JP2007103215A - 色素増感型太陽電池、その対向電極およびその対向電極の製造方法 - Google Patents

色素増感型太陽電池、その対向電極およびその対向電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】色素増感型太陽電池の対向電極の透過率を向上させることができ且つ色素増感型太陽電池の光電変換効率の低下を防止することができる、色素増感型太陽電池、その対向電極およびその対向電極の製造方法を提供する。
【解決手段】光電極2と対向電極3の対向電極との間に電解質4が封入された色素増感型太陽電池1において、対向電極3の透明の対向基板部材8上に透明導電性材料膜10が形成され、この透明導電性材料膜10の表面の一部に耐食性金属材料膜11が形成され、この耐食性金属材料膜11上に導電性触媒材料膜12が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、色素増感型太陽電池、その対向電極およびその対向電極の製造方法に関し、特に、光電極と対向電極との間に電解質が封入された色素増感型太陽電池、その対向電極およびその対向電極の製造方法に関する。
近年、環境問題の観点から、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池が注目を集めており、特に、製造コストを低減することができることから、色素増感型太陽電池が注目を集めている。従来の色素増感型太陽電池は、光電変換効率が低いために実用性に乏しかったが、最近、半導体電極を多孔質化して表面積を大きくすることにより、多量の色素を吸着させて、飛躍的に光電変換効率を向上させる技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
このような技術を用いた色素増感型太陽電池として、図7に模式的に示すように、光電極102と、対向電極103と、これらの間に封入された電解液104とから構成された色素増感型太陽電池101が知られている。
この色素増感型太陽電池101の光電極102は、基板部材105と、この基板部材105の表面に形成された透明電極膜106と、この透明電極膜106上に形成された酸化チタンなどからなる多孔性半導体電極膜107とから構成され、この多孔性半導体電極膜107に色素が吸着している。なお、多孔性半導体電極膜107は、透明電極膜106上に半導体粒子を含有する懸濁液を塗布し、乾燥した後に焼成することによって形成されている。
一方、色素増感型太陽電池101の対向電極103は、対向基板部材108と、この対向基板部材108上に形成された導電性材料膜110と、この導電性材料膜110上にコーティングされた白金などの触媒からなる導電性触媒材料膜112とから構成されている(例えば、特許文献2参照)。
この導電性触媒材料膜112と多孔性半導体電極膜107が所定の間隔で離間して対向するように基板部材105と対向基板部材108が配置され、導電性触媒材料膜112と多孔性半導体電極膜107の間に電解液104が封入されて、色素増感型太陽電池101が構成されている。
この色素増感型太陽電池101では、光電極102側から光が入射すると、多孔性半導体電極膜107の表面に吸着されている増感色素が可視領域の光を吸収して励起され、この増感色素の励起によって発生する電子が多孔性半導体電極膜107内を移動して透明電極膜106まで到達する。透明電極膜106まで移動した電子は、透明電極膜106と導電性材料膜110を導通する(図示しない)外部回路を経由して導電性材料膜110に移動する。導電性材料膜110まで移動した電子は、導電性触媒材料膜112を介して電解液104に移動し、電解液104中のイオンによって対向電極103側から光電極102側に運ばれて、多孔性半導体電極膜107の増感色素に戻る。このような作用を繰り返して電気エネルギーが取り出される。
特表平5−504023号公報(第1頁、図1) 特開2002−298936号公報(段落番号0018)
このような従来の色素増感型太陽電池101では、対向電極103の導電性触媒材料膜112の高価な白金などの触媒の使用量を少なくしてコストを削減するために、対向基板部材108上に耐食性の導電性材料(例えば、導電性酸化物として知られている酸化錫や酸化インジウム錫(以下、「ITO」という)などの金属酸化物)からなる導電性材料膜110を形成し、この導電性材料膜110上に白金などの触媒からなる導電性触媒材料膜112を薄くコーティングしている。
