JP2007103419A - ショットキーバリアダイオードおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来、メサエッチングや厚いポリイミド層などがあるため、チップの小型化が進まない上、電極間の距離があり特性が向上できなかった。また製造方法においては、ショットキー接合部分のエッチングのコントロールが困難であった。
【解決手段】 HEMTの基板を採用し、電子供給層と安定層の間のノンドープ層に、ショットキー電極を形成する。ショットキー電極は埋め込み構造とする。また、ノンドープ層を複数設け、耐圧およびカソード抵抗の要求に応じて、ショットキー電極を形成するノンドープ層を選択する。それぞれのノンドープ層は互いにエッチングの選択比が大きいため、所望のノンドープ層表面を再現性よく露出させることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 HEMTの基板を採用し、電子供給層と安定層の間のノンドープ層に、ショットキー電極を形成する。ショットキー電極は埋め込み構造とする。また、ノンドープ層を複数設け、耐圧およびカソード抵抗の要求に応じて、ショットキー電極を形成するノンドープ層を選択する。それぞれのノンドープ層は互いにエッチングの選択比が大きいため、所望のノンドープ層表面を再現性よく露出させることができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、高周波回路に採用される化合物半導体のショットキーバリアダイオードおよびその製造方法に関し、特にプレーナー構造にすることにより動作領域およびチップサイズの小型化を実現した化合物半導体のショットキーバリアダイオードおよびその製造方法に関する。
従来のGaAsショットキーバリアダイオードにおいては、動作層にコンタクトする電極を形成する際に、基板のメサエッチングを行っていた。また層間絶縁層として、高分子系樹脂(例えばポリイミド)が採用されていた(例えば特許文献1参照)。
図21には、従来のショットキーバリアダイオードの動作領域部分の断面図を示す。
n+型GaAs基板上21にn+型エピタキシャル層22(5×1018cm-3)を6μm程度積層し、更に動作層となるn型エピタキシャル層23(1.3×1017cm-3)を例えば3500Å程度堆積する。
オーミック電極28となる第1層目の金属層は、n+型エピタキシャル層22にオーミック接合するAuGe/Ni/Auである。第2層目の金属層はTi/Pt/Auである。アノード側の第2層目の金属層は、n型エピタキシャル層23とショットキー接合を形成するショットキー電極310である。ショットキー電極310はアノードボンディングパッドを形成する第3層目の金属層のAuメッキ層(アノード電極340)の下地電極ともなる。カソード側の第2層目の金属層はオーミック電極とコンタクトし、さらにカソードボンディングパッドを形成する第3層目の金属層のAuメッキ層(カソード電極350)の下地電極となる。ショットキー接合部以外の基板表面はカソード電位であり、アノード電極340とカソード電位となるGaAs基板とが交差する部分では、層間絶縁層としてポリイミド層300が設けられる。この交差部分の面積は1300μm2程度にもなり、大きな寄生容量を持つ。従って、誘電率が低く、膜厚を厚く形成できるポリイミドを、その離間距離として6〜7μm程度の厚みに設けることで交差部分の距離を離間し、寄生容量を緩和している。
特開昭59−161836号公報
従来のショットキーバリアダイオードの基板構造は、多様な機種に対応できるよう、裏面からもカソード電極を取り出せる構造となっており、n+型GaAs基板上にn+型エピタキシャル層を設け、その上層には所定の特性を確保するために、1.3×1017cm-3程度のn型エピタキシャル層を設けた構造となっている。
ショットキー電極は所定の特性を確保する必要から、n型エピタキシャル層の清浄な表面を露出して金属を蒸着し、ショットキー接合を形成する。オーミック電極は取り出し抵抗を低減するため、その下層のn+型エピタキシャル層にオーミック接合を形成する。
ここで、従来構造においては、以下に示す問題点があった。第1に、オーミック電極28形成のためにはメサを形成してn+型エピタキシャル層22を露出しなければならない。n型エピタキシャル層23は3500Å程度の厚みがあり、その下のn+型エピタキシャル層22を露出させるにはメサエッチングが必須である。基板表面には基板保護のための酸化膜25が設けられており、メサエッチングはその表面にフォトレジストによるマスクを設けてエッチングするが、酸化膜25表面とレジストの密着性にばらつきが生じる。その状況でウエットエッチングするとエッチングが必要以上に横(基板水平)方向に拡がる。
このため必要な酸化膜25までエッチングしてしまうこともあり、GaAsが露出すればメサの形状が不安定となる。このためメサの開口部に設けるオーミック電極28形成時のフォトレジストも、周端部の形状にダレが発生するなどする。これにより結果的にリフトオフによるオーミック電極28の形状が悪くなる、あるいはGaAsがショットキー接合付近までエッチングされ、特性に悪影響を及ぼす等の問題が発生する場合がある。
第2には、アノード電極340はそのほとんどがカソード電位となるGaAs上に設けられており、ここでの寄生容量が大きくなってしまう問題がある。交差部分の面積は1300μm2であるので、厚い層間絶縁膜で寄生容量を低減することが必須である。メサを埋め込み、厚い層間絶縁膜にするために、6〜7μmのポリイミド層300を設けなけばならない。
ポリイミド層300に形成される開口部(コンタクトホール)はテーパー形状となる。これは厚いポリイミド層300をエッチングした結果であるが、テーパー形状になることによってポリイミド層300上の電極のステップカバレッジを小さくできる。しかしポリイミド層300の膜質のばらつきや、ポリイミド層300とレジストとの密着性のばらつきにより、そのテーパー形状の勾配が30〜45度と大きくばらついてしまう。このため、動作領域であるショットキー接合領域310aとオーミック電極28との離間距離は、テーパー形状のばらつきを考慮して7μm程度確保する必要がある。しかし、この各接合の離間距離はカソード抵抗に寄与するので、離間距離が大きいと高周波特性の向上を阻み、更にはチップの小型化も進まない原因となっていた。
第3に、ショットキー接合およびオーミック接合の付近の層間絶縁膜にテーパー形状の開口部が形成されるため、ショットキーバリアダイオードの動作領域付近では層間絶縁膜の6μmの厚みが保てず、寄生容量を増加させ、特性を悪化させる原因となってしまう問題もあった。
第4に、軟らかいポリイミド層300上のAuメッキによるアノード電極にボンディングしていた。このためワイヤボンド時のストレスがアノード電極に加わると、てこの原理によってアノード電極が切れ、歩留上および信頼性上の問題を引き起こしていた。
第5に、ショットキーバリアダイオード専用の基板を使用するため、基板コストが高いという問題があった。
第6に、動作層としてのn型エピタキシャル層23は単一のエピタキシャル層であるため、一種類の特性しか得られず、低いカソード抵抗特性を重視するユーザや、低いカソード抵抗特性より高い耐圧特性や高い静電破壊電圧を重視するユーザなど、多様なユーザにニーズに答えることができなかった。
本発明はかかる課題に鑑みてなされ、第1に、化合物半導体基板と、前記基板上に積層された、バッファ層、第1電子供給層、チャネル層、第2電子供給層、安定層、キャップ層、前記安定層と前記第2電子供給層間に設けられたノンドープ層と、前記キャップ層に設けられた第1電極と、前記ノンドープ層に設けられた第2電極と、前記第1電極とコンタクトする第1配線電極と、前記第2電極とコンタクトする第2配線電極と、を具備することにより解決するものである。
第2に、化合物半導体基板上にバッファ層、第1電子供給層、チャネル層、第2電子供給層、ノンドープ層、安定層、キャップ層を積層し、絶縁化領域により動作領域を分離する工程と、前記動作領域のキャップ層の一部とコンタクトする第1電極を形成する工程と、全面に第1絶縁膜を形成する工程と、前記第1電極に囲われた領域の前記第1絶縁膜の一部を除去し、該第1絶縁膜をマスクとしてキャップ層および安定層の一部を除去し前記ノンドープ層を露出する工程と、前記動作領域の前記ノンドープ層の表面に第2電極を形成する工程と、少なくとも前記第2電極の端部およびその周囲の前記ノンドープ層を連続して被覆する第2絶縁膜を形成する工程と、前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜に設けたコンタクトホールを介して前記第1電極および前記第2電極にそれぞれコンタクトする第1配線電極および第2配線電極を形成する工程と、具備することにより解決するものである。
第3に、化合物半導体基板上にバッファ層、第1電子供給層、チャネル層、第2電子供給層、互いにエッチングの選択比が大きい複数のノンドープ層、安定層、キャップ層を積層し、絶縁化領域により動作領域を分離する工程と、前記動作領域のキャップ層の一部とコンタクトする第1電極を形成する工程と、全面に第1絶縁膜を形成する工程と、前記第1電極に囲われた領域の前記第1絶縁膜の一部を除去し、該第1絶縁膜をマスクとしてキャップ層および安定層の一部を除去し、選択エッチングにより1つの前記ノンドープ層を露出する工程と、前記動作領域に露出した前記1つのノンドープ層の表面に第2電極を形成する工程と、前記第2電極の最下層金属の一部を熱処理により前記動作領域表面に埋め込む工程と、前記第2電極およびその周囲の前記ノンドープ層を被覆する第2絶縁膜を形成する工程と、前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜に設けたコンタクトホールを介して前記第1電極および前記第2電極にそれぞれコンタクトする第1配線電極および第2配線電極を形成する工程と、具備し、前記複数のノンドープ層のうちいずれかの前記1つのノンドープ層を選択し、該1つのノンドープ層表面に前記第2電極を形成することにより、異なる耐圧およびカソード抵抗を得ることにより解決するものである。
本実施形態では、第1に、HEMTに採用される基板にショットキーバリアダイオードを設けることによって、動作上、クーロン散乱の影響が非常に少なく、電子移動度が従来の2倍となる。従来では動作層底面のn+型エピタキシャル層22によって低いカソード抵抗を実現したが、本実施形態によれば、動作層底面のn+型エピタキシャル層22を設けなくても同程度のカソード抵抗を持つことができる。
