお、本発明において、茶殻粉末の粒径とは、該粉末が真球状ではないので、該粉末の最大長径部の長さを言うものであり、上述した濾過布の孔径と対応している値である。
図1は、本発明の繊維構造物を構成する再生セルロース繊維の単繊維の側面を顕微鏡で拡大して撮影した写真をトレースした側面概略図であり、1は本発明にかかる再生セルロース繊維であり、該再生セルロース繊維は、繊維全体にわたり、お茶のような薄い緑色もしくはさらにアルカリ等により変色して該薄い緑色から変色した薄い茶色などを呈しているものであり、茶殻粉末から溶出した溶出成分が繊維の全体にわたり行き渡って、繊維を構成していることがわかる。2は、茶殻粉末が完全に溶解されることなく、固体物として残留している非溶解残留物であり、このような残留物は、該粉末が溶出することのできる成分を溶出させた後、一般に、もとの粉末の径をほぼ維持しつつ再生セルロース繊維中に存在しているものである。
本発明にかかる再生セルロース繊維は、一般の再生セルロース繊維の製造プロセスにおける、セルロースの溶解工程において、該セルロースの溶解とともに茶殻粉末を溶解させてかつ溶出成分を溶出させて、それ以降は、その再生セルロース繊維を製造するプロセスどおりに製糸して、本発明にかかる再生セルロース繊維を製造することができる。
茶殻粉末を溶解させてかつ溶出成分を溶出させるに際しては、茶殻を乾燥させ、該乾燥した茶殻を食品粉末製造などに一般的に使用されるボールミル装置あるいは振動ミル装置等を用いて微細な粉末状態に加工し、該粉末を、例えば、5〜10%苛性ソーダ水溶液などに良く攪拌して、該攪拌液をセルロースの溶解プロセス〜紡糸プロセスの間において投入して、該再生セルロース繊維の製造工程に乗せて行うようにする。
本発明の再生セルロース繊維においては、用いられる茶葉は、いわゆるお茶を出し終えた茶殻を用いることが肝要であり、お茶に含まれていて、抗菌・防臭効果の発現に寄与する成分のうち、フラバノール(カテキン)類、その中でも、特に、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンなどは、茶殻になった以降も含有率は減少していても、依然として含有されているものであるから抗菌防臭効果を発揮し得るのである。むしろ、茶殻を使用することは、原料としての期待性能の安定化や低コスト化、安定供給の上で好都合なものであり、また、本発明によれば、投入する茶殻粉末の全量が、溶出成分となるか非溶解残留物になるかのいずれかになって再生セルロース繊維中に含有されることになるので、フラバノール(カテキン)類の含有率自体は減少していても、お茶成分の本来の含有効果を高い効果で該再生セルロース繊維にもたらしめ得るのである。
本発明においては、該フラバノール(カテキン)類が良好な抗菌効果をもたらし、その結果、菌の発生が抑制されることに基づいて、防臭(脱臭)効果が、再生セルロース繊維さらに該繊維からなる繊維構造物にもたらされるものである。
再生セルロース繊維における、茶殻粉末から溶出した溶出成分と該茶殻粉末の非溶解残留物は、その合計量で、該再生セルロース繊維の全体重量中、5〜60重量%の範囲内で含有させることが重要である。
該含有量は、再生セルロース繊維製造プロセスへの原料茶殻粉末の投入量に対応する。5重量%未満のときには、本発明の所期の効果たる抗菌・防臭効果を良好に得ることは難しく、また、60重量%よりも大きいときは再生セルロース繊維としての強度等の物理的特性に劣り望ましくない。該含有量の好ましい範囲は5〜55重量%の範囲内であり、より高い抗菌・防臭効果を得るには、該範囲内でより高めの含有量を採用すればよいものである。ただし、繊維強度などの物性とのバランスもあので、より好適な範囲は一般に5〜35重量%である。
本発明者らの知見によれば、本発明の再生セルロース繊維を製造するのに用いられる茶殻粉末は、食品粉末の製造に用いられるボールミル装置あるいは振動ミル装置を使用して製造することが好ましい。振動ミル装置とは、ボール(粉砕媒体)を充填した粉砕筒を高速円振動させて、特に短時間で微粉砕を行うようにした装置をいう。
なお、ただし、一般に食品粉末の製造で使用されるアルミナ製ボールよりも、鉄(鋼)製ボールを使用して粉末状態にするのがよい。鉄(鋼)製ボールを使用して粉砕することにより、茶殻粉末の色がアルミナボールを使用した場合の色よりも明るさが低くなり、その色合いが、本発明にかかる再生セルロース繊維やその繊維構造物に、天然調の落ち着いた感じの外観色調を与えることができるので一般に好ましい。そのような鉄(鋼)製ボールとしては、SUSボール(ステンレスボール)、カーボン鋼球(炭素鋼球)などがある。
