JP2007105769A - 連続鋳造用の浸漬ノズル及び鋼の連続鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 2個の吐出孔とスリットとを有する浸漬ノズルを用いた連続鋳造において、鋳型内の下向き流れと吐出流れとの間が不連続とならず、スライディングノズルを用いた場合でも吐出孔からの溶湯流の方向がずれを生じないような浸漬ノズルを提供する。
【解決手段】 有底円筒状であり、円筒形の側壁の下部には2個の吐出孔2が円筒に軸対称の位置に配置され、円筒底部4及び両吐出孔の底部6を連ねて外部に開口するスリット3が設けられ、円筒底部4におけるスリット3と接する部位は円筒側壁5に向かって上方に傾斜しており、吐出孔底部6におけるスリット3と接する部位は吐出孔側壁7に向かって上方に傾斜しており、円筒底部4が形成する面と吐出孔底部6が形成する面との間には実質的に段差を有しないことを特徴とする連続鋳造用の浸漬ノズルである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、連続鋳造用の浸漬ノズル及び鋼の連続鋳造方法に関するものである。
溶鋼をはじめとする溶融金属の連続鋳造においては、連続鋳造用タンディッシュの底部に取り付けられた浸漬ノズルが鋳型内に配置され、浸漬ノズルの下方先端から鋳型内に溶湯が注入され、溶湯の鋳型に接する部分が凝固して凝固シェルを形成し、順次鋳型下方のロール帯に引き抜かれて凝固が進行し、最終的に凝固が完了して鋳片となる。
浸漬ノズルは有底円筒状の形状であり、その側壁下部には鋳型内に溶湯を吐出するための吐出孔が配置される。スラブやブルームの連続鋳造においては、鋳片の幅方向に溶湯を吐出するように、2個の吐出孔がノズルの円筒に軸対称の位置に配置される。以下、2個の吐出孔を左右の吐出孔ともいう。
タンディッシュから浸漬ノズルを経て鋳型内に供給される溶湯は、左右の吐出孔から鋳型内に流出する。左右の吐出孔から流出する溶湯流速は大きく、この溶湯流は鋳型の側壁に位置する凝固シェルに衝突して上昇流と下降流に分かれる。下降流の流速が大きすぎると、下降流が溶湯内に深く浸入し、下降流に付随した介在物やアルゴン気泡が浮上できずに凝固シェルに捉えられ、鋳片の介在物欠陥や気泡状欠陥になる。また上昇流の流速が大きすぎると、上昇流は鋳型内メニスカスにおいてメニスカス反転流となり、鋳型内の溶湯のメニスカスを強く揺動させるために、パウダー巻き込みなどの鋳片品質不良の原因となる。鋳型内電磁攪拌によって鋳型内の溶湯に攪拌流を起こさせる場合においては、この攪拌流とメニスカス反転流との衝突部においては十分な攪拌流を得ることができなくなる。
浸漬ノズルの底部に、下方に向かって外部に開口するスリット3を有するノズルが知られている(図10)。スリット3は、円筒底部4及び左右の吐出孔の底部6を連ねて開口する。浸漬ノズルを通して鋳型内に流出する溶湯は、左右の吐出孔2に加えてこのスリット3からも流出するので、吐出孔2から流出する溶湯流速を相対的に低減させることができ、下降流と上昇流の流速も小さくなる。下降流の流速が低減する結果、下降流にともなって溶湯内に深く浸入する介在物やアルゴン気泡を低減することができる。上昇流の流速が低減する結果、鋳型内の溶湯メニスカスにおける溶湯の揺れに伴う品質不良を低減し、また鋳型内電磁攪拌による攪拌流に対する悪影響を低減することができる。このように、2個の吐出孔とスリットとを有する浸漬ノズルを、以下「分散ノズル」ともいう。
特許文献1、2においては、上記のように吐出孔とスリットとを有する浸漬ノズルを用いることにより、鋳型内の下降流を低減させ、さらに鋳型内電磁攪拌による攪拌流とメニスカス反転流の干渉を小さくできる点が記載されている。
溶湯注入中において、浸漬ノズル内部の溶湯と接する面には、非金属介在物が析出して付着しやすい。スリットを有する浸漬ノズルでも同様であり、スリットの付近に非金属介在物が付着すると、スリットが細くなりあるいは閉塞してしまう。特許文献3においては、浸漬ノズルの底の内面の形状を、スリットを起点として水平に対して30°以上の傾斜角度で側壁に向かって傾斜している面とすることにより、鋳造中にスリットが細くなりあるいは閉塞することを十分に防止できるとしている。
特開2001−205396号公報 特開2003−25048号公報 特開2000−126849号公報
2個の吐出孔とスリットとを有する浸漬ノズルにおいて、浸漬ノズルから流出する溶湯の流出については、浸漬ノズルの下方から吐出孔開口方向までの各方向について、どの方向についても均一に溶湯流が存在することが望ましい。溶湯流が特定の方向のみに向いていると、その方向の流速が大きくなり、溶湯の深部へ向かう流れや吐出孔からの吐出流を増大させることとなるからである。ところが、鋳型内の溶湯流れについて水モデル実験を行ったところ、図11(b)に示すように、従来の分散ノズルを用いたのでは、浸漬ノズルの下方に向かう下向き流37と吐出孔の開口方向に向かう吐出流34とが大きく、下向き流37と吐出流34との間の斜め方向の流れが少なくなり、下向き流37と吐出流34との間が不連続になる現象が見られた。これでは分散ノズルを用いた効果を十分に発揮することができない。