第2に、スイッチMMICと同じ安価なウエハを使用できる。
第3に、ショットキー電極は、最下層金属(Pt)の一部を埋め込んだ埋め込み電極構造であるため、低カソード抵抗が実現する。
第4には、ショットキー電極11とオーミック電極8の離間距離が大幅に低減できる。ショットキー電極11およびオーミック電極8の離間距離はカソード抵抗に寄与するので、離間距離が縮小できればカソード抵抗をより低減できる。
第5に、カソード電位となる動作領域周辺部とアノード電極14が交差する部分の面積は100μm2程度となり、寄生容量の大幅な低減となる。これは、寄生容量を発生させる交差部の面積が、従来と比較してショットキー接合部分だけで1/13に低減できることになる。また、アノードボンディングパッド14aもキャップ層37表面に直接固着できるので、この部分での寄生容量は発生せず、トータルの寄生容量が大幅に低減できる。従来では、寄生容量を抑制するために誘電率が低いポリイミドを採用して厚い層間絶縁膜を設けていたが、薄い窒化膜で代用できる。窒化膜はポリイミドと比較して誘電率が高いが、本発明の構造によれば、5000Å程度の窒化膜を用いても、従来と比べて寄生容量が低減できる。
第6に、厚いポリイミドを用いないので、動作領域となるポリイミド開口部のテーパー部分の距離や、テーパー角度のばらつきも考慮する必要がなくなる。
以上のことから、ショットキー電極とオーミック電極の離間距離は、単純に耐圧とマスク合わせ精度のみを考慮すればよいことになる。具体的には、ショットキー接合領域とオーミック電極の離間距離は7μmから1μmまで低減できる。更に、キャップ層との離間距離はキャップ層のサイドエッチング距離と同じ0.4μmである。この場合キャップ層はキャリアの移動経路でありほぼオーミック電極8と同じ低抵抗の効果があるので、従来と比べて、離間距離は6%に低減できることになる。従って、寄生抵抗としてのカソード抵抗の大幅な低減と、寄生容量の大幅な低減および寄生容量のばらつきの低減により、高周波特性の向上に大きく寄与することができる。
第7に、チップの小型化に寄与することになり、チップサイズでは従来0.27×0.31mm2のサイズであったものが、0.25×0.25mm2までシュリンクできる。サイズとしてはボンディングパッドを配置する必要性や、組立時にハンドリングできるチップサイズの限界があるため0.25mm角が現状での限界であるが、動作領域としては1/10程度まで大幅にシュリンクできるため、動作領域を配置する自由度が大変大きくなる。
第8に、ショットキー電極を形成するショットキー接合部を複数個設けることにより、カソード抵抗を更に低減できる。ショットキー接合部のコンタクト径を小さくして複数個設ければ、トータルのショットキーコンタクト面積が同一なショットキー電極を1個設けた場合と比較して、よりカソード抵抗を低減し、キャップ層でのキャリアのトラップを効果的にできるので、高周波特性がより向上する利点を有する。
第9に、ポリイミド層や、金メッキを用いないので材料費が低減できる上、チップシュリンクできるので、コストの低減が実現する。
第10に、アノード電極を直接基板に固着できるため、ワイヤボンド時のストレスによってアノード電極が切れる不良が無くなる。従って歩留が大幅に向上し、信頼性上の問題を回避できる。
また、本発明の製造方法によれば、以下に示す効果が得られる。
第1に、選択エッチングにより安定したショットキー接合を形成することが可能となるので、高周波回路にとって大変重要な課題である特性のばらつきが抑制できる。従来のような複雑なGaAsのエッチングコントロールが不要となるため歩留が向上し、再現性の良い、安定した特性を有するショットキーバリアダイオードの製造が可能となる。
第2に、耐圧の劣化を抑制できる。製造工程においてショットキー電極を形成する際のエッチングマスクとなる窒化膜の一部を、プラズマエッチングする必要がある。その際、安定層にプラズマダメージを与え、結晶性が悪化する。その場合アノード電極の埋め込み部が表面において異常に横拡散するため、埋め込み部の形状が表面において尖った形状となり逆バイアス印加時に電界集中が発生する。そこで、安定層(InGaP層)の下層にノンドープ層としてAlGaAs層を配置し、安定層を除去した後、清浄なノンドープ層にショットキー電極を形成する。これにより埋め込み部が正常な丸みを帯びた形状となるため、埋め込み部において電界集中が発生せず、耐圧の劣化を抑制できる。
また、第2電子供給層および安定層間に、第1ノンドープ層(AlGaAl層)、第2ノンドープ層(InGaP層)、第3ノンドープ層(AlGaAs層)の積層構造を持つノンドープ層を成長する。そして、プラズマダメージを受けた安定層を除去した後、所望の1つのノンドープ層にショットキー電極を形成する。その場合、耐圧およびカソード抵抗の要求特性に応じて選択された、所望のノンドープ層を選択エッチングにより再現性よく容易に露出することができる。
第3に、オーミック電極の端部とキャップ層の段差を被覆する第1絶縁膜を設けることにより、オーミック電極の端部とキャップ層の端部に形成される隙間を塞ぎ、ガルバニック効果の発生を防止できる。これにより、オーミック電極の端部のキャップ層のエッチングを防止し、電流経路の狭さく化を防ぐことができるので、カソード抵抗の増大を抑制できる。
また、第1絶縁膜上に設けるパッシベーション用の第2絶縁膜の成膜密度を十分確保でき、ウェハ完成後においても外部から滲入する水分や薬剤などから基板表面を十分保護することができる。従って、ウェハ完成後におけるガルバニック効果の発生を防止し、カソード抵抗の増大を抑制できる。
第4に、ショットキー電極のリセスエッチングのマスクとなる窒化膜のひさし部を除去する際、動作領域の表面を安定層(InGaP層)で覆った状態でプラズマエッチングできる。これにより、動作領域表面をプラズマのダメージから保護することができる。
第5に、第2電子供給層と安定層の間に複数のノンドープ層として第1ノンドープ層(AlGaAs層)、第2ノンドープ層(InGaP層)、第3ノンドープ層(AlGaAs)層を順次積層し、ショットキー電極11を形成するノンドープ層を適宜選択することで、同一ウエハでありながら、3種類の耐圧およびカソード抵抗を選択することができる。またそれぞれのノンドープ層はウエットエッチングにおいて互いにエッチングの選択比が大きいため、所望のノンドープ層の表面を容易に再現性良く露出させることができる。従って、ユーザのニーズに合わせたショットキーバリアダイオードを再現性よく、また効率よく提供できる。
図1から図20を参照して、本発明の実施の形態を詳細に示す。
本発明のショットキーバリアダイオード(Schottky Barrier Diode:以下SBD)は、化合物半導体基板と複数の半導体層とからなる基板30と、第1電極8と、第2電極11と、第1配線電極15と、第2配線電極14と、絶縁膜51とから構成される。
基板30は、半絶縁性GaAs基板31上に複数の半導体層を積層した、HEMT(High Electron Mobility Transistor:高電子移動度トランジスタ)に用いられる基板である。
複数の半導体層とは、ノンドープのバッファ層32、電子供給層33、チャネル(電子走行)層35、ノンドープ層、安定層40、キャップ層37である。電子供給層33はチャネル層35の上下にそれぞれ配置され、ノンドープ層は、安定層40と電子供給層33との間に少なくとも1層配置される。
まず、図1から図5には本発明の第1実施形態を示す。第1実施形態は、安定層40と電子供給層33の間に1つのノンドープ層41が配置される場合である。
図1は、動作領域部分の断面図である。
バッファ層32は、不純物が添加されていない高抵抗層であり、その膜厚は、数千Å程度である。
電子供給層33は第1電子供給層33aおよび第2電子供給層33bの2層があり、それぞれチャネル層35の下層および上層に配置される。また、チャネル層35と各電子供給層33間にはそれぞれスペーサ層34が配置される。
電子供給層33(第1電子供給層33a、第2電子供給層33b)は、チャネル層35よりバンドギャップが大きい材料が用いられる。また、電子供給層33のn+型AlGaAs層のn型不純物(例えばSi)の不純物濃度は、SBDのカソード抵抗、耐圧に関係し、本実施形態では2.6×1018cm−3とする。SBDのカソード抵抗とは、ショットキー接合からカソード端子までの寄生抵抗である。
このような構造により、電子供給層33であるn+型AlGaAs層のドナー不純物から発生した電子が、チャネル層35側へ移動し、電流パスとなるチャネルが形成される。この結果、電子とドナー・イオンは、ヘテロ接合界面を境として空間的に分離されることになる。電子はチャネル層35を走行するが、チャネル層35にはドナー・イオンが存在しないためクーロン散乱の影響が非常に少なく、高電子移動度を持つことができる。
また、チャネル層35の上下に、第1電子供給層33aおよび第2電子供給層33bを配置する。このようなダブルへテロ接合構造とすることにより、キャリア密度が増えカソード抵抗を非常に小さくできる。
ノンドープ層41は、ノンドープのAlGaAs層であり第2電子供給層33bおよび安定層40間に設けられてこれらと当接し、格子整合する。チャネル層35に近い部分に結晶歪みが少しでも発生する場合があると、良好なSBDの特性を再現性良く得ることができない。しかしノンドープ層41は、チャネル層35に近い第2電子供給層33bと同じAlGaAs層のため、チャネル層35に近い部分に結晶歪みが発生する要素を完全に無くすことができる。
またノンドープ層41の膜厚はSBDの所定の耐圧とカソード抵抗が確保できるよう設計されており、例えば250Åである。
安定層40は、ノンドープ層41と当接してその上に設けられ、ノンドープ層41と格子整合する。また、安定層40はその上層のキャップ層37とも格子整合する。安定層40は、酸化しにくいため外部からの化学的ストレスに強く信頼性上安定なノンドープInGaP層またはドープドInGaP層であり、膜厚は100Åである。製造工程は後に詳述するが、ショットキー電極11の形成前に、キャップ層37のエッチングマスクとなった窒化膜51の一部を、プラズマエッチングにより除去する工程がある。従って、本実施形態では、動作領域100をプラズマダメージから保護するため、キャップ層37の下層に化学的に安定なInGaP層を配置する。安定層40の厚みは100Åあればプラズマダメージから動作領域100を十分保護できる。安定層40はプラズマダメージを受けるが、ショットキー電極11形成時には安定層40が除去されるので、ショットキー電極11を清浄なノンドープ層41上に形成することができる。又、安定層40は、GaAs層であるキャップ層37のエッチングストップ層としても機能する。