茶殻粉末の径(直径)は、セルロース繊維の製造プロセスに投入される前の段階で、その分布が0.5μm〜7μmの範囲内に平均値が入るように分布しているものを用いることが好ましい。該分布を得るには、粉砕段階では、ボールミルで使用するボール直径、ボール材質、ボールミル装置あるいは振動ミル装置の稼働時間等の各条件を組合わせること、更に、前述した適宜の孔径を持つフィルター材を用いて粒径の大きいものを除外することにより達成することができる。
茶殻粉末の径を、その観測値の全サンプルデータ数について、該観測値の小さいもの、または大きいものから順に並び替えたときの中央の値を中央値(メディアン)と言うが、茶殻粉末の径の該中央値は3μm以下の範囲内に入る茶殻粉末を用いるのが好ましい。これは、茶殻粉末が完全に溶解されずに、固体物として残留しているケースが多いが、該残留状態での粒径で3μm以下という小さな残留物となるので、繊維の物理特性に与える影響が一般に小さいからである。
本発明において、再生セルロース繊維を製造するに際しては、従来から再生セルロース繊維の製造方法として知られている、銅アンモニア法、あるいはビスコース法のいずれを採用してもよい。
いずれもセルロースの溶解に5〜10%苛性ソーダなどのアルカリ処理液を使用し、該苛性ソーダなどのアルカリ水溶液に茶殻粉末も溶解や溶出成分の溶出をするからである。
セルロース原料としては、コットンリンタおよびリンターパルプ、木材、草本類の植物から採取される繊維(綿、麻、ケナフ等)、布団綿、麻・綿糸の糸、織物、キュプラ・レーヨン糸などの再生セルロース繊維を含む糸、織物、製品を含む物、おから、豆等の食品およびその廃棄物パルプから作られた資材、紐などを使用することができる。セルロースとしては、種々のものが使用できるが、例えば、平均重合度が500〜2500程度のものが好適である。
以下に、銅アンモニア法の場合を例にとって、具体的に説明をする。
まず、茶殻粉末原料とセルロース原料を銅アンモニア水溶液へ添加するが、該添加は、同時に行ってもよくあるいは順次に行ってもよい。順次に行う場合、セルロースを先に溶解させると粘性溶液となるので、茶殻粉末から先に添加することが好ましい。
これらの原料を添加し攪拌し、冷蔵放置することにより粘性溶液となった茶殻粉末含有セルロース原液となる。
そして、この茶殻粉末を含有させたセルロース原液に、架橋剤を添加してもよい。架橋剤としては、セルロースと茶殻粉末有効成分を架橋させるもの、茶殻粉末有効成分相互を架橋させるもの、セルロース相互を架橋させるもののいずれでもよく、また、この3つのうちの2つの架橋を行うもの、3つのすべての架橋を行うものであってもよい。
かかる代表的な架橋剤としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジクリシジルエーテル等のジエポキシ類、エピクロルヒドリン、ヘキサメチレンビス(3−クロル−2−ヒドロキシプロピルジメチルアンモニウムクロリド)等の化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタン4,4’−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、トリアジン環を有する化合物、ジカルボン酸ハロゲン化物、カルボン酸無水物等がある。中では、少なくとも、セルロースと茶殻粉末有効成分を架橋させる架橋剤を用いることが好ましく、このような架橋剤を用いることにより、再生物において骨格となるセルロースからの茶殻粉末有効成分の離脱が極めて少ないものとなる。
また、セルロース原液を作製する工程は、還元剤を添加した茶殻粉末溶解能を有する溶媒に茶殻粉末原料を添加し溶解させたもの、および、セルロース溶解能を有する溶媒にセルロース原料を添加し溶解させたものを準備し、両者を混合することにより行われるものであってもよい。
還元剤を添加した茶殻粉末溶解能を有する溶媒における還元剤としては、上述した還元剤を用いることができる。
茶殻粉末含有セルロース原液における茶殻粉末の濃度としては、製造せんとする再生セルロース繊維の全体量に対して5〜60重量%程度となる濃度とする。セルロース濃度としては、アンモニア量に対して4%前後が好ましい。
また、還元剤のセルロース原液への添加濃度としては、2〜6重量%程度が好適である。架橋剤を用いる場合のセルロース原液への添加濃度としては、1〜8重量%程度が好適である。
