JP2007106706A - 光学活性アミノアルコール類の製造方法 - Google Patents

光学活性アミノアルコール類の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】医薬、農薬等の中間体等として有用な、4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類を収率よく、特に光学純度の高い光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類を収率よく、しかも作業性よく製造できる方法を提供する。
【解決手段】4−アミノ−2−オキソブテン酸類又はその塩を還元反応させることを特徴とする4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、医薬又は農薬等の中間体等として有用な、4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類、特に光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類の製造方法に関する。
光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類の製造方法は、例えば非特許文献1には、2−オキソ酪酸類を、酵母を用いて還元反応を行うことが記載されている。また、非特許文献2には、酵素を用いて2−オキソブタン酸類の還元反応を行うことが記載されている。
しかしながら、非特許文献1及び2に記載の方法は、2−オキソ酪酸類の高希釈条件下での反応であり、工業化には経済的観点から不向きであるという問題を有していた。また、非特許文献1に記載の方法では、過剰量のイースト菌及び糖が必要であり、コストがかかる等の問題を有していた。
また、特許文献1には、不斉水素化反応による光学活性アミノアルコールの製造方法が記載されている。しかしながら、特許文献1に記載の方法は、不斉水素化反応させる基質がケトアルケン類であり、4−アミノ−2−オキソブテン酸類の還元反応については記載されてない。
特開2004−155770号公報 バイオカタリシス(Biocatalysis)、1992年、第5巻、p.195−201 ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサエティー・ケミカル・コミュニケーション(J.Chem.Soc.Chem.Commun.)、1995年,p.231−232
本発明は上記状況に鑑みなされたものであり、収率がよく、しかも作業性のよい4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類、特に光学純度の高い光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、4−アミノ−2−オキソブテン酸類又はその塩を還元反応に付すことにより、容易に且つ高収率で所望の4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類、特に光学純度の高い光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下の通りである。
[1]4−アミノ−2−オキソブテン酸類又はその塩を還元反応に付すことを特徴とする4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩の製造方法、
[2]還元反応が不斉還元反応であり、製造される4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩が光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩であることを特徴とする前記[1]に記載の製造方法、
[3]4−アミノ−2−オキソブテン酸類が一般式(2)
Figure 2007106706
(式中、R1は(i)置換されていてもよい水酸基、(ii)置換されていてもよいメルカプト基又は(iii)置換されていてもよいアミノ基を示し、R2及びR3は夫々独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、R4及びR5は夫々独立して、水素原子又は保護基を示す。但し、R1とR2、R2とR3、R2とR5又はR4とR5とが結合して環を形成してもよく、二重結合はシス又はトランスである。)で表される4−アミノ−2−オキソブテン酸類であり、得られる光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類が一般式(1)
Figure 2007106706
(式中、*は不斉炭素を示し、R1〜R5は前記と同意義である。但し、R2が水素原子であるときはR2が結合している炭素原子は不斉炭素とはならず、またR3が水素原子であるときはR3が結合している炭素原子は不斉炭素とはならない。)で表される光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類であることを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の製造方法、
[4]R1で示される置換されていてもよい水酸基が、−OR1a(式中、R1aは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示す。)で表される基であることを特徴とする前記[3]に記載の製造方法、
[5]R1で示される置換されていてもよいメルカプト基が、−SR1b(式中、R1bは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示す。)で表される基であることを特徴とする前記[3]に記載の製造方法、
[6]還元反応を不斉触媒の存在下で行うことを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の製造方法、
[7]不斉触媒が、遷移金属錯体である、前記[6]に記載の製造方法、
[8]還元反応により生成した4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩を溶媒中で晶析させ、取得することを特徴とする前記[1]〜[7]の何れかに記載の製造方法、
[9]溶媒が、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、アルコール類及び水から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする前記[8]に記載の製造方法、
[10]4−アミノ−2−オキソブテン酸類又はその塩を不斉触媒の存在下に還元し、還元反応により生成した光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩を溶媒中で晶析させることを特徴とする光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩の製造方法、
[11]溶媒が、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、アルコール類、ケトン類、エステル類及び水から選ばれる少なくとも1種である、前記[10]に記載の光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩の製造方法、及び
[12]4−アミノ−2−オキソブテン酸類又はその塩を不斉触媒の存在下に還元し、還元反応により生成した光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩を溶媒中で晶析させることを特徴とする光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩の光学純度を向上させる方法、
に関する。
本発明によれば、基質として用いる4−アミノ−2−オキソブテン酸類のカルボニル基部分、及び炭素−炭素二重結合部分の両方を1工程で不斉還元反応(水素化反応)が行われ得るため、4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類の製造に対する作業性が向上し、経済的にも有用である。また、本発明の製造方法によれば、所望の4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類、特に光学純度の高い光学活性4−アミノ−3−ヒドロキシ酪酸類又はその塩が高収率で得られる、という効果を奏する。
本発明で用いられる4−アミノ−2−オキソブテン酸類又はその塩は、4−アミノ−2−オキソブテン酸類及び4−アミノ−2−オキソブテン酸類の塩であり(以下、これらを総称して、単に「4−アミノ−2−オキソブテン酸類」ということもある。)、その2位のカルボニル基に隣る1位の位置に置換基を有していてもよい炭化水素基や置換基を有していてもよい複素環基以外の基を有しているオキソブテン酸類であればよく、好ましくは例えば下記一般式(2)
Figure 2007106706
(式中、R1は(i)置換されていてもよい水酸基、(ii)置換されていてもよいメルカプト基又は(iii)置換されていてもよいアミノ基を示し、R2及びR3は夫々独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、R4及びR5は夫々独立して、水素原子又は保護基を示し、R4及びR5は夫々独立して、水素原子又は保護基を示す。但し、R1とR2、R2とR3、R2とR5又はR4とR5とが結合して環を形成してもよく、二重結合はシス又はトランスである。)で表される4−アミノ−2−オキソブテン酸類又はその塩等が挙げられる。
一般式(1)及び(2)において、R1で示される置換されていてもよい水酸基は、例えば、−OR1aで表される基である。ここにおいて、R1aは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示す。
1aで示される置換基を有していてもよい炭化水素基としては、炭化水素基及び置換炭化水素基が挙げられる。炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アリール基又はアラルキル基等が挙げられる。
アルキル基としては、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状アルキル基が好ましい。アルキル基の具体例としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、1−メチルプロピル、2−メチルプロピル、tert−ブチル、n−ペンチル、1−メチルブチル、1−エチルプロピル、tert−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、2,2−ジメチルプロピル、n−ヘキシル、1−メチルペンチル、1−エチルブチル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、2−メチルペンタン−3−イル、3,3−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、1−エチルブチル、2−エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ノナデシル、イコシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル等が挙げられる。アルキル基は、中でも炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基が更に好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がとりわけ好ましい。
アリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル、インデニル、ペンタレニル、ナフチル、アズレニル、フルオレニル、フェナントレニル、アントラセニル、アセナフチレニル、ビフェニレニル、ナフタセニル又はピレニル等が挙げられる。アリール基は、中でも炭素数6〜14のアリール基がより好ましい。
