JP2007103793A - 光電変換素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 歩留まりの低下および生産性の低下を抑えたうえで、短絡による電気的特性の低下を防ぐことができる光電変換素子の製造方法を提供する。
【解決手段】 まず、拡散防止膜形成工程で、半導体不純物の拡散を防止する拡散防止膜7を、半導体ウエハ2の側面にのみ、その側面の全周にわたって形成する。次に、拡散工程で、前記拡散防止膜7が形成された半導体ウエハ2の厚み方向一方側の表面部に、半導体不純物を拡散させる。この後、電極形成工程で、前記半導体不純物が拡散された半導体ウエハ2の厚み方向両側の表面に電極4,5をそれぞれ形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、半導体ウエハの厚み方向一方側の表面部にpn接合が形成されて構成される光電変換素子を製造するための光電変換素子の製造方法に関する。
近年、太陽光をエネルギー源とした太陽電池システムは、本格的なクリーンエネルギー技術として期待され、その太陽電池システムに関する技術は急速に進歩している。
光電変換素子である太陽電池セルは、太陽電池システムの一部を構成する。この太陽電池セルは、もととなる半導体材料から、(i)シリコン系と、(ii)化合物半導体系とに大別される。シリコン系については、結晶構造から、単結晶と、多結晶と、アモルファスとに分けられる。化合物半導体系については、GaAs系と、その他のものとに分けられる。
ここで、第1の従来技術である太陽電池セルの製造方法を説明する。この製造方法によって製造される太陽電池セルは、多結晶シリコン系であり、かつpn接合形である。
太陽電池セルを製造するにあたっては、まず、p型半導体から成る半導体ウエハを準備し、この半導体ウエハの厚み方向一方側の表面に、リンなどのn型の半導体不純物(以下、単に「不純物」という)を含有する不純物膜を形成する。次に、不純物膜が形成された半導体ウエハを拡散炉で加熱し、これによって前記半導体ウエハの厚み方向一方側の表面部に、不純物を拡散させて、n層を形成して、pn接合を形成する。この後、不純物が拡散された半導体ウエハから不純物膜を除去し、不純物膜が除去された半導体ウエハの厚み方向両側の表面に電極をそれぞれ形成する。このようにして太陽電池セルを製造する。
このような太陽電池セルの製造方法では、不純物膜が形成された半導体ウエハを拡散炉で加熱するとき、拡散炉内で雰囲気中に拡散された不純物が、半導体ウエハの、不純物膜が形成されていない表面部にも、付着して拡散する。換言すれば、半導体ウエハの、不純物膜が形成されていない表面部にも、気相拡散によってn層が形成される。この場合、半導体ウエハの厚み方向両側の表面にそれぞれ形成された各電極が、n層を介して電気的に短絡するので、太陽電池セルの電気的特性が大幅に低下してしまうという問題がある。
この問題を解決するための技術として、後述の第2〜第5の従来技術がある。これらの第2〜第5の従来技術は、前記第1の従来技術に類似するので、共通する点は説明を省略する。
第2の従来技術では、半導体ウエハの厚み方向一方側の表面部に不純物を拡散させた後、不純物が拡散された半導体ウエハの厚み方向他方側の表面部を研磨する。これによって、前記半導体ウエハの厚み方向他方側の表面部に形成されたn層を除去する。この後、厚み方向他方側の表面部のn層が除去された半導体ウエハの厚み方向両側の表面に電極をそれぞれ形成する。
このような第2の従来技術では、半導体ウエハの厚み方向他方側の表面部に形成されたn層を除去するので、半導体ウエハの厚み方向両側の表面にそれぞれ形成された各電極が、n層を介して電気的に短絡してしまうという不具合を防ぐことができる。これによって、短絡による電気的特性の低下を防ぐことができる。
しかしながら第2の従来技術では、研磨の際に、半導体ウエハに対して比較的大きな外力を与えることになるので、半導体ウエハが割れたり、半導体ウエハに亀裂が生じたりして、半導体ウエハが破損する可能性が非常に高い。したがって半導体ウエハの破損によって歩留まりが低下してしまうという問題がある。
第3の従来技術では、半導体ウエハの厚み方向一方側の表面に不純物膜を形成する前に、半導体ウエハの厚み方向他方側の表面に、不純物の拡散を防止する拡散防止膜を形成する。詳細に述べると、まず、半導体ウエハをその厚み方向他方側の表面を上方にして水平に保持し、前記厚み方向他方側の表面に、拡散防止膜の材料を含有する拡散防止液を回転塗布して、拡散防止膜を形成する。次に、拡散防止膜が形成された半導体ウエハをその厚み方向一方側の表面を上方にして水平に保持し、前記厚み方向一方側の表面に、不純物を含有する不純物含有液を回転塗布して、不純物膜を形成する。
このような第3の従来技術では、半導体ウエハの厚み方向他方側の表面に形成される拡散防止膜によって、半導体ウエハの厚み方向他方側の表面部に不純物が拡散することを防止して、前記厚み方向他方側の表面部にn層が形成されることを防止する。このように前記厚み方向他方側の表面部にn層が形成されることが防止されるので、半導体ウエハの厚み方向両側の表面にそれぞれ形成された各電極が、n層を介して電気的に短絡してしまうという不具合を防ぐことができる。これによって、短絡による電気的特性の低下を防ぐことができる。
しかしながら第3の従来技術では、不純物を拡散させた後、電極を形成する前に、拡散防止膜を除去する必要がある。なぜなら、拡散防止膜が除去されずに残っていると、太陽電池セルの電気的特性を低下させることになるからである。また、拡散防止膜が除去されずに残っていると、たとえば前記厚み方向他方側の表面にアルミニウム(Al)電極を形成するときにAl粒が発生するので、電極の密着性を悪くすることになるからである。このように拡散防止膜を除去する必要がある分だけ、工程数が増加して、生産性が低下してしまうという問題がある。
第4の従来技術は、特許文献1に開示されている。第4の従来技術では、半導体ウエハの厚み方向一方側の表面に不純物膜を形成する前に、半導体ウエハの厚み方向他方側の表面における所定の端部領域に拡散防止膜を形成する。拡散防止膜を形成するにあたっては、インクジェット方式を用いて、前記所定の端部領域に拡散防止液を供給する。
このような第4の従来技術では、拡散防止膜が形成されるのは、半導体ウエハの厚み方向他方側の表面における所定の端部領域であるので、拡散防止膜が太陽電池セルの電気的特性および電極の密着性に与える影響は小さい。したがって不純物を拡散させた後、電極を形成する前に、拡散防止膜を除去する必要がない。このように拡散防止膜を除去する必要がないので、前記第3の従来技術に比べて、生産性の低下を抑えることができる。
しかしながら第4の従来技術でも、太陽電池セルの電気的特性と電極の密着性とを考慮すると、できれば、半導体ウエハの厚み方向他方側の表面に形成された拡散防止膜が除去されることが望ましい。
第5の従来技術は、特許文献2に開示されている。第5の従来技術では、半導体インゴットの表面に全体にわたって酸化膜を形成し、酸化膜が形成された半導体インゴットをスライスして、半導体ウエハを生成する。この半導体ウエハの側面には、酸化膜が形成されており、この酸化膜が拡散防止膜となる。酸化膜は、化学気相成長法、ペイント法および熱酸化法のいずれか1つによって形成される。
このような第5の従来技術では、拡散防止膜が存在するのは、半導体ウエハの側面のみであるので、拡散防止膜は、太陽電池セルの電気的特性および電極の密着性に影響を与えない。したがって不純物を拡散させた後、電極を形成する前に、拡散防止膜を除去する必要がない。このように拡散防止膜を除去する必要がないので、前記第3の従来技術に比べて、生産性の低下を抑えることができる。
