JP2007099883A - ポリオレフィン系樹脂成形基材の硬化性コーティング組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂成形基材の硬化性コーティング組成物は、フッ素置換アルキル(メタ)アクリレート重合物(A)の0.1〜70重量部と、硬化性化合物(B)の99.9〜30重量部とが含有されている。前記フッ素置換アルキル(メタ)アクリレート重合物(A)が、アルキル(メタ)アクリレートモノマー(a1)、および/またはヒドロキシ基、カルボキシル基、エーテル基、リン酸基の少なくともいずれかの基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a2)の合計で1〜80重量%と、フッ素置換アルキル(メタ)アクリレートモノマー(a3)99〜20重量%との共重合物、またはフッ素置換アルキル(メタ)アクリレートモノマー(a3)の単重合物であって、その重量分子量を2,000〜300,000とする。
Description
前記(メタ)アクリル系モノマー(a2)が、下記化学式(1)
CH2=C(R1)−CO−O−A ・・・(1)
(化学式(1)中、R1は、水素原子またはメチル基;Aは、水素原子、ヒドロキシアルキル基、カルボキシルアルキル基、リン酸アルキル基、それらのアルキル置換基、炭素数1〜18のアルキル基を含有するアルキルモノアルキレングリコール基、炭素数1〜18のアルキル基を含有するアルキルポリアルキレングリコール基、炭素数2〜18のアルケニル基を含有するアルケニルモノアルキレングリコール基、または炭素数2〜18のアルケニル基を含有するポリアルキレングリコール基)で示され、
前記フッ素置換アルキル(メタ)アクリレートモノマー(a3)が、炭素数1〜30のフルオロアルキル基を有するフルオロアルキル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項2に記載の硬化性コーティング組成物である。
前記重合性オリゴマー(b2)が、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、アミノ樹脂(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂(メタ)アクリレート、アクリル樹脂(メタ)アクリレートであり、
前記メラミン樹脂(b3)が、メトキシ基含有および/またはブトキシ基含有メラミン樹脂であり、
前記イソシアネート誘導体(b4)が、ポリイソシアネート、それのケトキシム保護体若しくはアセトキシム保護体、またはポリイソシアネート多量体であることを特徴とする請求項5に記載の硬化性コーティング組成物である。
この重合物(A)を得る際のブロック共重合開始剤として、2段分解型2官能開始剤、より具体的には1,1−ビス−(tert−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサンであるパーヘキサMC(日本油脂(株)製:商品名)が挙げられる。
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にトルエン150重量部を入れて、還流させた。窒素雰囲気下で、トリフルオロエチルメタクリレートであるライトエステルM−3F(共栄社化学(株)製:商品名)100重量部、パーブチルD(日本油脂(株)製:商品名)3重量部の混合溶液を約1時間かけてトルエンに滴下した。還流温度で2時間反応させ、フッ素含有(メタ)アクリレート共重合物液を得た。得られたフッ素含有(メタ)アクリレート共重合物について、液体クロマトグラフ測定機器Shodex GPC(昭和電工(株)製:商品名(Shodexは登録商標))を用いてゲルパーミエーションクロマトグラフ法により重量平均分子量をポリスチレン換算値として求めたところ、15,000であった。
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にトルエン150重量部を入れて、還流させた。窒素雰囲気下で、ライトエステルM−3F(共栄社化学(株)製:商品名)50重量部、エチルヘキシルメタクリレート40重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10重量部、パーブチルO(日本油脂(株)製:商品名)3重量部の混合溶液を約1時間かけてトルエンに滴下した。還流温度で2時間反応させ、フッ素含有(メタ)アクリレート共重合物液を得た。得られたフッ素含有(メタ)アクリレート共重合液について、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法により重量平均分子量をポリスチレン換算値として求めたところ、35,000であった。
