JP2007104743A - 電動機制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】無接点方式で電動機の切り離しを行うことができ、他の電動機の負荷を低減できる電動機制御装置を提供する。
【解決手段】少なくとも第一及び第二の二つの電動機(12、14)を制御する電動機制御装置(16)は、前記第一の電動機の電源線をマトリクスコンバータ(19)の入出力の一方に接続すると共に、前記第二の電動機の電源線をマトリクスコンバータ(19)の入出力の他方に接続し、且つ、前記マトリクスコンバータ(19)の入出力の他方にインバータ(18)を介してバッテリ(17)を接続し、このインバータ(18)を介して前記マトリクスコンバータ(19)または前記第二の電動機(12)にバッテリ(17)からの電力を供給し得るように構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電動機制御装置に関し、少なくとも二つの電動機を備えた、たとえば、電気自動車やハイブリッド自動車に適用できる電動機制御装置に関する。
走行時の静粛性や大気を汚さない点で今後の発展が大いに期待されている電気自動車またはハイブリッド自動車の従来技術としては、たとえば、下記の特許文献1に記載されたものがある。
図15は、従来技術のブロック図である。この図において、前輪1、1は、第一の電動機2によって駆動可能であり、また、後輪3、3は、第二の電動機4によって駆動可能である。第一の電動機2及び第二の電動機4には、各々の駆動時に、それぞれ専用のインバータ(第一のインバータ5、第二のインバータ6)から三相交流が供給されるようになっており、それらのインバータ5、6には、バッテリ7から直流電源が供給されるようになっている。
ここで、バッテリ7と後輪用の第二のインバータ6との間に設けられているリレー接点7の必要理由は、同文献によれば、以下のとおりである。まず、説明の都合上、リレー接点7がないものと考える。すなわち、バッテリ7と後輪用の第二のインバータ6が直結されているものと考える。この場合、たとえば、第一の電動機2で前輪1、1を駆動すると、第二の電動機4は、後輪3、3の従動回転に伴って“発電機”として動作するため、第一の電動機2で発生した駆動力の一部が前記の負荷の消費に回されてしまい車両の駆動効率が悪くなる。
これに対して、図示のように、バッテリ7と後輪用の第二のインバータ6との間にリレー接点7を設けておき、第一の電動機2で前輪1、1を駆動するときに、そのリレー接点7を遮断するようにすれば、第二の電動機4が発電機として動作しなくなるので、前記の不都合(車両の駆動効率の悪化)を解消できる。
特開2000−253512号公報
しかしながら、前記の従来技術は、機械的な接点部品(リレー接点7)を必要とするので、接点損傷などのトラブル発生の可能性を否めないという問題点がある。また、当該接点部品は大電流用であるため、サイズが大きく、しかも、高価である。これにより、配置レイアウト等の設計上の制約や、車両のコストアップを招くという問題点もある。
本発明は、上記の不都合に鑑みてなされてものであり、その目的とするところは、無接点方式で電動機の切り離しを行うことができ、他の電動機の負荷を低減できる電動機制御装置を提供することにある。
本発明に係る電動機制御装置は、少なくとも第一及び第二の二つの電動機を制御する電動機制御装置において、前記第一の電動機の電源線をマトリクスコンバータの入出力の一方に接続すると共に、前記第二の電動機の電源線をマトリクスコンバータの入出力の他方に接続し、且つ、前記マトリクスコンバータの入出力の他方にインバータを介してバッテリを接続し、このインバータを介して前記マトリクスコンバータまたは前記第二の電動機にバッテリからの電力を供給し得るように構成したことを特徴とするものである。
または、前記インバータのスイッチングを制御する第一の制御手段と、前記マトリクスコンバータのスイッチングを制御する第二の制御手段とを備え、前記第二の制御手段は、前記第一の制御手段のスイッチングに関わる情報を参考にしながら前記マトリクスコンバータのスイッチングを制御することを特徴とするものである。
または、前記第一の制御手段のスイッチングに関わる情報は、前記インバータの制御周期に対する当該インバータの出力電圧ベクトルの時間比率の情報であることを特徴とするものである。
または、前記第一の制御手段は、前記第二の電動機の定格周波数の電圧を出力し、または、前記第二の電動機を非作動状態にし得る高周波数の電圧を出力することを特徴とするものである。
本発明によれば、第一の電動機の動作に必要な電力を、マトリクスコンバータ及びインバータを介してバッテリから供給することができる。
また、マトリクスコンバータのスイッチングを制御する際に、インバータのスイッチングに関わる情報(たとえば、インバータの制御周期に対する当該インバータの出力電圧ベクトルの時間比率の情報)を参考にしながら制御するようにすれば、時々刻々と変化するマトリクスコンバータの入力条件(つまり、インバータの出力電圧やその周波数)の影響を受けることなく、マトリクスコンバータの出力条件を所望の値(指令値)に制御することができる。