しかしながら第5の従来技術では、半導体インゴットをスライスして半導体ウエハを生成した後、不純物を拡散させる前に、半導体ウエハの表面を処理すると、拡散防止膜が不所望に除去されてしまう場合がある。半導体ウエハの表面処理としては、スライスによって表面部に生じた加工変質層の除去および変換効率向上のための微小な凹凸の形成などがある。拡散防止膜が不所望に除去された場合、第1の従来技術と同様の問題が生じる。
特開2003−86817号公報 特開平1−185977号公報
本発明の目的は、歩留まりの低下および生産性の低下を抑えたうえで、短絡による電気的特性の低下を防ぐことができる光電変換素子の製造方法を提供することである。
本発明は、半導体不純物の拡散を防止する拡散防止膜を、半導体ウエハの側面にのみ、その側面の全周にわたって形成する拡散防止膜形成工程と、
前記拡散防止膜が形成された半導体ウエハの厚み方向一方側の表面部に半導体不純物を拡散させる拡散工程と、
前記半導体不純物が拡散された半導体ウエハの厚み方向両側の表面に電極をそれぞれ形成する電極形成工程とを含むことを特徴とする光電変換素子の製造方法である。
また本発明は、前記拡散防止膜形成工程では、同一の形状を有しかつ同一の寸法を有する複数の半導体ウエハを、それらの側面が面一になるように重ねた状態で、拡散防止膜を形成することを特徴とする。
また本発明は、前記拡散防止膜形成工程では、拡散防止膜を形成するにあたって、拡散防止膜の材料を含有する拡散防止液を、各半導体ウエハの側面に供給して、供給された拡散防止液を乾燥させることを特徴とする。
また本発明は、前記拡散防止膜形成工程では、拡散防止液を各半導体ウエハの側面に供給するにあたって、拡散防止液を各半導体ウエハの側面に向けて噴射することを特徴とする。
また本発明は、前記拡散防止膜形成工程では、拡散防止液を各半導体ウエハの側面に供給するにあたって、拡散防止液を保持する保持具を、この保持具に保持される拡散防止液を介して各半導体ウエハの側面に接触させることを特徴とする。
また本発明は、前記拡散防止膜形成工程では、前記複数の半導体ウエハが重ねられて構成される構成体における重ね方向両側の表面を全体にわたってカバー体によってそれぞれ覆った状態で、拡散防止液を各半導体ウエハの側面に供給することを特徴とする。
また本発明は、半導体ウエハの厚み方向から見た形状が多角形であり、半導体ウエハの側面が複数の側面領域から成る場合、
前記拡散防止膜形成工程では、重ねられた各半導体ウエハの1つの側面領域を揃えて、揃えられた側面領域に拡散防止液を供給して、供給された拡散防止液を乾燥させることを、全ての側面領域に対して繰り返し実行することを特徴とする。
また本発明は、半導体ウエハの厚み方向から見た形状が多角形であり、半導体ウエハの側面が複数の側面領域から成る場合、
前記拡散防止膜形成工程では、重ねられた各半導体ウエハの2つの側面領域を揃えて、揃えられた各側面領域に拡散防止液を供給して、供給された拡散防止液を乾燥させることを、全ての側面領域に対して繰り返し実行することを特徴とする。
また本発明は、半導体ウエハの厚み方向から見た形状が円形である場合、
前記拡散防止膜形成工程では、重ねられた各半導体ウエハの側面の一部を揃えて、揃えられた側面の一部に拡散防止液を供給して、供給された拡散防止液を乾燥させることを、側面全体に対して繰り返し実行することを特徴とする。
また本発明は、前記拡散防止膜形成工程では、前記複数の半導体ウエハを加熱して、加熱された各半導体ウエハの側面に拡散防止液を供給することを特徴とする。
また本発明は、前記拡散防止液は、チタンテトライソプロポキシドとアルコールとカルボン酸との混合液であることを特徴とする。
また本発明は、前記拡散防止液は、チタンの酸化物、炭化物および窒化物、ならびにシリコンの酸化物、炭化物および窒化物の少なくともいずれか1つを含有する溶液であることを特徴とする。
本発明によれば、半導体ウエハの側面には、拡散防止膜形成工程で、全周にわたって拡散防止膜を形成する。この拡散防止膜は、拡散防止膜形成工程に続く拡散工程で、半導体ウエハの側面から内部への半導体不純物の拡散を防止する。このように半導体不純物の拡散が防止されるので、半導体ウエハの側面部には、不純物の拡散層が形成されない。したがって前記第1の従来技術のように、拡散工程に続く電極形成工程で半導体ウエハの厚み方向両側の表面にそれぞれ形成された各電極が、半導体不純物の拡散層を介して電気的に短絡してしまうという不具合を防ぐことができる。これによって、短絡による電気的特性の低下を防ぐことができる。
このような本発明では、前記第2の従来技術のように、拡散工程の後、電極形成工程の前に、半導体ウエハの厚み方向他方側の表面部を研磨する必要がない。このように研磨の必要がないので、研磨による半導体ウエハの破損が防がれ、半導体ウエハの破損による歩留まりの低下を抑えることができる。
また本発明では、拡散防止膜を形成するのは、半導体ウエハの側面のみであるので、拡散防止膜が残っていても、この拡散防止膜は、光電変換素子の電気的特性および電極の密着性に影響を与えない。したがって前記第3の従来技術のように、拡散工程の後、電極形成工程の前に、拡散防止膜を除去する必要がない。このように拡散防止膜を除去する必要がないので、工程数の増加による生産性の低下を抑えることができる。
また本発明によれば、拡散防止膜形成工程では、複数の半導体ウエハを重ねた状態で拡散防止膜を形成するので、複数の半導体ウエハに対して一括して拡散防止膜を形成することができる。このように一括して拡散防止膜を形成することによって、生産性を向上させることができる。
各半導体ウエハは、同一の形状を有しかつ同一の寸法を有する。このような各半導体ウエハを、それらの側面が面一になるように重ねた状態で、拡散防止膜を形成する。したがって半導体ウエハの側面にのみ、拡散防止膜を形成するということを、容易に達成することができる。
また本発明によれば、拡散防止膜形成工程では、拡散防止膜の材料を含有する拡散防止液を、各半導体ウエハの側面に供給して、供給された拡散防止液を乾燥させる。このようにして拡散防止膜を形成するので、他の方法、たとえば化学気相成長法によって拡散防止膜を形成する場合に比べて、簡単な装置で容易に拡散防止膜を形成することができる。
また本発明によれば、拡散防止膜形成工程では、拡散防止液を各半導体ウエハの側面に向けて噴射する。このようにして拡散防止液を供給するので、各半導体ウエハに大きな外力を与えることなく、拡散防止液を供給することができる。したがって半導体ウエハの破損が防がれ、半導体ウエハの破損による歩留まりの低下を抑えることができる。
また本発明によれば、拡散防止膜形成工程では、拡散防止液を保持する保持具を、この保持具に保持される拡散防止液を介して各半導体ウエハの側面に接触させる。このようにして拡散防止液を供給するので、噴射による供給が困難なほどに粘性が高い拡散防止液であっても供給することができる。
また本発明によれば、拡散防止膜形成工程では、複数の半導体ウエハが重ねられて構成される構成体における重ね方向両側の表面を全体にわたってカバー体によってそれぞれ覆う。この状態で、拡散防止液を各半導体ウエハの側面に供給する。このようにして拡散防止液を供給するので、前記構成体における重ね方向両側の表面に拡散防止液が供給されてしまうという不具合を防ぐことができる。したがって前記構成体における重ね方向両側の各半導体ウエハに対しても、それらの側面にのみ、拡散防止膜を形成することができる。