タンディッシュから浸漬ノズルを通しての溶湯流量を調整する目的で、タンディッシュストッパーあるいはスライディングノズルが用いられる。スライディングノズルを用いた場合、溶湯流量を小さくするためにスライディングノズル開口面積を小さくすると、開口部位が浸漬ノズルの中心軸からずれることとなる。鋳型内の溶湯流れについて水モデル実験を行ったところ、図12(d)(f)に示すように、従来の分散ノズルを用いたのでは、スライディングノズルの開口部位が浸漬ノズル中心軸からずれたときに、吐出孔からの吐出流34の方向が吐出孔開口方向からずれ39を生じることがわかった。これでは吐出流の流速が衰えずに長辺側に衝突して凝固シェルの不均一成長を引き起こしたり、上昇流がメニスカスを強く揺動させるという問題を生じる。
鋳型内の溶湯表面は連続鋳造パウダーで被覆され、パウダーは溶湯の温度によって溶融パウダーとなり、鋳型と凝固シェルとの間を満たして両者の潤滑を促進し、また鋳型内の溶湯中を浮上した非金属介在物を吸着して系外に排除する機能を有する。溶湯表面付近の流れが乱されると、溶湯表面を覆う溶融パウダーが溶湯内に巻き込まれ、そのまま凝固シェルに取り込まれると鋳片欠陥の原因となる。従って、鋳型内の溶湯表面付近はできるだけ乱れの少ない状況に保持する必要がある。鋳型内の溶湯流れについて水モデル実験を行ったところ、溶湯表面のパウダーが浸漬ノズルの吐出孔に吸い込まれる場合があることがわかった。吐出孔に吸い込まれたパウダーはその直後に吐出流に乗って放出されるので、これが溶湯の深部に到達すると凝固シェルに捕捉され、鋳片欠陥の原因となる。
本発明は、2個の吐出孔とスリットとを有する浸漬ノズルを用いた連続鋳造において、鋳型内の下向き流れと吐出流れとの間が不連続とならず、スライディングノズルを用いた場合でも吐出孔からの溶湯流の方向がずれを生じないような浸漬ノズルを提供することを目的とする。
本発明はまた、2個の吐出孔とスリットとを有する浸漬ノズルを用いた連続鋳造において、溶湯表面を覆う溶融パウダーが吐出孔に吸い込まれることのない浸漬ノズルを提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)有底円筒状であり、円筒形の側壁の下部には2個の吐出孔2が円筒に軸対称の位置に配置され、円筒底部4及び両吐出孔の底部6を連ねて外部に開口するスリット3が設けられ、円筒底部4におけるスリット3と接する部位は円筒側壁5に向かって上方に傾斜しており、吐出孔底部6におけるスリット3と接する部位は吐出孔側壁7に向かって上方に傾斜しており、円筒底部4が形成する面と吐出孔底部6が形成する面との間には実質的に段差を有しないことを特徴とする連続鋳造用の浸漬ノズル。
(2)円筒底部4におけるスリット3と接する部位の円筒側壁5に向かう傾斜角θ1及び吐出孔底部6におけるスリット3と接する部位の吐出孔側壁7に向かう傾斜角θ2は、上方に30°以上であることを特徴とする上記(1)に記載の連続鋳造用の浸漬ノズル。
(3)吐出孔頂部8における円筒の側壁5と接する部位は、円筒の側壁5に滑らかに接する曲面を形成してなることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の連続鋳造用の浸漬ノズル。
(4)ノズル上端と吐出孔2との間に、その開口断面積が円筒の開口断面積よりも小さいオリフィス部21を有してなることを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の連続鋳造用の浸漬ノズル。
(5)スリット3の両側面の間を結合するリブ22を有してなることを特徴とする上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の連続鋳造用の浸漬ノズル。
(6)スリット3の開口幅は、吐出孔開口断面積の平方根の0.15〜0.40倍の範囲内にあることを特徴とする上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の連続鋳造用の浸漬ノズル。
(7)円筒の側面7並びに底部4、吐出孔2及びスリット3の溶湯と接する面の一部又は全部を、カーボンレススピネル、マグネシアグラファイト、ジルコニアグラファイト、シリカレスアルミナグラファイトのいずれかの材質とすることを特徴とする上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の連続鋳造用の浸漬ノズル。
(8)上記(1)乃至(7)のいずれかに記載の連続鋳造用の浸漬ノズルを使用し、質量%でC:0.01%以下、Si:1%以下、Mn:3%以下、P:0.15%以下、S:0.05%以下、Al:0.015%以下、Ti:0.005%以上0.3%以下、REM:0.001%以上、Ca:0.0004%以下、N:0.004%以下であり、残部Fe及び不可避不純物からなる鋳片を鋳造することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
