JP2007101327A - 表面プラズモン共鳴センサおよびそれを用いた測定方法と測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 光ファイバと接続状態での取り扱い性を良好にでき、液状,ゲル状の被測定物質に浸漬させた形態で測定が行えて測定形態の自由度を増すことができ、小型化することができてコスト面に有利性がある表面プラズモン共鳴センサを提供すること
【解決手段】 センサチップ15はコア1へ導いた入射光を全反射により伝搬する光導波路をなし、クラッド2にはコア1に到達する開口部を設け、当該開口部に露呈するコア1の表面に金属薄膜4を設けて表面をセンシング部位(界面)とし、コア1の他方端に反射膜5を設けて導入光は反射膜5で反射して入射側へ戻す。測定系は、光源13からセンサチップ15に至る光の経路にサーキュレータ11を設け、センサチップ15側から反射して戻る出射光を検出器14へ導く。測定には被測定物質を金属薄膜4の表面に接触させ、センシング部位では光が往復で共鳴反応する。
【選択図】 図5
【解決手段】 センサチップ15はコア1へ導いた入射光を全反射により伝搬する光導波路をなし、クラッド2にはコア1に到達する開口部を設け、当該開口部に露呈するコア1の表面に金属薄膜4を設けて表面をセンシング部位(界面)とし、コア1の他方端に反射膜5を設けて導入光は反射膜5で反射して入射側へ戻す。測定系は、光源13からセンサチップ15に至る光の経路にサーキュレータ11を設け、センサチップ15側から反射して戻る出射光を検出器14へ導く。測定には被測定物質を金属薄膜4の表面に接触させ、センシング部位では光が往復で共鳴反応する。
【選択図】 図5
Description
本発明は、界面における表面プラズモン共鳴を検出する表面プラズモン共鳴センサおよびそれを用いた測定方法と測定装置に関するもので、より具体的には、コアと当該コアを覆うクラッドとを有して入射光を全反射により伝搬する光導波路をなすセンサチップについて光の伝搬経路の改良に関する。
分光測定に関して、界面におけるエバネッセント波,表面プラズモンを利用した測定法が知られており、両者の共鳴つまり表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)を検出するようにしたセンサがある。
表面プラズモン共鳴センサは、例えば特許文献1などに見られるようにチップ部品化している。この表面プラズモン共鳴センサの構成は、図1に示すように、コア1と当該コア1を覆うクラッド2とを有し、コア1へ導いた入射光を全反射により伝搬する光導波路になっていて、クラッド2にはコア1に到達する開口部3を設けるとともに、当該開口部3に露呈するコア1の表面に金属薄膜4を設けて当該表面をセンシング部位(界面)としている。
測定は、被測定物質10を金属薄膜4の表面に接触させ、コア1の一方端へ光を導き、他方端からの出射光をモニタする。このとき、コア1を伝搬する光は、金属薄膜4の表面(界面)では被測定物質10にまで光がしみだし、エバネッセント波となり、その波数kevは光導波路を伝搬する光の波数により決まる。また、金属薄膜4の表面では粗密波(表面プラズモン)が生じ、その波数kspは被測定物質10の屈折率と金属薄膜4の誘電率により決まる。
エバネッセント波の波数kevと表面プラズモンの波数kspが一致するとき、エバネッセント波のエネルギーは表面プラズモンの励起に使われて出射光の強度は減少する。すなわち、出射光の強度と波長との関係から、被測定物質10の屈折率を測定することができる。具体的には、入射光の波長を変えながら出射光の強度をモニタすることで強度が減少する波長を観測する。あるいは、白色光を入射させて出射光を分光することで強度が減少する波長を観測してもよい。
特開2002−148187号公報