また、このように、インバータの出力電圧やその周波数の影響を受けることなく、マトリクスコンバータの出力条件を所望の値(指令値)に制御することができるので、「無接点方式で電動機の切り離しを行うことができ、他の電動機の負荷を低減できる電動機制御装置を提供する」ことが可能になる。
すなわち、電動機の駆動周波数を高めていくと、それに伴って電動機の同期回転速度Nsも高くなるが、ある上限周波数に達したときに同期回転速度Nsがゼロとなって電動機が非動作状態に陥る。この事実を利用し、第二の電動機をシステムから離す際には、インバータの出力周波数を上限周波数またはそれよりも高い周波数にし、一方、第二の電動機を動作状態に制御する際には、インバータの出力周波数を定格周波数にすればよい。
ちなみに、インバータの出力周波数を上限周波数またはそれよりも高い周波数にしたり、あるいは、定格周波数にしたりしても、第一の電動機の動作には何らの影響も与えない。上記のとおり、「インバータの出力電圧やその周波数の影響を受けることなく、マトリクスコンバータの出力条件を所望の値(指令値)に制御することができる」からである。
以下、本発明の実施例を、特にそれに限定しないがハブリッド自動車への適用を例にして、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明における様々な細部の特定ないし実例および数値や文字列その他の記号の例示は、本発明の思想を明瞭にするための、あくまでも参考であって、それらのすべてまたは一部によって本発明の思想が限定されないことは明らかである。また、周知の手法、周知の手順、周知のアーキテクチャおよび周知の回路構成等(以下「周知事項」)についてはその細部にわたる説明を避けるが、これも説明を簡潔にするためであって、これら周知事項のすべてまたは一部を意図的に排除するものではない。かかる周知事項は本発明の出願時点で当業者の知り得るところであるので、以下の説明に当然含まれている。
なお、一般的に“電動機”とは、電力の供給を受けて回転力を発生する機械(モータ;略号M)のことをいうが、電動機は“発電機”(ジェネレータ;略号G)としても動作するから、正確には電動/発電機(モータジェネレータ;略号M/G)である。本明細書では、通常は電動/発電機(M/G)と呼称するものとし、特に、そのときの機能(動作状態)に着目する場合に、電動機(M)または発電機(G)と呼称することにする。
図1は、実施形態のブロック図である。この図において、前輪10、10は、内燃機関(以下、エンジンという)11または第一の電動/発電機12によって駆動可能であり、また、後輪13、13は、第二の電動/発電機14によって駆動可能である。
図2は、第一の電動/発電機12及び第二の電動/発電機14の動作概念図である。図示のハイブリッド自動車15は、不図示の運転操作手段(もっぱら運転者によって操作されるアクセルペダルや、制動装置及び操舵装置など)から出力される様々な運転条件を示す信号(たとえば、車速信号等)に基づいて、同図(a)に示すように、エンジン11または第一の電動/発電機12のいずれか一方または双方を用いて前輪10、10を駆動することができる。この場合、第一の電動/発電機12は“電動機(M)”として動作する。また、前輪12、12の駆動力が不足するおそれがある場合には、第二の電動/発電機14を用いて後輪13、13を補助駆動することもできる。この場合、第二の電動/発電機14も“電動機(M)”として動作する。さらに、同図(b)に示すように、第一の電動/発電機12を用いてエンジン11を始動できるようにもなっており、この場合も、第一の電動/発電機12は“電動機(M)”として動作する。あるいは、同図(c)に示すように、第一の電動/発電機12または第二の電動/発電機14を用いて、後述のバッテリ17を充電できるようになっており、この場合、第一の電動/発電機12または第二の電動/発電機14は“発電機(G)”として動作する。
図示のハイブリッド自動車15は、第一及び第二の電動/発電機12、14の動作を制御するための制御装置(以下、電動機制御装置)16を搭載する。
図3は、電動機制御装置16のブロック図である。この電動機制御装置16は、バッテリ17に接続されたインバータ18と、マトリクスコンバータ19と、制御部20とを含み、マトリクスコンバータ19の一端側(図面の左側)に第一の電動/発電機12を接続し、マトリクスコンバータ19の他端側(図面の右側)に、第二の電動/発電機14及びインバータ18を接続して構成する。
マトリクスコンバータ19の一端側に接続された第一の電動/発電機12の三相出力(U、V及びW)の各線間には電圧平滑用のコンデンサ21〜23が入れられている。また、それらのU、V及びWの電圧V1fbをモニタするための電圧センサ24が設けられている。一方、マトリクスコンバータ19の他端側に接続された第二の電動/発電機14の三相入力(R、S及びT)のR、S、Tの電流I2fbをモニタするための電流センサ25が設けられている。
