JP2007100144A - 亜鉛電解精錬方法および亜鉛電解精錬用の支持治具 - Google Patents

亜鉛電解精錬方法および亜鉛電解精錬用の支持治具 Download PDF

Info

Publication number
JP2007100144A
JP2007100144A JP2005289246A JP2005289246A JP2007100144A JP 2007100144 A JP2007100144 A JP 2007100144A JP 2005289246 A JP2005289246 A JP 2005289246A JP 2005289246 A JP2005289246 A JP 2005289246A JP 2007100144 A JP2007100144 A JP 2007100144A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
zinc
support
plate
anode
cathode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005289246A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4862182B2 (ja
Inventor
Kazuhiko Takeya
一彦 竹谷
Ariyuki Kamata
有幸 鎌田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dowa Holdings Co Ltd
Original Assignee
Dowa Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dowa Holdings Co Ltd filed Critical Dowa Holdings Co Ltd
Priority to JP2005289246A priority Critical patent/JP4862182B2/ja
Publication of JP2007100144A publication Critical patent/JP2007100144A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4862182B2 publication Critical patent/JP4862182B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Electrolytic Production Of Metals (AREA)

Abstract

【課題】700A/mの高電流密度でショートを生じることなく亜鉛電解精錬を行うことにある。
【解決手段】複数枚のアノード板2とカソード板3を亜鉛電解液10中において所定の間隔をあけて交互に略平行に配置し,亜鉛電解液10中を介してアノード板2とカソード板3の間で通電し,カソード板3に亜鉛を電着させる湿式の亜鉛電解精錬において,アノード板2とカソード板3の中心間隔を20〜40mmとし,かつ,中心間隔の標準偏差を4.1mm未満として,アノード板2とカソード板3の間で600A/m以上の電流密度で通電する。
【選択図】図1

