JP2007104659A - 無線ベースの通信システムでシステムパラメータを適合させるためのシステムおよび方法 - Google Patents

無線ベースの通信システムでシステムパラメータを適合させるためのシステムおよび方法 Download PDF

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Abstract

【課題】無線ベースの通信システム1で、送信ユニット2と受信ユニット3、4との間の接続Cを規定する少なくとも1つのシステムパラメータΦiを適合させるための方法であって、システムパラメータΦiが適合される適合周波数νが、送信ユニット2と受信ユニット3、4との間の時間に関する距離Dの、n=0;1である少なくとも1つのn次導関数に依存する、方法を提供すること。
【解決手段】したがって本方法は、パラメータの適合速度そのものが動的に適合され、システム資源が最適な方法で使用されることが可能となるように、無線ベースの通信システムでシステムパラメータを更新する必要性を、前記システムの構成要素に関する物理的に測定される数量と関連付ける効率的な方法を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は一般に、限定されるわけではないが特に移動通信のための無線ベースの通信システムに関する。より詳細には、本発明は無線ベースの通信システムでシステムパラメータを適合させるための方法およびシステムに関する。
無線ベースの通信システムの動作中には、時間的および空間的に変化する環境により、通信セッション中の高品質のサービスを確実とするために、多くのシステムパラメータを調節しなければならない。一般に、例えばアクセスポイントまたは基地局などの送信ユニットと、例えば移動端局などの受信ユニットとの間の接続を規定するようなシステムパラメータの例は、出力電力、変調形式、コード化方式などである。今日、無線ベースの通信システムでのシステムパラメータの適合は、多かれ少なかれ固定されて、すなわち所定の時間間隔で実行される。例えば、「3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group GSM/EDGE Radio Access Network;Radio subsystem link control(Release 1999)(3GPP TS 05.08 V8.16.0(2003〜04))」の第4章のRF電力制御、特に項目4.7−タイミングを参照すると、電力レベルの制御ステップは、60ミリ秒あたり1ステップの速度で生じている。このように、先行技術の適合方法は基本的に固定された間隔で、関連のシステムパラメータの更新を開始する。さらに、現在使用されているパラメータを更新する必要がない場合でも、先に報告されているシステムパラメータの通知を伴う、いわゆる信号イベントが引き起こされる。しかしながらこうした方法は、例えば環境が大きく変化する場合などで、より速い適合が必要とされる状況では支障がある。その一方で、よりゆっくりとした適合周波数で十分な場合もある。対応する適合と信号アルゴリズムが不必要に行われるのであれば、これは通信システムの資源の事実上の浪費に相当する。
「3rd Generation Partnership Project;Technical Specification Group GSM/EDGE Radio Access Network;Radio subsystem link control(Release 1999)(3GPP TS 05.08 V8.16.0(2003〜04))」 「3rd Generation Partnership Project document TS 25.215、第5.2.8章」
したがって当技術分野では、システムパラメータの適合および/または信号イベントが生じ、単一の適合および/または信号イベントを開始するために使用することが可能な速度または周波数の動的な補正を実現する方法およびシステムが必要とされる。
本発明の目的は、システムパラメータの適合および/または信号イベントが生じる速度または周波数の動的な補正を実現する方法を提供することである。本発明の目的はまた、本発明の方法により操作されることが可能な無線ベースの通信システムを提供することでもある。さらに本発明は、本発明による上述の方法を動作に変換するように動作可能なコンピュータプログラム製品を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、この目的は無線ベースの通信システムで送信ユニットと受信ユニットとの間の接続を規定する少なくとも1つのシステムパラメータを適合させるための方法であって、適合周波数、すなわち少なくとも1つのシステムパラメータが適合される周波数が、送信ユニットと受信ユニットとの間の時間に関する距離の少なくとも1つのn(n=0;1)次導関数に依存する方法を提供することによって達成される。送信ユニットと受信ユニットとの間の時間に関する距離の0次導関数は、距離そのものに等しい。送信ユニットと受信ユニットとの間の時間に関する距離の1次導関数は、これらの2つのユニットの相対速度に等しい。その他の数量は付加されることが可能であり、より高い次数(n>1)の適合アルゴリズムに通じる可能性がある。