本発明は、2個の吐出孔とスリットとを有する浸漬ノズルにおいて、円筒底部におけるスリットと接する部位及び吐出孔底部におけるスリットと接する部位は上方に傾斜しており、円筒底部が形成する面と吐出孔底部が形成する面との間には実質的に段差を有しないので、鋳型内の下向き流れと吐出流れとを連続させることができるとともに、スライディングノズルを用いた場合でも吐出孔からの吐出流がずれを生じない。
本発明はまた、2個の吐出孔とスリットとを有する浸漬ノズルにおいて、吐出孔頂部における円筒の側壁と接する部位は円筒の側壁に滑らかに接する曲面を形成しているので、吐出流が吐出孔の頂部で起こす剥離が軽減され、そのために溶融パウダーの吐出孔への吸い込みが解消される。
浸漬ノズルを通して鋳型内に注入される溶湯の挙動を、水モデル実験によって確認した。実機連続鋳造装置として、鋳片の幅が1500mm、厚さが250mmのサイズを想定し、1/2水モデル実験装置を用いた。実寸でメニスカスから5.8mまでの液相部分を再現した。以下「実寸」とは1/1縮尺時の寸法をいう。
浸漬ノズル1として2つの吐出孔2とスリット3とを有する種々の形状の浸漬ノズルを用いた。また、スライディングノズルプレート29が半開の場合であって、スライディングノズル開口部分が浸漬ノズルの軸中心からずれている場合の溶湯挙動についても調査した。浸漬ノズルの内部円筒内については、その全長を溶湯が充満しているわけではない。そこで、浸漬ノズル上部に空気吹込口を設け、浸漬ノズル内の溶湯充填長さを実溶鋼の鋳造時と同様になるようにした。また、鋳型内の電磁攪拌による溶湯流動を再現するため、攪拌翼によって鋳型内に旋回流を発生させることができる。
まずは、浸漬ノズル1から流出する液体流が鋳型内のどの程度の深さまで浸入するかについて評価した。浸漬ノズル1の吐出孔2及びスリット3から鋳型内に流出する液体には、気泡が混在している。この気泡が浸入する深さを計測し、浸漬ノズルタイプ毎に比較すれば、相対的に液体の浸入深さを対比することができる。
本発明例の浸漬ノズル1として、図2に示すタイプ、図6に示すタイプを用いた。図2、6に示すタイプのいずれも、円筒底部4及び両吐出孔の底部6を連ねて外部に開口するスリット3が設けられ、円筒底部4におけるスリット3と接する部位は円筒側壁5に向かって上方に傾斜しており、吐出孔底部6におけるスリット3と接する部位は吐出孔側壁7に向かって上方に傾斜しており、円筒底部4が形成する面と吐出孔底部6が形成する面との間には段差を有しない。浸漬ノズルの寸法を実寸で示すと、図2、6に示すものは、浸漬ノズルの外径が153mm、円筒部の内径が85mm、吐出孔2の断面積が2820mm2、スリット3の高さが30mm、幅が15mm、傾斜角θが45°である。図6に示すものは、さらに吐出孔頂部8における円筒の側壁5と接する部位が、曲率半径60mmの曲面11で円筒の側壁5に滑らかに接している。
また比較例の浸漬ノズルとして、図10に示すタイプを用いた。図10に示すタイプは、円筒底部4及び両吐出孔の底部6を連ねて外部に開口するスリット3が設けられている点は図2、6に示すタイプと同様であるが、円筒底部4及び吐出孔底部6におけるスリット3と接する部位は吐出孔側壁7に向かって上方に傾斜しておらず、円筒底部4が形成する面と吐出孔底部6が形成する面との間には段差13を有する。図10に示す浸漬ノズルの寸法は実寸で、浸漬ノズルの外径、円筒部の内径、吐出孔の断面積、スリットの幅は30mmであり、段差13が28mm、スリットの高さが30mmである。
鋳型内に充満する液体内における液体流動について、浸漬ノズルから流出する液体に混在する気泡の挙動に基づいて評価した。その結果を図11に示す。図10タイプの比較例においては、図11(b)に示すように、下降流36が大きく、それに比較して吐出流34と下向き流れ37の間の角度に向かう流れが少なかった。一方、図2、6タイプの本発明例においては、図11(a)に示すように、吐出流34と下向き流れ37の間の角度に向かう流れが増大し、それによって吐出流34と下向き流れ37とが連続した流れを形成し、その結果として下降流36及び下向き流れ37によって下方に運ばれる気泡の到達位置が浅くなった。図10タイプの比較例におけるスリットの幅は本発明例の倍にしたにもかかわらず、下向き流れ37によって下方に運ばれる気泡の到達位置は同程度であった。気泡到達位置は、図10に示す比較例に対し、図2、6に示す本発明例はいずれも、2/3の深さまでしか到達しなかった。図2のタイプと図6のタイプは、気泡到達位置に関しては同様の結果であった。
次に、浸漬ノズルの直上に位置するスライディングノズルプレート29の開口位置が溶湯流れに与える影響について水モデル試験で評価した。図12(a)(c)(e)に示すように、浸漬ノズルの上部にスライディングノズルプレート29を模したプレートを挿入し、スライディングノズル開口位置が浸漬ノズル1の軸中心からずれるように配置した。(a)(c)は図の左側に開口位置がずれており、(e)は図の右側に開口位置がずれている。使用した浸漬ノズルについては、(a)が図6に示す本発明例、(c)(e)が図10に示す比較例を用いている。
浸漬ノズル1の吐出孔2から流出する吐出流34について、鋳型を上方から見たときに鋳型の長辺30に対してずれ39が存在するか否かを評価した。併せて、浸漬ノズル内に渦38が存在するか否かについても確認した。