さらに、マトリクスコンバータ19の他端側のR、S及びTとインバータ18の間にはコイル26〜28が直列に入れられている。これらのコイル26〜28の役割はインバータ18からマトリクスコンバータ19に流れ込む電流の平滑用である。これらのコイル26〜28の挿入位置は、インバータ18とマトリクスコンバータ19との間であればよく、たとえば、同図(b)に示すように、マトリクスコンバータ19側に設けてもよい。なお、これらのコイル26〜28については、第二の電動/発電機14の内部インダクタンスが充分に大きい場合は、そのインダクタンスで代用することも可能である。
図4は、制御部20のブロック図である。この図において、制御部20は、運転条件に対応した電流指令値I1refを生成出力する電流指令部20aと、運転条件に対応した電圧指令値V2refを生成出力する電圧指令部20bと、電圧センサ24からの検出電圧V1fbや電流センサ25からの検出電流I2fb及び電流指令部20aで生成された電流指令値I1ref並びに電圧指令部20bで生成された電圧指令値V2refに基づいてマトリクスコンバータ19の制御信号Sur、Sus、Sut、Svr、Svs、Svt、Swr、Sws、Swtを生成出力するマトリクスコンバータスイッチング信号生成部20cと、運転条件に従ってインバータ18の制御信号Srp、Ssp、Stp、Srn、Ssn、Sstを生成出力するインバータスイッチング信号生成部20dとを備える。
なお、インバータスイッチング信号生成部20dで生成された各制御信号は、マトリクスコンバータスイッチング信号生成部20cにも出力されており、マトリクスコンバータスイッチング信号生成部20cは、上記の各指令値(I1ref、V2ref)や検出電圧(V1fb)及び検出電流(I2fb)に加えて、これらの制御信号Srp、Ssp、Stp、Srn、Ssn、Sstに従って、マトリクスコンバータ19の制御信号Sur、Sus、Sut、Svr、Svs、Svt、Swr、Sws、Swtを生成出力する。
図5は、マトリクスコンバータ19の構成図である。マトリクスコンバータ19は三相交流を任意周波数や任意電圧の三相交流に変換するAC−AC変換器の一種である。図中の丸印記号は双方向性のスイッチング素子29〜37を模式化したものであり、これらのスイッチング素子29〜37はn2 個設けられている。nはマトリクスコンバータ19の入出力の相数であり、n=3であるから、スイッチング素子29〜37の数は本実施形態の場合、全部で9個である。これらのスイッチング素子29〜37には、逆電圧阻止能力の高いIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistorの略)が用いられる。
同図(b)に示すように、スイッチング素子29〜37をIGBTで構成した場合、スイッチング素子29〜37の各々は、MOS_FETとバイポーラトランジスタの対を二組(以下、図面に正対して上部組38と下部組39という)備えた構造を有しており、上部組38と下部組39のバイポーラトランジスタのコレクタとエミッタを逆向きに接続して構成されている。このような構成によれば、上部組38のゲートに加える制御信号Saをアクティブにすると、電流が図面の右から左へと流れ(矢印ア)、一方、下部組39のゲートに加える制御信号Sbをアクティブにすると、電流が図面の左から右へと逆向きに流れる(矢印イ)。これにより、双方向性のスイッチング作用が得られる。
なお、同図(a)中のSur、Sus、Sut、Svr、Svs、Svt、Swr、Sws、Swtは、スイッチング素子29〜37のそれぞれの制御信号である。“u”、“v”及び“w”は、第一の電動/発電機12の三相出力を表し、“r”、“s”及び“t”は、第二の電動/発電機14の三相入力を表している。
Surをアクティブにすると、第一の電動/発電機12の三相出力のUと第二の電動/発電機14の三相入力のRが接続され、Susをアクティブにすると、第一の電動/発電機12の三相出力のUと第二の電動/発電機14の三相入力のSが接続され、Sutをアクティブにすると、第一の電動/発電機12の三相出力のUと第二の電動/発電機14の三相入力のTが接続され、Svrをアクティブにすると、第一の電動/発電機12の三相出力のVと第二の電動/発電機14の三相入力のRが接続され、Svsをアクティブにすると、第一の電動/発電機12の三相出力のVと第二の電動/発電機14の三相入力のSが接続され、Svtをアクティブにすると、第一の電動/発電機12の三相出力のVと第二の電動/発電機14の三相入力のTが接続され、Swrをアクティブにすると、第一の電動/発電機12の三相出力のWと第二の電動/発電機14の三相入力のRが接続され、Swsをアクティブにすると、第一の電動/発電機12の三相出力のWと第二の電動/発電機14の三相入力のSが接続され、Swtをアクティブにすると、第一の電動/発電機12の三相出力のWと第二の電動/発電機14の三相入力のTが接続される。
図6は、インバータ18の構成図である。インバータ18は直流と三相交流の変換又は三相交流と直流の変換を行うAC−DCまたはDC−AC変換器の一種である。インバータ18の直流(DC)側には、バッテリ17の正極性線(P)と負極性線(N)が接続されており、インバータ18の三相交流(AC)側には、R、S及びT線が接続されている。R、S及びTとP、並びに、S及びTとNの間には、全部で6個のスイッチング素子40〜45が挿入されており、これらのスイッチング素子40〜45を適切なタイミングでオンオフすることにより、バッテリ17の直流電圧を所望電圧の三相交流に変換(DC−AC変換)し、または、三相交流を直流電圧に変換(AC−DC変換)することができる。