ここでの、および以下の明細書で、「送信ユニット」という用語は、所与の通信状況で送信機としての役割を果たす任意のユニットまたはデバイスのことを指す。典型的には、これは例えばアクセスポイントまたは基地局などの、空間的に固定された送信機である。しかしながら、本発明はこのような構成に限定されるわけではない。
これに対応して「受信ユニット」という用語は、所与の通信状況で受信機、すなわち上述の送信ユニットの対応物としての役割を果たす任意のユニットまたはデバイスのことを指す。典型的な無線ベースの通信システムでは、送信ユニットと受信ユニットの双方は一般的に送受信ユニットの形態で考えられる、すなわち各々が通信信号を送信および受信することができるので、通信の役割はまた、通信セッション中に度々、また繰り返し逆転される。
最後に、「導関数」という用語は、常に時間に関するそれぞれのn次の導関数のことを指す。
本発明の基本概念は、無線ベースの通信システムの動作を特徴付ける実質的にすべての数量が、例えば基地局などの送信ユニットから、例えば移動端局などの受信ユニットまでの距離に関して同様の特徴を示すという事実に存在している。典型的に基地局とは対応する無線セルの原点に、または隅部に配置される固定のユニットである。したがって、前記の無線セル中の現下の移動端局は基地局から一定の距離に配置される。通常、基地局は無線セルの中央か、または端部にあるので、前記の距離は「動径」距離とも呼ばれる。この文脈の中で、データ速度またはコード化方式のような無線量について、送信機と受信機とをつなぐ直線に対して垂直な角度方向の感度は、動径方向の感度よりもずっと小さいということはよく知られている。このことは、動径距離の所与の変化に対して、対応する前記の無線量の変化は、角度距離でのこれに相当する変化よりも大きくなるということに等しい。さらに動径方向では、感度は送信局からの距離が減少することで増加する。
添付の図1は、上述の状況の例として、kBit/s単位の無線セルRCの両端間のデータ速度の典型的な空間分布を示す。図1から見て取れるように、原点(X=0;Y=0)の周りで仮想の同心円の線に沿った角度方向Aのデータ速度の感度は、動径方向Rの感度よりもずっと小さい。動径方向では、この図で原点に固定されていると仮定される送信機BSからの距離が減少することで感度は増加している。同様に、例えば混信、ビットエラー率、コード化方式などの他の無線量について依存性が見て取れる。したがって、本発明による方法の実施形態では、適合周波数は送信ユニットと受信ユニットとの間の距離に依存する。
図1を参照すると、示されている無線セルRCの中の、送信ユニットBSからの距離Dに配置された移動する受信ユニットMTによって発生させられる(encountered)データ速度の時間的な動きは、送信ユニットBSと受信ユニットMTとの相対速度、すなわちこの例では角度方向Aと動径方向Rとでそれぞれ成分v、vとを有する移動する受信ユニットMTの速度vに主に依存する。したがって、本発明の方法の別の実施形態では、適合周波数は送信ユニットと受信ユニットとの相対運動の測定値に依存している。一般に、相対速度が高まれば適合周波数が高まる。図1の例の場合では、(動径方向Rの)受信機MTが速くなれば、変化は速くなる。この文脈の中で「測定値」という用語は、送信機と受信機との相対運動に関する任意の適切な数量、例えば相対速度vの絶対値|v|か、またはその成分v、vのうちの1つの絶対値|v|を意味する。
図1を参照して上で指摘したとおり、発生させられる無線量の感度は角度方向Aよりも動径方向Rでより多く表れる。したがって、送信機BSと受信機MTとの所与の相対速度vのために、相対速度vの動径成分v、すなわちこの例では移動する受信機MTの動径速度成分に特に注意が払われるべきである。ゆえに、本発明による方法のさらなる実施形態で、適合周波数は送信ユニットと受信ユニットとの相対速度の動径成分に依存している。
最も単純な形式で、適合速度νは相対速度の動径成分vと、送信ユニットと受信ユニットとの間の距離Dとの比率によって与えられ、すなわちν=v/Dである。本発明の方法の対応する実施形態では、適合周波数はしたがってν=v/Dとして決定され、νは適合周波数を示し、vは送信ユニットと受信ユニットとの相対速度の動径成分を意味し、Dは送信ユニットと受信ユニットとの間の距離を示す。