また本発明によれば、半導体ウエハの厚み方向から見た形状が多角形である場合、拡散防止膜形成工程では、重ねられた各半導体ウエハの1つの側面領域を揃えて、揃えられた側面領域に拡散防止液を供給して、供給された拡散防止液を乾燥させる。これを、全ての側面領域に対して繰り返し実行する。揃えられた側面領域に拡散防止液を供給するので、半導体ウエハの寸法誤差に拘わらず、拡散防止液を均一に供給することができ、また側面以外にも拡散防止液が供給されてしまうという不具合を防ぐことができる。
また本発明によれば、半導体ウエハの厚み方向から見た形状が多角形である場合、拡散防止膜形成工程では、重ねられた各半導体ウエハの2つの側面領域を揃えて、揃えられた各側面領域に拡散防止液を供給して、供給された拡散防止液を乾燥させる。これを、全ての側面領域に対して繰り返し実行する。揃えられた各側面領域に拡散防止液を供給するので、半導体ウエハの寸法誤差に拘わらず、拡散防止液を均一に供給することができ、また側面以外にも拡散防止液が供給されてしまうという不具合を防ぐことができる。さらに、一度に2つの側面領域を揃えて、拡散防止液の供給および乾燥を実行するので、繰り返し回数を少なくして、生産性を向上させることができる。
また本発明によれば、半導体ウエハの厚み方向から見た形状が円形である場合、拡散防止膜形成工程では、重ねられた各半導体ウエハの側面の一部を揃えて、揃えられた側面の一部に拡散防止液を供給して、供給された拡散防止液を乾燥させる。これを、側面全体に対して繰り返し実行する。揃えられた側面の一部に拡散防止液を供給するので、半導体ウエハの寸法誤差に拘わらず、拡散防止液を均一に供給することができ、また側面以外にも拡散防止液が供給されてしまうという不具合を防ぐことができる。
また本発明によれば、拡散防止膜形成工程では、複数の半導体ウエハを加熱して、加熱された各半導体ウエハの側面に拡散防止液を供給する。このように加熱された各半導体ウエハの側面に拡散防止液を供給するので、隣接する半導体ウエハ間に毛細管現象によって侵入する拡散防止液の溶媒を瞬時に蒸発させ、これによって拡散防止液の主成分が前記半導体ウエハ間に侵入することを防ぐことができる。したがって半導体ウエハの側面以外にも拡散防止膜が形成されてしまうという不具合を防ぐことができる。
また本発明によれば、拡散防止液は、チタンテトライソプロポキシドとアルコールとカルボン酸との混合液であるので、この拡散防止液が乾燥して形成された拡散防止膜は、半導体ウエハの側面から内部への半導体不純物の拡散を良好に防止することができる。
また本発明によれば、拡散防止液は、チタンの酸化物、炭化物および窒化物、ならびにシリコンの酸化物、炭化物および窒化物の少なくともいずれか1つを含有する溶液あるので、この拡散防止液が乾燥して形成された拡散防止膜は、半導体ウエハの側面から内部への半導体不純物の拡散を良好に防止することができる。
図1は、本発明の実施の第1形態である光電変換素子の製造方法を説明するために、光電変換素子の製造工程における各段階の生成物を簡略化して示す断面図である。図2は、光電変換素子の製造手順を説明するためのフローチャートである。
本実施の形態の製造方法によって製造される光電変換素子1は、半導体ウエハ2の厚み方向一方側の表面部にpn接合3が形成され、pn接合3が形成された半導体ウエハ2の厚み方向両側の表面に電極4,5がそれぞれ形成されて、構成される。このような光電変換素子1は、太陽電池セルとして用いられる。
まず、半導体インゴットを準備して、光電変換素子1の製造作業を開始する。半導体インゴットは、p型半導体から成り、詳しくはp型の多結晶シリコンから成る。
光電変換素子1の製造作業を開始すると、切断工程であるステップa1で、切断装置によって、半導体インゴットを切断して半導体ウエハ2を生成する。詳しくは、半導体インゴットを切断して半導体ブロックを生成し、さらに半導体ブロックを切断して半導体ウエハ2を生成する。半導体ブロックの切断には、切断装置としてワイヤソーが用いられる。
半導体ウエハ2の厚み寸法は、たとえば200〜300μmに選ばれる。半導体ウエハ2の厚み方向から見た形状は、略正方形状であり、詳しくは正方形において各角隅部を欠いた形状である。本実施の形態では、説明の便宜上、各角隅部の欠けを無視して、半導体ウエハ2の厚み方向から見た形状を正方形とみなして説明する。半導体ウエハ2の寸法は、たとえば155mm×155mmである。
半導体インゴットが切断されて生成された半導体ウエハ2の表面部には、図1(1)に示すように、加工変質層6が存在する。加工変質層6とは、切断による機械的衝撃によって結晶組織が破壊されてひずみが生じている部分をいう。この加工変質層6は、除去する必要がある。
半導体インゴットを切断して半導体ウエハ2を生成した後、加工変質層除去工程であるステップa2で、浸漬によるエッチング処理によって、図1(2)に示すように、半導体インゴットが切断されて生成された半導体ウエハ2の加工変質層6を除去する。エッチング処理では、エッチャントとして、アルカリ系の水溶液である水酸化ナトリウム(NaOH)水溶液が用いられる。
加工変質層6を除去した後、拡散防止膜形成工程であるステップa3で、図1(3)に示すように、半導体不純物(以下、単に「不純物」という)の拡散を防止する拡散防止膜7を、加工変質層6が除去された半導体ウエハ2の側面にのみ、かつその側面の全周にわたって形成する。本実施の形態では、拡散防止膜7を、前記半導体ウエハ2の側面に全体にわたって形成する。半導体ウエハ2の側面とは、半導体ウエハ2の表面全体のうち、半導体ウエハ2の厚み方向両側の表面を除く残余の表面をいう。
拡散防止膜7を形成するにあたっては、拡散防止膜7の材料を含有する拡散防止液を、半導体ウエハ2の側面に供給して、供給された拡散防止液を乾燥させる(後述の図3〜図6参照)。拡散防止液は、チタンを含有する溶液であり、具体的には、チタンテトライソプロポキシド(TPT)とアルコールとカルボン酸との混合液である。拡散防止液のチタン含有量は、たとえば1〜3mol/lに選ばれる。
拡散防止膜7を形成した後、拡散工程における第1段階であるステップa4で、図1(4)に示すように、拡散防止膜7が形成された半導体ウエハ2の厚み方向一方側の表面に、不純物の供給源となる不純物膜8を形成する。不純物膜8を形成するにあたっては、不純物を含有する不純物含有液を、半導体ウエハ2の厚み方向一方側の表面に供給して、供給された不純物含有液を乾燥させる。不純物は、n型の不純物であり、具体的にはリン、アンチモンおよび砒素から選ばれる。不純物含有液としては、たとえば五酸化二リンが使用される。
半導体ウエハ2の厚み方向一方側の表面には、回転塗布によって、不純物含有液を供給する。この回転塗布は、半導体ウエハ2を1枚ずつ処理する枚葉処理である。詳細に述べると、半導体ウエハ2をその厚み方向一方側の表面を上方にして水平に保持し、前記厚み方向一方側の表面における重心付近に、適量の不純物含有液を滴下し、半導体ウエハ2をその重心付近を通る鉛直な軸線まわりに回転させる。このようにして、半導体ウエハ2の厚み方向一方側の表面に全体にわたって、不純物含有液を塗布して供給する。
不純物膜8を形成した後、拡散工程における第2段階であるステップa5で、不純物膜8が形成された半導体ウエハ2を拡散炉に収容して加熱し、これによって前記半導体ウエハ2の厚み方向一方側の表面部に、不純物を熱拡散させる。前記半導体ウエハ2は、カセットに収納された状態で、拡散炉に収容される。カセットには、前記半導体ウエハ2が複数、隣接して配置される。拡散炉内の温度は、たとえば800〜900℃に選ばれる。このようにして、図1(5)に示すように、不純物膜8が形成された半導体ウエハ2の厚み方向一方側の表面部に、不純物の拡散層であるn層9を形成して、pn接合3を形成する。