しかしながら、上述の従来の表面プラズモン共鳴センサでは以下に示すような問題がある。すなわち、光の導入,導出のため、コア1の両端にそれぞれ光ファイバを接続することから、センサチップの両側に光ファイバが張り出す構成となる。このため取り扱いが良好とは言えず、小型化が難しい。つまり、光ファイバは電線のように急角度に折り曲げることができず、所定以上の曲率でしか屈曲できないため光ファイバの引き回し周囲のデッドスペースが大きくなり、小型化することができない。
また、被測定物質10が液状あるいはゲル状である場合などには、センサチップを当該物質内に浸した状態で測定を行いたいが、センサチップの両側に光ファイバが張り出す構成では取り扱いがわるく、光ファイバがじゃまになってセンサチップを浸漬することが困難となり、測定形態に制限がある。
そこでこの改善のための提案が様々なされている。例えば図2(a)に示すように、コア1をU字状に折り返す形状の光導波路に形成し、コア1の入射端と出射端とを同一端面とし、U字状の底部位に金属薄膜4を設けてセンシング部位とする構成がある。しかしこの場合でも、光導波路としてはU字状の曲がり部分の曲率に限度があり、曲率半径は10mm程度以下にはできない。このため、センサチップは幅方向に大きくなり、ウェハ当りのチップ取り数が減るのでコストが増す問題がある。
また、図2(b)に示すように、コア1はV字状の光導波路に形成し、コア1の入射端と出射端とを同一端面とするとともに、他方の端面にV字状の底部を位置させて当該端面に金属薄膜4を設けてセンシング部位とし、導入光を当該面で出射側へ反射させる構成がある。しかしこの場合は、センシング部位は光導波路のV字状の底部となるため、センシングに係る面積が小さく、感度を高く得ることができない欠点がある。
センサチップにあっては、センシング部位が被測定物質10に曝されるため寿命があり、所定期間毎に交換する必要がある。このため、センサチップはできるだけ低価格にしたいという要求があり、これは測定装置の本体側に影響して全体コストが多少のコストアップとなっても実現したく、精密測定のためにはセンサチップは使い捨て使用(disposal)になることから重要性が高く、センサチップの低価格化は運用コストを低減できるメリットが大きいと言える。
この発明は上記した課題を解決するもので、その目的は、センサチップについて光の伝搬経路を改良することにより、光ファイバと接続状態での取り扱い性を良好にでき、測定形態の自由度を増すことができ、小型化することができてコスト面に有利性がある表面プラズモン共鳴センサおよびそれを用いた測定方法と測定装置を提供することにある。
上記した目的を達成するために、本発明に係る表面プラズモン共鳴センサは、コアと当該コアを覆うクラッドとを有して、前記コアへ入射した光を伝播する光導波路を形成し、前記クラッドの一部に開口部を設け、そ開口部には金属薄膜を設け、前記光導波路を伝搬する光が前記金属薄膜表面で表面プラズモン共鳴現象を起こす位置にすることで、当該金属表面をセンシング部位とし、光導波路の他方端に反射膜を設け、導入光は前記反射膜で反射して前記光導波路を逆方向に伝搬して入射側へ戻る構成にする。そして、前記コアは複数配列して前記光導波路を多チャネルとすることもよい。
また、本発明に係る測定方法にあっては、前記表面プラズモン共鳴センサには光導波路の導入側へ光ファイバを接続するとともに、当該光ファイバの他端を入射波と出射波とを分離する分離手段(実施の形態では、「サーキュレータ11」や、「光導波路型カプラなどのカプラにより構成されたもの」に対応)へ接続し、前記分離手段の他ポートに、光源および検出器をそれぞれ接続し、前記分離手段には前記光源からの光を前記光ファイバとの接続ポートへ導き、前記光ファイバとの接続ポートから戻った光を前記検出器との接続ポートへ導く動作を行わせて、前記センシング部位へ光を2度通過させるようにした。
また、本発明に係る測定装置は、前記表面プラズモン共鳴センサと入射波と反射波とを分離する分離手段を備えて当該両者を光ファイバで連結し、前記分離手段の他ポートに、光源および検出器をそれぞれ接続し、前記分離手段は前記光源からの光を前記光ファイバとの接続ポートへ導き、前記光ファイバ側ポートから戻った光を前記検出器との接続ポートへ導く動作を行う構成とし、前記センシング部位へ光を2度通過させる構成にした。
また、請求項2に記載の多チャネルの光導波路に対して、各チャンネルごとに分離手段を接続して多チャネルの光学系を配列する構成にするとよい。さらにまた、前記分離手段は、サーキュレータにより構成したり、光導波路型カプラその他のカプラにより構成したり、光導波路型パワースプリッタその他のパワースプリッタにより構成したりするとよい。また、前記分離手段を複数備える構成において、単一対複数切り替えを行う光スイッチの単一側に前記検出器を接続し、複数側はそれぞれ前記分離手段と接続して、当該光スイッチにより検出器へ導く光を選択的に切り替える構成にすることもできる。
係る構成にすることにより本発明では、センサチップは光導波路の他方端に反射膜を設けるので、当該光導波路へ導入した光が反射して入射側へ往復に戻すものとなる。このため、測定系は、光源からセンサチップに至る光の経路に分離手段を設け、センサチップ側から反射して戻る出射光を検出器へ導く構成を採ることになる。
つまり、本発明に係る測定装置にあっては、光源からの光は分離手段を経由してセンサチップヘ導入し、センサチップ内の光導波路を進む過程でセンシング部位で被測定物質と共鳴し、吸収により減光した後に他方端の反射膜で反射し、光導波路を逆方向に戻り光ファイバを経て分離手段に到達し、そこで検出器側のポートに導かれるので検出器へ導入する。このとき、反射膜での反射光はセンシング部位で再び被測定物質と共鳴するので、センシング感度を高く得ることができる。
センサチップは光導波路の一方端から光を導入,導出させる構成なので、接続する光ファイバは1本のみとなり、また、センサチップにおける光導波路は単なる直線形状に形成してよく、長さはセンシング部位(界面)の設計仕様に応じて適宜に調整できる。したがって、単純な直線形状となるので製作が容易となり小型化でき、低コストに製造が行える。
この場合、図2(b)に示す従来のセンサ構造と相違し、センシング部位の面積を適正に設定でき、光が往復で共鳴反応するのでセンサ感度を上げることができる。また、センサ感度を制限するのであればセンシング部位の面積を小さくすることができ、小型化できる。
以上のように、本発明に係る表面プラズモン共鳴センサでは、センサチップは光導波路の一方端から光を導入,導出させる構成なので接続する光ファイバが1本のみとなり、光ファイバと接続状態での取り扱い性を良好にでき、センサチップ周りのデッドスペースを減らすことができることや、液状、ゲル状の被測定物質に浸漬させることができるなど、測定形態の自由度を増すことができる。
また、センシング部位では光が往復で共鳴反応するのでセンサ感度が高くなり、センサチップにおける光導波路は単なる直線形状に形成してよいため、製作が容易となり小型化することができ、コスト面に有利性がある。
図3は、本発明の好適な一実施の形態を示している。本実施の形態において、表面プラズモン共鳴センサは、コア1と当該コア1を覆うクラッド2とを有し、コア1へ導いた入射光を全反射により伝搬する光導波路をなすチップ部品である。クラッド2にはコア1に到達する開口部3を設けるとともに、当該開口部3に露呈するコア1の表面に金属薄膜4を設けて当該表面をセンシング部位(界面)とし、コア1の他方端に金属薄膜などの反射膜5を設けて、導入光は反射膜5で反射して入射側へ戻る構成になっている。