そして、紡糸原液である茶殻粉末含有セルロース原液(アンモニア量に対して)におけるセルロース濃度は、3%〜5%がより好ましく、特に好ましくは3.5〜4.0%である。また、茶殻粉末含有セルロース原液の粘度は、250〜1,300mMP・s(20℃)が好ましく、特に好ましくは800〜1,200mMP・sである。ここで、紡糸原液のセルロース濃度として3%よりも低いと得られる糸は、機械的強度が小さくなることがある。
また、セルロース濃度が6%よりも高くなると糸の強度は増加するが、その反面粘度が上昇して取り扱いが困難となるばかりでなく、紡糸時に振動が生じたり、切糸したりして紡糸が困難となる。
そして、上記のように準備した茶殻粉末含有セルロース原液を用いて、紡糸工程を行う。紡糸工程としては、いわゆる湿式紡糸法が好適である。
銅アンモニア法を用いた湿式紡糸法では、吐出させた茶殻粉末含有セルロース原液(以下、「紡糸原液」)を凝固性浴中を通過させる凝固・再生工程と、水洗を行なう水洗工程と、酸水溶液で処理する酸処理工程(脱銅処理工程)と、再水洗工程と、延伸・乾燥工程と、乾燥された繊維を巻き取る巻取工程が行われる。その後、必要に応じて、架橋剤の架橋反応をさせるための熱処理工程を入れる。
凝固・再生工程における凝固性液としては、アルコール類、アルカリ水溶液および水が使用される。また、非凝固性液は、メタノール、エタノール、プロパノール、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化アンモニウム、水等が好適である。特に、扱いが簡単な水が良い。酸処理工程(脱銅処理工程)における酸としては、無機酸が使用される。具体的には、濃度5%程度の硫酸が好適である。
紡糸方法としては、紡糸原液を空気中に吐出させ自重により落下させて凝固性液槽に突入させるいわゆる空中落下法、紡糸原液を非凝固性液槽に吐出させた後、浮上させて凝固性液槽に突入させるいわゆる浮上紡糸方法などいずれの方法でもよい。
本発明の再生セルロース繊維は、銅アンモニア法によるものであっても、あるいは、ビスコース法によるものであっても、その繊度(単繊維鮮度)は2.2〜5.5デシテックスであること、強度は0.9〜2.5cN/dtexであることが好ましく、より好ましくは、1.5〜2.5cN/dtexである。特に、一般の衣料などに用いられる繊維として該範囲内にあることが好適なのである。
断面形状は、通常の再生セルロース繊維の場合と同様のものであり、一般的には非円形のものである。
上述した再生セルロース繊維は、長繊維(いわゆる連続糸あるいはフィラメント糸とも呼ばれるもの)であってもよく、あるいは短繊維(ステープル)であってもよい。
それら繊維は、それぞれ、綿状、糸、紡績糸、撚糸、縫糸、織物、編物、不織布、網状物(ネット状物)などの繊維構造物を構成して、外衣、インナーウエアなどの一般の衣料用途、乳幼児用の衣料用途、お年寄りの衣料用途、病院や医療関係の衣料用途、各種アレルギー体質の方等の一般衣料用途として使用されたり、あるいは、布団綿、布団側地、布団カバー、枕カバー、寝間着などの寝装用途に使用されたり、あるいは、カーテン、カーペット地、壁張り地などの建装用途などに好適に使用することができる。
また、産業資材用途として、自動車、列車、飛行機および船舶などの座席シート、シートカバーや、内装材などに好適に使用することができる。
本発明の繊維構造物は、良好な抗菌効果と防臭(脱臭)効果を有することから、上記した、乳幼児やお年寄りの衣料用途、病院や医療関係の衣料用途、寝装用途、建装用途および産業資材用途などで、特に優れた効果と特徴を発揮する。
本発明において、繊維構造物とは、上記した綿、各種の糸や、織物、編物などの繊維の2次加工品のほか、さらに衣料、布団側地などの高次加工品(最終商品)をも含んでそれらを総称するものをいう。
本発明にかかる繊維構造体は、その100%が本発明にかかる再生セルロース繊維で構成されている必要はなく、少なくともその一部を構成する繊維として本発明にかかる再生セルロース繊維が用いられていればよいものである。
すなわち、上述した再生セルロース繊維を一部の構成繊維として使用して形成されている、混合綿、混紡糸、混繊糸、交撚糸、複合糸、交織織物、交編編物、混繊不織布なども本発明の繊維構造物に含まれるものであり、更に、それらを全部あるいは一部に用いている繊維高次加工製品も本発明の繊維高次加工品に含まれうるものである。