不純物を拡散させた後、不純物膜除去工程であるステップa6で、浸漬によるエッチング処理によって、図1(6)に示すように、不純物が拡散された半導体ウエハ2の不純物膜8を除去する。エッチング処理では、フッ化水素(HF)を1%以上含有する水溶液が用いられる。このエッチング処理における除去対象は、不純物膜8であり、拡散防止膜7ではない。拡散防止膜7は、この後の工程においても除去されない。
不純物膜8を除去した後、電極形成工程であるステップa7で、半導体ウエハ2の厚み方向一方側の表面に窒化シリコン(SiN)から成る反射防止膜を形成するとともに、図1(7)に示すように、半導体ウエハ2の厚み方向両側の表面に電極4,5をそれぞれ形成する。このように電極4,5を形成して、光電変換素子1の製造作業を終了する。
図3は、重ねられた各半導体ウエハ2の第1および第2側面領域11a,11bを揃えた状態を示す平面図である。図4は、図3の右方から見た側面図である。本実施の形態では、半導体ウエハ2の厚み方向から見た形状は正方形であるので、半導体ウエハ2の側面は、4つの側面領域11a,11b,11c,11dから成る。
拡散防止膜形成工程では、まず、加工変質層6が除去された半導体ウエハ2を複数、重ねる。各半導体ウエハ2は、同一の形状を有しかつ同一の寸法を有する。このような各半導体ウエハ2を、それらの側面が面一になるように重ねる。重ねる枚数は、特に限定されるものではないが、より多くの半導体ウエハ2を重ねることによって、生産性の向上を図ることができる。
各半導体ウエハ2を重ねるには、多軸ロボットが用いられる。多軸ロボットの先端部には、真空吸着パッドが装着される。真空吸着パッドは、半導体ウエハ2を真空吸着して保持する。多軸ロボットは、載置台12における載置面12aの所定位置に、半導体ウエハ2を1つずつ積み重ねる。このとき、多軸ロボットは、各半導体ウエハ2を、それらの側面が面一になるように重ねる。
重ねられた各半導体ウエハ2の側面領域が不揃いな状態では、各半導体ウエハ2の側面領域に均一に、拡散防止液を供給することができない。また各半導体ウエハ2の側面以外にも、換言すれば各半導体ウエハ2の厚み方向両側の表面にも、拡散防止液が供給されてしまう。半導体ウエハ2の外形寸法(厚み寸法は除く)の寸法精度は、1辺当たり±0.5mm程度とされている。このような各半導体ウエハ2の各側面領域11a〜11dを同時に揃えることは不可能であり、最大で1mmの凹凸が発生する。
この点を考慮して、各半導体ウエハ2を重ねた後、重ねられた各半導体ウエハ2の2つの側面領域を揃える。2つの側面領域は、隣り合っている。たとえば、図3および図4に示すように、重ねられた各半導体ウエハ2の第1および第2側面領域11a,11bを揃える。
重ねられた各半導体ウエハ2の周囲には、4つの治具13a〜13dが設けられる。各治具13a〜13dは、重ねられた各半導体ウエハ2の各側面領域11a〜11dの延在方向中央部に、わずかな間隙をあけて、それぞれ対向する。各治具13a〜13dは、重ねられた各半導体ウエハ2に対して垂直に立設する円柱状の部材によって実現される。各治具13a〜13dは、前記円柱状の部材に限らず、重ねられた各半導体ウエハ2に対して垂直に立設する平板状の部材によって実現されてもよい。各治具13a〜13dの形状は、特に限定されない。
重ねられた各半導体ウエハ2の第1および第2側面領域11a,11bを揃えるには、各治具13a〜13dのうち、重ねられた各半導体ウエハ2の第1および第2側面領域11a,11bに対向する第1および第2治具13a,13bが用いられる。重ねられた各半導体ウエハ2の第1および第2側面領域11a,11bを、第1および第2治具13a,13bにそれぞれ押し付けることによって、重ねられた各半導体ウエハ2の第1および第2側面領域11a,11bを凹凸なく、揃えることができる。
このとき本実施の形態では、各半導体ウエハ2の、第3側面領域11cと第4側面領域11dとが連なる角隅部を、所定の押圧方向14に押圧してもよく、あるいは第1および第2治具13a,13bを、前記所定の押圧方向14とは反対方向に押圧してもよい。前記所定の押圧方向14は、第3側面領域11cと第4側面領域11dとが連なる角隅部から、第1側面領域11aと第2側面領域11bとが連なる角隅部に向かう方向である。また重ねられた各半導体ウエハ2および各治具13a〜13dを傾斜させて、重力によって、重ねられた各半導体ウエハ2の第1および第2側面領域11a,11bを、第1および第2治具13a,13bにそれぞれ押し付けてもよい。この場合、各半導体ウエハ2を、第1および第2治具13a,13bに対して容易に押し付けることができる。
図5は、揃えられた第1および第2側面領域11a,11bに拡散防止液を供給している状態を示す平面図である。図6は、図5の右方から見た側面図である。拡散防止膜形成工程では、前述のようして、揃えられた第1および第2側面領域11a,11bに拡散防止液を供給して、供給された拡散防止液を乾燥させる。これによって、揃えられた第1および第2側面領域11a,11bに拡散防止膜7を形成する。
揃えられた側面領域に拡散防止液を供給するにあたっては、スプレーガン21が用いられる。スプレーガン21は、拡散防止液を、揃えられた側面領域に向けて噴射する。スプレーガン21の噴射口から噴射された拡散防止液は拡がるので、一度に、比較的広範囲にわたって拡散防止液を供給することができる。
スプレーガン21から拡散防止液を噴射するとき、スプレーガン21は、揃えられた側面領域に沿うように走査される。たとえば、スプレーガン21は、交差する2方向に走査される。具体的には、スプレーガン21は、揃えられた側面領域の延在方向24に走査されるとともに、各半導体ウエハ2の厚み方向25に走査される。このようにスプレーガン21が走査されるので、揃えられた側面領域に全体にわたって、拡散防止液を供給することができる。
本実施の形態では、スプレーガン21が2つ、用いられる。一方のスプレーガン21は、揃えられた2つの側面領域のうち、一方の側面領域(図5では第1側面領域11a)に対向し、この一方の側面領域に拡散防止液を供給する。他方のスプレーガン21は、揃えられた2つの側面領域のうち、他方の側面領域(図5では第2側面領域11b)に対向し、この他方の側面領域に拡散防止液を供給する。このような2つのスプレーガン21が用いられるので、揃えられた2つの側面領域に拡散防止液を同時に供給することができ、これによって拡散防止液の供給に要する時間を短縮することができる。
本実施の形態を変更した一例では、スプレーガン21が1つだけ、用いられる。この場合、まず、スプレーガン21を、前記一方の側面領域に対向させ、この状態で、前記一方の側面領域に拡散防止液を供給する。次に、スプレーガン21を、前記他方の側面領域に対向させ、この状態で、前記他方の側面領域に拡散防止液を供給する。
本実施の形態の変形した他の例では、複数のスプレーガン21が並ぶように設けられ、これらの各スプレーガン21が、揃えられた1つの側面領域に向けて、拡散防止液を同時に噴射する。この場合、拡散防止液の供給に要する時間を短縮することができる。
このようにスプレーガン21の員数は、特に限定されない。またスプレーガン21の形状も特に限定されない。さらにスプレーガン21の走査方法も特に限定されない。拡散防止液の噴射に必要な圧力およびスプレーガン21の噴射口径に関しては、拡散防止液の種類に応じて選ばれ、詳しくは拡散防止液の粘度に応じて選ばれる。
前述のようにして、重ねられた各半導体ウエハ2の第1および第2側面領域11a,11bを揃えて、揃えられた第1および第2側面領域11a,11bに拡散防止膜7を形成した後、重ねられた各半導体ウエハ2の第3および第4側面領域11c,11dについても、同様にして、拡散防止膜7を形成する。このようにして拡散防止膜7を、各半導体ウエハ2の側面にのみ、かつそれらの側面の全周にわたって形成する。