アラルキル基としては、炭素数7〜20のアラルキル基が好ましい。該アラルキル基の具体例としては、ベンジル、フェネチル、1−フェニルプロピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピル、1−フェニルブチル、2−フェニルブチル、3−フェニルブチル、4−フェニルブチル、1−フェニルペンチルブチル、2−フェニルペンチルブチル、3−フェニルペンチルブチル、4−フェニルペンチルブチル、5−フェニルペンチルブチル、1−フェニルヘキシルブチル、2−フェニルヘキシルブチル、3−フェニルヘキシルブチル、4−フェニルヘキシルブチル、5−フェニルヘキシルブチル、6−フェニルヘキシルブチル、1−フェニルヘプチル、1−フェニルオクチル、1−フェニルノニル、1−フェニルデシル、1−フェニルウンデシル、1−フェニルドデシル、1−フェニルトリデシル又は1−フェニルテトラデシル等が挙げられる。アラルキル基は、中でも炭素数7〜12のアラルキル基がより好ましい。
1aで示される「炭化水素基」が有してもよい置換基は後記する置換基が挙げられる。置換炭化水素基の好ましい具体例としては、例えばトリフルオロメチル、メトキシメチル等の置換アルキル基、トリル(例えば4−メチルフェニル)、キシリル(例えば3,5−ジメチルフェニル)、4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル又は4−メトキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル等の置換アリール基又は置換アラルキル基等が挙げられる。
1aで示される置換基を有していてもよい複素環基としては、複素環基及び置換複素環基が挙げられる。複素環基としては、脂肪族複素環基及び芳香族複素環基が挙げられる。
脂肪族複素環基としては、例えば、炭素数2〜14で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の例えば窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子等のヘテロ原子を含んでいる、3〜8員、好ましくは5又は6員の単環、多環又は縮合環の脂肪族複素環基が挙げられる。脂肪族複素環基の具体例としては、例えば、ピロリジル−2−オン基、ピペリジル基、ピペリジノ基、ピペラジニル基、モルホリノ基、モルホリニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロピラニル基、チオラニル基又はスクシンイミジル基等が挙げられる。
芳香族複素環基としては、例えば、炭素数2〜15で、異種原子として少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子等の異種原子を含んでいる、3〜8員、好ましくは5又は6員の単環式、多環式又は縮合環式の複素環基が挙げられ、その具体例としては、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、1,2,3−オキサジアゾリル、1,2,4−オキサジアゾリル、1,3,4−オキサジアゾリル、フラザニル、1,2,3−チアジアゾリル、1,2,4−チアジアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,2,4−トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、トリアジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾ〔b〕チエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾピラニル、1,2−ベンゾイソチアゾリル、1H−ベンゾトリアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、プリニル、ブテリジニル、カルバゾリル、α−カルボリニル、β−カルボリニル、γ−カルボリニル、アクリジニル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、フェナジニル、フェノキサチイニル、チアントレニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、インドリジニル、ピロロ〔1,2−b〕ピリダジニル、ピラゾロ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,5−a〕ピリジル、イミダゾ〔1,2−b〕ピリダジニル、イミダゾ〔1,2−a〕ピリミジニル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−a〕ピリジル、1,2,4−トリアゾロ〔4,3−b〕ピリダジニル、ベンゾ〔1,2,5〕チアジアゾリル、ベンゾ〔1,2,5〕オキサジアゾリル又はフタルイミノ基等が挙げられる。
1aで示される「複素環基」が有していてもよい置換基としては、後記する置換基が挙げられる。
1で示される置換されていてもよいメルカプト基としては、例えば、−SR1bで表される基である。ここにおいて、R1bは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示す。R1bで示される炭化水素基は、R1aで示される炭化水素基と同意義である。R1bで示される複素環基は、R1aで示される複素環基と同意義である。R1bで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」又は「置換基を有していてもよい複素環基」における置換基としては、後記する置換基が挙げられる。
1で示される置換されていてもよいアミノ基としては、アミノ基又はアミノ基の1個又は2個の水素原子がアミノ保護基等の置換基で置換された鎖状又は環状のアミノ基が挙げられる。前記アミノ保護基は、通常、アミノ保護基として用いられているものであれば何れも使用可能であり、例えば「PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS THIRD EDITION[JOHN WILEY & SONS INC.(1999)]にアミノ保護基として記載されている基等が好ましく挙げられる。アミノ保護基の具体例としては、例えば、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基又は置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
上記アミノ保護基における「置換基を有していてもよい炭化水素基」は、上記で説明した置換基を有していてもよい炭化水素基と同意義であってよい。
上記アミノ保護基における置換基を有していてもよいアシル基は、アシル基及び置換アシル基が挙げられる。アシル基としては、例えば、カルボン酸、スルホン酸、スルフィン酸、ホスフィン酸又はホスホン酸等の酸由来の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアシル基が挙げられ、カルボン酸又はスルホン酸等の酸由来のアシル基が好ましい。
カルボン酸由来のアシル基としては、脂肪族カルボン酸又は芳香族カルボン酸等のカルボン酸由来のアシル基が挙げられ、例えば−CORa[式中、Raは水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基等を示す。]で表される。Raで示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」及び「置換基を有していてもよい複素環基」は、前記アミノ保護基における置換基を有していてもよい炭化水素基および置換基を有していてもよい複素環基と同意義である。
カルボン酸由来のアシル基の好ましい具体例としては、ホルミル基、カルボキシ基、カルバモイル基、アルキルカルボニル基(例えば、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ピバロイル、ペンタノイル、ヘキサノイル、ラウロイル、ステアロイル等)、シクロアルキルカルボニル基(例えば、シクロプロピルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル等)、アリール−カルボニル基(例えば、ベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイル等)、アラルキルカルボニル基(例えば、フェニルアセチル、フェニルプロピオニル等)などが挙げられる。前記アシル基は、中でも炭素数1〜18のアシル基が好ましく、炭素数1〜6のアシル基がより好ましい。
スルホン酸由来のアシル基としては、スルホニル基が挙げられる。スルホニル基としては、例えばRb−SO2−[Rbは、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示す。]で表される置換スルホニル基が挙げられる。スルホニル基の具体例としては、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニル、プロパンスルホニル、ペンタンスルホニル、ヘプタンスルホニル、ノナンスルホニル、ウンデカンスルホニル、トリデカンスルホニル、ペンタデカンスルホニル、ヘプタデカンスルホニル、ノナデカンスルホニル等)又はアリールスルホニル基(例えば、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル、1−ナフチルスルホニル、2−ナフチルスルホニル等)などが挙げられる。
「置換基を有していてもよいアシル基」における置換基としては、後記する置換基等が挙げられる。
上記アミノ保護基における置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基は、アルコキシカルボニル基及び置換アルコキシカルボニル基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基としては、直鎖状でも分岐状でも或いは環状でもよい、例えば炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が挙げられ、その具体例としてメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、2−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、ラウリルオキシカルボニル基、ステアリルオキシカルボニル基又はシクロヘキシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換アルコキシカルボニル基(置換基を有するアルコキシカルボニル基)としては、前記アルコキシカルボニル基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアルコキシカルボニル基が挙げられる。該置換基としては、後記する置換基が挙げられる。
上記アミノ保護基における置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基は、アリールオキシカルボニル基及び置換アリールオキシカルボニル基が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基としては、例えば炭素数7〜20のアリールオキシカルボニル基が挙げられ、その具体例としてフェノキシカルボニル基又はナフチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換アリールオキシカルボニル基(置換基を有するアリールオキシカルボニル基)としては、前記アリールオキシカルボニル基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアリールオキシカルボニル基が挙げられる。該置換基としては、後記する置換基が挙げられる。
上記アミノ保護基における置換基を有していてもよいアラルキルオキシカルボニル基は、アラルキルオキシカルボニル基及び置換アラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。
アラルキルオキシカルボニル基としては、例えば炭素数8〜20のアラルキルオキシカルボニル基が挙げられ、その具体例としてベンジルオキシカルボニル基、フェネチルオキシカルボニル基又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基等が挙げられる。
置換アラルキルオキシカルボニル基(置換基を有するアラルキルオキシカルボニル基)としては、前記アラルキルオキシカルボニル基の少なくとも1個の水素原子が置換基で置換されたアラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。該置換基としては、後記する置換基が挙げられる。
