JP2007098227A - 液体中に気泡または液滴を生成する装置及び液体中に気泡または液滴を生成する方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第1物質の液体202中に気泡または液滴218を生成する装置100であって、第1物質の液体202が収容される第1収容部110と、第2物質の液体212が収容される第2収容部120と、第2収容部120内の第2物質の液体212を加熱して蒸気とする加熱手段130と、第2収容部120内の蒸気214を第1収容部110へ導く導管140と、導管140により導かれた蒸気214を含む気体を第1収容部110内の第1物質の液体202中に吐出する吐出口150と、吐出口150における気体の吐出量を制御する吐出制御部160と、を備え、吐出口150から吐出して形成された初期気泡170が、第1物質の液体202により冷却されて気泡または液滴218が生成される。
【選択図】 図1
Description
特許文献2に記載の装置では、ポンプを用いて円筒状の装置内に液体を送出することにより旋回流を生じさせている。さらに、吐出側にはキャビテーションノズルが備えられ、微小気泡の発生が促進されるようになっている。
特許文献3に記載の装置では、メガホン状の容器内に、ポンプ等により加圧された液体が供給することにより旋回流を生じさせている。
また、非特許文献1に記載の実験装置は、蒸発容器で生成された蒸気がそのまま凝縮容器内へ吐出されるので、蒸気の吐出量、吐出圧力等は蒸発容器の加熱状態によって定まってしまう。すなわち、蒸気の吐出量、吐出圧力等を制御するには蒸発容器の加熱状態を調整しなければならず、生成される液滴の大きさの調整を自在に行うことは極めて困難である。また、蒸発容器と凝縮容器を上下に近接させているので、配管等のレイアウトの自由度が低くなるという課題もある。このように、この実験装置は、あくまで好適な実験を行うために提案されたものであり、実用化には種々の課題を有している。
第1物質の液体中に気泡または液滴を生成する装置であって、
前記第1物質の液体が収容される第1収容部と、
第2物質の液体が収容される第2収容部と、
前記第2収容部内の前記第2物質の液体を加熱して蒸気とする加熱手段と、
前記第2収容部内の前記蒸気を含む気体を前記第1収容部へ導く導管と、
前記導管により導かれた気体を、前記第1収容部内の前記第1物質の液体中に吐出する吐出口と、
前記吐出口における気体の吐出量を制御する吐出制御部と、を備え、
前記吐出口から吐出して形成された初期気泡が、前記第1物質の液体により冷却されて前記気泡または前記液滴が生成されるように構成されたことを特徴とする。
第1物質の液体中に生成された初期気泡は、吐出口から離脱した後、第1物質により冷却されて縮小または液化して第1物質の液体中に気泡または液滴が生成される。このとき、第2物質は体積が減少することから、第1物質中に初期気泡より小さな気泡または液滴が生成される。尚、第1物質より第2物質の沸点が低いことが好ましい。これにより、気泡または液滴を第1物質中に安定的に生成することができる。
また、この装置によれば、導管により蒸気が案内されるようにしたので、第1収容部と第2収容部の相互の位置関係を比較的自由に設定することができる。これにより、例えば、第2物質の供給部、第1物質の回収機構等の要件により、第1収容部と第2収容部を近接させることができない場合であっても、気泡または液滴の生成に支障をきたすことはない。尚、ここでいう「導管」には、例えば第2収容部に直接設けられたノズルのように、第2収容部と一体的に設けられ内部流体の排出部として機能する部品等は含まない。
前記吐出制御部は、前記導管に設けられたバルブを含む構成とすることができる。
前記導管内の前記蒸気を加熱する補助加熱手段を備えた構成とすることができる。
前記補助加熱手段は、前記導管における前記バルブから下流側にて蒸気を加熱する構成とすることができる。
前記導管を覆う断熱材を備えた構成とすることができる。
第3物質の気体を前記第2収容部または前記導管に供給する供給部を備え、
前記第1物質の液体中に前記第2物質及び前記第3物質の混合気体が吐出されるよう構成することができる。
前記第1物質と前記第2物質は同じ物質であり、
前記吐出口から吐出された前記第2物質が液化して前記第1物質の液体と同化する構成とすることができる。
前記第1物質の液体中に、前記第3物質の気泡が生成される構成とすることができる。
前記第1物質の液体中に、前記第3物質の液滴が生成される構成とすることができる。
前記供給部は、
前記第3物質の気体が収容されるガス容器と、
前記ガス容器と、前記第2収容部または前記導管と、を接続する接続管と、
前記接続管に設けられたバルブと、を有する構成とすることができる。
前記第2物質または前記第3物質として、前記第1物質の液体に溶解するものを選択することができる。
前記第2物質または第3物質として、前記第1物質の液体と化学反応により液化または固化するものを選択することができる。
前記吐出口は、前記導管の先端に設けられたノズルに形成される構成とすることができる。
前記ノズルは、複数の細孔を有し、前記第1物質の液体中に前記蒸気を分散して吐出する構成とすることができる。
前記ノズルは、前記気体の流通経路が、吐出口に向かって縮径するよう形成される構成とすることができる。
第1物質の液体中に気泡または液滴を生成する方法であって、
第2物質の液体を加熱して蒸気を得る気化工程と、
前記気化工程にて得られた前記蒸気を、吐出量を調整しつつ前記第1物質の液体中に吐出し、前記蒸気の初期気泡を生成する吐出工程と、
前記吐出工程にて生成された前記初期気泡が凝縮され、前記第1物質の液体中に前記第2物質の液滴を得る凝縮工程と、を含むことを特徴とする方法が提供される。
前記気化工程にて得られた前記第2物質の蒸気と、第3物質の気体とを混合する混合工程を含み、
前記吐出工程にて、前記第1物質の液体中に前記第2物質と前記第3物質の混合気体の初期気泡が生成され、
前記凝縮工程にて、前記初期気泡内の前記第2物質の前記蒸気が凝縮され、前記第1物質の液体中に前記第3物質の気泡または液滴を内包する前記第2物質の液滴を得るようにすることができる。
前記第1物質と前記第2物質とを同じ物質とし、
前記凝縮工程にて、前記第1物質の液体中に前記第3物質の気泡または液滴を得るようにすることができる。
また、吐出制御部により吐出時の気泡径が調整されることから、最終的に得られる気泡または液滴の径を的確に調整することができる。また、吐出制御部を設けたことにより、加熱手段により第2物質を気化する際の圧力と、蒸気を第1物質の液体中に吐出する際の圧力と、が独立して制御され、第2物質の気化条件と第2物質の吐出条件とを異なる条件とすることができる。従って、第2物質の加熱を最適な条件で行い、加熱状態に依存することなく第2物質を吐出させることができ、これによっても安定的な気泡または液滴の生成が可能となる。
また、図3に示すように、第1収容部110に抜き出し管に加えて流入管を設け、流入管から第1物質を補給し、抜き出し管から第2物質を含む第1物質を排出してもよい。この場合も、図3に示すように冷却ジャケット112を備える構成が好ましいが、例えば第1収容部110内に補給される第1物質の液体202を予冷しておけば、第1収容部内の温度を一定に保つことができるので、冷却ジャケット112を省略する構成としても差し支えない。また、流入管からの第1物質の補給速度と、抜き出し管から第2物質を含む第1物質の排出速度を調整することにより、第1収容部110内の液体の容量を自在に変化させることができる。
また、前記実施形態においては、第1収容部110に第1物質の液体202が予め貯留しているものを示したが、例えば、図4に示すように、第1物質の液体202の流通経路に初期気泡170を吐出するようにし、液滴218が生成された第1物質の液体202が連続的に回収されるようにしてもよい。ここでいう「流通経路」とは、例えば、図4に示すように、第1物質の液体202が連続的に第1収容部110aに入り、第2物質の液滴218を伴って下流側から連続的に排出される経路をさす。この場合、流通経路を形成する流通管が第1収容部110aをなす。この系においても、流通管の構造をもつ第1収容部110aが冷却ジャケット持つことが望ましいが、蒸気214から第1物質の液体202に付される熱量に比べて、流通管を流れる第1物質の熱量が十分大きければ液温はそれほど上昇しないので冷却ジャケットを省略する構成としても差し支えない。
110 第1収容部
110a 第1収容部
112 冷却ジャケット
114 冷却水
120 第2収容部
122 圧力計
124 断熱ジャケット
130 ヒータ
132 加熱部
140 導管
142 ノズル
144 補助ヒータ
146 断熱材
148 ノズル
148a 細孔
150 吐出口
160 吐出制御部
162 バルブ
170 初期気泡
180 ポンプ
202 第1物質の液体
212 第2物質の液体
214 第2物質の蒸気
216 第2物質の気泡
218 第2物質の液滴
222 第3物質の気体
224 第3物質の気泡
242 混合気体
300 液体中に気泡または液滴を生成する装置
310 供給部
312 ガスボンベ
314 接続管
316 元栓バルブ
318 流量調整バルブ
400 液体中に気泡または液滴を生成する装置
Claims (18)
- 第1物質の液体中に気泡または液滴を生成する装置であって、
前記第1物質の液体が収容される第1収容部と、
第2物質の液体が収容される第2収容部と、
前記第2収容部内の前記第2物質の液体を加熱して蒸気とする加熱手段と、
前記第2収容部内の前記蒸気を含む気体を前記第1収容部へ導く導管と、
前記導管により導かれた気体を、前記第1収容部内の前記第1物質の液体中に吐出する吐出口と、
前記吐出口における気体の吐出量を制御する吐出制御部と、を備え、
前記吐出口から吐出して形成された初期気泡が、前記第1物質の液体により冷却されて前記気泡または前記液滴が生成されるように構成されたことを特徴とする装置。 - 前記吐出制御部は、前記導管に設けられたバルブを含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 前記導管内の前記蒸気を加熱する補助加熱手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載の装置。
- 前記補助加熱手段は、前記導管における前記バルブから下流側にて前記蒸気を加熱することを特徴とする請求項3に記載の装置。
- 前記導管を覆う断熱材を備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
- 第3物質の気体を前記第2収容部または前記導管に供給する供給部を備え、
前記第1物質の液体中に前記第2物質及び前記第3物質の混合気体が吐出されるよう構成したことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。 - 前記第1物質と前記第2物質は同じ物質であり、
前記吐出口から吐出された前記第2物質が液化して前記第1物質の液体と同化することを特徴とする請求項6に記載の装置。 - 前記第1物質の液体中に、前記第3物質の気泡が生成されることを特徴とする請求項7に記載の装置。
- 前記第1物質の液体中に、前記第3物質の液滴が生成されることを特徴とする請求項7に記載の装置。
- 前記供給部は、
前記第3物質の気体が収容されるガス容器と、
前記ガス容器と、前記第2収容部または前記導管と、を接続する接続管と、
前記接続管に設けられたバルブと、を有することを特徴とする請求項6から9のいずれか一項に記載の装置。 - 前記第2物質または前記第3物質として、前記第1物質の液体に溶解するものが選択されることを特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載の装置。
- 前記第2物質または前記第3物質として、前記第1物質の液体と化学反応により液化または固化するものが選択されることを特徴とする請求項6から10のいずれか一項に記載の装置。
- 前記吐出口は、前記導管の先端に設けられたノズルに形成されることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の装置。
- 前記ノズルは、複数の細孔を有し、前記第1物質の液体中に前記蒸気を分散して吐出することを特徴とする請求項13に記載の装置。
- 前記ノズルは、前記気体の流通経路が、前記吐出口に向かって縮径するよう形成されることを特徴とする請求項13または14に記載の装置。
- 第1物質の液体中に気泡または液滴を生成する方法であって、
第2物質の液体を加熱して蒸気を得る気化工程と、
前記気化工程にて得られた前記蒸気を、吐出量を調整しつつ前記第1物質の液体中に吐出し、前記蒸気の初期気泡を生成する吐出工程と、
前記吐出工程にて生成された前記初期気泡が凝縮され、前記第1物質の液体中に前記第2物質の液滴を得る凝縮工程と、を含むことを特徴とする方法。 - 前記気化工程にて得られた前記第2物質の蒸気と、第3物質の気体とを混合する混合工程を含み、
前記吐出工程にて、前記第1物質の液体中に前記第2物質と前記第3物質の混合気体の初期気泡が生成され、
前記凝縮工程にて、前記初期気泡内の前記第2物質の前記蒸気が凝縮され、前記第1物質の液体中に前記第3物質の気泡または液滴を内包する前記第2物質の液滴を得ることを特徴とする請求項16に記載の方法。 - 前記第1物質と前記第2物質とを同じ物質とし、
前記凝縮工程にて、前記第1物質の液体中に前記第3物質の気泡または液滴を得ることを特徴とする請求項17に記載の方法。
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