また、安定層(InGaP層)40をGaAs層およびノンドープAlGaAs層と格子整合させることにより、結晶の歪みを回避し、スリットなどの結晶欠陥を防止できる。
キャップ層となるn+型GaAs層37は、最上層に積層される。キャップ層37の厚みは600Å以上、不純物濃度は、2×1018cm−3以上であり、好適には膜厚が1000Å程度、不純物濃度が3×1018cm−3以上である。
ノンドープ層41には円形のショットキー電極11がコンタクトする。キャップ層37は、ショットキー電極11の形成領域を円形にくりぬいた形状にパターンニングされる。安定層40はその上層のキャップ層37と同じパターンでエッチングされている。
オーミック電極8は、製造工程において第1層目に形成され、AuGe/Ni/Auを順次蒸着した金属層であり、キャップ層37上に設けられる。ここで、キャップ層37は不純物濃度が高い(不純物濃度1〜5×1018cm−3程度)。すなわち、キャップ層37を含む基板30は、低抵抗である。さらに、オーミック電極8をキャップ層37とコンタクトさせることにより、コンタクト抵抗を低減している。オーミック電極8はショットキー電極11の形成領域を囲むようにパターニングされ、ショットキー電極11との離間距離は1μmである。
ショットキー電極11は、製造工程において第2層目に形成され、Pt/Moを順次蒸着した金属層である。キャップ層37および安定層40から露出したノンドープ層41上に直径10μmの円形に設けられる。
ショットキー電極11は、ダメージを受けた安定層40を除去し、清浄なノンドープ層41表面に蒸着により形成されノンドープ層41とショットキー接合を形成する。
更に、ショットキー電極11は、蒸着金属の最下層金属(Pt)の一部が熱処理によりノンドープ層41表面に埋め込まれる。埋め込まれたPt(以下この領域を埋め込み部11bと称する)もショットキー電極11の一部であり、ショットキー電極11として機能する。第1実施形態では埋め込み部11bの底部はノンドープ層41内にあり、すなわち埋め込み部11bも含めてショットキー電極11はノンドープ層41とショットキー接合を形成する。
本実施形態では、Ptの一部を清浄なノンドープ層41に埋め込んだ、埋め込み電極構造を有する。これにより、埋め込み部11bの底部の端、すなわちショットキー接合の端部を湾曲形状にできる。
以下図2を参照してこれについて説明する。
図2(A)は、安定層40’上にショットキー電極11を形成する場合を示している。まず、埋め込み部を設けない場合(埋め込み電極構造でない場合)には、ショットキー電極11と基板30表面の界面の端部(x点)に電界集中が発生する。
一方、埋め込み電極構造にすることで、本来で有れば埋め込み部11b’の端部の形状が所定の曲率半径を有する連続した曲線となる。従って、ショットキー電極11に逆バイアスが印加される際、電界強度が分散される。つまり、電界集中の緩和により最大電界強度が弱まり、大きな耐圧を得ることができる。
しかし、詳細は後述の製造工程において説明するが、プラズマエッチングは安定層40’が露出した状態で行うため、安定層40’表面はダメージを受けている。そこに、ショットキー電極11を蒸着し、その一部を安定層40’に埋め込むと、埋め込み部11b’の端部の形状は所定の曲率半径を持つ曲線にならず、図の如く表面において尖った形状となってしまう。
これは、プラズマダメージにより結晶性が悪くなった安定層(InGaP層)40’表面にPtが埋め込まれる際に、その横方向(基板水平方向)の拡散が表面において尖った形状となるためである。これにより、尖った部分(y点)に電界が集中し、耐圧が劣化してしまう問題がある。
そこで、本実施形態では図2(B)の如く、プラズマダメージを受けた安定層40を除去することとした。
安定層40は塩酸でウエットエッチングされる。またその下層のノンドープ層41はAlGaAs層であり、エッチングの選択比が大きい。従って、ウェットエッチングで容易に、清浄なAlGaAs層表面を露出させることができる。また、同時にショットキー接合領域のエッチングの再現性が良好となる。従って、エッチングのばらつきを抑えることができ、安定したSBDを提供することができる。
この状態で、ショットキー電極11を蒸着し、Ptを埋め込む熱処理を施す。ノンドープ層41はプラズマダメージを受けていないため、Ptは均一に(正常に)拡散する。従って、埋め込み部11bは図の如く所定の曲率半径を有する連続した曲線形状となるため、埋め込み部11bにより電界集中を抑制できる。これにより、所定の耐圧を確保することができる。
具体的には、図2(A)の場合6.5Vであった耐圧が、図2(B)の構造にすることにより15Vとなり、大幅に向上した。
逆にSBDを所定の耐圧に設計する場合、埋め込み電極構造ではショットキー電極11付近の電界強度が弱まる分、電子供給層33の不純物濃度を大幅に上げることができる。これによってカソード抵抗を大幅に小さくすることができる。
また、ショットキー電極11をAlGaAs層に形成(蒸着)できる。AlGaAs層はInGaP層と比較して結晶成長が安定しており、SBDの特性の再現性が良好となる効果もある。
また、本実施形態ではチャネル層35の上下に電子供給層33を配置したダブルへテロ接合構造を採用しており、更に電子供給層33(第2電子供給層33b)の上にノンドープ層41が設けられ、ノンドープ層41にショットキー電極11がコンタクトする。
このような構造により、電子供給層33からショットキー電極11までを全てノンドープ層とする構造となり、SBDは所定の耐圧を確保しながら非常に低いカソード抵抗を実現することができる。
図21の従来構造においては、低いカソード抵抗値を実現するため、動作領域(動作層)底面のn+型エピタキシャル層22が最も重要な働きをしていた。しかし、本実施形態によれば動作領域底面のn+型エピタキシャル層が存在しないにもかかわらず、従来構造とほぼ同じカソード抵抗値を得ることができる。
また、ショットキー電極11を設けるノンドープAlGaAs層は、Alを含むため表面が酸化されやすく、またDXセンターと呼ばれるキャリアトラップ持つことが知られている。しかし、埋め込み電極構造とすることでその影響を大幅に減らすこともできる。
再び図1を参照し、ショットキー電極11は、キャップ層37より下層の半導体層(ここではノンドープ層41)上に設けられる。つまり本実施形態では、ショットキー電極11は、オーミック電極8がコンタクトする半導体層より下層の半導体層とコンタクトする。
動作領域100は、バッファ層32に達する絶縁化領域60により分離される。ここで、絶縁化領域60とは、電気的に完全な絶縁ではなく、不純物(B+)をイオン注入することによりエピタキシャル層にキャリアのトラップ準位を設け、絶縁化した領域である。以下、動作領域100とは、絶縁化領域60で分離され、且つSBDのショットキー電極11およびオーミック電極8が配置される領域の半導体層をいう。すなわち電子供給層33、チャネル(電子走行)層35、スペーサ層34、ノンドープ層41、安定層40、キャップ層37などのSBDを構成する各半導体層をすべて含んだ領域を動作領域100とする。また動作領域100周辺部はカソード電位となる。動作領域100周辺部においてオーミック電極8が絶縁化領域60上にあると、この後に述べるアノードボンディングパッド14aとの電位差により、オーミック電極8から隣接するアノードボンディングパッド14aに向かって空乏層が延びる。その結果アノードボンディングパッド14aまで空乏層が達すると、アノードおよびカソード間において高周波信号の漏れが発生する。従って絶縁化領域60の端部をオーミック電極8の端部より1μm程度以上外側に設ける。これにより、不純物濃度が高いキャップ層37上のオーミック電極8からアノードボンディングパッド14aに向かって延びる空乏層が絶縁化領域60に達することを防止できる。
アノード電極14およびカソード電極15は、製造工程において第3層目に形成され、Ti/Pt/Auを順次蒸着した金属層である。アノード電極14は、ショットキー電極11とコンタクトし、動作領域100外に延在されアノードボンディングパッド14aとなる配線電極である。また、一部はオーミック電極8と交差するが、窒化膜51によってオーミック電極8またはカソード電位である動作領域100周辺部と絶縁される。
図1のようにアノードボンディングパッド14aは、絶縁化領域60によって動作領域100とは別の島領域として分離された基板30表面のキャップ層37と直接コンタクトする。アノードボンディングパッド14aと、カソード電位となる動作領域100周辺部との電位差により、不純物濃度が高いキャップ層37上のアノードボンディングパッド14aから動作領域100周辺部に向かって空乏層が延びる。空乏層が動作領域100周辺部に達するとアノードおよびカソード間において高周波信号の漏れが発生する。従ってアノードボンディングパッド14aから動作領域100周辺部に向かって延びる空乏層が、絶縁化領域60に達しないよう、絶縁化領域60の端部はアノードボンディングパッド14aの端部より1μm程度以上外側とする。
バッファ層32まで達する絶縁化領域60によりカソード電位である動作領域100周辺部とアノード電極14が絶縁できるので、ポリイミドを設けずにアノードボンディングパッド14aを基板に直接固着できる。
カソード電極15は、アノード電極14に相対向して設けられる。オーミック電極8とコンタクトし、動作領域周辺部に延在されカソードボンディングパッド15aとなる配線電極である。カソードボンディングパッド15aは、動作領域100内において基板30表面のキャップ層37と直接コンタクトする。また不純物濃度が高いキャップ層37上のカソードボンディングパッド15aからアノードボンディングパッド14aに向かって延びる空乏層が絶縁化領域に達しないよう、絶縁化領域の端部はカソードボンディングパッド15aの端部より1μm程度以上外側とする。
次に、層間絶縁膜となる窒化膜51について説明する。