1で示されるアルキル基で置換されたアミノ基、即ち、アルキル置換アミノ基の好ましい具体例としては、例えば、N−メチルアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基、N,N−ジイソプロピルアミノ基又はN−シクロヘキシルアミノ基等のモノ又はジアルキルアミノ基が挙げられる。
1で示されるアリール基で置換されたアミノ基、即ちアリール置換アミノ基の好ましい具体例としては、例えば、N−フェニルアミノ基、N,N−ジフェニルアミノ基、N−ナフチルアミノ基又はN−ナフチル−N−フェニルアミノ基等のモノ又はジアリールアミノ基が挙げられる。
1で示されるアラルキル基で置換されたアミノ基、即ちアラルキル置換アミノ基の好ましい具体例としては、例えば、N−ベンジルアミノ基又はN,N−ジベンジルアミノ基等のモノ又はジアラルキルアミノ基が挙げられる。また、N−メチル−N−フェニルアミノ基又はN−ベンジル−N−メチルアミノ基等のジ置換アミノ基が挙げられる。
1で示されるアシル基で置換されたアミノ基、即ちアシル置換アミノ基の好ましい具体例としては、例えば、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、ピバロイルアミノ基、ペンタノイルアミノ基、ヘキサノイルアミノ基又はベンゾイルアミノ基等が挙げられる。
1で示されるアルコキシカルボニル基で置換されたアミノ基、即ちアルコキシカルボニル置換アミノ基の好ましい具体例としては、例えば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、n−プロポキシカルボニルアミノ基、n−ブトキシカルボニルアミノ基、tert−ブトキシカルボニルアミノ基、ペンチルオキシカルボニルアミノ基又はヘキシルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
1で示されるアリールオキシカルボニル基で置換されたアミノ基、即ちアリールオキシカルボニル置換アミノ基の好ましい具体例としては、例えば、アミノ基の1個の水素原子が前記したアリールオキシカルボニル基で置換されたアミノ基が挙げられ、その具体例としては、例えば、フェノキシカルボニルアミノ基又はナフチルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
1で示されるアラルキルオキシカルボニル基で置換されたアミノ基、即ちアラルキルオキシカルボニル置換アミノ基の好ましい具体例としては、例えば、ベンジルオキシカルボニルアミノ基、フェネチルオキシカルボニルアミノ基又は9−フルオレニルメチルオキシカルボニルアミノ基等が挙げられる。
1で示される置換スルホニル基で置換されたアミノ基の好ましい具体例としては、例えば、−NHSO2CH3、−NHSO265、−NHSO264CH3又は−NHSO2CF3等が挙げられる。
1で示される環状のアミノ基としては、例えば、置換基を有していてもよいアルキレン基等で結合して含窒素環を形成した環状アミノ基等が挙げられる。該アルキレン基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、例えば炭素数1〜6のアルキレン基が挙げられ、その具体例としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、2−メチルプロピレン、2,2−ジメチルプロピレン又は2−エチルプロピレン等が挙げられる。また、前記アルキレン基は、該アルキレン基の末端又は鎖中の任意の位置に酸素原子、イミノ基、置換イミノ基又はカルボニル基等や二重結合を有していてもよい。該置換イミノ基としては、イミノ基の1個の水素原子がアミノ保護基等の置換基で置換されたイミノ基が挙げられる。前記アミノ保護基は、上記置換アミノ基で説明した保護基と同意義であってよい。
環状アミノ基の具体例としては、例えば、ピロリジノ基、ピペラジノ基又はモルホリノ基等が挙げられる。
2及びR3で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」は、上記R1aで説明した置換基を有していてもよい炭化水素基と同意義であってよい。R2及びR3で示される「置換基を有していてもよい炭化水素基」における置換基としては、後記する置換基等が挙げられる。
2及びR3で示される「置換基を有していてもよい複素環基」は、上記R1aで説明した置換基を有していてもよい複素環基と同意義である。
本発明における「置換基」としては、例えば、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、ハロゲン原子、ハロゲン化炭化水素基、−OR1a’、−SR1b’、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキレンジオキシ基、ニトロ基、アミノ基、置換アミノ基、シアノ基、スルホ基、置換シリル基、水酸基、カルボキシ基、置換基を有していてもよいアルコキシチオカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールオキシチオカルボニル基、置換基を有していてもよいアルキルチオカルボニル基、置換基を有していてもよいアリールチオカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換ホスフィノ基、アミノスルホニル基、アルコキシスルホニル基又はオキソ基等が挙げられる。置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、置換アミノ基及び置換基を有していてもよいアシル基は、上記で説明したそれぞれの各基と同意義である。−OR1a’は−OR1aと同意義である。−SR1b’は−SR1bと同意義である。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子等が挙げられる。
4及びR5で示される保護基としては、上記置換されていてもよいアミノ基で説明したアミノ保護基と同意義であってよい。
1とR2、R2とR3、R2とR5又はR4とR5とが結合して環を形成する場合には、置換基を有していてもよいアルキレン基で結合して環を形成する場合等が挙げられる。また、形成する環は、単環状でも多環状でも或いは縮合環状でもよく、例えば4〜8員環等の脂肪族環等が挙げられる。
アルキレン基としては、直鎖状でも分岐状でもよい、例えば炭素数1〜6のアルキレン基が挙げられ、好ましい具体例としては、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、2−メチルプロピレン、2,2−ジメチルプロピレン又は2−エチルプロピレン等が挙げられる。また、前記アルキレン基は、該アルキレン基の末端又は鎖中の任意の位置に酸素原子、イミノ基又は置換イミノ基等を有していてもよい。置換イミノ基は、上記で説明した置換イミノ基と同意義である。
「置換基を有していてもよいアルキレン基」における置換基としては、上記した置換基が挙げられる。
一般式(1)において、R2が水素原子であるときはR2が結合している炭素原子は不斉炭素とはならず、またR3が水素原子であるときはR3が結合している炭素原子は不斉炭素とはならない。
一般式(2)で表される4−アミノ−2−オキソブテン酸類の具体例としては、例えば下記表1〜3に示す化合物等が挙げられる。
Figure 2007106706
Figure 2007106706
Figure 2007106706
一般式(2)で表される4−アミノ−2−オキソブテン酸類の塩としては、例えば、酸塩又はアミン塩等が挙げられる。具体的には、4−アミノ−2−オキソブテン酸類の分子内の窒素原子部分やR1がアミノ基又は置換アミノ基である場合に酸塩となっていてもよい。また、R1が水酸基である場合には、アルカリ金属やアルカリ土類金属等との金属塩やアミンとの塩となっていてもよい。
塩を形成する酸としては、無機酸、有機酸、ルイス酸等が挙げられる。無機酸としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、テトラフルオロホウ酸、過塩素酸又は過ヨウ素酸等が挙げられる。有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、吉草酸、ヘキサン酸、クエン酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、サリチル酸、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、フタル酸、酒石酸、リンゴ酸又はグリコール酸等のカルボン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸又はトリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸等が挙げられる。ルイス酸としては、例えば、塩化アルミニウム又は臭化アルミニウム等のハロゲン化アルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム又は塩化ジイソプロピルアルミニウム等のハロゲン化ジアルキルアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム又はトリ−tert−ブトキシアルミニウム等のトリアルコキシアルミニウム,四塩化チタン等のハロゲン化チタン、テトライソプロポキシチタニウム等のテトラアルコキシチタニウム、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素又は三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体等のハロゲン化ホウ素、或いは塩化亜鉛又は臭化亜鉛等のハロゲン化亜鉛等が挙げられる。
水酸基である場合に塩となるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又はセシウム等が挙げられる。また、アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム又はバリウム等が挙げられる。
塩を形成するアミンとしては、アンモニア、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、シクロヘキシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)アミン、ヘキサデシルアミン、トリ−n−ブチルアミン又はN−メチルモルホリン等の脂肪族アミン類、例えば、N,N−ジメチルアニリン、ピリジン又は4−ジメチルアミノピリジン等の芳香族アミン類、例えばピペリジン等の飽和複素環アミン類等が挙げられる。
4−アミノ−2−オキソブテン酸類又はその塩は、市販品を用いても、適宜製造したものを用いてもよい。
本発明に係る上記一般式(2)で表される4−アミノ−2−オキソブテン酸類又はその塩は、例えばR4が水素原子である場合[例えば下記一般式(2−1)]等、その化合物の種類によっては、反応系中や単離した状態で、一般式(2−2)
Figure 2007106706
(式中、R1〜R3及びR5は前記と同意義である。)で表される化合物である、エノール型の構造をとる場合がある。
Figure 2007106706
両者はいわゆるケト・エノール異性の関係にあり、本発明では上記一般式(2−1)と上記一般式(2−2)の化合物並びにそれらの混合物は実質的に同一である。
本発明においては、本発明で用いられる上記一般式(2)で表される4−アミノ−2−オキソブテン酸類又はその塩は、上記一般式(2−2)で表される4−アミノ−2−オキソブテン酸類又はその塩も、上記一般式(2−1)で表される4−アミノ−2−オキソブテン酸類又はその塩と上記一般式(2−2)で表される4−アミノ−2−オキソブテン酸類又はその塩との混合物もその範囲に包含されるものである。
また、本発明の製造方法においては、上記一般式(2−1)及び上記一般式(2−2)で表される4−アミノ−2−オキソブテン酸類又はその塩を保護基で保護しなくとも、不斉還元反応、特に不斉水素化を行うことにより高収率及び光学純度よく、一般式(1)で表される光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩を得ることができる。また、上記一般式(2)で表される4−アミノ−2−オキソブテン酸類又はその塩が、エノール型の構造をとる場合には、上記一般式(2−2)における水酸基に保護基を導入しても本発明の製造方法を行うことにより、高収率でかつ光学純度よく一般式(1)で表される光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩を得ることができる。
