JP2007100021A - 可視光重合組成物及び防湿絶縁塗料 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐湿性、電気特性、特に絶縁抵抵抗値に優れた防湿絶縁塗料を提供する。
【解決手段】(a)数平均分子量500〜3,000のポリカーボネートジオールとジメチロールプロピン酸とからなるジオール成分と(b)ジイソシアネート成分を反応させた後、(c)1水酸基含有(メタ)クリレートを反応させ、更に(a)成分中のジメチロールプロピン酸のモル数に対して、特定の(d)グリシド基含有シラン化合物の1種又は2種以上を1.00〜0.25モル反応させて得られる(A)シラン変性ウレタンアクリレートと、(B)無水フタル酸イミドアクリレートと、(C)光重合性化合物と、(D)可視光重合開始剤と、(E)パラフィン系ワックスと、を含有してなる可視光重合組成物。
【選択図】なし
【解決手段】(a)数平均分子量500〜3,000のポリカーボネートジオールとジメチロールプロピン酸とからなるジオール成分と(b)ジイソシアネート成分を反応させた後、(c)1水酸基含有(メタ)クリレートを反応させ、更に(a)成分中のジメチロールプロピン酸のモル数に対して、特定の(d)グリシド基含有シラン化合物の1種又は2種以上を1.00〜0.25モル反応させて得られる(A)シラン変性ウレタンアクリレートと、(B)無水フタル酸イミドアクリレートと、(C)光重合性化合物と、(D)可視光重合開始剤と、(E)パラフィン系ワックスと、を含有してなる可視光重合組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、可視光重合組成物及び防湿絶縁塗料に関する。
従来、紫外線等の光照射によって硬化する重合組成物はプラスチック、紙、木工、無機質材などに対する塗料および接着剤、印刷インキ、電気絶縁関係などに種々の用途に実用化されている。光による硬化は(1)硬化速度が極めて速く、重合性が高い(2)素材に対する熱の影響が小さい等の特徴を有する。紫外線で硬化する組成物としては、シリコーンアクリレート、不飽和ポリエステル、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレートなどの組成物が知られている。特に電気絶縁用塗料には、シリコ−ンアクリレート系組成物が多く使用されている。
また防湿絶縁等に適し、基材との接着性に優れた耐熱性防湿絶縁塗料として、熱可塑性樹脂、粘着性付与樹脂、シランカップリング剤、溶剤を含有してなる防湿絶縁塗料が開示されている(例えば特許文献1参照)。
しかし、これらの紫外線で硬化する組成物は高価な紫外線照射機器を必要とする。また、熱量に敏感な素材に対しては、紫外線照射の熱量により影響を受ける恐れがある。
本発明は前記の従来技術の欠点を解決し、高価な装置を必要とせず蛍光灯および太陽光でも容易に硬化し、しかも厚膜においても塗膜表面と内部の硬化バランスに優れた可視光重合組成物およびこの組成物を電子部品に塗装して使用した際の、耐湿性、電気特性、特に絶縁抵抵抗値に優れた防湿絶縁塗料を提供するものである。
本発明は前記の従来技術の欠点を解決し、高価な装置を必要とせず蛍光灯および太陽光でも容易に硬化し、しかも厚膜においても塗膜表面と内部の硬化バランスに優れた可視光重合組成物およびこの組成物を電子部品に塗装して使用した際の、耐湿性、電気特性、特に絶縁抵抵抗値に優れた防湿絶縁塗料を提供するものである。
本発明は以下の通りである。
1.(a)数平均分子量500〜3,000のポリカーボネートジオールとジメチロールプロピン酸とからなり、その使用割合がポリカーボネートジオール:ジメチロールプロピン酸のモル比で0.95〜0.50:0.05〜0.50であるジオール成分と(b)ジイソシアネート成分を前記(a)成分の総モル数に対して2.00〜2.20モルの範囲で反応させた後、(c)1水酸基含有(メタ)クリレートを前記(b)成分のモル数に対して2.00〜2.20の範囲で反応させ、更に(a)成分中のジメチロールプロピン酸のモル数に対して、下記式(1)に示した(d)グリシド基含有シラン化合物の1種又は2種以上を1.00〜0.25モル反応させて得られる(A)シラン変性ウレタンアクリレートと、(B)無水フタル酸イミドアクリレートと、(C)光重合性化合物と、(D)可視光重合開始剤と、(E)パラフィン系ワックスと、を含有してなる可視光重合組成物。
