JP2007100603A - 気体圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】気体圧縮機において、回転軸に設けられたメカニカルシールに冷凍機油を安定的に供給する。
【解決手段】冷凍機油Rが供給される油路33とメカニカルシール15が配置された空間16とを連通させる連通油路38が形成されているとともに、連通油路38に、油路33と空間16の差圧に応じて連通油路38を開閉するスプール弁39が配設されている。
【選択図】図1

Description

本発明は気体圧縮機に関し、詳細には、潤滑油をシールするメカニカルシールの潤滑の改良に関する。
従来より、空気調和システム(以下、空調システムという。)には、冷媒ガスを圧縮して、システムに冷媒ガスを循環させるための気体圧縮機が用いられている。
例えば、ベーンロータリ形式の圧縮機本体をハウジングの内部に備えた気体圧縮機(コンプレッサ)においては、圧縮機本体は、回転軸と一体的に回転するロータと、ロータの外周面の外方を取り囲み、断面輪郭略楕円形状の内周面を有するシリンダと、ロータの外周面から突出し、この突出した先端がシリンダの内周面に当接した状態を維持するように進退可能とされ、回転軸回りに等角度間隔でロータに設けられた複数枚の板状のベーンと、ロータの両端面の側からそれぞれ、このロータおよびシリンダを挟むように配設された2つのサイドブロック(フロントサイドブロックおよびリヤサイドブロック)とを有し、回転軸の回転にしたがって、2つのサイドブロック、ロータ、シリンダ、およびロータの回転方向に相前後する2つのベーンによって画成された圧縮室の容積が増減を繰り返すことにより、圧縮室に吸入された冷媒ガスを圧縮して、圧縮機本体の外部に圧縮された冷媒ガスを吐出するように構成されている。
また、圧縮機本体は、外部から冷媒ガスが吸入される吸入ポートおよび外部に冷媒ガスを吐出する吐出ポートが形成されたハウジングによって覆われており、吸入ポートに連通して圧縮機本体に吸入される冷媒ガスが導入される吸入室、および吐出ポートに連通して圧縮機本体から冷媒ガスが吐出される吐出室が、圧縮機本体の外面とハウジングの内面とによって、回転軸の軸方向に関して圧縮機本体を挟んで形成されている。
ここで、吐出室内には、圧縮機本体の回転機構等摺動部分の摩擦力を低減し、温度上昇を抑制し、摩擦によって生じた微小摩耗粉を摩擦面から流す等の一般的な潤滑油としての機能の他に、前述したベーンをロータから突出させるための背圧を与える作動油としても機能する冷凍機油が貯められている。
圧縮機本体を構成するシリンダやサイドブロックには、この冷凍機油を各部に供給するための油路が形成されており、吐出室内に吐出された冷媒ガスの高圧が冷凍機油に作用することにより、冷凍機油は、吐出室から各油路を通過して各部に供給される(特許文献1)。
特開平9−72290号公報
ところで、各油路を通って冷凍機油が供給される部位のひとつとして、サイドブロックから圧縮機本体の外部に突出した回転軸を、ハウジングの内部においてシールするメカニカルシールがある。
このメカニカルシールは、コンプレッサの内部においては低圧の空間である吸入室と連通した空間に配置されており、吸入室には、空調システムを構成するコンデンサ等に流出した冷凍機油が、冷媒ガスとともに吸入されるが、このとき、冷凍機油はミスト状となってメカニカルシールを潤滑し、メカニカルシールのシール機能を維持させている。
しかし、高負荷条件下でコンプレッサが運転されているときは、冷凍機油は、圧縮された冷媒ガスとともに吐出ポートからシステムに流出し易くなり、コンプレッサ内部の冷凍機油量は減少し、一方、システムから戻る冷凍機油量は増加するが、コンプレッサに戻る冷凍機油はミスト状であり、ミスト状の冷凍機油は、高負荷条件の影響を受け易く、温度上昇による粘度低下や摩擦摺動面での面圧増大が生じ易い。この結果、メカニカルシールに生じる摩擦力が増大し、シール性能の耐久性の低下を招く虞がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、メカニカルシールに冷凍機油を安定的に供給することを可能にした気体圧縮機を提供することを目的とするものである。