本発明の製造方法により得られる4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩、特に光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩は、光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類及び光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類の塩である(以下、これらを総称して、単に「4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類」又は「光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類」ということもある。)。該光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩としては、例えば下記一般式(1)
Figure 2007106706
(式中、*は不斉炭素を示し、R1〜R5は前記と同意義である。しかし、R2が水素原子であるときはR2が結合している炭素原子は不斉炭素とはならず、またR3が水素原子であるときはR3が結合している炭素原子は不斉炭素とはならない。)で表される光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩等が挙げられる。
形成する塩は、上記4−アミノ−2−オキソブテン酸類の塩で説明した塩と同様の塩が挙げられ、必要に応じて塩を交換、例えば塩酸塩から硝酸塩に変換してもよい。
一般式(1)で表される光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類の具体例としては、例えば下記表4〜6に示す化合物等が挙げられる。
Figure 2007106706
Figure 2007106706
Figure 2007106706
本発明の製造方法において、還元反応は、4−アミノ−2−オキソブテン酸類又はその塩と還元剤とを反応させることによって行われてよい。そのような還元剤は、特に限定されないが通常約15〜100℃で約1分〜48時間、常圧で行うことができる。該還元剤としては、特に限定されないが、水素化アルミニウムリチウム、水素化ホウ素ナトリウム又はボラン等の還元剤又は水素化ホウ素ナトリウムとルイス酸とを組み合わせた還元剤等が挙げられる。好ましくは、水素化ホウ素ナトリウムとルイス酸との組み合わせが挙げられる。好ましいルイス酸としては、マグネシウム又はカルシウムの化合物が挙げられる。還元反応は、必要に応じて不活性ガス雰囲気下で行ってもよい。不活性ガスとしては窒素ガス又はアルゴンガス等が挙げられる。
本発明の製造方法において、光学純度の高い光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩を製造するためには、不斉触媒の存在下で、一般式(2)で表される化合物又はその塩の不斉還元反応を行うのが好ましい。不斉還元反応とは、原料に対して還元反応を行って得られる生成物が、不斉炭素を有する場合の反応をいう。不斉還元反応は、不斉水素化反応であることが好ましく、さらに不斉還元反応は、不斉触媒の存在下で行われるのが好ましい。
不斉水素化反応は、水素源の存在下で行うことができる。水素源としては、水素ガス及び水素供与性物質が挙げられる。即ち、本発明で用いられる不斉水素化反応としては、水素ガスの存在下で行う不斉水素化反応又は水素供与性物質の存在下で行う水素移動型不斉水素化反応が挙げられる。
不斉触媒としては、遷移金属錯体が好ましく、不斉遷移金属錯体がより好ましい。前記不斉遷移金属錯体は、遷移金属と不斉配位子とを含有する遷移金属錯体が好ましく用いられる。また、該不斉遷移金属錯体はin situで不斉水素化反応に用いてもよい。
不斉遷移金属錯体における遷移金属としては、例えば元素周期表の第8〜10族の遷移金属が好ましい。
不斉遷移金属錯体としては、例えば下記一般式(3)
mnpq (3)
又は一般式(4)
[Mmnpq]Zs (4)
で表される遷移金属錯体が挙げられるが、これらに限定されない。
一般式(3)又は(4)において、Mは元素周期表の第8〜10族の遷移金属を示し、Lは不斉配位子を示し、Xはハロゲン原子、カルボキシラート基、アリル基、1,5−シクロオクタジエン又はノルボルナジエンを示し、Yは配位子を示し、Zはアニオン又はカチオンを示し、mは1〜5の整数を示し、n、p、q及びsはそれぞれ独立して0〜5の整数を示す。
一般式(3)及び(4)において、Mで示される元素周期表の第8〜10族の遷移金属としては、例えばルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、パラジウム(Pd)又はニッケル(Ni)等が挙げられる。mが2以上の時、前記遷移金属は同一又は異なってもよい。
Lで示される不斉配位子は、例えば単座配位子又は二座配位子等が挙げられる。好ましい不斉配位子は、光学活性リン配位子等が挙げられ、より好ましくは光学活性二座リン配位子等が挙げられる。nが2以上の時、前記不斉配位子は同一又は異なってもよい。
光学活性二座リン配位子としては、分子内に光学活性部位を有していればよく、例えば下記一般式(5)
1112P−Q1−PR1314 (5)
(式中、R11〜R14は夫々独立して、置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基を示し、Q1はスペーサーを示す。また、R11及びR12及び/又はR13及びR14が結合して環を形成してもよい。尚、R11〜R14及びQ1は、上記一般式(5)で表されるリン化合物が光学活性リン化合物となる基であればよい。)で表されるリン化合物等が挙げられ、式中に光学活性部位を有していればよい。
一般式(5)において、R11〜R14で示される置換基を有していてもよい炭化水素基、置換基を有していてもよい複素環基、置換基を有していてもよいアルコキシ基又は置換基を有していてもよいアリールオキシ基は、上記一般式(1)等で説明した各基と同意義である。
1で示されるスペーサーとしては、アルキレン基、アリーレン基又はヘテロアリーレン基等の置換基を有していてもよい2価の有機基等が挙げられる。また、前記2価の有機基は、該有機基の末端又は鎖中の任意の位置に酸素原子、カルボニル基、硫黄原子、イミノ基又は置換イミノ基等の異種原子又は原子団を少なくとも1個有していてもよい。置換イミノ基における置換基は、上記置換アミノ基における置換基と同意義である。更に、前記2価の有機基は、上記したような置換基で置換されていてもよい。
アルキレン基としては、例えば炭素数1〜10のアルキレン基が挙げられ、その具体例としてはメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基又はプロピレン基等が挙げられる。
アリーレン基としては、例えば炭素数6〜20のアリーレン基が挙げられ、その具体例としては、フェニレン基、ビフェニルジイル基、ビナフタレンジイル基又はビスベンゾジオキソールジイル基等が挙げられる。
ヘテロアリーレン基としては、例えば、炭素数2〜20で、少なくとも1個、好ましくは1〜3個の窒素原子、酸素原子及び/又は硫黄原子等の異種原子を含んでいる、3〜8員、好ましくは5又は6員の単環式ヘテロアリーレン基、多環式又は縮合環式のヘテロアリーレン基が挙げられ、その具体例としては、ビピリジンジイル基、ビスベンゾチオールジイル基又はビスチオールジイル基等が挙げられる。
異種原子又は原子団を有する2価の有機基としては、−CH2−O−CH2−又は−C64−O−C64−等が挙げられる。
これら2価の有機基は後述する置換基で置換されていてもよい。
また、スペーサーが光学活性部位を有する場合における、光学活性部位を有するスペーサーの具体例としては、1,2−ジメチルエチレン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,2−ジフェニルエチレン基、1,2−ジ(4−メチルフェニル)エチレン基、1,2−ジシクロヘキシルエチレン基、1,3−ジオキソラン−4,5−ジイル基、ビフェニルジイル基又はビナフタレンジイル基等が挙げられる。これら光学活性部位を有するスペーサーは、(R)体、(S)体、(R,R)体又は(S,S)体が挙げられる。
11及びR12及び/又はR13及びR14が結合して環を形成する場合には、例えばアルキレン基で結合して含リン環を形成する場合等が挙げられる。該アルキレン基としては、直鎖状でも分岐状でもよい、例えば炭素数1〜6のアルキレン基が挙げられ、その具体例としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、2−メチルプロピレン基、2,2−ジメチルプロピレン基又は2−エチルプロピレン基等が挙げられる。形成する環の具体例としては、例えば、ホスホラン環又は2,5−ジメチルホスホラン環等が挙げられる。
光学活性リン化合物は、配位子として使用可能な公知又は未知の光学活性リン化合物が挙げられ、その具体例としては、例えば公知の具体例、例えば1,2−ビス(アニシルフェニルホスフィノ)エタン(DIPAMP)、1,2−ビス(アルキルメチルホスフィノ)エタン(BisP*)、2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(CHIRAPHOS)、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(PROPHOS)、2,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)−5−ノルボルネン(NORPHOS)、2,3−O−イソプロピリデン−2,3−ジヒドロキシ−1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(DIOP)、1−シクロヘキシル−1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(CYCPHOS)、1−置換−3,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ピロリジン(DEGPHOS)、2,4−ビス−(ジフェニルホスフィノ)ペンタン(SKEWPHOS)、1,2−ビス(置換ホスホラノ)ベンゼン(DuPHOS)、1,2−ビス(置換ホスホラノ)エタン(BPE)、1−((置換ホスホラノ)−2−(ジフェニルホスフィノ)ベンゼン(UCAP−Ph)、1−(ビス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ)−2−(置換ホスホラノ)ベンゼン(UCAP−DM)、1−((置換ホスホラノ)−2−(ビス(3,5−ジ(t−ブチル)−4−メトキシフェニル)ホスフィノ)ベンゼン(UCAP−DTBM)、1−((置換ホスホラノ)−2−(ジ−ナフタレン−1−イル−ホスフィノ)ベンゼン(UCAP−(1−Nap))、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビシクロペンタン(BICP)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−(5,5’,6,6’,7,7’,8,8’−オクタヒドロビナフチル) (H8−BINAP)、2,2’−ビス(ジ−p−トリルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(TOL−BINAP)、2,2’−ビス(ジ(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(DM−BINAP)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−6,6’−ジメチル−1,1’−ビフェニル(BICHEP)、(4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール)−5,5’−ジイルビス(ジフェニルホスフィン) (SEGPHOS)、(4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール)−5,5’−ジイルビス[ビス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン] (DM−SEGPHOS)又は[(4S)−[4,4’−ビ−1,3−ベンゾジオキソール]−5,5’−ジイル]ビス[ビス[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−メトキシフェニル]ホスフィン] (DTBM−SEGPHOS)等の光学活性体が挙げられる。