Description

本発明は,亜鉛電解液中に配置したアノード板とカソード板の間で通電し,カソード板に亜鉛を電着させる湿式の亜鉛電解精錬に関する。
亜鉛電解精錬は,電力費がコストの大部分を占める。このため,より電力単価の安い夜間帯に亜鉛電解精錬を行っている。また,短時間で亜鉛精錬を行うために,電流密度を上げた高電流により亜鉛を精錬している。
しかし,高電流密度にすることにより短時間に亜鉛を採取可能となるが,一方で,高電流密にすると,アノード板とカソード板のヘッドバーに電気的に接触しているブスバーの温度が上昇し,ブスバーに酸化膜が形成され,熱によってヘッドバーやブスバーが損なわれる問題が発生する。この発熱による問題を解決するために,特許文献1には,ブスバーに散水し冷却することで500A/mの高電流密度にすることを可能にしている。
特開平6−212472号公報
電流密度を高くすれば電解精錬にかかる時間も短縮でき,効率も向上する。このため,例えば600A/mの高電流密度で亜鉛電解精錬を行うことが望まれている。ところが,600A/m以上の高電流密度で亜鉛電解精錬を行った場合,電解精錬中にカソード板に局部的に亜鉛が針状に析出して,対向するアノード板と電気的に接触し,ショートを生ずる可能性が高くなる。ショートを生じたカソード板とアノード板の間では電解精錬が停止してしまう。また,せっかく600A/mの高電流密度としても,電力がショートによって無駄に消費されてしまい,電解槽全体では電解効率が低下してしまう。
本発明の目的は,600A/mの高電流密度でショートを生じることなく亜鉛電解精錬を行うことにある。
本発明者らは,上記課題を解決するために鋭意研究したところ,アノード板とカソード板の間隔を所定の精度で等間隔に配置することにより,600A/mの高電流密度でショートをほとんど生じることなく亜鉛電解精錬が行えるようになることを見出した。
本発明によれば,複数枚のアノード板とカソード板を亜鉛電解液中において所定の間隔をあけて交互に略平行に配置し,亜鉛電解液中を介してアノード板とカソード板の間で通電し,カソード板に亜鉛を電着させる湿式の亜鉛電解精錬方法において,アノード板とカソード板の中心間隔を20〜40mmとし,かつ,中心間隔の標準偏差を4.1mm未満として,アノード板とカソード板の間で600A/m以上の電流密度で通電することを特徴とする,亜鉛電解精錬方法が提供される。
また本発明によれば,亜鉛電解液が入れられる電解槽の上端に配置され,アノード板とカソード板の上端に取り付けられたヘッドバーを支持する支持治具であって,ヘッドバーを支持する支持部とヘッドバーを通過させる通過部を交互に直列に複数備えることを特徴とする,亜鉛電解精錬用の支持治具が提供される。
亜鉛電解液中において交互に略平行に配置された複数枚のアノード板とカソード板の間隔を,中心間隔を20〜40mm,中心間隔の標準偏差を4.1未満とすることにより,600A/mの高電流密度でショートをほとんど生じることなく亜鉛電解精錬が行えるようになる。本発明によれば,ショートの発生を約30%以上低減させ,電流効率を1.3%向上させることができ,これにより,亜鉛電解精錬の生産性が向上する。
本発明の実施の形態を,図面を参照に説明する。図1は,電解槽1の平面図である。図2は,アノード板2(カソード板3)の正面図である。図3は,支持治具11,12の斜視図である。なお,本明細書および図面において,実質的に同一の機能構成を有する構成要素については,同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
上面が開放した直方体形状の電解槽1には,亜鉛電解液10が入れられている。亜鉛電解液10は,主に硫酸亜鉛からなり,他にマンガン等が含まれる。その成分は常に一定ではないが,例えば,電解前の電解液の主な成分は,亜鉛は155−175g,Cd<0.1ppm,Cu<0.1ppm,Fe,Co,ニッケル,砒素,アンチモン,マンガン,マグネシウム,硫酸等が含まれている。電解後は,亜鉛60〜70g/L,遊離硫酸150〜190g,マンガン2.5〜4.5g/L,酸化マグネシウム<19g・Lとなる。図示はしないが,電解槽1には,亜鉛電解液10の導入,排出を行う配管がそれぞれ接続してある。
電解槽1の左右の上端には,支持治具11,12が対をなして載置されている。また,電解槽1の左右両外側(支持治具11,12それぞれの外側)には,通電用のブスバー13,14が対をなして配置されている。これらブスバー13,14の一方は正の電極(陽極)であり,他方は負の電極(陰極)である。以下,一例として,左側のブスバー13を陽極,右側のブスバー14を陰極として説明する。
図2(a)に示すように,アノード板2とカソード板3は,何れも電極板20の上縁部に,通電及び加重支持用のヘッドバー21を取り付けた略T字型の形状となっている。電極板20は,略長方形の薄板状に形成されている。電極板20の材質は,アノード板2の場合は鉛であり,例えば鉛―0.85質量%銀合金からなり,面積は1.7mほどである。なお,アノード板2の電極板20に他の合金組成を用いることも可能である。例えば,鉛―銀−カルシウム合金など挙げられる。Pb―1.0%Ag鋳放アノードと比べ,Pb―0.5%Ag−。04%Ca鋳放アノードを用いると槽電圧を低下させる効果がある。カソード板3の場合は例えばアルミニウムまたはその合金等であり,面積は1.7mほどである。また,チタンなどの酸性に強い金属を用いても良い。ヘッドバー21は,銅棒等である。