本発明に係る気体圧縮機は、油路とメカニカルシールが配置された空間とを連通させるとともに、弁を設けて、油路とメカニカルシール配置空間との差圧が大きいとき、すなわち高負荷条件と見なされるとき、弁を開放して、メカニカルシールに潤滑油を供給するものである。
すなわち、本発明に係る気体圧縮機は、回転軸回りに回転する回転体を有する圧縮機本体と、この圧縮機本体の外方を覆うとともに、外部から気体が吸入される吸入ポートおよび外部に気体を吐出する吐出ポートが形成されたハウジングとを備え、前記吸入ポートに連通して、前記圧縮機本体に吸入される気体が導入される吸入室、および前記吐出ポートに連通して、前記圧縮機本体から前記気体が吐出される吐出室が、前記回転軸の軸方向に沿って前記圧縮機本体を挟んで形成され、前記圧縮機本体の外側に突出した前記回転軸に、該回転軸を通じて外部に潤滑油が漏れるのを阻止するメカニカルシールが設けられ、前記メカニカルシールが配置された空間と前記吸入室とが連通路を介して連通された気体圧縮機において、前記吐出室内の潤滑油が供給される油路と前記メカニカルシールが配置された空間とを連通させる連通油路が形成されているとともに、前記連通油路に、前記油路と前記空間との差圧に応じて該連通油路を開閉する弁が配設されていることを特徴とする。
このように構成された本発明に係る気体圧縮機によれば、高負荷条件の運転、すなわち吐出室の内圧が通常運転時の状態よりも高くなると、吐出室に通じる油路内の圧力も高くなり、一方、メカニカルシールが配置された空間は吸入室と連通しているため低圧のままであり、両者の差圧が、通常運転状態における両者の差圧よりも大きくなって、油路とメカニカルシールが配置された空間とを連通させる連通油路に設けられた弁が開放し、連通油路を通じて油路とメカニカルシールが配置された空間とが連通し、油路からメカニカルシールが配置された空間に潤滑油が流入して、メカニカルシールは、吸入ポートから流入するミスト状の潤滑油の多少に拘わらず、油路から供給される潤滑油によって十分に潤滑される。
本発明に係る気体圧縮機においては、前記弁の外周面と前記連通油路の内周面との間の微小隙間は、前記弁の開放状態において前記油路から前記空間に流れる潤滑油を所定の圧力だけ減圧するように設定されていることが好ましい。減圧されることによって、油路の潤滑油が、メカニカルシールの配置された空間に全て流れてしまうのを防止することができる。
本発明に係る気体圧縮機によれば、メカニカルシールは、吸入ポートから流入するミスト状の潤滑油の多少に拘わらず、油路から供給される潤滑油によって十分に潤滑される。
したがって、コンプレッサの高負荷条件下において、潤滑油の温度上昇による粘度低下や摩擦摺動面での面圧増大によっても、摩擦力の増大を防止することができ、メカニカルシールの耐久性の低下を防止することができる。
以下、本発明の気体圧縮機に係る最良の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る気体圧縮機の一実施形態であるベーンロータリ式コンプレッサ100を示す縦断面図、図2は図1におけるA−A線に沿った断面(ケース11を除く)を示す図、図3は図1におけるフロントサイドブロック30を、図2と同じ向きから視た図である。なお、図1は、図2におけるB−B線に沿った断面図に相当する。
このコンプレッサ100は、例えば、冷却媒体の気化熱を利用して冷却を行なうGHP(ガスヒートポンプ)用空気調和システムの一部として構成され、この空調システムの他の構成要素である凝縮器、膨張弁、蒸発器等(いずれも図示を省略する。)とともに、冷却媒体の循環経路上に設けられている。
