JP2003007500A - 強度可変型多極ビームライン磁石 - Google Patents
強度可変型多極ビームライン磁石Info
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- H05—ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H05H—PLASMA TECHNIQUE; PRODUCTION OF ACCELERATED ELECTRICALLY-CHARGED PARTICLES OR OF NEUTRONS; PRODUCTION OR ACCELERATION OF NEUTRAL MOLECULAR OR ATOMIC BEAMS
- H05H7/00—Details of devices of the types covered by groups H05H9/00, H05H11/00, H05H13/00
- H05H7/04—Magnet systems, e.g. undulators, wigglers; Energisation thereof
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 電源や配管工事を必要としないにも関わら
ず、高品質の磁界を発生させるビームライン磁石を提供
する。 【解決手段】 多極ビームライン磁石(10)は、複数
の固定式強磁性磁極(12)及びそれら磁極の間に配置
される1つ以上の永久磁石(14)を有する。各永久磁
石は、近接する2つの磁極に起磁力を供給し、それによ
り磁極は、磁極により形成される中央空間内に磁界を発
生させる。機械軸線(18)は、中央空間を通って、磁
極及び永久磁石により形成される面に垂直に伸びる。さ
らにビームライン磁石は、永久磁石を機械軸線に対して
垂直に移動させるリニアドライブを有する。このような
構成により、ビームライン磁石は、固定式磁極を用いて
高品質の磁界を発生させ、さらに永久磁石を集合的又は
選択的に動かすことによって、磁界強度及び磁気中心線
を選択的に調節することができる。
ず、高品質の磁界を発生させるビームライン磁石を提供
する。 【解決手段】 多極ビームライン磁石(10)は、複数
の固定式強磁性磁極(12)及びそれら磁極の間に配置
される1つ以上の永久磁石(14)を有する。各永久磁
石は、近接する2つの磁極に起磁力を供給し、それによ
り磁極は、磁極により形成される中央空間内に磁界を発
生させる。機械軸線(18)は、中央空間を通って、磁
極及び永久磁石により形成される面に垂直に伸びる。さ
らにビームライン磁石は、永久磁石を機械軸線に対して
垂直に移動させるリニアドライブを有する。このような
構成により、ビームライン磁石は、固定式磁極を用いて
高品質の磁界を発生させ、さらに永久磁石を集合的又は
選択的に動かすことによって、磁界強度及び磁気中心線
を選択的に調節することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強度可変型多極ビ
ームライン磁石、さらに具体的には磁界強度だけでなく
磁気中心線の調節も可能とするビームライン磁石に関す
るものである。
ームライン磁石、さらに具体的には磁界強度だけでなく
磁気中心線の調節も可能とするビームライン磁石に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】可変強度型磁石を作製する方法は多数あ
る。それらは、荷電粒子加速器におけるビームの偏向、
焦点調節及び高次制御において特に有用である。大概の
荷電粒子ビーム加速器は、磁石を使用してビームを制御
する。このことは、高エネルギー加速器すなわち相対論
的な粒子加速器に特に当てはまる。磁石は、ビームに影
響を与えるが、その方法は、光学レンズ及びミラーが光
学ビームに影響する方法と数学的に類似しているが同一
ではない。本発明においては、磁石が有する擬似的な光
学特性に基づく装置をビームライン磁石と呼ぶ。
る。それらは、荷電粒子加速器におけるビームの偏向、
焦点調節及び高次制御において特に有用である。大概の
荷電粒子ビーム加速器は、磁石を使用してビームを制御
する。このことは、高エネルギー加速器すなわち相対論
的な粒子加速器に特に当てはまる。磁石は、ビームに影
響を与えるが、その方法は、光学レンズ及びミラーが光
学ビームに影響する方法と数学的に類似しているが同一
ではない。本発明においては、磁石が有する擬似的な光
学特性に基づく装置をビームライン磁石と呼ぶ。
【0003】通常のビームライン磁石は、双極型、4極
型及び6極型がある。双極型は、レンズ付きのライトパ
イプのように、焦点合わせや焦点外しをすると同時にビ
ームの方向を変える。4極型は、レンズと同様にビーム
の焦点を調節する。6極型は、ある種の光学収差を補正
するために使用できる。さらに一般的には、双極、4極
及び6極を含む複数の磁極を備えるビームライン磁石を
多極磁石と呼ぶ。例えば8つの磁極を使用する8極型も
多極磁石であり、ビームの高次歪の補正に適している。
型及び6極型がある。双極型は、レンズ付きのライトパ
イプのように、焦点合わせや焦点外しをすると同時にビ
ームの方向を変える。4極型は、レンズと同様にビーム
の焦点を調節する。6極型は、ある種の光学収差を補正
するために使用できる。さらに一般的には、双極、4極
及び6極を含む複数の磁極を備えるビームライン磁石を
多極磁石と呼ぶ。例えば8つの磁極を使用する8極型も
多極磁石であり、ビームの高次歪の補正に適している。
【0004】多くのビームライン磁石は電磁石である。
これらの装置においては、一般的又は超伝導コイルが、
特殊な形状の磁極に巻かれて所要の磁界を発生する。コ
イルを通って流れる電流の調節により、磁界強度が制御
される。このことは、磁極の形状が磁界の質を制御する
という望ましい特性を有する。コイルは、磁界を発生さ
せるために必要な起磁力を簡易に供給する。室温で使用
するコイルは、コイルが有する有限抵抗により発生する
熱を放散するための冷却を必要とする。このことは、フ
ァン、冷却回路又はコイル状に形成できる水冷された銅
管材料の使用により達成される。銅管材料をコイル状に
形成して使う場合は、電流が銅を通って流れている間
は、脱イオン水が管材料の内部を循環する。電磁石には
多数の制限がある。第1に、それらの磁石を操作するた
めには高価な電力と特別な配管工事が必要とされる。さ
らに、電磁石には寸法的な制限がある。なぜなら、消費
電力がその2乗に比例する電流密度は、磁石の長さ寸法
に反比例するからである。従って、冷却の問題を回避す
るために低減された電流を使用する、より小さい電磁石
が必要とされ、またそのような電磁石は強い磁界を有す
ることができない。
これらの装置においては、一般的又は超伝導コイルが、
特殊な形状の磁極に巻かれて所要の磁界を発生する。コ
イルを通って流れる電流の調節により、磁界強度が制御
される。このことは、磁極の形状が磁界の質を制御する
という望ましい特性を有する。コイルは、磁界を発生さ
せるために必要な起磁力を簡易に供給する。室温で使用
するコイルは、コイルが有する有限抵抗により発生する
熱を放散するための冷却を必要とする。このことは、フ
ァン、冷却回路又はコイル状に形成できる水冷された銅
管材料の使用により達成される。銅管材料をコイル状に
形成して使う場合は、電流が銅を通って流れている間
は、脱イオン水が管材料の内部を循環する。電磁石には
多数の制限がある。第1に、それらの磁石を操作するた
めには高価な電力と特別な配管工事が必要とされる。さ
らに、電磁石には寸法的な制限がある。なぜなら、消費
電力がその2乗に比例する電流密度は、磁石の長さ寸法
に反比例するからである。従って、冷却の問題を回避す
るために低減された電流を使用する、より小さい電磁石
が必要とされ、またそのような電磁石は強い磁界を有す
ることができない。
【0005】第2に、やや一般的でない種類のビームラ
イン磁石は、特殊形状の磁石の配列によって作製され
る。これらの装置は、磁極を使わずに特殊な配列の磁石
を使用して、所要の磁界を発生させる。この種類の磁石
の実例は、Holsingerの米国特許4,355,
236号並びにGlucksternの米国特許4,4
29,229号及び4,538,130号に見ることが
できる。これらの装置においては、環状または円板状の
磁石を回転させることによって磁界強度を調節する。磁
極がないことにより、個々の磁石の磁界は互いに重畳
(スーパーインポーズ)し、それらの性能の解析がより
容易になる。またこれらの磁石には、電磁石の場合とは
異なり、コイル内に電流を発生させる電源やコイルを冷
却するための配管工事が必要ないという長所がある。し
かし、これらの磁石により発生する磁界の質は電磁石に
よる磁界の質より劣る。磁石が機械的に不完全であった
り不均一に磁化されたりすると、それらは全て磁界の質
の低下につながる。
イン磁石は、特殊形状の磁石の配列によって作製され
る。これらの装置は、磁極を使わずに特殊な配列の磁石
を使用して、所要の磁界を発生させる。この種類の磁石
の実例は、Holsingerの米国特許4,355,
236号並びにGlucksternの米国特許4,4
29,229号及び4,538,130号に見ることが
できる。これらの装置においては、環状または円板状の
磁石を回転させることによって磁界強度を調節する。磁
極がないことにより、個々の磁石の磁界は互いに重畳
(スーパーインポーズ)し、それらの性能の解析がより
容易になる。またこれらの磁石には、電磁石の場合とは
異なり、コイル内に電流を発生させる電源やコイルを冷
却するための配管工事が必要ないという長所がある。し
かし、これらの磁石により発生する磁界の質は電磁石に
よる磁界の質より劣る。磁石が機械的に不完全であった
り不均一に磁化されたりすると、それらは全て磁界の質
の低下につながる。
【0006】第3の種類のビームライン磁石は、磁石を
使用して、電磁石により発生するものに似た高品質の磁
界を発生させるのであるが、電磁石に使われるコイルの
代わりに永久磁石を使用する。この種類の装置の実例
は、Halbachの米国特許4,549,155号に
見ることができ、そこにおいては、磁界強度は磁石の回
転によって調節される。しかし磁石の回転は、回転角度
の関数として正弦波的かつ非線形に磁界強度を変化させ
るため、磁界強度を高い精度で調節することが難しい。
磁極及び永久磁石を用いた種類のビームライン磁石のも
う1つの例がKaiser等の米国特許2,883,5
69号に見ることができる。この特許においては、磁束
分流器が円柱状磁石の一部を覆って選択的に摺動して、
種々の量の磁界を短絡させる。しかしこの構造は、対と
なる磁極間に大きな磁束漏れ経路があるため、本質的に
あまり有効でない。加えて、この構造も非線形の磁界調
節を行い、高精度の強度調節としては望ましくない。さ
らに、もう1つの例によるこの種類のビームライン磁石
は、それぞれの対称軸について個別に回転する円柱状の
磁石を使用する。これらの構造においては、各磁極に1
つの回転する磁石がある。磁界強度は、各磁極それぞれ
に関連する各磁石の角度位置の調節により変化する。前
述のように、この種の磁石は磁界強度の正弦波的な変化
を発生させ、また、回転装置におけるバックラッシュを
除去して磁界強度を正確に調節することが難しい。さら
に、多くの装置は磁界強度の最小変化幅(ΔB/B)を
1/10000(0.01%)にすることが要求され
る。これは、極端に細かい角度分解能を意味する。角度
エンコーダは、1/50000ラジアンの分解能すなわ
ち360°内に約300,000のエンコーダ刻みを有
することが必要であり、これを達成することは、不可能
でないにしても極めて困難であろう。
使用して、電磁石により発生するものに似た高品質の磁
界を発生させるのであるが、電磁石に使われるコイルの
代わりに永久磁石を使用する。この種類の装置の実例
は、Halbachの米国特許4,549,155号に
見ることができ、そこにおいては、磁界強度は磁石の回
転によって調節される。しかし磁石の回転は、回転角度
の関数として正弦波的かつ非線形に磁界強度を変化させ
るため、磁界強度を高い精度で調節することが難しい。
磁極及び永久磁石を用いた種類のビームライン磁石のも
う1つの例がKaiser等の米国特許2,883,5
69号に見ることができる。この特許においては、磁束
分流器が円柱状磁石の一部を覆って選択的に摺動して、
種々の量の磁界を短絡させる。しかしこの構造は、対と
なる磁極間に大きな磁束漏れ経路があるため、本質的に
あまり有効でない。加えて、この構造も非線形の磁界調
節を行い、高精度の強度調節としては望ましくない。さ
らに、もう1つの例によるこの種類のビームライン磁石
は、それぞれの対称軸について個別に回転する円柱状の
磁石を使用する。これらの構造においては、各磁極に1
つの回転する磁石がある。磁界強度は、各磁極それぞれ
に関連する各磁石の角度位置の調節により変化する。前
述のように、この種の磁石は磁界強度の正弦波的な変化
を発生させ、また、回転装置におけるバックラッシュを
除去して磁界強度を正確に調節することが難しい。さら
に、多くの装置は磁界強度の最小変化幅(ΔB/B)を
1/10000(0.01%)にすることが要求され
る。これは、極端に細かい角度分解能を意味する。角度
エンコーダは、1/50000ラジアンの分解能すなわ
ち360°内に約300,000のエンコーダ刻みを有
することが必要であり、これを達成することは、不可能
でないにしても極めて困難であろう。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】電源や配管工事を必要
としないにも関わらず、高品質の磁界を発生させるビー
ムライン磁石が必要とされる。そのようなビームライン
磁石は、高精度の調節を可能とするために、非正弦波的
な磁界強度調節を行うことができることが好ましい。
としないにも関わらず、高品質の磁界を発生させるビー
ムライン磁石が必要とされる。そのようなビームライン
磁石は、高精度の調節を可能とするために、非正弦波的
な磁界強度調節を行うことができることが好ましい。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁界強度及び
磁気中心線を調節できる多極ビームライン磁石を提供す
る。特に、ビームライン磁石は、強磁性体から形成され
る複数の固定式磁極と、その複数の固定式磁極間に位置
する1つ以上の永久磁石とを有する。各永久磁石は、近
接する2つの固定式磁極に起磁力を供給するため、その
磁極は、その磁極によって形成された中央空間に磁界を
発生させる。ビームライン磁石の機械軸線は、その中央
空間を通って、永久磁石及び磁極により形成される面に
垂直に伸びる。ビームライン磁石はさらに、機械軸線に
垂直な放射状の線、すなわち機械軸線に対して放射状に
内部又は外部へ向かう線に沿って永久磁石を動かすリニ
アドライブを有する。このように構成されたビームライ
ン磁石は、それら固定式磁極を使って高品質の磁界を発
生させ、さらに、永久磁石を集合的又は選択的に動かす
ことで磁界強度及び磁気中心線を正確に調節することを
可能にする。
磁気中心線を調節できる多極ビームライン磁石を提供す
る。特に、ビームライン磁石は、強磁性体から形成され
る複数の固定式磁極と、その複数の固定式磁極間に位置
する1つ以上の永久磁石とを有する。各永久磁石は、近
接する2つの固定式磁極に起磁力を供給するため、その
磁極は、その磁極によって形成された中央空間に磁界を
発生させる。ビームライン磁石の機械軸線は、その中央
空間を通って、永久磁石及び磁極により形成される面に
垂直に伸びる。ビームライン磁石はさらに、機械軸線に
垂直な放射状の線、すなわち機械軸線に対して放射状に
内部又は外部へ向かう線に沿って永久磁石を動かすリニ
アドライブを有する。このように構成されたビームライ
ン磁石は、それら固定式磁極を使って高品質の磁界を発
生させ、さらに、永久磁石を集合的又は選択的に動かす
ことで磁界強度及び磁気中心線を正確に調節することを
可能にする。
【0009】本発明のある態様によると、ビームライン
磁石はさらに、磁極及び永久磁石を間に挟むために提供
される一対の非磁性のエンドキャップを有する。ある実
施形態において、少なくとも1つのエンドキャップが、
1つ以上の永久磁石をそれぞれ移動可能に取付けるため