オーミック電極8は、少なくともその端部(側面)から上面にかけて、その周囲に密着する窒化膜51で被覆される。本実施形態の窒化膜51は第1窒化膜511、第2窒化膜512からなるが、窒化膜51の構成内容の種類は部分的に異なる。すなわち、これら2層により構成される個所もあるが、第2窒化膜512のみから構成される個所もある。具体的には、オーミック電極8の少なくとも端部から上面にかけて被覆する窒化膜51は、第1窒化膜511および第2窒化膜512から構成される。しかし、ショットキー電極の側面から上面にかけて被覆する窒化膜51は、第2窒化膜512のみから構成される。
アノード電極14と交差するオーミック電極8は、その周囲を第1窒化膜511および第2窒化膜512に被覆される。つまり、第1窒化膜511は、オーミック電極8の周囲に露出するキャップ層37とオーミック電極8に密着し、これらを連続して被覆する。また、カソード電極15とコンタクトするオーミック電極8は、その側面から上面にかけて、第1窒化膜511および第2窒化膜512で被覆され、上面の中央付近は窒化膜51が開口され、コンタクトホールCHが形成される。しかしこの場合であっても、第1窒化膜511は、オーミック電極8の周囲に露出するキャップ層37とオーミック電極8の側面および上面に密着し、これらを連続して被覆する。
これにより、オーミック電極8とその周囲に露出するキャップ層37の段差は、第1窒化膜511により完全に被覆され、オーミック電極8の端部は第1窒化膜511と密着している。
第2窒化膜512は、パッシベーション膜となり、ショットキー電極11の端部(側面)および上面の一部と、ショットキー電極11周囲に露出したノンドープ層41を覆う。更に安定層38とキャップ層37の側面を覆い、第1窒化膜511の上まで延在される。コンタクトホールCHは、第1窒化膜511および第2窒化膜512に設けられる。
このように本実施形態では、第1窒化膜511がオーミック電極8とその周囲のキャップ層37の段差に完全に密着して被覆している。従って、後述する製造工程中におけるガルバニック効果を防止できる。
図3は、ガルバニック効果を説明する図である。例えば、ある半導体層237上に第1窒化膜2511が設けられた基板を使用し、オーミック電極208を所望のパターンに形成する場合を示す。図の如くオーミック電極208の形成領域を開口したレジスト(不図示)をマスクとして第1窒化膜2511に開口部を設け、連続してオーミック金属層を蒸着、リフトオフ、アロイする。これにより、第1窒化膜2511の開口部にオーミック電極208が形成される。しかし、この場合、第1窒化膜2511とオーミック電極208端部にはわずかな隙間Gが形成されてしまい、ガルバニック効果を引き起こしてしまう。
ガルバニック効果は、金属電極(オーミック電極208)が半導体層237に接している端部が第1窒化膜2511との隙間Gにおいて露出している場合で、製造プロセス中に水分または薬剤などが隙間Gからオーミック電極208の端部に滲入することにより発生する。すなわち、水分又は薬剤によりオーミック電極208と半導体層237の間に電流が発生し、半導体層237が電気化学的腐食を起こす不良である。半導体層237の不純物濃度が高いなど、導電性が増せば増すほど大きな電流が流れるためガルバニック効果が激しくなり、その部分の半導体層が大きくエッチングされてしまう。
具体的には半導体層237の不純物濃度が2×1018cm−3以上、半導体層237の厚みが500Å以上になるとガルバニック効果が著しくなる。例えば図の如く、オーミック電極208と隣り合う第1窒化膜2511間に0.1μm〜1.0μm程度の隙間Gが形成される。そして、以降その上層に第2窒化膜2512が形成されるまでの製造工程において、オーミック電極208の端部の半導体層237表面は露出したままである。
従って、ガルバニック効果により、オーミック電極208の端部に位置する半導体層237が、図の如くエッチングされて、溝GVが形成されてしまう。溝GVの深さは数100Å以上と非常に深く、半導体層237の厚みが1000Åの場合、溝GV深さが500Å以上となるケースも稀ではない。
また、第1窒化膜2511の上層に第2窒化膜2512を堆積する場合、隙間Gは被覆されるものの、隙間Gのステップカバレジが悪く、溝GV上では第2窒化膜2512の成膜密度が低くなる。従って、パッシベーション効果が薄いためウェハ完成後においても外部からの水分などが基板表面に達する可能性が高く、ガルバニック効果が発生する場合がある。
図1のSBDにおいて、キャップ層37は、3×1018cm−3以上の高い不純物濃度を有し、その厚みは600Å以上である。従って、キャップ層37上にオーミック電極8が形成される本実施形態においても、上記の様な製造方法を採用することによってガルバニック効果が発生する。これにより、太実線の如くアノード−カソード間の電流経路が溝GVにより狭められ、カソード抵抗が増大する問題がある。
そこで、本実施形態では、図1の如く、第1窒化膜511によりキャップ層37とオーミック電極8の段差を完全に被覆し、ガルバニック効果を防止している。この製造方法については、後述する。
また、第1窒化膜511および第2窒化膜512はそれぞれ500Å、1500Å程度で、ほぼ均一な厚みで、オーミック電極8の少なくとも端部をまんべんなく覆っている。窒化膜はCVDにより堆積され、CVDにおいては装置のチャンバー内において雪が降り積もる如く窒化膜が堆積されていく。従って図3の如く溝GVが形成されると、溝GVの底に近い部分は溝GVの影になる。このため窒化膜の厚みが薄くなったり、密度が低くなる傾向がある。しかし、本実施形態では溝GVが形成されることはないので、側面でも上面(平面)の70%程度以上の膜厚が確保できる。従って、ウェハ完成後においても水分や薬剤などの滲入からオーミック電極8端部を完全に保護することができ、ガルバニック効果の発生を防止できる。
図4および図5に、SBDの平面図を示す。図4はチップのパターン図の概略であり、図5は動作領域部分の拡大図である。また、図4のa−a線断面が図1に示されている。
図4の如く、ショットキー電極11はチップのほぼ中央に設けられ、ノンドープ層41とショットキー接合を形成する。ショットキー電極11は直径約10μmの円形である。ショットキー電極11のみがノンドープ層41に直接コンタクトし、ショットキー電極11を動作領域100外に引き出す配線電極として、アノード電極14が配置される。すなわちアノード電極14は動作領域100においてショットキー電極11とほぼ重畳してコンタクトし、動作領域100外まで延在されて別の島領域にアノードボンディングパッド14aを構成する。
アノードボンディングパッド14aがコンタクトホールCHを介してコンタクトする基板表面の島領域と動作領域100は、それぞれ一点鎖線で示す境界線で、絶縁化領域60により分離される。これにより、ボンディングパッド部での寄生容量をなくすことができる。さらに、アノードボンディングパッド14aを何れの絶縁膜も介せずに基板30に直接固着できる。そのため、ボンディング時の不良をほぼなくすことができる。
破線で示す部分がオーミック電極8である。オーミック電極8は、円形のショットキー電極11の外周を囲んでキャップ層37(図示せず)と直接コンタクトしている。オーミック電極8をカソードボンディングパッド15aまで引き出す配線電極として、オーミック電極8と一部重畳してコンタクトするカソード電極15を使用する。またカソードボンディングパッド15aは動作領域100内に形成され、コンタクトホールCHを介して基板30とコンタクトする。
カソード電極15については、高周波特性のファクターであるインダクタ成分を低くするため、ボンディングワイヤを多く固着する必要があり、そのためにチップの半分を占める領域をカソードボンディングパッド15aとしている。
アノード及びカソードボンディングパッド14a、15aにはステッチボンドによりボンディングワイヤが固着される。アノードボンディングパッド14aの面積は60×70μm2であり、カソードボンディングパッド15aの面積は180×70μm2である。ステッチボンドによる接続では、1回のボンディングにより2本のボンディングワイヤを接続できる。従って、ボンディング面積が小さいものでも、高周波特性のパラメータであるインダクタ成分を小さくでき、高周波特性の向上に寄与することができる。
また、図5に示すように、アノード電極14とカソード電位となる動作領域100周辺部の交差部分は斜線で示す領域のみとなり、この部分の面積は約100μm2である。これは、従来(図21)の1300μm2と比較して1/13程度まで縮小できる。従って、交差部分の面積の低減に伴い、この領域で発生する寄生容量も低減できる。つまり、従来の如く、ポリイミド厚みを大きくすることによりアノード−カソード間の寄生容量を抑制する必要が無いので、ポリイミド層は薄い窒化膜51で代用できる。
また、ポリイミドが不要になるため、そのテーパー形状によって大きく離間されていたショットキー電極11とオーミック電極8の距離を大幅に低減できる。具体的には、ショットキー電極11の端部とオーミック電極8の離間距離は7μmから1μmまで低減できる。
更に、ショットキー電極11とキャップ層37との離間距離はキャップ層37のサイドエッチング距離と同じ0.4μmである。すなわち、従来と比べ、離間距離は6%に低減できることになる。キャップ層37は、キャリアの移動経路でありほぼオーミック電極8と同じ低抵抗の効果がある。つまり、離間距離が縮小できれば寄生抵抗としてのカソード抵抗をより低減でき、高周波特性の向上に大きく寄与することができる。
また、チップの小型化に寄与することになり、チップサイズでは従来0.27×0.31mm2のサイズであったものが、0.25×0.25mm2までシュリンクできる。サイズとしてはボンディングパッドを配置する必要性や、組立時にハンドリングできるチップサイズの限界があるため0.25mm角が現状での限界であるが、動作領域としては1/10程度まで大幅にシュリンクできるため、動作領域100を配置する自由度が大変大きくなる。すなわち、1つのチップ内に複数のショットキー電極11を設けることもできる。
図6から図8を参照して、第2実施形態および第3実施形態として複数のショットキー電極11を配置した例を説明する。尚、何れの場合も動作領域100は第1実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