この後、拡散防止膜7が形成された半導体ウエハ2を1枚ずつ、回転塗布装置へ移載する。半導体ウエハ2の移載には、前述のような多軸ロボットが用いられる。多軸ロボットは、半導体ウエハ2を1つずつ保持し、保持した半導体ウエハ2を、この半導体ウエハ2の厚み方向一方側の表面を上方にして、スピン台に設置する。この後、不純物膜形成工程に移行する。
本実施の形態では、拡散防止液を各半導体ウエハ2の側面に供給するときには、複数の半導体ウエハ2が重ねられて構成される構成体における重ね方向両側の表面を全体にわたってカバー体12,29によってそれぞれ覆う。前記構成体の重ね方向一方側の表面である下方に臨む表面を覆うカバー体12は、前記載置台12によって実現される。前記構成体の重ね方向他方側の表面である上方に臨む表面を覆うカバー体29は別途、前記構成体の上方に臨む表面に重ねて設けられる。このようにして拡散防止液を供給するので、前記構成体における重ね方向両側の表面に拡散防止液が供給されてしまうという不具合を防ぐことができる。したがって前記構成体における重ね方向両側の各半導体ウエハ2に対しても、それらの側面にのみ、拡散防止膜7を形成することができる。
また本実施の形態では、拡散防止液の粘度および表面張力にもよるが、隣接する半導体ウエハ2間に毛細管現象によって拡散防止液が侵入する可能性がある。この点を考慮して、複数の半導体ウエハ2をたとえば焼成炉内で加熱して、加熱された各半導体ウエハ2の側面に拡散防止液を供給する。各半導体ウエハ2は、重ねる前に加熱してもよく、あるいは重ねた後に加熱してもよい。加熱された各半導体ウエハ2の側面に拡散防止液を供給するので、隣接する半導体ウエハ2間に毛細管現象によって侵入する拡散防止液の溶媒を瞬時に蒸発させ、これによって拡散防止液の主成分が前記半導体ウエハ2間に侵入することを防ぐことができる。したがって半導体ウエハ2の側面以外にも、換言すれば半導体ウエハ2の厚み方向両側の表面にも、拡散防止膜7が形成されてしまうという不具合を防ぐことができる。
図7は、不純物膜8が形成された半導体ウエハ2の断面図であり、同図は前記半導体ウエハ2が拡散炉内で加熱されているときの状態を示す。図8は、不純物膜8が除去された半導体ウエハ2の断面図である。
半導体ウエハ2の厚み方向一方側の表面2aには、回転塗布によって不純物含有液が供給されて、不純物膜8が形成される。回転塗布では、半導体ウエハ2の厚み方向他方側の表面2bに、微量の不純物含有液が回り込む。このように不純物含有液が回り込むことによって、半導体ウエハ2の厚み方向他方側の表面2bには、不純物膜8が部分的に形成される。この場合、半導体ウエハ2の厚み方向他方側の表面部でも、n層9が部分的に形成されてしまう。
また不純物膜8が形成された半導体ウエハ2は、拡散炉内で加熱される。このとき半導体ウエハ2は、カセットに収納された状態で、拡散炉に収容される。カセットには、半導体ウエハ2が複数、隣接して配置される。このように複数の半導体ウエハ2が隣接しているので、半導体ウエハ2の近傍は、不純物を含有する雰囲気となる。この場合、半導体ウエハ2の厚み方向他方側の表面部でも、気相拡散によって、n層9が形成されてしまう。
半導体ウエハ2の側面2cには、拡散防止膜7が形成される。拡散防止膜7は、半導体ウエハ2の側面2cに不純物膜7が形成されることを防止し、これによって不純物膜8から、半導体ウエハ2の側面部への不純物の拡散を防止する。また拡散防止膜7は、気相拡散による、半導体ウエハ2の側面部への不純物の拡散を防止する。このように拡散防止膜7が半導体ウエハ2の側面部への不純物の拡散を防止するので、半導体ウエハ2の側面部には、n層9が形成されない。
拡散防止膜7の厚み寸法は、500nm以上1000nm以下に選ばれる。拡散防止膜7の厚み寸法が500nm未満の場合、不純物の拡散を充分に防止することができない。拡散防止膜7の厚み寸法が1000nmを超える場合、拡散防止液の乾燥に要する時間が長くなり、場合によっては、乾燥炉などを用いた乾燥工程を追加する必要がある。拡散防止膜7の厚み寸法が500nm以上1000nm以下に選ばれることによって、不純物の拡散を確実に防止し、かつ拡散防止液の乾燥に要する時間を短縮することができる。拡散防止膜7の厚み寸法は、拡散防止液の組成によっても異なる。
以上のような本実施の形態によれば、半導体ウエハ2の側面には、拡散防止膜形成工程で、全周にわたって拡散防止膜7を形成する。この拡散防止膜7は、拡散防止膜形成工程に続く拡散工程で、半導体ウエハ2の側面から内部への不純物の拡散を防止する。このように不純物の拡散が防止されるので、半導体ウエハ2の側面部には、n層9が形成されない。したがって前記第1の従来技術のように、拡散工程に続く電極形成工程で半導体ウエハ2の厚み方向両側の表面にそれぞれ形成された各電極4,5が、n層を介して電気的に短絡してしまうという不具合を防ぐことができる。これによって、短絡による電気的特性の低下を防ぐことができる。
このような本実施の形態では、前記第2の従来技術のように、拡散工程の後、電極形成工程の前に、半導体ウエハ2の厚み方向他方側の表面部を研磨する必要がない。このように研磨の必要がないので、研磨による半導体ウエハ2の破損が防がれ、半導体ウエハ2の破損による歩留まりの低下を抑えることができる。
また本実施の形態では、拡散防止膜7を形成するのは、半導体ウエハ2の側面のみであるので、拡散防止膜7が残っていても、この拡散防止膜7は、光電変換素子1の電気的特性および電極4,5の密着性に影響を与えない。したがって前記第3の従来技術のように、拡散工程の後、電極形成工程の前に、拡散防止膜7を除去する必要がない。このように拡散防止膜7を除去する必要がないので、工程数の増加による生産性の低下を抑えることができる。
拡散防止膜7は、除去しにくい。このような拡散防止膜7の除去には、高濃度のフッ化水素が必要である。高濃度のフッ化水素を用いる場合は、薬液コストが高くなる。また拡散防止膜7の除去には、時間がかかる。本実施の形態では、前述のように拡散防止膜7を除去する必要がないので、薬液コストの増大を防ぐとともに、生産性の低下を抑えることができる。
拡散防止膜7は、加工変質層6を除去した後、不純物膜8を形成する前に、形成される。このように加工変質層6を除去した後に拡散防止膜7が形成されるので、前記第5の従来技術のように、拡散防止膜7が不所望に除去されてしまうという不具合がない。
半導体ウエハ2の側面には、拡散防止膜7が形成されるので、この拡散防止膜7によって、半導体ウエハ2の側面に微細キズが生じることを防ぐことができる。このように半導体ウエハ2の側面に微細キズが生じることが防がれるので、この微細キズに起因する半導体ウエハ2の割れが防がれ、半導体ウエハ2の割れによる歩留まりの低下を抑えることができる。
また本実施の形態によれば、拡散防止膜形成工程では、複数の半導体ウエハ2を重ねた状態で拡散防止膜7を形成するので、複数の半導体ウエハ2に対して一括して拡散防止膜7を形成することができる。このように一括して拡散防止膜7を形成することによって、生産性を向上させることができる。
各半導体ウエハ2は、同一の形状を有しかつ同一の寸法を有する。このような各半導体ウエハ2を、それらの側面が面一になるように重ねた状態で、拡散防止膜7を形成する。したがって半導体ウエハ2の側面にのみ、拡散防止膜7を形成するということを、容易に達成することができる。