の1つ以上のガイド溝を形成する。ガイド溝は、永久磁
石の直線的な移動を高度に制御するために提供される。
磁石はさらに、磁極及び永久磁石を間に挟むために提供
される一対の非磁性のエンドキャップを有する。ある実
施形態において、少なくとも1つのエンドキャップが、
1つ以上の永久磁石をそれぞれ移動可能に取付けるため
の1つ以上のガイド溝を形成する。ガイド溝は、永久磁
石の直線的な移動を高度に制御するために提供される。
【0010】本発明の他の態様によると、ビームライン
磁石はさらに、非磁性エンドキャップに取付けられて非
磁性エンドキャップを間に挟む一対の強磁性の遮蔽板を
有し、次に非磁性エンドキャップは、磁極及び永久磁石
を挟む。遮蔽板は、ビームライン磁石と、その近くにあ
る機器又は他のビームライン磁石と間の磁気相互作用を
効果的に消去するために使用される。
磁石はさらに、非磁性エンドキャップに取付けられて非
磁性エンドキャップを間に挟む一対の強磁性の遮蔽板を
有し、次に非磁性エンドキャップは、磁極及び永久磁石
を挟む。遮蔽板は、ビームライン磁石と、その近くにあ
る機器又は他のビームライン磁石と間の磁気相互作用を
効果的に消去するために使用される。
【0011】本発明のさらなる他の態様によると、ビー
ムライン磁石はさらに、固定式磁極により形成された中
央空間の磁界強度を測定するために配置される磁界セン
サーを有する。感知された磁界強度のデータは、永久磁
石を集合的又は選択的に動かすためのリニアドライブを
制御するために使用することができる。
ムライン磁石はさらに、固定式磁極により形成された中
央空間の磁界強度を測定するために配置される磁界セン
サーを有する。感知された磁界強度のデータは、永久磁
石を集合的又は選択的に動かすためのリニアドライブを
制御するために使用することができる。
【0012】本発明のさらなる他の態様によると、ビー
ムライン磁石はさらに、固定式磁極により形成された中
央空間内の荷電粒子ビームの位置を検出するために配置
されるビーム位置センサーを有する。検出されたビーム
の位置は、永久磁石を集合的又は選択的に動かして磁界
強度又は磁気中心線を調節するためのリニアドライブを
制御するために使用することができる。
ムライン磁石はさらに、固定式磁極により形成された中
央空間内の荷電粒子ビームの位置を検出するために配置
されるビーム位置センサーを有する。検出されたビーム
の位置は、永久磁石を集合的又は選択的に動かして磁界
強度又は磁気中心線を調節するためのリニアドライブを
制御するために使用することができる。
【0013】本発明のさらなる他の態様によると、ビー
ムライン磁石は、操作温度の変化に関わらず磁界強度を
概ね一定に維持する消極的な温度補償手段を有する。具
体的には、低いキュリー温度を有する強磁性体が、平行
な磁束分流形状にて永久磁石に磁気的に接合されて、永
久磁石が有する温度依存性の磁束変化を補償する。低温
時は、永久磁石が高温時よりも強いため、高温時よりも
多い磁束が中央空間に供給される。しかし低温時は、強
磁性体が、高温時よりも大きい割合の有効な磁束を中央
空間から分流させる。結果として、中央空間内の最終的
な磁束は、低温時及び高温時の双方において実質的に等
しくなる。すなわち、低温時は、永久磁石は強いがより
多くの磁束が中央空間から分流し、高温時は、永久磁石
は弱いがより少ない磁束しか中央空間から分流しない。
強磁性体並びにその寸法及び配置の適切な選定により、
磁界強度は、操作温度の変化に関わらず本質的に一定の
レベルに維持される。
ムライン磁石は、操作温度の変化に関わらず磁界強度を
概ね一定に維持する消極的な温度補償手段を有する。具
体的には、低いキュリー温度を有する強磁性体が、平行
な磁束分流形状にて永久磁石に磁気的に接合されて、永
久磁石が有する温度依存性の磁束変化を補償する。低温
時は、永久磁石が高温時よりも強いため、高温時よりも
多い磁束が中央空間に供給される。しかし低温時は、強
磁性体が、高温時よりも大きい割合の有効な磁束を中央
空間から分流させる。結果として、中央空間内の最終的
な磁束は、低温時及び高温時の双方において実質的に等
しくなる。すなわち、低温時は、永久磁石は強いがより
多くの磁束が中央空間から分流し、高温時は、永久磁石
は弱いがより少ない磁束しか中央空間から分流しない。
強磁性体並びにその寸法及び配置の適切な選定により、
磁界強度は、操作温度の変化に関わらず本質的に一定の
レベルに維持される。
【0014】本発明のさらなる他の態様によると、ビー
ムライン磁石は、熱的に引き起こされる磁気中心線の移
動を補正する消極的な温度補償手段を有する。中心線の
移動は、種々の熱的な理由、例えば、ビームライン磁石
が有する全ての材料の熱膨張又は熱収縮、永久磁石が有
する磁気的性質の温度依存性及びビームライン磁石が取
付けられている支持用プラットホームの温度による移動
によって発生する。本発明によると、中心線の移動の熱
的な補償は、異なる量の温度補償材料(すなわち低いキ
ュリー温度を有する強磁性体)を各永久磁石に接続する
ことによって達成される。材料並びにその寸法及び配置
の適切な選定により、磁気中心線は、操作温度の変化に
関わらず本質的に一定の位置に維持される。
ムライン磁石は、熱的に引き起こされる磁気中心線の移
動を補正する消極的な温度補償手段を有する。中心線の
移動は、種々の熱的な理由、例えば、ビームライン磁石
が有する全ての材料の熱膨張又は熱収縮、永久磁石が有
する磁気的性質の温度依存性及びビームライン磁石が取
付けられている支持用プラットホームの温度による移動
によって発生する。本発明によると、中心線の移動の熱
的な補償は、異なる量の温度補償材料(すなわち低いキ
ュリー温度を有する強磁性体)を各永久磁石に接続する
ことによって達成される。材料並びにその寸法及び配置
の適切な選定により、磁気中心線は、操作温度の変化に
関わらず本質的に一定の位置に維持される。
【0015】本発明のさらなる他の態様によると、ビー
ムライン磁石はさらに、磁気中心線及び磁界強度の少な
くとも一方を小幅に調節する電磁式補正コイルを有す
る。1つ以上の補正コイルは、計画的に配置され、予め
定めた量及び極性の起磁力を1つ以上の固定式磁極に選
択的に供給する。電磁式補正コイルを用いた調節は、コ
イルの巻線及びそこを流れる電流を修正することのみで
達成されるため、その調節は迅速かつ正確に行うことが
できる。磁界強度及び磁気中心線の少なくとも一方を微
調整するためには、永久磁石の直線的移動を利用する本
発明の機械式調節よりも、電磁式調節の方がより有利た
り得る。
ムライン磁石はさらに、磁気中心線及び磁界強度の少な
くとも一方を小幅に調節する電磁式補正コイルを有す
る。1つ以上の補正コイルは、計画的に配置され、予め
定めた量及び極性の起磁力を1つ以上の固定式磁極に選
択的に供給する。電磁式補正コイルを用いた調節は、コ
イルの巻線及びそこを流れる電流を修正することのみで
達成されるため、その調節は迅速かつ正確に行うことが
できる。磁界強度及び磁気中心線の少なくとも一方を微
調整するためには、永久磁石の直線的移動を利用する本
発明の機械式調節よりも、電磁式調節の方がより有利た
り得る。
【0016】本発明のさらなる他の態様によると、ビー
ムライン磁石は、複数の磁極及び複数の永久磁石を有す
る。磁極及び永久磁石は、それぞれ同数提供され、36
0°に渡り等角度に配置することができる。磁極は、種
々の材料から種々の形状に作製することができる。ビー
ムライン磁石が有する全ての磁極は、同一に又は互いに
異なるように作製できる。同様に、永久磁石は、種々の
材料から種々の形状に、異なる磁化方向を有するように
作製できる。ビームライン磁石が有する全ての永久磁石
は、同一に又は互いに異なるように作製できる。さら
に、各永久磁石は、同一又は異なる形状若しくは特性を
有する複数の副磁石部分を形成することができる。各磁
極及び各永久磁石(又は副磁石部分)が有する形状及び
特性は、各装置に従って所定の磁界分布を発生させるよ
うに決定される。
ムライン磁石は、複数の磁極及び複数の永久磁石を有す
る。磁極及び永久磁石は、それぞれ同数提供され、36
0°に渡り等角度に配置することができる。磁極は、種
々の材料から種々の形状に作製することができる。ビー
ムライン磁石が有する全ての磁極は、同一に又は互いに
異なるように作製できる。同様に、永久磁石は、種々の
材料から種々の形状に、異なる磁化方向を有するように
作製できる。ビームライン磁石が有する全ての永久磁石
は、同一に又は互いに異なるように作製できる。さら
に、各永久磁石は、同一又は異なる形状若しくは特性を
有する複数の副磁石部分を形成することができる。各磁
極及び各永久磁石(又は副磁石部分)が有する形状及び
特性は、各装置に従って所定の磁界分布を発生させるよ
うに決定される。
【0017】さらなる他の態様によると、本発明による
ビームライン磁石はさらに、磁極により形成された中央
空間と1つ以上の永久磁石との間にそれぞれ配置された
1つ以上の固定式補助磁石を有する。換言すれば、補助
磁石は、機械軸線に対して、径方向に見た永久磁石の内
側に配置される。補助磁石は、径方向に見た補助磁石の
外側に配置された永久磁石が動かされている間は、固定
状態に維持される。
ビームライン磁石はさらに、磁極により形成された中央
空間と1つ以上の永久磁石との間にそれぞれ配置された
1つ以上の固定式補助磁石を有する。換言すれば、補助
磁石は、機械軸線に対して、径方向に見た永久磁石の内
側に配置される。補助磁石は、径方向に見た補助磁石の
外側に配置された永久磁石が動かされている間は、固定
状態に維持される。
【0018】さらなる態様によると、本発明によるビー
ムライン磁石は、強磁性の調整シムを有する。そのシム
は、例えば、固定式補助磁石と接し、永久磁石、磁極、
末端磁石又は非磁性エンドキャップを動かす。シムは、
永久磁石及び磁極の少なくとも一方が不完全に作製され
ることにより発生する磁界の誤差を補償するときに役立
つ。
ムライン磁石は、強磁性の調整シムを有する。そのシム
は、例えば、固定式補助磁石と接し、永久磁石、磁極、
末端磁石又は非磁性エンドキャップを動かす。シムは、
永久磁石及び磁極の少なくとも一方が不完全に作製され
ることにより発生する磁界の誤差を補償するときに役立
つ。
【0019】本発明はさらに、多極ビームライン磁石の
磁界を選択的に調節する方法を提供する。この方法は、
3つのステップを含む。第1に、複数の固定式強磁性磁
極を備える。第2に、複数の永久磁石が複数の固定式強
磁性磁極間に配置され、その各永久磁石が、近接する2
つの固定式強磁性磁極に起磁力を供給する。その結果、
固定式強磁性磁極は、固定式強磁性磁極により形成され
た中央空間に磁界を発生させる。その中央空間を通っ
て、ビームライン磁石の機械軸線が、永久磁石及び磁極
により形成される面に垂直に伸びるように決定される。
最後に、1つ以上の永久磁石が機械軸線に対して垂直に
移動する。
磁界を選択的に調節する方法を提供する。この方法は、
3つのステップを含む。第1に、複数の固定式強磁性磁
極を備える。第2に、複数の永久磁石が複数の固定式強
磁性磁極間に配置され、その各永久磁石が、近接する2
つの固定式強磁性磁極に起磁力を供給する。その結果、
固定式強磁性磁極は、固定式強磁性磁極により形成され
た中央空間に磁界を発生させる。その中央空間を通っ
て、ビームライン磁石の機械軸線が、永久磁石及び磁極
により形成される面に垂直に伸びるように決定される。
最後に、1つ以上の永久磁石が機械軸線に対して垂直に
移動する。
【0020】その方法は、磁界強度及び磁気中心線の調
節のような、所要の磁界調節を達成する様々な方法で行
うことができる。一般的な場合では、永久磁石は、個別
に移動して磁界強度及び磁気中心線を選択的に調節す
る。
節のような、所要の磁界調節を達成する様々な方法で行
うことができる。一般的な場合では、永久磁石は、個別
に移動して磁界強度及び磁気中心線を選択的に調節す
る。
【0021】さらに特殊な場合では、磁界分布を変化さ
せずに磁界強度を調節する方法を行うことができる。こ
のことは、例えば、全ての永久磁石を機械軸線に対して
放射状に内側又は外側へ動かして、全ての磁極につなが
る磁束を均一に増加又は減少させる方法により可能であ
る。強度調節は線形的に行うことができるため、高精度
の調節が可能である。
せずに磁界強度を調節する方法を行うことができる。こ
のことは、例えば、全ての永久磁石を機械軸線に対して
放射状に内側又は外側へ動かして、全ての磁極につなが
る磁束を均一に増加又は減少させる方法により可能であ
る。強度調節は線形的に行うことができるため、高精度
の調節が可能である。
【0022】もう1つの特殊な場合では、磁界強度を変
化させずに磁気中心線を調節することができる。例え
ば、中心角180°離れて相対する一対の永久磁石を一
方向へ移動させる方法がある。そのような移動は、磁気
線を単に移す(すなわち平行にシフトさせる)だけであ
り、磁気中心線は事実上直線的に移動する。
化させずに磁気中心線を調節することができる。例え
ば、中心角180°離れて相対する一対の永久磁石を一
方向へ移動させる方法がある。そのような移動は、磁気
線を単に移す(すなわち平行にシフトさせる)だけであ
り、磁気中心線は事実上直線的に移動する。
【0023】本発明は、多くの長所を備える。第1に、
本発明によるビームライン磁石は電源や配管工事を必要
としないにも関わらず、固定式磁極の使用によって高品
質の磁界を発生させる。第2に、本発明は、磁界強度及
び磁気中心線の線形的な調節を可能にし、それにより磁
界強度及び磁気中心線の高精度の調節が可能である。第
3に、本発明においては、永久磁石は、回転式に対立す
るものとして直線的に移動して種々の調節を行うため、
永久磁石を正確に調節することが容易になる。このこと
は、1〜20ミクロンの分解能を有する市販のリニアエ
ンコーダを用いて、極めて正確に磁界強度(0.01
%)及び磁気中心線(ミクロン)を調節することを可能
にする。前述したように、回転動作を用いた構造におい
ては、0.01%の精度のためには360°内に約30
0,000のエンコーダ刻みを有する角度分解能が典型
的に要求される。このことは、市販のいかなるエンコー
ダを用いても容易に達成できない。
本発明によるビームライン磁石は電源や配管工事を必要
としないにも関わらず、固定式磁極の使用によって高品
質の磁界を発生させる。第2に、本発明は、磁界強度及
び磁気中心線の線形的な調節を可能にし、それにより磁
界強度及び磁気中心線の高精度の調節が可能である。第
3に、本発明においては、永久磁石は、回転式に対立す
るものとして直線的に移動して種々の調節を行うため、
永久磁石を正確に調節することが容易になる。このこと
は、1〜20ミクロンの分解能を有する市販のリニアエ
ンコーダを用いて、極めて正確に磁界強度(0.01
%)及び磁気中心線(ミクロン)を調節することを可能
にする。前述したように、回転動作を用いた構造におい
ては、0.01%の精度のためには360°内に約30
0,000のエンコーダ刻みを有する角度分解能が典型
的に要求される。このことは、市販のいかなるエンコー
ダを用いても容易に達成できない。
【0024】第4に、本発明は、磁界の種々の調節を可
能にする点において汎用性が高い。例えば、本発明は、
磁気中心線を変化させずに磁界強度を調節すること又は
磁界強度を変化させずに磁気中心線を調節する(シフト
させる)ことができる。第5に、前述した汎用性の高い
磁界調節が可能であることは、ビームライン磁石の作製
中に導かれるビームライン磁石の磁気的性質(すなわち
磁界強度、磁気中心線及び磁界分布)のいかなる誤差も
容易に補償することができる。例えば、仮に複数の永久
磁石が異なる強度を有する場合は、それらを直線的に移
動させて、その差を補償することができる。仮に永久磁
石の磁化方向が均一でない場合は、調整シムを用いて補
償することができる。同様に、磁極の形状又は磁極の磁
化特性が不完全であるときは、永久磁石の直線的動作と
強磁性調整シムの使用との併用によって補償可能であ
る。さらに、電磁式補正コイルを備えるときは、コイル
の巻線及びコイルへの通電を選択的に行うことで、磁界
強度又は磁気中心線の微調節を容易に実行できる。従っ
て本発明は、永久磁石及び磁極の少なくとも一方の品質
が変化することに対して高度に耐性があり、それにより
全体の製造コストが低減される。
