JP2007097761A - 磁界発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 簡単に構成しつつも磁界強度を広い幅で変更でき、所望の磁界強度の磁界を発生させることができる、磁界発生装置を提供する。
【解決手段】 磁界発生装置10は、空隙Gを介して対向配置される一対の磁極片12a,12b、および磁極片12a,12bを保持する継鉄14を含む。継鉄14は、一対の磁極片12a,12bを保持する一対の板状継鉄20a,20bと、一対の板状継鉄20a,20bを磁気的に結合する一対の結合用継鉄22a,22bとを含む。結合用継鉄22aと22bとの間には複数の挿入部30が設けられ、各挿入部30には永久磁石28が挿入される。各挿入部30への永久磁石28の挿入量は、板状部材40に螺挿されるネジ52aおよび板状部材46に螺挿されるネジ52bを回転させることによって変更される。
【選択図】 図4

Description

この発明は磁界発生装置に関し、より特定的には、永久磁石を用いた磁界発生装置に関する。
一般に、磁界発生装置によって発生させた磁界中に検体を配置し、マイクロ波発振器によって発生させたマイクロ波を検体に照射して検体の不対電子とマイクロ波との共鳴を測定する、電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance:以下、ESRという)装置が知られている。
通常、このようなESR装置には、電磁石を用いた磁界発生装置が適用される。電磁石を用いた磁界発生装置では、電磁石への印加電流を変化させることによって発生させる磁界の磁界強度を簡単に変更できる反面、構成が複雑であり大型である。このために、ESR装置の構成も複雑になり大型になってしまう。そこで、永久磁石を用いて一対の磁極片の間の空隙に磁界を発生させる磁界発生装置をESR装置に適用することが提案されている。
特に近年、ESR装置を医療用に応用し、生体内のフリーラジカル(不対電子を持った原子や分子)を検出することが検討され始めている。生体内のフリーラジカルを検出する場合、マイクロ波の周波数が高いと生体の誘電損失が大きくなるために、生体になるべく低い周波数(たとえば1GHz以下)のマイクロ波を照射する必要がある。このために、磁界強度が0.05T以下でありかつ磁界強度を変更可能な磁界を発生させ、この磁界中に生体を配置することが望ましい。また、生体の不対電子とマイクロ波との共鳴を高精度に測定するためには、磁界の均一度のばらつきが100ppm以下であることが望ましい。
従来、永久磁石を用いた磁界発生装置において、磁界強度の変更は永久磁石の磁化(着磁)強度の変更や空隙の寸法の変更等によって行われていた。しかし、永久磁石の磁化強度の変更には、磁界発生装置の分解・組み立てが必要であり、多大な労力と時間とが必要であった。また、空隙の寸法を変更すると磁界の均一度が悪化してしまうという問題があった。発生させる磁界の磁界強度が小さい場合、均一度の悪化は特に顕著であった。このために、永久磁石を用いた磁界発生装置を生体内のフリーラジカルを検出するためのESR装置に適用することは困難であった。
そこで、特許文献1には、継鉄への磁気抵抗調整部材の挿入量を変更することによって、磁界の均一度の悪化を抑制しつつ簡単な構成で磁界強度を変更できる磁界発生装置が開示されている。
実開平4−125408
しかし、特許文献1の技術では、磁界発生装置における磁気抵抗を調整するのみであるために、磁界強度の上限から下限までの幅(変更可能な磁界強度の範囲)が狭く、所望の磁界強度を得られないおそれがあった。
それゆえに、この発明の主たる目的は、簡単に構成しつつも磁界強度を広い幅で変更でき、所望の磁界強度の磁界を発生させることができる、磁界発生装置を提供することである。
