JP2007103707A - 半導体ウェハの研磨装置および研磨方法 - Google Patents

半導体ウェハの研磨装置および研磨方法 Download PDF

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良也 寺川
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Hiroyuki Tokunaga
裕之 徳永
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Abstract

【課題】半導体ウェハの裏面品質を維持しながら高平坦度加工することができる半導体ウェハの研磨装置を提供すること。
【解決手段】半導体ウェハWを水の表面張力により保持するチャック426に、ナップの気孔のサイズが10μm以下で変形10%時の圧縮応力が300kPa以下のバッキングパッド427を設けている。このため、ナップの気孔のサイズが10μm以下のバッキングパッド427を適用しているので、加工圧が付与されたとしても、含浸された水の染み出しを抑えることができ、半導体ウェハWに加わる圧力分布が略一定となり、取り代分布を略均一にすることができる。また、変形10%時の圧縮応力が300kPa以下のバッキングパッド427を適用しているので、貼り付けむらの転写が低減されて取り代分布を良好にできる。
【選択図】図4

Description

本発明は、半導体ウェハを研磨する半導体ウェハの研磨装置および研磨方法に関する。
従来、特に半導体ウェハを対象とした研磨工程においては、裏面品質を維持するために、チャック材質をソフト化する必要がある。
しかし、バッキングパッドの物性むらや貼り付け時のしわなどを原因とする形状不具合や含水量の分布により、取り代分布が発生し、平坦度が悪化するという問題点があった。
そして、このような問題点を解決するための研磨装置や研磨方法が知られている(例えば、特許文献1ないし特許文献5参照)。
特許文献1に記載のものは、ウェハ加圧プレートの管路へ接続し、この管路へ空気を供給することができる低圧空気圧設定ユニットと、管路内の空気圧があらかじめ設定した設定圧となるように、低圧空気圧設定ユニットを制御することができる低圧計測制御装置と、を有する管路圧制御装置を設けている。
そして、弾性膜に純水を含浸させた後に、低圧空気圧設定ユニットおよび低圧計測制御装置により、管路内の空気圧が常に設定圧になるように空気圧制御を行いながら、研磨液供給機構からポリシ定盤上へ研磨液を滴下し、ウェハとポリシ定盤とを相対摺動させて、ウェハを鏡面研磨する構成が採られている。
特許文献2に記載のものは、トップリングの背面(上面)とトッププレートの下面との間に、ウェハと同心の円形の空洞部が形成されている。また、空洞部内に流体(純水あるいは高圧空気)を供給する昇圧経路、および、空洞部から上記流体を排出する降圧経路が形成されている。
そして、研磨布にウェハの表面を接触させた後、昇圧経路、空洞部、トップリングおよびバッキングパッドの貫通孔の中を純水で満たす。この後、高圧空気供給装置および気体用レギュレータを介して空洞部内の純水に作用する圧力を、次工程における研磨ヘッドによる押し付け力をウェハの単位面積あたりの値に換算した力と等しい値となるように制御する構成が採られている。
特許文献3に記載のものは、盤状部材を構成する上盤部と下盤部の間に流体室を設けている。また、下盤部に、ウェハの前面に対応して均一に位置するように多数の噴出口を設けている。
そして、流体室へ所定圧力の流体を供給することで、噴出口から所定の圧力の流体を噴出させる。この噴出した流体は、バッキング材とウェハの間を通り、ウェハの外周側面とテンプレートの内周面側との間を通過し、研磨布内を通って排出される。この噴出する流体の圧力により、ウェハの全面を研磨面へ均等に押圧する構成が採られている。
特許文献4に記載のものは、インサートの外周縁の近傍に、周方向に等間隔をおいて8個の圧力調整孔を設けている。
そして、研磨布種類の違い(積層構造、圧縮率などの相違)によってウェハ外周縁の研磨形状に違いが生じるため、研磨布に応じて圧力調整孔に異なる空気圧を供給することによって外周縁近傍の圧力分布を調整する構成が採られている。具体的には、硬質単層研磨布を使用した場合に、外周縁近傍が過少研磨となるため若干高い空気圧を圧力調整孔に供給し、二層構造(表面硬質、下面軟質)研磨布を使用した場合に、外周縁近傍が過研磨となるため低圧あるいは負圧の空気圧を圧力調整孔に供給する構成が採られている。
特許文献5に記載のものは、基板がポリウレタンの研磨布に触れるとほぼ同時に真空吸着を解除し、純水を供給して基板と石英ヘッドとの間に流動液膜を形成する。そして、基板を、この流動液膜の表面張力によりヘッドに保持させる構成が採られている。
特許第2527232号公報(第2頁右欄−第3頁右欄) 特開2000−153448号公報(第3頁右欄−第4頁左欄) 特許第3279875号公報(第4頁左欄−第5頁右欄) 特許第3257304号公報(3頁右欄−第5頁右欄) 特許第2933488号公報(第3頁右欄−第4頁右欄)
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載のような構成では、空気圧の調整によりバッキングパッドの含水率を一定に保つため、バッキングパッドから水が染み出るおそれがある。そして、この染み出た水を例えば吸着孔からの水の供給で補う場合、吸着孔からバッキングパッド外周部までの水の流れを発生させることとなり、この水の流れに対応する圧力分布により、取り代分布が発生するおそれがあるという問題点がある。
また、特許文献3に記載のような構成では、流体を噴出させることで発生する圧力分布により、取り代分布が発生するおそれがあるという問題点がある。
さらに、特許文献4に記載のような構成では、バッキングパッドの厚みむら、貼りじわなどの面内の形状劣化に対しては、十分な効果を発揮できないおそれがあるという問題点がある。さらに、外周縁の研磨形状もバッキングパッドと研磨用クロスの組み合わせによっては、過研磨、過少研磨という単一のモードの形状劣化でなくなり、複合的な状態に対応しきれないおそれがあるという問題点がある。