有利にも、送信ユニットと受信ユニットとの相対速度は、いかなる追加の測定信号をも必要とせずに、主体によって使用される無線スペクトルの周波数偏移に通じる(相対論的)ドップラー効果を使用して決定されることが可能である。したがって、本発明による方法のさらなる実施形態では、送信ユニットと受信ユニットとの間で伝送される無線周波数信号、特には無線ベースの通信システムによる通信のために使用される少なくとも一部の無線周波数スペクトルのドップラー周波数偏移Δfは、送信ユニットと受信ユニットとの相対速度を判定するために測定され、例えば、
Figure 2007104659
となり、fは偏移されていない無線周波数であり、vは相対速度の動径成分であり、cは光の速さである。
適合速度または周波数νのために適切な値のみが確実に得られるように、それぞれ上と下の境界νminとνmaxとが有効な適合速度の値の範囲を限定し、すなわち適合周波数が所定の境界値の間に存在するように選択される。それに応じて、結果として生じるアルゴリズムは適合周波数νが確立される、以下の式、すなわち
ν=min{νmin+K・(|Δf|)/(f・T),νmax} (2)
に変換されることが可能であり、νminは最小適合周波数であり、νmaxは最大適合周波数であり、Δfは送信ユニットと受信ユニットとの間で伝送される無線周波数信号の周波数偏移であり、fは前記無線周波数信号の偏移されていない無線周波数であり、Tは前記無線周波数信号の信号伝搬時間であり、Kはシステム定数である。伝搬時間Tは専用の通信チャネルの往復時間を測定すること(例えば3rd Generation Partnership Project document TS 25.215、第5.2.8章を参照)か、またはパイロット信号を用いることによって判定されてもよい。その他の可能性は、「汎地球測位システム(GPS)」のような先進の測位システムから受信される位置情報を活用することである。ここでは、例えば移動端局の測定された位置は基地局に送られ、基地局は次いで2つの主体間の絶対距離か、または伝搬時間を計算する。慣性センサ、ならびに縦加速度および角加速度を測定するためのその他の手段も、送信機と受信機との間の距離を判定するために使用されてよい。相対運動がない場合、νminが好ましい適合周波数として選択される。
代替として、ドップラー偏移の測定プロセスの精度を向上させるために、狭帯域または単一周波数のパイロット信号が用いられてもよい。本発明による方法の対応する実施形態で、送信ユニットと受信ユニットとの間の距離は、送信ユニットと受信ユニットとの間で伝送される専用のパイロット信号の伝搬時間を測定することによって判定される。このために、本発明による方法は有利に以下のステップを含む。
専用のパイロット信号が、送信ユニットによって受信ユニットへ送信される。
対応する送信時間が送信ユニットの中に記憶される。
受信ユニットによってパイロット信号が受信されると、受信ユニットによって応答信号が生成され、受信ユニットによる応答信号の送信時間を本質的に含む送信ユニットに送信される。
送信ユニットと受信ユニットとの間のパイロット信号の伝搬時間は、本質的に送信時間と受信時間との間の時間差として判定される。
送信ユニットと受信ユニットとの間の距離は伝搬時間から判定される。
代替として、本方法は距離または伝搬時間を判定するために以下のステップを実行する。
送信ユニットはそれ自体の絶対位置を、衛星ベースの「汎地球測位システム(GPS)」のような先進の測位システムから受信する。
送信ユニットはその位置を受信ユニットに送る。
受信ユニットはそれ自体の絶対位置を考慮に入れて、送信ユニットへの距離を判定する。
さらに、距離は以下の手順を用いることによって判定されることが可能である。
受信ユニットは送信ユニットの絶対開始位置についての情報を有する。
送信ユニットはそれ自体の縦加速度および角加速度を測定し、時間間隔の積分によってその変位を判定する。
送信ユニットは最後の位置を更新してから、その変位について受信ユニットに通知する。
受信ユニットは送信ユニットの新たな位置を判定する。
受信ユニットは送信ユニットへの距離を判定する。
受信ユニットは送信ユニットの開始位置を新たな位置に設定する。
システム資源を節約するために、パイロット信号は好ましくは狭帯域信号および単一周波数信号のうちの1つである。
本発明の方法の別の実施形態では、応答信号を引き起こすための最初のパイロット信号は省略されることが可能である。
ゆえに、提案される方法は一般に上述の無線量の空間分布を利用し、送信機と受信機との間の距離、すなわち距離そのもの、および/または時間に関する距離の0次および1次導関数として要約されることが可能な送信機と受信機との相対速度に関連する物理的数量に、対応する感度特性を結びつける。