ヘッドバー21の左右両端部は,電極板20の上縁において,左右外側に突出している。ヘッドバー21の厚さt(図2(b)に示す)は,アノード板2の場合はt=17mmであり,カソード板3の場合はt=15mmである。図2のように平面視では,ヘッドバー21の長さ方向の中心軸と電極板20の幅方向の中心軸はほぼ一致しており,電極板20の表裏面全体がヘッドバー21の中心線と平行になるように形成されている。ヘッドバー21により電極板20の位置が精確に把握できるようにするためと,電解槽1において各電極板20が平行に並ぶようにするためである。
図3に示すように,支持治具11,12は,いずれも長板形状の基部25の上面に,長手方向に沿って,ヘッドバー21を支持する複数の支持部26を,互いに隙間を開けて配置した構成である。基部25の上面において,各支持部26同士の間に形成された隙間が,ヘッドバー21を通過させる通過部27となっており,基部25の上面には,長手方向に沿って,支持部26と通過部27が交互に直列に複数設けられている。
各支持部26の上面には,ヘッドバー21の端部を基部25の長手方向に対して直交させた姿勢で保持するように案内するためのガイド凹部30が形成されている。ガイド凹部30は,平面部31と,平面部31の前後(基部25の長手方向における前後)に配置された一対の斜面32,32で構成される。斜面32,32は,平面部31の前後において,平面部31から離れるに従って次第に高くなるように形成されている。
平面部31の幅s(基部25の長手方向における幅s)は,後述するようにカソード板3のヘッドバー21(厚さt=15mm)が支持部26に載せられる左側の支持治具11にあっては,s=19mmである。また,後述するようにアノード板2のヘッドバー21(厚さt=17mm)が支持部26に載せられる右側の支持治具12にあっては,s=21mmである。
このように,中央の平面部31とその前後に配置された一対の斜面32,32で構成されるガイド凹部30が支持部26の上面に形成されていることにより,後述するように,支持部26の上面にヘッドバー21の端部を載置させると,ヘッドバー21が斜面32,32を自重で滑り落ちて必然的に最下部の平面部31まで移動し,基部25の長手方向に対して支持部26の上面のほぼ中央にヘッドバー21が位置決めされるようになっている。
また,支持部26上面の外縁には,ヘッドバー21の端面を押さえるための垂直壁部35が上方に突出して設けられている。この垂直壁部35が支持部26の上面外縁に形成されていることにより,後述するように,支持部26の上面にヘッドバー21の端部を載置させる際には,ヘッドバー21の端面が垂直壁部35の内側面に押さえられ,ヘッドバー21の端部が,支持治具11,12よりも外側に突出しないようになっている。
各支持部26同士の間に形成された通過部27は,ヘッドバー21を通過させるための十分な幅s’を有している。各通過部27の幅s’(基部25の長手方向における幅s’)は,後述するようにアノード板2のヘッドバー21(厚さt=17mm)を通過させる左側の支持治具11にあっては,s’=24mmである。また,後述するようにカソード板3のヘッドバー21(厚さt=15mm)を通過させる右側の支持治具12にあっては,s’=19mmである。
各通過部27には,支持部26の上面外縁に形成された上述の垂直壁部31のようなものはない。このため,後述するように,通過部27にヘッドバー21の端部を挿入させる際には,ヘッドバー21の端部を支持治具11,12よりも外側に突出させた状態にすることが可能である。
各支持部26と通過部27は,基部25の長手方向に沿って,ほぼ等間隔で交互に配置されている。即ち,互いに隣接する支持部26と通過部27における支持部26の中心軸26’と通過部27の中心軸27’との間隔L(隣接する支持部26と通過部27の中心間隔L)はいずれも等しく設定されている。この場合,各中心間隔Lの長さは,支持治具11,12のいずれも32mmになっている。これにより,支持治具11,12のいずれにおいても,支持部26同士のピッチ間隔と通過部27同士のピッチ間隔は,64mmとなっている。この場合,支持治具11,12のいずれにおいても,支持部26同士のピッチ間隔と通過部27同士のピッチ間隔の寸法誤差は±0.5mm以下になるように設定され,製作されている。
なお,支持治具11,12全体は,耐熱性,耐酸性を有する例えば樹脂などの絶縁材料で一体的に形成されている。これら支持治具11,12は中空のリブ状として樹脂原料のコスト減と強度補強をはかると良い。
さて,亜鉛電解精錬を行うには,先ず,亜鉛電解液10が入れられた電解槽1の左右上端に,支持治具11,12の基部25を載せて,左右の支持治具11,12を対をなすように載置する。この場合,左側の支持治具11にあっては,支持部26上面の垂直壁部31が電解槽1の外側となるように配置し,右側の支持治具12にあっては,支持部26上面の垂直壁部31が電解槽1の外側となるように配置する。
