JP2007100663A - 膜式ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】上流の一次ポンプで送出された主流体を更に加圧して送出する膜式ポンプについて、一次ポンプの吐出圧力による負荷が膜部材に加わることを回避して、その耐久性を良好なものとする。
【解決手段】ベローズ31で背圧室30Aと区画された主流体加圧室25Aに主流体を充填し、カム室30内のカム16の回動により往復摺動するプランジャ24Aで背圧室30A内の作動流体に脈圧を与え主流体をさらに加圧して送出する膜式ポンプ3Aにおいて、プランジャ24Aに背圧室30Aとカム室30とを連通させる連通路241が設けられてプランジャ24Aの所定位置で開通するものとし、且つ、カム室30に一次ポンプ圧が導入され連通路241が開通する所定のタイミングで背圧室30Aに一次ポンプ圧が導入されて背圧室30Aと主流体加圧室25Aの圧力とが一致する行程を有する。
【選択図】図1
【解決手段】ベローズ31で背圧室30Aと区画された主流体加圧室25Aに主流体を充填し、カム室30内のカム16の回動により往復摺動するプランジャ24Aで背圧室30A内の作動流体に脈圧を与え主流体をさらに加圧して送出する膜式ポンプ3Aにおいて、プランジャ24Aに背圧室30Aとカム室30とを連通させる連通路241が設けられてプランジャ24Aの所定位置で開通するものとし、且つ、カム室30に一次ポンプ圧が導入され連通路241が開通する所定のタイミングで背圧室30Aに一次ポンプ圧が導入されて背圧室30Aと主流体加圧室25Aの圧力とが一致する行程を有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、膜部材内側の背圧室に充填した作動流体に脈圧を与えることにより、背圧室と膜部材で区画されてなる主流体加圧室に充填した主流体を圧送する膜式ポンプに関し、殊に、上流側に配設した一次ポンプで圧送された主流体にさらに圧力をかけて送出する膜式ポンプに関する。
従来より、膜式ポンプは大流量・低吐出圧系のポンプ装置に多用され、供給配管中の主流体がポンプ摺動部に触れないという利点から主に薬品や食品用に用いられており、一般に図5に示すような機構を採用している。即ち、駆動軸に設けられたカム15の回動により供給配管中の二つのチェック弁28a,28bで区画されてなる主流体加圧室25Dに内側を接続したベローズ等の膜部材34を、カム15の回動で外側から直接圧縮・拡大させることにより脈圧を生じさせ、充填した主流体を圧送するものであり、主流体に潤滑油が混入したり主流体が膜式ポンプ3D外部に漏出したりすることを回避できるものとなっている。
しかし、このように膜部材を機械的に作動させる方式のポンプは、圧力が直接膜部材にかかることからその寿命が短いものとなりやすく、消耗部品交換のための手間とコストが問題となっている。この問題に対し、例えば特開平6−173811号公報に記載され、図4に示すような膜式ポンプ3Cが実用化されるに至っている。
この膜式ポンプ3Cは、送出する主流体を直接加圧するのではなく、カム15の回動によりプランジャ24Cで作動流体を一旦加圧し、加圧された作動流体が膜部材33で主流体加圧室25Cと区画された背圧室30Cに圧出され、この膜部材33を介して主流体加圧室25Cの流体を加圧して送出する方式を採用している。このような方式とすることで、プランジャ24Cが突出する加圧時に膜部材33の内外に生じる圧力差が殆ど無くなるため、膜部材33の耐久性を高めることが可能となる。
ところが、図2に示すように、例えばエンジンの燃料供給システムのように、送出する主流体に所定の高圧を与えようとする場合、貯蔵容器1の付近で一次ポンプ1aにより加圧して送出し、その下流側の二次ポンプとしての膜式ポンプ3Bで更に加圧することにより目的圧力まで上昇させる方式としたものがある。この場合、一次ポンプ1aによる送出圧力が膜式ポンプ3Bの主流体加圧室25B内に導入されて膜部材32に負荷がかかることになる。
即ち、一次ポンプ1a作動に基づく主流体の圧力により、膜部材32のプランジャ24Bの非加圧時において一次ポンプ1aが無い場合の自然高さ位置Xから、膜部材32がさらに一次ポンプ圧で圧縮された高さ位置Yとなるため、上述した流体作動式の膜式ポンプの長所を損なうことになり、膜式ポンプ3Bの本来のポンプ機能を発揮しにくい状態となるとともに膜部材32の耐久性を悪化させることにより、膜式ポンプ3B全体としても耐久性を損なうことになる。
特開平6−173811号公報
本発明は、上記のような問題点を解決しようとするものであり、上流の一次ポンプで送出された主流体を更に加圧して送出する膜式ポンプについて、一次ポンプの吐出圧力による負荷が膜部材に加わることを回避して、その耐久性を良好なものとすることを課題とする。