また、特許文献5に記載のような構成では、硬い材質のヘッドを用いてウェハを保持するため、ウェハ裏面の品質を維持することが困難であるおそれがあるという問題点がある。そして、ウェハを保持するために液体を流すことで発生するウェハとヘッドとの間の圧力分布により、取り代分布が発生するおそれがあるという問題点がある。
本発明の目的は、半導体ウェハの裏面品質を維持しながら高平坦度加工を可能にする半導体ウェハの研磨装置および研磨方法を提供することにある。
本発明の半導体ウェハの研磨装置は、半導体ウェハとの間に水を供給して前記半導体ウェハを水の表面張力により保持するチャック、および、このチャックの周囲を囲む状態で設けられ前記半導体ウェハの外径寸法よりも大きい内径寸法を有するリテーナを備えた半導体ウェハの研磨装置であって、前記チャックにおける前記半導体ウェハを保持する保持面に設けられ、微細な気孔を有するナップの前記気孔のサイズが10μm以下で変形10%時の圧縮応力が300kPa以下のバッキングパッドを備えていることを特徴とする。
このような発明によれば、半導体ウェハを水の表面張力により保持するチャックの保持面に、ナップの気孔のサイズが10μm以下で変形10%時の圧縮応力が300kPa以下のバッキングパッドを設けている。
このため、ナップの気孔のサイズが10μm以下のバッキングパッドを適用しているので、研磨面に近接する方向への圧力(以下、加工圧と称す)が付与されたとしても、含浸された水の染み出しを抑えることが可能となる。したがって、半導体ウェハに加わる圧力分布が略一定となり、取り代分布を略均一にすることが可能となる。
そして、変形10%時の圧縮応力が300kPa以下のバッキングパッドを適用しているので、圧縮応力が300kPaよりも大きいものを適用する構成と比べて、貼り付けむらの転写が低減され、半導体ウェハの取り代分布が良好となる。
また、水の表面張力で保持するので、半導体ウェハとチャックとの直接的な接触が抑えられ、バッキングパッドの厚みむら貼り付けじわが生じた場合であっても、あるいは、バッキングパッドと研磨布との組み合わせがいずれの場合であっても、バッキングパッドの形状分布の半導体ウェハへの転写が抑えられ、取り代分布を略均一にすることが可能となる。
さらに、研磨布からの摩擦力で半導体ウェハがリテーナ内でバッキングパッド上をずれながら回転する。このため、バッキングパッドの形状むらの転写がより平均化され、取り代分布を略均一にすることが可能となる。
そして、変形する材質のバッキングパッドを適用しているため、半導体ウェハの裏面品質が維持される。
よって、半導体ウェハの裏面品質を維持しながら高平坦度加工が可能となる。
そして、本発明では、前記チャックは、前記保持面に開口形成された孔部を備え、前記孔部を真空状態にして前記半導体ウェハを前記保持面に吸引する真空吸引部と、前記孔部に水圧を付与する水圧付与部と、を備えていることが好ましい。
このような発明によれば、チャックの保持面に開口形成された孔部と、この孔部を真空状態にして半導体ウェハを保持面に吸引する真空吸引部と、孔部に水圧を付与する水圧付与部と、を設けているので、孔部を介して半導体ウェハの保持およびバッキングパッドへの水圧の付与が可能となり、チャックの構成の簡略化を図れる。
本発明の半導体ウェハの研磨方法は、半導体ウェハとの間に水を供給して前記半導体ウェハを水の表面張力により保持するチャック、および、このチャックの周囲を囲む状態で設けられ前記半導体ウェハの外径寸法よりも大きい内径寸法を有するリテーナを備えた半導体ウェハの研磨装置を用いた半導体ウェハの研磨方法であって、前記半導体ウェハの研磨装置に、前記チャックにおける前記半導体ウェハを保持する保持面に設けられ微細な気孔を有するナップの前記気孔のサイズが10μm以下で変形10%時の圧縮応力が300kPa以下のバッキングパッドと、前記チャックの保持面に開口形成された孔部と、この孔部を真空状態にして前記半導体ウェハを前記保持面に吸引する真空吸引部と、前記孔部に水圧を付与する水圧付与部と、を設け、前記真空吸引部により前記半導体ウェハを前記保持面に吸引する真空吸引工程と、前記チャックを移動させて前記半導体ウェハを研磨面に接触させる搬送工程と、前記チャックに前記研磨面に近接する方向への圧力を付与することなく前記水圧付与部により前記孔部に水圧を付与する水圧付与工程と、前記半導体ウェハを前記研磨面上で、前記研磨面に近接する方向への圧力を付与するとともに前記近接する方向への圧力とほぼ等しい水圧を付与しながら回転させて研磨する回転研磨工程と、を備えていることを特徴とする。
このような発明によれば、半導体ウェハの研磨装置に、チャックにおける半導体ウェハを保持する保持面に設けられ微細な気孔を有するナップの気孔のサイズが10μm以下で変形10%時の圧縮応力が300kPa以下のバッキングパッドと、チャックの保持面に開口形成された孔部と、この孔部を真空状態にして半導体ウェハを保持面に吸引する真空吸引部と、孔部に水圧を付与する水圧付与部と、を設けている。そして、半導体ウェハをチャックの保持面に吸引した状態で移動させて研磨面に接触させ、チャックに加工圧を付与することなく孔部に水圧(以下、バックプレス圧と称す)を付与してバッキングパッドに水を含浸させ、さらに加工圧と、この加工圧にほぼ等しいバックプレス圧を付与して研磨面上で回転させて研磨する。
このため、上述したように、半導体ウェハの裏面品質を維持しながら高平坦度加工を実施可能な研磨方法を提供可能となる。
また、加工圧を付与することなく孔部にバックプレス圧を付与するので、低いバックプレス圧で効率よく水をバッキングパッドに含浸させることが可能となる。
また、本発明では、前記回転研磨工程は、前記半導体ウェハの外周および前記リテーナの内周の周長差で前記半導体ウェハが前記リテーナ内で少なくとも1回転する状態で研磨することが好ましい。