1.(a)数平均分子量500〜3,000のポリカーボネートジオールとジメチロールプロピン酸とからなり、その使用割合がポリカーボネートジオール:ジメチロールプロピン酸のモル比で0.95〜0.50:0.05〜0.50であるジオール成分と(b)ジイソシアネート成分を前記(a)成分の総モル数に対して2.00〜2.20モルの範囲で反応させた後、(c)1水酸基含有(メタ)クリレートを前記(b)成分のモル数に対して2.00〜2.20の範囲で反応させ、更に(a)成分中のジメチロールプロピン酸のモル数に対して、下記式(1)に示した(d)グリシド基含有シラン化合物の1種又は2種以上を1.00〜0.25モル反応させて得られる(A)シラン変性ウレタンアクリレートと、(B)無水フタル酸イミドアクリレートと、(C)光重合性化合物と、(D)可視光重合開始剤と、(E)パラフィン系ワックスと、を含有してなる可視光重合組成物。
2.(A)シラン変性ウレタンアクリレート10〜50重量部、(B)無水フタル酸イミドアクリレート30〜87重量部、(C)光重合性化合物3〜20重量部の範囲で、(D)可視光重合開始剤の1種又は2種以上を、(A)+(B)+(C)の総量に対して0.1〜5.0重量部含有する項1に記載の可視光重合組成物。
3.(E)パラフィン系ワックスを、前記(A)+(B)+(C)の総量に対して0.01〜1.0重量部含有する項1または2に記載の可視光重合組成物。
4.項1から3いずれかに記載の可視光重合組成物を、バインダーとして含有する防湿絶縁塗料。
3.(E)パラフィン系ワックスを、前記(A)+(B)+(C)の総量に対して0.01〜1.0重量部含有する項1または2に記載の可視光重合組成物。
4.項1から3いずれかに記載の可視光重合組成物を、バインダーとして含有する防湿絶縁塗料。
高価な装置を必要とせず蛍光灯および太陽光でも容易に硬化し、しかも厚膜においても塗膜表面と内部の硬化バランスに優れた可視光重合組成物およびこの組成物を電子部品に塗装して使用した際の、耐湿性、電気特性、特に絶縁抵抵抗値に優れた防湿絶縁塗料を提供することが可能となった。
本発明に用いられる(A)成分であるシラン変性ウレタンアクリレートは(a)数平均分子量が500〜3,000、好ましくは1,000〜2,500のポリカーボネートジオールとしては下記一般式(2)で得られる市販の種々のポリカーボネートジオールを使用することが出来る。
ポリカーボネートジオールを使用することにより得られる重合物は、特に柔軟性に優れ、更に加水分解性にも優れている。ポリカーボネートジオールと共に使用されるジメチロールプロピン酸(以下DMPAと略す)は、水酸基とカルボキシル基の両者の官能基を有している為、カルボキシル基への変性が可能である。両者の使用割合は、モル比でポリカーボネートジオール:DMPA=0.95〜0.50:0.05〜0.50好ましくは0.80〜0.50:0.20〜0.50である。ポリカーボネートジオールの割合が0.95モル以上ではジオール成分中のカルボキシル基含有量が少ない為、後述する(d)成分のシラン化合物の結合量が少なくなる為、素材への接着性が低下する。また、ポリカーボネートジオールの使用割合が0.50モル未満では、相対的にDMPA含有量が多くなる為、硬化塗膜は硬くなり靭性が低下する。(a)成分中の水酸基の全量を完全にジイソシアネート基で反応させ、しかも後述する(c)成分を反応させる必要がある為、(b)成分の使用割合は該(a)成分の総モル数に対して2.00〜2.20モル、好ましくは2.00〜2.02モルの範囲で使用される。
(b)成分の使用割合が2.00モル未満では該(a)成分と連続的に反応を繰り返す為、分子量が大きくなり場合によってはゲル化(三次元化)する恐れがあり、取扱いが極度に低下する。また、(b)成分の使用割合が2.20モルを超えるとジイソシアネートの残存量が多くなる為、外気中の水分による影響を受けやすくなり、電気特性等に悪影響をおよぼす恐れがある。