図12(c)に示す比較例(スライディングノズルの開口位置が図の左側に偏移)では、浸漬ノズル内に時計回りの渦38が発生しており、図12(d)に示すように吐出流34にずれ39が生じていた。また、(e)に示す比較例(スライディングノズルの開口位置が図の右側に偏移)では、浸漬ノズル内に反時計回りの渦38が発生しており、図12(f)に示すように吐出流34にずれ39が生じていた。それに対し、図12(a)に示す本発明例においては、スライディングノズルの開口位置が図の左側に偏移しているにもかかわらず、浸漬ノズル内には渦38の発生が見られず、また図12(b)に示すように吐出流34にずれ39の発生は見られなかった。
以上のように、水モデル実験の結果、円筒底部4及び両吐出孔の底部6を連ねて外部に開口するスリット3が設けられた浸漬ノズルにおいて、円筒底部4及び吐出孔底部6におけるスリット3と接する部位がそれぞれ傾斜しており、円筒底部4が形成する面と吐出孔底部6が形成する面との間には段差を有しない場合には、円筒底部4及び吐出孔底部6に傾斜がなくさらに段差13が存在する場合と比較し、浸漬ノズルから流出した溶湯が鋳型内の深くまで浸入することを防止する効果があり、併せてスライディングノズルプレートの開口が浸漬ノズル軸芯から偏移しても吐出流を正常に保つことが明らかとなった。
さらに、鋳型内溶湯表面の溶融パウダーが吐出孔に吸い込まれる現象の有無について、水モデル実験で評価した。用いた水モデル実験装置は上述のものと同様である。浸漬ノズルタイプは図2、6に示すものを用い、寸法は上記水モデル実験で用いたものと同様である。
まず、図2に示すタイプの浸漬ノズルを用いて水モデル試験を行った。
浸漬ノズル1から鋳型内に流入する吐出流34には、気泡が混在している。この気泡が、鋳型内での溶湯流動に伴って浮遊している。たまたま吐出孔2の上部近傍の溶湯中に含まれる気泡が、吐出孔2に吸い込まれるという現象が発生することを見出した。気泡が吐出孔2内に逆流するということは、吐出孔2の内部に負圧部分が存在することを示唆する。浸漬ノズル内の液体流路に滑らかでない角が存在すると、その角で液体の流れに剥離が生じ、負圧になる場合がある。浸漬ノズル内液体流路の滑らかでない角としては、吐出孔頂部8における円筒の側壁5と接する部位がある。
そこで、図6に示すように、吐出孔頂部8における円筒の側壁5と接する部位が円筒の側壁に滑らかに接する曲面11を形成する浸漬ノズルを試作した。このように液体流路を滑らかな曲面11とすることにより、液体の流れに剥離が発生しづらくなり、負圧が発生しづらくなるはずである。
図3に示すタイプの浸漬ノズルを用いて水モデル実験を行ったところ、吐出孔2の上部近傍の溶湯中に含まれる気泡が吐出孔2に吸い込まれるという現象は見られなくなった。
次に、水モデル実験装置の鋳型内溶湯表面に、溶融パウダーとしてシリコンオイル(比重0.97)の層を形成した。層の厚さは実寸で10mmである。意図的に鋳型内溶湯表面に攪乱を与え、溶融パウダーが吐出孔2の近傍まで潜り込む状況を作り出した。図2、6に示す浸漬ノズルを用いて実験を行ったところ、図13に示すように、図2に示すタイプでは、吐出孔2の近傍まで潜り込んだ溶融パウダーが吐出孔2に吸い込まれるパウダー吸い込み40の発生が見られた。吐出孔2に吸い込まれた溶融パウダーは、吐出流34に伴われて鋳片の深い部分にトラップされ、鋳片内部欠陥となる可能性が高い。それに対し、図6に示すタイプでは、吐出孔2の近傍まで潜り込んだ溶融パウダーは吐出孔2に吸い込まれなかった。
以上の水モデル実験から明らかなように、図6に示すように吐出孔頂部8における円筒の側壁5と接する部位が円筒の側壁に滑らかに接する曲面11を形成する浸漬ノズルを用いることにより、吐出孔2へのパウダー吸い込み現象を防止し、鋳片内部欠陥発生を防止することが可能となる。
次に、溶湯中への気泡浸入深さとスリット3の幅との関係について、水モデル実験による確認を行った。浸漬ノズルタイプとして図6に示すタイプを用いた。実寸換算の寸法において、吐出孔開口断面積は2820mm2であり、スリット3の幅を10〜30mmの範囲で変化させ、溶湯内への気泡浸入深さを評価した。スリットを有しないタイプも併せて評価した。浸漬ノズルからの液体吐出速度(実寸換算)を714L/minと571L/minの2種類とした。
図14に評価結果を示す。横軸については、スリットの幅/(吐出孔開口断面積)1/2で表示した。横軸が0のプロットはスリットを有しないタイプの評価結果である。図14から明らかなように、本発明の浸漬ノズル形状、即ち、円筒底部4及び吐出孔底部6におけるスリット3と接する部位がそれぞれ傾斜しており、円筒底部4が形成する面と吐出孔底部6が形成する面との間には段差を有しない形状においては、スリットの開口幅は、吐出孔開口断面積の平方根の0.40倍以下の範囲で気泡浸入深さが最小になる好適範囲が存在する。
実際にスリット幅を決定するに際しては、非金属介在物の付着を考慮する必要がある。スリット幅が狭いほど非金属介在物の付着によるスリットの閉塞が発生しやすくなるので、スリット幅は気泡浸入深さが最小になる範囲内でできるだけ広い幅を選択すると良い。スリットの開口幅が吐出孔開口断面積の平方根の0.15倍以上とすれば、実鋳造においてスリット部に介在物が付着しにくいので好ましい。