このような発明によれば、半導体ウェハの外周およびリテーナの内周の周長差で半導体ウェハがリテーナ内で少なくとも1回転する状態で研磨するので、バッキングパッドの形状分布の半導体ウェハへの転写がより抑えられ、より高平坦度の加工が可能となる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
〔半導体ウェハの研磨装置の構成〕
図1は、本発明に係る半導体ウェハの研磨装置の概略構成を示す上面図である。図2は、研磨装置の要部の概略構成を示す上面図である。図3は、研磨装置の要部の概略構成を示す一部を切り欠いた側面図である。図4は、研磨ヘッド部の概略構成を示す断面図である。
この研磨装置100は、スラリーを用いて直径寸法が200mmの半導体ウェハWの表面を複数段階的に研磨する枚葉式の装置である。具体的には、研磨装置100は、半導体ウェハWの粗研磨処理、この粗研磨処理よりも細かい粗さで研磨する第1仕上げ研磨処理および第2仕上げ研磨処理を実施する装置である。なお、直径寸法が200mm以外の半導体ウェハWを対象とした研磨装置100としてもよい。
この研磨装置100は、図1に示すように、筐体200と、研磨処理部300と、ウェハ保持回転部400と、を備える。
筐体200は、略四角箱状に形成されている。この筐体200の上面部201における略中央には、図示しない支持体スピンドル孔が開口形成されている。また、上面部201における支持体スピンドル孔と、筐体200の右面部202、後面部203、および、左面部204と、のそれぞれの間には、それぞれ図示しない、粗研磨定盤スピンドル孔、第1仕上げ研磨定盤スピンドル孔、第2仕上げ研磨定盤スピンドル孔が開口形成されている。
研磨処理部300は、後述する研磨ヘッド部420の洗浄処理や、半導体ウェハWの研磨処理やリンス処理などを適宜実施する。この研磨処理部300は、ウェハ着脱チャック洗浄部310と、粗研磨部320と、第1仕上げ研磨部330と、第2仕上げ研磨部340と、を備える。なお、粗研磨部320、第1仕上げ研磨部330、および、第2仕上げ研磨部340は、同様の構成を有しているため、粗研磨部320について詳細に説明し、第1,2仕上げ研磨部330,340については説明を簡略化する。
ウェハ着脱チャック洗浄部310は、筐体200の上面部201における前面部205近傍に設けられている。このウェハ着脱チャック洗浄部310には、半導体ウェハWが適宜載置される。そして、この半導体ウェハWは、ウェハ保持回転部400に保持されて粗研磨部320などで研磨される。
また、ウェハ着脱チャック洗浄部310には、研磨された半導体ウェハWがウェハ保持回転部400により載置される。そして、この半導体ウェハWは、外部に適宜搬送される。
さらに、ウェハ着脱チャック洗浄部310は、このウェハ着脱チャック洗浄部310の上方に位置する後述する研磨ヘッド部420の洗浄処理を適宜実施する。
粗研磨部320は、筐体200における右面部202近傍に設けられている。この粗研磨部320は、図2および図3に示すように、研磨スピンドル321と、研磨定盤322と、研磨布323と、図示しない、粗研磨回転駆動部と、粗研磨スラリー供給部と、リンス液供給部と、を備える。
研磨スピンドル321は、略棒状に形成されたスピンドル基部321Aと、このスピンドル基部321Aの一端に設けられた略円板状のスピンドル先端部321Bと、を備える。
スピンドル基部321Aは、軸方向が筐体200の上下方向と略一致した状態で、軸を中心に回転可能に設けられている。
スピンドル先端部321Bは、上面部201の粗研磨定盤スピンドル孔よりも小さい直径寸法を有している。このスピンドル先端部321Bは、上面が粗研磨定盤スピンドル孔を介して上面部201よりも上方に位置する状態に設けられている。
研磨定盤322は、スピンドル先端部321Bよりも大きい直径寸法を有する略円板状に形成されている。この研磨定盤322は、スピンドル先端部321Bの上面に、互いの中心が略一致する状態で設けられている。
研磨布323は、研磨定盤322と略等しい外径寸法を有する略円板状に形成されている。そして、研磨布323は、研磨定盤322の上面に、互いの中心が略一致する状態で設けられている。
粗研磨回転駆動部は、例えば研磨スピンドル321の他端側に設けられ、研磨スピンドル321を適宜回転させる。
粗研磨スラリー供給部は、研磨布323の研磨面323Aに、粗研磨用のスラリーを適宜供給する。
リンス液供給部は、研磨面323Aに、半導体ウェハWの被研磨面をリンスするためのリンス液を適宜供給する
第1仕上げ研磨部330は、筐体200における後面部203近傍に設けられている。この第1仕上げ研磨部330は、研磨スピンドル321と、研磨定盤322と、研磨布323と、図示しない、第1仕上げ研磨回転駆動部と、第1仕上げ研磨スラリー供給部と、リンス液供給部と、を備える。
第1仕上げ研磨スラリー供給部は、研磨布323の研磨面323Aに、第1仕上げ研磨用のスラリーを適宜供給する。
第2仕上げ研磨部340は、筐体200における左面部204近傍に設けられている。この第2仕上げ研磨部340は、研磨スピンドル321と、研磨定盤322と、研磨布323と、図示しない、第2仕上げ研磨回転駆動部と、第2仕上げ研磨スラリー供給部と、リンス液供給部と、を備える。
第2仕上げ研磨スラリー供給部は、研磨布323の研磨面323Aに、第2仕上げ研磨用のスラリーを適宜供給する。
ウェハ保持回転部400は、半導体ウェハWを保持して回転させるとともに、ウェハ着脱チャック洗浄部310、粗研磨部320、第1仕上げ研磨部330、第2仕上げ研磨部340に順次搬送する。そして、ウェハ保持回転部400は、ヘッド支持部410と、8個の研磨ヘッド部420と、真空吸引部430(図4参照)と、水圧付与部としての水供給部440(図4参照)と、図示しないエアバッグ制御部と、を備える。
ヘッド支持部410は、支持体スピンドル411と、支持体基部412と、4個の支持体先端部413と、図示しない支持部駆動部と、を備える。
支持体スピンドル411は、略筒状に形成され、筐体200の支持体スピンドル孔に軸を中心に回転可能にかつ軸方向に移動可能に挿通されている。この支持体スピンドル411は、一端側が筐体200内に位置し、他端側が上面部201の上方に位置する状態に設けられている。