図中のSrp、Ssp、Stp、Srn、Ssn、Stnは、スイッチング素子40〜45のそれぞれの制御信号である。“r”、“s”及び“t”は、三相交流の各線を表し、“p”及び“n”は、バッテリ17の正極性線及び負極性線を表している。
Srpをアクティブにすると、三相交流のRとバッテリ17の正極性線が接続され、Sspをアクティブにすると、三相交流のSとバッテリ17の正極性線が接続され、Stpをアクティブにすると、三相交流のTとバッテリ17の正極性線が接続され、Srnをアクティブにすると、三相交流のRとバッテリ17の負極性線が接続され、Ssnをアクティブにすると、三相交流のSとバッテリ17の負極性線が接続され、Stnをアクティブにすると、三相交流のTとバッテリ17の負極性線が接続される。
ここで、Srn、Ssn及びStnの三つの制御信号が共にアクティブになるとき、バッテリ17の負極性線(N)につながる3個のスイッチング素子43、44、45が揃ってオンになる。このため、これらのスイッチング素子43、44、45を通して三相交流のR、S及びTとバッテリ17の負極性線(N)との間が接続されてしまい、R、S及びTの線間にバッテリ17の電圧が現れなくなる。この状態(3個のスイッチング素子43、44、45が揃ってオンになる状態)は、インバータ18の出力電圧ベクトルのうちの零ベクトル(後述のV0、V7)の状態に相当する。
以上の構成において、マトリクスコンバータ19は、その入力(第一の電動/発電機12を接続した側)を電圧源的に動作させ、且つ、出力を電流源的に動作させる必要がある。このため、先に説明(図3参照)したように、入力側に電圧平滑用のコンデンサ21〜23を入れ、出力側に電流平滑用のコイル26〜28を入れている。
さて、図3の構成において、エンジン11を用いずに、第一の電動/発電機12だけで前輪10、10を駆動する場合、この第一の電動/発電機12への電力供給は、マトリクスコンバータ19及びインバータ18を介してバッテリ17から行わなければならないが、マトリクスコンバータ19とインバータ18の間の交流端子の電力は、電圧と電流及び力率の積に比例するので、このままでは、第一の電動/発電機12に電力を供給できない。インバータ18からマトリクスコンバータ19に常に電力を供給するには、インバータ18の交流出力(R、S及びT)のどこかの線間に常にバッテリ17の電圧が現れていなければならないからである。
つまり、インバータ18の制御信号のSrp、Ssp及びStpがすべてオンになったとき、又は、同制御信号のSrn、Ssn及びStnがすべてオンになったときには、マトリクスコンバータ19の交流出力(R、S及びT)が瞬時ゼロ電圧となってしまい、バッテリ17から第一の電動/発電機12への電力の授受ができなくなるからである。
このような“瞬時ゼロ電圧”の存在により、従来からよく用いられてきたマトリクスコンバータの制御法、たとえば、三角波正弦波比較方式や、空間ベクトル変調等のPWM制御法などは使用できない。
そこで、本発明では、IPMモータ(IPMとはInterior Permanent Magnetic の略。IPMモータは希土類永久磁石をロータ深くに配置することによりマグネットトルクとリラクタンストルクを最高に引き出す電磁構造にしたもの。高トルクと最高の効率/低発熱を実現する。)の突極性に基づく位置推定のために開発された冗長なベクトルを用いたPWM制御法(以下、便宜的に「ベクトルPWM制御法」という)を使用する。ベクトルPWM制御法は、インバータの出力電圧ベクトルのうちの零ベクトル(後述のV0、V7)を除く6つの電圧ベクトル(後述のV1〜V6)をすべて用いて任意の平均出力電圧ベクトルを生成するというものである。零ベクトルを使用しないので、上記の瞬時ゼロ電圧の存在に影響されない。
以下、ベクトルPWM制御法について概説する。
インバータ18の平均出力電圧ベクトルと各電圧ベクトルとの間には、次式(1)及び次式(2)の関係がある。
Figure 2007104743
Figure 2007104743
ここで、ζk は、PWM周期に対する時間比率、すなわち、インバータ18の電圧ベクトルVk (kは0〜7;以下同様)が出力されている割合を表す。また、sk は、1または0の値をとり、変調周期の間にVk が出力電圧ベクトルとして選択されるか否かを示す(1は選択、0は非選択)。上式(1)は、使用したすべての電圧ベクトルの出力時間がPWM周期と一致していることを意味している。sk の選択により様々な条件の運転が可能になる。
図7は、インバータ18の出力電圧ベクトルの模式図及び出力電圧ベクトルごとのインバータ18のスイッチング状態を示す図である。同図(a)において、縦軸はβ成分、横軸はα成分であり、V0、V7は零ベクトル、V1〜V6は零ベクトル以外の6つの電圧ベクトルである。この図においては、一例として、6つの電圧ベクトルのうちのV3ベクトルのα軸成分とβ軸成分として、V、Vが示されている。