(b)成分のジイソシアネートとしては例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチルジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボノナンジイソシアネート及びこれらの水添加物等の1種又は2種以上が使用される。(a)と(b)の反応物中のイソシアネート基に反応させる(c)成分の1水酸基含有(メタ)アクリレートの使用割合は前記(b)成分のモル数に対して2.00〜2.20、好ましくは2.00〜2.05モル使用される。
(c)成分の使用割合が2.00モル以下の使用量では、(a)と(b)の反応物中にイソシアネート基が残存する為、組成物の貯蔵安定性が極度に低下する。また、2.20モル以上の使用は(c)成分の一部が単独で残存する量が多くなる為、硬化物の耐水性、耐湿性が低下し、それに伴い電気特性、特に電気抵抗値が小さくなる傾向を示す。1水酸基含有(メタ)アクリレートとしては例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の1種又は2種以上が使用される。
(a+b+c)の反応物中の(a)成分のDMPAの残存がカルボキシル基に前記式(1)のグリシド基含有シラン化合物(通称シランカップリング剤)(d)を該DMPAのモル数に対して1.00〜0.25モル、好ましくは0.80〜0.20モル使用される。1.00モル未満の使用はシラン化合物が硬化物中にフリーな状態で残存する為、特に耐湿性が低下する傾向を示す。また、0.25モルを超えての使用は、基材との接着性が低下する為、特に電気抵抗値が小さくなる。
また、本発明に使用されるB成分の無水フタル酸イミドアクリレートは、低粘度であり取扱いが容易で、しかも前記A成分のシラン変性ウレタンアクリレートとの相溶性に優れている。
本発明者等ら鋭意検討した結果、B成分は光による硬化系において硬化時の酸素阻害の影響が少なく、塗膜表面の粘着性がかなり改善されることが判明した。その推定理由としてイミド結合中、特に窒素原子が光開始剤を分解する際により早く励起される為、硬化が促進されると思われる。B成分の無水フタル酸イミドアクリレートの作製は例えば、まず無水フタル酸1モルにジイソシアネート1モル反応させ、更に残存するイソシアネート基に1水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させることにより得られる。
本発明に使用されるC成分の光重合化合物は、低粘度でしかも親水性の水酸基、カルボキシル基及びアミノ基等の官能基を含まないアクリル酸エステル化合物及びメタクリル酸エステル化合物が好ましい。更に、好ましくは光硬化速度の観点からアクリル酸エステル化合物が選択される。一官能性アクリル酸エステル化合物としては例えば、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ラウリル、イソボロルアクリレート、2−メトキシアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートフェノキシエチルアクリレート等がある。また、二官能性アクリル酸エステル化合物としては例えば1.6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレン(分子量:200〜400)グリコールジアクリレート等がある。
また、三官能アクリル酸エステル化合物は総体的に高粘度を有するものが多いが、比較的に低粘度を有しているものとして例えば、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレートが挙げられる。これらの1種又は2種以上を組合せて使用することが出来る。
また、本発明に使用される可視光開始剤Dは、光の波長が400〜500nmで励起状を発するものが選択される。例えば、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)社のIRGACURE784[(ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニルチタニウム)]等がある。