また,左右の支持治具11,12は,電解槽1の左右上端の長手方向に沿って,隣接する支持部26と通過部27の中心間隔Lと等しい長さだけ,互いにずらして配置する。上述のように,左右の支持治具11,12は,隣接する支持部26と通過部27の中心間隔Lが何れも約32mmと等しくなっているので,このように左右の支持治具11,12を中心間隔Lだけ互いにずらして配置したことにより,左側の支持治具11の各支持部26の正面に,右側の支持治具12の通過部27が位置し,右側の支持治具12の各支持部26の正面に,左側の支持治具11の通過部27が位置するように,左右の支持治具11,12を対向して配置させる。
そして,これら左右の支持治具11,12の上にアノード板2とカソード板3のヘッドバー21を跨って載せることにより,複数枚(例えばそれぞれ48〜59枚)のアノード板2とカソード板3を,交互に電解槽1内に挿入する。これらアノード板2とカソード板3の挿入は,電解槽1の上方からクレーン等によってアノード板2とカソード板3を下降しながら行うことができる。その際,アノード板2を載せる場合は,図4に示すように,ヘッドバー21の右端部を電解槽1の右上端に載せた右側の支持治具12の支持部26の上に載せ,ヘッドバー21の左端部を電解槽1の左上端に載せた左側の支持治具11の通過部27(ヘッドバー21の右端部を載せた支持部26に対向する通過部27)に通すようにする。なお,アノード板2のヘッドバー21の右端部を右側の支持治具12の支持部26の上に載せるときには,ヘッドバー21の右端面を支持部26上面の垂直壁部31の内側面に押し当てるようにして,アノード板2の左右位置を容易に位置決めすることができる。そして,このように位置決めされたアノード板2のヘッドバー21の左端部は,左側の支持治具11の通過部27を通って左側の支持治具11の外側方(支持治具11よりも更に左側方)まで突出し,電解槽1の左外側(支持治具11の外側)に配置された陽極のブスバー13に電気的に接触することになる。なお,アノード板2のヘッドバー21の右端部は,支持部26上面に載せられるので,電解槽1の右外側(支持治具12の外側)に配置された陰極のブスバー14には電気的に接触しない。
また,アノード板2のヘッドバー21の右端部を右側の支持治具12の支持部26の上に載せたことにより,ヘッドバー21の右端部は支持部26上面のガイド凹部30によって前後に位置決めされ,同様に,アノード板2のヘッドバー21の左端部を左側の支持治具11の通過部27に通したことにより,ヘッドバー21の左端部は通過部27によって前後に位置決めされる。こうして,アノード板2は,前後左右の位置を正確に位置決めされた状態で,電解槽1内に挿入され,当該アノード板2の電極板20は,電解槽1に入れられた亜鉛電解液10中に浸漬された状態となる。
一方,左右の支持治具11,12の上にカソード板3を載せる場合は,図5に示すように,ヘッドバー21の左端部を電解槽1の左上端に載せた左側の支持治具11の支持部26の上に載せ,ヘッドバー21の右端部を電解槽1の右上端に載せた右側の支持治具12の通過部27(ヘッドバー21の左端部を載せた支持部26に対向する通過部27)に通すようにする。なお,同様に,カソード板3のヘッドバー21の左端部を左側の支持治具11の支持部26の上に載せるときには,ヘッドバー21の左端面を支持部26上面の垂直壁部31の内側面に押し当てるようにして,カソード板3の左右位置を容易に位置決めすることができる。そして,このように位置決めされたカソード板3のヘッドバー21の右端部は,右側の支持治具12の通過部27を通って右側の支持治具12の外側方(支持治具12よりも更に右側方)まで突出し,電解槽1の右外側(支持治具12の外側)に配置された陰極のブスバー14に電気的に接触することになる。なお,カソード板3のヘッドバー21の左端部は,支持部26上面に載せられるので,電解槽1の左外側(支持治具11の左側)に配置された陽極のブスバー13には電気的に接触しない。
また,カソード板3のヘッドバー21の左端部を左側の支持治具11の支持部26の上に載せたことにより,ヘッドバー21の左端部は支持部26上面のガイド凹部30によって前後に位置決めされ,同様に,カソード板3のヘッドバー21の右端部を右側の支持治具12の通過部27に通したことにより,ヘッドバー21の右端部は通過部27によって前後に位置決めされる。こうして,カソード板3は,前後左右の位置を正確に位置決めされた状態で,電解槽1内に挿入され,当該カソード板3の電極板20も,電解槽1に入れられた亜鉛電解液10中に浸漬された状態となる。