そこで、本発明は、所定の主流体を貯留容器から目的箇所まで供給する配管中に配設され、背圧室と、膜部材で背圧室と区画されるとともに吸込側および吐出側にそれぞれ配設されたチェック弁間に形成される主流体加圧室とを備えており、上流側に配設した一次ポンプで加圧された主流体を主流体加圧室に導入し、カム室内に配設されたカムの回動により往復摺動するプランジャで背圧室内の作動流体に脈圧を与えることにより膜部材を介して主流体をさらに加圧して送出するものとした膜式ポンプにおいて、背圧室内に先端側を突出するプランジャに背圧室とプランジャ基端側のカム室とを連通させる連通路が設けられてプランジャの所定位置で連通路が開通するものとされ、且つ、カム室に一次ポンプ圧が導入されるようになっており、連通路が開通する所定のタイミングで背圧室に一次ポンプ圧が導入されて背圧室の圧力と主流体加圧室の圧力とが一致する行程を有するものとした。
これにより、主流体による一次ポンプ圧の膜部材への負荷のうち、膜部材の耐久性に影響を与えやすい負荷タイミングに一致させて背圧側に同じ圧力を導入することで膜内外の圧力に均衡を保つことができ、膜部材への負荷を最小限としてその耐久性を確保できるようにした。
また、このカム室への一次ポンプ圧の導入は、一次ポンプから主流体加圧室に接続する供給配管の途中で分岐した配管が、カム室に連通した作動流体室と所定の膜部材で区画・分離された主流体室に接続されて、膜部材を介して導入されるものとすれば、主流体に作動流体が混入することなく確実に一次ポンプ圧をカム室側に導入することができる。
更に、上述した膜式ポンプにおいて、プランジャの連通路の開通は、プランジャの下死点位置のタイミングで所定時間開通するものとすれば、非加圧時に膜部材の自然高さ位置が確保されて一次ポンプが無い状態と同様の膜部材への負荷状態および高さ位置とすることができ、その耐久性の確保が容易なものとなる。
所定のタイミングで背圧室に一次ポンプ圧を導入するという本発明により、一次ポンプ圧の負荷が膜部材に加わることを回避して膜部材の耐久性を良好なものとすることができる。
以下に、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の膜式ポンプ3Aを配置した流体供給システムの配置図を示しており、膜式ポンプ3Aは縦断面図で示している。本流体供給システムは、例えば燃料を所定の高圧にしてエンジンに供給する燃料供給システム等に適用できるものであり、流体貯留容器1に充填した燃料などの主流体を一次ポンプ1aで送出し、供給配管2を経て膜式ポンプ3Aに導入し、膜式ポンプ3A内で主流体をさらに加圧してエンジンなどの目的箇所に送出するものである。
流体貯留容器1から延出された供給配管2は、膜式ポンプ3A内の燃料通路入口側と出口側にそれぞれ配設されたチェック弁28a,28bの間で形成される主流体加圧室25Aに接続され、主流体加圧室25Aとは柔軟な膜部材からなるベローズ31で隔てられた背圧室30A内の圧力変動により、主流体加圧室25Aに充填された主流体を加圧して送出する。
背圧室30Aは、例えば高粘度で潤滑性の高いエンジン用潤滑オイルなどからなる作動流体が充填されており、カム室30内でカム16の回動により基端側を押されたプランジャ24Aがシリンダ23A内で往復摺動することで、先端側が背圧室30A内で突出・没入してベローズ31を拡大・縮小させて作動流体に圧力変動を与える。
また、プランジャ24Aの先端面側と基端側周面側に亘って穿設された連通路241が設けられ、プランジャ24Aの下死点付近でその基端側開口部がシリンダ23A外部に露出して背圧室30Aとカム室30との連通が開通する。
一方、カム室30は、作動流体を充填した作動流体室42および主流体を充填した主流体室43とこれらを区画する膜部材41とを備えた一次ポンプ圧導入部40に接続され、その作動流体室42に連通して作動流体を充填している。そして、一次ポンプ圧導入部40の主流体室43には、一次ポンプ1aと主流体加圧室25Aとを接続する供給配管2が途中で分岐した配管2aが接続され、一次ポンプ圧を主流体室43に導入する。
以下に、本実施の形態における膜式ポンプ3Aの作用について、図1およびプランジャの変位とこれに対応する膜変位および膜応力値の変化を示す図3のグラフを参照しながら詳細に説明する。
貯留容器1から取り出された主流体は、一次ポンプ1aにより加圧され供給配管2を通って、一方は膜式ポンプ3Aに入口へ、一方は途中で分岐して配管2aを通り一次ポンプ圧導入部40の作動流体室42に送出される。