また本実施の形態によれば、拡散防止膜形成工程では、拡散防止液を、各半導体ウエハ2の側面に供給して、供給された拡散防止液を乾燥させる。このようにして拡散防止膜7を形成するので、他の方法、たとえば化学気相成長法によって拡散防止膜7を形成する場合に比べて、簡単な装置で容易に拡散防止膜7を形成することができる。
また本実施の形態によれば、拡散防止膜形成工程では、拡散防止液を各半導体ウエハ2の側面に向けて噴射する。このようにして拡散防止液を供給するので、各半導体ウエハ2に大きな外力を与えることなく、拡散防止液を供給することができる。したがって半導体ウエハ2の破損が防がれ、半導体ウエハ2の破損による歩留まりの低下を抑えることができる。
また本実施の形態によれば、拡散防止膜形成工程では、重ねられた各半導体ウエハ2の2つの側面領域を揃えて、揃えられた各側面領域に拡散防止液を供給して、供給された拡散防止液を乾燥させる。これを、全ての側面領域11a〜11dに対して繰り返し実行する。揃えられた各側面領域に拡散防止液を供給するので、半導体ウエハ2の寸法誤差に拘わらず、拡散防止液を均一に供給することができ、また側面以外にも拡散防止液が供給されてしまうという不具合を防ぐことができる。さらに、一度に2つの側面領域を揃えて、拡散防止液の供給および乾燥を実行するので、繰り返し回数を少なくして、生産性を向上させることができる。
また本実施の形態によれば、拡散防止液は、チタンテトライソプロポキシドとアルコールとカルボン酸との混合液であるので、この拡散防止液が乾燥して形成された拡散防止膜7は、半導体ウエハ2の側面から内部への不純物の拡散を良好に防止することができる。
後述の各形態は、前述の第1形態に類似するので、共通する点は説明を省略する。
図9は、本発明の実施の第2形態である光電変換素子の製造方法を説明するために、重ねられた各半導体ウエハ2の1つの側面領域を揃えた状態を示す平面図である。本実施の形態では、拡散防止膜形成工程において、各半導体ウエハ2を重ねた後、重ねられた各半導体ウエハ2の1つの側面領域を揃え、揃えられた側面領域に拡散防止液を供給して、供給された拡散防止液を乾燥させる。これによって、揃えられた側面領域に拡散防止膜7を形成する。これを、全ての側面領域11a,11bに対して繰り返し実行する。
重ねられた各半導体ウエハ2の第1側面領域11aを揃えるには、各治具13a〜13dのうち、重ねられた各半導体ウエハ2の第1側面領域11aに対向する第1治具13aが用いられる。重ねられた各半導体ウエハ2の第1側面領域11aを、第1治具13aに押し付けることによって、重ねられた各半導体ウエハ2の第1側面領域11aを凹凸なく、揃えることができる。
このとき本実施の形態では、各半導体ウエハ2の第3側面領域11cの延在方向中央部を、所定の押圧方向30に押圧してもよく、あるいは第1治具13aを、前記所定の押圧方向30とは反対方向に押圧してもよい。前記所定の押圧方向30は、第1側面領域11aに対向する第3側面領域11cから、第1側面領域11aに向かう方向である。また重ねられた各半導体ウエハ2および各治具13a〜13dを傾斜させて、重力によって、重ねられた各半導体ウエハ2の第1側面領域11aを、第1治具13aに押し付けてもよい。この場合、各半導体ウエハ2を、第1治具13aに対して容易に押し付けることができる。
このような本実施の形態によれば、揃えられた側面領域に拡散防止液を供給するので、半導体ウエハ2の寸法誤差に拘わらず、拡散防止液を均一に供給することができ、また側面以外にも拡散防止液が供給されてしまうという不具合を防ぐことができる。
図10は、本発明の実施の第3形態である光電変換素子の製造方法を説明するために、揃えられた第1および第2側面領域11a,11bに拡散防止液を供給している状態を示す平面図である。図11は、図10の右方から見た側面図である。本実施の形態では、拡散防止膜形成工程において、揃えられた側面領域に拡散防止液を供給するにあたっては、スプレーユニット31が用いられる。
スプレーユニット31は、揃えられた側面領域の延在方向の両端間にわたって延びる。スプレーユニット31には、複数の噴射口が形成され、これらの各噴射口は、揃えられた側面領域の延在方向に隣接して並ぶ。スプレーユニット31は、揃えられた側面領域に向けて、各噴射口から拡散防止液を噴射する。
スプレーユニット31から拡散防止液を噴射するとき、スプレーユニット31は、揃えられた側面領域に沿うように走査される。具体的には、スプレーユニット31は、各半導体ウエハ2の厚み方向25に走査される。このようにスプレーユニット31が走査されるので、揃えられた側面領域に全体にわたって均一に、拡散防止液を供給することができ、塗布斑の発生を防止することができる。またスプレーユニット31の走査方向が1方向であるので、2方向である場合に比べて、拡散防止液の供給に要する時間を短縮することができる。
本実施の形態では、スプレーユニット31が2つ、用いられる。一方のスプレーユニット31は、揃えられた2つの側面領域のうち、一方の側面領域(図11では第1側面領域11a)に対向し、この一方の側面領域に拡散防止液を供給する。他方のスプレーユニット31は、揃えられた2つの側面領域のうち、他方の側面領域(図11では第2側面領域11b)に対向し、この他方の側面領域に拡散防止液を供給する。このような2つのスプレーユニット31が用いられるので、揃えられた2つの側面領域に拡散防止液を同時に供給することができ、これによって拡散防止液の供給に要する時間をさらに短縮することができる。
図12は、本発明の実施の第4形態である光電変換素子の製造方法を説明するために、重ねられた各半導体ウエハ2の第1側面領域11aに拡散防止液を供給している状態を示す斜視図である。本実施の形態では、拡散防止膜形成工程において、重ねられた各半導体ウエハ2の側面に拡散防止液を供給するにあたっては、複数のローラ41が用いられる。
各ローラ41は、水平な整列方向42に並ぶように設けられる。各ローラ41の軸線L1は、前記整列方向42に垂直であり、かつ水平である。各ローラ41の下方には、拡散防止液を貯留する貯留槽43が設けられる。各ローラ41の周面部は、それらの周方向の一部が、貯留槽43に貯留された拡散防止液に浸漬する。各ローラ41の、拡散防止液に浸漬した部分の表面には、拡散防止液が付着する。
各ローラ41は、回転駆動源によって軸線L1まわりに回転駆動される。回転駆動源によって各ローラ41が軸線L1まわりに回転駆動されることによって、各ローラ41の、拡散防止液に浸漬する部分が移動する。このように各ローラ41の、拡散防止液に浸漬する部分が移動することによって、各ローラ41の周面に全周にわたって拡散防止液が付着する。各ローラ41は、拡散防止液を保持する保持具となる。
重ねられた各半導体ウエハ2の側面に拡散防止液を供給するにあたっては、まず、重ねられた各半導体ウエハ2を、それらの第1側面領域11aを下方にして、各ローラ41に載せる。各半導体ウエハ2の厚み方向は、各ローラ41の軸線方向に平行とする。次に、回転駆動源によって各ローラ41を軸線まわりに同一方向44に回転駆動させることによって、各半導体ウエハ2を前記整列方向42に移動させる。このとき、各ローラ41の周面には、拡散防止液が付着しているので、各半導体ウエハ2の第1側面領域11aと各ローラ41との間には、拡散防止液が介在する。この拡散防止液の一部が、各半導体ウエハ2の第1側面領域11aに付着する。このようにして各半導体ウエハ2の第1側面領域11aに拡散防止液を供給する。この後、残りの第2〜第4側面領域11b〜11dにも、同様にして、拡散防止液を供給する。
このような本実施の形態によれば、各ローラ41に付着した拡散防止液の一部を各半導体ウエハ2の側面に付着させる。このようにして各半導体ウエハ2の側面に拡散防止液を供給するので、噴射による供給が困難なほどに粘性が高い拡散防止液であっても、半導体ウエハ2の側面に供給することができる。