支持体基部412は、上面視略十字の薄箱状に形成され、支持体スピンドル411の他端に互いの中心が略一致する状態で設けられている。
支持体先端部413は、略長方形薄箱状に形成され、短手方向の一側面略中央が支持体基部412の突出先端に接続されている。また、各支持体先端部413は、ウェハ着脱チャック洗浄部310、粗研磨部320、第1仕上げ研磨部330、および、第2仕上げ研磨部340の上方に位置可能な状態で設けられている。
そして、支持体スピンドル411、支持体基部412、および、支持体先端部413は、中空部が互いに連通する状態で設けられている。
また、ヘッド支持部410の上方には、例えば下面が開口された略四角薄箱状に形成されたカバー414が設けられている。
支持部駆動部は、例えば支持体スピンドル411の一端側に設けられ、支持体スピンドル411を適宜回転させたり、上下方向に適宜移動させたりする。
研磨ヘッド部420は、図2および図3に示すように、支持体先端部413の下面における長手方向両端側において回転可能に設けられている。この研磨ヘッド部420は、図4に示すように、ヘッド上部421と、リテーナ保持部422と、リテーナ423と、リテーナ加圧部424と、チャック加圧部425と、チャック426と、バッキングパッド427と、ヘッド管部428と、図示しないヘッド回転駆動部と、を備える。
ヘッド上部421は、略円板状に形成されたヘッド上部基部421Aを備える。
ヘッド上部基部421Aの上面略中央には、上方に向けて突出する状態に設けられた略円柱状のヘッドスピンドル421Bが設けられている。
このヘッドスピンドル421Bは、図3に示すように、上端側が支持体先端部413の内部に位置する状態に設けられている。
また、ヘッド上部基部421Aの下面周縁には、下方に向けて略円筒状に突出するヘッド下突出部421Cが設けられている。
このヘッド下突出部421Cの外周面上方には、周方向に沿って、高さ寸法が後述するリテーナエアバッグダイヤフラム421Dの厚さ寸法よりも大きい略リング状に切り欠き形成された切欠部421C1が設けられている。この切欠部421C1には、略リング薄板状のリテーナエアバッグダイヤフラム421Dの内縁近傍が載置されている。そして、ヘッド下突出部421Cには、リテーナエアバッグダイヤフラム421Dの上面に当接し、かつ、切欠部421C1に嵌合する状態で、略リング板状のダイヤフラム押さえ部材421Eが図示しないボルトにより固定されている。
さらに、ヘッド上部421には、ヘッド上部基部421Aの下面略中央からヘッドスピンドル421Bの上面略中央にかけて、ヘッド管部428の後述する第1管部428Aが挿通される管部挿通孔421Fが設けられている。この管部挿通孔421Fには、後述するリテーナ加圧エアバッグ室424Aの気密性を損なわないように図示しないコネクタが設けられている。
リテーナ保持部422は、ヘッド上部基部421Aよりも大きい直径の略円板状に形成されたリテーナ保持部基部422Aを備える。
このリテーナ保持部基部422Aの略中央には、リテーナ加圧エアバッグ室424Aおよび後述するチャック加圧エアバッグ室425Aの気密性を損なわない第1管部428が挿通される管部挿通孔422A1が設けられている。また、リテーナ保持部基部422Aの上面には、略円筒状の第1リテーナ上突出部422Bと、この第1リテーナ上突出部422Bの外径寸法よりも大きい内径寸法を有する略円筒状の第2リテーナ上突出部422Cと、がリテーナ保持部基部422Aと同心状に設けられている。
第1リテーナ上突出部422Bは、ヘッド下突出部421Cの内径寸法よりも小さい外径寸法、および、ヘッド下突出部421Cと略等しい高さ寸法を有している。
第2リテーナ上突出部422Cは、ヘッド下突出部421Cの外径寸法よりも大きい内径寸法、および、第1リテーナ上突出部422Bよりも大きい高さ寸法を有している。この第2リテーナ上突出部422Cの内周面上方には、周方向に沿って、高さ寸法がリテーナエアバッグダイヤフラム421Dの厚さ寸法と略等しい略リング状に切り欠き形成された切欠部422C1が設けられている。この切欠部422C1には、リテーナエアバッグダイヤフラム421Dの外縁近傍が載置されている。そして、第2リテーナ上突出部422Cには、この第2リテーナ上突出部422Cの上面およびリテーナエアバッグダイヤフラム421Dの上面に当接する状態で、略リング板状のダイヤフラム押さえ部材422Dが図示しないボルトにより固定されている。
また、リテーナ保持部基部422Aの下面には、略円筒状の第1リテーナ下突出部422Eと、この第1リテーナ下突出部422Eの外径寸法よりも大きい内径寸法を有する略円筒状の第2リテーナ下突出部422Fと、がリテーナ保持部基部422Aと同心状に設けられている。
第1リテーナ下突出部422Eは、第1リテーナ上突出部422Bの外径寸法よりも大きい内径寸法、および、第2リテーナ上突出部422Cの内径寸法と略等しい外径寸法を有している。この第1リテーナ下突出部422Eの内周面上方には、周方向に沿って、高さ寸法が後述するチャックエアバッグ支持部422Gの厚さ寸法と略等しい略リング状に切り欠き形成された切欠部422E1が設けられている。この切欠部422E1には、略薄円板状のチャックエアバッグ支持部422Gの外縁近傍の上面が当接されている。そして、第1リテーナ下突出部422Eには、この第1リテーナ下突出部422Eの下面およびチャックエアバッグ支持部422Gの下面に当接する状態で、略リング板状の支持部押さえ部材422Hが図示しないボルトにより固定されている。