そして、コンプレッサ100は、空調システムの蒸発器から取り入れた気体状の冷却媒体すなわち冷媒ガスGを圧縮し、圧縮された冷媒ガスGを空調システムの凝縮器に供給する。凝縮器は、圧縮された冷媒ガスGを液化させ、高圧で液状の冷媒(液)として膨張弁に送出する。
高圧で液状の冷媒は、膨張弁で低圧化され、蒸発器に送出される。低圧の液状冷媒は、蒸発器において周囲の空気から吸熱して気化し、この気化熱との熱交換により蒸発器周囲の空気を冷却する。
また、コンプレッサ100は、ケース11とフロントヘッド12からなるハウジングの内部に収容された圧縮機本体と、フロントヘッド12に取り付けられ、図示しない駆動源からの駆動力を圧縮機本体に伝える伝達機構13とを備える。
ケース11は、一端開放の筒状体からなり、フロントヘッド12は、このケース11の開放部を覆うように取り付けられている。また、フロントヘッド12には、蒸発器から低圧の冷媒ガスGが吸入される吸入ポート12aが形成され、この吸入ポート12aには、冷媒ガスGの逆流を防ぐ逆止弁12bが設けられている。
一方、ケース11には、圧縮機本体で圧縮された高圧の冷媒ガスGを凝縮器に吐出する吐出ポート11aが形成されている。そして、伝達機構13は、ラジアルボールベアリング14を介して、フロントヘッド12に対して回転自在に支持されている。
ハウジング内に収容された圧縮機本体は、伝達機構13によって軸回りに回転駆動される回転軸51と、この回転軸51と一体的に回転するロータ50と、ロータ50の外周面の外方を取り囲む断面輪郭略楕円形状の内周面49a(図2参照)を有するとともに両端が開放されたシリンダ40と、ロータ50の外周面から突出して、この突出した先端がシリンダ40の内周面49aに当接する、回転軸51回りに等角度間隔でロータ50に設けられた5枚の板状のベーン58と、シリンダ40の両側開放端面の外側からそれぞれ開放端面を覆うように固定されたフロントサイドブロック30およびリヤサイドブロック20とからなる。
そして、2つのサイドブロック20,30、ロータ50、シリンダ40、およびロータ50の回転方向(図2において時計回りの方向)に相前後する2つのベーン58,58によって画成された各圧縮室48の容積が、回転軸51の回転にしたがって増減を繰り返すことにより、各圧縮室48に吸入された冷媒ガスGを圧縮して吐出するように構成されている。
なお、ロータ50の両端面側からそれぞれ突出した回転軸51の部分のうち一方の部分は、フロントサイドブロック30の軸受部32に軸支されるとともに、フロントヘッド12を貫通して外方まで延び、この貫通部分がフロントヘッド12により軸支され、外方に延びた部分が伝達機構13に連結されている。同様に回転軸51の突出部分のうち他方の側は、リヤサイドブロック20の軸受部22により軸支されている。
そして、フロントヘッド12による回転軸51の支持と、両サイドブロック20,30の外周部がOリング等によりケース11,フロントヘッド12の内周面に保持されることとによって、圧縮機本体はハウジング内の所定位置に保持されている。
また、圧縮機本体がケース11の内部に収容された状態で、リヤサイドブロック20とケース11とにより吐出室21が形成され、一方、フロントサイドブロック30とフロントヘッド12とにより吸入室34が形成され、吐出室21は吐出ポート11aに連通し、吸入室34は吸入ポート12aに連通している。
なお、吸入室34と吐出室21とは、前述したOリング等によって気密に隔絶されている。また、リヤサイドブロック20には後述するサイクロンブロック60が取り付けられており、このサイクロンブロック60は吐出室21内に露呈している。
ここで、圧縮機本体の回転軸51の部分のうち、フロントサイドブロック30の軸受部32に支持された部分よりも外側部分には、メカニカルシール15が配置されている。このメカニカルシール15は、回転軸51を通じてハウジングの外部に潤滑油が漏れるのを阻止する部材である。
そして、このメカニカルシール15が配置された空間16は、フロントサイドブロック30の外面とフロントヘッド12の内面とによって形成されており、この空間16は、フロントヘッド12に形成された連通路12cによって、吸入室34に連通している。したがって、このメカニカルシール15が配置された空間16は、吸入室34と同様に低圧の空間となっている。