こうして,所定枚数のアノード板2とカソード板3を,左右の支持治具11,12の上に載せることにより,電解槽1内には,複数枚のアノード板2とカソード板3が,所定の間隔をあけて交互に略平行に配置された状態となる。なお,上述したようにヘッドバー21の長さ方向の中心軸と電極板20の幅方向の中心軸はほぼ一致しており,電極板20の表裏面全体がヘッドバー21の中心線と平行になるように形成されている。このため,アノード板2とカソード板3をヘッドバー21によって位置合わせすることにより,アノード板2の電極板20とカソード板3の電極板20を互いに略平行に配置させることが可能となる。この場合,上述したように,アノード板2のヘッドバー21の厚さtが17mm,カソード板3のヘッドバー21の厚さtが15mmに設定され,左側の支持治具11の支持部26上面に形成されたガイド凹部30の平面部31の幅sが19mm,右側の支持治具12の支持部26上面に形成されたガイド凹部30の平面部31の幅sが21mmに設定され,左側の支持治具11の通過部27の幅s’が24mm,右側の支持治具12の通過部27の幅s’が19mmに設定されている。このため,このようにアノード板2とカソード板3のヘッドバー21を,左右の支持治具11,12の上に載せて位置決めしたことによって,複数枚のアノード板2とカソード板3は,互いに隣接するアノード板2とカソード板3の間では両者の中心間隔が,支持治具11,12の支持部26と通過部27の中心間隔L=32mmにほぼ等しくなる。また,互いに隣接するアノード板2とカソード板3の中心間隔のばらつきは0.22mm以下,標準偏差が4.1mm未満となる。なお,アノード板2の電極板20とカソード板3の電極板20の間隔やばらつきは,アノード板2とカソード板3のヘッドバー21の位置によって代替的に測定することができる。
こうして,複数枚のアノード板2とカソード板3を,電解槽1内に所定の間隔をあけて交互に略平行に配置した状態で,左側のブスバー13に正の電荷をかけ,右側のブスバー14に負の電荷をかけることにより,アノード板2とカソード板3の間で通電し,電解亜鉛をカソード板3に電着させる。この場合,アノード板2とカソード板3間に600A/m以上の電流密度で通電するように,ブスバー13,14間に印加する電圧を調整する。この場合,整流器としてSCRを用いればよい。
以上の実施の形態によれば,亜鉛電解液10中において交互に略平行に配置された複数枚のアノード板2とカソード板3の中心間隔が20〜40mm,中心間隔の標準偏差が4.1未満となっていることにより,600A/mの高電流密度でもショートをほとんど生じることなく亜鉛電解精錬が行えるようになる。アノード板2は鉛製の板であるため,1mm程度のそり,曲がりもある。しかし,カソード板3の位置間隔の精度向上により,ショートの防止,電解効率の向上に寄与し,600A/m以上の高電流密度であっても安定して操作が可能となる。なお,極間距離が少ない方が槽電圧が下がると一般的に言われており,極間距離を短くすることが望ましい。
以上,本発明の実施の形態の一例を説明したが,本発明は例示の形態に限定されない。例えば図3で説明した支持治具11,12では,ヘッドバー21を支持する支持部26の上面外縁に,ヘッドバー21の端面を押さえるための垂直壁部35を設けた例を説明した。しかしながら,例えば図6に示すように,上面に垂直壁部35を有しない支持部26としても良い。この場合,左右の支持治具11,12の両方を,支持部26の上面に垂直壁部35を設けない構成としても良いが,例えば,カソード板3のヘッドバー21を載せる左側の支持治具11では,支持部26の上面に垂直壁部35を設けず,アノード板2のヘッドバー21を載せる右側の支持治具11では,支持部26の上面に垂直壁部35を設けるようにしても良い。また逆に,カソード板3のヘッドバー21を載せる左側の支持治具11では,支持部26の上面に垂直壁部35を設け,アノード板2のヘッドバー21を載せる右側の支持治具11では,支持部26の上面に垂直壁部35を設けないようにしても良い。
図1〜5で説明した条件で亜鉛電解精錬を行った。また,比較例として,カソード板3のヘッドバー21(厚さt=15mm)を通過させる通過部27の幅s’を30mmとした治具を用いて,アノード板2とカソード板3を電解槽1内に挿入した。比較例では,電極間距離のばらつきの平均は3.1mmとなり,標準偏差で4.1となった。図1〜5で説明した条件で本発明の実施例による亜鉛電解精錬では,比較例に比べて電流効率が1.25%向上し,電極のショート率が30%以上向上された。なお,電解効率が1%向上すると,年間数千万円以上のコスト削減となる。電流密度は,整流器の能力や電解液組成によって制限されるが,それらの制限をのぞけば,600〜800A/m以上が可能であり,特には700〜800A/mでの電流密度による安定した操業が本発明により可能となる。
本発明は,湿式の亜鉛電解精錬に利用できる。
電解槽の平面図である。 アノード板(カソード板)の正面図である。 支持治具の斜視図である。 アノード板を電解槽内に挿入する状態の説明図である。 カソード板3を電解槽内に挿入する状態の説明図である。 支持部の上面に垂直壁部を設けない支持治具の斜視図である。
符号の説明
1 電解槽
2 アノード板
3 カソード板
11,12 支持治具
10 亜鉛電解液
13,14 ブスバー
20 電極板
21 ヘッドバー
25 基部
26 支持部
27 通過部
30 ガイド凹部
31 平面部
32 斜面
35 垂直壁部