特に、本発明にかかる上述した再生セルロース繊維と、他の繊維との複数繊維種の混合からなるものも本発明の繊維構造物を好適に構成することができるものであり、例えば、該再生セルロース繊維の短繊維(ステープル繊維)と、ポリエステル短繊維もしくは長繊維あるいはナイロン短繊維もしくは長繊維などの合成繊維の長繊維・短繊維との混紡紡績糸、さらには該混紡紡績糸から形成された繊維製品などは、再生セルロース繊維の低強度などのマイナス面を補うこともでき現実的に好ましいものである。。
以下、実施例に基づいて本発明について説明する。
実施例1
濃度10%のアンモニア液に、還元剤(亜硫酸ナトリウム)と水酸化銅を添加した溶液に、茶殻原料粉末として緑茶茶殻粉末、セルロース原料として脱脂綿を添加し、冷暗所で放置して後、粘調な液になったところで、ガラスフィルターを通して紡糸原液とした。
茶殻原料粉末は、緑茶茶殻を乾燥した後、直径1/4インチのステンレス鋼製ボール240kgを充填率80%で充填した振動ミル装置に投入して、振動数1200cpm、振幅8.5mmで、10時間運転して、茶殻原料粉末を得た。該茶殻原料粉末はその平均粒径、中央値がともに3μmと判断できるものであった。
紡糸原液を調整する際の添加量割合いは、濃度10%のアンモニア液10リットルに対して、還元剤(亜硫酸ナトリウム)300g、水酸化銅300g、緑茶茶殻粉末100g、脱脂綿400gの割合とした。
茶殻粉末含有セルロース原液(紡糸原液)における茶殻粉末成分の濃度は0.9重量%であり、セルロース濃度は3.6重量%であり、茶殻粉末添加量とセルロース添加量の比は、茶殻粉末添加量:セルロース添加量=1:4(20%茶殻濃度)であった。
こうして準備した茶殻粉末含有セルロース原液を用いて、簡易湿式紡糸装置を用いた空中落下法により、茶殻粉末含有セルロース再生繊維約20kgを作製した。
簡易紡糸装置としては、原液吐出機と、この原液吐出機より吐出される紡糸原液の下方に凝固性液槽と、凝固性液槽により凝固され、引き上げられた繊維が浸入する第1の洗浄槽と、第1の洗浄を通過した繊維が進入する酸処理槽と、酸処理槽を通過した繊維が進入する第2の洗浄槽と、洗浄槽より引き上げられた繊維を乾燥後に巻き取る巻取り機を備えているものを用いた。凝固性液としては、3N水酸化ナトリウム水溶液を用い、酸処理槽の酸としては5%硫酸を用い、洗浄液としては水を用いた。
このようにして、セルロースと茶殻粉末の総重量量に対する茶殻粉末初期含有量が20%である茶殻粉末含有再生セルロース繊維を得た。
こうして得られた茶殻粉末含有再生セルロース繊維は、単繊維繊度が3.3dtexであり、強度が2.0cN/dtexであった。
この茶殻含有再生セルロース繊維を、繊維長さ51mmにカットして短繊維を作製し、茶殻粉末含有再生セルロース繊維からなる原綿20kgを得た。
この原綿の一部を使い、抗菌防臭効果の確認試験を行った。
その試験方法と結果を、以下の(1)、(2)に示す。これら試験結果から、本発明にかかる茶殻粉末含有再生セルロース繊維は、抗菌・防臭効果について合格であるとの評価を受けた。
(1)防臭効果の確認試験
容量5リットルのテドラーバッグに茶殻粉末含有再生セルロース繊維試料3gを入れて、該バッグ内に、アンモニア濃度を所定濃度(40ppm)に調整した測定対象ガス(アンモニアガス)を3リットル注入した。
その注入から2時間経過後と24時間経過後のそれぞれの時点でのアンモニアガス濃度を検知管によって測定した。使用検知管は(株)ガステック社製のNo.3L、No.3Laである。
この結果、バッグ内に本発明にかかる茶殻粉末含有再生セルロース繊維試料を入れたものでは、アンモニアガス濃度が、2時間経過後と24時間経過後のいずれも0.2ppm未満であったのに対し、バッグ内に何も入れなかったものは、2時間経過後でアンモニアガス濃度34ppm、24時間経過後で25ppmであった。
この結果からわかるように、本発明にかかる茶殻粉末含有再生セルロース繊維の繊維構造体は、顕著なアンモニアガスの除去効果を有するものであり、優れたアンモニア臭の防臭(脱臭)効果を有することがわかる。
(2)抗菌効果の確認試験
JIS L 1902の「菌液吸収法」に準じて、所定の試験菌懸濁液を使用して、静菌活性値と、殺菌活性値を測定した。供試菌は、黄色ぶどう球菌(staphylococcus aureus ATCC 6538P)であり、菌液は界面活性剤(Tween80)を添加した試験菌懸濁液を用いて接種させた。