不斉配位子は、上記光学活性二座ホスフィン配位子の他に、ビス複素環化合物も使用可能である。
Yで示される配位子としては、同一又は異なっていてもよく、芳香族化合物又はオレフィン化合物等の中性配位子又はアミン類等が挙げられる。
芳香族化合物としては、ベンゼン、p−シメン、1,3,5−トリメチルベンゼン(メシチレン)又はヘキサメチルベンゼン等が挙げられる。オレフィン化合物としては、エチレン、1,5−シクロオクタジエン、シクロペンタジエン又はノルボルナジエン等が挙げられる。その他の中性配位子としては、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル、ベンゾニトリル、アセトン又はクロロホルム等が挙げられる。
アミン類としては、1,2−ジフェニルエチレンジアミン(DPEN)、1,2−ジアミノシクロヘキサン、エチレンジアミン、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−2−イソプロピルエチレンジアミン(DAIPEN)、1,2−ビス(4−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1,2−ジシクロヘキシルエチレンジアミン、1,2−ジ(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)エチレンジアミン、1,2−ジ(4−N,N−ジエチルアミノフェニル)エチレンジアミン、1,2−ジ(4−N,N−ジプロピルアミノフェニル)エチレンジアミン、1,2−(N−ベンゼンスルホニル)−1,2−ジ(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)エチレンジアミン、1,2−(N−p−トルエンスルホニル)−1,2−ジ(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)エチレンジアミン、1,2−(N−メタンスルホニル)−1,2−ジ(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)エチレンジアミン、1,2−(N−トリフルオロメタンスルホニル)−1,2−ジ(4−N,N−ジメチルアミノフェニル)エチレンジアミン、1,2−(N−ベンゼンスルホニル)−1,2−ジ(4−N,N−ジエチルアミノフェニル)エチレンジアミン、1,2−(N−ベンゼンスルホニル)−1,2−ジ(4−N,N−ジプロピルアミノフェニル)エチレンジアミン、1,2−ジ(4−スルホニルフェニル)エチレンジアミン、1,2−ジ(4−ナトリウムオキシスルホニルフェニル)エチレンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、1,2−シクロヘプタンジアミン、2,3−ジメチルブタンジアミン、1−メチル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジフェニルエチレンジアミン、1−メチル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−ベンジル−2,2−ジ(p−メトキシフェニル)エチレンジアミン、1−メチル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、1−イソブチル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、1−イソプロピル−2,2−ジナフチルエチレンジアミン、ビス[N−(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル−1,2−ジフェニルエチレンジアミン、N,N’−ビス(フェニルメチル)−1,2−ジフェニル−1,2−エチレンジアミン、N,N’−ビス(メシチルメチル)−1,2−ジフェニル−1,2−エチレンジアミン若しくはN,N’−ビス(ナフチルメチル)−1,2−ジフェニル−1,2−エチレンジアミン等の芳香族ジアミン類及び脂肪族ジアミン類等のジアミン類、トリエチルアミン等のトリアルキルアミン等の脂肪族アミン類又はピリジン等の芳香族アミン類等が挙げられる。
これらアミン類は、不斉水素化反応として、水素移動型不斉水素化反応を行う場合には、該アミン類の光学活性体を用いることが好ましく、中でも光学活性芳香族ジアミン類又は光学活性脂肪族ジアミン類等の光学活性ジアミン化合物を用いることがより好ましい。
Xで示されるハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子等が挙げられる。
一般式(4)において、Zで示されるアニオンとしては、BF4、ClO4、OTf、NO3、PF6、SbF6、AsF6、BPh4、BH4、BF4、Cl、Br、I、I3又はスルホネート等が挙げられる。ここで、Tfはトリフラート基(SO2CF3)を、Phはフェニルを示す。
Zで示されるカチオンとしては、例えば一般式(6)
[(R15)2NH2 (6)
(式中、2個のR15は同一又は異なっていてもよく、水素原子又は置換基を有していてもよい炭化水素基を示す。)で表される。
一般式(6)において、R15で示される置換基を有していてもよい炭化水素基は、R2及びR3で示される置換基を有していてもよい炭化水素基と同様である。前記R15で示される好ましい置換基を有していてもよい炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、シクロアルキル基、置換基を有していてもよりフェニル基又は置換基を有していてもよいベンジル基等が挙げられる。Zで示されるカチオンの具体例としては、例えば[Me2NH2、[Et2NH2又は[Pr2NH2等が挙げられる。Me、Et及びPrは、それぞれメチル、エチル及びプロピルを表す。
以下に、上記遷移金属錯体の好ましい態様を説明する。
[1]一般式(3)
mnpq (3)
1)MがIrあるいはRhのとき、XはCl、Br又はIであり、Lが単座配位子の場合にはm=p=2、n=4、q=0であり、Lが二座配位子の場合にはm=n=p=2、q=0である。
2)MがRuのときには、下記(i)〜(iv)であることが好ましい。
(i)XはCl、Br又はIであり、Yはトリアルキルアミンを示し、Lが単座配位子の場合にはm=2、n=p=4、q=1であり、Lが二座配位子の場合にはm=n=2、p=4、q=1である。
(ii)XはCl、Br又はIを示し、Yはピリジル基あるいは置換ピリジル基を示し、Lが単座配位子の場合にはm=1、n=p=2、q=2、Lが二座配位子の場合にはm=n=1、p=2、q=2である。
(iii)Xはカルボキシラート基であり、Lが単座配位子の場合にはm=1、n=p=2、q=0であり、Lが二座配位子の場合にはm=n=1、p=2、q=0である。
(iv)XはCl、Br又はIであり、Lが単座配位子の場合にはm=p=2、n=4、q=0であり、Lが二座配位子の場合にはm=n=p=2、q=0である。
3)MがPdのときには、下記(i)又は(ii)であることが好ましい。
(i)XはCl、Br又はIであり、Lが単座配位子の場合にはm=1、n=2、p=2、q=0であり、Lが二座配位子の場合にはm=n=1、p=2、q=0である。
(ii)Xはアリル基であり、Lが単座配位子の場合にはm=p=2、n=4、q=0であり、Lが二座配位子の場合にはm=n=p=2、q=0である。
4)MがNiのとき、XはCl、BrあるいはIであり、Lが単座配位子の場合にはm=1、n=2、p=2、q=0であり、Lが二座配位子の場合にはm=n=1、p=2、q=0である。
[2]一般式(4)
[Mmnpq]Zs (4)
1)MがIrあるいはRhのとき、Xは1,5−シクロオクタジエン又はノルボルナジエンであり、ZはBF4、ClO4、OTf、PF6、SbF6又はBPh4であり、m=n=p=s=1、q=0又はm=s=1、n=2、p=q=0である。
2)MがRuのときには、下記(i)〜(iii)であることが好ましい。
(i)XはCl、Br又はIであり、Yは芳香族化合物、オレフィン化合物等の中性配位子を示し、ZはCl、Br、I、I3又はスルホネートであり、Lが単座配位子の場合にはm=p=s=q=1であり、n=2であり、Lが二座配位子の場合にはm=n=p=s=q=1である。
(ii)ZがBF4、ClO4、OTf、PF6、SbF6又はBPh4で、Lが単座配位子の場合にはm=1、n=2、p=q=0、s=2であり、Lが二座配位子の場合にはm=n=1、p=q=0、s=2である。
(iii)Zがアンモニウムイオンで、Lが二座配位子の場合には、m=2、n=2、p=5、q=0である。
3)MがPd及びNiのとき、ZはBF4、ClO4、OTf、PF6、SbF6又はBPh4であり、Lが単座配位子の場合にはm=1、n=2、p=q=0、s=2であり、Lが二座配位子の場合にはm=n=1、p=q=0、s=2である。
本発明で用いられる上記遷移金属錯体は、公知の方法を用いて製造することができ、例えば、不斉配位子と遷移金属錯体前駆体とを反応させることにより得ることができる。このようにして得られた遷移金属錯体は、必要に応じて例えば、ろ過又は濃縮等の後処理等を行って、若しくは後処理等をした後に単離及び/又は精製して、あるいは後処理や単離、精製等を行わずにそのまま、還元反応に用いることができる。
遷移金属錯体の前駆体としては、例えば一般式(7)
[MXpq]Zs (7)
(式中、M、X、Y、Z、p、q及びsは前記と同意義である。)で表される遷移金属錯体の前駆体等が挙げられる。
本発明で用いられる上記一般式(7)で表される遷移金属錯体の前駆体の具体例としては、上記一般式(7)におけるMで示される遷移金属がルテニウム、ロジウム及びイリジウムである場合を例示すると、例えば、[RuCl2(benzene)]2、[RuBr2(benzene)]2、[RuI2(benzene)]2、[RuCl2(p-cymene)]2、[RuBr2(p-cymene)]2、[RuI2(p-cymene)]2、RuCl2(hexamethylbenzene)]2、[RuBr2(hexamethylbenzene)]2、[RuI2(hexamethylbenzene)]2、[RuCl2(mesitylene)]2、[RuBr2(mesitylene)]2、[RuI2(mesitylene)]2、[RuCl2(pentamethylcyclopentadiene)]2、[RuBr2(pentamethylcyclopentadiene)]2、[RuI2(pentamethylcyclopentadiene)]2、[RuCl2(cod)]n、[RuBr2(cod)]n、[RuI2(cod)]n、[RuCl2(nbd)]n、[RuBr2(nbd)]n、[RuI2(nbd)]n、RuCl3水和物、RuBr3水和物、RuI3水和物、[RhCl2(cyclopentadiene)]2、[RhBr2(cyclopentadiene)]2、[RhI2(cyclopentadiene)]2、[RhCl2(pentamethylcyclopentadiene)]2、[RhBr2(pentamethylcyclopentadiene)]2、[RhI2(pentamethylcyclopentadiene)]2、[RhCl2(cod)]n、[RhBr2(cod)]n、[RhI2(cod)]n、[RhCl2(nbd)]n、[RhBr2(nbd)]n、[RhI2(nbd)]n、[Rh(cod)2]SbF6、RhCl3水和物、RhBr3水和物、RhI3水和物、[IrCl2(cyclopentadiene)]2、[IrBr2(cyclopentadiene)]2、[IrI2(cyclopentadiene)]2、[IrCl2(pentamethylcyclopentadiene)]2、[IrBr2(pentamethylcyclopentadiene)]2、[IrI2(pentamethylcyclopentadiene)]2、[IrCl2(cod)]n、[IrBr2(cod)]n、[IrI2(cod)]n、[IrCl2(nbd)]n、[IrBr2(nbd)]n、[IrI2(nbd)]n、IrCl3水和物、IrBr3水和物又はIrI3水和物等が挙げられる。尚、上記式中、nは正数を示す。