還流冷却器、温度計、攪拌機および滴下槽を備えた容器にトルエン150重量部を入れて、液温を90℃に保温し、窒素雰囲気下で、ライトエステルM−3F(共栄社化学(株)製:商品名)20重量部、パーヘキサMC(日本油脂(株)製:商品名)5重量部の混合溶液を約1時間かけてトルエンに滴下した。滴下後、90℃で1時間反応させた。その後、液温を還流温度に昇温し、ライトエステルM−3F 30重量部、エチルヘキシルメタクリレート40重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10重量部の混合溶液を約1時間かけて滴下した。還流温度で2時間反応させ、フッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液を得た。得られたフッ素含有(メタ)アクリル系共重合物液について重量平均分子量をゲルパーミエーションクロマトグラフ法により重量平均分子量をポリスチレン換算値として求めたところ、50,000であった。
製造例1で得られたフッ素含有(メタ)アクリレート共重合物10重量部、ペンタエリスリトール トリアクリレート ヘキサメチレンジイソシアネート ウレタンプレポリマーを主成分とするウレタンアクリレートUA−306H(共栄社化学(株)製:商品名)14重量部、光重合開始剤イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:商品名)1.9重量部、基材湿潤剤ポリフローKL600(共栄社化学(株)製:商品名)0.1重量部、希釈溶剤としてトルエンの74重量部を、ビーカーに量りとり、撹拌して溶解させ、硬化性コーティング組成物を調製した。
製造例2で得られたフッ素含有(メタ)アクリレート共重合物10重量部、ウレタンアクリレートUA−306H(共栄社化学(株)製:商品名)12重量部、ペンタエリスリトール トリアクリレートを主成分とするライトアクリレートPE−3A(共栄社化学(株)製:商品名)2重量部、光重合開始剤イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:商品名)1.9重量部、基材湿潤剤ポリフローKL600(共栄社化学(株)製)0.1重量部、希釈溶剤としてトルエンの74重量部を、ビーカーに量りとり、撹拌して溶解させて、硬化性コーティング組成物を調製した。
製造例3で得られたフッ素含有(メタ)アクリレート共重合物5重量部、ウレタンアクリレートUA−306H(共栄社化学(株)製:商品名)19重量部、光重合開始剤イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製:商品名)1.9重量部、基材湿潤剤ポリフローKL600(共栄社化学(株)製:商品名)0.1重量部、および希釈溶剤としてトルエン74重量部を、ビーカーに量りとり、撹拌して溶解させて、硬化性コーティング組成物を調製した。
実施例1〜3において、フッ素含有(メタ)アクリレート共重合物を用いなかったこと以外は、実施例1〜3と同様にして、比較例1〜3の硬化性コーティング組成物を調製した。
調製した硬化性コーティング組成物の外観を目視で観察した。透明であったものを○、やや白濁していたものを△、白濁し、または二層に分離していたものを×とする3段階で評価した。
硬化性コーティング組成物をガラス板上に塗布し、活性エネルギー線を照射した硬化させ、得られた硬化塗膜の外観を目視で観察し、相溶性を評価した。透明であったものを○、やや白濁していたものを△、白濁し、または二層に分離していたものを×とする3段階で評価した。
コーティング液中にリングを浸した。0.5mm/分の速度でリングを上方へ引き上げながらリングに膜を形成し、ダイノメーター(ビックケミー社製)を用いて静的表面張力を測定した。
標準液(ホルムアミド/エチレングリコールモノエチルエーテル)は、JIS K−6768:ポリエチレンおよびポリプロピレンフィルムの濡れ性試験方法を参考にして調製したものである。それを用いた表面張力換算値を、表1に示す。
ポリオレフィン系樹脂成形品のコーティング層の表面に1mm角で100マスの碁盤目をカッターナイフで作成し、そこにセロファンテープを貼り付けた後、それを剥がして密着性を評価した。100マス中剥離しなかったマス数を計測した。