Claims (2)

  1. 複数枚のアノード板とカソード板を亜鉛電解液中において所定の間隔をあけて交互に略平行に配置し,亜鉛電解液中を介してアノード板とカソード板の間で通電し,カソード板に亜鉛を電着させる湿式の亜鉛電解精錬方法において,
    アノード板とカソード板の中心間隔を20〜40mmとし,かつ,中心間隔の標準偏差を4.1未満として,アノード板とカソード板の間で600A/m以上の電流密度で通電することを特徴とする,亜鉛電解精錬方法。
  2. 亜鉛電解液が入れられる電解槽の上端に配置され,アノード板とカソード板の上端に取り付けられたヘッドバーを支持する支持治具であって,
    ヘッドバーを支持する支持部とヘッドバーを通過させる通過部を交互に直列に複数備えることを特徴とする,亜鉛電解精錬用の支持治具。
JP2005289246A 2005-09-30 2005-09-30 亜鉛電解精錬方法および亜鉛電解精錬用の支持治具 Expired - Fee Related JP4862182B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005289246A JP4862182B2 (ja) 2005-09-30 2005-09-30 亜鉛電解精錬方法および亜鉛電解精錬用の支持治具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005289246A JP4862182B2 (ja) 2005-09-30 2005-09-30 亜鉛電解精錬方法および亜鉛電解精錬用の支持治具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007100144A true JP2007100144A (ja) 2007-04-19
JP4862182B2 JP4862182B2 (ja) 2012-01-25