また、同図(b)において、表欄内の1は制御信号(Srp、Srn・・・・)のアクティブ(その制御信号に対応するスイッチング素子40〜45がオンになる)を示し、0はインアクティブ(その制御信号に対応するスイッチング素子40〜45がオフになる)を示している。破線で囲まれた範囲が零ベクトル(V0、V7)を除く6つの電圧ベクトル(V1〜V6)である。この範囲内においては、Srp、Ssp及びStpの三つの制御信号、または、Srn、Ssn及びStnの三つの制御信号がそれぞれ揃ってアクティブになることはない。
本発明では、以下に説明するように、これらの6つの電圧ベクトル(V1〜V6)の制御信号のみを操作することにより、インバータ18とマトリクスコンバータ19の間の平均出力が、たとえ、零であったとしても、線間にバッテリ17の電圧が常に印加されている状態、つまり、前述の「瞬時ゼロ電圧が発生しない状態」を作り出し、これにより、第一の電動/発電機12に所要の電力供給を行うことができるようにしている。
まず、上式(1)より次式(3)を得る。
Figure 2007104743
ここで、eα、eβは、インバータ18の平均出力電圧ベクトルの直交二相成分を表しており、この直交二相成分eα、eβと、インバータ18のR、S、T相に出力される平均電圧vr、vs、vtとの間には、次式(4)の関係がある。
Figure 2007104743
式(3)に、sk及びVとVの具体的数値を代入すると、次式(5)が得られる。
Figure 2007104743
図8は、インバータ18のPWMパターンを示す図である。この図に示すように、R、S及びTのいずれも零ベクトル(V0、V7)を除く6つの電圧ベクトル(V1〜V6)を対象にした制御の繰り返しになっており、これは、前式(1)及び前式(2)のskを、s0=s7=0、s1=s2=・・・・=s6=1としたからである。ここに、0は非選択、1は選択である。つまり、s0とs7は非選択、s1〜s6は選択である。
零ベクトルを除く6種類の電圧ベクトル(V1〜V6)を用いて任意の平均出力電圧を得るためには、式(5)から、ζ1〜ζ6(各電圧ベクトルの時間比率)を求めなければならない。しかし、式(5)は不定形(未知数の数が方程式の数よりも多い)であり、無数の解が存在するため、そのままではζ1〜ζ6を求めることができない。そこで、不定形の場合でも近似解を求めることができる疑似行列を用いて各電圧ベクトルの時間比率ζ1〜ζ6を算出することにする。
式(5)を簡略化すると、
Figure 2007104743
と表すことができる。ζは、この式(6)の右側疑似逆行列を用いて、
Figure 2007104743
のように求めることができる。ここで、式(7)のFRMは、右側疑似逆行列を表し、次式(8)で定義される。
Figure 2007104743
この式(8)を解くことにより、次式(9)に示すように、零ベクトルV0、V7を除く6つの電圧ベクトルV1〜V6の時間比率ζ1〜ζ6を算出することができる。
Figure 2007104743
すなわち、式(9)展開して、
Figure 2007104743
が得られる。Edは、バッテリ17の電圧である。
このように、零ベクトルを除く6種類の電圧ベクトルを用いることにより、たとえ、平均出力電圧がゼロであったとしても、インバータ18の出力の線間に常にバッテリ17の電圧Edが印加された状態を作り出すことができる。したがって、前記したように、「エンジン11を用いずに、第一の電動/発電機12だけで前輪10、10を駆動する場合」、この第一の電動/発電機12への電力供給を、マトリクスコンバータ19及びインバータ18を介してバッテリ17から支障なく行うことができる。
また、式(10)より、時間比率t1〜t6の大きさは、インバータ18の電圧指令値である“eα”及び“eβ”によって決定されるが、t1+t6、t2+t5、t4+t3は、いずれも“(1/3)T一定”という性質がある。本実施例では、この性質を利用してマトリクスコンバータ19のスイッチング制御を行う。
マトリクスコンバータ19の入力電圧は、インバータ18のスイッチングによって時々刻々と変化する一方、マトリクスコンバータ19の出力電圧は、制御目標(指令値)に合致するように制御しなければならない。つまり、時々刻々と変化する入力電圧の影響を考慮しつつ、所望の出力電圧に制御しなければならない点で、マトリクスコンバータ19のスイッチング制御に困難さが伴う。しかし、上記のとおり、インバータ18の時間比率t1〜t6は、t1+t6、t2+t5、t4+t3のいずれも“(1/3)T一定”という性質があるため、この性質を利用して、マトリクスコンバータ19の出力電圧のパルス幅を制御することにより、時々刻々と変化する入力電圧の影響を受けることなく、所望の出力電圧に制御することが可能になる。
図9は、マトリクスコンバータ19の制御シーケンスを示す図である。図示の波形は、上から順にインバータ18のスイッチング素子40に加えられる制御信号Srp(図6参照)のスイッチング状態、マトリクスコンバータ19のスイッチング素子29に加えられる制御信号Sur(図5参照)のスイッチング状態、マトリクスコンバータ19のU相の出力電圧Vuを表している。