したがって、測定系は、光源からセンサチップに至る光の経路に分離手段たるサーキュレータ(サーキュレータ機能)を設け、センサチップ側から反射して戻る出射光を検出器へ導く構成を採ることになり、測定には被測定物質10を金属薄膜4の表面に接触させ、コア1の入射端から光を導き、反射光をモニタする。つまり、本発明に係る測定にあっては、光源からの光はサーキュレータを経由してセンサチップヘ導入し、センサチップ内の光導波路を進む過程でセンシング部位で被測定物質10と共鳴し、吸収により減光した後に他方端の反射膜5で反射し、光導波路を逆方向に戻り光ファイバを経てサーキュレータに到達し、そこで検出器側のポートに導かれるので検出器へ導入する。このとき、反射膜5での反射光はセンシング部位で再び被測定物質と共鳴するので、センシング感度を高く得ることができる。
(表面プラズモン共鳴センサの製造)
図4は、表面プラズモン共鳴センサの製造方法を説明する斜視図(a),(b)および平面図(c)である。センサチップの製造には、光導波路を製造するための一般的な製造技術を適用することができ、製造上の困難は特になく製造は容易に行える。
図4は、表面プラズモン共鳴センサの製造方法を説明する斜視図(a),(b)および平面図(c)である。センサチップの製造には、光導波路を製造するための一般的な製造技術を適用することができ、製造上の困難は特になく製造は容易に行える。
まず、クラッド2に対してコア1の部分を形成する方法としては、ガラス材や樹脂を堆積させた後にエッチングしてコア1を形成する方法、ガラス材を光屈折率にさせるイオン種をイオン交換法で注入する方法、感光樹脂を積層した後にUV光を照射し、現像して形成する方法、ガラス材や樹脂を堆積させた後に型を押しつけし、硬化させることで形成する方法(転写法)などがある。
そして、上部層となるクラッド2およびセンシング部位となる開口部3を形成する方法としては、ガラス材や樹脂を堆積させた後にエッチングしてセンシング部位となる開口部3を開口させる方法、クラッド2としてUV感光樹脂を積層した後にUV光を照射し、現像して開口部3を開口させる方法、樹脂材を積層した後に当該樹脂が流動性にある状態で型を押しつけし、これを固化させて開口部3を開口させる方法、開口部3を有するガラス板や樹脂板を接合させる方法などがある。
また、センシング部位に設ける金属薄膜4は、図4(a)に示すように、上部層のクラッド2を形成する前に成膜する方法があり、図4(b)に示すように、上部層のクラッド2および開口部3を形成した後に成膜する方法などがある。
コア1の他方端を覆う反射膜5は、スパッタ装置や蒸着装置などの成膜装置を使用して金属膜や誘電体多層膜を成膜することができ、これは一つには当該端面に直接に成膜する方法がある。しかし、センサチップの形状条件等のため成膜装置への装着が難しいこともあり、そうした場合は図4(c)に示すように、予め前工程でガラス材や樹脂材などのベース片に反射膜を成膜させておき、これを該当端面に接合させる方法がある。
図5は、表面プラズモン共鳴センサを用いた測定装置の第1の実施の形態を示す構成図である。この分光測定装置は、本体内にサーキュレータ11と分光光学系12を備えて、分光光学系12は光源13と検出器14を有し、前述した表面プラズモン共鳴センサ15は光ファイバ16によりサーキュレータ11と連結する構成になっている。
サーキュレータ11は、他の所定ポートに光源13および検出器14がそれぞれ接続し、光源13からの光を光ファイバ16と接続したポート(ポートB)へ導き、その光ファイバ側ポートから戻った光を、検出器14と接続したポート(ポートC)へ導く動作を行う構成としてあり、センサチップ15のセンシング部位(界面)へ光を2度通過させるようになっている。光ファイバ16は、分光測定装置の本体へはコネクタにより接続する構成であり、センサチップ15の交換が容易に行えるようになっている。
このように、センサチップ15はコア1の一方端から光を導入,導出させる構成なので、接続する光ファイバ16は1本のみとなり、また、センサチップ15における光導波路は単なる直線形状に形成してよく、長さはセンシング部位(界面)の設計仕様に応じて適宜に調整できる。したがって、単純な直線形状は製作が容易となり小型化でき、低コストに製造が行える。