また、吐出室21の下部には、このコンプレッサ10の摺動部等を潤滑・冷却・清浄するとともに、ベーン58をシリンダ40の内周面49aの方向に突出させるように圧力を作用させる冷凍機油Rが貯留されている。
すなわち、ロータ50には、スリット状のベーン溝56が放射状に、かつロータ50の回転中心回りに等角度間隔で5つ形成され、これらのベーン溝56に、前述のベーン58が挿入され、各ベーン58は、ロータ50の回転によって生じる遠心力と、ベーン溝56およびベーン58の底面によって画成された背圧室59に加えられる冷凍機油Rの油圧とにより、シリンダ40の内周面49a方向へ突出し、このベーン58の突出した先端がシリンダ40の内周面49aに当接した状態に付勢される。
これにより、シリンダ40と、ロータ50と、ロータ50の回転方向について相前後する2つのベーン58,58と、フロントサイドブロック30と、リヤサイドブロック20とにより画成された各圧縮室48は、ロータ50の回転にしたがって容積の変化を繰り返す。
また、フロントサイドブロック30には、図2,3に示すように、吸入室34と圧縮室48とを連通させるフロント側吸入口31が開口しており、吸入ポート12aから吸入室34に導入された冷媒ガスGは、このフロント側吸入口31を介して圧縮室48に吸入される。
一方、シリンダ40の外周の一部には凹部が形成され、この凹部は、両サイドブロック20,30の各内側端面とケース11の内周面とによって囲まれた吐出チャンバ44を形成している。
そして、この吐出チャンバ44が形成されて薄肉化されたシリンダ40の部分には圧縮室48と吐出チャンバ44とを連通させる吐出口42が開口し、吐出口42には、吐出チャンバ44側に開放するリードバルブ43(バルブ本体およびバルブサポート)が設けられている。そして、圧縮室48から吐出口42、リードバルブ43を通って吐出チャンバ44に吐出された高圧の冷媒ガスGは、リヤサイドブロック20に形成された連通孔(図示せず)、およびリヤサイドブロック20に固定されたサイクロンブロック60のオイルセパレータ60aを経て、吐出室21に吐出される。
一方、オイルセパレータ60aによって、冷媒ガスGから分離された冷凍機油Rは、吐出室21の底部に滴下し、前述したようにこの底部に貯留される。
さらに、このコンプレッサ100には、回転軸51と軸受部22,32との間の潤滑、ロータ50の各端面と各サイドブロック20,30の内側端面との間の潤滑、背圧室59へのベーン付勢用油圧供給等のために、吐出室21の下部に貯留した冷凍機油Rを各部位に導く構造を備えている。
すなわち、リヤサイドブロック20に、軸受部22に至る油路23が形成され、また、リヤサイドブロック20の内側端面には、軸受部22における油路23の開口から、軸受部22と回転軸51との間の微小隙間を通って、ロータ50の背圧室59に連通する凹部(サライ溝)25が形成されている。
また、シリンダ40の底部に、リヤサイドブロック20の油路23に接続する貫通孔46が設けられ、フロントサイドブロック30に、この貫通孔46のフロントサイドブロック30側の開口と軸受部15bとを連通させる油路33が形成されて、冷凍機油Rが、軸受部32と回転軸51との間の微小隙間を通過し、フロントサイドブロック30の内側端面に形成された凹部(サライ溝)35等に冷凍機油Rが導かれる。
ここで、フロントサイドブロック30のサライ溝35も、リヤサイドブロック20のサライ溝25と同様、ロータ50の背圧室59に連通し、図3に示すように、略扇形輪郭を有している。この輪郭形状などの基本的な構成において、リヤサイドブロック20のサライ溝25とフロントサイドブロック30のサライ溝35とは同一である。