能にする点において汎用性が高い。例えば、本発明は、
磁気中心線を変化させずに磁界強度を調節すること又は
磁界強度を変化させずに磁気中心線を調節する(シフト
させる)ことができる。第5に、前述した汎用性の高い
磁界調節が可能であることは、ビームライン磁石の作製
中に導かれるビームライン磁石の磁気的性質(すなわち
磁界強度、磁気中心線及び磁界分布)のいかなる誤差も
容易に補償することができる。例えば、仮に複数の永久
磁石が異なる強度を有する場合は、それらを直線的に移
動させて、その差を補償することができる。仮に永久磁
石の磁化方向が均一でない場合は、調整シムを用いて補
償することができる。同様に、磁極の形状又は磁極の磁
化特性が不完全であるときは、永久磁石の直線的動作と
強磁性調整シムの使用との併用によって補償可能であ
る。さらに、電磁式補正コイルを備えるときは、コイル
の巻線及びコイルへの通電を選択的に行うことで、磁界
強度又は磁気中心線の微調節を容易に実行できる。従っ
て本発明は、永久磁石及び磁極の少なくとも一方の品質
が変化することに対して高度に耐性があり、それにより
全体の製造コストが低減される。
【0025】最後に、ビームライン磁石の構造は、1つ
以上の永久磁石を除去することによってビームライン磁
石の中央空間にアクセスすることを可能にするものであ
る。このことは、その中央空間に近接して、ビームライ
ン磁石を通過する電子ビームの挙動を監視する電子ビー
ムセンサーを、ビームライン磁石が受容することを有利
に可能にする。
以上の永久磁石を除去することによってビームライン磁
石の中央空間にアクセスすることを可能にするものであ
る。このことは、その中央空間に近接して、ビームライ
ン磁石を通過する電子ビームの挙動を監視する電子ビー
ムセンサーを、ビームライン磁石が受容することを有利
に可能にする。
【0026】前述した本発明の態様及びそれに伴う多く
の長所は、添付図面とともに以下の詳細な説明を参照し
て、より容易に理解されるであろう。
の長所は、添付図面とともに以下の詳細な説明を参照し
て、より容易に理解されるであろう。
【0027】
【発明の実施の形態】図1を参照すると、磁界強度及び
磁気中心線を選択的に調節できる多極ビームライン磁石
10が提供される。さらに図2(A)を参照すると、多
極ビームライン磁石10は、複数の固定式強磁性磁極1
2a〜12dと、その複数の固定式強磁性磁極12a〜
12d間に位置する1つ以上の永久磁石14a〜14d
とを有する。本発明の説明においては、強磁性という用
語は「軟磁性」及び「磁気透過性」と同じ意味で用いら
れ、少なくとも10μ0(μ0は自由空間の透磁率)の
適度に高い透磁率をいう。各永久磁石14は、近接する
2つの固定式強磁性磁極12に起磁力を供給するため、
磁極12は、その磁極12によって形成される中央空間
16内に磁界を発生させる。ビームライン磁石10の機
械軸線18は、中央空間16を通って、おそらく中央
に、磁極12及び磁石14により形成される平面(すな
わち図1におけるx−y平面)に対して垂直に伸びる。
ビームライン磁石10はさらに、永久磁石14を機械軸
線18に対して垂直に(すなわち機械軸線18に対して
放射状に内側又は外側へ)動かすように形成されてい
る、リニアドライブ20(図3(A)参照)を有する。
例えば、図2(B)は、矢印にて示されるように、4つ
の磁石14の全てが集合的に、機械軸線18に対して放
射状に外部へ移動すなわち放射状に引込まれることを図
示している。
磁気中心線を選択的に調節できる多極ビームライン磁石
10が提供される。さらに図2(A)を参照すると、多
極ビームライン磁石10は、複数の固定式強磁性磁極1
2a〜12dと、その複数の固定式強磁性磁極12a〜
12d間に位置する1つ以上の永久磁石14a〜14d
とを有する。本発明の説明においては、強磁性という用
語は「軟磁性」及び「磁気透過性」と同じ意味で用いら
れ、少なくとも10μ0(μ0は自由空間の透磁率)の
適度に高い透磁率をいう。各永久磁石14は、近接する
2つの固定式強磁性磁極12に起磁力を供給するため、
磁極12は、その磁極12によって形成される中央空間
16内に磁界を発生させる。ビームライン磁石10の機
械軸線18は、中央空間16を通って、おそらく中央
に、磁極12及び磁石14により形成される平面(すな
わち図1におけるx−y平面)に対して垂直に伸びる。
ビームライン磁石10はさらに、永久磁石14を機械軸
線18に対して垂直に(すなわち機械軸線18に対して
放射状に内側又は外側へ)動かすように形成されてい
る、リニアドライブ20(図3(A)参照)を有する。
例えば、図2(B)は、矢印にて示されるように、4つ
の磁石14の全てが集合的に、機械軸線18に対して放
射状に外部へ移動すなわち放射状に引込まれることを図
示している。
【0028】このように構成されたビームライン磁石
は、固定式磁極12を用いて高品質の磁界を発生させ、
さらに、磁石14を集合的かつ選択的に動かすことによ
り、磁界強度及び磁気中心線を選択的に調節することを
可能にする。
は、固定式磁極12を用いて高品質の磁界を発生させ、
さらに、磁石14を集合的かつ選択的に動かすことによ
り、磁界強度及び磁気中心線を選択的に調節することを
可能にする。
【0029】本発明によるビームライン磁石の数学的解
析を以下に説明する。マックスウェルの方程式による
と、多極ビームライン磁石によって生成されるx方向及
びy方向の磁界成分Bx及びByは、以下の式で表され
る。
析を以下に説明する。マックスウェルの方程式による
と、多極ビームライン磁石によって生成されるx方向及
びy方向の磁界成分Bx及びByは、以下の式で表され
る。
【数1】
ここでz=0平面におけるビームライン磁石の磁気的中
心は(x,y,z)=(0,0,0)で定義される。n
は磁場の序数であり、特に(n=0)である一様な磁場
を双極場、(n=1)である1次の磁場を4重極場、
(n=2)である2次の磁場を6重極場という。ここで
r=(x2+y2)1/2、tanφ=y/xである。また
an及びbnは、多極ビームライン磁石の強度を示す多極
係数であり、磁極の形状並びに永久磁石の強度及び磁化
方向のような種々の要因により特定される。実用的な双
極型、4極型及び6極型は、anとbnのどちらか一方の
みが0でない磁界を得るために使用される。典型的に
は、磁気中心線は、荷電粒子ビームを進行させようとす
る経路に沿う。セクターマグネットと呼ばれる種類の双
極型においては、磁気中心線は実際には弧線であり、x
軸及びy軸はその弧線を軸として回転する。従って磁気
中心線は、(x,y)=(0,0)である線(又は弧
線)である。(1)式の展開式を調和関数という。これ
は、強磁性体又は磁石を通過しない半径rの円に関して
数学的妥当性を表しているに過ぎない。例えある特殊な
装置が(1)式に従わない場合であっても、この技術分
野に熟練した者にとっては明らかであるように、ビーム
ライン磁石10が有する中央空間16内に、磁気中心線
として示される唯一の線を特定することが可能である。
心は(x,y,z)=(0,0,0)で定義される。n
は磁場の序数であり、特に(n=0)である一様な磁場
を双極場、(n=1)である1次の磁場を4重極場、
(n=2)である2次の磁場を6重極場という。ここで
r=(x2+y2)1/2、tanφ=y/xである。また
an及びbnは、多極ビームライン磁石の強度を示す多極
係数であり、磁極の形状並びに永久磁石の強度及び磁化
方向のような種々の要因により特定される。実用的な双
極型、4極型及び6極型は、anとbnのどちらか一方の
みが0でない磁界を得るために使用される。典型的に
は、磁気中心線は、荷電粒子ビームを進行させようとす
る経路に沿う。セクターマグネットと呼ばれる種類の双
極型においては、磁気中心線は実際には弧線であり、x
軸及びy軸はその弧線を軸として回転する。従って磁気
中心線は、(x,y)=(0,0)である線(又は弧
線)である。(1)式の展開式を調和関数という。これ
は、強磁性体又は磁石を通過しない半径rの円に関して
数学的妥当性を表しているに過ぎない。例えある特殊な
装置が(1)式に従わない場合であっても、この技術分
野に熟練した者にとっては明らかであるように、ビーム
ライン磁石10が有する中央空間16内に、磁気中心線
として示される唯一の線を特定することが可能である。
【0030】本発明に従う多極ビームライン磁石10の
構成を以下に詳細に説明する。以下は4つの固定式磁極
12を有する4極ビームライン磁石の説明であるが、こ
の技術分野に熟練した者にとっては、本発明が双極型、
6極型及び8極型のような他の多極ビームライン磁石に
も同様に適用できることが容易に理解されるであろう。
構成を以下に詳細に説明する。以下は4つの固定式磁極
12を有する4極ビームライン磁石の説明であるが、こ
の技術分野に熟練した者にとっては、本発明が双極型、
6極型及び8極型のような他の多極ビームライン磁石に
も同様に適用できることが容易に理解されるであろう。
【0031】さらに図3(A)を参照すると、固定式強
磁性磁極12a〜12dは、通常は磁気飽和効果を最小
化する目的で選定されるような、軟磁性又は磁気透過性
を有するいかなる材料からも作製される。磁極材料の例
としては、バナジウムパーメンジュール及び一般的に電
気用鋼と呼ばれる低炭素鋼がある。大概の装置において
は、異なる磁極12a〜12dは同じ材料から作製さ
れ、いくつかの装置においては、それらの磁極は異なる
材料から作製される。さらに、いくつかの装置において
は、各磁極12の作製について複数の種類の鋼材を使用
することがコスト低減に効果的である場合がある。例え
ば、高磁界領域には高価なバナジウムパーメンジュール
を使用し、それ以外の場所には低コストの電気用鋼を使
用する場合である。
磁性磁極12a〜12dは、通常は磁気飽和効果を最小
化する目的で選定されるような、軟磁性又は磁気透過性
を有するいかなる材料からも作製される。磁極材料の例
としては、バナジウムパーメンジュール及び一般的に電
気用鋼と呼ばれる低炭素鋼がある。大概の装置において
は、異なる磁極12a〜12dは同じ材料から作製さ
れ、いくつかの装置においては、それらの磁極は異なる
材料から作製される。さらに、いくつかの装置において
は、各磁極12の作製について複数の種類の鋼材を使用
することがコスト低減に効果的である場合がある。例え
ば、高磁界領域には高価なバナジウムパーメンジュール
を使用し、それ以外の場所には低コストの電気用鋼を使
用する場合である。
【0032】磁極12を使用する一般的な長所は、磁極
12によって発生する磁界の質は、磁極面22がどの程
度適切に機械加工されているかによって主として特定さ
れることである。一般的に磁極面22の形状は、磁極1
2によって形成される中央空間16内の磁界分布(又は
磁界プロファイル)を特定する。従って磁極12は、磁
石14が有する局所的な磁化の斑を均質にするために作
用する。換言すれば、磁極12の使用は、磁石14が有
する磁化の斑の補償に役立つ。実際に、磁極を用いたビ
ームライン磁石は、磁極を用いない場合に比べて、永久
磁石の不完全性に対して約10倍低い感度で設計でき
る。
12によって発生する磁界の質は、磁極面22がどの程
度適切に機械加工されているかによって主として特定さ
れることである。一般的に磁極面22の形状は、磁極1
2によって形成される中央空間16内の磁界分布(又は
磁界プロファイル)を特定する。従って磁極12は、磁
石14が有する局所的な磁化の斑を均質にするために作
用する。換言すれば、磁極12の使用は、磁石14が有
する磁化の斑の補償に役立つ。実際に、磁極を用いたビ
ームライン磁石は、磁極を用いない場合に比べて、永久
磁石の不完全性に対して約10倍低い感度で設計でき
る。
【0033】大概の装置においては、磁極面22は磁気
飽和しない。このことは、各磁極12の表面22が特別
な磁気ポテンシャル値になるように設計されていること
を意味する。後に十分に説明するが、本発明によると、
磁極12の磁気ポテンシャル値は、磁石14を選択的に
動かして、磁石14に近接する磁極12につながる磁束
を変化させることで容易に調節できる。次にポテンシャ
ル値の変化は、磁界の変化を発生させる。換言すれば、
磁気ポテンシャル値の変化は、磁界強度及び磁気中心線
の調節に用いられる。
飽和しない。このことは、各磁極12の表面22が特別
な磁気ポテンシャル値になるように設計されていること
を意味する。後に十分に説明するが、本発明によると、
磁極12の磁気ポテンシャル値は、磁石14を選択的に
動かして、磁石14に近接する磁極12につながる磁束
を変化させることで容易に調節できる。次にポテンシャ
ル値の変化は、磁界の変化を発生させる。換言すれば、
磁気ポテンシャル値の変化は、磁界強度及び磁気中心線
の調節に用いられる。
【0034】高品質の磁界を発生させるためには、磁極
面22が磁気的な等ポテンシャル面を形成することが好
ましい。例えば、4極ビームライン磁石10の場合は、
図3(A)に示すような双曲線からなる面である。図示
された具体例においては、機械軸線18から放射状に離
れた磁極12の部分23は概ね正方形であるため、ビー
ムライン磁石10の外形25は平面により定義されて、
基準位置の特定が容易になる。特に、磁極12の後方部
分23が概ね正方形であるときは、磁極12及び磁石1
4が取付けられている(以降に詳細に説明されている)
エンドキャップ34(図1も参照のこと)もまた同様
に、4つの平坦な側面を含む外形25を有する正方形形
状となる。4つの基準点24は、4つの側面にそれぞれ
標示されており、ビームライン磁石10を適切な基準位
置に特定(すなわち配置)するときに使用される。実際
には、基準点24は、ビームライン磁石10の位置の正
確な測定に必要なものによって特定されるいかなる場所
にも配置される。しかし、中央空間16から離れた磁極
12の部分23は多くの磁界を生じないため、部分23
の形状は磁極面22の形状と比べて重要でない。この技
術分野に熟練した者には理解されるであろうが、各装置
において所要の磁界分布を発生させるために、磁極12
の形状は自由に変更できる。各磁極の所要の形状は、例
えばポテンシャル理論、等角写像及び有限要素解析のよ
うな種々の解析的又は実験的モデルに基づいて形成でき
る。いくつかの装置においては、全ての磁極12が同じ
形状であることが要求される場合があり、一方、他の装
置においては、所要の磁界分布を発生させるためには磁
極12がそれぞれ異なった形状である方が有利な場合が
ある。異なる磁極形状が必要とされる装置の例として
は、矩形の外表面を有する真空チャンバーを囲繞する6
極磁石がある。この種の真空チャンバーは、いくつかの
粒子加速器に使用される。この装置の効果的な多極磁石
の構造には、この技術分野に熟練した者には理解される
ように、異なる2つの磁極形状が用いられる。
面22が磁気的な等ポテンシャル面を形成することが好
ましい。例えば、4極ビームライン磁石10の場合は、
図3(A)に示すような双曲線からなる面である。図示
された具体例においては、機械軸線18から放射状に離
れた磁極12の部分23は概ね正方形であるため、ビー
ムライン磁石10の外形25は平面により定義されて、
基準位置の特定が容易になる。特に、磁極12の後方部
分23が概ね正方形であるときは、磁極12及び磁石1
4が取付けられている(以降に詳細に説明されている)
エンドキャップ34(図1も参照のこと)もまた同様
に、4つの平坦な側面を含む外形25を有する正方形形
状となる。4つの基準点24は、4つの側面にそれぞれ
標示されており、ビームライン磁石10を適切な基準位
置に特定(すなわち配置)するときに使用される。実際
には、基準点24は、ビームライン磁石10の位置の正
確な測定に必要なものによって特定されるいかなる場所
にも配置される。しかし、中央空間16から離れた磁極
12の部分23は多くの磁界を生じないため、部分23
の形状は磁極面22の形状と比べて重要でない。この技
術分野に熟練した者には理解されるであろうが、各装置
において所要の磁界分布を発生させるために、磁極12
の形状は自由に変更できる。各磁極の所要の形状は、例
えばポテンシャル理論、等角写像及び有限要素解析のよ
うな種々の解析的又は実験的モデルに基づいて形成でき
る。いくつかの装置においては、全ての磁極12が同じ
形状であることが要求される場合があり、一方、他の装
置においては、所要の磁界分布を発生させるためには磁
極12がそれぞれ異なった形状である方が有利な場合が
ある。異なる磁極形状が必要とされる装置の例として
は、矩形の外表面を有する真空チャンバーを囲繞する6
極磁石がある。この種の真空チャンバーは、いくつかの
粒子加速器に使用される。この装置の効果的な多極磁石
の構造には、この技術分野に熟練した者には理解される
ように、異なる2つの磁極形状が用いられる。
【0035】永久磁石14は、近接する磁極12に起磁
力を供給するために提供される。磁石14は、いかなる
永久磁石材料からも作製できる。好適な実施形態におい
ては、磁石14は、正の電磁誘導B及び負の励磁場Hと
の関係を示す線形的なB−H曲線を有する。磁石14に
おける中央空間16に最も近い部分は磁界強度に実質的
に貢献するが、磁石14におけるこの部分はまた、Hが
負の最大値である場所にて操作される。好適な実施形態
においては、ネオジム−鉄−ボロン(NeFeB)及び
希土類−コバルト(REC)のような異方性の希土類永
久磁石材料(REPM)が使用できる。等方性の磁石
は、強度が低く減磁に対する抵抗力が低いため、あまり
好ましくない。アルニコ及びフェライトのような非線形
の磁性材料は、そのような材料からなる磁石14が完全
に挿入された場合、部分的に減磁されるであろう。
力を供給するために提供される。磁石14は、いかなる
永久磁石材料からも作製できる。好適な実施形態におい
ては、磁石14は、正の電磁誘導B及び負の励磁場Hと
の関係を示す線形的なB−H曲線を有する。磁石14に
おける中央空間16に最も近い部分は磁界強度に実質的
に貢献するが、磁石14におけるこの部分はまた、Hが
負の最大値である場所にて操作される。好適な実施形態
においては、ネオジム−鉄−ボロン(NeFeB)及び
希土類−コバルト(REC)のような異方性の希土類永
久磁石材料(REPM)が使用できる。等方性の磁石
は、強度が低く減磁に対する抵抗力が低いため、あまり
好ましくない。アルニコ及びフェライトのような非線形
の磁性材料は、そのような材料からなる磁石14が完全
に挿入された場合、部分的に減磁されるであろう。
【0036】磁極12に付帯するときは、複数の磁石1
4は、機械軸線18に対する垂直な直線的移動を妨害し
ない形状である限り、同一形状でも異なる形状でもよ
い。同様に、複数の磁石14の磁化方向は、各装置によ
るが、全て同一方向でも異なる方向でもよい。各磁石に
ついての所要の形状及び磁化方向は、種々の解析的なモ
デル又は実験方法によって特定されることが、この技術
分野に熟練した者には理解されるであろう。図3(A)
は、4つの磁石14a〜14d全てが同一形状に形成さ
れた状態を示している。磁石14a〜14dは、それぞ
れの長手方向の側面に対して同一の磁化方向を有し、そ
れらの磁化方向は矢印で示される方向に向くように回転
させられる。
4は、機械軸線18に対する垂直な直線的移動を妨害し
ない形状である限り、同一形状でも異なる形状でもよ
い。同様に、複数の磁石14の磁化方向は、各装置によ
るが、全て同一方向でも異なる方向でもよい。各磁石に
ついての所要の形状及び磁化方向は、種々の解析的なモ
デル又は実験方法によって特定されることが、この技術
分野に熟練した者には理解されるであろう。図3(A)
は、4つの磁石14a〜14d全てが同一形状に形成さ
れた状態を示している。磁石14a〜14dは、それぞ
れの長手方向の側面に対して同一の磁化方向を有し、そ
れらの磁化方向は矢印で示される方向に向くように回転
させられる。
【0037】各磁石14は、様々な性質(材質、形状及
び磁化方向)を有する複数の副磁石(サブマグネット)
から成形することができる。例えば、図3(A)をまた
参照すると、各磁石14は、台形形状の第1部分26、
矩形形状の第2部分28及び矩形形状の第3部分30の
3つの副磁石部分を有することができる。これら3つの
各副磁石部分26、28及び30は、同一又は異なる材
料から成形することができ、同一又は異なる磁化方向を
有することができ、また適当な接着剤を用いて互いに接
合されることができる。
び磁化方向)を有する複数の副磁石(サブマグネット)
から成形することができる。例えば、図3(A)をまた
参照すると、各磁石14は、台形形状の第1部分26、
矩形形状の第2部分28及び矩形形状の第3部分30の
3つの副磁石部分を有することができる。これら3つの
各副磁石部分26、28及び30は、同一又は異なる材
料から成形することができ、同一又は異なる磁化方向を
有することができ、また適当な接着剤を用いて互いに接
合されることができる。
【0038】磁石14a〜14d又は副磁石部分26、
28及び30の形状は、作製がより容易であるように選
定されることが好ましい。各磁石14は、例えば、矩形
形状、その4つの角の少なくとも1つが面取りされた矩
形形状、楔形状又は図3(A)に示すような矩形形状と
台形形状との組合わせのような形状に成形することがで
きる。副磁石部分26、28及び30もまた、様々な形
状に成形することができる。台形形状は、矩形形状に比
べて、磁性材料の使用に関して僅かに効果的であるが、
その作製並びに磁気的及び幾何学的特性の分析が僅かに
困難である。
28及び30の形状は、作製がより容易であるように選
定されることが好ましい。各磁石14は、例えば、矩形
形状、その4つの角の少なくとも1つが面取りされた矩
形形状、楔形状又は図3(A)に示すような矩形形状と
台形形状との組合わせのような形状に成形することがで
きる。副磁石部分26、28及び30もまた、様々な形
状に成形することができる。台形形状は、矩形形状に比
べて、磁性材料の使用に関して僅かに効果的であるが、
その作製並びに磁気的及び幾何学的特性の分析が僅かに
困難である。
【0039】図3(A)に示された好適な実施形態にお
いては、第1台形部分26及び第2矩形部分28は、矢
印で示されるような同一の磁化方向を有し、磁石14a
〜14dの長手方向軸に対して垂直な方向を向く。この
ような場合は、第1及び第2副磁石部分26及び28
は、互いに接合する別個の部品に成形するよりも、1つ
の部品として一体的に成形できる。第3矩形部分30
は、磁界強度を高めるために、第2正方形部分28と同
一の磁化方向又は図3(A)にて矢印で示されるような
異なる磁化方向を有することができる。特に、図3
(A)に示す第3矩形部分30のような機械軸線18か
ら放射状に最も離れた副磁石を、他の磁石とは異なる磁
化方向を有するように配置して、望ましくない磁気漏れ
を低減することは、多くの場合有利である。このような
方法で使用されるこの最も遠い副磁石は、「修正用磁
石」と呼ばれる。従って、この場合、最も遠い磁石30
は修正用磁石として使用される。
いては、第1台形部分26及び第2矩形部分28は、矢
印で示されるような同一の磁化方向を有し、磁石14a
〜14dの長手方向軸に対して垂直な方向を向く。この
ような場合は、第1及び第2副磁石部分26及び28
は、互いに接合する別個の部品に成形するよりも、1つ
の部品として一体的に成形できる。第3矩形部分30
は、磁界強度を高めるために、第2正方形部分28と同
一の磁化方向又は図3(A)にて矢印で示されるような
異なる磁化方向を有することができる。特に、図3
(A)に示す第3矩形部分30のような機械軸線18か
ら放射状に最も離れた副磁石を、他の磁石とは異なる磁
化方向を有するように配置して、望ましくない磁気漏れ
を低減することは、多くの場合有利である。このような
方法で使用されるこの最も遠い副磁石は、「修正用磁
石」と呼ばれる。従って、この場合、最も遠い磁石30
は修正用磁石として使用される。
【0040】いくつかの装置においては、異なる磁性材
料を使用して種々の副磁石部分26、28及び30を作
製することが好ましい。図3(A)に示された構成にお
いては、磁極12によって形成される中央空間に対して
径方向に最も近い位置にある第1台形部分26は、荷電
粒子が機械軸線18に沿って中央空間16を通過したと
きに、大きな減磁界に曝され、また高レベルの放射線を
受ける場合もある。従って、副磁石の第1部分26は、
高い保磁性及び高い放射線耐性の少なくとも一方を有す
ることが好ましい。この技術分野に熟練した者には、最
高度の保磁性を有するネオジム−鉄−ボロン磁石は、図
3(A)に示すビームライン磁石10内に存する減磁界
に実質的に抗することが理解されるであろう。さらに、
これらのグレードのネオジム−鉄−ボロン磁石は、ネオ
ジム−鉄磁石の全グレードの中で最も放射線耐性が高
い。これらは減少した残留磁気を有するが、許容できる
であろう。
料を使用して種々の副磁石部分26、28及び30を作
製することが好ましい。図3(A)に示された構成にお
いては、磁極12によって形成される中央空間に対して
径方向に最も近い位置にある第1台形部分26は、荷電
粒子が機械軸線18に沿って中央空間16を通過したと
きに、大きな減磁界に曝され、また高レベルの放射線を
受ける場合もある。従って、副磁石の第1部分26は、
高い保磁性及び高い放射線耐性の少なくとも一方を有す
ることが好ましい。この技術分野に熟練した者には、最
高度の保磁性を有するネオジム−鉄−ボロン磁石は、図
3(A)に示すビームライン磁石10内に存する減磁界
に実質的に抗することが理解されるであろう。さらに、
これらのグレードのネオジム−鉄−ボロン磁石は、ネオ
ジム−鉄磁石の全グレードの中で最も放射線耐性が高
い。これらは減少した残留磁気を有するが、許容できる
であろう。
【0041】副磁石の第1部分26の作製に使用できる
他の材料はサマリウムコバルトであり、減磁及び放射線
の双方に対して高い残留磁気と耐性を有する。この材料
に使われるコバルトは、放射線によって活性化される
が、放射線が安全なレベルに下がるまでビームライン磁
石10を作動不能にする際に役立てることができる。使
用可能な第3の材料はフェライトである。フェライト
は、サマリウムコバルトと同程度の耐性を有するが、容
易に減磁されるので、その点に関しては望ましくない。
最後の選択肢は、副磁石の第1部分26の表面を覆う鉛
製の遮蔽物を使用することである。大概の荷電粒子加速
器においては、ビームライン磁石10は円形の真空管を
囲繞する。この場合、鉛遮蔽物は真空管と永久磁石14
との間に同軸状に挿入される。鉛遮蔽物は、主として低
い荷電粒子エネルギー(100メガ電子ボルト)に対し
て有効である。加速器の一部の非常に高いエネルギー
(1000メガ電子ボルト)に対しては、鉛遮蔽物の効
果は大幅に少なくなる。
他の材料はサマリウムコバルトであり、減磁及び放射線
の双方に対して高い残留磁気と耐性を有する。この材料
に使われるコバルトは、放射線によって活性化される
が、放射線が安全なレベルに下がるまでビームライン磁
石10を作動不能にする際に役立てることができる。使
用可能な第3の材料はフェライトである。フェライト
は、サマリウムコバルトと同程度の耐性を有するが、容
易に減磁されるので、その点に関しては望ましくない。
最後の選択肢は、副磁石の第1部分26の表面を覆う鉛
製の遮蔽物を使用することである。大概の荷電粒子加速
器においては、ビームライン磁石10は円形の真空管を
囲繞する。この場合、鉛遮蔽物は真空管と永久磁石14
との間に同軸状に挿入される。鉛遮蔽物は、主として低
い荷電粒子エネルギー(100メガ電子ボルト)に対し
て有効である。加速器の一部の非常に高いエネルギー
(1000メガ電子ボルト)に対しては、鉛遮蔽物の効
果は大幅に少なくなる。
【0042】副磁石の第2部分28は、副磁石の第1部
分26に比べて高い残留磁気を有するが減磁に対する安
定性は低い材料から作製することができる。さらに、副
磁石の第3部分30は、副磁石の第1及び第2部分2
6、28に比べて高い残留磁気を有するが減磁に対する
安定性は低い材料から作製することができる。特に、よ
り低い放射線及び減磁の影響しか受けない副磁石の第3
部分30は、低コストでかつ低残留磁気及び放射線耐性
を有するフェライトから有利に作製できる。この技術分
野に熟練した者には、特別に企図した装置のための最適
な材料選定を行うことを可能にする、様々な解析及び実
験的手法があることが認められるであろう。
分26に比べて高い残留磁気を有するが減磁に対する安
定性は低い材料から作製することができる。さらに、副
磁石の第3部分30は、副磁石の第1及び第2部分2
6、28に比べて高い残留磁気を有するが減磁に対する
安定性は低い材料から作製することができる。特に、よ
り低い放射線及び減磁の影響しか受けない副磁石の第3
部分30は、低コストでかつ低残留磁気及び放射線耐性
を有するフェライトから有利に作製できる。この技術分
野に熟練した者には、特別に企図した装置のための最適
な材料選定を行うことを可能にする、様々な解析及び実
験的手法があることが認められるであろう。
【0043】図3(B)を参照すると、副磁石の第1部
分26における中央空間16に面する面32は、凹み又
は反りを有する。この凹み又は反りを有する面32の目
的は、第1部分26内の減磁界を低減すること及び軟磁
性の調整シム33を磁石面32に接触させることの少な
くとも一方である。シム33は、磁界強度誤差、磁気中
心線誤差又は磁界分布誤差(歪)のような様々な種類の
磁界誤差の補正に使用される。これらの誤差は、磁石1
4及び磁極部品12の少なくとも一方の作製過程におけ
る不完全性により発生するものであり、通常は多極誤差
と呼ばれる。シム33を用いた誤差の補償方法は、後に
詳細に説明する。
分26における中央空間16に面する面32は、凹み又
は反りを有する。この凹み又は反りを有する面32の目
的は、第1部分26内の減磁界を低減すること及び軟磁
性の調整シム33を磁石面32に接触させることの少な
くとも一方である。シム33は、磁界強度誤差、磁気中
心線誤差又は磁界分布誤差(歪)のような様々な種類の
磁界誤差の補正に使用される。これらの誤差は、磁石1
4及び磁極部品12の少なくとも一方の作製過程におけ
る不完全性により発生するものであり、通常は多極誤差
と呼ばれる。シム33を用いた誤差の補償方法は、後に
詳細に説明する。
【0044】複数の副磁石が使用されているときは、機
械軸線18に対して径方向に最も近い1つ以上の副磁石
を固定式補助磁石として固定することが有利となり得
る。例えば、図3(A)において、副磁石の第1部分2
6は固定されて固定式補助磁石を形成し、一方、副磁石
の第2及び第3部分28、30は、互いに接合されて可
動磁石14を形成し、機械軸線18に対して放射状に外
側又は内側へ移動可能である。この配置は、例えば副磁
石の第1部分26がサマリウムコバルトのような脆い材
料から作製されているときに有利となり得る。
械軸線18に対して径方向に最も近い1つ以上の副磁石
を固定式補助磁石として固定することが有利となり得
る。例えば、図3(A)において、副磁石の第1部分2
6は固定されて固定式補助磁石を形成し、一方、副磁石
の第2及び第3部分28、30は、互いに接合されて可
動磁石14を形成し、機械軸線18に対して放射状に外
側又は内側へ移動可能である。この配置は、例えば副磁
石の第1部分26がサマリウムコバルトのような脆い材
料から作製されているときに有利となり得る。
【0045】図3(A)に関して先に説明した4極ビー
ムライン磁石10においては、4つの磁極12a〜12
dは、中心に対して315°、45°、135°、22
5°の角度に点対称に等角度配置され、また4つの磁石
14a〜14dは、磁極間の中程にそれぞれ0°、90
°、180°、270°の角度に配置される。各装置の
所要磁界分布によるが、磁極12及び磁石14は、この
技術分野に熟練した者には明らかであろうが、それぞれ
の間に異なる角度間隔にて配置されてもよい。
ムライン磁石10においては、4つの磁極12a〜12
dは、中心に対して315°、45°、135°、22
5°の角度に点対称に等角度配置され、また4つの磁石
14a〜14dは、磁極間の中程にそれぞれ0°、90
°、180°、270°の角度に配置される。各装置の
所要磁界分布によるが、磁極12及び磁石14は、この
技術分野に熟練した者には明らかであろうが、それぞれ
の間に異なる角度間隔にて配置されてもよい。
【0046】再び図1を参照すると、永久磁石14と磁
界に敏感な装置又は近くの磁石との間の相互作用を除去
するためには、ビームライン磁石10は、磁石14を挟
むための、非磁性のエンドキャップ34と、鋼材のよう
な軟磁性材料からなる遮蔽板36とをさらに有すること
が好ましい。エンドキャップ34及び遮蔽板36は、中
央開口部38及び39をそれぞれ形成し、それら開口部
は、荷電粒子ビームがそこを通過できるように、複数の
磁極12により形成される中央空間16に整合配置され
る。中央開口部38、39の形状は、磁界強度歪を最小
化するために、図1に示すように、磁極12及び磁石1
4の外形に一致することが好ましいが、荷電粒子ビーム
がそこを通過できる限りにおいて任意の形状であっても
よい。
界に敏感な装置又は近くの磁石との間の相互作用を除去
するためには、ビームライン磁石10は、磁石14を挟
むための、非磁性のエンドキャップ34と、鋼材のよう
な軟磁性材料からなる遮蔽板36とをさらに有すること
が好ましい。エンドキャップ34及び遮蔽板36は、中
央開口部38及び39をそれぞれ形成し、それら開口部
は、荷電粒子ビームがそこを通過できるように、複数の
磁極12により形成される中央空間16に整合配置され
る。中央開口部38、39の形状は、磁界強度歪を最小
化するために、図1に示すように、磁極12及び磁石1
4の外形に一致することが好ましいが、荷電粒子ビーム
がそこを通過できる限りにおいて任意の形状であっても
よい。
【0047】図1に示す具体例においては、非磁性エン
ドキャップ34は、磁石14が移動可能に取付けられる
複数のガイド溝37を形成する。ガイド溝37は、1つ
のエンドキャップ34にのみ設けられてもよいが、図示
された具体例では、磁石14の移動をより確実に制御す
るために双方のエンドキャップ34に設けられている。
図1の4極磁石においては、4つのガイド溝37は、各
エンドキャップ34により形成され、磁石14の動きを
それぞれ0°、90°、180°及び270°の角度の
線に沿うように制限している。(図3(A)も参照のこ
と。)ガイド溝37の横方向寸法「Tg」は、磁石の横
方向寸法「Tm」よりも僅かに大きくすることができ、
摺動摩擦を低減する。ガイド溝37はまた、摺動摩擦を
低減して可動部材の摩耗を最小化するために、低摩擦材
料で被覆されてもよい。
ドキャップ34は、磁石14が移動可能に取付けられる
複数のガイド溝37を形成する。ガイド溝37は、1つ
のエンドキャップ34にのみ設けられてもよいが、図示
された具体例では、磁石14の移動をより確実に制御す
るために双方のエンドキャップ34に設けられている。
図1の4極磁石においては、4つのガイド溝37は、各
エンドキャップ34により形成され、磁石14の動きを
それぞれ0°、90°、180°及び270°の角度の
線に沿うように制限している。(図3(A)も参照のこ
と。)ガイド溝37の横方向寸法「Tg」は、磁石の横
方向寸法「Tm」よりも僅かに大きくすることができ、
摺動摩擦を低減する。ガイド溝37はまた、摺動摩擦を
低減して可動部材の摩耗を最小化するために、低摩擦材
料で被覆されてもよい。
【0048】ビームライン磁石10は、磁極12に接し
て配置される末端磁石40及び磁石14に接して配置さ
れる末端磁石41の少なくとも一方をさらに有すること
ができ、また末端磁石40、41の磁化方向は、永久磁
石14の磁化方向と異なる方向に沿うように向けられて
いる。末端磁石40及び41は、磁石14と遮蔽板36
との間の相互作用を低減するために使用される。
て配置される末端磁石40及び磁石14に接して配置さ
れる末端磁石41の少なくとも一方をさらに有すること
ができ、また末端磁石40、41の磁化方向は、永久磁
石14の磁化方向と異なる方向に沿うように向けられて
いる。末端磁石40及び41は、磁石14と遮蔽板36
との間の相互作用を低減するために使用される。
【0049】さらに加えて、ビームライン磁石10は、
近傍の装置を漂遊磁界から保護する軟磁性のエンクロー
ジャ42を周囲に有することができる。さらにエンクロ
ージャ42は、図4に示すように、全ての磁石14がエ
ンクロージャ42に極めて接近するように引出されたと
きに、ビームライン磁石10を非作動状態にする手段と
して機能し得る。図4において、全ての磁石14a〜1
4dが磁極12a〜12dから離れてエンクロージャ4
2へ向けて十分に引込まれることにより、磁極12a〜
12dはもはや磁気的に接続されない(すなわちビーム
ライン磁石は非作動状態にある)。その代わり、磁石1
4からの磁束は、短絡されてエンクロージャ42と磁気
的に接続する。しかし同時に、各磁石14a〜14dと
エンクロージャ42との間に間隙「S」が維持されてい
るため、ビームライン磁石10を作動させるために磁石
14a〜14dをエンクロージャ42から離すように移
動させるときは、リニアドライブ20に対して過剰な力
がかからない(図3(A)参照)。図4において、空間
48は、(遮蔽板36と一体化している)非磁性エンド
キャップ34とエンクロージャ42との間に設けられ
る。この配置は、遮蔽板36とエンクロージャ42とが
異なる磁気ポテンシャル値になることを必要とするよう
な装置において必要とされる場合がある。他の装置にお
いては、これらの構成要素は空間48が無い状態で互い
に接続されてもよい。
近傍の装置を漂遊磁界から保護する軟磁性のエンクロー
ジャ42を周囲に有することができる。さらにエンクロ
ージャ42は、図4に示すように、全ての磁石14がエ
ンクロージャ42に極めて接近するように引出されたと
きに、ビームライン磁石10を非作動状態にする手段と
して機能し得る。図4において、全ての磁石14a〜1
4dが磁極12a〜12dから離れてエンクロージャ4
2へ向けて十分に引込まれることにより、磁極12a〜
12dはもはや磁気的に接続されない(すなわちビーム
ライン磁石は非作動状態にある)。その代わり、磁石1
4からの磁束は、短絡されてエンクロージャ42と磁気
的に接続する。しかし同時に、各磁石14a〜14dと
エンクロージャ42との間に間隙「S」が維持されてい
るため、ビームライン磁石10を作動させるために磁石
14a〜14dをエンクロージャ42から離すように移
動させるときは、リニアドライブ20に対して過剰な力
がかからない(図3(A)参照)。図4において、空間
48は、(遮蔽板36と一体化している)非磁性エンド
キャップ34とエンクロージャ42との間に設けられ
る。この配置は、遮蔽板36とエンクロージャ42とが
異なる磁気ポテンシャル値になることを必要とするよう
な装置において必要とされる場合がある。他の装置にお
いては、これらの構成要素は空間48が無い状態で互い
に接続されてもよい。
【0050】永久磁石14を機械軸線18に対して垂直
に移動させるためのリニアドライブ20(図3(A))
は、種々の形状を有することができる。例えば、リニア
ドライブ20は各磁石14に接続する送りねじを有する
ことができ、そのねじの回転は、磁石14の長手方向の
直線的な移動に変換される。さらに非限定的な例とし
て、リニアドライブ20は、リニアモーター、リニアス
テッパーモーター、油圧アクチュエーター及びカムから
作製することができる。機械軸線18に対して垂直な方
向、すなわち磁極12により形成される中央空間16に
対して放射状に遠ざかったり近づいたりする方向に磁石
14を直線的に移動させる機能を有するいかなる種類の
装置も、本発明に従うリニアドライブとして使用でき
る。どのようなリニアドライブを選択するかは、各装置
において要求される力及び調節精度による。さらに、リ
ニアドライブ20は、磁石14と様々な方法で取付ける
ことができる。例えば、1つのリニアドライブ20を2
つ以上の磁石14a〜14dと取付けることにより、リ
ニアドライブ20は取付けられた磁石を同時に集合的に
移動させることができる。他の例では、図3(A)に示
すように、各磁石14a〜14dは別々のリニアドライ
ブ20に取付けられているため、各磁石は選択的に個別
に動かすことができる。
に移動させるためのリニアドライブ20(図3(A))
は、種々の形状を有することができる。例えば、リニア
ドライブ20は各磁石14に接続する送りねじを有する
ことができ、そのねじの回転は、磁石14の長手方向の
直線的な移動に変換される。さらに非限定的な例とし
て、リニアドライブ20は、リニアモーター、リニアス
テッパーモーター、油圧アクチュエーター及びカムから
作製することができる。機械軸線18に対して垂直な方
向、すなわち磁極12により形成される中央空間16に
対して放射状に遠ざかったり近づいたりする方向に磁石
14を直線的に移動させる機能を有するいかなる種類の
装置も、本発明に従うリニアドライブとして使用でき
る。どのようなリニアドライブを選択するかは、各装置
において要求される力及び調節精度による。さらに、リ
ニアドライブ20は、磁石14と様々な方法で取付ける
ことができる。例えば、1つのリニアドライブ20を2
つ以上の磁石14a〜14dと取付けることにより、リ
ニアドライブ20は取付けられた磁石を同時に集合的に
移動させることができる。他の例では、図3(A)に示
すように、各磁石14a〜14dは別々のリニアドライ
ブ20に取付けられているため、各磁石は選択的に個別
に動かすことができる。
【0051】磁界強度及び磁気中心線の少なくとも一方
を調節するための磁石14の直線的な移動は、簡潔であ
り、かつ回転磁石を使用する装置に伴うポテンシャルの
バックラッシュ問題がない。また、磁石14の直線的な
移動は、磁石14の調節度合いを正確に表現するととも
に角度エンコーダよりも取付け及び扱いが容易なリニア
エンコーダ43(すなわちデジタルマイクロメーターの
ような電子定規)の使用を可能にする。例えば、強度調
節可能なビームライン磁石に典型的に要求される、強度
の最小変化刻み(ΔB/B)を0.01%に設定するこ
とは、本発明によれば20ミクロンの分解能を有するリ
ニアエンコーダによって達成でき、これは容易に実現可
能である。図3(A)に示すように、リニアエンコーダ
43は、可動磁石14aが有する径方向に見た背面に接
続する長手方向の一方の端部と、エンドキャップ34の
外形25によって形成される固定点に接続するもう一方
の端部とを有する。
を調節するための磁石14の直線的な移動は、簡潔であ
り、かつ回転磁石を使用する装置に伴うポテンシャルの
バックラッシュ問題がない。また、磁石14の直線的な
移動は、磁石14の調節度合いを正確に表現するととも
に角度エンコーダよりも取付け及び扱いが容易なリニア
エンコーダ43(すなわちデジタルマイクロメーターの
ような電子定規)の使用を可能にする。例えば、強度調
節可能なビームライン磁石に典型的に要求される、強度
の最小変化刻み(ΔB/B)を0.01%に設定するこ
とは、本発明によれば20ミクロンの分解能を有するリ
ニアエンコーダによって達成でき、これは容易に実現可
能である。図3(A)に示すように、リニアエンコーダ
43は、可動磁石14aが有する径方向に見た背面に接
続する長手方向の一方の端部と、エンドキャップ34の
外形25によって形成される固定点に接続するもう一方
の端部とを有する。
【0052】任意に、磁界センサー44を、図3(A)
に示すように磁極12に対して又は中央空間16に近い
他の場所に取付けて、磁界強度を監視することができ
る。感知された磁界強度は、磁界強度及び磁気中心線の
少なくとも一方を所要の状態に調節するために、1つ以
上の磁石14の移動制御に使用することができる。例え
ば、センサー44は、磁界の閾値が検出されるまでリニ
アドライブ20の移動を自動的に制御するために、リニ
アドライブ20に接続(図示されていない)されること
ができる。
に示すように磁極12に対して又は中央空間16に近い
他の場所に取付けて、磁界強度を監視することができ
る。感知された磁界強度は、磁界強度及び磁気中心線の
少なくとも一方を所要の状態に調節するために、1つ以
上の磁石14の移動制御に使用することができる。例え
ば、センサー44は、磁界の閾値が検出されるまでリニ
アドライブ20の移動を自動的に制御するために、リニ
アドライブ20に接続(図示されていない)されること
ができる。
【0053】磁極12a〜12dは、接着剤又はステン
レス鋼ボルトのような他の非磁性的手段によってエンド
キャップ34と厳密に接合する。図3(A)をまた参照
すると、各磁石14の横方向寸法「Tm」は、2つの近
接する磁極間にある空間の横方向寸法「Ts」より僅か
に小さいため、各磁極12とそれらに近接する磁石14
との間に小さな空隙が生じる。この小さな空隙は、実質
的には磁界強度に影響しないが、磁極12と磁石14と
の間の誘引力を低減させるため、それにより磁石14を
固定式磁極12に対して相対的に動かすことが容易にな
り、また固定式磁極が偶然に移動することが防止され
る。
レス鋼ボルトのような他の非磁性的手段によってエンド
キャップ34と厳密に接合する。図3(A)をまた参照
すると、各磁石14の横方向寸法「Tm」は、2つの近
接する磁極間にある空間の横方向寸法「Ts」より僅か
に小さいため、各磁極12とそれらに近接する磁石14
との間に小さな空隙が生じる。この小さな空隙は、実質
的には磁界強度に影響しないが、磁極12と磁石14と
の間の誘引力を低減させるため、それにより磁石14を
固定式磁極12に対して相対的に動かすことが容易にな
り、また固定式磁極が偶然に移動することが防止され
る。
【0054】作業者は、装置の運転中は、1つ以上の磁
石14を機械軸線18に対して垂直な方向に直線的に
(すなわち磁極12により形成される中央空間16に対
して放射状に遠ざかったり近づいたりするように)動か
すことにより、中央空間16内の磁界強度を自由に操作
することができる。磁石14の寸法及び強度、磁極12
の寸法並びに磁石14と磁極12との間の隙間の寸法を
含む種々の構成要素に基づいて初期の磁界が与えられる
と、磁界強度及び磁気中心線は、磁石14を単に直線的
に移動させることで容易に調節可能となる。本発明によ
ると、1つの磁石を動かすことは、それに近接する2つ
の磁極につながる磁束の量を増減させ、故にそれら磁極
における磁気ポテンシャル値を増減させる。一般的に、
磁石14の選択的移動は以下の式に従って磁界分布に影
響を与える。 Bnew(x+k2,y+k3,z)=k1*Bold(x,y,z) (2) ここでk1、k2及びk3は全て任意数である。しかし実
際には、k1は典型的には0.5〜1.0であり、k2及
びk3は典型的に中央空間16の直径の1/10以下で
ある。
石14を機械軸線18に対して垂直な方向に直線的に
(すなわち磁極12により形成される中央空間16に対
して放射状に遠ざかったり近づいたりするように)動か
すことにより、中央空間16内の磁界強度を自由に操作
することができる。磁石14の寸法及び強度、磁極12
の寸法並びに磁石14と磁極12との間の隙間の寸法を
含む種々の構成要素に基づいて初期の磁界が与えられる
と、磁界強度及び磁気中心線は、磁石14を単に直線的
に移動させることで容易に調節可能となる。本発明によ
ると、1つの磁石を動かすことは、それに近接する2つ
の磁極につながる磁束の量を増減させ、故にそれら磁極
における磁気ポテンシャル値を増減させる。一般的に、
磁石14の選択的移動は以下の式に従って磁界分布に影
響を与える。 Bnew(x+k2,y+k3,z)=k1*Bold(x,y,z) (2) ここでk1、k2及びk3は全て任意数である。しかし実
際には、k1は典型的には0.5〜1.0であり、k2及
びk3は典型的に中央空間16の直径の1/10以下で
ある。
【0055】さらに特殊な場合では、本発明によるビー
ムライン磁石10は、磁界分布を変えずに磁界強度を調
節するために使用できる。例えば、図2(B)に示すよ
うに、全ての磁石14a〜14dが径方向に等しい量だ
け均一に引込まれたときは、磁石14は、近接する磁極
12に対してより少ない磁束を結合させて、それにより
磁極12における磁気ポテンシャル値を低減する。その
結果、磁界は引込量(すなわち各磁石14の直線変位)
の関数として本質的に線形的に減少する。しかしこの時
は、全ての磁極12におけるポテンシャル値が均一に減
少するので、磁界分布は実質的には変化しない。この場
合における磁界強度の線形的な調節は以下の式で表され
る。 Bnew(x,y,z)=k1*Bold(x,y,z) (3)
ムライン磁石10は、磁界分布を変えずに磁界強度を調
節するために使用できる。例えば、図2(B)に示すよ
うに、全ての磁石14a〜14dが径方向に等しい量だ
け均一に引込まれたときは、磁石14は、近接する磁極