ここで、本発明の浸漬ノズルの好ましい実施の形態について説明する。
円筒底部4及び両吐出孔の底部6を連ねて外部に開口するスリット3が設けられた本発明の浸漬ノズル1において、円筒底部4におけるスリット3と接する部位は円筒側壁5に向かって上方に傾斜する傾斜角を傾斜角θ、吐出孔底部6におけるスリット3と接する部位は吐出孔側壁7に向かって上方に傾斜する傾斜角を同じく傾斜角θとおく。両者を区別する場合には、円筒底部4の傾斜角を傾斜角θ1、吐出孔底部6の傾斜角を傾斜角θ2とする(図2参照)。
傾斜角θの好適範囲は、30〜60°である。傾斜角θが30°未満では、渦38のようなノズル内の渦が発生する場合がある。また傾斜角θが60°を超えると、吐出孔の上頂部がメニスカスに接近するため、パウダー巻き込みに不利である。傾斜角θは40°以上であるとより好ましい。
円筒底部4の傾斜角θ1と吐出孔底部6の傾斜角θ2とは一致していることが好ましいが、必ずしも一致していなくても良い。θ1とθ2とが異なる場合、両者の差異は10°以下とすると好ましい。
円筒底部4の面と吐出孔底部6の面とは、図2に示すように同一の平面として形成することとすると、浸漬ノズルの形状がシンプルとなるので好ましい。一方、図3に示すように、円筒底部4の面と吐出孔底部6の面とは、その接合面に段差さえ設けなければ、角度をもって接していても良い。図3に示すように吐出孔底部6の向きを浸漬ノズル外周に向かって下がる方向で傾きを持たせることとすれば、吐出孔頂部8の傾きと相まって、吐出孔からの溶湯吐出流の向きを好適に調整することが可能となる。
円筒底部4が形成する面と吐出孔底部6が形成する面との間の段差については、実質的に段差を有しなければいいのであって、必ずしも段差を完全にゼロにする必要はない。図4示すように、僅かな段差12が存在していても、本発明の効果を発揮することができる。実質的に段差を有しないとは、段差が吐出流34と下向き流れ37の連続性を損なわない程度であればよい。より具体的には段差が5mm以下程度であれば、本発明の効果を発揮することができる。
吐出孔2の断面形状としては、図2〜4に示すようにホームベース状とすると、形状がシンプルであって好ましい。一方、図5に示すように、吐出孔2の断面形状を円筒あるいは曲面を基本とする形状としても良い。円筒底部4の面についても曲面とすることができる。この場合、円筒底部4の傾斜角θ1、吐出孔底部6の傾斜角θ2については、それぞれ円筒底部4あるいは吐出孔底部6がスリット4と接する近傍の平均傾斜角を用いることとすればよい。
水モデル実験結果を用いて前述したとおり、吐出孔頂部8における円筒の側壁5と接する部位は、円筒の側壁5に滑らかに接する曲面11を形成すると好ましい。これにより、吐出孔2の頂部付近において溶湯流が吐出孔頂部8から剥離しにくくすることができ、吐出孔2内へのパウダー巻き込みを防止し、巻き込まれたパウダーが吐出流に乗って鋳片内部にとラップされるのを防止することができる。
曲面11の形状としては、吐出孔頂部8と側壁5を滑らかにつなぐ曲率半径Rは、図6に示すように、肉厚tと吐出角度φにより決まる。φが小さいと材料の強度上問題があるが、Rを大きくすることができるため流れの剥離防止には有利である。例えばφ=45°程度の場合において、曲率半径Rが50〜100mmの形状とすると好ましい。
本発明の浸漬ノズルにおいては、図7に示すように、ノズル上端と吐出孔との間に、その開口断面積が円筒の開口断面積よりも小さいオリフィス部21を形成すると好ましい。オリフィス部21を形成することにより、スライディングノズルプレートの開口が浸漬ノズル軸芯から偏移しているときの浸漬ノズル内及び鋳型内の溶湯流動について、浸漬ノズル内の渦38の発生をより一層低減することができ、併せて鋳型内吐出流34のずれ39の発生をより一層低減することができる。
オリフィスの形状としては、浸漬ノズルの軸芯と同芯で内径を狭めた形状とすればよい。オリフィス部の内径を、オリフィス部以外の部分の内径の0.7〜0.9倍程度とすればよい。0.7倍未満では径が細過ぎて溶湯流動に支障をきたす。0.9倍を超えるとオリフィス部を形成した効果を発揮することができない。
オリフィス部21を形成する浸漬ノズル内の上下方向位置としては、浸漬ノズル長さのメニスカスに相当する部位に配置すると好ましい。
スリットを有する浸漬ノズルにおいて、溶湯の流量を増大すると、スリットを押し広げようとする力が増大する。特に、本発明のように傾斜角θを有していると、スリットを押し広げようとする力がより一層増大する。
本発明の浸漬ノズルでは、図8に示すように、スリット3の両側面の間を結合するリブ22を形成すると好ましい。リブ22を有する結果として、スリットを押し広げようとする力が増大した際においても、浸漬ノズル1の変形・破壊を防止することができる。
連続鋳造用の浸漬ノズル材質として、最も一般的にはアルミナグラファイトが用いられる。アルミナグラファイトは、アルミナの高耐火性とグラファイトの低い溶鋼濡れ性を組み合わせた特徴があり、溶鋼に対する耐食性が良好だからである。浸漬ノズルの外周であって溶融パウダーと接する部分(パウダーライン)については、溶融パウダーと接しても溶損性が優れている材質、例えばジルコニアグラファイトが用いられることがある。
通常の溶鋼連続鋳造において、特にAlキルド鋼の連続鋳造においては、アルミナグラファイト製の浸漬ノズル内部に非金属介在物が析出し、吐出孔やスリットの閉塞を引き起こす問題が発生しやすい。逆に、溶湯の成分によっては、アルミナグラファイト製のノズルが侵食を受け、鋳造中にノズル内部が溶損する場合がある。本発明の連続鋳造用の浸漬ノズルにおいては、円筒の側面並びに底部、吐出孔及びスリットの溶湯と接する面の一部又は全部を、カーボンレススピネル、ローカーボンスピネル、マグネシアグラファイト、ジルコニアグラファイト、シリカレスアルミナグラファイトのいずれかの材質とすると好ましい。カーボンレススピネル、ローカーボンスピネル、マグネシアグラファイト、ジルコニアグラファイト、シリカレスアルミナグラファイトのいずれかの材質を、ここでは「高耐溶損性耐火物23」と総称する。
図9は、浸漬ノズルの円筒の側面5並びに底部、吐出孔2及びスリット3の溶湯と接する面の全部を高耐溶損性耐火物23の材質とした例である。浸漬ノズルのそれ以外の部分については、通常耐火物24としてアルミナグラファイトを用いている。図9において、不規則ハッチングを施した部位は高耐溶損性耐火物23が露出した部位であり、不規則ハッチングと斜めハッチングが重なった部位は高耐溶損性耐火物23を用いた部位の断面である。一方、ハッチングを施していない部位は通常耐火物24が露出した部位であり、斜めハッチングのみの部位は通常耐火物24を用いた部位の断面である。
高耐溶損性耐火物23のうち、カーボンレススピネルとは化学的損耗に優れたスピネル(MgO・Al23)材質を骨材とし、物理的損耗を招くカーボンを除外した材質であり、ローカーボンスピネルとはカーボンレススピネル材質のスポール性を補う目的で少量(10%以下程度)の黒鉛を添加したものである。マグネシアグラファイトとは高融点で耐食性に優れたマグネシアを骨材とし、マグネシアの欠点である耐スポール性を黒鉛で補った材質であり、ジルコニアグラファイトとは高融点で耐食性に優れたジルコニアを骨材とし、その耐スポール性を黒鉛で補った材質であり、シリカレスアルミナグラファイトとはアルミナグラファイトレンガ中に耐スポール性を補うために添加されるシリカを耐食性向上のため除外した材質である。
以上説明した本発明の連続鋳造用の浸漬ノズルは、鋼をはじめあらゆる金属の連続鋳造において用いることができる。鋼についても、通常に連続鋳造されるあらゆる成分系においてその効果を発揮することができる。
本発明の浸漬ノズルを、質量%でC:0.01%以下、Si:1%以下、Mn:3%以下、P:0.15%以下、S:0.05%以下、Al:0.015%以下、Ti:0.005%以上0.3%以下、REM:0.001%以上、Ca:0.0004%以下、N:0.004%以下であり、残部Fe及び不可避不純物からなる鋳片の連続鋳造に用いることも可能である。このような成分の鋼を連続鋳造すると、連続鋳造時のノズルへの非金属介在物付着が少ないので、ノズル閉塞に対して有効であり、クラスター状介在物による表面欠陥が発生しにくく、大型介在物に起因するプレス割れなどの製品欠陥も発生しにくいので、表面性状、内質ともに良好な薄鋼板を製造するための鋳片を提供することができる。
ここで、鋼成分の限定理由について説明する。
Cについては、表面性状、内質ともに厳格な特性を要求される高加工性の薄鋼板に適用するため、0.01質量%以下とする。0.005質量%以下とするとさらに好ましい。
Siについては、鋼を強化する作用があり、必要な強度におうじて適当量を含有させる場合があるが、1質量%を超えると深絞り性が低下するので1質量%以下とする。Siを含有させなくても良い。
Mnについては、鋼を強化する作用があり、必要な強度におうじて適当量を含有させる場合があるが、3質量%を超えると深絞り性が低下するので3質量%以下とする。
Pは鋼を強化する作用があり、必要な強度におうじて適当量を含有させる場合があるが、0.15質量%を超えると深絞り性が低下するので0.15質量%以下とする。
Sについては、0.05質量%を超えると、非金属介在物中のS濃度が5質量%以上になり、ノズル閉塞の原因となるので、0.05質量%以下とする。
Al濃度が0.015質量%を超えると、非金属介在物中のAl23濃度が高くなり過ぎ、ノズル閉塞および鋼板の表面性状悪化の原因となるので、0.015質量%以下とする。
Tiについては、0.005質量%未満ではTi濃度が少なすぎて脱酸が不十分であり鋼板の表面性状が悪化する。Ti濃度が0.3質量%超ではTi酸化物の生成量が多すぎ、かつ薄鋼板が硬化して加工性が悪化するので、0.005%以上0.3%以下とする。
さらにREMを含有させ、溶鋼中の非金属介在物組成を制御する。このときREM濃度としては0.001質量%以上が必要である。0.001質量%未満であると、非金属介在物中のREM濃度が不足し所定の性能が得られなくなる。
Caは、0.0004質量%を超えると、非金属介在物中のCaO濃度が高くなり過ぎ、プレス割れの原因となるので、0.0004質量%以下とする。
Nは加工性を低下させるので0.004質量%以下とする。0.002質量%以下にするとさらに好ましい。
また,必要に応じ,Nb:0.1質量%以下,B:0.05質量%以下ならびにMo:1質量%以下を添加してもよい。
Nbは鋼板の結晶粒微細化に有効な元素であり,薄鋼板の深絞り性の向上に効果を発揮する。ただし,0.1質量%を超えて添加した場合,鋼の変形抵抗を顕著に増加するという不具合を生じるおそれがあるため添加する場合でも0.1質量%以下とする。
Bを添加することにより深絞り成形などを行った場合の2次加工脆化を防止できる。ただし,0.05質量%を超えて添加した場合,鋼の変形抵抗を顕著に増加するという不具合を生じるおそれがあるため添加する場合でも0.05質量%以下とする。
Moを添加することにより鋼の引張強度の増加を図ることができる。ただし,1質量%を超えて添加してもその効果は飽和すること,かつMoは高価な元素であり,コストを抑制する観点から添加する場合でも1質量%以下とする。
また,必要に応じ,1質量%以下の範囲でNi,Cu,Crを添加しても良い。これらの元素を添加すると,鋼板の耐食性を向上させることができる。ただし,1質量%を超えて添加してもその効果は飽和すること,かつ場合によっては製造した鋳片の表面疵の原因となることから添加する場合でもそれぞれ1質量%以下とする。
以上説明した成分を有する溶鋼の連続鋳造を行うと、浸漬ノズルへの非金属介在物の付着が防止される反面、鋳造中においてアルミナグラファイト製の浸漬ノズルの内面が侵食され、十分な寿命で連続鋳造を行えない場合がある。従って、上記成分を有する溶鋼の連続鋳造に際して本発明の浸漬ノズルを適用するについては、図9に示すように、円筒の側面5並びに底部4、吐出孔2及びスリット3の溶湯と接する面の一部又は全部に高耐溶損性耐火物23を用いた浸漬ノズルを用いることとすると好ましい。これにより、浸漬ノズルへの非金属介在物の付着が防止されると同時に、浸漬ノズルの溶損も防止することができ、浸漬ノズルを長時間使用しつつ品質の良好な鋼板を提供するための鋳片を製造することが可能となる。
垂直曲げ型スラブ連続鋳造機(垂直部の長さ2.5m)により、本発明の浸漬ノズルを用いて鋼の連続鋳造を行った。スラブ厚さは240mm、スラブ幅は1000〜2000mm、溶鋼取鍋容量は300トンである。
鋳造する品種としては、品種1(質量%でC:0.01%以下、Si:0.05%以下、Mn:0.5%以下、P:0.15%以下、S:0.05%以下、Al:0.015%以下、Ti:0.02〜0.07%、REM:0.001〜0.010%、Ca:5ppm以下、N:40ppm以下)と品種2(通常の低炭Alキルド鋼)が混在している。品種1と品種2の混在比率は、品種2の占める割合が0〜4割程度である。
(実施例1)
本発明例1として図2に示す浸漬ノズル、本発明例2として図6に示す浸漬ノズル、比較例1として図10に示すノズルを用いて連続鋳造を行い、品種1の鋳片中に含まれる気泡個数と介在物個数の比較を行った。いずれの浸漬ノズルも、材質はアルミナグラファイト耐火物、吐出孔開口断面積は2820mm2、吐出角度φは45°、スリットの幅は15mmである。本発明例1、2では、角度θは45°であり、本発明例2では曲面11の曲率半径が60mmである。
240mm厚の品種1鋳片の上面から75mm部分を切り出し、直径0.1mm以上の気泡の個数をカウントした結果を図15(a)に示す。比較例1の気泡個数を1として相対表示している。本発明例1、2ともに、比較例1に比較して大幅に気泡個数が減少していることがわかる。
240mm厚の品種1鋳片の上面から120mm部分を切り出し、鋳片中の大きさ106μm以上の介在物個数をカウントした結果を図15(b)に示す。比較例1の介在物個数を1として相対表示している。比較例1に比較して本発明例1は介在物個数が減少し、本発明例2はさらに介在物個数が減少していることが明らかである。
(実施例2)
上記実施例1で使用した本発明例2の浸漬ノズル(図6に示すもの)と、本発明例3として図9に示す浸漬ノズルを用いて連続鋳造を行い、浸漬ノズルの溶損状況の比較を行った。本発明例3の浸漬ノズル形状は本発明例2と同様である。本発明例3の浸漬ノズルの材質として、通常耐火物24の部分にはアルミナグラファイト耐火物、高耐溶損性耐火物23の部分にはカーボンレススピネルを用いた。
浸漬ノズルを用いて400分の鋳造を行い、減肉厚みを耐火物溶損量として図16に示す。本発明例2の耐火物溶損量を1として相対表示している。本発明例3の浸漬ノズルはノズルの内周面に高耐溶損性耐火物を用いた結果として、高耐溶損性耐火物を用いていない本発明例2に比較し、溶損量が低減していることが明らかである。