この場合、センシング部位の面積を適正に設定でき、光が往復で共鳴反応するのでセンサ感度を上げることができ、あるいはセンサ感度を制限するのであればセンシング部位の面積を小さくすることができ、小型化できる。例えば、チップサイズは数ミリメートル角程度まで小型化することができる。
したがって本発明にあっては、光ファイバ16と接続状態での取り扱い性を良好にでき、このため、液状,ゲル状の被測定物質10に浸漬させた形態で測定が行えるなど測定形態の自由度を増すことができる。
また、センシング部位では光が往復で共鳴反応するのでセンサ感度が高くなり、センサチップ15における光導波路は単なる直線形状に形成してよいため、製作が容易となり小型化することができ、コスト面に有利性がある。
図6は、表面プラズモン共鳴センサを用いた測定装置の第2の実施の形態を示す構成図である。表面プラズモン共鳴センサは、コア1を複数配列して光導波路を多チャネルとする構成を採ることもよい。この場合、センサチップ15に複数の光導波路を形成して多チャネルとするので、分光測定装置にあっては、本体内にサーキュレータ11および分光光学系12を複数備えて対応した多チャネルの構成とし、光ファイバ16には複数をテープ状に連ねたテープファイバを用い、これにより多チャネルの測定が行える。
図7は、表面プラズモン共鳴センサを用いた測定装置の第3の実施の形態を示す構成図である。この第3の実施形態は、分離手段として光導波路型カプラを用いた例であり、具体的にはカプラは光を分配するパワースプリッタにより構成している。
つまり、Y字型のパワースプリッタ17,18を2つ向き合わせにして配置し、一方のパワースプリッタ17は光源13とアイソレータ19を介して連結している。そして、他方のパワースプリッタ18は光ファイバ16を介してセンサチップ15と連結し、Y字型の他端は光スイッチ20を介して検出器14に接続している。
この場合、センサチップ15は多チャネルとするが、分光測定装置にあっては、本体内に備える分光光学系12は単一のものとし、光源13の光は一方のパワースプリッタ17により分配するようになっている。光スイッチ20は単一対複数切り替えを行う構成であり、光スイッチ20の単一側に検出器14を接続し、複数側はそれぞれ他方のパワースプリッタ18と接続して、当該光スイッチ20により検出器14へ導く光を選択的に切り替えるようになっている。
このように、光をY字状に等分配するパワースプリッタ17,18を用いると、図7の例では、光の強度はそれぞれ1/4、1/2に減光してしまうが、サーキュレータに比べて構成が小さくなり、全体構成を小型化することができる。特に、多チャネル化する構成では、分離手段は複数備える必要があって大型化が避け得なく、本形態であれば分光光学系12が単一にでき、格段に小型化することができる。
図8は、表面プラズモン共鳴センサを用いた測定装置の第4の実施の形態を示す構成図である。この第4の実施の形態は、センサチップを被覆して測定プローブにした例であり、液状,ゲル状の被測定物質10に浸漬させた使用形態で測定を行えるようにしている。
つまり、センサチップ15は光ファイバ16を連結した状態で樹脂材料等によりモールドする。このとき、センシング部位はもちろん被覆しないで露呈した状態とし、光ファイバ16はフッ素樹脂等からなるチューブ内に収納しておき、薬品耐性を有する構成を採る。
したがってこの場合、センサチップ15は液状,ゲル状の被測定物質10に浸漬させることができ、本体は据え置きとしてセンサチップ15のみを適宜に移動できる。このため、例えば被測定物質10は多種類を複数のビーカにそれぞれ用意し、測定と水洗いとを順次にくり返すことが容易に行えて使用形態の自由度が高い。これは研究室等での使用に限らなく、センサチップ15の側を簡便に取り扱えることは、環境測定などのフィールドワークにおいてメリットが大きい。