第2実施形態は、図6の如く1つのSBD(アノード電極)に対して複数のショットキー電極11を設けた場合である。
1つのチップ内に、円形のショットキー電極11を複数設け、複数の枝を形成した1つのアノード電極で配線する。これにより、ショットキー電極11が並列に接続されることになり、カソード抵抗の低減に寄与できる。
また、ショットキー電極11の直径を小さくして複数個配置してもよい。トータルのショットキー電極11の面積(ショットキー接合面積)を図1と同等に維持した場合、ショットキー電極11の中心とオーミック電極8との離間距離が更に低減でき、オーミック電極8側でのキャリアのトラップが効果的になる。これにより、カソード抵抗の値が小さくなり、高周波特性が更に向上できる利点を有する。
一方、第3実施形態は図7および図8の如く1つのチップ内に複数のSBDを集積化した場合である。図7(A)が平面図、図7(B)が等価回路図であり、図8が図7のb−b線断面図である。
この集積型SBDは一般にTee型と呼ばれるもので、2つのSBD20a、20bを1チップに集積化し、共通端子CM、アノード端子A、カソード端子Kが設けられる。
2つのSBD20a、20bは共通端子CMと接続される電極16(以下、共通電極16と称する)により連結される。つまり、共通電極16は、アノード端子Aと接続されるSBD20aとも接続され、カソード端子Kと接続されるSBD20bとも接続される。
更に詳述すると、共通電極16は、アノード端子Aがアノード電極14に接続されるSBD20aのカソード電極15であり、尚且つカソード端子Kがカソード電極15に接続されるSBD20bのアノード電極14となるものである。
これにより、図7(B)の回路図に示す如く、2個のSBD20a、20bを有し、アノード端子Aがアノード電極14に接続されるSBD20aのカソード電極15と、カソード端子Kがカソード電極15に接続される他のSBD20bのアノード電極14とが接続された集積型SBDを構成している。
共通電極16は、チップの対角線上に設けられ、チップコーナー部には共通端子CMとなるボンディングワイヤが固着される。このワイヤボンド領域はチップの向きによらず電極が取り出せるように2箇所に設けられる。また、図7および図8からも明らかなように、共通電極16は、SBD20aのカソード電極15であり、SBD20bのアノード電極14となっている。
アノード電極14、カソード電極15および共通電極16はコンタクトホールCHを介して基板表面と直接コンタクトする。
図7の如く、絶縁化領域60は、アノード端子A、カソード端子Kおよび共通端子CMが接続するワイヤボンド領域を囲んで設けられ、これにより図8の如く、1チップ上に設けられた2つのSBD20a、20bの、アノード電位とカソード電位をそれぞれ分離している。同時に、この絶縁化領域60により、1チップ上に設けられた2つのSBD20aと20bの動作領域100をそれぞれ分離している。これにより、例えばアノード電位とカソード電位を厚いポリイミド層によって分離し、各SBDの動作領域をトレンチで分離するような構造(特許文献1参照)と比較して、マスク合わせの精度が格段に向上する。従って、各製造工程におけるマスク合わせの距離のマージンを大きく取る必要が無くなる利点を有する。すなわち、厚い層間絶縁膜であるポリイミド層が不要となるため、テーパーやそのばらつきによる距離のマージンも不必要となり、チップサイズの縮小に大幅に寄与できる。
図9から図11を参照し、本発明の第4実施形態を説明する。第4実施形態の平面図は、図4および図5と同様であり、図9から図11は、それぞれ図4のa−a線断面図である。
第4実施形態は、第1実施形態において1層であったノンドープ層41を複数層設けた構造である。すなわち、電子供給層33bと安定層40間に、3層のノンドープ層が配置される。3層のノンドープ層は、1層のInGaP層および2層のAlGaAs層である。そして、それぞれ互いにエッチングストップ層となるInGaP層とAlGaAs層を繰り返し積層し、所望のいずれか1つのノンドープ層表面にショットキー電極11を配置する。ショットキー電極11を配置するノンドープ層を異ならせることにより、耐圧およびカソード抵抗値を異ならせることができる。尚、以下第1実施形態と同様の構成については省略して説明する。
まず、図9は、第3ノンドープ層43表面にショットキー電極11を設ける場合を示す。
図9のごとく、基板30は半絶縁性GaAs基板31上に複数の半導体層を積層してなる。複数の半導体層は、ノンドープのバッファ層32、第1電子供給層33a、スペーサ層34、チャネル(電子走行)層35、スペーサ層34、第2電子供給層33b、第1ノンドープ層41、第2ノンドープ層42、第3ノンドープ層43、安定層40、キャップ層37をこの順で積層したものである。
第1ノンドープ層41は、第2電子供給層33bと当接してその上に設けられ、両者は格子整合する。第1ノンドープ層41はノンドープのAlGaAs層であり膜厚は150Åである。チャネル層35に近い部分に結晶歪みが少しでも発生する場合があると、良好なSBDの特性を再現性良く得ることができない。しかし第1ノンドープ層41は、チャネル層35に近い第2電子供給層33bと同じAlGaAs層のため、チャネル層35に近い部分に結晶歪みが発生する要素を完全に無くすことができる。
第2ノンドープ層42は、第1ノンドープ層41と当接してその上に設けられ、第1ノンドープ層と格子整合する。第2ノンドープ層42はノンドープのInGaP層であり膜厚は100Åである。又、第2ノンドープ層42は、その上に当接する第3ノンドープ層43を、後に詳述する第2ノンドープ層42表面または第1ノンドープ層41表面にショットキー電極11を形成する場合において、エッチングする際の、エッチングストップ層として機能する。
第3ノンドープ層43は、第2ノンドープ層42と当接してその上に設けられ、第2ノンドープ層と格子整合する。第3ノンドープ層43はノンドープのAlGaAs層であり膜厚は100Åである。
第1乃至第3ノンドープ層のトータル厚みは8V程度の耐圧と従来のSBDより低いカソード抵抗が得られるよう設計されている。
安定層40は、第3ノンドープ層43と当接してその上に設けられ、第3ノンドープ層43と格子整合する。また、安定層40はその上層のキャップ層37とも格子整合する。安定層40は、酸化しにくいため外部からの化学的ストレスに強く信頼性上安定なノンドープInGaP層またはドープドInGaP層であり、膜厚は100Åである。前述の如く、安定層40によって、窒化膜のプラズマエッチングから動作領域100を保護することができる。また安定層40は、その上層のキャップ層37のエッチングストップ層としても機能し、キャップ層37と同じパターンでエッチングされている。
このように、それぞれ互いにエッチングストップ層となるInGaP層とAlGaAs層を繰り返し積層した構造とすることにより、所定の耐圧とカソード抵抗を容易に且つ再現性よく実現することができる。また、InGaP層をGaAs層およびノンドープAlGaAs層と格子整合させることにより、結晶の歪みを回避し、スリットなどの結晶欠陥を防止できる。
動作領域100は、バッファ層32に達する絶縁化領域60で分離される。動作領域100は、絶縁化領域60で分離され、ショットキー電極11、オーミック電極8が配置される領域の半導体層をいう。すなわち電子供給層33、チャネル(電子走行)層35、スペーサ層34、第1〜第3ノンドープ層41〜43、安定層40、キャップ層37などのSBDを構成する各半導体層をすべて含んだトータルとしての領域が動作領域100となる。
ショットキー電極11は、オーミック電極8に囲まれ、露出した動作領域100の第3ノンドープ層43表面に蒸着により形成される。また蒸着金属の最下層金属(Pt)の一部は熱処理により動作領域100表面に埋め込まれる。埋め込み部11bの底部は、第3ノンドープ層43を貫通して第2ノンドープ層42に達する。すなわち、埋め込み部11bを含むショットキー電極11は、第2ノンドープ層42および第3ノンドープ層43とショットキー接合を形成する。
前述の如く、安定層40は製造工程中にプラズマエッチングのダメージを受ける。そこで、図9の構造では、ダメージを受けた安定層40を除去し、清浄な第3ノンドープ層43表面に、ショットキー電極11を形成する。
つまり、ショットキー電極11から電子供給層33(第2電子供給層33b)に至るまでの間に不純物が添加された層が無く、実質的に電子供給層33にノンドープ層として連続する第3ノンドープ層43に、ショットキー電極11が設けられたこととなる。
このように、ダブルへテロ接合構造で、電子供給層33に連続するノンドープ層にショットキー電極が設けられた構造により、電子供給層の濃度を2.6×1018cm−3まで上げることができる。すなわち、従来6V程度であったSBDの耐圧を8V程度まで向上させながら、従来のSBDより低いカソード抵抗を実現することができる。
低いカソード抵抗を確保しながら、比較的高い耐圧が得られるもう1つの理由は、ショットキー電極11が動作領域100表面に埋め込まれているからである。すなわち図21に示す従来のSBDではショットキー接合の端の部分が角ばった形状であったのに対し、本発明ではショットキー電極の埋め込み部11bの端の部分が湾曲しているため、電界強度が弱められている。
第1ノンドープ層41、第3ノンドープ層43はAlGaAs層であり、第2ノンドープ層42、安定層40はInGaP層である。InGaP層とAlGaAs層は互いに、ウェットエッチングにおけるエッチングの選択比が高いため、容易に所望の層の表面を露出させることができる。
第3ノンドープ層43は、プラズマダメージを受けた安定層40を選択エッチングにより除去し、清浄なノンドープ層にショットキー電極11を形成するために設けられる。また第2ノンドープ層42および第1ノンドープ層41はそれぞれ第4実施形態の他の形態においてその表面にショトキ接合を形成するために設けられる。
図10は、第2ノンドープ層42表面にショットキー電極11を設ける場合を示し、安定層40および第3ノンドープ層43が、それらの上層のキャップ層37と同じパターンでエッチングされている。
そして、ショットキー電極11は、オーミック電極8に囲まれ、露出した動作領域100の第2ノンドープ層42表面に蒸着により形成される。また蒸着金属の最下層金属(Pt)の一部は熱処理により動作領域100表面に埋め込まれる。埋め込み部11bの底部は、第2ノンドープ層42を貫通して第1ノンドープ層41に達する。すなわち、埋め込み部11bを含むショットキー電極11は、第1ノンドープ層41および第2ノンドープ層42とショットキー接合を形成する。