上述の目的を達成するために、請求項1に記載の磁界発生装置は、永久磁石、空隙を介して対向配置される一対の磁極片、一対の磁極片を保持しかつ永久磁石を挿入するための挿入部が設けられる継鉄、および挿入部に挿入される永久磁石の挿入量を変更する変更手段を備える。
請求項2に記載の磁界発生装置は、請求項1に記載の磁界発生装置において、継鉄は、一対の磁極片を保持する一対の板状継鉄と、一対の板状継鉄を磁気的に結合するための一対の結合用継鉄とを含み、一対の結合用継鉄はそれぞれ、一方の板状継鉄と他方の板状継鉄とに設けられ、挿入部は、一対の結合用継鉄の間に設けられることを特徴とする。
請求項3に記載の磁界発生装置は、請求項1に記載の磁界発生装置において、継鉄は、一対の磁極片を保持する一対の板状継鉄と、一対の板状継鉄を磁気的に結合するための結合用継鉄とを含み、挿入部は、結合用継鉄に形成される孔であることを特徴とする。
請求項4に記載の磁界発生装置は、請求項1から3のいずれかに記載の磁界発生装置において、永久磁石の継鉄に囲まれる部分以外を囲む非磁性体の包囲部材をさらに含むことを特徴とする。
請求項5に記載の磁界発生装置は、請求項1から4のいずれかに記載の磁界発生装置において、永久磁石の表面に設けられる断熱材をさらに含むことを特徴とする。
請求項6に記載の磁界発生装置は、請求項1から5のいずれかに記載の磁界発生装置において、永久磁石は希土類磁石であることを特徴とする。
請求項7に記載の磁界発生装置は、請求項1から6のいずれかに記載の磁界発生装置において、一対の磁極片はそれぞれ環状突起を有することを特徴とする。
請求項1に記載の磁界発生装置では、継鉄に設けられる挿入部に永久磁石を挿入し、挿入部への永久磁石の挿入量を変更手段によって変更する。このように磁界発生源である永久磁石の挿入量を変更することによって、継鉄を通る磁束の量を効果的に変化させることができる。このように永久磁石の挿入量を変更することによって、簡単に構成しつつも磁界強度を広い幅で変更でき、一対の磁極片の間の空隙に所望の磁界強度の磁界を発生させることができる。たとえば請求項2に記載するように、継鉄は一対の板状継鉄と一対の結合用継鉄とを含み、挿入部は一対の結合用継鉄の間に設けられる。また、たとえば請求項3に記載するように、継鉄は一対の板状継鉄と結合用継鉄とを含み、挿入部は結合用継鉄に形成される孔である。
請求項4に記載の磁界発生装置では、継鉄に囲まれる部分以外の部分において永久磁石が非磁性体の包囲部材に囲まれる。これによって、漏れ磁束の発生を抑制し、特に複数の永久磁石を用いる場合、隣り合う永久磁石間における磁束の短絡を抑制でき、ひいては空隙の磁界強度の低下を抑えることができる。
請求項5に記載の磁界発生装置では、永久磁石の表面に断熱材を設けることによって周囲温度の変化に伴う永久磁石の温度変化を抑制できる。このように永久磁石の温度変化を抑えることによって、磁界強度の変化を抑制でき、空隙に所望の磁界強度の磁界をより簡単に発生させることができる。
請求項6に記載の磁界発生装置では、永久磁石として希土類磁石が用いられる。希土類磁石の磁力はフェライト磁石の磁力よりも強力である。したがって、永久磁石として希土類磁石を用いることによって、フェライト磁石を用いる場合に比べて、永久磁石の体積を小さくでき、永久磁石の重量を抑えることができる。ひいては、装置の重量を軽くできる。また、希土類磁石は、フェライト磁石に比べて温度変化に対する磁界強度の変化率が小さい。したがって、永久磁石として希土類磁石を用いることによって、フェライト磁石を用いる場合に比べて、周囲温度の変化に伴う磁界強度の変化を抑制できる。
請求項7に記載の磁界発生装置では、一対の磁極片がそれぞれ環状突起を有することによって、均一度のより高い磁界を発生させることができる。
この発明によれば、簡単に構成しつつも磁界強度を広い幅で変更でき、所望の磁界強度の磁界を発生させることができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態について説明する。
図1〜図5を参照して、この発明の一実施形態の磁界発生装置10は、空隙Gに磁界を発生させるオープンタイプの磁界発生装置である。磁界発生装置10は、小型のESR装置や小型の核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)装置に用いられ、小型に構成される。なお、図4は図2および図3におけるX−X断面図であり、図5は図2および図3におけるY−Y断面図である。
図1および図2に示すように、磁界発生装置10は、空隙Gを介して対向配置される一対の磁極片12a,12b、および磁極片12a,12bを保持する継鉄14を含む。
磁極片12a,12bはそれぞれ、ベースプレート16とベースプレート16の周縁に設けられる環状突起18とを含む。ベースプレート16は、SS400(炭素鋼)からなり、直径が約560mm、厚みが約10mmの円板状に形成される。また、環状突起18は、SS400からなり、外径が約560mm、内径が約450mm、厚みが約22mmの円環状に形成される。したがって、磁極片12a,12bの厚みは約32mmとなる。また、磁極片12aと12bとの間の空隙Gの寸法A(図1および図2参照)は約250mmに設定される。
継鉄14は、磁極片12aを保持する板状継鉄20a、磁極片12bを保持する板状継鉄20bと、一対の板状継鉄20a,20bを磁気的に結合するための結合用継鉄22a,22bとを含む。
板状継鉄20a,20bはそれぞれ、SS400からなり、前後方向の寸法が775mm、上下方向の寸法が約560mm、厚みが約30mmに形成される。板状継鉄20aの前方側端部は磁極片12aに対応して半円形状に形成され、板状継鉄20aの対向面にはその半円形状の部分の側面(端面)と磁極片12aの外側面とが面一になるように磁極片12aが取り付けられる。同様に、板状継鉄20bの前方側端部は磁極片12bに対応して半円形状に形成され、板状継鉄20bの対向面には半円形状の部分の端面と磁極片12bの外側面とが面一になるように磁極片12bが取り付けられる。
図2に示すように、結合用継鉄22a,22bはそれぞれ、SS400からなり、前後方向の寸法(厚み)が約45mm、上下方向の寸法が約560mmの直方体状に形成される。結合用継鉄22aは板状継鉄20aの対向面の後方側端部に固定され、結合用継鉄22aの後面と板状継鉄20aの後方側端面とは面一になる。同様に、結合用継鉄22bは板状継鉄20bの対向面の後方側端部に固定され、結合用継鉄22bの後面と板状継鉄20bの後方側端面とは面一になる。
継鉄14には、板状継鉄20aと結合用継鉄22aとを強固に連結するためのリブ24aが設けられ、板状継鉄20bと結合用継鉄22bとを強固に連結するためのリブ24bが設けられる。リブ24a,24bはそれぞれ、SS400からなり、平面視台形状に形成される。リブ24aは上下に2つ設けられ、上方のリブ24aは板状継鉄20aの対向面上端部と結合用継鉄22aの前面上端部とを結び、下方のリブ24aは板状継鉄20aの対向面下端部と結合用継鉄22aの前面下端部とを結ぶ。同様に、リブ24bは上下に2つ設けられ、上方のリブ24bは板状継鉄20bの対向面上端部と結合用継鉄22bの前面上端部とを結び、下方のリブ24bは板状継鉄20bの対向面下端部と結合用継鉄22bの前面下端部とを結ぶ。
また、図2および図3に示すように、結合用継鉄22aと22bとは、上下に配置される複数(ここでは5つ)の連結部材26によって連結される。各連結部材26は、非磁性体の一例であるSUS304(ステンレス鋼)からなり、直方体状に形成される。各連結部材26の前後方向の寸法(厚み)は約45mmに設定され、結合用継鉄22a,22bの前面と各連結部材26の前面とは面一になり、結合用継鉄22a,22bの後面と各連結部材26の後面とは面一になる。
結合用継鉄22aと22bとの間で各連結部材26は等間隔に配置され、結合用継鉄22aと22bとの間かつ各連結部材26の間には、それぞれ永久磁石28が挿入される4つの挿入部30が設けられる。
また、図4に示すように、各挿入部30に挿入される永久磁石28の磁化方向は、横方向の一方向(矢印B方向)である。各永久磁石28のN極からの磁束は、結合用継鉄22a、板状継鉄20a、磁極片12a、磁極片12b、板状継鉄20aおよび結合用継鉄22bを順に通って各永久磁石28のS極に入る。
各永久磁石28は、前後方向の寸法(厚み)が約45mm、上下方向の寸法が約76mm、横方向の寸法が約80mmの直方体に形成される。結合用継鉄22a、22b、各連結部材26および各永久磁石28の厚みはいずれも約45mmであるので、図4および図5に示すように、各挿入部30への永久磁石28の挿入量が最大であるとき、結合用継鉄22a、22bの前面、各連結部材26の前面および各永久磁石28の前面は面一になり、かつ、結合用継鉄22a、22bの後面、各連結部材26の後面および各永久磁石28の後面は面一になる。
永久磁石28としては、ネオジム系あるいはサマリウム系の希土類磁石やフェライト磁石等を用いることができる。この実施形態では、永久磁石28としてネオジム系あるいはサマリウム系の希土類磁石が用いられるものとする。ちなみに、永久磁石28としてサマリウム系希土類磁石を用いる場合、永久磁石28の残留磁束密度は1.1T程度である。
図2および図3に示すように、各永久磁石28の上面には、永久磁石28の温度を検出するための温度センサ32が取り付けられる。温度センサ32によって検出された永久磁石28の温度は、コントローラ34(図1参照)に入力され、面状ヒータ54a,54b(後述)の制御に利用される。
図4および図5に示すように、各永久磁石28の表面には、周囲温度の変化に伴う永久磁石28の温度変化を抑えるための断熱材36が設けられる。断熱材36は、発砲プラスチック系断熱材の一例であるウレタンフォームからなり、永久磁石28の表面を覆うように設けられる。
また、挿入部30には、断熱材36に覆われる永久磁石28を隙間なく配置するための介挿部材38が結合用継鉄22a、22bの対向面および連結部材26の対向面にそれぞれ設けられる。各介挿部材38はフェノール樹脂等の低熱伝導率樹脂からなり、これによって永久磁石28の温度変化をより一層抑制できる。
また、結合用継鉄22a、22bの前面には、結合用継鉄22a,22bを跨いで板状部材40、断熱材42および被覆部材44が順に積層される。同様に、結合用継鉄22a,22bの後面には、結合用継鉄22a,22bを跨いで板状部材46、断熱材48および被覆部材50が順に積層される。
板状部材40は、非磁性体の一例であるA5052(アルミニウム合金)からなり、厚みが約20mmに形成される。板状部材40は、結合用継鉄22a、22bの前面および各連結部材26の前面を覆うように設けられる。また、板状部材46は、厚みが約40mmのA5052からなり、板状継鉄20a,20bの後方側端面、結合用継鉄22a、22bの後面および各連結部材26の後面を覆うように設けられる。したがって、各永久磁石28において、結合用継鉄22a、22bに囲まれる部分以外の部分は、それぞれ非磁性体からなる連結部材26および板状部材40,46によって囲まれる。この実施形態では、複数の連結部材26および板状部材40,46が包囲部材に相当する。
また、板状部材40,46には、それぞれ挿入部30に対応する位置に凹部が形成される。図4および図5に示すように、各永久磁石28の挿入量が最大であるとき、各永久磁石28を被覆する断熱材36の前面は板状部材40の凹部の底面に接し、各永久磁石28を被覆する断熱材36の後面と板状部材46の凹部の底面との間には空間が形成される。
断熱材42は、厚みが約30mmのウレタンフォームからなり、板状部材40の前面を覆うように設けられる。同様に、断熱材48は、厚みが約30mmのウレタンフォームからなり板状部材46の後面を覆うように設けられる。
被覆部材44は、厚みが約2mmのA5052からなり、断熱材42の前面を覆うように設けられる。同様に、被覆部材50は、厚みが約2mmのA5052からなり、断熱材48の後面を覆うように設けられる。被覆部材44は断熱材42を保護するカバーとして機能し、被覆部材50は断熱材48を保護するカバーとして機能する。
このように積層される板状部材40、断熱材42および被覆部材44には、各永久磁石28に対応してネジ52aが挿通される。同様に、板状部材46、断熱材48および被覆部材50には、各永久磁石28に対応してネジ52bが挿通される。
各ネジ52aは板状部材40に螺挿され、各ネジ52aの後方側端部は永久磁石28を被覆する断熱材36の前面に接する。また、各ネジ52bは板状部材46に螺挿され、各ネジ52bの前方側端部は永久磁石28を被覆する断熱材36の後面に接する。このようなネジ52a,52bはそれぞれ、図示しないステッピングモータの駆動によって回転される。この実施形態では、各ネジ52a,52bおよびこれらを回転させる図示しないステッピングモータが変更手段に相当する。
また、板状部材40の前面には複数(ここでは2つ)の面状ヒータ54aが上下に設けられ、同様に、板状部材46の後面には複数(ここでは2つ)の面状ヒータ54bが上下に設けられる。
図2および図5からわかるように、板状部材40の前面において、上方の面状ヒータ54aは上から1番目のネジ52aと上から2番目のネジ52aとの間に配置され、下方の面状ヒータ54aは下から1番目のネジ52aと下から2番目のネジ52aとの間に配置される。同様に、図3および図5からわかるように、板状部材46の後面において、上方の面状ヒータ54bは上から1番目のネジ52bと上から2番目のネジ52bとの間に配置され、下方の面状ヒータ54bは下から1番目のネジ52bと下から2番目のネジ52bとの間に配置される。上方の面状ヒータ54a,54bはそれぞれ主に上から1番目および2番目の永久磁石28に熱を与え、下方の面状ヒータ54a,54bはそれぞれ主に下から1番目および2番目の永久磁石28に熱を与える。
加熱手段である面状ヒータ54a,54bの駆動時間および発熱量は、各永久磁石28の上面に設けられる温度センサ32(図2および図3参照)の検出結果に応じてコントローラ34(図1参照)が制御する。このように温度センサ32によって検出した永久磁石28の温度に応じて面状ヒータ54a,54bを制御することによって、より安定して永久磁石28の温度を一定に保つことができ、空隙Gの磁界強度の変化をより一層抑制できる。
また、継鉄14には、継鉄14を支持するための脚部56a,56bが設けられる。脚部56aは、板状継鉄20aの下面に設けられる2つの支柱58aと各支柱58aの下端部に接続される架台60aとを含む。同様に、脚部56bは、板状継鉄20bの下面に設けられる2つの支柱58bと各支柱58bの下端部に接続される架台60bとを含む。各支柱58a,58bおよび各架台60a,60bはそれぞれSUS304からなる。
このように構成される磁界発生装置10では、各挿入部30への永久磁石28の挿入量を変更することによって磁界強度を変更する。ついで、図4〜図7を参照して、磁界発生装置10における磁界強度の変更について説明する。ここでは、各永久磁石28の挿入量が最大である状態(図4および図5に示す状態)から、挿入量を小さくする場合について説明する。
まず、図4および図5に示す状態から、その後方側端部が後方に移動するように各ネジ52aを回転させ、かつ、その前方側端部が各ネジ52aの後方側端部と同速度で後方に移動するように各ネジ52bを回転させる。これに伴って、各ネジ52aの前方側端部によって後方に押される各永久磁石28が、介挿部材38を摺動しながら挿入部30から突出し、各永久磁石28の挿入量が小さくなる。そして、図6および図7に示すように、永久磁石28を覆う断熱材36の後面が板状部材46の凹部の底面に接すれば、つまり挿入量が最小になれば、各ネジ52a,52bの回転を停止させる。なお、図6および図7に示す状態から、各挿入部30への永久磁石28の挿入量を大きくするためにはネジ52a,52bを逆回転させればよい。
図4および図5に示すように、各永久磁石28の挿入量が最大である場合、継鉄14を通る磁束の量が最大となり、ひいては空隙Gに発生される磁界の磁界強度が最も強くなる。また、図6および図7に示すように、各永久磁石28の挿入量が最小である場合、継鉄14を通る磁束の量が最小となり、ひいては空隙Gに発生される磁界の強度が最も弱くなる。
このような磁界発生装置10によれば、ネジ52a,52bを回転させることによって挿入部30に挿入される永久磁石28の挿入量を変更し、継鉄14を通る磁束の量を効果的に変化させることができる。したがって、簡単に構成しつつも磁界強度を広い幅で変更でき、空隙Gに所望の磁界強度の磁界を発生させることができる。
結合用継鉄22a,22bに囲まれる部分以外の部分において永久磁石28を連結部材26および板状部材40,46で囲むことによって、上下に隣り合う永久磁石28間における磁束の短絡を抑制でき、ひいては空隙Gの磁界強度の低下を抑えることができる。また、永久磁石28を連結部材26および板状部材40,46で囲むことによって、漏れ磁束が空隙Gの磁界に影響を及ぼしにくくなり、空隙Gに均一度の高い磁界を発生させることができる。
永久磁石28の表面を覆うように断熱材36を設け、永久磁石28を前後から挟むように断熱材42,48を設け、さらに挿入部30に耐熱樹脂からなる介挿部材38を設けることによって、周囲温度の変化に伴う永久磁石28の温度変化を抑制できる。このように永久磁石28の温度変化を抑えることによって、磁界強度の変化を抑制でき、空隙Gに所望の磁界強度の磁界をより簡単に発生させることができる。一般に、磁界発生装置全体を断熱材によって覆う技術が知られているが、小型に構成される磁界発生装置10では、このように少量の断熱材で永久磁石28の温度変化を抑制できる。
継鉄14において、永久磁石28から磁極片12aまでの磁路と永久磁石28から磁極片12bまでの磁路とが同じ長さになるように挿入部30が設けられることによって、空隙Gにより均一度の高い磁界を発生させることができる。
一対の磁極片12a,12bがそれぞれ環状突起18を有することによって、空隙Gに均一度のより高い磁界を発生させることができる。
希土類磁石の磁力はフェライト磁石の磁力よりも強力であるので、永久磁石28として希土類磁石を用いることによって、永久磁石28の体積を小さくでき、永久磁石28の重量を抑えることができる。ひいては磁界発生装置10の重量を軽くできる。また、希土類磁石はフェライト磁石に比べて温度係数が小さいので、永久磁石28として希土類磁石を用いることによって、周囲温度の変化に伴う磁界強度の変化を抑制できる。
ここで、表1に、ネオジム系希土類磁石、サマリウム系希土類磁石およびフェライト磁石を用いた場合の永久磁石28の重量および温度係数(温度変化に対する磁界強度の変化率)の比較例を示す。表1には、永久磁石28として、ネオジム系希土類磁石の一例であるNMX−47(Nd−Fe−B磁石:NEOMAX社製)用いた場合と、サマリウム系希土類磁石の一例であるH−30SH(Sm−Co磁石:NEOMAX社製)を用いた場合と、フェライト磁石の一例であるSSR420(NEOMAX社製)を用いた場合との比較例が示されている。
Figure 2007097761
表1からわかるように、永久磁石28としてNMX−47あるいはH−30SH(希土類磁石)を用いることによって、SSR420(フェライト磁石)を用いる場合に比べて永久磁石28を小さくでき、永久磁石28の重量を抑えることができる。特に、強力な磁力を有するNMX−47を用いることによって永久磁石28を小さくでき、永久磁石28の重量を抑えることができる。
また、SSR420に比べてNMX−47およびH−30SHは温度係数が小さいので、永久磁石28としてNMX−47あるいはH−30SHを用いることによって、SSR420を用いる場合と比べて周囲温度の変化に伴う空隙Gの磁界強度の変化を抑制できる。特に、温度係数が−0.035%/℃であるH−30SHを永久磁石28として用いることによって磁界強度の温度安定性をより向上できる。
ついで、表2を参照して、磁界発生装置10と従来技術の磁界発生装置とを用いて、それぞれ磁界強度を変更した場合の実験例について説明する。
ここでは、従来技術の磁界発生装置として、磁界発生装置10と略同様に構成され、一方の磁極片と板状継鉄との間および他方の磁極片と板状継鉄との間にそれぞれ永久磁石が設けられ、挿入部に磁気抵抗調整部材が挿入される磁界発生装置を用いた。磁界発生装置10の永久磁石28と従来技術の磁界発生装置の永久磁石とにはそれぞれNMX−47が用いられ、磁界発生装置10における磁界強度の上限(最大値)と従来技術の磁界発生装置における磁界強度の上限とは略同じである。
また、ここでは、空隙の中央に位置する直径約35mmの球体状の測定空間(図2に一点鎖線で示す)中の複数ポイントの磁界強度を測定し、これらの平均値を磁界強度とした。
Figure 2007097761
まず、磁界発生装置10において変更可能な磁界強度の範囲と、従来技術の磁界発生装置において変更可能な磁界強度の範囲とを比較する。
表2からわかるように、従来技術の磁界発生装置では、変更可能な磁界強度の範囲が0.0147T〜0.0114Tであった。これに対して、磁界発生装置10では、変更可能な磁界強度の範囲が0.0145T〜0.0047Tであり、従来技術の磁界発生装置よりも広い幅で磁界強度を変更できた。これは、磁界発生源である永久磁石28の挿入量を直接的に変更することによって、磁気抵抗調整部材の挿入量を変更するよりも継鉄14を通る磁束の量をより効果的に変化させることができるからである。
ついで、磁界発生装置10において磁界強度を変更した場合の測定空間における磁界の均一度の変動量と、従来技術の磁界発生装置において磁界強度を変更した場合の測定空間における磁界の均一度の変動量とを比較する。
なお、通常、磁界強度を小さくする(永久磁石28あるいは磁気抵抗調整部材の挿入量を小さくする)と磁界の均一度は悪化し、変動量は大きくなる。
従来技術の磁界発生装置では、磁界強度を上限(0.0147T)から下限(0.0114T)まで変更した場合、均一度の変動量が+189.7ppmであった。これに対して、磁界発生装置10では、磁界強度を上限(0.0145T)から下限(0.0047T)まで変更した場合、均一度の変動量が+175.1ppmであった。このように、磁界発生装置10では、従来技術の磁界発生装置よりも広い幅で磁界強度を変更できながら、従来技術の磁界発生装置よりも均一度の変動量を抑えることができた。
なお、上述の実施形態では、継鉄14の材質としてSS400(炭素鋼)を用いる場合について説明したが、継鉄の材質はこれに限定されない。炭素鋼に代えて、電磁軟鉄や、飽和磁化が1.3T以上の鋳鉄等の磁性材料を継鉄として用いることができる。
また、上述の実施形態では、断熱材36,42および48として発泡プラスチック系断熱材の一例であるウレタンフォームを用いる場合について説明したが、断熱材はこれに限定されない。ウレタンフォームに代えて、発泡プラスチック系断熱材の他の例である発泡スチロールや無機繊維系断熱材の一例であるグラスウール等を断熱材として用いることができる。
また、上述の実施形態では、ネジ52a,52bを回転させることによって永久磁石28の挿入量を変更する場合について説明したが、変更手段はこれに限定されない。永久磁石を移動させることができれば変更手段は任意に選択でき、たとえば油圧ピストン等を変更手段として用いてもよい。
また、上述の実施形態では、磁極片12a,12bを左右に対向配置する場合について説明したが、この発明はこれに限定されない。たとえば一対の磁極片を上下対向配置してもよい。
また、上述の実施形態では、一対の結合用継鉄22a,22bによって一対の板状継鉄20a,20bを磁気的に結合する場合について説明したが、この発明はこれに限定されない。たとえば、板状継鉄を1つの結合用継鉄によって連結し、当該結合用継鉄に形成される孔に永久磁石を挿入するようにしてもよい。
また、この発明の磁界発生装置に用いられる継鉄は、一対の板状継鉄と複数あるいは1つの結合用継鉄を含むものに限定されない。たとえばコ字状あるいはU字状に一体的に形成された継鉄を用いてもよい。
さらに、上述の実施形態では板状継鉄20a,20bの間の中央かつ板状継鉄20a,20bの後端部近傍に挿入部30を設ける場合について説明したが、この発明はこれに限定されない。挿入部を設ける位置は任意に設定でき、たとえば一対の板状継鉄のいずれか一方に挿入部を設けてもよい。
この発明の磁界発生装置を示す斜視図解図である。 図1の磁界発生装置の正面図解図である。 図1の磁界発生装置の後面図解図である。 磁界発生装置のX−X断面図(図2および図3)である。 磁界発生装置のY−Y断面図(図2および図3)である。 挿入量が最小である場合の永久磁石の配置態様を示すX−X断面図(図2および図3)である。 挿入量が最小である場合の永久磁石の配置態様を示すY−Y断面図(図2および図3)である。
符号の説明
10 磁界発生装置
12a,12b 磁極片
14 継鉄
18 環状突起
20a,20b 板状継鉄
22a,22b 結合用継鉄
26 連結部材
28 永久磁石
30 挿入部
36,42,48 断熱材
40,46 板状部材
52a,52b ネジ
G 空隙

Claims (7)

  1. 永久磁石、
    空隙を介して対向配置される一対の磁極片、
    前記一対の磁極片を保持しかつ前記永久磁石を挿入するための挿入部が設けられる継鉄、および
    前記挿入部に挿入される前記永久磁石の挿入量を変更する変更手段を備える、磁界発生装置。
  2. 前記継鉄は、前記一対の磁極片を保持する一対の板状継鉄と、前記一対の板状継鉄を磁気的に結合するための一対の結合用継鉄とを含み、
    前記一対の結合用継鉄はそれぞれ、一方の前記板状継鉄と他方の前記板状継鉄とに設けられ、
    前記挿入部は、前記一対の結合用継鉄の間に設けられる、請求項1に記載の磁界発生装置。
  3. 前記継鉄は、前記一対の磁極片を保持する一対の板状継鉄と、前記一対の板状継鉄を磁気的に結合するための結合用継鉄とを含み、
    前記挿入部は、前記結合用継鉄に形成される孔である、請求項1に記載の磁界発生装置。
  4. 前記永久磁石の前記継鉄に囲まれる部分以外を囲む非磁性体の包囲部材をさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の磁界発生装置。
  5. 前記永久磁石の表面に設けられる断熱材をさらに含む、請求項1から4のいずれかに記載の磁界発生装置。
  6. 前記永久磁石は希土類磁石である、請求項1から5のいずれかに記載の磁界発生装置。
  7. 前記一対の磁極片はそれぞれ環状突起を有する、請求項1から6のいずれかに記載の磁界発生装置。
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