また、光電極102側だけでなく対向電極103側からも光を入射させることができるようにし、全体として略透明の所謂シースルータイプの太陽電池を作製することが望まれている。このような所謂シースルータイプの太陽電池を作製するために、対向電極103の対向基板部材108を透明な材料により形成するとともに導電性材料膜110を透明なITOにより形成しても、導電性材料膜110上にコーティングされる導電性触媒材料膜112が光をほとんど透過しない白金などの金属からなるので、導電性触媒材料膜112を薄くするなどの方法によって光を透過させる必要がある。
しかし、導電性触媒材料膜112を薄くし過ぎると、対向電極103の触媒能力が低下して、光電変換効率が低下するという問題がある。すなわち、対向電極103の透過率を向上させるために導電性触媒材料膜112を薄くするほど、光電変換効率が低下するという問題がある。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、色素増感型太陽電池の対向電極の透過率を向上させることができ且つ色素増感型太陽電池の光電変換効率の低下を防止することができる、色素増感型太陽電池、その対向電極およびその対向電極の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、光電極と対向電極との間に電解質が封入された色素増感型太陽電池において、基板部材上に形成された透明導電性材料膜の表面の一部に導電性触媒材料膜を形成することにより、色素増感型太陽電池の対向電極の透過率を向上させることができ且つ色素増感型太陽電池の光電変換効率の低下を防止することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による色素増感型太陽電池の対向電極は、対向基板部材と、この対向基板部材上に形成された透明導電性材料膜と、この透明導電性材料膜の表面の一部に形成された導電性触媒材料膜とを備え、透明導電性材料の表面の一部を除いた部分が導電性触媒材料膜で覆われていないことを特徴とする。この色素増感型太陽電池の対向電極において、導電性触媒材料膜が形成された透明導電性材料膜の表面の一部の面積が、透明導電性材料膜の表面の全体の面積の95%以下であるのが好ましい。また、導電性触媒材料膜を、所定の間隔で互いに離間した複数の島状部により形成してもよい。また、導電性触媒材料膜を、耐食性金属材料膜を介して透明導電性材料膜の表面の一部に形成してもよく、導電性触媒材料膜が、耐食性金属材料膜と略同一の平面形状を有するのが好ましい。さらに、耐食性金属材料膜がチタンからなる膜であるのが好ましく、導電性触媒材料膜が白金からなる膜であるのが好ましい。
また、本発明による色素増感型太陽電池は、上記の対向電極と、この対向電極に対向して配置され、増感色素を吸着または担持した多孔性半導体電極膜を備えた光電極と、これらの対向電極と光電極の間に封入された電解質とからなることを特徴とする。
さらに、本発明による色素増感型太陽電池の対向電極の製造方法は、対向基板部材上に透明導電性材料膜を形成する工程と、この透明導電性材料膜の表面の一部に導電性触媒材料膜を形成する工程とを備えたことを特徴とする。この色素増感型太陽電池の対向電極の製造方法において、導電性触媒材料膜が形成された透明導電性材料膜の表面の一部の面積が、透明導電性材料膜の表面の全体の面積の95%以下であるのが好ましい。また、導電性触媒材料膜を形成する工程が、透明導電性材料膜上に所定の形状のマスクを配置して導電性触媒材料膜を形成する工程であるのが好ましい。また、導電性触媒材料膜を形成する工程が、透明導電性材料膜の表面の一部に耐食性金属材料膜を形成し、この耐食性金属材料膜上に導電性触媒材料膜を形成する工程でもよい。この場合、導電性触媒材料膜を形成する工程が、透明導電性材料膜上に所定の形状のマスクを配置して耐食性金属材料膜を形成した後、マスクを配置した状態で導電性触媒材料膜を形成する工程であるのが好ましい。また、マスクとして、所定の間隔で互いに離間した複数の開口部を有する板状体からなるマスクを使用してもよい。さらに、耐食性金属材料膜がチタンからなる膜であるのが好ましく、導電性触媒材料膜が白金からなる膜であるのが好ましい。