本発明にかかる茶殻粉末含有再生セルロース繊維試料は、原綿の状態で試験に供した。
この結果、本発明にかかる茶殻粉末含有再生セルロース繊維試料は、生菌数が600未満であるのに対して、綿標準白布では、接種直後で1.9×104 であり、18時間後では1.1×107 であった。
また、本発明にかかる茶殻粉末含有再生セルロース繊維試料は、静菌活性値が4.3よりも大きく、殺菌活性値は1.5よりも大きいものであった。この静菌活性値と殺菌活性値については、綿標準白布では、接種直後、接種18時間後のいずれも値を求めることができなかった。
(3)各種繊維製品での評価
上述した本発明にかかる茶殻粉末含有再生セルロース繊維を用いて、紡績糸を作製し、この糸を用いて平織物等に加工し、一般衣類としてのシャツ、ブラウス、インナーを製作した。この評価は、肌に優しい感じを受け、防臭効果があるため衛生的な良好な着用感を受けることができるという評価であった。
また、枕カバー、布団カバーを作った。この評価は肌に優しい感じを受け、防臭効果があるために衛生的な使用感があり、またリラックス感があり良好な使用感覚であるという評価であった。
また、カーテン地と壁紙地を作り、実際に家屋内の部屋に用いて評価した。この評価は、良好な防臭効果があり、また、天然系素材が使用されていることからリラックスした良好な精神安定化効果を受けるという評価であった。特に、アレルギー体質の方にも問題の発生は確認されなかった。
また、カーシートと車輌内装材を、本発明にかかる茶殻粉末含有再生セルロース繊維織物で作り評価した。この評価は、良好な抗菌・防臭効果があり、また、天然系素材が使用されていることからか、リラックスした良好な精神安定化効果を受けるという評価であった。
図1は、本発明の繊維構造物を構成する再生セルロース繊維の単繊維の側面を顕微鏡で拡大して撮影した写真をトレースした概略図である。
符号の説明
1:本発明にかかる再生セルロース繊維
2:茶殻粉末が完全に溶解されることなく、固体物として残留している非溶解残留物

Claims (12)

  1. 茶殻粉末から溶出した溶出成分と該茶殻粉末の非溶解残留物を合計で5〜60重量%含有して形成された再生セルロース繊維からなることを特徴とする繊維構造物。
  2. 再生セルロース繊維における、茶殻粉末から溶出した溶出成分と該茶殻粉末の非溶解残留物の合計含有量が、5〜55重量%である請求項1記載の繊維構造物。
  3. 再生セルロース繊維における、茶殻粉末から溶出した溶出成分と該茶殻粉末の非溶解残留物の合計含有量が、5〜35重量%である請求項1記載の繊維構造物。
  4. 茶殻粉末が、鉄ボールを使用したボールミル装置あるいは振動ミル装置で茶殻葉を粉砕して得られたものであることを特徴とする請求項1、2または3記載の繊維構造物。
  5. 茶殻粉末の非溶解残留物が、粒径3μm以下のものを含んでいることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の繊維構造物。
  6. 前記再生セルロース繊維が、その繊度が2.2〜5.5dtex、強度が0.9〜2.5cN/dtexであることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の繊維構造物。
  7. 再生セルロース繊維が、短繊維であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の繊維構造物。
  8. 再生セルロース繊維が、長繊維であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の繊維構造物。
  9. 衣料用途で使用されるものであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の繊維構造物。
  10. 寝装用途で使用されるものであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の繊維構造物。
  11. 建装用途で使用されるものであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の繊維構造物。
  12. 産業資材用途で使用されるものであることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の繊維構造物。
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