図13は、本発明の実施の第5形態である光電変換素子の製造方法を説明するために、揃えられた第1および第2側面領域11a,11bに拡散防止液を供給している状態を示す斜視図である。本実施の形態では、拡散防止膜形成工程において、揃えられた側面領域に拡散防止液を供給するにあたっては、ローラ51が用いられる。ローラ51の周面には、拡散防止液が予め付着される。ローラ51は、拡散防止液を保持する保持具となる。
揃えられた側面領域に拡散防止液を供給するにあたっては、ローラ51の軸線L2を、各半導体ウエハ2の厚み方向に平行とする。またローラ51の周面を、このローラ51の周面に付着する拡散防止液を介して、揃えられた側面領域に接触させる。この状態で、ローラ51を、軸線L2まわりに回転駆動させながら、揃えられた側面領域の延在方向52に走査させる。ローラ51の回転方向および走査方向は、特に限定されない。
ローラ51を、軸線L2まわりに回転駆動させながら、揃えられた側面領域の延在方向52に走査させるとき、ローラ51の周面に付着する拡散防止液の一部が、揃えられた側面領域に付着する。このようにして、揃えられた側面領域に拡散防止液を供給するので、噴射による供給が困難なほどに粘性が高い拡散防止液であっても、半導体ウエハ2の側面に供給することができる。
本実施の形態では、ローラ51が2つ、用いられる。一方のローラ51は、揃えられた2つの側面領域のうち、一方の側面領域(図13では第1側面領域11a)に対向し、この一方の側面領域に拡散防止液を供給する。他方のローラ51は、揃えられた2つの側面領域のうち、他方の側面領域(図13では第2側面領域11b)に対向し、この他方の側面領域に拡散防止液を供給する。このような2つのローラ51が用いられるので、揃えられた2つの側面領域に拡散防止液を同時に供給することができ、これによって拡散防止液の供給に要する時間を短縮することができる。
図14は、本発明の実施の第6形態である光電変換素子の製造方法を説明するために、揃えられた第1および第2側面領域11a,11bのうち第1側面領域11aに拡散防止液を供給している状態を示す斜視図である。本実施の形態では、拡散防止膜形成工程において、揃えられた側面領域に拡散防止液を供給するにあたっては、拡散防止液を保持する保持具56が用いられる。
保持具56は、拡散防止液が付着されるべき付着面57を有する。保持具56の付着面57は、揃えられた側面領域を全体にわたって覆うことができるように形成される。保持具56の付着面57には、拡散防止液が予め付着される。
本実施の形態では、保持具56は、その付着面57が、拡散防止液を介して、揃えられた側面領域に接触した接触状態と、その付着面57が、揃えられた側面領域から離れて、水平になった離反状態とにわたって、角変位される。保持具56が離反状態のときに、保持具56の付着面57に拡散防止液を付着させる。保持具56が接触状態になると、保持具56の付着面57に付着している拡散防止液の一部が、揃えられた側面領域に付着する。このようにして、揃えられた側面領域に拡散防止液を供給するので、噴射による供給が困難なほどに粘性が高い拡散防止液であっても、半導体ウエハ2の側面に供給することができる。
図15は、本発明の実施の第7形態である光電変換素子の製造方法を説明するために、揃えられた第1および第2側面領域11a,11bのうち第1側面領域11aに拡散防止液を供給している状態を示す斜視図である。本実施の形態では、拡散防止膜形成工程において、揃えられた側面領域に拡散防止液を供給するにあたっては、前述の第6形態と同様の保持具56が用いられる。
本実施の形態では、保持具56は、その付着面57が、拡散防止液を介して、揃えられた側面領域に接触した接触状態と、その付着面57が、揃えられた側面領域から離れた離反状態とにわたって、平行移動される。保持具56が離反状態のときに、保持具56の付着面57に拡散防止液を付着させる。保持具56が接触状態になると、保持具56の付着面57に付着している拡散防止液の一部が、揃えられた側面領域に付着する。このようにして、揃えられた側面領域に拡散防止液を供給するので、噴射による供給が困難なほどに粘性が高い拡散防止液であっても、半導体ウエハ2の側面に供給することができる。
図16は、本発明の実施の第8形態である光電変換素子の製造方法を説明するために、揃えられた第1側面領域11aに拡散防止液を供給している状態を示す斜視図である。本実施の形態では、揃えられた側面領域に拡散防止液を供給するにあたっては、ディスペンサおよびインクジェットなどの液滴吐出装置と、ローラ62とが用いられる。
液滴吐出装置は、吐出位置精度および吐出量精度は非常に高いが、描画する線幅は細い。このように描画する線幅が細いので、液滴吐出装置だけで、揃えられた側面領域に全体にわたって拡散防止液を供給するには、時間がかかる。この点を考慮して、揃えられた側面領域に拡散防止液を供給するにあたっては、まず、液滴吐出装置によって、揃えられた側面領域の一部に拡散防止液を供給する。具体的には、各半導体ウエハ2の厚み方向に延びる線を、揃えられた側面領域の延在方向に予め定めるピッチで描画するように、拡散防止液61を供給する。
この後、供給された拡散防止液61を、ローラ62によって、揃えられた側面領域に均一に拡げる。ローラ62の軸線L3は、各半導体ウエハ2の厚み方向に平行とする。またローラ62の周面は、供給された拡散防止液61を介して、揃えられた側面領域に接触させる。この状態で、ローラ62を、軸線L3まわりに回転駆動させながら、揃えられた側面領域の延在方向63に走査させる。ローラ62の回転方向64は、ローラ62の、揃えられた側面領域に接触する部分の回転による移動方向が、ローラ62の走査方向と反対方向になるように選ばれる。
前述の実施の各形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において変更することができる。たとえば、半導体ウエハ2の材料に関しては、特に限定はなく、p型半導体であればよい。半導体ウエハ2の材料として、シリコン材料は、コスト面から見て有利であるが、これに限定されない。また結晶構造についても、特に限定されず、単結晶、多結晶およびアモルファスのいずれであってもよい。また半導体ウエハ2は、半導体インゴットを切断して生成されるとは限らない。
また半導体ウエハ2の厚み寸法は、200〜300μmに限定されない。近年のシリコン材料の不足による価格高騰あるいは供給不足を考慮すると、半導体ウエハ2をできるだけ薄くすることが望まれるが、あまりに薄くすると、半導体ウエハ2が割れやすくなり、歩留まりを低下させる要因になり、好ましくない。これらの点を考慮して、半導体ウエハ2の厚み寸法を選べばよい。
さらに半導体ウエハ2の厚み方向から見た形状は、正方形に限らず、他の四角形であってもよい。また半導体ウエハ2の厚み方向から見た形状は、四角形以外の多角形、たとえば三角形であってもよく、あるいは円形であってもよい。
さらに加工変質層除去工程では、エッチャントとしてフッ硝酸を用いて、低温エッチング処理によって、半導体インゴットが切断されて生成された半導体ウエハ2の加工変質層6を除去してもよい。この場合、半導体ウエハ2の表面部に、微細な凹凸であるテクスチャ構造を形成することができる。半導体ウエハ2の厚み方向一方側の表面部に形成されたテクスチャ構造は、前記厚み方向一方側の表面での光の反射を防止するので、変換効率の向上を図ることができる。