また、T(周期I及び周期II)は、インバータ18の制御周期T(図8参照)と同一の周期を示しており、したがって、インバータ18とマトリクスコンバータ19の制御は、かかる周期Tに同期して行われる。なお、図示の例は、簡単化のために、マトリクスコンバータ19の出力の一つの相(便宜的にU)を表したものであり、さらに、前提として、インバータ18の平均出力電圧がゼロで、且つ、Vuの平均電圧がバッテリ17の電圧Edの約50%以上となるような出力電圧指令値がマトリクスコンバータ19に与えられているときのものである。
図示の波形で重要な点は、マトリクスコンバータ19のU相の出力電圧Vuの立ち上がりと立ち下がりのタイミングにある。つまり、U相の出力電圧Vuを決定するのは、Vuの波形の立ち上がりから立ち下がりまでの時間(パルス幅)であるが、本実施形態では、それらの立ち上がりと立ち下がりのタイミングを、SrpまたはSruの立ち下がりタイミングで規定している。
具体的には、周期IではSrpの立ち下がりでVuの立ち上がりを規定すると共に、Sruの立ち下がりでVuの立ち下がりを規定し、一方、周期IIではSruの立ち下がりでVuの立ち上がりを規定すると共に、Srpの立ち下がりでVuの立ち下がりを規定する。
したがって、周期Iでは、Srpの立ち下がりからSruの立ち下がりまでの時間がVuのパルス幅となり、一方、周期IIでは、Sruの立ち下がりからSrpの立ち下がりまでの時間がVuのパルス幅となる。先に説明したとおり、Srpの立ち下がりタイミングは、インバータ18の出力電圧に対応して時々刻々と変化するが、このSrpの立ち下がりタイミングを検出し、その検出時点から所要の時間(マトリクスコンバータ19の出力電圧が指令値に合致するVuのパルス幅が得られる時間)が経過した時点で、Sruが立ち下がるように制御すればよい。このようにすると、時々刻々と変化する入力電圧(インバータ18の出力電圧)の影響を受けることなく、マトリクスコンバータ19の出力電圧を所望の値(指令値)に制御することができる。
図10は、SrpとSruからVuを作り出すための論理回路図である。この論理回路は、正論理入力の第一のアンドゲート46と、負論理入力の第二のアンドゲート47と、オアゲート48とからなり、Srpを第一のアンドゲート46と第二のアンドゲート47の一方入力に加えるとともに、Sruを第一のアンドゲート46と第二のアンドゲート47の他方入力に加え、第一のアンドゲート46と第二のアンドゲート47の出力をオアゲート48の二入力に加え、オアゲート48からVuを取り出している。なお、図示の例では、第一及び第二のアンドゲート46、47にSrpとSruを直接加えると共に、オアゲート48からVuを直接取り出しているが、これは説明の便宜である。実際には耐圧の点で、Srp、Sruを通常のロジック電圧に変換した信号を加えると共に、オアゲート48から取り出されたロジック電圧をVuの制御に用いることになる。
このような構成を有する論理回路において、SrpとSruが共にハイレベルにある期間では、第一のアンドゲート46の出力がハイレベルになるため、オアゲート48からハイレベルのVuが取り出される。また、SrpとSruが共にローレベルにある期間では、第二のアンドゲート47の出力がハイレベルになるため、同様に、オアゲート48からハイレベルのVuが取り出される。オアゲート48からローレベルのVuが取り出されるのは、SrpとSruが逆相(ハイレベルとローレベルまたはローレベルとハイレベル)の関係になったときだけである。
Vuのパルス幅は、Vuのハイレベル期間(Edの電位にある期間、つまり、立ち上がり遷移から立ち下がり遷移までの期間)で規定される。Vuの立ち上がり遷移(ローレベルからハイレベルへの遷移)は、第一のアンドゲート46または第二のアンドゲート47のいずれかの出力がローレベルからハイレベルへ変化したとき、つまり、Srpがハイレベルからローレベルに変化したとき、または、Sruがハイレベルからローレベルに変化したときに発生する。
一方、Vuの立ち下がり遷移(ハイレベルからローレベルへの遷移)は、第一のアンドゲート46及び第二のアンドゲート47のいずれか一方がローレベルにあるときに、他方がハイレベルからローレベルへ変化したとき、つまり、SrpとSruのいずれか一方がハイレベルにあるときに、他方がハイレベルからローレベルに変化したときに発生する。
以上の動作をまとめると、次の論理式(式(11))が得られる。図10の論理回路は、この論理式に基づくものである。
Figure 2007104743
図11及び図12は、図9のt1-t6の拡大図である。指令値どおりの出力電圧Vuを得るためには、Vuのオフ期間のパルス幅Toffを一定に保つ必要がある。オフ期間のパルス幅Toffの大きさは、インバータ18とマトリクスコンバータ19のスイッチの時間比率によって決定されるが、次式(12)及び次式(13)に示すように、オフ期間のパルス幅Toffは、周期(1/3)Tからオン時間Tonを差し引くことによって求められる。
Figure 2007104743
Figure 2007104743
ここで、先の前提のとおり、インバータ18の電圧指令値eα、eβをゼロにしているため、式(12)より、図9の出力電圧ベクトルV1〜V6のそれぞれの時間比率は、変調期間Tの間で、t1=t2=t3=t4=t5=t6=1/6一定となっているが、実際にはゼロではなく、時間的に変化しているから、図11(a)の矢印に示すように、V1とV6の境界のエッジが左右に移動(変動)する。そこで、この変動に影響されずに、前式(13)のToffと一致するように、マトリクスコンバータ19のSruの時間比率txを制御しなければならない。
今、エッジが左側に動き、t1がt6よりも小さくなった場合を考える。この場合、Toffをパルス幅が短いt1側に作ってしまうと、図11(b)に示すように、Toffが周期(1/3)Tを越えてしまうことがある。この場合、指令どおりの電圧を出力できない。かかる不都合は、図12(a)に示すように、Toffを、パルス幅が長いt6側に作るようにtxを制御することによって解決することができる。
また、マトリクスコンバータ19からバッテリ17の電圧Edの50%以下の平均電圧Vuを出力させる場合には、図12(b)に示すように、Sruの初期条件をオフに切り替えればればよい。
図13は、指令値どおりの平均電圧Vuを出力させるために必要な時間比率txを決定する条件をまとめた図である。この図に示すように、Vu>(1/2)Ed、すなわち、マトリクスコンバータ19からバッテリ17の電圧Edの50%以上の平均電圧Vuを出力させる場合、t1>t6であれば、tx=t1−Toffとなり、t1<t6であれば、tx=t1+Toffとなる。また、t2>t5であれば、ty=t2−Toffとなり、t2<t5であれば、ty=t2+Toffとなる。また、t4>t3であれば、tz=t4−Toffとなり、t4<t3であれば、tz=t4+Toffとなる。
同様に、Vu<(1/2)Ed、すなわち、マトリクスコンバータ19からバッテリ17の電圧Edの50%以下の平均電圧Vuを出力させる場合、t1>t6であれば、tx=t1−Tonとなり、t1<t6であれば、tx=t1+Tonとなる。また、t2>t5であれば、ty=t2−Tonとなり、t2<t5であれば、ty=t2+Tonとなる。また、t4>t3であれば、tz=t4−Tonとなり、t4<t3であれば、tz=t4+Tonとなる。
このような条件に従って時間比率tx、ty、tzを決定することにより、マトリクスコンバータ19からバッテリ17の電圧Edの0〜100%の出力を取り出すことが可能となり、その結果、電動機(第一の電動/発電機12)が要求する様々な運転モードに適合した電力供給を行うことができるようになるのである。
以上のとおりであるから、本実施形態によれば、まず、次の(1)及び(2)の効果が得られる。
(1) 図1の構成において、エンジン11を停止したまま、第一の電動/発電機12だけで前輪10、10を駆動する場合に、その第一の電動/発電機12の動作に必要な電力を、マトリクスコンバータ19及びインバータ18を介してバッテリ17から供給することができる。
これは、インバータ18の制御にベクトルPWM制御法(冗長な電圧ベクトルを用いたPWM制御法)を採用したからであり、インバータ18のPWM変調周期でマトリクスコンバータ19をスイッチングすることによって、他の電力供給要素(たとえば、第二の電動/発電機14等)を利用することなく、バッテリ17からマトリクスコンバータ19への電力供給が可能になったからである。
(2) インバータ18のPWM周期に対する当該インバータ18の出力電圧ベクトルVkの時間比率ζk(特に零ベクトルV0、V7以外の6つの電圧ベクトルV1〜V6の時間比率)に対応させてマトリクスコンバータ19のスイッチング制御を行うので、マトリクスコンバータ19の入力条件(入力電圧やその周波数)と出力条件(出力電圧やその周波数)を個別に制御することができる。このため、時々刻々と変化する入力条件(インバータ18の出力電圧やその周波数)の影響を受けることなく、マトリクスコンバータ19の出力条件を所望の値(指令値)に制御することができる。
さて、本発明の目的は冒頭でも説明したとおり、「無接点方式で電動機の切り離しを行うことができ、他の電動機の負荷を低減できる電動機制御装置を提供する」ことにある。このことを、上記の実施形態に当てはめてみると、切り離し対象の電動機は、第二の電動/発電機14に相当し、上記目的の“他の電動機”は、第一の電動/発電機12に相当する。
上記の効果(2)によれば、マトリクスコンバータ19の入力条件(インバータ18の出力電圧やその周波数)と出力条件を個別に制御することができるとされている。このことは、マトリクスコンバータ19の出力条件にかかわらず、インバータ18の出力条件(出力電圧やその周波数)を自由に変更できることを意味する。
本件発明者等は、この点に着目して、「無接点方式で電動機の切り離しを行うことができ、他の電動機の負荷を低減できる電動機制御装置を提供する」ようにしたものである。
図14(a)は、一般的な交流電動機のトルクと回転速度の関係を示す図である。この図において、縦軸はトルク〔N・m〕、横軸は回転速度〔min-1〕である。Aは始動トルク(電動機が始動の瞬間に発生し得る最大のトルク)、Bは停動トルク(電動機が一定電圧、一定周波数で出すことができる最大のトルク)、Cは定格トルク(始動トルクと停動トルクの間のトルク)であり、Dは無負荷回転速度、Eは定格回転速度、Fは同期回転速度である。
Fの同期回転速度は、電動機の極数Pと電源周波数fから一義的に決まる速度であり、次式(14)で与えられる。
Ns=(120/P)×f ・・・・(14)
ここで、Nsは同期回転速度である。たとえば、P=4、f=50〔Hz〕とすると、同期回転速度Nsは1500〔min-1〕になる。
図14(b)は、同期回転速度Nsと電源周波数fの関係を示す図である。この図に示すように、電動機に加える電源周波数fを高めていくと、同期回転速度Nsは、当初、前式(14)に従って線形的な増加傾向を辿るが、ある周波数に達した時点GでNs=ゼロになり、もはや電動機は回転しなくなる(非作動状態なる)。この“ある周波数”は電動機の種類毎に違うために定量化はできないが、要するに、電源周波数fの上昇に伴って電動機のリアクトル成分が増大し、電動機の内部インピーダンスが大きくなり過ぎたことによって、電動機が非動作状態に陥るときの「上限周波数」のことである。
以上の観点に立ち、本件発明者等は、第二の電動/発電機14を「無接点方式」で切り離すためには、インバータ18の出力条件のうちの周波数を、上記の「上限周波数」またはその上限周波数よりも高い周波数に設定すればよいことに想到した。このようにすることにより、インバータ18の出力が直接加えられる第二の電動/発電機14は、図14(b)の同期周波数Nsの振る舞いにより、非作動状態となってシステムから切り離される。したがって、冒頭の従来技術におけるリレー接点7(図15参照)を不要にすることができ、従来技術の問題点(接点損傷などのトラブル、配置レイアウト等の設計上の制約や、車両のコストアップを招く)の解消を図ることができる。ちなみに、第二の電動/発電機14を動作させる場合には、インバータ18の出力条件のうちの周波数を定格周波数(図13の定格回転速度Eに対応する駆動周波数)に設定すればよい。
なお、インバータ18の出力条件のうちの周波数を、上記の「上限周波数」またはその上限周波数よりも高い周波数に設定した場合であっても、第一の電動/発電機12の動作には何らの影響も与えない。上記の効果(2)で説明したとおり、マトリクスコンバータ19の入力条件と出力条件を個別に制御することができるからであり、仮に、インバータ18の出力条件のうちの周波数を、上記の「上限周波数」またはその上限周波数よりも高い周波数に設定したとしても、マトリクスコンバータ19の出力条件を第一の電動/発電機12の要求動作に適合させて独立して設定できるからである。
実施形態のブロック図である。 第一の電動/発電機12及び第二の電動/発電機14の動作概念図である。 電動機制御装置16のブロック図である。 制御部20のブロック図である。 マトリクスコンバータ19の構成図である。 インバータ18の構成図である。 インバータ18の出力電圧ベクトルの模式図及び出力電圧ベクトルごとのインバータ18のスイッチング状態を示す図である。 インバータ18のPWMパターンを示す図である。 マトリクスコンバータ19の制御シーケンスを示す図である。 SrpとSruからVuを作り出すための論理回路図である。 図9のt1-t6の拡大図である。 図9のt1-t6の拡大図である。 指令値どおりの平均電圧Vuを出力させるために必要な時間比率tx〜tzを決定する条件をまとめた図である。 一般的な交流電動機のトルクと回転速度の関係を示す図及び同期回転速度Nsと電源周波数fの関係を示す図である。 従来技術のブロック図である。
符号の説明
12 第一の電動/発電機(第一の電動機)
14 第二の電動/発電機(第二の電動機)
16 電動機制御装置
17 バッテリ
18 インバータ
19 マトリクスコンバータ
20c マトリクスコンバータスイッチング信号生成部(第二の制御手段)
20d インバータスイッチング信号生成部(第一の制御手段)

Claims (4)

  1. 少なくとも第一及び第二の二つの電動機を制御する電動機制御装置において、
    前記第一の電動機の電源線をマトリクスコンバータの入出力の一方に接続すると共に、
    前記第二の電動機の電源線をマトリクスコンバータの入出力の他方に接続し、且つ、
    前記マトリクスコンバータの入出力の他方にインバータを介してバッテリを接続し、
    このインバータを介して前記マトリクスコンバータまたは前記第二の電動機にバッテリからの電力を供給し得るように構成したことを特徴とする電動機制御装置。
  2. 前記インバータのスイッチングを制御する第一の制御手段と、前記マトリクスコンバータのスイッチングを制御する第二の制御手段とを備え、前記第二の制御手段は、前記第一の制御手段のスイッチングに関わる情報を参考にしながら前記マトリクスコンバータのスイッチングを制御することを特徴とする請求項1記載の電動機制御装置。
  3. 前記第一の制御手段のスイッチングに関わる情報は、前記インバータの制御周期に対する当該インバータの出力電圧ベクトルの時間比率の情報であることを特徴とする請求項2記載の電動機制御装置。
  4. 前記第一の制御手段は、前記第二の電動機の定格周波数の電圧を出力し、または、前記第二の電動機を非作動状態にし得る高周波数の電圧を出力することを特徴とする請求項1乃至請求項3記載の電動機制御装置。
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