以下に、本発明で用いられる遷移金属錯体の製造方法を具体的に説明する。
尚、以下に示す遷移金属錯体の式中で使用されている記号は、それぞれ、Lは不斉配位子を、codは1,5−シクロオクタジエンを、nbdはノルボルナジエンを、Tfはトリフラート基(SO2CF3)を、Phはフェニル基を、Acはアセチル基を夫々示す。また、具体例としては煩雑さを避けるために不斉配位子として二座配位子を用いたものを挙げる。
ロジウム錯体:
ロジウム錯体は、日本化学会編「第4版 実験化学講座」、第18巻、有機金属錯体、339−344頁、1991年(丸善)等に記載の方法に従って製造することができる。具体的には、ビス(シクロオクタ−1,5−ジエン)ロジウム(I) テトラフルオロホウ酸塩と不斉配位子とを反応させることにより得ることができる。
ロジウム錯体の具体例としては、例えば以下のものを挙げることができる。
[Rh(L)Cl]2、[Rh(L)Br]2、[Rh(L)I]2、[Rh(cod)(L)]BF4、[Rh(cod)(L)]ClO4、[Rh(cod)(L)]PF6、[Rh(cod)(L)]BPh4、[Rh(cod)(L)]OTf、[Rh(nbd)(L)]BF4、[Rh(nbd)(L)]ClO4、[Rh(nbd)(L)]PF6、[Rh(nbd)(L)]BPh4、[Rh(nbd)(L)]OTf、[Rh(L)2]ClO4、[Rh(L)2]PF6、[Rh(L)2]OTf、[Rh(L)2]BF4
ルテニウム錯体:
ルテニウム錯体は、T.Ikariyaら, J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1985,922等に記載の方法に従って得ることができる。具体的には、[Ru(cod)Cl2nと不斉配位子とをトリエチルアミンの存在下、トルエン溶媒中で加熱還流することにより製造することができる。
また、K.Mashimaら, J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1989,1208に記載の方法によってもルテニウム錯体を得ることができる。具体的には、[Ru(p−cymene)I22と不斉配位子とを塩化メチレン及びエタノール中で加熱撹拌することにより得ることができる。ルテニウム錯体の具体例としては、例えば以下のものを挙げることができる。
Ru(OAc)2(L)、Ru2Cl4(L)2NEt3、[RuCl(benzene)(L)]Cl、[RuBr(benzene)(L)]Br、[RuI(benzene)(L)]I、[RuCl(p−cymene)(L)]Cl、[RuBr(p−cymene)(L)]Br、[RuI(p−cymene)(L)]I、[Ru(L)](BF4)2、[Ru(L)](ClO4)2、[Ru(L)](PF6)2、[Ru(L)](BPh4)2、[Ru(L)](OTf)2、Ru(OCOCF3)2(L)、[{RuCl(L)2}(μ−Cl)3][Me2NH2]、[{RuCl(L)}2(μ−Cl)3][Et2NH2]、[{RuBr(L)2}(μ−Cl)3][Me2NH2]、[{RuBr(L)2}(μ−Cl)3][Et2NH2]、RuCl2(L)、RuBr2(L)、RuI2(L)、RuCl2(L)(diamine)、RuBr2(L)(diamine)、RuI2(L)(diamine)、[{RuI(L)}2(μ−I)3][Me2NH2]、[{RuI(L)}2(μ−I)3][Et2NH2]、RuCl2(L)(pyridine)、RuBr2(L)(pyridine)、RuI2(L)(pyridine)
イリジウム錯体:
イリジウム錯体は、K.Mashimaら,J.Organomet.Chem.,1992,428,213等に記載の方法に従って得ることができる。具体的には、不斉配位子と[Ir(cod)(CH3CN)2]BF4とを、テトラヒドロフラン中で撹拌反応させることにより得ることができる。
イリジウム錯体の具体例としては、例えば以下のものを挙げることができる。
[Ir(L)Cl]2、[Ir(L)Br]2、[Ir(L)I]2、[Ir(cod)(L)]BF4、[Ir(cod)(L)]ClO4、[Ir(cod)(L)]PF6、[Ir(cod)(L)]BPh4、[Ir(cod)(L)]OTf、[Ir(nbd)(L)]BF4、[Ir(nbd)(L)]ClO4、[Ir(nbd)(L)]PF6、[Ir(nbd)(L)]BPh4、[Ir(nbd)(L)]OTf
パラジウム錯体:
パラジウム錯体は、Y.Uozumiら, J.Am.Chem.Soc.,1991,9887等に記載の方法に従って得ることができる。具体的には、不斉配位子とπ−アリルパラジウムクロリドとを反応させることにより得ることができる。
パラジウム錯体の具体例としては、例えば以下のものを挙げることができる。
PdCl2(L)、(π−allyl)Pd(L)、[(Pd(L)]BF4、[(Pd(L)]ClO4、[(Pd(L)]PF6、[(Pd(L)]BPh4、[(Pd(L)]OTf
ニッケル錯体:
ニッケル錯体は、日本化学会編「第4版 実験化学講座」第18巻、有機金属錯体、376頁、1991年(丸善)等に記載の方法により得ることができる。また、不斉配位子と塩化ニッケルとを、2−プロパノールとメタノールの混合溶媒に溶解し、加熱撹拌することによっても得ることができる。
ニッケル錯体の具体例としては、例えば以下のものを挙げることができる。
NiCl2(L)、NiBr2(L)、NiI2(L)
本発明の製造方法に用いる上記遷移金属錯体としては、市販品を用いても、公知の方法で製造したものを用いてもよい。
また、本発明で用いられる遷移金属錯体は、不斉配位子と遷移金属錯体の前駆体とを混合し、単離や精製することなくそのまま不斉水素化反応に用いてもよい。これは、所謂in situで行う不斉水素化反応である。
不斉触媒の使用量は、用いる4−アミノ−2−オキソブテン酸類、使用する反応容器や反応の形式あるいは経済性等によって異なるが、4−アミノ−2−オキソブテン酸類に対して、モル比で通常約1/10〜1/100,000、好ましくは約1/50〜1/10,000の範囲から適宜選択される。
水素ガスの存在下で不斉水素化反応を行う場合において、水素雰囲気下であれば行うことができ、水素ガスの圧力は、約0.1MPaでも十分であるが、経済性等を考慮すると通常約0.1〜20MPa、好ましくは約0.2〜10MPaの範囲から適宜選択される。また、経済性を考慮して約1MPa以下でも高い活性を維持することが可能である。
水素供与性物質の存在下で不斉水素化反応を行う場合において、水素供与性物質としては、有機化合物又は/及び無機化合物が挙げられ、反応系内で、例えば熱的作用や触媒作用によって水素を供与できる化合物であれば何れも使用可能である。
水素供与性物質としては、例えば、ギ酸又はその塩類、ギ酸と塩基との組み合わせ、ヒドロキノン、シクロヘキサジエン、亜リン酸又はアルコール類等が挙げられる。これらの中では、ギ酸又はその塩類、ギ酸と塩基との組み合わせ又はアルコール類等が特に好ましい。
ギ酸又はその塩類におけるギ酸の塩類としては、ギ酸のアルカリ金属塩若しくはアルカリ土類金属塩等のギ酸の金属塩、アンモニウム塩又は置換アミン(例えばトリメチルアミン)塩等が挙げられる。また、ギ酸と塩基との組み合わせとしては、反応系内でギ酸がギ酸の塩の形態となるもの、或いは実質的にギ酸の塩の形態となるものが挙げられる。
これらギ酸のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩等のギ酸の金属塩や、アンモニウム塩又は置換アミン塩等を形成する塩基、並びに、ギ酸と塩基との組み合わせにおける塩基としては、アンモニア、無機塩基又は有機塩基等が挙げられる。
ギ酸と塩を形成するアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム又はセシウム等が挙げられる。また、アルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム又はバリウム等が挙げられる。
無機塩基としては、例えば、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸マグネシウム若しくは炭酸カルシウム等のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、水素化ナトリウム等の金属水素化物類等が挙げられる。
有機塩基としては、例えば、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、リチウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムイソプロポキシド、リチウムtert−ブトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド若しくはカリウムtert−ブトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム若しくは酢酸カルシウム等のアルカリ金属・アルカリ土類金属の酢酸塩類、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピペリジン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、トリ−n−ブチルアミン若しくはN−メチルモルホリン等の有機アミン類、臭化メチルマグネシウム、臭化エチルマグネシウム、臭化プロピルマグネシウム、塩化tert−ブチルマグネシウム、臭化tert−ブチルマグネシウム、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチウム、n−ブチルリチウム若しくはtert−ブチルリチウム等の有機金属化合物類又は4級アンモニウム塩等が挙げられる。
水素供与性物質としてのアルコール類としては、水素原子をα位に有する低級アルコール類が好ましく、具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール又はsec−ブタノール等が挙げられ、中でもイソプロパノールが好ましい。
水素供与性物質の使用量は、4−アミノ−2−オキソブテン酸類に対して通常約0.1〜100当量、好ましくは約0.5〜20当量の範囲から適宜選択される。
不斉水素化反応は、必要に応じて溶媒中で行うことができる。溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン若しくはキシレン等の芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン若しくはオクタン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素若しくはジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン若しくはジオキソラン等のエーテル類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール若しくはベンジルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール若しくはグリセリン等の多価アルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル若しくはプロピオン酸メチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド若しくはN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、アセトニトリル等の含シアノ有機化合物類、N−メチルピロリドン又は水等が挙げられる。これら溶媒は、夫々単独で用いても、2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
溶媒の使用量は、用いる反応基質である4−アミノ−2−オキソブテン酸類の溶解度や経済性により判断される。例えば溶媒としてアルコール類を用いた場合には、用いる反応基質である4−アミノ−2−オキソブテン酸類によっては約1%以下の低濃度から無溶媒あるいは無溶媒に近い状態で不斉水素化反応を行うことができる。溶媒の使用量は、反応基質濃度が使用する溶媒に対して、通常約5〜50質量%、好ましくは約10〜40質量%の範囲となるように適宜選択すればよい。
反応温度は、用いる不斉触媒の種類や使用量等により異なるが、経済性等を考慮して、通常約15〜100℃、好ましくは約20〜80℃の範囲から適宜選択される。また、反応温度は、約−30〜0℃の低温でも、あるいは約100〜250℃の高温でも反応を実施することができる。