本発明によれば、色素増感型太陽電池の対向電極の透過率を向上させることができるとともに、色素増感型太陽電池の光電変換効率の低下を防止することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明による色素増感型太陽電池、その対向電極およびその対向電極の製造方法の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明による色素増感型太陽電池の実施の形態を模式的に示している。図1に示すように、本実施の形態の色素増感型太陽電池1は、光電極2と、対向電極3と、これらの間に封入された電解質4とから構成されている。
光電極2は、透明(光透過性)の基板部材5と、この基板部材5の表面に形成された透明電極膜6と、この透明電極膜6上に形成され、増感色素を吸着・担持する多孔性半導体電極膜7とから構成されている。なお、基板部材5は、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタリン(PEN)、ポリオレフィン、ポリカーボネート(PC)などの透明樹脂材料、あるいは透明なガラス材料により形成されている。この基板部材5を透明樹脂材料により形成する場合には、射出成形、熱圧縮成形、押出し成形などによって形成することができる。
一方、対向電極3は、透明の対向基板部材8と、この対向基板部材8上に形成された透明導電性材料膜10と、この透明導電性材料膜10の表面の一部に形成された耐食性金属材料膜11と、この耐食性金属材料膜11上に形成された導電性触媒材料膜12とから構成されている。なお、対向基板部材8は、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタリン(PEN)、ポリオレフィン、ポリカーボネート(PC)などの透明樹脂材料、あるいは透明なガラス材料により形成されている。この対向基板部材8を透明樹脂材料により形成する場合には、射出成形、熱圧縮成形、押出し成形などによって形成することができる。
透明導電性材料膜10は、導電性酸化物として知られている酸化錫や酸化亜鉛などの金属酸化物などからなり、酸化インジウム錫(ITO)からなるのが好ましい。耐食性金属材料膜11は、チタン、タンタル、チタン合金またはタンタル合金からなり、チタンからなるのが好ましい。導電性触媒材料膜12は、白金、カーボンまたはパラジウムからなり、白金からなるのが好ましい。
図2および図3に示すように、本実施の形態では、透明導電性材料膜10の表面に、所定の間隔(1〜5000μm程度、好ましくは300μm以下)で互いに離間した(厚さが0〜20nm程度、好ましくは10nm程度の)略正六角形の多数の耐食性金属材料膜11が形成され、これらの耐食性金属材料膜11上には、それぞれの耐食性金属材料膜11と同一形状の(厚さが1〜100nm程度、好ましくは50nm程度の)導電性触媒材料膜12が形成されている。なお、隣接する耐食性金属材料膜11および導電性触媒材料膜12の間の間隔(離間距離)は、光電変換効率を考慮して適宜設定することができ、耐食性金属材料膜11および導電性触媒材料膜12のそれぞれの互いに対向する平行な側面間の間隔(幅)は、上記の離間距離と、必要な透過率とから適宜設定することができる。例えば、離間距離を20μm、耐食性金属材料膜11の厚さを10nm、導電性触媒材料膜12の厚さを50nmとし、耐食性金属材料膜11および導電性触媒材料膜12が形成されている部分がほとんど光を透過せず、耐食性金属材料膜11および導電性触媒材料膜12が形成されていない部分の透過率が90%程度とすると、50%の透過率を得るためには、耐食性金属材料膜11および導電性触媒材料膜12の幅を約40μmにすればよい。
なお、耐食性金属材料膜11および導電性触媒材料膜12の平面形状は、六角形に限らず、他の多角形でもよく、円形などの他の形状でもよい。また、耐食性金属材料膜11および導電性触媒材料膜12は、透明導電性材料膜10の表面の一部に形成されていればよく、互いに離間した多数の部分からなる必要はなく、例えば、格子状やハニカム状のように連続した形状を有してもよい。
上述した構造の色素増感型太陽電池1は、以下のように製造することができる。
まず、アルゴンガスと微量の酸素ガスを導入した(図示しない)真空装置内において、ITOをターゲット材とし、高周波放電により生成したプラズマを使用してスパッタリング処理を施すことにより、光電極2の透明の基板部材5の表面にITOからなる透明電極膜6を成膜する。
次に、このようにして形成された透明電極膜6上に、二酸化チタン(TiO)などからなる多孔性半導体電極膜7を形成する。この多孔性半導体電極膜7は、半導体粒子を含有する懸濁液を透明電極膜6上に塗布し、その塗布した懸濁液を乾燥した後に焼成することによって形成することができる。このようにして形成された多孔性半導体電極膜7に、光電変換機能を有する増感色素(例えば、ルテニウム錯体)を吸着・担持させる。なお、多孔性半導体電極膜7は、二酸化チタンの代わりに酸化亜鉛などによって形成してもよく、焼成法の代わりに電析法や水熱処理法などによって形成してもよい。