ここで、チャックエアバッグ支持部422Gの略中央には、第1管部428Aが挿通される管部挿通孔422G1が設けられている。そして、チャックエアバッグ支持部422Gは、略薄円板状の板ばね422G2と、この板ばね422G2と略等しい形状のチャックエアバッグダイヤフラム422G3と、を備える。板ばね422G2は、チャックエアバッグダイヤフラム422G3を介して、チャック426を支持する。この板ばね422G2の外縁近傍および中心近傍には、径方向に沿って所定間隔で開口形成された図示しない抜き孔が設けられている。チャックエアバッグダイヤフラム422G3は、板ばね422G2に重ねられた状態で設けられている。そして、チャックエアバッグ支持部422Gは、チャックエアバッグダイヤフラム422G3がチャック426側に位置する状態で、第1リテーナ下突出部422Eに設けられている。
第2リテーナ下突出部422Fは、リテーナ保持部基部422Aの直径寸法と等しい外径寸法を有している。この第2リテーナ下突出部422Fの内周面下方には、内側に向けて鍔状に突出する鍔部422Iが設けられている。鍔部422Iは、先端が描く円の直径寸法が、第1リテーナ下突出部422Eの内径寸法よりも小さく、かつ、半導体ウェハWの直径寸法よりも大きい形状を有している。
リテーナ423は、鍔部422Iの先端が描く円の直径寸法と略等しい内径寸法、および、第2リテーナ下突出部422Fの外径寸法よりも小さい外径寸法を有する略リング板状に形成されている。このリテーナ423は、第2リテーナ下突出部422Fおよび鍔部422Iの下面から下方に突出する状態に、かつ、第2リテーナ下突出部422Fと同心状に設けられている。
リテーナ加圧部424は、ヘッド上部基部421A、ヘッド下突出部421C、リテーナエアバッグダイヤフラム421D、リテーナ保持部基部422A、および、第2リテーナ上突出部422Bで区画形成されるリテーナ加圧エアバッグ室424Aを備える。このリテーナ加圧エアバッグ室424Aは、ヘッド管部428の後述するロータリージョイント428Cに接続された図示しないリテーナエアバッグ圧力制御用エア配管を介して、エアバッグ制御部に接続されている。また、リテーナ加圧エアバッグ室424Aには、ヘッド上部421およびリテーナ保持部422の上下方向の移動量を規制する図示しない上下移動規制機構と、径方向の回転を防ぐ図示しない回り止め機構と、が設けられている。
チャック加圧部425は、リテーナ保持部基部422A、第1リテーナ下突出部422E、および、チャックエアバッグ支持部422Gで区画形成されるチャック加圧エアバッグ室425Aを備える。このチャック加圧エアバッグ室425Aは、ロータリージョイント428Cに接続された図示しないチャックエアバッグ圧力制御用エア配管を介して、エアバッグ制御部に接続されている。
チャック426は、半導体ウェハWと略等しい直径寸法を有する略円板状に形成され、チャックエアバッグ支持部422Gの下面に同心状に設けられている。このチャック426には、保持面426Aおよび非保持面426Bを連通する状態でチャック孔部426Cが開口形成されている。
このチャック孔部426Cは、断面視略直線状を有し保持面426Aおよび非保持面426Bの略中央を連通する第1チャック孔部426C1と、断面視略L字状を有し第1チャック孔部426C1の上端近傍および保持面426Aにおける外縁近傍を連通する複数の第2チャック孔部426C2と、を備える。各第2チャック孔部426C2は、例えばチャック426の円周方向に略等間隔で設けられている。
バッキングパッド427は、多孔質樹脂材によりチャック426と略等しい直径寸法を有する略円板状に形成され、チャック426の下面に同心状に設けられている。
このバッキングパッド427は、ナップの気孔のサイズが10μm以下で、変形10%時の圧縮応力が300kPa以下の特性を有している。
また、バッキングパッド427には、チャック426の保持面426Aにおけるチャック孔部426Cに対応する位置に、表面および裏面を連通する状態でパッド孔部427Aが開口形成されている。
ヘッド管部428は、略細管状の第1管部428Aと、一端側が2つに分岐した略細管状の第2管部428Bと、第1管部428Aおよび第2管部428Bを回転可能に接続するロータリージョイント428Cと、を備えている。第1管部428Aは、他端側が管部挿通孔421F,422A1,422G1に挿通されている。そして、第1管部428Aは、一端がロータリージョイント428Cを介して第2管部428Bの他端に、他端がチャック426のチャック孔部426Cの上端に、それぞれ接続されている。第2管部428Bは、2つに分岐しているそれぞれの一端が真空吸引部430および水供給部440に接続されている。
ヘッド回転駆動部は、例えばヘッドスピンドル421Bの上端側に設けられ、研磨ヘッド部420を適宜回転させる。
真空吸引部430は、上述したように、ヘッド管部428を介してチャック426のチャック孔部426Cに接続されている。この真空吸引部430は、チャック孔部426Cを真空状態にして、チャック426の保持面426Aに半導体ウェハWを適宜吸引させる。
水供給部440は、上述したように、ヘッド管部428を介してチャック426のチャック孔部426Cに接続されている。この水供給部440は、チャック孔部426Cに所定の水圧(以下、バックプレス圧と称す)で水を供給する。
エアバッグ制御部は、リテーナ加圧エアバッグ室424Aおよびチャック加圧エアバッグ室425Aの内部圧力を独立的に制御する。
具体的には、エアバッグ制御部は、リテーナ加圧エアバッグ室424Aの内部圧力を制御して、リテーナ保持部422を押圧することにより、リテーナ423に下方への所定の圧力(以下、リテーナ圧と称す)を付与する。また、エアバッグ制御部は、チャック加圧エアバッグ室425Aの内部圧力を制御して、チャックエアバッグ支持部422Gを押圧することにより、チャック426に下方への所定の圧力(以下、加工圧と称す)を付与する。
〔半導体ウェハの研磨装置の動作〕
次に、上述した研磨装置100の動作として、半導体ウェハWの研磨処理を説明する。
まず、研磨装置100は、研磨ヘッド部420がウェハ着脱チャック洗浄部310の上方に位置する状態でヘッド支持部410を下降させ、バッキングパッド427を半導体ウェハWの裏面に接触させる。さらに、真空吸引部430は、半導体ウェハWをチャック426の保持面426Aに吸引する真空吸引工程を実施する。