反応時間は、用いる不斉触媒の種類や使用量、用いる一般式(5)で表される4−アミノ−2−オキソブテン酸類の種類や濃度、反応温度、水素の圧力等の反応条件等により異なるが、数分から数時間の間で反応は完結するが、通常約1分〜48時間、好ましくは約10分〜24時間の範囲から適宜選択される。
不斉水素化反応は、反応形式がバッチ式においても連続式においても実施することができる。また、フラスコや反応釜、オートクレーブ等、この分野で用いられる反応容器中で行うことができる。
不斉水素化反応は、必要に応じて添加剤の存在下で行うことができる。添加剤としては、例えば酸、含フッ素アルコール、塩基、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩又はハロゲン等が挙げられる。
酸としては、例えば無機酸、有機酸又はルイス酸等が挙げられる。
無機酸としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、テトラフルオロホウ酸、過塩素酸又は過ヨウ素酸等挙げられる。
有機酸としては、例えば、ギ酸、酢酸、吉草酸、ヘキサン酸、クエン酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、安息香酸、サリチル酸、シュウ酸、コハク酸、マロン酸、フタル酸、酒石酸、リンゴ酸若しくはグリコール酸等のカルボン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸又はトリフルオロメタンスルホン酸等のスルホン酸等が挙げられる。
ルイス酸としては、例えば、塩化アルミニウム若しくは臭化アルミニウム等のハロゲン化アルミニウム、塩化ジエチルアルミニウム、臭化ジエチルアルミニウム若しくは塩化ジイソプロピルアルミニウム等のハロゲン化ジアルキルアルミニウム、トリエトキシアルミニウム、トリイソプロポキシアルミニウム若しくはトリ−tert−ブトキシアルミニウム等のトリアルコキシアルミニウム、四塩化チタン等のハロゲン化チタン、テトライソプロポキシチタン等のテトラアルコキシチタン、三フッ化ホウ素、三塩化ホウ素、三臭化ホウ素若しくは三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体等のハロゲン化ホウ素又は塩化亜鉛若しくは臭化亜鉛等のハロゲン化亜鉛等が挙げられる。
これら酸は、夫々単独で用いても、2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
酸の使用量は、不飽和化合物に対して通常約0.0001〜100当量、好ましくは約0.001〜10当量の範囲から適宜選択される。
含フッ素アルコールとしては、含フッ素脂肪族アルコールが好ましい。含フッ素脂肪族アルコールの具体例としては、例えば炭素数2〜10の飽和又は不飽和の含フッ素脂肪族アルコールが挙げられる。含フッ素脂肪族アルコールの具体例としては、例えば、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2−ジフルオロエタノール、3,3,3−トリフルオロプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、3,3,4,4,4−ペンタフルオロブタノール、4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンタノール、5,5,6,6,6−ペンタフルオロヘキサノール、3,3,4,4,5,5,6,6,6−ノナフルオロヘキサノール又は1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール等が挙げられる。これら含フッ素脂肪族アルコールは、夫々単独で用いても、2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。
含フッ素アルコールの使用量は、不飽和化合物に対して通常約0.01〜100当量、好ましくは約0.1〜10当量の範囲から適宜選択される。
塩基としては、無機塩基又は有機塩基等が挙げられる。無機塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物類、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム若しくは炭酸カルシウム等の金属炭酸塩類、炭酸水素ナトリウム若しくは炭酸水素カリウム等の金属炭酸水素塩類、水素化リチウム、水素化ナトリウム若しくは水素化カリウム等の金属水素化物類又はアンモニア等が挙げられる。有機塩基としては、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウム−t−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウム−t−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシド、カリウムナフタレニド、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、リチウムジエチルアミド、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムジフェニルホスフィド、ナトリウムジフェニルホスフィド若しくはカリウムジフェニルホスフィド等のアルカリ金属・アルカリ土類金属の塩、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、ピペリジン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、トリ−n−ブチルアミン若しくはN−メチルモルホリン等の有機アミン類、メチルリチウム、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウム、n−ブチルリチウム、s−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、フェニルリチウム、メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムクロリド、n−プロピルマグネシウムクロリド、イソプロピルマグネシウムクロリド、n−ブチルマグネシウムクロリド、s−ブチルマグネシウムクロリド、t−ブチルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、エチルマグネシウムブロミド、n−プロピルマグネシウムブロミド、イソプロピルマグネシウムブロミド、n−ブチルマグネシウムブロミド、s−ブチルマグネシウムブロミド、t−ブチルマグネシウムブロミド若しくはフェニルマグネシウムブロミド等の有機金属化合物類又は上記不斉配位子として例示したジアミン化合物の光学活性体(光学活性ジアミン化合物)及びラセミ体等が挙げられる。
塩基の使用量は、不飽和化合物に対して、通常約0〜100当量、好ましくは約0〜10当量の範囲から適宜選択される。
四級アンモニウム塩としては、例えば炭素数4〜24の四級アンモニウム塩が挙げられる。四級アンモニウム塩の具体例としては、テトラブチルアンモニウムフロリド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨージド、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド又はテトラブチルアンモニウムトリフェニルジフルオロシリケート等が挙げられる。
四級アンモニウム塩の使用量は、不斉触媒に対して、通常約0〜100当量、好ましくは約0〜10当量の範囲から適宜選択される。
四級ホスホニウム塩としては、例えば炭素数4〜36の四級ホスホニウム塩が挙げられる。四級ホスホニウム塩の具体例としては、テトラフェニルホスホニウムクロリド、テトラフェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニウムヨージド、メチルトリフェニルホスホニウムクロリド、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド又はメチルトリフェニルホスホニウムヨージド等が挙げられる。
四級ホスホニウム塩の使用量は、不斉触媒に対して、通常約0〜100当量、好ましくは約0〜10当量の範囲から適宜選択される。
ハロゲンとしては、臭素又はヨウ素等が挙げられる。
ハロゲンの使用量は、不飽和化合物に対して、通常約0〜100当量、好ましくは約0〜10当量の範囲から適宜選択される。
上記添加剤は、夫々単独で用いても、2種以上適宜併用してもよい。
尚、本発明の還元反応により、窒素原子に結合している基、例えば、アミノ基の保護基が脱保護した場合には、必要に応じて還元反応終了後の系内や後処理後に、該アミノ基に同様の基や異なる基を導入すればよい。
得られた4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩、特に光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩は、必要に応じて後処理等を行って精製してもよい。後処理の具体的な方法としては、自体公知の手段、例えば、溶媒抽出、塩析、晶析、再結晶、各種クロマトグラフィー等が挙げられる。
また、上記のようにして得られた光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類を必要に応じて種々の操作を行って該光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩の光学純度を向上させてもよく、それにより、更に4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩の光学純度及び/又は化学純度を向上させることもできる。
種々の操作としては、晶析、光学分割剤や微生物を用いる光学分割等が挙げられる。
晶析は、この分野において行われる通常の方法によって行えばよい。これらの操作を行う際に、光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩として光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類の塩を用いる場合には、必要に応じて形成する塩を脱塩して、フリーの光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類として行ってもよい。
晶析を行う場合に用いる溶媒としては、得られた光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩を溶解する溶媒であればよく、例えば、ベンゼン、トルエン若しくはキシレン等の芳香族炭化水素類、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン若しくはオクタン等の脂肪族炭化水素類、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素若しくはジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン若しくはジオキソラン等のエーテル類、メタノール、エタノール、2−プロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール若しくはベンジルアルコール等のアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール若しくはグリセリン等の多価アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン若しくはシクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル若しくはプロピオン酸メチル等のエステル類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド若しくはN,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類、アセトニトリル等の含シアノ有機化合物類、N−メチルピロリドン又は水等が挙げられる。これら溶媒は、夫々単独で用いても、2種以上適宜組み合わせて用いてもよい。これら溶媒の中でも、芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類、アルコール類又は水が好ましい。