12に対してより少ない磁束を結合させて、それにより
磁極12における磁気ポテンシャル値を低減する。その
結果、磁界は引込量(すなわち各磁石14の直線変位)
の関数として本質的に線形的に減少する。しかしこの時
は、全ての磁極12におけるポテンシャル値が均一に減
少するので、磁界分布は実質的には変化しない。この場
合における磁界強度の線形的な調節は以下の式で表され
る。 Bnew(x,y,z)=k1*Bold(x,y,z) (3)
【0056】図2(B)に示す配置によって可能となる
磁界強度の線形的な調節は、図6のグラフにも示されて
いる。4重極場は、磁気中心線(この場合は機械軸線1
8と一致)からの距離の関数として変化するため、磁気
中心線(x,y)=(0,0)においては磁界値は0で
あり、また(0,0)から特定の半径Rpoleだけ離れた
場所においてBpole=B(Rpole)として特定される磁
界を「磁極端磁界」と呼ぶ。図6において、縦軸は磁極
端磁界(磁界の相対強度を百分率で表示)の減少を示し
ており、横軸は各磁石14の引込距離をcmで表したも
のである。図示されるように、磁極端磁界の変化は、特
定の引込範囲において線形的である。磁石14a〜14
dが反対の方向に均一に(すなわち機械軸線18に対し
て放射状に内側へ)移動すると、磁界強度は線形的に増
加する。より大きな調節が要求される場合は、磁極端磁
界の減少は非線形となる場合がある。このことは、磁界
がその最大値の約半分以下に低減されたときに発生す
る。
磁界強度の線形的な調節は、図6のグラフにも示されて
いる。4重極場は、磁気中心線(この場合は機械軸線1
8と一致)からの距離の関数として変化するため、磁気
中心線(x,y)=(0,0)においては磁界値は0で
あり、また(0,0)から特定の半径Rpoleだけ離れた
場所においてBpole=B(Rpole)として特定される磁
界を「磁極端磁界」と呼ぶ。図6において、縦軸は磁極
端磁界(磁界の相対強度を百分率で表示)の減少を示し
ており、横軸は各磁石14の引込距離をcmで表したも
のである。図示されるように、磁極端磁界の変化は、特
定の引込範囲において線形的である。磁石14a〜14
dが反対の方向に均一に(すなわち機械軸線18に対し
て放射状に内側へ)移動すると、磁界強度は線形的に増
加する。より大きな調節が要求される場合は、磁極端磁
界の減少は非線形となる場合がある。このことは、磁界
がその最大値の約半分以下に低減されたときに発生す
る。
【0057】磁界分布を本質的に変えずに磁界強度を線
形的に調節する他の方法は、例えば図2(B)に示す磁
石14a及び14cのような相対する一対の磁石のみを
動かし、一方、磁石14b及び14dは動かさないこと
である。この調節方法が有効であるのは、磁石14a及
び14cのそれぞれが、それらに近接する2つの磁極
(それぞれ12a及び12b、12c及び12d)を励
磁するからである。このように、一対の磁石を動かすこ
とは、4つの磁極12全てに対して供給される起磁力を
調節する。磁石14a及び14cのみが引込まれた(す
なわち機械軸線18に対して放射状に外側へ移動した)
場合は、磁極端磁界は、図6に示す割合の半分の割合で
減少する。
形的に調節する他の方法は、例えば図2(B)に示す磁
石14a及び14cのような相対する一対の磁石のみを
動かし、一方、磁石14b及び14dは動かさないこと
である。この調節方法が有効であるのは、磁石14a及
び14cのそれぞれが、それらに近接する2つの磁極
(それぞれ12a及び12b、12c及び12d)を励
磁するからである。このように、一対の磁石を動かすこ
とは、4つの磁極12全てに対して供給される起磁力を
調節する。磁石14a及び14cのみが引込まれた(す
なわち機械軸線18に対して放射状に外側へ移動した)
場合は、磁極端磁界は、図6に示す割合の半分の割合で
減少する。
【0058】多くの装置においては、磁気中心線の位置
を調節することが望まれる。本発明においては、一対の
相対する磁石14を移動することによって磁気中心線を
調節できる。特に、(2)式の特別な場合として、磁気
中心線は、以下の式に従って、磁界強度を変えずにシフ
トさせることができる。 Bnew(x+k2,y+k3,z)=Bold(x,y,z) (4)
を調節することが望まれる。本発明においては、一対の
相対する磁石14を移動することによって磁気中心線を
調節できる。特に、(2)式の特別な場合として、磁気
中心線は、以下の式に従って、磁界強度を変えずにシフ
トさせることができる。 Bnew(x+k2,y+k3,z)=Bold(x,y,z) (4)
【0059】例えば、図2(C)を参照すると、磁石1
4a及び14cを、機械軸線18に対して垂直に、それ
ぞれ距離X1及びX2だけ右側へ移動させることによ
り、磁気中心線(この場合は機械軸線18と一致)をX
1及びX2の関数である量だけ移動させることができ
る。この場合、磁石14aの移動は、磁極12a及び1
2bの磁気ポテンシャルを減らし、一方磁石14cの移
動は、磁極12c及び12dの磁気ポテンシャルを増や
す。実際に、このことにより磁極12a〜12d間の等
ポテンシャル線は簡単に移動し、これは磁気中心線のシ
フトに等しい。図2(C)に示す4極の幾何学的形状に
おいては、磁界強度は機械軸線18からの距離に従って
線形的に変化する。故に、図示されるように、2つの磁
石14a及び14cが直線的に等しい量(X1=X2)
シフトしたときは、磁気中心線は、磁界強度が変わるこ
となく18から45へシフトされる。磁気中心線は、磁
石14a及び14cの移動と同方向に直線的にシフトさ
れる。360°に渡り均等に配置された偶数かつ多数の
磁極を有する、本発明による多極ビームライン磁石の通
常の場合においては、中心角180°離れた一対の相対
する磁極を同方向に等量動かすことにより、上記と同様
の磁気中心線の調節が可能である。他の多極配置の場合
は、同様の結果を得るためには磁石を異なる量移動させ
る必要がある。
4a及び14cを、機械軸線18に対して垂直に、それ
ぞれ距離X1及びX2だけ右側へ移動させることによ
り、磁気中心線(この場合は機械軸線18と一致)をX
1及びX2の関数である量だけ移動させることができ
る。この場合、磁石14aの移動は、磁極12a及び1
2bの磁気ポテンシャルを減らし、一方磁石14cの移
動は、磁極12c及び12dの磁気ポテンシャルを増や
す。実際に、このことにより磁極12a〜12d間の等
ポテンシャル線は簡単に移動し、これは磁気中心線のシ
フトに等しい。図2(C)に示す4極の幾何学的形状に
おいては、磁界強度は機械軸線18からの距離に従って
線形的に変化する。故に、図示されるように、2つの磁
石14a及び14cが直線的に等しい量(X1=X2)
シフトしたときは、磁気中心線は、磁界強度が変わるこ
となく18から45へシフトされる。磁気中心線は、磁
石14a及び14cの移動と同方向に直線的にシフトさ
れる。360°に渡り均等に配置された偶数かつ多数の
磁極を有する、本発明による多極ビームライン磁石の通
常の場合においては、中心角180°離れた一対の相対
する磁極を同方向に等量動かすことにより、上記と同様
の磁気中心線の調節が可能である。他の多極配置の場合
は、同様の結果を得るためには磁石を異なる量移動させ
る必要がある。
【0060】この技術分野に熟練した者は、種々の解析
方法や実験的手法に基づいて、磁界強度及び磁気中心線
の少なくとも一方を調節する正確な方法を特定できる。
さらに、磁界強度及び磁気中心線の少なくとも一方を調
節する本発明による方法は、容易に適用可能であり、磁
石14の作製時に発生する誤差によって導かれ得る磁界
強度又は磁化方向のいかなる偏差をも補償する。例え
ば、所要の磁界分布を生じさせるための、磁極における
所要の磁気ポテンシャル値は、「より高い」ポテンシャ
ル値を有する磁極に近接する「より強い」磁石を、それ
らの磁極において所要のポテンシャル値に到達するまで
放射状に外部へ選択的に移動させ、一方、残りの磁石は
動かさないことで達成できる。
方法や実験的手法に基づいて、磁界強度及び磁気中心線
の少なくとも一方を調節する正確な方法を特定できる。
さらに、磁界強度及び磁気中心線の少なくとも一方を調
節する本発明による方法は、容易に適用可能であり、磁
石14の作製時に発生する誤差によって導かれ得る磁界
強度又は磁化方向のいかなる偏差をも補償する。例え
ば、所要の磁界分布を生じさせるための、磁極における
所要の磁気ポテンシャル値は、「より高い」ポテンシャ
ル値を有する磁極に近接する「より強い」磁石を、それ
らの磁極において所要のポテンシャル値に到達するまで
放射状に外部へ選択的に移動させ、一方、残りの磁石は
動かさないことで達成できる。
【0061】それらの多目的な調整能力とは別に、本発
明によるビームライン磁石10は、ビームライン磁石1
0の内部に側面からアクセスできる構造を有する点でも
有利である。具体的には、図4を参照すると、1つ以上
の磁石14(図4では磁石14a)を除去することによ
って、機械軸線18に対して垂直な方向に沿って、ビー
ムライン磁石10の側面から中央空間16にアクセスで
きる。このことは、特殊な電子ビームセンサー46を、
磁気中心線18に沿って使用することを可能にする。電
子ビームセンサー46は、ビームライン磁石10を通過
する電子ビームの挙動に関する情報を提供するために使
用できる。
明によるビームライン磁石10は、ビームライン磁石1
0の内部に側面からアクセスできる構造を有する点でも
有利である。具体的には、図4を参照すると、1つ以上
の磁石14(図4では磁石14a)を除去することによ
って、機械軸線18に対して垂直な方向に沿って、ビー
ムライン磁石10の側面から中央空間16にアクセスで
きる。このことは、特殊な電子ビームセンサー46を、
磁気中心線18に沿って使用することを可能にする。電
子ビームセンサー46は、ビームライン磁石10を通過
する電子ビームの挙動に関する情報を提供するために使
用できる。
【0062】厳密に言えば、磁界分布は、ビームライン
磁石10が使用される周囲温度に依存する。多くの磁性
材料に関して、永久磁石14の磁気的性質は温度によっ
て線形的に変化するからである。例えば、いずれも常温
付近において、ネオジム−鉄−ボロンは磁束の発生が1
℃当たり−0.1%(−0.1%/℃)変動し、フェラ
イトは磁束の発生が1℃当たり−1%(−1%/℃)変
動する。さらに、ビームライン磁石に使用される全ての
材料は、温度によって収縮又は膨張し得る。再び図3
(A)を参照すると、磁界の温度依存性を制御しかつ最
小化するために、低いキュリー温度を有する温度補償材
料47a〜47dを、「平行な磁束分流器」形状にて磁
石14a〜14dに磁気的に接続することができる。
磁石10が使用される周囲温度に依存する。多くの磁性
材料に関して、永久磁石14の磁気的性質は温度によっ
て線形的に変化するからである。例えば、いずれも常温
付近において、ネオジム−鉄−ボロンは磁束の発生が1
℃当たり−0.1%(−0.1%/℃)変動し、フェラ
イトは磁束の発生が1℃当たり−1%(−1%/℃)変
動する。さらに、ビームライン磁石に使用される全ての
材料は、温度によって収縮又は膨張し得る。再び図3
(A)を参照すると、磁界の温度依存性を制御しかつ最
小化するために、低いキュリー温度を有する温度補償材
料47a〜47dを、「平行な磁束分流器」形状にて磁
石14a〜14dに磁気的に接続することができる。
【0063】温度補償材料47は、典型的には鋼材であ
り、例えば、カーペンター社の温度補償30合金は、強
磁性体から常磁性体に転移する温度であるキュリー温度
が低い。そのような材料47が平行な磁束分流形状にて
永久磁石14に磁気的に接続された場合、材料47は、
比較的低温のときに、接続されていなければ有効であっ
たであろう中央空間16付近のある量の磁束を分流させ
るために機能する。このような方法による磁束分流は、
磁石14が有する温度依存性の磁束変化を補償する。特
に図5を参照すると、低温時は、磁石14は、高温時よ
りも強いため、より多い磁束49を中央空間16に供給
する。しかし低温時は、温度補償材料47は、高温時よ
りも大きい割合の磁束50aを中央空間から分流させ
る。一方、高温時は、磁石14が弱いのでより少ない磁
束しか中央空間16付近に供給されない。しかし高温時
は、温度補償材料47はより少ない磁束しか中央空間1
6から分流させないので、より多くの磁束50bが中央
空間16付近に有効に残る。結果として、中央空間16
内の最終的な磁束は低温時及び高温時の双方において概
ね等しくなり、故に、周囲温度のいかなる変化にも関わ
らず、磁界強度は本質的に変化しない状態に維持され
る。
り、例えば、カーペンター社の温度補償30合金は、強
磁性体から常磁性体に転移する温度であるキュリー温度
が低い。そのような材料47が平行な磁束分流形状にて
永久磁石14に磁気的に接続された場合、材料47は、
比較的低温のときに、接続されていなければ有効であっ
たであろう中央空間16付近のある量の磁束を分流させ
るために機能する。このような方法による磁束分流は、
磁石14が有する温度依存性の磁束変化を補償する。特
に図5を参照すると、低温時は、磁石14は、高温時よ
りも強いため、より多い磁束49を中央空間16に供給
する。しかし低温時は、温度補償材料47は、高温時よ
りも大きい割合の磁束50aを中央空間から分流させ
る。一方、高温時は、磁石14が弱いのでより少ない磁
束しか中央空間16付近に供給されない。しかし高温時
は、温度補償材料47はより少ない磁束しか中央空間1
6から分流させないので、より多くの磁束50bが中央
空間16付近に有効に残る。結果として、中央空間16
内の最終的な磁束は低温時及び高温時の双方において概
ね等しくなり、故に、周囲温度のいかなる変化にも関わ
らず、磁界強度は本質的に変化しない状態に維持され
る。
【0064】温度補償材料47は、広範な位置に配置す
ることができる。図3(A)に示すように、好ましい位
置の1つは永久磁石14(又は副磁石30)が有する径
方向から見た背面であり、その位置においては、材料4
7をビームライン磁石10が有する他の部分に干渉され
ないようにすることが容易である。選択的又は付加的
に、温度補償材料47は、永久磁石14及び磁極12が
接する非磁性エンドキャップ34の内部に包埋されるこ
とができる。同様の効果を有する温度補償材料47の他
の形状は、破線52にて図示するように、近接する磁極
12の外表面51を橋絡するような形状である。しか
し、これは前者より複雑な配置である。なぜなら、温度
補償材料47は、磁石14の直線的移動を妨害しない形
状でなければならないからである。
ることができる。図3(A)に示すように、好ましい位
置の1つは永久磁石14(又は副磁石30)が有する径
方向から見た背面であり、その位置においては、材料4
7をビームライン磁石10が有する他の部分に干渉され
ないようにすることが容易である。選択的又は付加的
に、温度補償材料47は、永久磁石14及び磁極12が
接する非磁性エンドキャップ34の内部に包埋されるこ
とができる。同様の効果を有する温度補償材料47の他
の形状は、破線52にて図示するように、近接する磁極
12の外表面51を橋絡するような形状である。しか
し、これは前者より複雑な配置である。なぜなら、温度
補償材料47は、磁石14の直線的移動を妨害しない形
状でなければならないからである。
【0065】温度補償材料47が使用されているとき
は、それにより(1)式におけるビームライン磁石10
の多極強度an、bnに関する線形的な温度依存性が生
じ、次にその多極強度が、ビームライン磁石10の磁界
強度に関する非温度依存性を生じさせる。前述したよう
に、温度補償材料の一例はカーペンター社の温度補償3
0合金である。この材料の透磁率は、5〜50℃の間で
は概ね線形である。この合金47が、図3(A)に示す
ように、永久磁石14(又は副磁石30)の背面に接す
る位置で使用されるときは、4極の磁界強度b1は、温
度T及び補償鋼材厚さt(図5参照)によって、次式の
ように線形的に変化する。 b1(T,t)=(b1(0,0)+(at−b)(T−T0)−ct) (5) ここでb1(0,0)は温度補償されていない4極磁界
強度、aは補償材料47による温度依存変化量、tは補
償材料の厚さ、bは磁石14の強度の線形的温度依存
量、Tは磁石14及び補償材料47の温度、T0は公称
の操作温度及びcは補償材料47によるその厚さ当たり
の磁界強度損失量である。
は、それにより(1)式におけるビームライン磁石10
の多極強度an、bnに関する線形的な温度依存性が生
じ、次にその多極強度が、ビームライン磁石10の磁界
強度に関する非温度依存性を生じさせる。前述したよう
に、温度補償材料の一例はカーペンター社の温度補償3
0合金である。この材料の透磁率は、5〜50℃の間で
は概ね線形である。この合金47が、図3(A)に示す
ように、永久磁石14(又は副磁石30)の背面に接す
る位置で使用されるときは、4極の磁界強度b1は、温
度T及び補償鋼材厚さt(図5参照)によって、次式の
ように線形的に変化する。 b1(T,t)=(b1(0,0)+(at−b)(T−T0)−ct) (5) ここでb1(0,0)は温度補償されていない4極磁界
強度、aは補償材料47による温度依存変化量、tは補
償材料の厚さ、bは磁石14の強度の線形的温度依存
量、Tは磁石14及び補償材料47の温度、T0は公称
の操作温度及びcは補償材料47によるその厚さ当たり
の磁界強度損失量である。
【0066】係数a、b及びcは全て0より大きい。例
えば、NdFeB磁性材料のbは0.1%/℃である。
a値及びc値は、選択した補償材料と、材料47が接す
るとともに磁石14が有する径方向から見た背面におけ
る磁界強度と、磁石14及び磁極12の実際の形状とに
依存する。それらの値は、解析又は直接測定により決定
される。補償材料厚さtが0である場合は、4極磁界強
度b1(T,0)は線形的な温度依存性を有する。補償
材料厚さtがb/aである場合は、4極磁界強度は、温
度に依存しないが、c*b/aだけ低減されるであろ
う。NdFeB磁石における特殊な構造においては、b
は0.1%/℃、aは0.0111%/(mm*℃)、
そしてcは0.4444%/mmであり、また本質的に
一定レベルである非温度依存性の磁界強度を維持する完
全な温度補償のためには、4つの磁石14それぞれに、
磁界強度を4%低減する厚さ9mmの補償材料47(カ
ーペンター社の温度補償30合金)が配置されることが
要求される。
えば、NdFeB磁性材料のbは0.1%/℃である。
a値及びc値は、選択した補償材料と、材料47が接す
るとともに磁石14が有する径方向から見た背面におけ
る磁界強度と、磁石14及び磁極12の実際の形状とに
依存する。それらの値は、解析又は直接測定により決定
される。補償材料厚さtが0である場合は、4極磁界強
度b1(T,0)は線形的な温度依存性を有する。補償
材料厚さtがb/aである場合は、4極磁界強度は、温
度に依存しないが、c*b/aだけ低減されるであろ
う。NdFeB磁石における特殊な構造においては、b
は0.1%/℃、aは0.0111%/(mm*℃)、
そしてcは0.4444%/mmであり、また本質的に
一定レベルである非温度依存性の磁界強度を維持する完
全な温度補償のためには、4つの磁石14それぞれに、
磁界強度を4%低減する厚さ9mmの補償材料47(カ
ーペンター社の温度補償30合金)が配置されることが
要求される。
【0067】磁石14の強度の温度依存性によって変化
する4極磁界強度b1を補正するためには、1つ以上の
磁石30に配置される補償材料47の合計厚さのみが問
題となることが、(5)式から明らかであろう。特に、
補償材料47が磁気的に接続される磁石30の数に分割
された合計厚さ、すなわち磁石1つ当たりの補償材料の
平均厚さが問題となる。従って、いかなる数の磁石に対
しても等量又は異なる量の補償材料47を配置すること
ができる。平均厚さが同一のままである限りは、温度補
償材料47を配置する効果も同一に維持される。
する4極磁界強度b1を補正するためには、1つ以上の
磁石30に配置される補償材料47の合計厚さのみが問
題となることが、(5)式から明らかであろう。特に、
補償材料47が磁気的に接続される磁石30の数に分割
された合計厚さ、すなわち磁石1つ当たりの補償材料の
平均厚さが問題となる。従って、いかなる数の磁石に対
しても等量又は異なる量の補償材料47を配置すること
ができる。平均厚さが同一のままである限りは、温度補
償材料47を配置する効果も同一に維持される。
【0068】いくつかの装置においては、磁気中心線の
極めて厳しい制御が要求される。しかし、磁界強度に関
して前述したように、磁気中心線は周囲温度の変化によ
ってシフトする。例えば、ビームライン磁石10を支持
するプラットホーム53(図3(A)参照)の収縮及び
膨張は、中心線のシフトに至る。例として、仮にプラッ
トホーム53がアルミニウムから作製されて高さ「H」
が10cmとなっている場合は、磁気中心線は、例えば
一定量の花崗岩から作製された固定底面54に対して1
℃当たり2ミクロン移動し得る。
極めて厳しい制御が要求される。しかし、磁界強度に関
して前述したように、磁気中心線は周囲温度の変化によ
ってシフトする。例えば、ビームライン磁石10を支持
するプラットホーム53(図3(A)参照)の収縮及び
膨張は、中心線のシフトに至る。例として、仮にプラッ
トホーム53がアルミニウムから作製されて高さ「H」
が10cmとなっている場合は、磁気中心線は、例えば
一定量の花崗岩から作製された固定底面54に対して1
℃当たり2ミクロン移動し得る。
【0069】本発明によると、磁気中心線のシフトに対
する熱的な補償は、異なる量の温度補償材料47を各磁
石に接続することで達せられる。仮に、磁石14(又は
図3(A)における副磁石30)が有する径方向から見
た背面に接する温度補償材料47の厚さtが磁石14間
で異なる場合は、磁石14の強度(磁束カップリング)
は、温度によって異なる割合で変化する。このことは、
磁気中心線の等価移動を可能にし、温度によって誘発さ
れる望ましくない磁気中心線の移動を補償するために構
成できる。特に、再び図2(C)を参照すると、磁石1
4cが挿入されるとともにその反対側の磁石14aが同
じ量だけ引込まれて、磁極12c/12d及び磁極12
a/12bの磁気ポテンシャル値が等しい量だけそれぞ
れ増加及び低減されたときに、磁気中心線が点18から
点45へシフトされている。従って、中心線のシフト
は、実質的に相対する磁石14cと14aとの強度差に
依存する。同様に、磁石14aに対してはより多量の温
度補償材料47aを取付け、磁石14cに対してはより
少量の温度補償材料47cを取付けることにより、磁気
中心線は温度上昇に伴って直線的に(図3(A)におい
ては右へ)シフトする。このような調節は、図3(A)
において温度上昇に伴い左側へ向かうような磁気中心線
の望ましくない移動を補償するために使用できる。作業
者は、適切な解析的又は実験的方法を用いることによっ
て中央線のシフト度合いを調節でき、温度によって誘発
される望ましくないいかなる中心線のシフトも補償でき
る。温度補償材料47とその寸法及び配置との好適な選
択により、磁気中心線は、操作温度の変化にも関わら
ず、本質的に一定の位置に維持されることができる。
する熱的な補償は、異なる量の温度補償材料47を各磁
石に接続することで達せられる。仮に、磁石14(又は
図3(A)における副磁石30)が有する径方向から見
た背面に接する温度補償材料47の厚さtが磁石14間
で異なる場合は、磁石14の強度(磁束カップリング)
は、温度によって異なる割合で変化する。このことは、
磁気中心線の等価移動を可能にし、温度によって誘発さ
れる望ましくない磁気中心線の移動を補償するために構
成できる。特に、再び図2(C)を参照すると、磁石1
4cが挿入されるとともにその反対側の磁石14aが同
じ量だけ引込まれて、磁極12c/12d及び磁極12
a/12bの磁気ポテンシャル値が等しい量だけそれぞ
れ増加及び低減されたときに、磁気中心線が点18から
点45へシフトされている。従って、中心線のシフト
は、実質的に相対する磁石14cと14aとの強度差に
依存する。同様に、磁石14aに対してはより多量の温
度補償材料47aを取付け、磁石14cに対してはより
少量の温度補償材料47cを取付けることにより、磁気
中心線は温度上昇に伴って直線的に(図3(A)におい
ては右へ)シフトする。このような調節は、図3(A)
において温度上昇に伴い左側へ向かうような磁気中心線
の望ましくない移動を補償するために使用できる。作業
者は、適切な解析的又は実験的方法を用いることによっ
て中央線のシフト度合いを調節でき、温度によって誘発
される望ましくないいかなる中心線のシフトも補償でき
る。温度補償材料47とその寸法及び配置との好適な選
択により、磁気中心線は、操作温度の変化にも関わら
ず、本質的に一定の位置に維持されることができる。
【0070】47a及び47cの平均補償材料厚さが、
(5)式におけるb/aと等しい値になるように選択さ
れている限りにおいては、磁界強度b1は、中心線が温
度に伴って直線的に移動する間も、温度の影響を受けな
い。
(5)式におけるb/aと等しい値になるように選択さ
れている限りにおいては、磁界強度b1は、中心線が温
度に伴って直線的に移動する間も、温度の影響を受けな
い。
【0071】次に、図7を参照して、本発明による磁界
強度及び磁気中心線の少なくとも一方を調節するさらな
る方法を説明する。
強度及び磁気中心線の少なくとも一方を調節するさらな
る方法を説明する。
【0072】図7において、ビームライン磁石は、電磁
式補正コイル55a、55b、56a、56b、57
a、57b、58a及び58bをさらに有する。補正コ
イルは、磁石14の直線的な移動に加えて、磁界強度及
び磁気中心線の少なくとも一方について微調整又はトリ
ム調整を素早く行うために使用することができる。大概
の装置においては、コイル55a〜58bには、小幅な
調整を行うために低い電流が流れる。従って、コイル5
5a〜58bは容易に空冷でき、水冷のようなより複雑
な冷却手段を必要としない。
式補正コイル55a、55b、56a、56b、57
a、57b、58a及び58bをさらに有する。補正コ
イルは、磁石14の直線的な移動に加えて、磁界強度及
び磁気中心線の少なくとも一方について微調整又はトリ
ム調整を素早く行うために使用することができる。大概
の装置においては、コイル55a〜58bには、小幅な
調整を行うために低い電流が流れる。従って、コイル5
5a〜58bは容易に空冷でき、水冷のようなより複雑
な冷却手段を必要としない。
【0073】操作中は、コイル55a〜58bは、選択
的に励磁されて、適当な起磁力をそれらが近接する磁極
12に供給する。このために、コイル55a〜58b
は、導線59a〜66bによって磁極12a〜12dの
周囲に巻かれることができる。図7において、実線59
a〜66aは磁極12の「上」を横切り、破線59b〜
66bは磁極12の「下」を横切る。選択的に、コイル
55a〜58bは、選択的な励磁のために端子板に接続
されることができる。いずれにしても、全てのコイルが
適当な電源(図示されていない)に接続される。
的に励磁されて、適当な起磁力をそれらが近接する磁極
12に供給する。このために、コイル55a〜58b
は、導線59a〜66bによって磁極12a〜12dの
周囲に巻かれることができる。図7において、実線59
a〜66aは磁極12の「上」を横切り、破線59b〜
66bは磁極12の「下」を横切る。選択的に、コイル
55a〜58bは、選択的な励磁のために端子板に接続
されることができる。いずれにしても、全てのコイルが
適当な電源(図示されていない)に接続される。
【0074】中心線の鉛直方向(y方向)の調節が要求
される場合は、コイルは、上方の2つの磁極12a及び
12dに対して等量の起磁力を供給できるように巻かれ
る。下方の2つの磁極12b及び12cには、等量であ
るが反対の極性の起磁力が供給される。これらの極性を
起磁力に与える方法の1つは、コイル55a、導線59
a、コイル55b及び導線59bと、コイル56a、導
線60a、コイル56b及び導線60bとを通る電流を
連続的に流すことである。この技術分野に熟練した者に
とっては明らかであるように、他の巻線形状も同様に可
能である。また、コイル55a〜58bの方向は、図7
に示されたものに限定されるものではなく、永久磁石1
4の磁化方向が変化し得ることと同様に、各装置によっ
て変化し得るものであることが認められるであろう。
される場合は、コイルは、上方の2つの磁極12a及び
12dに対して等量の起磁力を供給できるように巻かれ
る。下方の2つの磁極12b及び12cには、等量であ
るが反対の極性の起磁力が供給される。これらの極性を
起磁力に与える方法の1つは、コイル55a、導線59
a、コイル55b及び導線59bと、コイル56a、導
線60a、コイル56b及び導線60bとを通る電流を
連続的に流すことである。この技術分野に熟練した者に
とっては明らかであるように、他の巻線形状も同様に可
能である。また、コイル55a〜58bの方向は、図7
に示されたものに限定されるものではなく、永久磁石1
4の磁化方向が変化し得ることと同様に、各装置によっ
て変化し得るものであることが認められるであろう。
【0075】中心線の水平方向(x方向)の調節が要求
される場合は、コイルは、右側の2つの磁極12a及び
12bに対して等量の起磁力を供給できるように巻かれ
る。左側の2つの磁極12c及び12dには、等量であ
るが反対の極性の起磁力が供給される。これらの極性を
起磁力に与える方法の1つは、コイル57a、導線61
a、コイル57b及び導線61bと、コイル58a、導
線62a、コイル58b及び導線62bとを通る電流を
連続的に流すことである。前記のように、他の巻線形状
及びコイル方向が同様に可能である。
される場合は、コイルは、右側の2つの磁極12a及び
12bに対して等量の起磁力を供給できるように巻かれ
る。左側の2つの磁極12c及び12dには、等量であ
るが反対の極性の起磁力が供給される。これらの極性を
起磁力に与える方法の1つは、コイル57a、導線61
a、コイル57b及び導線61bと、コイル58a、導
線62a、コイル58b及び導線62bとを通る電流を
連続的に流すことである。前記のように、他の巻線形状
及びコイル方向が同様に可能である。
【0076】磁気中心線をシフトさせずに磁界強度を調
節することが要求される場合は、4つの磁極全てのポテ
ンシャル値を全体的に上げたり下げたりするために、コ
イルが、4つの磁極全てに対して等量の起磁力を供給で
きるように巻かれる。これらの極性を起磁力に与える方
法の1つは、コイル55a、導線63a、コイル57b
及び導線63bと、コイル58b、導線65a、コイル
55b及び導線65bと、コイル56b、導線64a、
コイル58a及び導線64bと、コイル57a、導線6
6a、コイル56a及び導線66bとを通る電流を連続
的に流すことである。前記のように、他の巻線形状及び
コイル方向が同様に可能である。
節することが要求される場合は、4つの磁極全てのポテ
ンシャル値を全体的に上げたり下げたりするために、コ
イルが、4つの磁極全てに対して等量の起磁力を供給で
きるように巻かれる。これらの極性を起磁力に与える方
法の1つは、コイル55a、導線63a、コイル57b
及び導線63bと、コイル58b、導線65a、コイル
55b及び導線65bと、コイル56b、導線64a、
コイル58a及び導線64bと、コイル57a、導線6
6a、コイル56a及び導線66bとを通る電流を連続
的に流すことである。前記のように、他の巻線形状及び
コイル方向が同様に可能である。
【0077】コイル55a〜58bを流れる電流を単に
変化させることにより、磁気中心線を鉛直及び水平いず
れの方向にも調節することと、磁界強度を調節すること
とが迅速かつ正確に達成できる。中心線及び強度の双方
の調節が要求されているときは、図7に示すように、各
コイル55a〜58bを副コイルに分離することができ
ることが、この技術分野に熟練した者にとっては明らか
であろう。例えば、仮にコイル55aの巻数が100で
あるときは、30回は強度補正電流を流すために巻き、
残りの70回は中心線の鉛直方向調節をする電流を流す
ために巻くことが可能である。補正コイル55a〜58
bの位置は、図示されたような磁極12の背面51に限
定されるものではなく、またコイル55a〜58bは、
予め定めた起磁力を磁極12に供給して必要な調節を行
うことができる限りにおいて、他の場所に配置されるこ
とができることは明らかであろう。
変化させることにより、磁気中心線を鉛直及び水平いず