本発明の組成物は主に電気部品分野に使用するため塩素イオン(Cl−)のない開始剤、特にIRGACURE784が選択される。更に、必要に応じて波長が400nm以下で励起する光重合開始剤と併用しても良い。その光重合開始剤は例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル系;2,2−ジエトキシアセトフェノン、4´−フェノキシ−2,2−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン系;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4´−イソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、4´−ドデシル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン等のプロピオフェノン系;ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−エチルアントラキノン、2−クロルアントラキノン等のアントラキノン系;チオキサントン系などが挙げられ、これらを1種又は2種類以上を組合せて使用することが出来る。
また、本発明に使用されるパラフィン系ワックスEは、可視光硬化物の表面に浮かすことにより、硬化時の酸素阻害を防止する働きを得る為、極めて重要である。前記B成分の無水フタル酸イミドアクリレート単独では、可視光硬化物の表面粘着性を完全に防止することが出来ない為、E成分と併用することでより効果的な性能を発揮することが判明した。
ワックスとしては、石油ワックス、天然ワックス、合成ワックス及びエマルジョンワックス等があげられ、本発明組成物においては、石油ワックスのパラフィン系ワックスが相溶性の点から選択されている。使用するパラフィン系ワックスの種類は使用条件、特に温度条件により選択され、常温(25℃)下では110°F〜145°Fの融点を有する1種又は2種類以上のパラフィン系ワックスが選択され使用することが出来る。
本発明の可視光重合組成物において前記A成分のシラン変性ウレタンアクリレート、B成分の無水フタル酸イミドアクリレート及びC成分の光重合性化合物の使用割合は、A+B+C成分の総量を100重量部とし、A成分を好ましくは10〜50重量部、より好ましくは15〜30重量部、B成分を好ましくは30〜87重量部、より好ましくは60〜83重量部、及びC成分を好ましくは3〜20重量部、より好ましくは30〜10重量部である。該A成分の使用量が10重量部未満では、得られる可視光照射後の硬化物は硬くなり基材への接着性が低下すると同時にワレが発生しやすい。また、50重量部を超える使用量では酸素による硬化阻害の影響を受けやすく、硬化物の表面に粘性が残る。該B成分の使用割合が30重量部未満では、可視光硬化時の酸素阻害を受けやすく、83重量部を超えた使用量では硬化物が硬くなりワレが発生しやすい。また、該C成分は主として組成物の取扱いを容易にする為の粘度調整的に使用される。その使用割合が3重量部未満では、組成物の粘度が高く、作業性及び取扱いが難しくなり、また、20重量部を超えた使用は作業性は大幅に改善されるが、可視光照射時に酸素阻害の影響を受けやすくなる。
本発明で使用されるD成分の可視光重合開始剤の使用割合は、前記A+B+Cの総量100重量部に対して好ましくは0.50〜4.50重量部、より好ましくは1.00〜3.00重量部である。該D成分の使用量が0.50重量部未満では、可視光照射時の硬化が十分ではなく、硬化物が柔らかく表面に粘着が残ると同時に靭性が大幅に低下する。また、4.50重量部を超える使用量では、特に硬化は促進されず経済的に不利である。
また、本発明で使用されるE成分のパラフィン系ワックスは、前記A+B+Cの総量100重量部に対して好ましくは0.01〜1.0重量部、より好ましくは0.01〜0.6重量部である。0.01重量部未満では可視光照射時の酸素遮断が十分機能せず硬化物の表面の粘着残る。また、1.0重量部を超える使用量では、硬化物中にワックスが残りやすく電気特性、特に電気抵抗値が低下する傾向を示す。
本発明の可視光重合組成物の取扱いを更に容易にする為、必要に応じてレベリング剤及び消泡剤等が使用される。使用されるレベリング剤としては例えば、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン共重合物、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン共重合物及びポリエーテル変性メチルアルキルポリシロキサン共重合物等が挙げられ、その使用量は、組成物の総量に対して好ましくは0.01〜10.00重量部である。また、消泡剤としては例えば、シリコン系オイル類、フッ素系オイル類及びポリカルボン酸系ポリ等が挙げられ、その使用量は、同様に組成物の総量100重量部に対して好ましくは0.001〜5.00重量部である。
本発明の可視光重合組成物は例えば、基材上にハケ塗り、スプレイ、浸漬等により塗布し、光源としては太陽光、蛍光灯、電灯等が使用される。
本発明の可視光重合組成物は例えば、基材上にハケ塗り、スプレイ、浸漬等により塗布し、光源としては太陽光、蛍光灯、電灯等が使用される。
次に本発明を実施例により更に詳しく説明する。
下記の例中の「部」および「%」は特に断らない限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。
下記の例中の「部」および「%」は特に断らない限り、それぞれ「重量部」および「重量%」を意味する。
(イ)シラン変性ウレタンアクリレートの作製
例中で使用したシラン変性ウレタンアクリレート(A−1,A−2)及びウレタンアクリレート(Z−1)は下記のように作製した。更に表1には、配合割合量及び得られた組成分の確認方法についてまとめて示した。
例中で使用したシラン変性ウレタンアクリレート(A−1,A−2)及びウレタンアクリレート(Z−1)は下記のように作製した。更に表1には、配合割合量及び得られた組成分の確認方法についてまとめて示した。
シラン変性ウレタンアクリレート(A−1)の作製
攪拌機、ガス導入管及び温度計を備えた1LのフラスコにプラクセルCD220PL(ダイセル化学社(株)製ポリカーボネートジオール、水酸基価56.8、数平均分子量(1975.5))547.0部(0.277モル)及びDMPA20.0部(0.149モル)仕込み窒素ガスを吹込みながら100℃に昇温し、同温度で30分間保温し均一に溶解させる。その後60℃に冷却し、トリレンジイソシアネート148.3部(0.852モル)を投入し、反応熱を利用しながら100℃に昇温し同温度で5時間保温した。その後、窒素ガス吹込みから空気吹込みに切替、同温度で2−ヒドロキシエチルアクリレート99.0部(0.853モル)に0.3部のハイドロキノンを溶解した液を1時間かけて均一に滴下し、滴下終了後同温度で4時間保温した。更に同温で3−グリシドキシプロピルメトキシシラン(信越化学社製)20.4部(0.086モル)を30分間で滴下し、滴下終了後同温度で4時間保温し終点とした。
攪拌機、ガス導入管及び温度計を備えた1LのフラスコにプラクセルCD220PL(ダイセル化学社(株)製ポリカーボネートジオール、水酸基価56.8、数平均分子量(1975.5))547.0部(0.277モル)及びDMPA20.0部(0.149モル)仕込み窒素ガスを吹込みながら100℃に昇温し、同温度で30分間保温し均一に溶解させる。その後60℃に冷却し、トリレンジイソシアネート148.3部(0.852モル)を投入し、反応熱を利用しながら100℃に昇温し同温度で5時間保温した。その後、窒素ガス吹込みから空気吹込みに切替、同温度で2−ヒドロキシエチルアクリレート99.0部(0.853モル)に0.3部のハイドロキノンを溶解した液を1時間かけて均一に滴下し、滴下終了後同温度で4時間保温した。更に同温で3−グリシドキシプロピルメトキシシラン(信越化学社製)20.4部(0.086モル)を30分間で滴下し、滴下終了後同温度で4時間保温し終点とした。
シラン変性ウレタンアクリレート(A−2)の作製
同様に1Lのフラスコに窒素ガスを通しながらPCDLT5652(旭化成製ポリカーボネートジオール、水酸基価58.6、数平均分子量1914.7)553.4部(0.289モル)及びDMPA6.9部(0.051モル)を仕込み、A−1と同様に100℃で30分間保温し均一に溶解させた。その後60℃に冷却しジフェニルメタンジイソシアネート170.0部(0.680モル)を投入し、反応熱を利用しながら100℃に昇温し同温度で7時間保温した。その後、窒素ガス吹込みを空気吹込みに切替、同温度で2−ヒドロキシプロピルアクリレート88.4部(0.680モル)に0.3部のハイドロキノンを溶解させた液を1時間で均一に滴下し滴下終了後7時間保温した。更に同音で3−クリシドキシプルピルメチルジエトキシシラン(信越化学社製)8.2部(0.033モル)を10分間で均一に滴下し滴下終了後、同温度で3時間保温し終点とした。
同様に1Lのフラスコに窒素ガスを通しながらPCDLT5652(旭化成製ポリカーボネートジオール、水酸基価58.6、数平均分子量1914.7)553.4部(0.289モル)及びDMPA6.9部(0.051モル)を仕込み、A−1と同様に100℃で30分間保温し均一に溶解させた。その後60℃に冷却しジフェニルメタンジイソシアネート170.0部(0.680モル)を投入し、反応熱を利用しながら100℃に昇温し同温度で7時間保温した。その後、窒素ガス吹込みを空気吹込みに切替、同温度で2−ヒドロキシプロピルアクリレート88.4部(0.680モル)に0.3部のハイドロキノンを溶解させた液を1時間で均一に滴下し滴下終了後7時間保温した。更に同音で3−クリシドキシプルピルメチルジエトキシシラン(信越化学社製)8.2部(0.033モル)を10分間で均一に滴下し滴下終了後、同温度で3時間保温し終点とした。
ウレタンアクリレート(Z−1)の作製
A−1と同様に1Lのフラスコに窒素ガスを吹込みながらプラクセルCD220PL(A−1と同じ製品)547.0部(0.277モル)及びDMPA20.0部(0.149モル)を仕込み100℃に昇温し同温度で30分間保温し均一に溶解させる。その後窒素ガス吹込みから空気吹込みに切替て同温度で2−ヒドロキシエチルアクリレート99.0部(0.854モル)に0.3部のハイドロキノンを溶解させた液を1時間で均一に滴下し、滴下終了後同温度で4時間保温し終点とした。上記実施例A−1、A−2及びZ−1で作製した組成物の反応割合を調べた結果、シラン化合物の反応性は酸価で、1水酸基含有(メタ)クリレートはガスクログラフィーで残存成分を定量した。
また残存のジイソシアネート成分の有無については、赤外線スペクトルでイソシアネート成分の吸収を確認した。
A−1と同様に1Lのフラスコに窒素ガスを吹込みながらプラクセルCD220PL(A−1と同じ製品)547.0部(0.277モル)及びDMPA20.0部(0.149モル)を仕込み100℃に昇温し同温度で30分間保温し均一に溶解させる。その後窒素ガス吹込みから空気吹込みに切替て同温度で2−ヒドロキシエチルアクリレート99.0部(0.854モル)に0.3部のハイドロキノンを溶解させた液を1時間で均一に滴下し、滴下終了後同温度で4時間保温し終点とした。上記実施例A−1、A−2及びZ−1で作製した組成物の反応割合を調べた結果、シラン化合物の反応性は酸価で、1水酸基含有(メタ)クリレートはガスクログラフィーで残存成分を定量した。
また残存のジイソシアネート成分の有無については、赤外線スペクトルでイソシアネート成分の吸収を確認した。
(ロ)無水フタル酸イミドアクリレート(B−1)の作製
攪拌機、ガス導入菅、温度計、分液ロート装入口及び冷却器を備えた1Lのフラスコに窒素ガスを吹込みながらトリレンジイソシアネート87.0部(0.50モル)及びN−メチル−2−ピロリドン(水分0.005%以下)203.0部を仕込み80℃に昇温し同温度であらかじめ用意した無水フタル酸74.0部(0.50モル)をN−メチル−2−ピロリドン(水分0.005%以下)172.7部に溶解した液を1.5時間かけて均一に滴下し滴下終了後、同温度で2時間保温後、約30分かけて120℃に昇温し同温度で4時間保温後、80℃に冷却する。その後、窒素ガス吹込みから空気吹込みに切替えて2−ヒドロキシエチルアクリレート60.0部(0.517モル)に0.2部のハイドロ
キノンを溶解した液を1時間で均一に滴下し、滴下終了後同温度で4時間保温後、終点とし、常温(20〜25℃)まで冷却した。3Lのイオン交換水の容器に攪拌しながら徐々に上記作製の組成物を分散、沈降させ、沈殿物を採取する。更に2Lのメタノールに溶解させ、1μmのフィルターで濾過をし得られた濾液を真空脱メタノールを行い、粘度0.42Pa・sの淡黄赤色の組成物を得た。高速液体クロマトグラフィ(日立製作所製 日立クロマトグラフ635−0200、標準物質ポリスチレン)で分子量を測定したところ、数平均分子量398.7であった。
攪拌機、ガス導入菅、温度計、分液ロート装入口及び冷却器を備えた1Lのフラスコに窒素ガスを吹込みながらトリレンジイソシアネート87.0部(0.50モル)及びN−メチル−2−ピロリドン(水分0.005%以下)203.0部を仕込み80℃に昇温し同温度であらかじめ用意した無水フタル酸74.0部(0.50モル)をN−メチル−2−ピロリドン(水分0.005%以下)172.7部に溶解した液を1.5時間かけて均一に滴下し滴下終了後、同温度で2時間保温後、約30分かけて120℃に昇温し同温度で4時間保温後、80℃に冷却する。その後、窒素ガス吹込みから空気吹込みに切替えて2−ヒドロキシエチルアクリレート60.0部(0.517モル)に0.2部のハイドロ
キノンを溶解した液を1時間で均一に滴下し、滴下終了後同温度で4時間保温後、終点とし、常温(20〜25℃)まで冷却した。3Lのイオン交換水の容器に攪拌しながら徐々に上記作製の組成物を分散、沈降させ、沈殿物を採取する。更に2Lのメタノールに溶解させ、1μmのフィルターで濾過をし得られた濾液を真空脱メタノールを行い、粘度0.42Pa・sの淡黄赤色の組成物を得た。高速液体クロマトグラフィ(日立製作所製 日立クロマトグラフ635−0200、標準物質ポリスチレン)で分子量を測定したところ、数平均分子量398.7であった。
(実施例1〜3および比較例1〜3)
表2に示す成分および配合量により可視光重合性組成物をそれぞれ作製し、下記の方法に従って塗膜性能評価を行った。結果を表3に示します。
表2に示す成分および配合量により可視光重合性組成物をそれぞれ作製し、下記の方法に従って塗膜性能評価を行った。結果を表3に示します。
(1)表面粘着性
75×75mmのガラス板の左右に50μm厚みのテープを貼り付け、表2の組成物をバーコーターで塗布し、直ちに燦坤日本電器(株)製インバーターランプTS/IL18 100V 50Hz/60Hz 25W ランプ27W(1×FML27)を用いて20cmの高さより6分間光を照射した。
75×75mmのガラス板の左右に50μm厚みのテープを貼り付け、表2の組成物をバーコーターで塗布し、直ちに燦坤日本電器(株)製インバーターランプTS/IL18 100V 50Hz/60Hz 25W ランプ27W(1×FML27)を用いて20cmの高さより6分間光を照射した。
塗膜表面を指で強く押し、粘着性(タック)を調べた。
○:表面タックなし
△:やや、タックあり
×:かなりタックあり
○:表面タックなし
△:やや、タックあり
×:かなりタックあり
(2)硬化性
(1)と同様に塗膜を作製し、三菱ユニ(鉛筆)を用いて塗膜の硬さを測定した。
(1)と同様に塗膜を作製し、三菱ユニ(鉛筆)を用いて塗膜の硬さを測定した。
(3)耐湿性(PCT)
(1)と同様に作製した塗膜を121℃/2atm/2hいれ、塗膜表面の外観及び塗膜の剥離性(ピンセットによる剥離)を調べた。
○:表面異状なく、剥離なし
×:表面が白化、容易に剥離
(1)と同様に作製した塗膜を121℃/2atm/2hいれ、塗膜表面の外観及び塗膜の剥離性(ピンセットによる剥離)を調べた。
○:表面異状なく、剥離なし
×:表面が白化、容易に剥離
(4)絶縁抵抗値
ITO櫛型電極(Line/Space=35/15μm)に塗膜厚み100μmで塗布し(1)と同様に光を照射し硬化させる。その後、70℃/90%RHの高温高湿槽で電圧DC10Vを印加させ抵抗値測定および電極の腐食を確認した。
ITO櫛型電極(Line/Space=35/15μm)に塗膜厚み100μmで塗布し(1)と同様に光を照射し硬化させる。その後、70℃/90%RHの高温高湿槽で電圧DC10Vを印加させ抵抗値測定および電極の腐食を確認した。