Claims (10)
- フッ素置換アルキル(メタ)アクリレート重合物(A)の0.1〜70重量部と、硬化性化合物(B)の99.9〜30重量部とが含有されていることを特徴とするポリオレフィン系樹脂成形基材の硬化性コーティング組成物。
- 前記フッ素置換アルキル(メタ)アクリレート重合物(A)が、
アルキル(メタ)アクリレートモノマー(a1)、および/またはヒドロキシ基、カルボキシル基、エーテル基、リン酸基の少なくともいずれかの基を有する(メタ)アクリル系モノマー(a2)の合計で1〜80重量%と、フッ素置換アルキル(メタ)アクリレートモノマー(a3)99〜20重量%との共重合物、または
フッ素置換アルキル(メタ)アクリレートモノマー(a3)の単重合物であって、
その重量分子量を2,000〜300,000とすることを特徴とする請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。 - 前記アルキル(メタ)アクリレートモノマー(a1)が、炭素数1〜30のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートであり、
前記(メタ)アクリル系モノマー(a2)が、下記化学式(1)
CH2=C(R1)−CO−O−A ・・・(1)
(化学式(1)中、R1は、水素原子またはメチル基;Aは、水素原子、ヒドロキシアルキル基、カルボキシルアルキル基、リン酸アルキル基、それらのアルキル置換基、炭素数1〜18のアルキル基を含有するアルキルモノアルキレングリコール基、炭素数1〜18のアルキル基を含有するアルキルポリアルキレングリコール基、炭素数2〜18のアルケニル基を含有するアルケニルモノアルキレングリコール基、または炭素数2〜18のアルケニル基を含有するポリアルキレングリコール基)
で示され、
前記フッ素置換アルキル(メタ)アクリレートモノマー(a3)が、炭素数1〜30のフルオロアルキル基を有するフルオロアルキル(メタ)アクリレートであることを特徴とする請求項2に記載の硬化性コーティング組成物。 - 前記フッ素置換アルキル(メタ)アクリレート重合物(A)が、前記共重合物であって、前記アルキル(メタ)アクリレートモノマー(a1)と前記(メタ)アクリル系モノマー(a2)とが夫々、重量比で、最大50%と、最小50%とであることを特徴とする請求項2に記載の硬化性コーティング組成物。
- 前記硬化性化合物(B)が、不飽和基、エポキシ基若しくはオキセタン基を有した重合性モノマー(b1)若しくは重合性オリゴマー(b2);メラミン樹脂(b3);および/またはイソシアネート誘導体(b4)であることを特徴とする請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
- 前記重合性モノマー(b1)が、(メタ)アクリル酸のモノエステル、(メタ)アクリル酸のポリエステル、モノエポキシド、またはポリエポキシドであり、
前記重合性オリゴマー(b2)が、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、アミノ樹脂(メタ)アクリレート、エポキシ樹脂(メタ)アクリレート、アクリル樹脂(メタ)アクリレートであり、
前記メラミン樹脂(b3)が、メトキシ基含有および/またはブトキシ基含有メラミン樹脂であり、
前記イソシアネート誘導体(b4)が、ポリイソシアネート、それのケトキシムブロック体若しくはアセトキシムブロック体、またはポリイソシアネート多量体であることを特徴とする請求項5に記載の硬化性コーティング組成物。 - 静的表面張力が、最大40mN/mであることを特徴とする請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
- 前記フッ素置換アルキル(メタ)アクリレート重合物(A)と、前記硬化性化合物(B)と、それ以外の添加成分(C)とが配合されており、それの静的表面張力と、該添加成分(C)の静的表面張力との差が、少なくとも5mN/mであることを特徴とする請求項1に記載の硬化性コーティング組成物。
- ポリオレフィン系樹脂成形基材上に、請求項1に記載の硬化性コーティング組成物を硬化させたコーティング層が付されていることを特徴とするポリオレフィン系樹脂成形品。
- 前記ポリオレフィン系樹脂成形基材の表面張力が、最大40mN/mであることを有することを特徴とする請求項9に記載のポリオレフィン系樹脂成形品。
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