本発明の第2の態様によれば、目的はまた
少なくとも1つの送信ユニットと、
少なくとも1つの受信ユニットと、
送信ユニットと受信ユニットとの間の接続を規定する少なくとも1つのシステムパラメータを適合させるための適合手段とを含む無線ベースの通信システムの手段であって、適合手段が
送信ユニットと受信ユニットとの間の時間に関する距離の少なくとも1つのn次(n=0;1)導関数を動的に判定するための判定手段と、
システムパラメータが送信ユニットと受信ユニットとの間の距離の前記導関数の関数として適合される適合周波数を動的に調節するための調節手段とをさらに含む無線ベースの通信システムの手段によっても達成される。
本発明によるシステムの実施形態では、適合手段、判定手段および調節手段は、重量、設置スペースなどの点で過度な問題を伴わずに必要なさらなる機器が実装されることが可能であるように、本発明によるシステムのさらなる実施形態では例えばアクセスポイントまたは基地局などの固定ユニットである、送信ユニットの中に含まれる。これに対応して、受信ユニットは移動端局の形態をとることが可能である。
先に述べた本発明の方法の実施形態に対応して、本発明によるシステムの別の実施形態で、判定手段は送信ユニットと受信ユニットとの相対運動を測定するための手段を含む。本発明によるシステムのさらに別の実施形態では、判定手段は有利に、送信ユニットと受信ユニットとの相対速度の動径成分を測定するための手段を含む。
追加の測定信号を繰り返すことなく、送信ユニットと受信ユニットとの相対速度を判定することを促進するために、本発明のシステムのさらなる展開により、判定手段は前記の相対速度を判定するために無線ベースの通信システムによる通信のために使用される少なくとも一部の無線周波数スペクトルのドップラー周波数偏移を測定するように構成される。しかしながら代替として、ドップラー偏移の測定の精度を向上させるために、判定手段は専用のパイロット信号を送信し、送信ユニットと受信ユニットとの間のパイロット信号の伝搬時間から、また対応するドップラー周波数偏移からそれぞれ、送信ユニットと受信ユニットとの間の距離、および/またはそれらの相対速度を判定するように構成されることが可能である。
本発明によるシステムの別の実施形態では、ユニット間の距離を判定することは、前記パイロット信号に応答信号を送信するための応答手段であって、前記応答信号が、少なくとも応答信号の対応する受信時間が同様に分かっている場合、伝搬時間を導き出すために用いられることが可能な、例えばタイムスタンプの形態をとったタイムデータ(datum)などの時間を含む、応答手段を提供することによって、さらに支援されてもよい。
本発明の第3の態様によれば、本発明の無線ベースの通信システムで使用するための、特に本発明による少なくとも1つのシステムパラメータを適合させるための方法を実行する送信ユニットが提供され、前記送信ユニットは、送信ユニットと受信ユニットとの間の接続を規定する少なくとも1つのシステムパラメータを適合させるための適合手段であって、
送信ユニットと受信ユニットとの間の時間に関する距離の、n=0;1である少なくとも1つのn次導関数を動的に判定するための判定手段と、
システムパラメータが送信ユニットと受信ユニットとの間の距離の前記導関数の関数として適合される適合周波数を動的に調節するための調節手段とをさらに含む適合手段を有する。
本発明の送信ユニットのさらなる実施形態により、送信ユニットと受信ユニットとの間の距離を判定するための前述のパイロット信号を使用する場合、受信ユニットは、受信ユニットによるパイロット信号の送信時間を本質的に含む、受信ユニットからの専用の狭帯域パイロット信号と専用の単一周波数パイロット信号とのうちの1つを受信するための受信手段を有利に含み、判定手段は送信ユニットと受信ユニットとの間のパイロット信号の伝搬時間を前記送信時間から判定し、送信ユニットと受信ユニットとの間の距離を伝搬時間から判定するように構成される。
本発明の第4の態様によれば、特に上述の送信ユニットと関連して、特に本発明による少なくとも1つのシステムパラメータを適合させるための方法を実行する、送信時間を含む専用の狭帯域パイロット信号と専用の単一周波数パイロット信号とのうちの1つを送信ユニットに送信するための送信手段を含む、本発明の無線ベースの通信システムで使用するための受信ユニットが提供される。
最後に本発明の第5の態様によれば、少なくとも1つの送信ユニットと少なくとも1つの受信ユニットとを備えた、無線ベースの通信システムで使用するためのコンピュータプログラム製品であって、本発明による前述の方法を実行するために動作可能なコンピュータプログラム製品が提供される。
本発明のさらなる利益および特徴は、添付の図面を参照する以下の好ましい実施形態の説明から集められることが可能である。前述の機能ならびに後述の機能は、個別でも、または組み合わせても、本発明によって使用されることが可能である。説明される実施形態は網羅的な列挙としてではなく、むしろ本発明の根底にある概念に関する例として理解される。
以下の本発明の詳細な説明は添付の図面を参照する。異なる図面の中で同一か、または類似の要素を識別するために、同じ参照符号が使用されてもよい。
図1は本発明の基本概念を示すために、上で説明されている。
図2は、本発明による無線ベースの通信システム1の概略図である。無線ベースの通信システム1は、以下で基地局BSとも称される送信ユニット2と、以下で移動端局MT1、MT2とも称される2つの受信ユニット3、4とを含む。基地局BSは固定されていてもよく、移動端局MT1、MT2は基地局BSに対して相対速度v、vで移動している。相対速度vおよびvは、それぞれ動径の相対速度vR1、vR2と角度の相対速度vA1、vA2とを生ずるように分解されることも可能である。しかしながら、本発明はそのような状況に限定されるわけではない。
送信ユニット2は送信ユニット2の動作を制御するための、例えばマイクロプロセッサなどのデータ処理手段2.1を含む。データ処理手段2.1は記憶手段2.2に接続されている。さらに送信ユニット2は、無線通信信号CSを受信ユニット3、4に送信するための、および無線通信信号CS’を受信ユニット3、4から受信するためのアンテナ手段2.4との動作可能な接続で送受信手段2.3を含む。一般に、送受信手段2.3は所定の無線周波数のスペクトルを使用して無線信号を送信(および受信)する。前記のスペクトルからの所与の周波数は、以下で周波数fと呼ぶ。送信ユニット2は送信ユニット2と受信ユニット3との間の接続Cを規定する、少なくとも1つのシステムパラメータを適合させるための適合手段2.5をさらに含む。前記のシステムパラメータは図2でΦiと示される。例えば適合手段2.5は、以下で詳細に説明されるように、本発明の一般的な概念に従った無線ベースの通信システム1の所与の物理的パラメータによって、通信データ速度または出力電力を再確立するように構成されることが可能である。適合手段は判定手段2.6と調節手段2.7とをさらに含み、これらの具体的な機能はのちに明らかとなる。送受信手段2.3には、専用の狭帯域または単一周波数パイロット信号PSを受信ユニット3、4に送信するための、および受信ユニット3、4から対応する応答信号RSを受信するための手段2.8が含まれる。判定手段2.6と調節手段2.7とを含む適合手段2.5は、ソフトウェア要素、すなわち記憶手段2.2に記憶され、処理手段2.1によって実行される特定のプログラムコードの形態で実装されることが可能である。
ここで受信ユニット3、4の構成を、受信ユニット3を参照して説明する。受信ユニット3は基本的に上述の送信ユニット2と同じように設定され、受信ユニット3の動作を制御するための、例えばマイクロプロセッサなどのデータ処理手段3.1を含む。データ処理手段3.1は記憶手段3.2に接続されている。さらに受信ユニット3は、無線通信信号CS’を送信ユニット2に送信するための、および無線通信信号CSを送信ユニット2から受信するためのアンテナ手段3.4との動作可能な接続で送受信手段3.3を含む。一般に、送受信手段3.3は所定の無線周波数のスペクトルを使用して無線信号を送信(および受信)する。本発明による無線ベースの通信システム1の「対称形」の実施形態で、受信ユニット3も送信ユニット2に関連して上で説明され、図2の破線の四角によって示されるように、適合手段3.5、判定手段3.6および調節手段3.7を含んでもよい。これらの構成および機能は、送信ユニット2に含まれる対応の手段の構成および機能に本質的に類似しているので、ここで詳細に説明されることはない。さらに受信ユニット3は、専用の狭帯域または単一周波数パイロット信号PSを送信ユニット2から受信するための、および対応する応答信号RSを送信ユニット2に送信し返すための手段3.8を含む。
無線ベースの通信システム1の動作の間、送信ユニット2は、例えば、あるデータ速度または出力電力など、ある特定のシステムパラメータΦiを使用して、無線信号RSを介して受信ユニットと通信する。パラメータΦiは、送信ユニット2によって生成された無線セルRC(図1を参照)の中の受信ユニット3、4の所与の位置で利用可能な無線量によって更新されなければならない。
本発明の一実施形態によれば、送信ユニット2と所与の受信ユニット3、4との相対速度vの動径成分vは、判定手段2.6で動的に判定され、送信ユニット2と所与の受信ユニット3、4との間の距離の前記導関数の関数、すなわち無線ベースの通信システム1の測定可能な物理的パラメータとしてシステムパラメータΦiが適合される、適合周波数νを動的に調節するための調節手段2.7で使用される。好ましくは判定手段2.6は、移動する受信ユニット3、4によって送信される無線信号CS’のドップラー偏移Δfから速度成分vを判定するように構成される。これらは公称周波数fを有するので、相対運動によりΔf(式1参照)だけ偏移された周波数を備えた送信ユニット2に達する。前記の周波数偏移Δfは送信ユニット2と受信ユニット3、4との(動径)相対速度vの測定値として使用され、次いで式2による適合速度νを確立するために使用される。Δf=0であれば、したがってv=0であり、適合速度は所定の最小速度νminに設定される。これとは別に、νのための計算された値が所定の最大値を超える場合、前記の最大値νmaxは新たな適合周波数νとして取り入れられる。
代替として、または追加として、専用パイロット信号PSは周波数偏移の検出の精度を向上させるために使用されることが可能である。狭帯域または単一周波数パイロット信号PSは、パイロット信号送信手段2.8によって、アンテナ手段2.4を介して送信ユニット2から受信ユニット3、4に送信される。パイロット信号PSはアンテナ手段3.4と受信手段3.8を用いて受信ユニットによって受信される。パイロット信号PSの受信後、受信ユニット3、4はその送信手段3.8とアンテナ手段3.4とを使用して、送信ユニット2に応答信号RSを送信する。応答信号RSは、受信機でのパイロット信号PSの受信時間を表すタイムスタンプTRSを含む。代替として、タイムスタンプTRSは応答信号の送信時間を表すものとすることも可能である。送信ユニット2によって応答信号RSが受信されると、タイムスタンプTRSは受信された応答信号RSから抽出され、記憶手段2.2に記憶される。したがってタイムスタンプは判定手段2.6の中で、式2の動的な周波数適合アルゴリズムに必要な信号伝搬時間Tを導き出すために、送信ユニット2による応答信号RSの受信時間と比較されることが可能である。追加的に送信ユニット2は、受信ユニット3、4にパイロット信号PSを送信するとき記憶手段2.2にパイロット信号PSの送信時間を表すタイムスタンプTPSを記憶するように構成されることが可能である。したがって応答信号RSが受信されると、送信機と受信機との間の往復の伝搬時間2T、すなわち伝搬時間Tの2倍に等しい値を導き出すために、判定手段2.6で2つのタイムスタンプTPSとTRSとが比較されることが可能である。パイロット信号PSは適合速度νに対応する(あるいは一致する)速度ν’で有利に送信され、同じように、すなわち同期式のやり方で変更されることができる。本発明によるシステムの他の代替の実施形態で、伝搬時間Tを判定するために、「応答」信号RSのみが受信ユニット3、4と送信ユニット2との間で送信されるように、パイロット信号PSを送信することは省略されることができる。この場合、図2に示す応答信号RSは、パイロット信号PSと同等とみなされることができる。
上で既に述べたように、パイロットおよび/または応答信号PS、RSは、パイロットおよび/または応答信号PS、RSのドップラー周波数偏移Δfを測定することによって、動径の相対速度vを判定するために使用されることもできる。このために好ましくは、例えば公称周波数fを有する単一周波数のパイロット/応答信号PS、RSが使用される。本発明のこのような実施形態で、送信ユニット2と受信ユニット3、4との間で送信される通信信号CS、CS’は通信の目的のみで使用され、ドップラー周波数偏移Δfを検出するために、いかなる形態の追加の信号処理にも委ねられることはない。
図3は本発明による無線ベースの通信システム1の概略図を示し、通信主体の間の距離Dを判定するように特に構成された図2の例に本質的に類似している。ここでもまた、無線ベースの通信システム1は送信ユニット2といくつかの受信ユニット3とを含み、見やすくするために、それらのうちの1つのみが示される。伝搬時間T(式2参照)および、または距離D(D=T・c)を判定するために、専用の通信チャネルDCCH(例えば、3rd Generation Partnership Project document TS 25.215、第5.2.8章を参照)は、Tがユニット2、3のいずれかによって前記の専用の通信チャネルDCCHの信号の往復時間から判定されることが可能となるように、送信ユニット2と受信ユニット3との間で提供される。
距離Dの判定の問題に対する代替の方法は、上述の図3に本質的に類似している図4に示される。図4は本発明による無線ベースの通信システム1の第2実施形態の概略図を示し、システム1すなわち受信ユニット3はGPSなどの衛星ベースの測位システムSPSと動作可能に接続されている。したがって、本発明のシステムは距離D(または対応する伝搬時間T)を判定するために、以下のステップを実行するように構成されている。すなわち、例えば受信ユニット3などのユニット2、3のうちの1つは、衛星ベースの測位システムSPSからそれ自体の絶対位置を示すデータPOSを受信する。受信ユニット3はその位置データPOSを送信ユニット2に送り、送信ユニット2は、固定の基地局の場合には固定されることができるか、または送信ユニット2が衛星ベースの測位システムSPSと好ましく動作可能に接続されている場合には変化することもできるそれ自体の絶対位置を考慮に入れて、受信ユニット3への距離Dを判定する。上述のように、ユニット2、3のすべては送信および受信を行うように構成されているので、上述の受信ユニットと送信ユニットの役割は本発明の範囲内で交換されることが可能である。
図5は本発明による無線ベースの通信システム1の第3実施形態の概略図を示し、少なくとも受信ユニット3が縦加速度および角加速度を測定するための手段3.9、特には慣性センサシステムをさらに含む。送信ユニット2が例えば位置の更新などによって、移動式の受信ユニット3の絶対の開始位置について知識を有していれば、受信ユニット3は、その新たな位置は破線の四角によって示されているが、矢印Mの方向の運動に関してその縦加速度および角加速度を測定し、時間間隔の積分によってその変位を判定する。次いで受信ユニット3は、対応する変位データDISを送信することによって最後の位置を更新してから、前記の変位について送信ユニット2に通知する。前記変位データDISを使用して、送信ユニット2は例えば破線の四角などの受信ユニット3の新たな位置を判定する。前記の新たな位置から送信ユニット2は受信ユニット3への距離Dを判定し、それによって受信ユニット3の開始位置を新たな位置に設定する。ここでもまた、上述の受信ユニットと送信ユニットの役割は本発明の範囲内で交換されることが可能である。
したがって本発明による方法は、パラメータの適合速度そのものが動的に適合され、システム資源が最適な方法で使用されることが可能となるように、無線ベースの通信システムでシステムパラメータを更新する必要性を、前記システムの構成要素に関する物理的に測定可能な数量と関連付ける効率的な方法を提供する。
固定の送信ユニットと移動する受信ユニットとを含む無線ベースの通信システムの無線セルの図である。 本発明による全般的な無線ベースの通信システムの概略図である。 本発明による無線ベースの通信システムの第1実施形態の概略図である。 本発明による無線ベースの通信システムの第2実施形態の概略図である。 本発明による無線ベースの通信システムの第3実施形態の概略図である。
符号の説明
1 通信システム
2 送信ユニット
2.1、3.1 処理手段
2.2、3.2 記憶手段
2.3、3.8 送受信手段
2.4、3.4 アンテナ手段
2.5、3.5 適合手段
2.6、3.6 判定手段
2.7、3.7 調節手段
2.8、3.3 送信手段
3、4 受信ユニット
3.9 測定手段

Claims (13)

  1. 無線ベースの通信システム(1)において、送信ユニット(2)と受信ユニット(3、4)との間の接続(C)を規定する少なくとも1つのシステムパラメータ(Φi)を適合させるための方法であって、
    システムパラメータ(Φi)が適合される適合周波数(ν)が、送信ユニット(2)と受信ユニット(3、4)との間の時間に関する距離(D)の、n=0;1である少なくとも1つのn次導関数に依存することを特徴とする、方法。
  2. 適合周波数(ν)が、送信ユニット(2)と受信ユニット(3、4)との相対速度(v)の動径成分(v)に依存することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 無線ベースの通信システム(1)による通信のために使用される少なくとも一部の無線周波数スペクトルのドップラー周波数偏移(Δf)が、送信ユニット(2)と受信ユニット(3、4)との相対速度(v)を判定するために測定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 適合周波数(ν)がν=min{νmin+K・(|Δf|)/(f・T),νmax}として判定され、νminが最小適合周波数であり、νmaxが最大適合周波数であり、Δfが送信ユニット(2)と受信ユニット(3、4)との間で伝送される無線周波数信号(CS、CS’、PS、RS)の周波数偏移であり、fが前記無線周波数信号(CS、CS’、PS、RS)の公称無線周波数であり、Tが前記無線周波数信号(CS、CS’、PS、RS)の信号伝搬時間であり、Kがシステム定数であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 送信ユニット(2)と受信ユニット(3、4)との間の距離(D)が、送信ユニット(2)と受信ユニット(3、4)との間で伝送される専用のパイロット信号(PS、RS)の伝搬時間(T)を測定することによって判定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. 