表3から本発明の組成物(実施例3)は厚膜でも表面粘着性に優れ、また絶縁抵抗値においても優れている。本発明の可視光重合組成物は、可視光照射後の塗膜は厚膜でも粘着性、耐湿性及び特に絶縁抵抗値に優れている。本発明は電子部品の防湿絶縁塗料として特に優れており、その他インキ、プラスチック、紙コート金属コーティング、プリント基板、レジストインキ、半導体封止材などの多くの産業分野にて応用が可能である。また、UV硬化樹脂への使用も可能である。
Claims (4)
- (a)数平均分子量500〜3,000のポリカーボネートジオールとジメチロールプロピン酸とからなり、その使用割合がポリカーボネートジオール:ジメチロールプロピン酸のモル比で0.95〜0.50:0.05〜0.50であるジオール成分と(b)ジイソシアネート成分を前記(a)成分の総モル数に対して2.00〜2.20モルの範囲で反応させた後、(c)1水酸基含有(メタ)クリレートを前記(b)成分のモル数に対して2.00〜2.20の範囲で反応させ、更に(a)成分中のジメチロールプロピン酸のモル数に対して、下記式(1)に示した(d)グリシド基含有シラン化合物の1種又は2種以上を1.00〜0.25モル反応させて得られる(A)シラン変性ウレタンアクリレートと、(B)無水フタル酸イミドアクリレートと、(C)光重合性化合物と、(D)可視光重合開始剤と、(E)パラフィン系ワックスと、を含有してなる可視光重合組成物。
- (A)シラン変性ウレタンアクリレート10〜50重量部、(B)無水フタル酸イミドアクリレート30〜87重量部、(C)光重合性化合物3〜20重量部の範囲で、(D)可視光重合開始剤の1種又は2種以上を、(A)+(B)+(C)の総量に対して0.1〜5.0重量部含有する請求項1に記載の可視光重合組成物。
- (E)パラフィン系ワックスを、前記(A)+(B)+(C)の総量に対して0.01〜1.0重量部含有する請求項1または2に記載の可視光重合組成物。
- 請求項1から3いずれかに記載の可視光重合組成物を、バインダーとして含有する防湿絶縁塗料。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2005294884A JP2007100021A (ja) | 2005-10-07 | 2005-10-07 | 可視光重合組成物及び防湿絶縁塗料 |
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JP2005294884A JP2007100021A (ja) | 2005-10-07 | 2005-10-07 | 可視光重合組成物及び防湿絶縁塗料 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008189696A (ja) * | 2007-01-31 | 2008-08-21 | Arakawa Chem Ind Co Ltd | 鋼板用水系塗料組成物 |
JP6346980B1 (ja) * | 2017-07-06 | 2018-06-20 | アイカ工業株式会社 | 光硬化型防湿絶縁コート剤組成物 |
CN117363186A (zh) * | 2023-10-17 | 2024-01-09 | 广东日东工具有限公司 | 一种水性不粘漆及其制备方法 |
-
2005
- 2005-10-07 JP JP2005294884A patent/JP2007100021A/ja active Pending
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JP6346980B1 (ja) * | 2017-07-06 | 2018-06-20 | アイカ工業株式会社 | 光硬化型防湿絶縁コート剤組成物 |
JP2019014806A (ja) * | 2017-07-06 | 2019-01-31 | アイカ工業株式会社 | 光硬化型防湿絶縁コート剤組成物 |
CN117363186A (zh) * | 2023-10-17 | 2024-01-09 | 广东日东工具有限公司 | 一种水性不粘漆及其制备方法 |
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