本発明の浸漬ノズルを示す図であり、(a)はA−A矢視断面図、(b)はB−B矢視断面図、(c)はC−C矢視断面図である。 本発明の浸漬ノズルの一部を示す図であり、(a)はA−A矢視断面図、(b)はB−B矢視断面図、(c)はC−C矢視断面図、(d)はD−D矢視断面図である。 本発明の浸漬ノズルの一部を示す図であり、(a)はA−A矢視断面図、(b)はB−B矢視断面図、(c)はC−C矢視断面図、(d)はD−D矢視図である。 本発明の浸漬ノズルの一部を示す図であり、(a)はA−A矢視断面図、(b)はB−B矢視断面図、(c)はC−C矢視断面図である。 本発明の浸漬ノズルの一部を示す図であり、(a)はA−A矢視断面図、(b)はB−B矢視断面図、(c)はC−C矢視断面図である。 本発明の浸漬ノズルの一部を示す図であり、(a)はA−A矢視断面図、(b)はB−B矢視断面図、(c)はC−C矢視断面図、(d)はA−A矢視断面斜視図である。 本発明の浸漬ノズルを示す図であり、(a)はA−A矢視断面図、(b)はB−B矢視断面図、(c)はC−C矢視断面図である。 本発明の浸漬ノズルの一部を示す図であり、(a)はA−A矢視断面図、(b)はB−B矢視断面図、(c)はC−C矢視断面図、(d)はA−A矢視断面斜視図である。 本発明の浸漬ノズルの一部を示す図であり、(a)はA−A矢視断面図、(b)はB−B矢視断面図、(c)はC−C矢視断面図、(d)はD−D矢視図である。 従来の浸漬ノズルを示す図であり、(a)はA−A矢視断面図、(b)はB−B矢視断面図、(c)はC−C矢視断面図である。 水モデル実験の状況を横から見た図であり、(a)は本発明例、(b)は比較例である。 水モデル実験の状況を示す図であり、(a)(c)(e)は浸漬ノズルの縦断面図、(b)(d)(f)は(a)(c)(e)に対応して水モデル実験の状況を上から見た図であり、(a)(b)は本発明例、(c)〜(f)は比較例である。 水モデル実験の状況を横から見た図である。 水モデル実験において、スリット幅と気泡浸入深さの関係を示す図である。 浸漬ノズル形状が鋳片品質に及ぼす影響について示す図であり、(a)は気泡個数、(b)は介在物個数に関するものである。 浸漬ノズル材質がノズル溶損量に及ぼす影響について示す図である。
符号の説明
1 浸漬ノズル
2 吐出孔
3 スリット
4 円筒底部
5 円筒側壁
6 吐出孔底部
7 吐出孔側壁
8 吐出孔頂部
11 曲面
12 わずかな段差
13 段差
14 凹部
21 オリフィス部
22 リブ
23 高耐溶損性耐火物
24 通常耐火物
29 スライディングノズルプレート
30 長辺
31 短辺
32 溶湯
33 溶融パウダー層
34 吐出流
35 上昇流
36 下降流
37 メニスカス反転流
37 下向き流
38 渦
39 ずれ
40 パウダー吸い込み

Claims (8)

  1. 有底円筒状であり、円筒形の側壁の下部には2個の吐出孔が円筒に軸対称の位置に配置され、円筒底部及び両吐出孔の底部を連ねて外部に開口するスリットが設けられ、円筒底部におけるスリットと接する部位は円筒側壁に向かって上方に傾斜しており、吐出孔底部におけるスリットと接する部位は吐出孔側壁に向かって上方に傾斜しており、円筒底部が形成する面と吐出孔底部が形成する面との間には実質的に段差を有しないことを特徴とする連続鋳造用の浸漬ノズル。
  2. 円筒底部におけるスリットと接する部位の円筒側壁に向かう傾斜角及び吐出孔底部におけるスリットと接する部位の吐出孔側壁に向かう傾斜角は、上方に30°以上であることを特徴とする請求項1に記載の連続鋳造用の浸漬ノズル。
  3. 吐出孔頂部における円筒の側壁と接する部位は、円筒の側壁に滑らかに接する曲面を形成してなることを特徴とする請求項1又は2に記載の連続鋳造用の浸漬ノズル。
  4. ノズル上端と吐出孔との間に、その開口断面積が円筒の開口断面積よりも小さいオリフィス部を有してなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の連続鋳造用の浸漬ノズル。
  5. 前記スリットの両側面の間を結合するリブを有してなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の連続鋳造用の浸漬ノズル。
  6. 前記スリットの開口幅は、吐出孔開口断面積の平方根の0.15〜0.40倍の範囲内にあることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の連続鋳造用の浸漬ノズル。
  7. 円筒の側面並びに底部、吐出孔及びスリットの溶湯と接する面の一部又は全部を、カーボンレススピネル、ローカーボンスピネル、マグネシアグラファイト、ジルコニアグラファイト、シリカレスアルミナグラファイトのいずれかの材質とすることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の連続鋳造用の浸漬ノズル。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の連続鋳造用の浸漬ノズルを使用し、質量%でC:0.01%以下、Si:1%以下、Mn:3%以下、P:0.15%以下、S:0.05%以下、Al:0.015%以下、Ti:0.005%以上0.3%以下、REM:0.001%以上、Ca:0.0004%以下、N:0.004%以下であり、残部Fe及び不可避不純物からなる鋳片を鋳造することを特徴とする鋼の連続鋳造方法。
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