なお、図3に示すように、フロントサイドブロック30(リヤサイドブロック20についても同様)のサライ溝35の輪郭くびれ部に、高圧の冷凍機油Rを導く高圧孔37をさらに形成して、圧縮行程の終期に対応した圧縮室48を構成するベーン58に対応した背圧室59に、より高圧の油圧を作用させるようにしてもよい。
ここで、油路23を通ってリヤサイドブロック20の軸受け部22に到達した高圧の冷凍機油R、および油路23,46,33を通ってフロントサイドブロック30の軸受け部32に到達した高圧の冷凍機油Rは、それぞれ各軸受け部22,32と回転軸51との間の微小隙間を通過することにより絞られるため、その圧力は、サライ溝25,35においては中圧(吐出室21内における圧力(高圧)よりも低くく、かつ、吸入室34内における圧力(低圧)よりも高い圧力)まで低下して、ロータ50の背圧室59に供給される。したがって、ロータの50の回転により、サライ溝25,35の形成された範囲に合致した背圧室59では、このサライ溝25,35に供給された冷凍機油Rの中圧が作用する。
一方、高圧孔37は、油路33と連通しているため、サライ溝25,35のように絞られることがなく、したがって、高圧の冷凍機油Rが供給される。したがって、サライ溝25,35の形成された範囲から外れ、高圧孔37(リヤサイドブロック20の高圧孔も同様に形成されているものとする。)に合致した背圧室59では、この高圧孔37に供給された冷凍機油Rの高圧が作用し、圧縮行程の終期における圧縮室48内の高圧に対抗しうるベーン58の突出圧力を確実に確保することができる。
フロントサイドブロック30には、図1におけるC部の詳細図である図4(a),(b)に示すように、吐出室21内の冷凍機油Rが供給される油路33とメカニカルシール15が配置された空間16とを連通させる連通油路38が形成されているとともに、この連通油路38には、油路33と空間16との差圧に応じて連通油路38を開閉するスプール弁39が配設されている。
このスプール弁39は、その外周面が連通油路38の内周面に圧入されることにより、またはネジ止め等されることにより連通油路38の空間16側の端部に固定された円筒状のストッパ39bと、ストッパ39bよりも油路33側に配置されて、連通油路38の段付き部分に当接している状態(図4(a))すなわち最も油路33に近い位置にある状態では連通油路38の連通を遮蔽し、一方、ストッパ39bに当接した状態(図4(b))では連通油路38の連通を許容する弁体39aと、弁体39aとストッパ39bとの間に設けられて弁体39aを連通油路38の遮蔽側に付勢するバネ39cとを備えた構成である。
なお、弁体39aは、図5(a)の側面図および同図(b)のD矢視図に示すように、ストッパ39bと当接する面に、十字状の溝39dが形成されており、弁体39aがストッパ39bに当接した状態においては、冷凍機油Rは同図(b)に示すように、弁体39aの外周面と連通油路38の内周面との間の隙間、弁体39aとストッパ39bとの間の隙間である溝39d、およびストッパ39bの中心孔を通って、メカニカルシール15の配置された空間16に流入する。
ここで、コンプレッサ100の通常の運転状態においては、油路33には冷凍機油Rの高圧が作用し、メカニカルシール15が配置された空間16には吸入された冷媒ガスGの低圧が作用しているが、バネ39cの圧縮側へのバネ定数は、通常の運転状態では弁体39aを連通油路38の遮蔽側に付勢した状態を維持するのに必要な反力(弾性力)を生じるように設定されている。
一方、高負荷条件下でコンプレッサ100が運転されている状態においては、油路33には過度の高圧が作用するため、バネ39cの圧縮側へのバネ定数は、この過度の高圧が作用したときは、バネ39cの付勢力(弾性力)に抗して、弁体39aがストッパ39b側に移動するように設定されている。
そして、コンプレッサ100の通常の運転状態においては、弁体39aにより連通油路38は遮蔽されているため、従来のコンプレッサと同様に、油路33からメカニカルシール15が配置された空間16に、冷凍機油Rが流れることはない。