また、アルゴンガスと微量の酸素ガスを導入した(図示しない)真空装置内において、ITOをターゲット材とし、高周波放電により生成したプラズマを使用してスパッタリング処理を施すことにより、対向電極3の透明の対向基板部材8の表面にITOからなる透明導電性材料膜10を成膜する。
次に、図4に示すように所定の間隔で互いに離間した略同一の大きさの略正六角形の開口部が形成された板状体からなるマスク20を透明導電性材料膜10上に配置し、透明導電性材料膜10上に所定の間隔で互いに離間した略同一の大きさの略正六角形の多数の耐食性金属材料膜11を成膜する。チタンからなる耐食性金属材料膜11を成膜する場合には、ターゲット材としてチタンを使用し、高周波放電により生成したプラズマによりスパッタリング処理を施す。なお、マスク20の開口部の形状は、六角形である必要はなく、他の多角形または円形などの他の形状でもよい。また、耐食性金属材料膜11は、スパッタリング法の代わりに蒸着法やイオンプレーティング法などにより形成してもよい。
次に、マスク20を透明導電性材料膜10上に配置したまま、それぞれの耐食性金属材料膜11上に導電性触媒材料膜12を成膜する。白金からなる導電性触媒材料膜12を成膜する場合には、ターゲット材として白金を使用し、直流放電により生成したプラズマによりスパッタリング処理を施す。
このようにして形成された光電極2の多孔性半導体電極膜7と対向電極3の導電性触媒材料膜12が対向するように配置し、多孔性半導体電極膜7と導電性触媒材料膜12との間に電解質4を封入して、本実施の形態の色素増感型太陽電池1が完成する(図1参照)。なお、電解質4としては、通常、ヨウ素−ヨウ素化合物、臭素−臭素化合物などの酸化還元対を含有するレドックス電解液を使用することができる。また、電解質4として、液体状の電解質の他、ゲル化剤やP型半導体(CuI)などにより固体化した電解質を使用してもよい。
このようにして形成された色素増感型太陽電池1では、外部から太陽光が光電極2に入射すると、多孔性半導体膜7に吸着・担持された増感色素が励起され、増感色素の電子が基底状態から励起状態へ遷移する。励起された増感色素の電子は、多孔性半導体電極膜7を構成するTiOの伝導帯に注入され、透明電極膜6に移動し、この透明電極膜6から(図示しない)外部回路を経由して対向電極3の耐食性金属材料膜11に移動する。この耐食性金属材料膜11に移動した電子は、導電性触媒材料膜12を介して電解質4側に移動し、電解質4中のイオンに運ばれて増感色素に戻る。このような作用を繰り返して電気エネルギーが取り出される。
以下、本発明による色素増感型太陽電池、その対向電極およびその対向電極の製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
まず、ポリエチレンナフタレート(PEN)からなる基板部材5上にITOからなる透明電極膜(ITO膜)6が形成されたITO付き基板部材(一辺の長さが5cmの矩形の平面形状を有し、厚さが125μm、電気抵抗値が10Ω/□の板状部材)を用意した。このITO付き基板部材のITO膜6上に、低温成膜用チタニア塗布ペーストを厚さ50μmになるように塗布した後、150℃で5分間加熱してITO膜6上に膜厚5μmの多孔性半導体電極膜7を形成し、その後、多孔性半導体電極膜7にルテニウム錯体色素を吸着させた。このようにして、増感色素が吸着・担持された多孔性半導体電極膜7がITO膜6上に形成された光電極2を作製した。
また、ポリエチレンテレフタレート(PET)からなる対向基板部材8上にITOからなる透明導電性材料膜10が形成されたITO付き対向基板部材(一辺の長さが5cmの矩形の平面形状を有し、厚さが125μmの板状部材)を用意した。このITO付き対向基板部材の透明導電性材料膜10上に、互いに対向する平行な側面間の間隔が約50μmの略正六角形の多数の開口部が互いに一定の間隔(約20μm)で離間して形成された板状のステンレス製のマスク20を配置してスパッタリング処理を施すことにより、互いに対向する平行な側面間の間隔が約50μmの略正六角形の平面形状で厚さが約10nmのチタンからなる多数の耐食性金属材料膜11を成膜した。次に、マスク20を配置したまま、スパッタリング処理を施すことにより、それぞれの耐食性金属材料膜11上に厚さが約50nmの白金からなる導電性触媒材料膜12を成膜した。このようにして形成された対向電極3としての導電性フィルムのシート抵抗は10Ω/□であり、透過率は47%であった。