晶析に用いる溶媒の使用量は、用いる溶媒の種類や光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩の種類等により異なるため特に限定されないが、使用する溶媒の少なくとも沸点以下で光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩を溶解する量を使用すればよく、光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩が溶解させる温度において飽和溶液となるのに相当する量の1〜1.5倍量、好ましくは1〜1.2倍量、より好ましくは1〜1.1倍量の範囲から適宜選択される。尚、溶媒の使用量はできるだけ少ない方が好ましい。
晶析の温度、即ち、光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩を溶媒に溶解する温度は、用いる溶媒の種類や光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩の種類等により異なるため特に限定されないが、使用する溶媒の沸点以下で設定すればよい。また、光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩を溶媒に溶解した後、必要に応じて溶媒を冷却してもよい。冷却は、一定の速度で行っても、連続的に変化させても、或いは段階的に変化させて行ってもよい。
晶析は、必要に応じて種晶を添加して行ってもよい。
種晶は、通常晶出させる光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩の一方の光学活性体を用いることが好ましく、実質的に100%eeの光学純度の光学活性体を用いることが好ましい。
尚、晶析の際に種晶を添加する場合には、その添加する時期は特に限定されないが、光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩を溶媒に溶解した後でも、冷却操作を行う際には、冷却中でも冷却後でも何れにてもよい。
種晶を添加する量は、用いる溶媒の種類や光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩の種類等により異なるため特に限定されないが、ほんの少量でよく、溶媒に溶解する光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩に対して0.00001質量%以上、好ましくは0.00001〜0.2質量%、より好ましくは0.0001〜0.1質量%の範囲から適宜選択される。
ここで、「光学純度を向上」とは、上記した製造方法により得られる晶析前の光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類の光学純度に比べてより高い光学純度(高光学純度という。)にすることをいい、実質的に100%eeの光学純度とすることとも言い得る。尚、「実質的に100%ee」とは、一方の鏡像体に対して他方の鏡像体が殆ど検出されないような光学純度をいう。本発明においては、このような「実質的に100%ee」をより具体的に示すと、90%ee以上、好ましくは95%ee以上、より好ましくは96%ee以上の光学純度をいう。高光学純度は、例えば水酸基の結合している炭素の光学純度を本発明の光学純度とするのが好ましいが、一般式(1)で示されるR又はRが水素でない場合に、R又はR3が結合している炭素における光学純度も本発明における光学純度の決定のために前記した水酸基の結合している炭素の光学純度と合わせて、一般式(1)で示される化合物の光学純度を決定するのがより好ましい。
また、「化学純度を向上」とは、上記した製造方法により得られる晶析前の光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類の化学純度に比べてより高い化学純度にすることをいい、実質的に100%の化学純度とすることとも言い得る。ここで、「実質的に100%」とは、原料等の不純物や一方の鏡像体に対する他方の鏡像体が殆ど検出されないような化学純度をいう。本発明においては、このような「実質的に100%」を具体的に示すと、90%以上、好ましくは93%以上、より好ましくは95%以上、更に好ましくは97%以上、最も好ましくは99%以上の化学純度をいう。
また、本発明は、4−アミノ−2−オキソブテン酸類又はその塩を上記した不斉触媒の存在下に還元し、還元反応により生成した光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩を溶媒中で晶析させることによって、光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩の光学純度をより向上させる方法を提供する。
本発明の製造方法により得られた4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類、特に光学活性4−アミノ−3−ヒドロキシ酪酸類は、医薬や農薬等の中間体等として有用である。
以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによって何ら限定されるものではない。
以下の実施例において、物性等の測定に用いた装置は次の通りである。
NMR:Varian GEMINI−2000(300MHz)
ガスクロマトグラフィー(GC):Hewlett Packard 5890−II
〔実施例1〕
エチル−4−t−ブチロキシカルボニルアミノ−2−(R)−ヒドロキシブチレートの製造
エチル−4−t−ブチロキシカルボニルアミノ−2−オキソ−3−ブテナート10g(41.1mmol)、[RuCl(R)−segphos]2(μ−Cl)3[Et2NH2] 189mg及び2−ブタノール60mLを混合した溶液を70℃、水素圧3MPaで撹拌反応させた。7時間後、GCで原料の消失を確認した後、溶媒を留去し、粗エチル−4−t−ブチロキシカルボニルアミノ−2−(R)−ヒドロキシブチレート(光学純度:79.2%ee)を得た。
〔実施例2〕
実施例1で得られた粗エチル−4−t−ブチロキシカルボニルアミノ−2−(R)−ヒドロキシブチレートとトルエン−ヘプタン混合溶液[トルエン:ヘプタン=1:1(v/v)]30mLとを混合し、5℃で晶析を行って、目的のエチル−4−t−ブチロキシカルボニルアミノ−2−(R)−ヒロドキシブチレート(MW:247.29,28.4mmol)を得た。収率:69%,光学純度96.9%ee。
1H−NMR:δ(CDCl3)1.30(3H,t),1.43(9H,s),1.81(1H,m),2.01(1H,m),3.28(2H,m),4.23(1H,m),4.24(2H,q),4.88(1H,br)
〔実施例3〕
エチル−4−t−ブチロキシカルボニルアミノ−2−(R)−ヒドロキシブチレートの製造
エチル−4−t−ブチロキシカルボニルアミノ−2−オキソ−3−ブテナート200mg(0.8mmol)、Ru(p−cymene)[(R,R)−Tsdpen]4mg,ギ酸−トリエチルアミン共沸混合物2mL及びテトラヒドロフラン(THF)2mLを混合した溶液を30℃で撹拌反応させた。16時間後、GCで原料の消失を確認した後、溶媒を留去して目的のエチル−4−t−ブチロキシカルボニルアミノ−2−(R)−ヒドロキシブチレート171mg(MW:247.29,0.69mmol)を得た。収率:87%、光学純度:66.1%ee。1H−NMRデータは、実施例1の1H−NMRデータと一致した。
〔実施例4〜10〕
エチル−4−t−ブチロキシカルボニルアミノ−2−オキソ−3−ブテナート250mg、下記表7に示す触媒を該エチル−4−t−ブチロキシカルボニルアミノ−2−オキソ−3−ブテナートに対して1/100mol及び同表7に示す溶媒1.5mLを混合した溶液を80℃、水素圧3MPaで7時間不斉水素化反応を行った。GCで原料の消失を確認した後、溶媒を留去し、目的のエチル−4−t−ブチロキシカルボニルアミノ−2−ヒドロキシブチレートを得た。結果を表7に示す。
Figure 2007106706
〔実施例11〜14〕
実施例1と同様の方法で得られた光学純度79.2%eeのエチル−4−t−ブチロキシカルボニルアミノ−2−(R)−ヒドロキシブチレート3gを下記表8に示す溶媒A及び溶媒Bとの混合溶液を用いて、下記表8に示す条件で晶析を行って、目的のエチル−4−t−ブチロキシカルボニルアミノ−2−(R)−ヒロドキシブチレートを得た。結果を表8に示す。
Figure 2007106706
以上の結果から、エチル−4−t−ブチロキシカルボニルアミノ−2−(R)−ヒドロキシブチレートの光学純度は、いずれの晶析条件によっても向上した。
本発明は、医薬、農薬等の中間体等として有用な4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩、特に光学純度の高い光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩の製造方法として、工業的に極めて有用である。本発明によれば、従来の方法に比べて一工程で製造することができるため作業性が向上し、収率よく所望の4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類、特に光学純度の高い光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類を製造できる。

Claims (6)

  1. 4−アミノ−2−オキソブテン酸類又はその塩を還元反応に付すことを特徴とする4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩の製造方法。
  2. 還元反応が不斉還元反応であり、製造される4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩が光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩であることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 4−アミノ−2−オキソブテン酸類が一般式(2)
    Figure 2007106706
    (式中、R1は(i)置換されていてもよい水酸基、(ii)置換されていてもよいメルカプト基又は(iii)置換されていてもよいアミノ基を示し、R2及びR3は夫々独立して、水素原子、置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい複素環基を示し、R4及びR5は夫々独立して、水素原子又は保護基を示す。但し、R1とR2、R2とR3、R2とR5又はR4とR5とが結合して環を形成してもよく、二重結合はシス又はトランスである。)で表される4−アミノ−2−オキソブテン酸類であり、得られる光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類が一般式(1)
    Figure 2007106706
    (式中、*は不斉炭素を示し、R1〜R5は前記と同意義である。但し、R2が水素原子であるときはR2が結合している炭素原子は不斉炭素とはならず、またR3が水素原子であるときはR3が結合している炭素原子は不斉炭素とはならない。)で表される光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類であることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 還元反応を不斉触媒の存在下で行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  5. 還元反応により生成した4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩を溶媒中で晶析させ、取得することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の製造方法。
  6. 4−アミノ−2−オキソブテン酸類又はその塩を不斉触媒の存在下に還元し、還元反応により生成した光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩を溶媒中で晶析させることを特徴とする光学活性4−アミノ−2−ヒドロキシ酪酸類又はその塩の製造方法。
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