一方、コンプレッサ100の高負荷条件下での運転状態においては、弁体39aにより連通油路38は連通されているため、油路33からメカニカルシール15が配置された空間16に、冷凍機油Rが流れ込み、この冷凍機油Rは、高負荷運転によって厳しい潤滑状態となっているメカニカルシール15に供給される。
この結果、メカニカルシール15の潤滑状態は良好に維持され、メカニカルシール15の耐久性を向上させることができる。なお、通常運転状態においては、連通油路38は遮蔽されているため、油路33を流通する冷凍機油Rの圧力が高圧状態から低下するのを防止することができ、ベーン58への背圧供給機能が低下することはない。
このように、本実施形態に係るコンプレッサ100によれば、メカニカルシール15は、吸入ポート12aから流入するミスト状の冷凍機油Rの多少に拘わらず、油路33から供給される冷凍機油Rによって十分に潤滑される。したがって、コンプレッサ100の高負荷条件下において、冷凍機油Rの温度上昇による粘度低下や摩擦摺動面での面圧増大によっても、摩擦力の増大を防止することができ、メカニカルシール15の耐久性が低下するのを防止することができる。
また、本実施形態のコンプレッサ100は、圧縮機本体がベーンロータリ形式の圧縮機であるため、油路33が形成されたフロントサイドブロック30と、この油路33よりも低圧空間である吸入室34とが隣接する構造となり、連通油路38を複雑な経路で構成することなく、しかも短い長さで構成することができる。
さらに、このコンプレッサ100は、スプール弁39を動作させる作動油が、圧縮機本体の可動部に供給される既存の潤滑油を兼ねた冷凍機油Rであるため、スプール弁39を作動させるための専用の作動油を用いる必要がなく、作動油と潤滑油との混合を防止するための複雑な通路を形成する必要がない。したがって、製造コストを抑制することができる。
本発明に係る気体圧縮機の一実施形態であるベーンロータリ式コンプレッサを示す縦断面図である。 図1におけるA−A線に沿った断面を示す図である。 図1におけるフロントサイドブロックを、図2と同じ向きから視た図である。 図1におけるC部の詳細図であって、(a)は連通油路の遮蔽状態、(b)は連通油路の連通状態、をそれぞれ示す。 弁体を示す図であり、(a)は側面図、(b)は(a)における矢視Dによる図である。
符号の説明
15 メカニカルシール
16 空間(メカニカルシールが配設された空間)
33 油路
38 連通油路
39 スプール弁(弁)
51 回転軸
100 コンプレッサ(気体圧縮機)
G 冷媒ガス(気体)
R 冷凍機油(潤滑油)

Claims (2)

  1. 回転軸回りに回転する回転体を有する圧縮機本体と、この圧縮機本体の外方を覆うとともに、外部から気体が吸入される吸入ポートおよび外部に気体を吐出する吐出ポートが形成されたハウジングとを備え、前記吸入ポートに連通して、前記圧縮機本体に吸入される気体が導入される吸入室、および前記吐出ポートに連通して、前記圧縮機本体から気体が吐出される吐出室が、前記回転軸の軸方向に沿って前記圧縮機本体を挟んで形成され、
    前記圧縮機本体の外側に突出した前記回転軸に、該回転軸を通じて外部に潤滑油が漏れるのを阻止するメカニカルシールが設けられ、前記メカニカルシールが配置された空間と前記吸入室とが連通路を介して連通された気体圧縮機において、
    前記吐出室内の潤滑油が供給される油路と前記メカニカルシールが配置された空間とを連通させる連通油路が形成されているとともに、前記連通油路に、前記油路と前記空間との差圧に応じて該連通油路を開閉する弁が配設されていることを特徴とする気体圧縮機。
  2. 前記弁の外周面と前記連通油路の内周面との間の微小隙間は、前記弁の開放状態において前記油路から前記空間に流れる潤滑油を所定の圧力だけ減圧するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の気体圧縮機。


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