送信ユニット(2)と受信ユニット(3、4)との間の距離(D)が、送信ユニット(2)と受信ユニット(3、4)との間で伝送される専用の通信チャネル(DCCH)の伝搬時間(T)を測定することによって判定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  7. 送信ユニット(2)と受信ユニット(3、4)との間の距離(D)が、衛星および/または地上ベースの測位システム(SPS)からの信号を分析することによって判定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  8. 送信ユニット(2)と受信ユニット(3、4)との間の距離(D)が、縦加速度および角加速度を測定するための手段(3.9)、特に慣性センサシステムからの信号を分析することによって判定されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. 少なくとも1つの送信ユニット(2)と、
    少なくとも1つの受信ユニット(3、4)と、
    送信ユニット(2)と受信ユニット(3、4)との間の接続(C)を規定する少なくとも1つのシステムパラメータ(Φi)を適合させるための適合手段(2.5、3.5)とを備える無線ベースの通信システム(1)であって、
    適合手段(2.5、3.5)が、
    送信ユニット(2)と受信ユニット(3、4)との間の時間に関する距離(D)の、n=0;1である少なくとも1つのn次導関数を動的に判定するための判定手段(2.6、3.6)と、
    システムパラメータ(Φi)が送信ユニット(2)と受信ユニット(3、4)との間の距離(D)の前記導関数の関数として適合される適合周波数(ν)を動的に調節するための調節手段(2.7、3.7)とをさらに含むことを特徴とする、通信システム。
  10. 前記無線ベースの通信システム(1)の送信ユニット(2)と受信ユニット(3、4)との間の接続(C)を規定する少なくとも1つのシステムパラメータ(Φi)を適合させるための適合手段(2.5)を有する、特に請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を実行するための請求項9に記載の無線ベースの通信システム(1)で使用するための送信ユニット(2)であって、
    適合手段(2.5)が、
    送信ユニット(2)と受信ユニット(3、4)との間の時間に関する距離(D)の、n=0;1である少なくとも1つのn次導関数を動的に判定するための判定手段(2.6)と、
    システムパラメータ(Φi)が送信ユニット(2)と受信ユニット(3、4)との間の距離(D)の前記導関数の関数として適合される適合周波数(ν)を動的に調節するための調節手段(2.7)とをさらに含むことを特徴とする、送信ユニット。
  11. 受信ユニット(3、4)によるパイロット信号(RS)の送信時間(TRS)を本質的に含む、受信ユニット(3、4)からの専用の狭帯域パイロット信号(RS)と専用の単一周波数パイロット信号(RS)とのうちの1つを受信するための受信手段(2.3)によって特徴付けられ、判定手段(2.6)が、前記送信時間(TRS)から送信ユニット(2)と受信ユニット(3、4)との間のパイロット信号(RS)の伝搬時間(T)を判定し、伝搬時間(T)から送信ユニット(2)と受信ユニット(3、4)との間の距離(D)を判定するように構成された、請求項10に記載の送信ユニット(2)。
  12. 特に請求項10または11に記載の送信ユニット(2)と関連して、特に請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を実行するための請求項9に記載の無線ベースの通信システム(1)で使用するための受信ユニット(3、4)であって、送信時間(TRS)を含む専用の狭帯域パイロット信号(RS)と専用の単一周波数パイロット信号(RS)とのうちの1つを送信ユニット(2)に送信するための送信手段(3.3)によって特徴付けられる、受信ユニット。
  13. 請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を実行するように動作可能な、少なくとも1つの送信ユニット(2)と少なくとも1つの受信ユニット(3、4)とを備えた無線ベースの通信システム(1)で使用するための、コンピュータプログラム製品。
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