このようにして形成された光電極2の多孔性半導体電極膜7と対向電極3の導電性触媒材料膜12が対向するように配置し、多孔性半導体電極膜7と導電性触媒材料膜12との間に電解質4としてレドックス電解液を封入して、本実施例の色素増感型太陽電池1を作製した。
このようにして作製した色素増感型太陽電池1に、ソーラーシミュレータを用いて光照射エネルギー10mW/cmの疑似太陽光を照射し、電池特性試験を行った。また、比較例として、対向電極3の代わりに対向電極103を使用した以外、すなわち、導電性触媒材料膜112を対向電極103の全面に形成した以外は同一の構成を有するように図7に示す従来の色素増感型太陽電池101を作製し、同様の電池特性試験を行った。その結果を図5、図6および表1に示す。なお、図5は、本実施例の色素増感型太陽電池1と比較例の色素増感型太陽電池101に表面側(光電極側)から光を照射した場合の電流−電圧特性についての実験結果を比較して示し、図5は、本実施例の色素増感型太陽電池1と比較例の色素増感型太陽電池101に裏面側(対向電極側)から光を照射した場合の電流−電圧特性についての実験結果を比較して示している。また、表1において、Iscは色素増感型太陽電池の出力端子を短絡させたときに両端子間に流れる電流(短絡電流)、Vocは色素増感型太陽電池の出力端子を開放したときの両端子間の電圧(開放電圧)、f.f.は最大出力Pmax(=Imax・Vmax)を開放電圧Vocと電流密度Jsc(1cm当たりの短絡電流Isc)の積で除した値(曲線因子(Fill Factor)f.f.=Pmax/Voc・Jsc)、ηは最大出力Pmaxを(1cm当たりの)照射光量(W)で除した値に100を乗じてパーセントで表示した値(変換効率)を示している。
Figure 2007103215
図5および表1に示すように、本実施例の色素増感型太陽電池1と比較例の色素増感型太陽電池101の表面側(光電極側)から光を照射した場合には、本実施例の色素増感型太陽電池1では、比較例の色素増感型太陽電池101と比べて、短絡電流がそれ程減少しておらず(比較例では0.640mAであるのに対して、本実施例では0.622mA)、曲線因子も変化していないため(いずれも0.589)、変換効率がそれ程低下していない(比較例では2.43%であるのに対して、本実施例では2.34%)。一方、図6および表1に示すように、本実施例の色素増感型太陽電池1と比較例の色素増感型太陽電池101の裏面側(対向電極側)から光を照射した場合には、比較例の色素増感型太陽電池101では、光をほとんど透過しないので発電しないが、本実施例の色素増感型太陽電池1では、透過率が47%であり、短絡電流も比較的高く(0.228mA)、曲線因子も非常に高いため(0.584)、変換効率も比較例(変換効率がほぼ0%)と比べて非常に高くなっている(0.77%)。
[実施例2および3]
マスク20の開口部の互いに対向する平行な側面間の間隔を約30μm(実施例2)と約10μm(実施例3)にした以外は実施例1と同様の方法により、透過率68%(実施例2)と透過率89%(実施例3)の対向電極3を作製し、実施例1と同様の電池特性試験を行った。その結果を図5、図6および表1に示す。
図5、図6および表1に示すように、実施例2および3では、実施例1と同様に、色素増感型太陽電池1の表面側(光電極側)から光を照射した場合には、変換効率が比較例と比べてそれ程低下していないにもかかわらず、色素増感型太陽電池1の裏面側(対向電極側)から光を照射した場合には、変換効率が比較例(変換効率がほぼ0%)と比べて非常に高くなっているのがわかる。
本発明による対向電極を備えた色素増感型太陽電池を複数直列に接続し、あるいは、このように複数直列に接続した太陽電池列を並列に接続して、色素増感型太陽電池組立体を構成すれば、所望の電気エネルギーを得ることができる。また、所謂シースルーの色素増感型太陽電池を作製することもできる。
本発明による色素増感型太陽電池の実施の形態を模式的に示す断面図である。 図1に示す色素増感型太陽電池の対向電極を模式的に示す断面図である。 図2に示す色素増感型太陽電池の対向電極の平面図である。 図2に示す色素増感型太陽電池の対向電極の製造に使用するマスクの平面図である。 実施例と比較例の色素増感型太陽電池の光電極側から光を入射された場合の電流−電圧特性についての実験結果を比較して示す図である。 実施例の色素増感型太陽電池の対向電極側から光を入射させた場合の電流−電圧特性についての実験結果を比較して示す図である。 従来の色素増感型太陽電池を模式的に示す断面図である。
符号の説明
1…色素増感型太陽電池、2…光電極、3…対向電極、4…電解質、5…基板部材、6…透明電極膜(ITO膜)、7…多孔性半導体電極膜、8…対向基板部材、10…透明導電性材料膜、11…耐食性金属材料膜、12…導電性触媒材料膜、20…マスク

Claims (16)

  1. 対向基板部材と、この対向基板部材上に形成された透明導電性材料膜と、この透明導電性材料膜の表面の一部に形成された導電性触媒材料膜とを備え、前記透明導電性材料の表面の一部を除いた部分が前記導電性触媒材料膜で覆われていないことを特徴とする、色素増感型太陽電池の対向電極。
  2. 前記導電性触媒材料膜が形成された前記透明導電性材料膜の表面の一部の面積が、前記透明導電性材料膜の表面の全体の面積の95%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の色素増感型太陽電池の対向電極。
  3. 前記導電性触媒材料膜が、所定の間隔で互いに離間した複数の島状部からなることを特徴とする、請求項1または2に記載の色素増感型太陽電池の対向電極。
  4. 前記導電性触媒材料膜が、耐食性金属材料膜を介して前記透明導電性材料膜の表面の一部に形成されていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の色素増感型太陽電池の対向電極。
  5. 前記導電性触媒材料膜が、前記耐食性金属材料膜と略同一の平面形状を有することを特徴とする、請求項4に記載の色素増感型太陽電池の対向電極。
  6. 前記耐食性金属材料膜がチタンからなる膜であることを特徴とする、請求項4または5に記載の色素増感型太陽電池の対向電極。
  7. 前記導電性触媒材料膜が白金からなる膜であることを特徴とする、請求項1乃至6のいずれかに記載の色素増感型太陽電池の対向電極。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の対向電極と、この対向電極に対向して配置され、増感色素を吸着または担持した多孔性半導体電極膜を備えた光電極と、これらの対向電極と光電極の間に封入された電解質とからなることを特徴とする、色素増感型太陽電池。
  9. 対向基板部材上に透明導電性材料膜を形成する工程と、この透明導電性材料膜の表面の一部に導電性触媒材料膜を形成する工程とを備えたことを特徴とする、色素増感型太陽電池の対向電極の製造方法。
  10. 前記導電性触媒材料膜が形成された前記透明導電性材料膜の表面の一部の面積が、前記透明導電性材料膜の表面の全体の面積の95%以下であることを特徴とする、請求項9に記載の色素増感型太陽電池の対向電極の製造方法。
  11. 前記導電性触媒材料膜を形成する工程が、前記透明導電性材料膜上に所定の形状のマスクを配置して前記導電性触媒材料膜を形成する工程であることを特徴とする、請求項9または10に記載の色素増感型太陽電池の対向電極の製造方法。
  12. 前記導電性触媒材料膜を形成する工程が、前記透明導電性材料膜の表面の一部に耐食性金属材料膜を形成し、この耐食性金属材料膜上に前記導電性触媒材料膜を形成する工程であることを特徴とする、請求項9乃至11のいずれかに記載の色素増感型太陽電池の対向電極の製造方法。
  13. 前記導電性触媒材料膜を形成する工程が、前記透明導電性材料膜上に所定の形状のマスクを配置して前記耐食性金属材料膜を形成した後、前記マスクを配置した状態で前記導電性触媒材料膜を形成する工程であることを特徴とする、請求項12に記載の色素増感型太陽電池の対向電極の製造方法。
  14. 前記マスクが、所定の間隔で互いに離間した複数の開口部を有する板状体であることを特徴とする、請求項11または13に記載の色素増感型太陽電池の対向電極の製造方法。
  15. 前記耐食性金属材料膜がチタンからなる膜であることを特徴とする、請求項12または13に記載の色素増感型太陽電池の対向電極の製造方法。
  16. 前記導電性触媒材料膜が白金からなる膜であることを特徴とする、請求項9乃至15のいずれかに記載の色素増感型太陽電池の対向電極の製造方法。

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