具体的には、真空吸引部430は、チャック孔部426Cを真空状態にして、保持面426Aでバッキングパッド427を介して半導体ウェハWを真空吸引させる。
この後、研磨装置100は、半導体ウェハWを研磨布323の研磨面323Aに接触させる搬送工程を実施する。
具体的には、研磨装置100は、ヘッド支持部410を上昇させて反時計回り方向に約90°回転させて、研磨ヘッド部420を粗研磨部320の上方に位置させる。そして、ヘッド支持部410は、研磨ヘッド部420を回転させながら下降させ、粗研磨用のスラリーが供給されかつ回転している研磨面323Aに接触させる。
次に、研磨装置100は、チャック426に加工圧を付与することなくチャック孔部426Cにバックプレス圧を付与する水圧付与工程を実施する。
具体的には、研磨装置100は、エアバッグ制御部の制御により、チャック426に加工圧を付与せずに、リテーナ423に所定のリテーナ圧を付与して、半導体ウェハWの研磨ヘッド部420からの飛び出しを防止する。また、真空吸引部430は、チャック孔部426Cの真空状態を解除して、チャック426による半導体ウェハWの保持を解除する。そして、水供給部440は、例えばリテーナ圧よりも大きいバックプレス圧でチャック孔部426Cに水を供給して、バッキングパッド427から半導体ウェハWを剥離させて、バッキングパッド427に水を含浸させる。
この後、研磨装置100は、半導体ウェハWを研磨面323A上で回転させて研磨する回転研磨工程を実施する。
具体的には、研磨装置100は、チャック426に所定の加工圧を付与するとともに、リテーナ423に例えば加工圧よりも大きいリテーナ圧を付与する。また、水供給部440は、チャック孔部426Cの水のバックプレス圧を加工圧と略等しくなる状態に制御する。これにより、加工圧とバックプレス圧とが略等しくなり、チャック孔部426Cでの水の流量は略0となる。
半導体ウェハWは、上述した制御により、リテーナ423内で比較的自由に動ける状態で保持されているとともに外周がリテーナ423の内周よりも短いため、この周長差によりチャック426に対して転動して、リテーナ423内で円周方向に移動しながら粗研磨される。
そして、研磨装置100は、半導体ウェハWがリテーナ423内で少なくとも1回転するまで粗研磨すると、半導体ウェハWの被研磨面をリンスするリンス工程を実施する。
ここで、半導体ウェハWをリテーナ423内で回転させるために調整可能なパラメータとしては、研磨時間、研磨ヘッド部420の回転数、リテーナ423の内径寸法などが例示できる。また、研磨ヘッド部420の1回転あたりの半導体ウェハWの位置ずれ量は、リテーナ423の内周長から半導体ウェハWの外周長を減じた値を、半導体ウェハWの半径寸法で除することにより算出できる。
次に、真空吸引部430は、チャック426で半導体ウェハWを真空吸引させる。そして、研磨装置100は、ヘッド支持部410を上昇させる。
この後、研磨装置100は、半導体ウェハWを第1仕上げ研磨部330および第2仕上げ研磨部340に搬送して、上述した処理と同様の処理により、第1仕上げ研磨および第2仕上げ研磨を実施する。そして、研磨装置100は、研磨ヘッド部420がウェハ着脱チャック洗浄部310の上方に位置する状態でヘッド支持部410を下降させる。さらに、真空吸引部430は、チャック孔部426Cの真空状態を解除し、半導体ウェハWをチャック426から剥離して、ウェハ着脱チャック洗浄部310に載置する。
〔半導体ウェハの研磨装置の作用効果〕
上述した一実施形態によれば、以下の作用効果がある。
(1)半導体ウェハWを水の表面張力により保持するチャック426に、ナップの気孔のサイズが10μm以下で変形10%時の圧縮応力が300kPa以下のバッキングパッド427を設けている。
このため、ナップの気孔のサイズが10μm以下のバッキングパッド427を適用しているので、加工圧が付与されたとしても、含浸された水の染み出しを抑えることができる。したがって、半導体ウェハWに加わる圧力分布が略一定となり、取り代分布を略均一にすることができる。
そして、変形10%時の圧縮応力が300kPa以下のバッキングパッド427を適用しているので、圧縮応力が300kPaよりも大きいものを適用する構成と比べて、貼り付けむらの転写が低減されて形状分布を良好にできる。
また、水の表面張力で保持するので、半導体ウェハWとチャック426との直接的な接触が抑えられ、バッキングパッド427の厚みむら貼り付けじわが生じた場合であっても、あるいは、バッキングパッド427と研磨布323との組み合わせがいずれの場合であっても、バッキングパッド427の形状分布の半導体ウェハWへの転写が抑えられ、取り代分布を略均一にすることができる。
さらに、半導体ウェハWがリテーナ423内でバッキングパッド427上をずれながら回転するので、バッキングパッド427の形状むらの転写がより平均化され、取り代分布をより均一にすることができる。
そして、変形する材質のバッキングパッド427を適用しているため、半導体ウェハWの裏面品質を維持できる。
よって、半導体ウェハWの裏面品質を維持しながら高平坦度加工することができる。
(2)チャック426に開口形成されたチャック孔部426Cと、このチャック孔部426Cを真空状態にして半導体ウェハWを吸引する真空吸引部430と、チャック孔部426Cにバックプレス圧を付与する水供給部440と、を設けている。
このため、チャック孔部426Cを介して半導体ウェハWの保持、および、バッキングパッド427へのバックプレス圧の付与ができ、チャック426の構成の簡略化を図ることができる。
(3)半導体ウェハWをチャック426に吸引した状態で移動させて研磨面323Aに接触させ、チャック426に加工圧を付与することなくチャック孔部426Cにバックプレス圧を付与して、バッキングパッド427に水を含浸させ、さらに加工圧と、この加工圧にほぼ等しいバックプレス圧を付与して研磨面323A上で回転させて研磨する、半導体ウェハWの研磨方法を適用している。
このため、上述したように、半導体ウェハWの裏面品質を維持しながら高平坦度加工を実施可能な研磨方法を提供できる。
また、加工圧を付与することなくチャック孔部426Cにバックプレス圧を付与するので、低いバックプレス圧で効率よく水をバッキングパッド427に含浸させることができる。
(4)チャック426の周囲を囲む状態で半導体ウェハWの直径寸法よりも大きい内径寸法を有するリテーナ423を設け、半導体ウェハWの外周およびリテーナ423の内周の周長差で半導体ウェハWがリテーナ423内で少なくとも1回転する状態で研磨する構成としている。
このため、バッキングパッド427の形状分布の半導体ウェハWへの転写がより抑えられ、より高平坦度の加工が実現できる。
(5)回転研磨工程にて、加工圧と略等しいバックプレス圧をチャック孔部426Cに付与する構成としている。
このため、チャック孔部426Cでの水の流量を略0とすることができ、半導体ウェハWの裏面にバッキングパッド427の表面が押し付けられるのを抑制できる。したがって、バッキングパッド427の形状分布の半導体ウェハWへの転写がさらに抑えられ、さらに高平坦度の加工が実現できる。
[他の実施形態]
なお、本発明は上記実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の改良ならびに設計の変更などが可能である。
すなわち、本発明の研磨装置や研磨方法を、ウェハ着脱チャック洗浄部310、粗研磨部320、第1仕上げ研磨部330、および、第2仕上げ研磨部340のうち少なくともいずれか1つが独立した構成を有する研磨システムに適用してもよい。
また、チャック孔部426Cを真空吸引部430のみに接続するとともに、チャック426に水供給部440と接続されて保持面426Aに水を供給可能な孔部を別途設ける構成としてもよい。
さらに、チャック426にチャック孔部426Cを設けずに、バッキングパッド427に水を含浸させる構成および半導体ウェハWを保持して搬送する構成を別途設ける構成としてもよい。
そして、水圧付与工程にて、チャック426に加工圧を付与するとともに、チャック孔部426Cにバックプレス圧を付与する構成としてもよい。
さらに、回転研磨工程にて、半導体ウェハWをリテーナ423内で1回転させない状態で研磨を終了させる構成としてもよい。
また、回転研磨工程にて、加工圧と異なるバックプレス圧をチャック孔部426Cに付与する構成としてもよい。
本発明を実施するための最良の構成などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部若しくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
次に、本発明の実施例について説明する。
図5は、実施例に用いた実験装置の概略構成を示す模式図である。図6は、実施例1のバッキングパッドを示す写真であり、(A)は表面写真、(B)は断面写真である。図7は、比較例1のバッキングパッドを示す写真であり、(A)は表面写真、(B)は断面写真である。
なお、実施例1のバッキングパッドおよび比較例1のバッキングパッドは、同様の構成を有しているため、実施例1のバッキングパッドについて詳細に説明し、比較例1のバッキングパッドについては説明を簡略化する。
まず、実施例に用いた実験装置の構成について説明する。
実験装置800は、図5に示すように、支持体810と、チャック820と、管部830と、ガラス定盤840と、を備える。
支持体810は、略板状の基盤部811と、この基盤部811の上面における周縁近傍に立設された複数の脚部812と、を備える。
チャック820は、略円板状に形成され、脚部812の上端に載置される状態で設けられている。このチャック820の上面821には、実施例1のバッキングパッド900、または、比較例2のバッキングパッド950が載置される状態で設けられる。
また、チャック820には、上面821および下面822を連通する状態でチャック孔部823が開口形成されている。
このチャック孔部823は、断面視略直線状を有し下面822の略中央からチャック820の上下方向略中央にかけて設けられた第1チャック孔部823Aと、断面視略L字状を有し第1チャック孔部823Aの上端および上面821における外縁近傍を連通する複数の第2チャック孔部823Bと、を備える。各第2チャック孔部823Bは、例えばチャック820の円周方向に略等間隔で設けられている。
管部830は、略細管状に形成され、一端が白色液体を供給可能な図示しない水供給部に、他端がチャック820のチャック孔部823の下端に、それぞれ接続されている。
ガラス定盤840は、透明なガラスにより、例えばチャック820と略等しい直径寸法を有する略円板状に形成されている。このガラス定盤840は、実施例1のバッキングパッド900、または、比較例1のバッキングパッド950に載置される状態で設けられる。
[実施例1]
次に、実施例1のバッキングパッド900について説明する。
実施例1のバッキングパッド900は、図6(A),(B)に示すように、多孔質材料によりチャック820と略等しい直径寸法を有する略円板状に形成されている。この実施例1のバッキングパッド900には、バッキングパッド900の半導体ウェハの貼り付け面側に開口した50〜100μm程度のしずく型の空間と、その空間を形成する隔壁である発泡樹脂からなるナップ層と、が存在する。この隔壁をナップと呼ぶが、実施例1のバッキングパッド900は、ナップの気孔のサイズが約5μmすなわち10μm以下で、変形10%時の圧縮応力が約150kPaの特性を有している。また、実施例1のバッキングパッド900には、図5に示すように、チャック820の上面821におけるチャック孔部823に対応する位置に、表面および裏面を連通する状態でパッド孔部910が開口形成されている。
[比較例1]
次に、比較例1のバッキングパッド950について説明する。
比較例1のバッキングパッド950は、図7(A),(B)に示すように、多孔質材料により略円板状に形成されている。この比較例1のバッキングパッド950は、ナップの気孔のサイズが10μm〜20μmで、変形10%時の圧縮応力が約30kPaの特性を有している。また、比較例1のバッキングパッド950には、図5に示すように、パッド孔部960が開口形成されている。