前記第5の従来技術では、半導体インゴットの表面に全体にわたって酸化膜を形成し、酸化膜が形成された半導体インゴットをスライスして、半導体ウエハを生成する。この半導体ウエハの側面には、酸化膜が形成されており、この酸化膜が拡散防止膜となる。このような第5の従来技術では、エッチャントとしてフッ硝酸を用いて加工変質層6を除去する場合、拡散防止膜が確実に除去されてしまう。これに対して、本実施の形態では、加工変質層6を除去した後に拡散防止膜7が形成されるので、拡散防止膜7が不所望に除去されてしまうという不具合がない。
さらに拡散防止液は、チタンの酸化物、炭化物および窒化物、ならびにシリコンの酸化物、炭化物および窒化物の少なくともいずれか1つを含有する溶液であってもよい。具体的には、拡散防止液は、酸化シリコン(SiO)を含有する溶液であってもよく、あるいは窒化シリコン(SiN)を含有する溶液であってもよい。また拡散防止液は、酸化チタンを含有する溶液であってもよい。この場合、拡散防止液が乾燥して形成された拡散防止膜7は、半導体ウエハ2の側面から内部への不純物の拡散を良好に防止することができる。
さらに拡散工程では、半導体ウエハ2の厚み方向一方側の表面に不純物膜8を形成することなく、気相拡散のみによって、半導体ウエハ2の厚み方向一方側の表面に不純物を拡散させてもよい。
本発明の実施の第1形態である光電変換素子の製造方法を説明するために、光電変換素子の製造工程における各段階の生成物を簡略化して示す断面図である。 光電変換素子の製造手順を説明するためのフローチャートである。 重ねられた各半導体ウエハ2の第1および第2側面領域11a,11bを揃えた状態を示す平面図である。 図3の右方から見た側面図である。 揃えられた第1および第2側面領域11a,11bに拡散防止液を供給している状態を示す平面図である。 図5の右方から見た側面図である。 不純物膜8が形成された半導体ウエハ2の断面図である。 不純物膜8が除去された半導体ウエハ2の断面図である。 本発明の実施の第2形態である光電変換素子の製造方法を説明するために、重ねられた各半導体ウエハ2の1つの側面領域を揃えた状態を示す平面図である。 本発明の実施の第3形態である光電変換素子の製造方法を説明するために、揃えられた第1および第2側面領域11a,11bに拡散防止液を供給している状態を示す平面図である。 図10の右方から見た側面図である。 本発明の実施の第4形態である光電変換素子の製造方法を説明するために、重ねられた各半導体ウエハ2の第1側面領域11aに拡散防止液を供給している状態を示す斜視図である。 本発明の実施の第5形態である光電変換素子の製造方法を説明するために、揃えられた第1および第2側面領域11a,11bに拡散防止液を供給している状態を示す斜視図である。 本発明の実施の第6形態である光電変換素子の製造方法を説明するために、揃えられた第1および第2側面領域11a,11bのうち第1側面領域11aに拡散防止液を供給している状態を示す斜視図である。 本発明の実施の第7形態である光電変換素子の製造方法を説明するために、揃えられた第1および第2側面領域11a,11bのうち第1側面領域11aに拡散防止液を供給している状態を示す斜視図である。 本発明の実施の第8形態である光電変換素子の製造方法を説明するために、揃えられた第1側面領域11aに拡散防止液を供給している状態を示す斜視図である。
符号の説明
1 光電変換素子
2 半導体ウエハ
3 pn接合
4,5 電極
6 加工変質層
7 拡散防止膜
8 不純物膜
9 n

Claims (12)

  1. 半導体不純物の拡散を防止する拡散防止膜を、半導体ウエハの側面にのみ、その側面の全周にわたって形成する拡散防止膜形成工程と、
    前記拡散防止膜が形成された半導体ウエハの厚み方向一方側の表面部に半導体不純物を拡散させる拡散工程と、
    前記半導体不純物が拡散された半導体ウエハの厚み方向両側の表面に電極をそれぞれ形成する電極形成工程とを含むことを特徴とする光電変換素子の製造方法。
  2. 前記拡散防止膜形成工程では、同一の形状を有しかつ同一の寸法を有する複数の半導体ウエハを、それらの側面が面一になるように重ねた状態で、拡散防止膜を形成することを特徴とする請求項1記載の光電変換素子の製造方法。
  3. 前記拡散防止膜形成工程では、拡散防止膜を形成するにあたって、拡散防止膜の材料を含有する拡散防止液を、各半導体ウエハの側面に供給して、供給された拡散防止液を乾燥させることを特徴とする請求項2記載の光電変換素子の製造方法。
  4. 前記拡散防止膜形成工程では、拡散防止液を各半導体ウエハの側面に供給するにあたって、拡散防止液を各半導体ウエハの側面に向けて噴射することを特徴とする請求項3記載の光電変換素子の製造方法。
  5. 前記拡散防止膜形成工程では、拡散防止液を各半導体ウエハの側面に供給するにあたって、拡散防止液を保持する保持具を、この保持具に保持される拡散防止液を介して各半導体ウエハの側面に接触させることを特徴とする請求項3記載の光電変換素子の製造方法。
  6. 前記拡散防止膜形成工程では、前記複数の半導体ウエハが重ねられて構成される構成体における重ね方向両側の表面を全体にわたってカバー体によってそれぞれ覆った状態で、拡散防止液を各半導体ウエハの側面に供給することを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法。
  7. 半導体ウエハの厚み方向から見た形状が多角形であり、半導体ウエハの側面が複数の側面領域から成る場合、
    前記拡散防止膜形成工程では、重ねられた各半導体ウエハの1つの側面領域を揃えて、揃えられた側面領域に拡散防止液を供給して、供給された拡散防止液を乾燥させることを、全ての側面領域に対して繰り返し実行することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法。
  8. 半導体ウエハの厚み方向から見た形状が多角形であり、半導体ウエハの側面が複数の側面領域から成る場合、
    前記拡散防止膜形成工程では、重ねられた各半導体ウエハの2つの側面領域を揃えて、揃えられた各側面領域に拡散防止液を供給して、供給された拡散防止液を乾燥させることを、全ての側面領域に対して繰り返し実行することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法。
  9. 半導体ウエハの厚み方向から見た形状が円形である場合、
    前記拡散防止膜形成工程では、重ねられた各半導体ウエハの側面の一部を揃えて、揃えられた側面の一部に拡散防止液を供給して、供給された拡散防止液を乾燥させることを、側面全体に対して繰り返し実行することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法。
  10. 前記拡散防止膜形成工程では、前記複数の半導体ウエハを加熱して、加熱された各半導体ウエハの側面に拡散防止液を供給することを特徴とする請求項3〜9のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法。
  11. 前記拡散防止液は、チタンテトライソプロポキシドとアルコールとカルボン酸との混合液であることを特徴とする請求項3〜10のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法。
  12. 前記拡散防止液は、チタンの酸化物、炭化物および窒化物、ならびにシリコンの酸化物、炭化物および窒化物の少なくともいずれか1つを含有する溶液であることを特徴とする請求項3〜10のいずれか1つに記載の光電変換素子の製造方法。
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