また、上述した実施の形態では、分光光学系を用いた例を示しているが、分光をすることなく測定するように構成することももちろんできる。
また、上述した実施の形態では、分光光学系を用いた例を示しているが、分光をすることなく測定するように構成することももちろんできる。
本発明に用いられる光導波路は、図4に示されるような屈折率がステップ状に変化する光導波路に限られるものではなく、例えば、イオン交換型光導波路のような屈折率が連続的に変化する光導波路にも適用可能である。このイオン交換型光導波路は、例えば特開2005−75706号公報や特開昭63−206709号公報等に開示されている。
1 コア
2 クラッド
3 開口部
4 金属薄膜
5 反射膜
10 被測定物質
11 サーキュレータ
12 分光光学系
13 光源
14 検出器
15 表面プラズモン共鳴センサ
16 光ファイバ
17,18 パワースプリッタ
19 アイソレータ
20 光スイッチ
2 クラッド
3 開口部
4 金属薄膜
5 反射膜
10 被測定物質
11 サーキュレータ
12 分光光学系
13 光源
14 検出器
15 表面プラズモン共鳴センサ
16 光ファイバ
17,18 パワースプリッタ
19 アイソレータ
20 光スイッチ
Claims (9)
- コアと当該コアを覆うクラッドとを有して、前記コアへ入射した光を伝播する光導波路を形成し、
前記クラッドの一部に開口部を設け、その該開口部には金属薄膜を設け、前記光導波路を伝搬する光が前記金属薄膜表面で表面プラズモン共鳴現象を起こす位置にすることで、当該金属表面をセンシング部位とし、
前記光導波路の他方端に反射膜を設け、導入光は前記反射膜で反射して前記光導波路を伝搬して入射側へ戻る構成としたことを特徴とする表面プラズモン共鳴センサ。 - 前記コアを複数配列して前記光導波路を多チャネルとすることを特徴とする請求項1に記載の表面プラズモン共鳴センサ。
- 請求項1または2に記載の表面プラズモン共鳴センサには光導波路の導入側へ光ファイバを接続するとともに、当該光ファイバの他端を入射波と反射波とを分離する分離手段へ接続し、
前記分離手段の他ポートに、光源および検出器をそれぞれ接続し、
前記分離手段には前記光源からの光を前記光ファイバとの接続ポートへ導き、前記光ファイバとの接続ポートから戻った光を前記検出器との接続ポートへ導く動作を行わせて、前記センシング部位へ光を2度通過させることを特徴とする表面プラズモン共鳴センサを用いた測定方法。 - 請求項1または2に記載の表面プラズモン共鳴センサと、入射波と反射波とを分離する分離手段とを備え、当該両者を光ファイバで連結し、前記分離手段の他ポートに、光源および検出器をそれぞれ接続し、前記分離手段は前記光源からの光を前記光ファイバとの接続ポートへ導き、前記光ファイバ側ポートから戻った光を前記検出器との接続ポートへ導く動作を行う構成とし、前記センシング部位へ光を2度通過させることを特徴とする表面プラズモン共鳴センサを用いた測定装置。
- 光源からの光を前記光ファイバへ導き、前記光ファイバからの光を検出器へ導く前記分離手段として、サーキュレータを用いることを特徴とした請求項4に記載の測定装置。
- 光源からの光を前記光ファイバへ導き、前記光ファイバからの光を検出器へ導く前記分離手段として、カプラを用いることを特徴とした請求項4に記載の測定装置。
- 前記カプラとして光導波路型カプラを用いることを特徴とした請求項6に記載の測定装置。
- 光源からの光を前記光ファイバへ導き、前記光ファイバからの光を検出器へ導く前記分離手段として、パワースプリッタを用いることを特徴とした請求項4に記載の測定装置。
- 前記パワースプリッタとして、光導波路型パワースプリッタを用いることを特徴とした請求項8に記載の測定装置。
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