図10の構造においても、プラズマダメージを受けた安定層40を選択エッチングにより除去し、清浄なノンドープ層にショットキー電極11を形成できる。またウェットエッチングで容易に所望の層の表面を露出させることができる。
すなわち、安定層40および第3ノンドープ層43をエッチングする場合であっても、それぞれウエット方式の選択エッチングで除去できるので、容易に第2ノンドープ層42表面を露出することができる。
GaAsとAlGaAsはAlのモル比率がどのような値であっても常に格子整合されているが、InGaPとGaAsあるいはAlGaAsは、InGaPにおいてInが49%、Gaが51%のモル比率の場合のみ格子整合する。本実施形態ではInGaPの結晶成長の条件を上記の如く設定することにより、GaAsあるいはAlGaAsと格子整合させる。これにより、結晶に歪みが生じることを抑制し、スリットなどの結晶欠陥が発生してしまう危険性も回避できる。
図10の構造では、従来6V程度であったSBDの耐圧を20V程度まで向上させながら、従来のSBDと同等程度のカソード抵抗を実現することができる。特にショットキー電極11をAlGaAs層よりバンドギャップの大きいInGaP層の表面に形成するため、比較的大きな耐圧を得ることができる。
図11は、第1ノンドープ層41表面にショットキー電極11を設ける場合を示し、安定層40、第3ノンドープ層43および第2ノンドープ層42が、それらの上層のキャップ層37と同じパターンでエッチングされている。
そして、ショットキー電極11は、オーミック電極8に囲まれ、露出した動作領域100の第1ノンドープ層41表面に蒸着により形成される。また蒸着金属の最下層金属(Pt)の一部は熱処理により動作領域100表面に埋め込まれる。埋め込み部11bの底部は、第1ノンドープ層内に位置する。すなわち、埋め込み部11bを含むショットキー電極11は、第1ノンドープ層41とショットキー接合を形成する。
図11の場合でも、プラズマダメージを受けた安定層40を選択エッチングにより除去し、更に第3ノンドープ層43および第2ノンドープ層42を除去した清浄な第1ノンドープ層41にショットキー電極11を形成できる。またウェット方式の選択エッチングで容易に所望の層の表面を露出させることができる。
第4実施形態の中で図11の構造がゲート電極の位置が最も低く、その分チャネルの厚みが最も薄いため、この3種類の中で最もカソード抵抗が高く、耐圧も最も高い。すなわち、従来のSBDよりカソード抵抗は若干大きくなるが、従来6V程度であったSBDの耐圧を25〜30V程度まで大幅に向上させることができる。チャネルの厚みが薄いほど耐圧が上がるのは、ショットキー接合に逆バイアスが印加されたとき、空乏層が延びる方向において、垂直方向への延びが薄いチャネルによりすぐ終了し、その後水平方向に延びる距離の比率が垂直方向の距離に比べて非常に大きくなるからである。すなわちその分、ショットキー接合の電界強度が大幅に弱められ、耐圧が大幅に向上する。また本実施形態では埋め込みゲート電極のため、埋め込み部11bの形状が丸い。その結果ショットキー接合の電界強度が弱められ、耐圧がさらに向上する。耐圧が上がれば、静電破壊電圧も向上する。従来のSBDは非常に静電破壊電圧が低く、取り扱いが難しいため、特別の配慮が必要であった。しかし静電破壊電圧を向上させることにより、他のデバイスと同様の取り扱い方法を採用することができる。
第4実施形態では、図9〜図11の構造によってそれぞれ異なるカソード抵抗および耐圧を得ることができる。すなわち、第1〜第3ノンドープ層41〜43および安定層40、ショットキー電極11を同じ条件で形成した場合、図9の構造がゲート電極の位置が最も高く、その分チャネルの厚みが最も厚いため、この3種類の中で最もカソード抵抗が低く、耐圧も最も低い。図10の構造では、ゲート電極の位置は図9および図11の構造の間にあり、チャネルの厚みも同様に図9および図11の構造の間にある。従って、電気的特性においてもカソード抵抗および耐圧が中間の値をもつ。第4実施形態の中で図11の構造のゲート電極の位置が最も低く、その分チャネルの厚みが最も薄いため、この3種類の中で最もカソード抵抗が高く、耐圧も最も高い。
このように、第4実施形態によれば、同じ基板を使用し、ショットキー電極11の形成位置を変えるのみで、耐圧およびカソード抵抗を変化させることができる。
尚、第4実施形態は、図6の第2実施形態のように1つのアノード電極に対してショットキー電極を複数設けた場合や、図7の第3実施形態ような集積型SBDにも同様に適用できる。
図12から図20に本発明のSBDの製造方法を詳細に示す。尚、図12〜図19には第1実施形態の製造方法について説明するが、第2および第3実施形態であっても同様である。
第1工程(図12):化合物半導体基板上にバッファ層、第1電子供給層、チャネル層、第2電子供給層、ノンドープ層、安定層、キャップ層を積層し、絶縁化領域により動作領域を分離する工程。
半絶縁性GaAs基板31上に複数の半導体層を積層した基板30を準備する。半導体層は、バッファ層32、第1電子供給層33a、スペーサ層34、チャネル(電子走行)層35、スペーサ層34、第2電子供給層33b、ノンドープ層41、安定層40、キャップ層37の順に積層される。
ノンドープのバッファ層32は、不純物が添加されていない高抵抗層であり、その膜厚は、数千Å程度で、複数の層で形成される場合が多い。
バッファ層32上に、第1電子供給層のn+型AlGaAs層33a、スペーサ層34、チャネル層のノンドープInGaAs層35、スペーサ層34、第2電子供給層のn+型AlGaAs層33bを順次形成する。電子供給層33は、チャネル層35よりバンドギャップが大きい材料が用いられ、n型不純物(例えばSi)が2〜4ラ1018cm−3程度(例えば2.6×1018cm−3)に添加されている。
ノンドープ層41は、所定の耐圧を確保するため、第2電子供給層33b上に積層され、第2電子供給層33bと格子整合するノンドープAlGaAs層である。その上層に酸化しにくいため外部からの化学的ストレスに強く信頼性上安定な安定層40を設ける。安定層40は、ノンドープ層41と格子整合するノンドープInGaP層またはドープドInGaP層であり、エッチストップ層としても機能する。更にキャップ層となるn+型GaAs層37を最上層に積層する。安定層40はキャップ層37とも格子整合する。
安定層40は、100Åの膜厚であり、その下層のノンドープ層41は、250Åの膜厚である。また、キャップ層37は、1000Åであり、不純物濃度は、3×1018cm−3以上である。
そして、基板30全面に、初期窒化膜50を堆積する。初期窒化膜50は、ウェハ投入後の基板表面の保護膜となる。または、後の工程で絶縁化領域を形成する際に注入される不純物の活性化アニールの保護膜となる。あるいは、これらの両方に共用される。
レジスト(不図示)を設けてフォトリソグラフィプロセスによりアライメントマークのパターンが開口されたマスクを形成する。このマスクにより初期窒化膜50およびキャップ層37の一部をエッチングしてアライメントマーク(不図示)を形成する。
レジスト除去後新たなレジスト(不図示)を設けてフォトリソグラフィプロセスにより絶縁化領域を形成するためのマスクを形成する。初期窒化膜50上からボロン(B+)をイオン注入し、レジストを除去した後、500℃、30秒程度のアニールを行う。これにより、バッファ層32に達する絶縁化領域60が形成される。
絶縁化領域60は、電気的に完全な絶縁ではなく、不純物(B+)をイオン注入することによりエピタキシャル層にキャリアトラップを設け、絶縁化した領域である。つまり、絶縁化領域60にもエピタキシャル層として不純物は存在しているが、絶縁化のためのB+注入により不活性化されている。すなわち、所定のパターンに絶縁化領域60を形成することにより、SBDの動作領域100を、ボンディングパッド領域など他の構成要素から分離する(図12(A))。
その後、全面の初期窒化膜50を除去する。表面には、キャップ層37が露出する。本工程で、ウェハ投入後表面の保護のために堆積した初期窒化膜50および/又は絶縁化領域60のイオン注入の活性化アニールの際の保護膜として堆積した初期窒化膜50が除去される。本工程で初期窒化膜50を全面除去することにより、後の窒化膜を均一な膜厚に形成することができる(図12(B))。
第2工程(図13):動作領域のキャップ層の一部とコンタクトする第1電極を形成する工程。
新たなレジストPRを全面に塗布し、フォトリソグラフィプロセスによりオーミック電極を形成するためのマスクを形成する。そして全面にオーミック金属層110(AuGe/Ni/Au)を蒸着する。
その後、リフトオフし、アロイする。これにより、動作領域100のキャップ層37とオーミック接合を形成するオーミック電極8が形成される。オーミック電極8は、ショットキー電極の形成領域を丸くくりぬいた形状にパターンニングされる(図4参照)。
第3工程(図14):全面に第1絶縁膜を形成する工程。
全面に、第1窒化膜511を形成する。この第1窒化膜511は、ショットキー電極形成におけるリセスエッチングのマスクとなる。第1窒化膜511は、ほぼ均一な膜厚および膜質で、オーミック電極8の側面および上面と、これらの付近のキャップ層37に密着して被覆する。すなわちオーミック電極8とキャップ層37の段差はまんべんなく覆われ、これらの間に隙間Gが発生することはない。
従って、以降の製造工程中、またはウェハ完成後において薬液及び水分から、オーミック電極8の付近のキャップ層37表面を完全に保護することができる。これによりガルバニック効果の発生を防止できる。
また、第1窒化膜511は、最終構造(図1)においてオーミック電極8の周囲を被覆する窒化膜51を構成する。
第4工程(図15および図16):第1電極に囲まれた領域の第1絶縁膜の一部を除去し、第1絶縁膜をマスクとしてキャップ層および安定層の一部を除去しノンドープ層を露出する工程。
ショットキー電極形成のために新たなレジストPRを設ける。フォトリソグラフィプロセスによりショットキー電極の形成領域がパターンニングされたマスクを形成する。そして、マスクの開口部分に露出した第1窒化膜511を除去して開口部OPを形成する。この開口部OPの開口径がショットキー電極の直径となる(図15(A))。