Family

ID=38027371

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005289246A Expired - Fee Related JP4862182B2 (ja) 2005-09-30 2005-09-30 亜鉛電解精錬方法および亜鉛電解精錬用の支持治具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4862182B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014208871A (ja) * 2013-03-25 2014-11-06 住友金属鉱山株式会社 陽極及びその製造方法
JP2015505343A (ja) * 2011-12-22 2015-02-19 ジーイー−ヒタチ・ニュークリア・エナジー・アメリカズ・エルエルシーGe−Hitachi Nuclear Energy Americas, Llc 陰極電力分配システムおよび電力分配のために同システムを用いる方法
JP2016507010A (ja) * 2013-02-20 2016-03-07 インドゥストリエ・デ・ノラ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ 相互接続された電解セル内の電流分布を監視する装置
US9920443B2 (en) 2010-12-23 2018-03-20 Ge-Hitachi Nuclear Energy Americas Llc Modular cathode assemblies and methods of using the same for electrochemical reduction
CN108342752A (zh) * 2018-05-14 2018-07-31 三门三友科技股份有限公司 一种阴极支撑装置
JP2021088749A (ja) * 2019-12-05 2021-06-10 アサヒプリテック株式会社 金属の電解回収装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6411989A (en) * 1987-07-06 1989-01-17 Mitsubishi Metal Corp Electrolysis method using unitized electrode plate
JPH06212472A (ja) * 1992-06-10 1994-08-02 Akita Seiren Kk 亜鉛電解製錬法およびその装置
JPH0841675A (ja) * 1994-07-28 1996-02-13 Mitsubishi Materials Corp 電解槽用電極板受け台
JP2001089891A (ja) * 1999-09-20 2001-04-03 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 電解用陽極板の矯正方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6411989A (en) * 1987-07-06 1989-01-17 Mitsubishi Metal Corp Electrolysis method using unitized electrode plate
JPH06212472A (ja) * 1992-06-10 1994-08-02 Akita Seiren Kk 亜鉛電解製錬法およびその装置
JPH0841675A (ja) * 1994-07-28 1996-02-13 Mitsubishi Materials Corp 電解槽用電極板受け台
JP2001089891A (ja) * 1999-09-20 2001-04-03 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 電解用陽極板の矯正方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9920443B2 (en) 2010-12-23 2018-03-20 Ge-Hitachi Nuclear Energy Americas Llc Modular cathode assemblies and methods of using the same for electrochemical reduction
JP2015505343A (ja) * 2011-12-22 2015-02-19 ジーイー−ヒタチ・ニュークリア・エナジー・アメリカズ・エルエルシーGe−Hitachi Nuclear Energy Americas, Llc 陰極電力分配システムおよび電力分配のために同システムを用いる方法
KR101934613B1 (ko) 2011-12-22 2019-01-02 지이-히타치 뉴클리어 에너지 어메리카스 엘엘씨 캐소드 배전 시스템 및 배전을 위한 그 사용 방법
JP2016507010A (ja) * 2013-02-20 2016-03-07 インドゥストリエ・デ・ノラ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ 相互接続された電解セル内の電流分布を監視する装置
JP2014208871A (ja) * 2013-03-25 2014-11-06 住友金属鉱山株式会社 陽極及びその製造方法
WO2015022846A1 (ja) * 2013-08-13 2015-02-19 住友金属鉱山株式会社 陽極及びその製造方法
CN108342752A (zh) * 2018-05-14 2018-07-31 三门三友科技股份有限公司 一种阴极支撑装置
CN108342752B (zh) * 2018-05-14 2023-09-19 三门三友科技股份有限公司 一种阴极支撑装置
JP2021088749A (ja) * 2019-12-05 2021-06-10 アサヒプリテック株式会社 金属の電解回収装置
JP7337676B2 (ja) 2019-12-05 2023-09-04 アサヒプリテック株式会社 金属の電解回収装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4862182B2 (ja) 2012-01-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4862182B2 (ja) 亜鉛電解精錬方法および亜鉛電解精錬用の支持治具
TW389795B (en) A compound electrolytic electrode
US5492609A (en) Cathode for electrolytic refining of copper
JP6946911B2 (ja) めっき用電極および電解金属箔の製造装置
KR20150016212A (ko) 전극, 배터리, 전극 제조 방법 및 배터리 제조 방법
KR102500973B1 (ko) 전극구조체
CN201890938U (zh) 新型熔铸型导电头阴极板
US11926912B2 (en) Electrode assembly for electrochemical processes
CN208362488U (zh) 一种电解法制备高纯金属材料的通用型阴极板
CN203639586U (zh) 一种湿法冶金用复合阳极
JP6011488B2 (ja) 陽極及びその製造方法
CN109930190A (zh) 铝合金板材表面氧化夹具
JP6077884B2 (ja) 非鉄金属の電解採取方法およびそれに用いるアノードの製造方法
US3455811A (en) Electrode system for use in the electrolytic production of manganese dioxide
CN210826393U (zh) 新型整体式电解阴极板
JPS5858299A (ja) 金属電極
JP2615863B2 (ja) 電解用陰極板
JP3283358B2 (ja) アルミニウムヒートシンク材の陽極酸化処理法
TW200840886A (en) Fixing structure for a titanium basket
CN213739730U (zh) 一种锌电极高强度阳极板用导向绝缘装置
CN205050913U (zh) 一种锂电池模块用复合导电排及锂电池模块
CN213583871U (zh) 一种液流电池中的汇流导体电极
CN217903366U (zh) 一种圆柱电池模组的汇流排固定结构
JP2017179405A (ja) 銅ブスバー
CN216107258U (zh) 一种大型节能电解金属锰阳极板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080812

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110707

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110719

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110913

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111004

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20111019

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111019

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20111019

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141118

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4862182

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees