JP2007098388A - 同位体濃縮方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明に係る同位体濃縮方法は、H2O−H2SiF6・nSiF4(式中、n≧0である。)の2成分を少なくとも含む水溶液と、前記SiF4を含む気体との間での同位体交換により、前記Siの安定同位体を濃縮することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
即ち、本発明の同位体濃縮方法によれば、H2O−H2SiF6・nSiF4(式中、n≧0)の2成分を少なくとも含む水溶液と、SiF4を含むガスとの間での同位体交換反応により、シリコン同位体を濃縮・分離することが可能な、新規の同位体濃縮方法を提供することができる。この方法により、シリコンの同位体濃縮を低コストで大量に行うことが可能になる。
本実施例に於いては、図3に示す同位体濃縮装置を用いてSi同位体の分離濃縮を行った。交換反応塔としては、内径16mm、高さ3000mmのフッ素樹脂製交換反応塔を2本直列(第1交換反応塔22及び第2交換反応塔22’)に配置したものを用いた。各交換反応塔の内部には外径6mmのフッ素樹脂製ラシヒリングを充填高が2500mmになるように設けた。また、ガス吸収塔34、ガス発生塔27及びガス洗浄塔31は内径25mmのフッ素樹脂製カラムを用い、交換反応塔に用いたものと同じラシヒリングを充填高がそれぞれ、600mm、400mm、800mmになるように設けた。
本実施例に於いては、図3に示す同位体濃縮装置の第1交換反応塔22及び第2交換反応塔22’に代えて、フッ素樹脂製の第1交換反応塔41〜第8交換反応塔48を8本直列に配置したものを用いて、実施例1と同様の実験を行った(図4参照)。各交換反応塔の内径はそれぞれ25mmであり、高さは3000mmとした。また、各交換反応塔の内部には、外径6mmのフッ素樹脂製ラシヒリングを充填高が2500mmになるように設けた。即ち、総充填高を20mとした。
下記表1より交換反応塔の塔長を実質的に延長すること、即ち分離段数を上げることにより、同位体分離能が向上していることが分かる。但し、実施例2では、実施例1に比べ四フッ化ケイ素ガスの流量を減らしている。即ち、運転時間が同一であるが気−液循環量が少ない為、塔長比と同位体濃縮度比は比例していない。
飽和高シリカフルオロケイ酸水溶液の気液接触によるSi同位体濃縮操作に於ける運転可能組成範囲を調べた。所定の濃度を有するフッ化水素酸に四フッ化ケイ素ガスを飽和になるまで吸収させ、飽和高シリカフルオロケイ酸水溶液の組成分析を行った。フッ化水素酸の濃度は、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、及び40重量%とした。各濃度のフッ化水素酸15.0gを仕込んだフッ素樹脂容器を氷水により外部より冷却しながら、閉鎖系に於いて0.05MPaGで四フッ化ケイ素を吸収させた。一般に、吸収を開始すると吸収熱により発熱し吸収液の温度が上昇するが、飽和濃度に達すると外部からの冷却により吸収液の温度は低下する。本実施例に於いては、高シリカフルオロケイ酸水溶液の温度が1.5℃になった時点で、十分飽和に達したとして操作を終了した。従って、例えば30重量%のフッ化水素酸に四フッ化ケイ素を飽和濃度まで吸収させた場合の1.5℃に於ける高シリカフルオロケイ酸水溶液の組成は、高シリカフルオロケイ酸濃度が56.91重量%、遊離フッ酸濃度が6.59重量%であった。
本実施例に於いては、実施例3で用いた高シリカフルオロケイ酸水溶液の温度を1.5℃から10℃に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、飽和高シリカフルオロケイ酸水溶液の組成を調べた。その結果、例えば、30重量%のフッ化水素酸に四フッ化ケイ素を飽和濃度まで吸収させた場合の高シリカフルオロケイ酸水溶液の組成は、高シリカフルオロケイ酸濃度が55.40重量%、遊離フッ酸濃度が6.98重量%であった。結果を図5に示す。
本実施例に於いては、実施例3で用いた高シリカフルオロケイ酸水溶液の温度を1.5℃から20℃に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、飽和高シリカフルオロケイ酸水溶液の組成を調べた。その結果、例えば、30重量%のフッ化水素酸に四フッ化ケイ素を飽和濃度まで吸収させた場合の高シリカフルオロケイ酸水溶液の組成は、高シリカフルオロケイ酸濃度が54.17重量%、遊離フッ酸濃度が7.32重量%であった。結果を図5に示す。
前記図5の斜線で示した範囲、即ちフッ化ケイ酸水和物の水和水価数が4以下になると、H2SiF6・4H2Oなる結晶が析出した。従って、充填塔等に於いて、高シリカフルオロケイ酸水溶液と四フッ化ケイ素ガスとが気液接触した際に析出した結晶に起因して、塔内又は配管内が閉塞され、運転の継続が困難になる場合がある。
フッ酸濃度20重量%のフッ化水素酸を吸収初期液として、1.5℃に於いて飽和濃度になるまで四フッ化ケイ素を吸収させ、飽和高シリカフルオロケイ酸水溶液を作製した。続いて、この飽和高シリカフルオロケイ酸水溶液を密閉系に於いて、外部から温水を用いて温め、20℃とした。この状態で、飽和高シリカフルオロケイ酸水溶液に於ける蒸気と液とを別々にサンプリングした。得られたサンプルをフッ化カリウム水溶液に添加し、サンプル中の四フッ化ケイ素及びケイフッ化水素をケイフッ化カリウムにした。
本実施例に於いては、フッ酸濃度を25重量%に変更したこと以外は、前記実施例6と同様にして、ケイフッ化カリウムを得た。更に、このケイフッ化カリウムをサンプルとして、実施例6と同様に、28Siの分離係数αを算出した。結果を下記表2に示す。
本実施例に於いては、フッ酸濃度を30重量%に変更したこと以外は、前記実施例6と同様にして、ケイフッ化カリウムを得た。更に、このケイフッ化カリウムをサンプルとして、実施例6と同様に、28Siの分離係数αを算出した。結果を下記表2に示す。
二酸化ケイ素15.0gと47.1重量%のフッ化水素酸85.0gとを反応させ、10重量%の遊離フッ酸を含む36重量%のケイフッ化水素酸(共沸組成)を合成した。次に、該共沸組成のケイフッ化水素酸60.0gを仕込んだフッ素樹脂容器を、熱媒オイル(130℃)を用いて外部から加熱し、ケイフッ化水素酸を単蒸留した。発生した蒸気は冷却水を通したフッ素樹脂製凝縮器を通し、凝縮させて回収した。蒸留中、ケイフッ化水素酸の沸点は116.3℃付近でほぼ一定であった。蒸留後の凝縮液と釜残液との組成をアルカリ滴定で分析し、蒸留前の原料と比較して組成変化が無いことを確認した。
2、2’ 第1液路
3、3’ 第2液路
4 ガス発生装置
5、5’ 第1ガス路
6 第2ガス路
7、7’ 第3ガス路
8 ガス吸収装置
9 第4ガス路
10 蒸留塔
11 凝縮器
12 再熱器
13 凝縮液受槽
14 第3液路
21 四フッ化ケイ素
22 第1交換反応塔
22’ 第2交換反応塔
23 第1液路
24 第1ガス路
25 第2ガス路
25’ 第3ガス路
26 第2液路
26’ 第3液路
27 ガス発生塔
28 濃硫酸路
29 第4ガス路
30 廃硫酸
31 ガス洗浄塔
32 濃硫酸
33 軽質同位体濃縮四フッ化ケイ素
34 ガス吸収塔
35 フッ化水素酸
36 冷却器
37 重質同位体濃縮四フッ化ケイ素
41〜48 第1〜第8交換反応塔
Claims (3)
- H2O−H2SiF6・nSiF4(式中、n≧0である。)の2成分を少なくとも含む水溶液と、
前記SiF4を含む気体との間での同位体交換により、前記Siの安定同位体を濃縮することを特徴とする同位体濃縮方法。 - 前記水溶液に、前記SiF4が飽和状態で溶解していることを特徴とする請求項1に記載の同位体濃縮方法。
- 前記水溶液が共沸組成であることを特徴とする請求項1に記載の同位体濃縮方法。
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