その後、ショットキー電極形成のためのリセスエッチングを行う。すなわち第1窒化膜511の開口部OPに露出したキャップ層37を更にウェットエッチングにより除去する。開口部OPには安定層40であるノンドープInGaP層が露出する。
また、キャップ層37は耐圧を確保するため、開口部OPより大きい所定の寸法にサイドエッチングされる。所定の寸法とは、例えば後に形成されるショットキー電極から0.4μmの距離である。このときキャップ層のGaAs層とその下の安定層のInGaP層とは選択エッチングされるため、サイドエッチングの際InGaP層がエッチングされることは無い。また、キャップ層37のサイドエッチングにより、キャップ層37の端部から張り出した開口部OP付近の第1窒化膜511は、ひさし部Eとなる(図15(B))。
キャップ層37から張り出した第1窒化膜511のひさし部Eは表面にレジストが密着しているため、裏側からプラズマエッチングにより除去する。すなわち、サイドエッチにより第1窒化膜511の開口部OPより後退したキャップ層37、安定層40、第1窒化膜511、およびレジストにより形成される袋状の部分にフッ素ラジカルを滞留させることにより、ひさし部Eを裏側からプラズマエッチングし、これを除去する(図16(A))。
ひさし部Eを除去する際ドライエッチングのプラズマにさらされる動作領域100表面は安定なInGaP層40で覆われているため、動作領域100にダメージを与えずに、エッチングができる。また、ドライエッチングであるので、ひさし部Eのみ除去することができ、第1窒化膜511はオーバエッチングされることはない。
その後、レジストPRをそのままに、プラズマのダメージを受けたInGaP層40をエッチングし、ショットキー電極形成領域のノンドープ層41表面を露出させる(図16(B))。
このとき、安定層であるInGaP層40と、AlGaAs層(ノンドープ層)41は、エッチングの選択性がよい。従来の製造方法では、ショットキー接合を形成する動作層の厚みコントロールにおいて、エッチング時間や温度、更にエッチング液内でのウェハの振り幅、振りスピードなどの精密なコントロールが大変困難である上、エッチング液を所定の鮮度保持時間内で使用することが要求される。しかし、本発明の製造方法に依れば、選択エッチングによりAlGaAs層41表面を再現性よく露出させることができる。これにより、正確な位置にショットキー接合を再現性よく形成できる。従って、特性の安定したSBDを製造できる利点を有する。
第5工程(図17):動作領域のノンドープ層の表面に第2電極を形成する工程。
全面にショットキー金属層120を蒸着する。ショットキー金属層120は、例えばPt/Moであり、蒸着膜厚は、Ptが55Å、Moが50Åである(図17(A))。
その後、リフトオフし、第2電子供給層33bに連続する清浄なノンドープ層41表面にショットキー金属層120によるショットキー電極11を形成する(図17(B))。
第6工程(図18):ショットキー電極の最下層金属の一部を熱処理により動作領域表面に埋め込む工程。
ショットキー電極11の最下層金属のPtを埋め込む熱処理を施す。これにより、ショットキー電極11のPtはノンドープ層41とショットキー接合を保ったまま一部が動作領域100に埋め込まれ、埋め込み部11bが形成される。
第7工程(図19):少なくとも第2電極の端部およびその周囲のノンドープ層を連続して被覆する第2絶縁膜を形成する工程。
全面にパッシベーション膜となる第2窒化膜512をデポジションする。ショットキー電極11と、その周辺に露出したノンドープ層41は、第2窒化膜512により被覆される。このとき、第1窒化膜511はほぼ均一な厚みで、オーミック電極8とその端部周辺のキャップ層37を覆っている。従って、第1窒化膜511上に形成する第2窒化膜512も、成膜の密度が均一となり、これらをまんべんなく被覆することができる。従って、ウェハ完成後においても水分または薬剤などの滲入を防ぎ、ガルバニック効果を防止できる(図19(A))。また、第2窒化膜512も、最終構造(図1)で、各電極周囲を被覆する窒化膜51を構成する(図19(A))。
その後、新たなレジスト(不図示)を設けてコンタクトホール形成のためのマスクを形成し、ショットキー電極11上の第2窒化膜512および、カソード電極とコンタクトするオーミック電極8上の第1窒化膜511、第2窒化膜512をエッチングする。また、アノードボンディングパッドおよびカソードボンディングパッドの形成領域の基板30表面を被覆する第1窒化膜511および第2窒化膜512をエッチングする。これにより、ショットキー電極11、カソード電極側のオーミック電極8、アノードボンディングパッドおよびカソードボンディングパッドの形成領域上にコンタクトホールCHが形成され、その深さは、第1窒化膜511および第2窒化膜512を両方エッチングする場合、それらの合計膜厚となる。(図19(B))。
第8工程(図1):第1絶縁膜および第2絶縁膜に設けたコンタクトホールを介して第1電極および第2電極にそれぞれコンタクトする第1配線電極および第2配線電極を形成する工程。
新たなレジスト(不図示)を設けてマスクを形成し、パッド金属層(Ti/Pt/Au)130を蒸着、リフトオフする。これにより、ショットキー電極11およびオーミック電極8にそれぞれコンタクトするアノード電極14、カソード電極15が形成される。また、アノード電極14の一部は動作領域100外に延在され、別の島領域に形成されるアノードボンディングパッド14aとなる。更にカソード電極15の一部は動作領域100内に形成されるカソードボンディングパッド15aとなる(図1および図4参照)。
尚、図示は省くがボンディングパッド部分のジャケット窒化膜にはワイヤボンド用の開口が設けられる。
ここで、アノード電極14およびカソード電極15は、通常のリフトオフ法で形成する蒸着金属である。更に、アノード電極14およびオーミック電極が重畳する領域における層間絶縁膜は窒化膜51であり、ボンディングパッドも基板に直接固着できるので、ポリイミド層が省略できる。これにより、従来ポリイミド層上に形成され、ポリイミド層が軟らかいため厚く設けていた配線およびボンディングパッドを形成するAuメッキ工程を省略することができる。寄生容量を減らすよう厚く形成するため数回にわたるコーティングを行うポリイミド層形成工程およびAuメッキ工程が省略できれば、製造フローを簡略化し、効率的にショットキーバリアダイオードを製造できる。
化合物半導体ショットキーバリアダイオードは前工程を完成すると、組み立てを行う後工程に移される。ウェハ状の半導体チップはダイシングされて、個別の半導体チップに分離され、フレーム(図示せず)にこの半導体チップを固着した後、ボンディングワイヤで半導体チップのボンディングパッド14a、15aと所定のリード(図示せず)とを接続する。ボンディングワイヤとしては金細線を用い、周知のステッチボンディングで接続される。その後、トランスファーモールドされて樹脂パッケージが施される。
尚、第4実施形態の製造方法についても、ショットキー電極11の形成工程を変えることで、第1実施形態と同様に実施できる。
以下、図20を参照して、第4実施形態の製造方法について、図9に示した構造を例に説明する。尚、第1実施形態と同一工程については説明を省略する。
第1工程(図20(A)):半絶縁性GaAs基板31上にバッファ層32、第1電子供給層33a、スペーサ層34、チャネル(電子走行)層35、スペーサ層34、第2電子供給層33b、第1ノンドープ層41、第2ノンドープ層42、第3ノンドープ層、安定層40、キャップ層37を積層した基板30を準備する。初期窒化膜50を堆積した後、絶縁化領域60を形成し、動作領域100を分離する。その後、初期窒化膜50を除去する。
その後、第1実施形態と同様の第2工程から第3工程を行う。
第4工程(図20(B)(C)):オーミック電極に囲まれた領域の第1絶縁膜の一部を除去し、第1絶縁膜をマスクとしてキャップ層および安定層の一部を除去しノンドープ層を露出する工程。
ショットキー電極の形成領域がパターンニングされたマスクを設けて第1窒化膜511の一部を除去し、開口部OPを形成する(図15(A)参照)。開口部OPに露出したキャップ層37をりん酸によるウェットエッチングにより除去し、更にサイドエッチングを行い、安定層40を露出させる(図20(B))。
キャップ層37の端部から張り出したひさし部Eをプラズマエッチングにより除去する(図16(A)参照)。その後レジストマスクをそのままに、InGaP層40を塩酸によるウェットエッチングにより除去し、第3ノンドープ層43を露出させる(図20(C))。
このように、本実施形態によれば、InGaP層とAlGaAs層の選択エッチングを利用して、エッチャントを変えることにより、所望の半導体層を再現性良く露出させることができる。
以下、第5工程において、第3ノンドープ層43表面にショットキー電極11を形成する。これ以降の工程は第1実施形態と同様である。
また、図示は省略するが、図10の構造の場合には、第4工程(図20(C))の状態から更にりん酸によって第3ノンドープ層43を除去し、第5工程において第2ノンドープ層42上にショットキー電極11を形成する。
同様に図11の構造の場合には、第4工程(図20(C))の状態から更に、更にりん酸によって第3ノンドープ層43を除去し、引き続き塩酸によって第2ノンドープ層42をも除去する。そして、第5工程において、第1ノンドープ層41上にショットキー電極11を形成する。
更に第4実施形態の場合には、材料として1種類の基板を使用し、ユーザニーズに合わせてプロセスをそれぞれ対応する条件に設定することにより、特性の異なる3種類のSBDを形成し分けることができる。
すなわち、第4実施形態では、電子供給層と安定層の間に複数のノンドープ層を配置し、いずれかのノンドープ層を選択してゲート電極11を形成する。これにより、同一ウエハでありながら、3種類の耐圧およびカソード抵抗を有するSBDをそれぞれ選択して形成することができる。
具体的には、本実施形態の製造方法は、ショットキー電極11の形成工程において、所望の耐圧およびカソード抵抗に応じて、複数のノンドープ層のうちいずれか1つのノンドープ層を選択して露出する工程を有する。そして選択した1つのノンドープ層表面にショットキー電極11を形成する。これにより1種類のウエハで、ユーザのニーズに合わせて異なる耐圧およびカソード抵抗を有するSBDの製造方法を提供できる。またそれぞれのノンドープ層はエッチングの選択比が互いに大きいため、所望のノンドープ層表面をウエットエッチングにより再現性良く露出させることができる。