プランジャ24Aが下降して吸入行程に入ると、吸入側のチェック弁28aが開き主流体加圧室25Aに主流体が充填されるが、この主流体には一次ポンプ圧がかかった状態となっている。しかし、プランジャ24Aが下死点付近になると、背圧室30Aとカム室30とが連通路241の開通により連通するとともにカム室30が一次ポンプ圧導入部40の作動流体室42に連通していることから、作動流体室42に加わった一次ポンプ圧は膜部材41とカム室30とを介して背圧室30Aに導入され、主流体加圧室25Aの圧力と背圧室30Aの圧力は同一となって釣り合う。
図3のグラフを参照して、破線で表した従来の膜式ポンプにおけるプランジャ変位に対応したベローズ31の膜変位および膜応力値の波形に示すように、一次ポンプ圧が主流体加圧室に導入されることにより、膜変位および膜応力値が一次ポンプの無い場合の自然高さ位置および本来の応力値よりも縮み側および圧縮側となり、膜部材に余分な負荷がかかってその耐久性を損なう結果となっていた。
これに対し、実線の波形で示す本実施の形態の膜変位および膜応力値においては、プランジャ24Aの下死点付近で主流体加圧室25Aの圧力と背圧室30Aの圧力が同一となって釣り合うことから、自然高さ位置および本来の膜応力値が確保されて一次ポンプ1aが無い状態と同様の状態となっている。従って、ベローズ31には余分な負荷がかかることがなく、一次ポンプ1aが無い状態と同様のポンプ仕事ができるとともに、その耐久性を損なわないものとしたものである。
1 貯留タンク、 1a 一次ポンプ、 2 供給配管、 2a 配管、 3A 膜式ポンプ、 16 カム、 24A プランジャ、 25A 主流体加圧室、 28a,28b チェック弁、 30 カム室、 30A 背圧室、 31 ベローズ、 40 一次ポンプ圧導入部、 41 膜部材、 42 作動流体室、 43 主流体室、241 連通路
Claims (3)
- 所定の主流体を貯留容器から目的箇所まで供給する配管中に配設され、背圧室と、膜部材で背圧室と区画されるとともに吸込側および吐出側にそれぞれ配設したチェック弁間に形成される主流体加圧室とを備えており、上流側に配設した一次ポンプで加圧された主流体を前記主流体加圧室に導入し、カム室内に配設されたカムの回動により往復摺動するプランジャで前記背圧室内の作動流体に脈圧を与えることにより前記膜部材を介して主流体をさらに加圧して送出する膜式ポンプにおいて、
前記背圧室内に先端側を突出する前記プランジャには前記背圧室と該プランジャ基端側の前記カム室とを連通させる連通路が設けられて前記プランジャの所定位置で連通路が開通するものとされ、且つ、前記カム室に前記一次ポンプ圧が導入されるようになっており、前記連通路が開通する所定のタイミングで前記背圧室に前記一次ポンプ圧が導入されて前記背圧室の圧力と前記主流体加圧室の圧力とが一致する行程を有していることを特徴とする膜式ポンプ。 - 前記カム室への前記一次ポンプ圧の導入は、前記一次ポンプから主流体加圧室に接続する供給配管の途中で分岐した配管が、前記カム室に連通した作動流体室と所定の膜部材で区画・分離された主流体室に接続されて前記膜部材を介して導入される請求項1に記載の膜式ポンプ。
- 前記連通路の開通は、前記プランジャが下死点位置のタイミングで所定時間開通する請求項1または2に記載の膜式ポンプ。
Priority Applications (1)
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JP2005294570A JP2007100663A (ja) | 2005-10-07 | 2005-10-07 | 膜式ポンプ |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2007100663A true JP2007100663A (ja) | 2007-04-19 |
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Family Applications (1)
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JP2005294570A Withdrawn JP2007100663A (ja) | 2005-10-07 | 2005-10-07 | 膜式ポンプ |
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2005
- 2005-10-07 JP JP2005294570A patent/JP2007100663A/ja not_active Withdrawn
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