[実験内容およびその結果]
次に、実験装置800を用いて実施した実験内容およびその結果について説明する。
まず、実験装置800のチャック820の上面821を実施例1のバッキングパッド900を取り付けた。さらに、この実施例1のバッキングパッド900の表面にガラス定盤840を取り付けた。
この後、ガラス定盤840の上面に下方に向けて大きさがWPの圧力を付与した。さらに、チャック孔部823に供給される白色液体のバックプレス圧をBPとして、BP=WPを満たす条件(以下、実験条件1と称す)、および、BP=0.5WPを満たす条件(以下、実験条件2と称す)で白色液体を供給して、実施例1のバッキングパッド900から染み出る白色液体を、ガラス定盤840の斜め上方から撮像手段850で撮像するとともに、この染み出る白色液体の流量を算出した。
また、比較例1のバッキングパッド950についても、実験条件1および実験条件2で白色液体を供給して、上述した撮像処理、および、流量の算出処理をした。
そして、実施例1のバッキングパッド900では、実験条件1および実験条件2のいずれの場合も、染み出る白色液体が存在しない、すなわち染み出る白色液体の流量が0cc/minであることが確認された。
一方、比較例1のバッキングパッド950では、実験条件1および実験条件2のいずれの場合も、染み出る白色液体が存在することが確認された。そして、実験条件1および実験条件2において染み出る白色液体の流量は、それぞれ約10cc/minおよび約6cc/minであることが確認された。これは、実際の加工に置き換えると、加工圧に対して1/2以下のバックプレス圧を設定したとしても、内部の水が漏れ出す流れが発生し、それに対応する圧力分布により取り代分布が発生する状態をさし、好ましくない。
以上のことから、研磨装置100にナップの気孔のサイズが10μm以下のバッキングパッド427を適用すると、加工圧が付与されたとしても水の染み出しを抑えることができ、半導体ウェハWの裏面の均一な圧力分布つまり取り代分布の均一化が実現できることが確認された。
本発明の研磨方法は、半導体ウェハを研磨するにあたって裏面品質を維持しながら高平坦度加工することができるため、半導体ウェハの研磨装置に利用することができる。
本発明の一実施形態に係る半導体ウェハの研磨装置の概略構成を示す上面図である。 前記一実施形態における研磨装置の要部の概略構成を示す上面図である。 前記一実施形態における研磨装置の要部の概略構成を示す一部を切り欠いた側面図である。 前記一実施形態における研磨ヘッド部の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施例に用いた実験装置の概略構成を示す模式図である。 実施例1のバッキングパッドを示す写真であり、(A)は表面写真、(B)は断面写真である。 比較例1のバッキングパッドを示す写真であり、(A)は表面写真、(B)は断面写真である。
符号の説明
100・・・研磨装置
323A・・研磨面
423・・・リテーナ
426・・・チャック
426A・・保持面
426C・・チャック孔部
427・・・バッキングパッド
430・・・真空吸引部
440・・・水圧付与部としての水供給部
W・・・半導体ウェハ

Claims (4)

  1. 半導体ウェハとの間に水を供給して前記半導体ウェハを水の表面張力により保持するチャック、および、このチャックの周囲を囲む状態で設けられ前記半導体ウェハの外径寸法よりも大きい内径寸法を有するリテーナを備えた半導体ウェハの研磨装置であって、
    前記チャックにおける前記半導体ウェハを保持する保持面に設けられ、微細な気孔を有するナップの前記気孔のサイズが10μm以下で変形10%時の圧縮応力が300kPa以下のバッキングパッドを備えている
    ことを特徴とする半導体ウェハの研磨装置。
  2. 請求項1に記載の半導体ウェハの研磨装置であって、
    前記チャックは、前記保持面に開口形成された孔部を備え、
    前記孔部を真空状態にして前記半導体ウェハを前記保持面に吸引する真空吸引部と、
    前記孔部に水圧を付与する水圧付与部と、
    を備えていることを特徴とする半導体ウェハの研磨装置。
  3. 半導体ウェハとの間に水を供給して前記半導体ウェハを水の表面張力により保持するチャック、および、このチャックの周囲を囲む状態で設けられ前記半導体ウェハの外径寸法よりも大きい内径寸法を有するリテーナを備えた半導体ウェハの研磨装置を用いた半導体ウェハの研磨方法であって、
    前記半導体ウェハの研磨装置に、
    前記チャックにおける前記半導体ウェハを保持する保持面に設けられ微細な気孔を有するナップの前記気孔のサイズが10μm以下で変形10%時の圧縮応力が300kPa以下のバッキングパッドと、
    前記チャックの保持面に開口形成された孔部と、
    この孔部を真空状態にして前記半導体ウェハを前記保持面に吸引する真空吸引部と、
    前記孔部に水圧を付与する水圧付与部と、
    を設け、
    前記真空吸引部により前記半導体ウェハを前記保持面に吸引する真空吸引工程と、
    前記チャックを移動させて前記半導体ウェハを研磨面に接触させる搬送工程と、
    前記チャックに前記研磨面に近接する方向への圧力を付与することなく前記水圧付与部により前記孔部に水圧を付与する水圧付与工程と、
    前記半導体ウェハを前記研磨面上で、前記研磨面に近接する方向への圧力を付与するとともに前記近接する方向への圧力とほぼ等しい水圧を付与しながら回転させて研磨する回転研磨工程と、
    を備えていることを特徴とする半導体ウェハの研磨方法。
  4. 請求項3に記載の半導体ウェハの研磨方法であって、
    前記回転研磨工程は、前記半導体ウェハの外周および前記リテーナの内周の周長差で前記半導体ウェハが前記リテーナ内で少なくとも1回転する状態で研磨する
    ことを特徴とする半導体ウェハの研磨方法。
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