従って、ユーザのニーズに合わせたSBDを容易に再現性よく、また効率よく提供できる。
8 オーミック電極
11 ショットキー電極
11b 埋め込み部
14 アノード電極
14a アノードボンディングパッド
15 カソード電極
15a カソードボンディングパッド
16 共通電極
20a、20b SBD
21 n+GaAs基板
22 n+型エピタキシャル層
23 n型エピタキシャル層
25 酸化膜
28 オーミック電極
300 ポリイミド層
310 ショットキー電極
310a ショットキー接合領域
340 アノード電極
350 カソード電極
30 基板
31 半絶縁性GaAs基板
32 バッファ層
33 電子供給層
33a 第1電子供給層
33b 第2電子供給層
34 スペーサ層
35 電子走行層
37 キャップ層
41 (第1)ノンドープ層
42 第2ノンドープ層
43 第3ノンドープ層
40、40’ 安定層
60 絶縁化領域
50 初期窒化膜
51 窒化膜
511 第1窒化膜
512 第2窒化膜
100 動作領域
110 オーミック金属層
120 ショットキー金属層
130 パッド金属層
208 オーミック電極
237 キャップ層
2511 第1窒化膜
2512 第2窒化膜
OP 開口部
CH コンタクトホール
E ひさし部
PR レジスト
G 隙間
GV 溝
11 ショットキー電極
11b 埋め込み部
14 アノード電極
14a アノードボンディングパッド
15 カソード電極
15a カソードボンディングパッド
16 共通電極
20a、20b SBD
21 n+GaAs基板
22 n+型エピタキシャル層
23 n型エピタキシャル層
25 酸化膜
28 オーミック電極
300 ポリイミド層
310 ショットキー電極
310a ショットキー接合領域
340 アノード電極
350 カソード電極
30 基板
31 半絶縁性GaAs基板
32 バッファ層
33 電子供給層
33a 第1電子供給層
33b 第2電子供給層
34 スペーサ層
35 電子走行層
37 キャップ層
41 (第1)ノンドープ層
42 第2ノンドープ層
43 第3ノンドープ層
40、40’ 安定層
60 絶縁化領域
50 初期窒化膜
51 窒化膜
511 第1窒化膜
512 第2窒化膜
100 動作領域
110 オーミック金属層
120 ショットキー金属層
130 パッド金属層
208 オーミック電極
237 キャップ層
2511 第1窒化膜
2512 第2窒化膜
OP 開口部
CH コンタクトホール
E ひさし部
PR レジスト
G 隙間
GV 溝
Claims (23)
- 化合物半導体基板と、
前記基板上に積層された、バッファ層、第1電子供給層、チャネル層、第2電子供給層、安定層、キャップ層、前記安定層と前記第2電子供給層間に設けられたノンドープ層と、
前記キャップ層に設けられた第1電極と、
前記ノンドープ層に設けられた第2電極と、
前記第1電極とコンタクトする第1配線電極と、
前記第2電極とコンタクトする第2配線電極と、
を具備することを特徴とするショットキーバリアダイオード。 - 前記安定層に接する前記ノンドープ層は、前記安定層とのエッチングの選択比が大きいことを特徴とする請求項1に記載のショットキーバリアダイオード。
- 互いにエッチングの選択比が大きい複数の前記ノンドープ層を交互に積層し、いずれか1つの前記ノンドープ層上に前記第2電極を設けることを特徴とする請求項1に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記安定層は、InGaP層であることを特徴とする請求項1に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記ノンドープ層は、AlGaAs層であることを特徴とする請求項1に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記複数のノンドープ層は、AlGaAs層、InGaP層、AlGaAs層をこの順に積層してなることを特徴とする請求項3に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記第2電極は埋め込み電極構造であることを特徴とする請求項1に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記第2電極がコンタクトする前記ノンドープ層は、前記第1電極がコンタクトする前記キャップ層より下層に位置することを特徴とする請求項1に記載のショットキーバリアダイオード。
- 連続して、前記第1電極の少なくとも側面と上面、およびその周囲の前記キャップ層を密着して覆う絶縁膜を設けることを特徴とする請求項1に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記第1配線電極は、前記キャップ層の表面に直接固着されることを特徴とする請求項1に記載のショットキーバリアダイオード。
- 前記第2電極を同一基板上に複数設けることを特徴とする請求項1に記載のショットキーバリアダイオード。
- 化合物半導体基板上にバッファ層、第1電子供給層、チャネル層、第2電子供給層、ノンドープ層、安定層、キャップ層を積層し、絶縁化領域により動作領域を分離する工程と、
前記動作領域のキャップ層の一部とコンタクトする第1電極を形成する工程と、
全面に第1絶縁膜を形成する工程と、
前記第1電極に囲われた領域の前記第1絶縁膜の一部を除去し、該第1絶縁膜をマスクとしてキャップ層および安定層の一部を除去し前記ノンドープ層を露出する工程と、
前記動作領域の前記ノンドープ層の表面に第2電極を形成する工程と、
少なくとも前記第2電極の端部およびその周囲の前記ノンドープ層を連続して被覆する第2絶縁膜を形成する工程と、
前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜に設けたコンタクトホールを介して前記第1電極および前記第2電極にそれぞれコンタクトする第1配線電極および第2配線電極を形成する工程と、具備することを特徴とするショットキーバリアダイオードの製造方法。 - 前記安定層および前記ノンドープ層の選択エッチングにより、前記ノンドープ層を露出することを特徴とする請求項12に記載のショットキーバリアダイオードの製造方法。
- 互いにエッチングの選択比が大きい複数のノンドープ層を交互に積層し、選択エッチングにより露出したいずれか1つの前記ノンドープ層上に前記第2電極を設けることを特徴とする請求項12に記載のショットキーバリアダイオードの製造方法。
- 前記複数のノンドープ層は、AlGaAs層、InGaP層、AlGaAs層をこの順に積層してなることを特徴とする請求項14に記載のショットキーバリアダイオードの製造方法。
- 前記第1絶縁膜をマスクとしてキャップ層の一部を除去した後、前記キャップ層から張り出した前記第1絶縁膜のひさし部を除去することを特徴とする請求項12に記載のショットキーバリアダイオードの製造方法。
- 前記ひさし部は、ドライエッチングにより除去することを特徴とする請求項16に記載のショットキーバリアダイオードの製造方法。
- 前記ひさし部を除去した後、前記安定層の一部を除去することを特徴とする請求項16に記載のショットキーバリアダイオードの製造方法。
- 前記安定層は、InGaP層であることを特徴とする請求項12に記載のショットキーバリアダイオードの製造方法。
- 前記ノンドープ層は、AlGaAs層であることを特徴とする請求項12に記載のショットキーバリアダイオードの製造方法。
- 前記第2電極の最下層金属の一部を熱処理により前記動作領域表面に埋め込むことを特徴とする請求項12に記載のショットキーバリアダイオードの製造方法。
- 前記絶縁化領域形成前に全面に初期絶縁膜を形成し、該初期絶縁膜を除去した後、前記第1絶縁膜を形成することを特徴とする請求項12に記載のショットキーバリアダイオードの製造方法。
- 化合物半導体基板上にバッファ層、第1電子供給層、チャネル層、第2電子供給層、互いにエッチングの選択比が大きい複数のノンドープ層、安定層、キャップ層を積層し、絶縁化領域により動作領域を分離する工程と、
前記動作領域のキャップ層の一部とコンタクトする第1電極を形成する工程と、
全面に第1絶縁膜を形成する工程と、
前記第1電極に囲われた領域の前記第1絶縁膜の一部を除去し、該第1絶縁膜をマスクとしてキャップ層および安定層の一部を除去し、選択エッチングにより1つの前記ノンドープ層を露出する工程と、
前記動作領域に露出した前記1つのノンドープ層の表面に第2電極を形成する工程と、
前記第2電極の最下層金属の一部を熱処理により前記動作領域表面に埋め込む工程と、
前記第2電極およびその周囲の前記ノンドープ層を被覆する第2絶縁膜を形成する工程と、
前記第1絶縁膜および前記第2絶縁膜に設けたコンタクトホールを介して前記第1電極および前記第2電極にそれぞれコンタクトする第1配線電極および第2配線電極を形成する工程と、具備し、
前記複数のノンドープ層のうちいずれかの前記1つのノンドープ層を選択し、該1つのノンドープ層表面に前記第2電極を形成することにより、異なる耐圧およびカソード抵抗を得ることを特徴とするショットキーバリアダイオードの製造方法。
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JP2005287715A JP2007103419A (ja) | 2005-09-30 | 2005-09-30 | ショットキーバリアダイオードおよびその製造方法 |
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JP2014123715A (ja) * | 2012-11-26 | 2014-07-03 | Canon Inc | 半導体装置、及びその製造方法 |
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- 2005-09-30 JP JP2005287715A patent/JP2007103419A/ja active Pending
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