れの方向にも調節することと、磁界強度を調節すること
とが迅速かつ正確に達成できる。中心線及び強度の双方
の調節が要求されているときは、図7に示すように、各
コイル55a〜58bを副コイルに分離することができ
ることが、この技術分野に熟練した者にとっては明らか
であろう。例えば、仮にコイル55aの巻数が100で
あるときは、30回は強度補正電流を流すために巻き、
残りの70回は中心線の鉛直方向調節をする電流を流す
ために巻くことが可能である。補正コイル55a〜58
bの位置は、図示されたような磁極12の背面51に限
定されるものではなく、またコイル55a〜58bは、
予め定めた起磁力を磁極12に供給して必要な調節を行
うことができる限りにおいて、他の場所に配置されるこ
とができることは明らかであろう。
【0078】再び図3(B)とさらに図8(A)を参照
して、調整シム33をより詳細に説明する。先に簡単に
説明したように、シム33は、磁界強度誤差、磁気中心
線誤差又は磁界分布誤差(歪)のような様々な種類の磁
界誤差を補正するために使用される。これらの誤差は、
磁石14及び磁極部品12の少なくとも一方の作製過程
における不完全性により発生するものである。シムは、
低炭素鋼、ニッケル又はニッケル合金鋼のような強磁性
体から作製される。数%という大きい磁界強度補正が必
要であるときは、低炭素鋼が好ましい。より小さい補正
の場合は、ニッケル又はニッケル合金鋼が好ましい。シ
ム33は、図8(A)に示すように、磁石14の面32
に接して配置されることが好ましい。その理由は、シム
33(又はそれらの磁気モーメント)は、磁石面32に
対して平行である局所磁場に伴って整合配置されるから
である。従って、図8(A)に示すように磁石面32が
平面であるときは、単純な平面から形成されるシム33
は、磁気吸引によって磁石14により自然に適所に保持
される。シム33はまた、必要であれば接着剤を用いて
磁石14と接してもよい。このことは、等ポテンシャル
の磁極面22に対して局所磁場が垂直となる場所である
固定式磁極12とは対照的である。よって、シムが磁極
面22に近接して配置されると、シムは磁極面22に対
して(中央空間16内へ突き出るように)垂直に整合配
置されることになり、これは好ましくない。従って、磁
極12に対して磁極面22と平行にシムを接触させるこ
とは、接着剤のような付加的な接触手段を必要とする。
磁極12に取付けられたシムは、磁石14に取付けられ
たシムより約10倍大きい補正効果を生じさせるが、大
概の装置は、そのような大きい補正を必要としない。以
下に十分に説明するように、シムによって生じた磁界の
方向が、誤差を含む補正すべき磁界の方向と反対である
限りは、このシムは、非磁性エンドキャップ34又は末
端磁石40、41のような他の場所に取付けられてもよ
い。
して、調整シム33をより詳細に説明する。先に簡単に
説明したように、シム33は、磁界強度誤差、磁気中心
線誤差又は磁界分布誤差(歪)のような様々な種類の磁
界誤差を補正するために使用される。これらの誤差は、
磁石14及び磁極部品12の少なくとも一方の作製過程
における不完全性により発生するものである。シムは、
低炭素鋼、ニッケル又はニッケル合金鋼のような強磁性
体から作製される。数%という大きい磁界強度補正が必
要であるときは、低炭素鋼が好ましい。より小さい補正
の場合は、ニッケル又はニッケル合金鋼が好ましい。シ
ム33は、図8(A)に示すように、磁石14の面32
に接して配置されることが好ましい。その理由は、シム
33(又はそれらの磁気モーメント)は、磁石面32に
対して平行である局所磁場に伴って整合配置されるから
である。従って、図8(A)に示すように磁石面32が
平面であるときは、単純な平面から形成されるシム33
は、磁気吸引によって磁石14により自然に適所に保持
される。シム33はまた、必要であれば接着剤を用いて
磁石14と接してもよい。このことは、等ポテンシャル
の磁極面22に対して局所磁場が垂直となる場所である
固定式磁極12とは対照的である。よって、シムが磁極
面22に近接して配置されると、シムは磁極面22に対
して(中央空間16内へ突き出るように)垂直に整合配
置されることになり、これは好ましくない。従って、磁
極12に対して磁極面22と平行にシムを接触させるこ
とは、接着剤のような付加的な接触手段を必要とする。
磁極12に取付けられたシムは、磁石14に取付けられ
たシムより約10倍大きい補正効果を生じさせるが、大
概の装置は、そのような大きい補正を必要としない。以
下に十分に説明するように、シムによって生じた磁界の
方向が、誤差を含む補正すべき磁界の方向と反対である
限りは、このシムは、非磁性エンドキャップ34又は末
端磁石40、41のような他の場所に取付けられてもよ
い。
【0079】特に図8(A)を参照すると、4つのシム
33a〜33dは、4つの磁石14a〜14dの面32
にそれぞれ取付けられる。以下の説明は、1つのシム3
3dに注目しているが、当然、同じ説明が他のシム33
a〜33cにも同様に適用される。シム33dにより発
生した磁界の形状は、主として14dに接するシム33
dの幅「W」及びシム33dの磁気中心線に沿う(z軸
に沿う)方向の長さにより決定される。シム33dは、
磁石14dによって極性を与えられた本質的に均一な磁
石と考えることができる。シム33dは分流器である
(すなわち中央空間16から磁束を分散させる)から、
シム33dにより生じた磁界の方向は、シム33dが接
する磁石14dにより生じる磁界の方向とは反対とな
る。例えば、概略的に図示したように、シムが使われて
いないときは磁束線67及び68aが中央空間16の近
くでは有効である一方、シム33dが磁石14dに接続
されると、磁束線68aは磁束線68bによって分流す
る。従って、シム33dの長さ及び幅「W」は、発生す
る磁界の形状に影響する。シム33dは磁気飽和状態に
あるので、シム33dの補正効果(すなわち補正の大き
さ)は、径方向厚さTに対して本質的に線形である。シ
ム33dにより分流した磁束は、シム33dを作製する
ために選択された鋼材の飽和磁気誘導と、シムの断面積
(長さと径方向厚さTとの積)との積である。
33a〜33dは、4つの磁石14a〜14dの面32
にそれぞれ取付けられる。以下の説明は、1つのシム3
3dに注目しているが、当然、同じ説明が他のシム33
a〜33cにも同様に適用される。シム33dにより発
生した磁界の形状は、主として14dに接するシム33
dの幅「W」及びシム33dの磁気中心線に沿う(z軸
に沿う)方向の長さにより決定される。シム33dは、
磁石14dによって極性を与えられた本質的に均一な磁
石と考えることができる。シム33dは分流器である
(すなわち中央空間16から磁束を分散させる)から、
シム33dにより生じた磁界の方向は、シム33dが接
する磁石14dにより生じる磁界の方向とは反対とな
る。例えば、概略的に図示したように、シムが使われて
いないときは磁束線67及び68aが中央空間16の近
くでは有効である一方、シム33dが磁石14dに接続
されると、磁束線68aは磁束線68bによって分流す
る。従って、シム33dの長さ及び幅「W」は、発生す
る磁界の形状に影響する。シム33dは磁気飽和状態に
あるので、シム33dの補正効果(すなわち補正の大き
さ)は、径方向厚さTに対して本質的に線形である。シ
ム33dにより分流した磁束は、シム33dを作製する
ために選択された鋼材の飽和磁気誘導と、シムの断面積
(長さと径方向厚さTとの積)との積である。
【0080】シム33a〜33dにより発生した磁界は
重畳(スーパーインポーズ)する。1つのシムからなる
磁界が実験的又は解析的方法により特定されれば、多数
のシムからなる磁界はそれにベクトルを加えることによ
り特定できる。このことを実行する際の特に便利な方法
は、(1)式を使うことである。特に、(1)式は、シ
ムそれ自体に関して設定した多極係数an及びbnにより
特徴付けられた磁界の説明に使用できる。これらの係数
は、実験又は解析のいずれによっても特定できる。シム
に関する係数がわかれば、同一のシムが異なる永久磁石
に配置されたときに生じる効果は、複数の磁極それぞれ
に関する積分磁界ベクトルを表す(1)式を使うことに
よって明らかになる。シムにより生じる補正磁界は、そ
のシムとともに回転し、また磁石の方向が変わったとき
も常に回転させられる。
重畳(スーパーインポーズ)する。1つのシムからなる
磁界が実験的又は解析的方法により特定されれば、多数
のシムからなる磁界はそれにベクトルを加えることによ
り特定できる。このことを実行する際の特に便利な方法
は、(1)式を使うことである。特に、(1)式は、シ
ムそれ自体に関して設定した多極係数an及びbnにより
特徴付けられた磁界の説明に使用できる。これらの係数
は、実験又は解析のいずれによっても特定できる。シム
に関する係数がわかれば、同一のシムが異なる永久磁石
に配置されたときに生じる効果は、複数の磁極それぞれ
に関する積分磁界ベクトルを表す(1)式を使うことに
よって明らかになる。シムにより生じる補正磁界は、そ
のシムとともに回転し、また磁石の方向が変わったとき
も常に回転させられる。
【0081】シムを使用して中心線誤差及び磁界強度誤
差を補正する方法をこれより説明する。図8(A)にお
いて、シム33dは、1つの磁石14dの幅「W」を有
する面32全体を覆う。このことによって14dは弱く
なり、これは最も内側の位置から1つの軸に沿って径方
向に14dを引込ませることと等価である。従って、本
質的に、ある磁石の引込みを必要とするいかなる調節
も、シム33a、33b、33c及び33dの少なくと
も1つを、それぞれに対応する磁石14a、14b、1
4c及び14dに接触させることで達成できる。シムの
径方向厚さTは、引込量に相当する。シムが厚い程、そ
のシムが接する磁石は弱くなる。例えば、相対する面
(33a及び33c並びに33b及び33dの少なくと
も1組)に取付けられた同一の径方向厚さTを有する一
対のシムは、磁気中心線を変えずに磁界強度を下げると
きに使用でき、このことは、相対する一対の永久磁石1
4を放射状に外側へ均等かつ同時に引込ませることに等
しい。磁気中心線をシフトさせる場合は、異なる径方向
厚さのシムを一対の相対する面に使用することができ、
このことは、複数の磁石について異なる量を引込ませる
ことに等しい。
差を補正する方法をこれより説明する。図8(A)にお
いて、シム33dは、1つの磁石14dの幅「W」を有
する面32全体を覆う。このことによって14dは弱く
なり、これは最も内側の位置から1つの軸に沿って径方
向に14dを引込ませることと等価である。従って、本
質的に、ある磁石の引込みを必要とするいかなる調節
も、シム33a、33b、33c及び33dの少なくと
も1つを、それぞれに対応する磁石14a、14b、1
4c及び14dに接触させることで達成できる。シムの
径方向厚さTは、引込量に相当する。シムが厚い程、そ
のシムが接する磁石は弱くなる。例えば、相対する面
(33a及び33c並びに33b及び33dの少なくと
も1組)に取付けられた同一の径方向厚さTを有する一
対のシムは、磁気中心線を変えずに磁界強度を下げると
きに使用でき、このことは、相対する一対の永久磁石1
4を放射状に外側へ均等かつ同時に引込ませることに等
しい。磁気中心線をシフトさせる場合は、異なる径方向
厚さのシムを一対の相対する面に使用することができ、
このことは、複数の磁石について異なる量を引込ませる
ことに等しい。
【0082】いくつかの装置においては、磁界分布の局
所歪に至る高次の誤差を補正することが必要となる。こ
のような補正もまた、シムにより可能である。図8
(B)を参照すると、仮にシム33dが全面32を磁石
14の幅で覆っていない(面32の幅の一部「W’」を
覆う)ときは、磁界の局所歪の補正に適した高次の補正
磁界が発生する。例えば、仮に4つのシムが、(機械軸
線18に平行にz方向に伸びるような、各磁石における
軸方向中心線69に関して)対称に、4極ビームライン
磁石が有する4つの全ての磁石に各々取付けられるが、
シム33dに示すように各磁石面の幅の50%のみ覆う
場合は、8極の補正磁界が生じる。同様に、磁石面の幅
の50%のみ覆う部分的なシムが1組の相対する磁石に
配置された場合は、それらのシムが異なる径方向厚さで
あるときは、磁気中心線がシフトされて6極の補正磁界
が発生する。33dのような部分的なシムは、磁石面3
2をその軸方向中心線69に沿う(すなわちz方向に沿
う)方向に全長に渡って覆っても覆わなくてもよいこと
は、注目されるべきである。例えば、シム33dは、磁
石面32をその軸方向中心線69に沿う長さの一部のみ
覆うことができ、さらに、各装置において要求される所
要の補正磁界によるが、軸方向中心線69に沿ういかな
る位置にも動かすことができる。同様に、磁石面32の
全幅を覆ういかなるシム(すなわち図8(A)における
シム33a〜33d)もまた、z方向に沿う磁石面32
の全長を覆っても覆わなくてもよい。一般的に、軸方向
中心線69(z方向)に沿ってシムを動かすことによ
り、シムによって発生した補正磁界もまた同じ方向に沿
って動かされる。
所歪に至る高次の誤差を補正することが必要となる。こ
のような補正もまた、シムにより可能である。図8
(B)を参照すると、仮にシム33dが全面32を磁石
14の幅で覆っていない(面32の幅の一部「W’」を
覆う)ときは、磁界の局所歪の補正に適した高次の補正
磁界が発生する。例えば、仮に4つのシムが、(機械軸
線18に平行にz方向に伸びるような、各磁石における
軸方向中心線69に関して)対称に、4極ビームライン
磁石が有する4つの全ての磁石に各々取付けられるが、
シム33dに示すように各磁石面の幅の50%のみ覆う
場合は、8極の補正磁界が生じる。同様に、磁石面の幅
の50%のみ覆う部分的なシムが1組の相対する磁石に
配置された場合は、それらのシムが異なる径方向厚さで
あるときは、磁気中心線がシフトされて6極の補正磁界
が発生する。33dのような部分的なシムは、磁石面3
2をその軸方向中心線69に沿う(すなわちz方向に沿
う)方向に全長に渡って覆っても覆わなくてもよいこと
は、注目されるべきである。例えば、シム33dは、磁
石面32をその軸方向中心線69に沿う長さの一部のみ
覆うことができ、さらに、各装置において要求される所
要の補正磁界によるが、軸方向中心線69に沿ういかな
る位置にも動かすことができる。同様に、磁石面32の
全幅を覆ういかなるシム(すなわち図8(A)における
シム33a〜33d)もまた、z方向に沿う磁石面32
の全長を覆っても覆わなくてもよい。一般的に、軸方向
中心線69(z方向)に沿ってシムを動かすことによ
り、シムによって発生した補正磁界もまた同じ方向に沿
って動かされる。
【0083】さらに、図8(B)をまた参照すると、仮
にシムの部分的な覆いが磁石14aの軸方向中心線69
に対して対称でない(シム33aを参照)ときは、補正
磁界もまた非対称となる。例えば、補正磁界が軸方向中
心線69に対して(シム33aの場合においてはy方向
に沿って)動かされたときは、磁極12a及び12bの
強度に対するシムの影響は非対称となる。このことは、
(1)式における係数an及びbnを混合するときに効果
的な方法である。特に、理想的な4極ビームライン磁石
においては、0でない多極係数はb1だけである。しか
し実際には、多くの0でない係数がある。作業者は、各
シムの幅及び径方向厚さを注意深く調節すると同時に、
軸方向中心線69に対して選択的に位置をずらして配置
されたシムによって、磁極12a〜12dの相対的強度
を調節して、0でない多極係数をほぼ0と認められるレ
ベルまで低減できる。前記のように、軸方向中心線69
に対して対称でないいかなるシムもまた、それが接する
磁石面32の全長を覆っても覆わなくてもよい。例え
ば、部分的なシム33aは、磁石面32をその軸方向中
心線69に沿う長さの一部のみ覆うことができ、さら
に、各装置において要求される特殊な補正磁界によっ
て、軸方向中心線69に沿ういかなる位置にも配置され
ることができる。
にシムの部分的な覆いが磁石14aの軸方向中心線69
に対して対称でない(シム33aを参照)ときは、補正
磁界もまた非対称となる。例えば、補正磁界が軸方向中
心線69に対して(シム33aの場合においてはy方向
に沿って)動かされたときは、磁極12a及び12bの
強度に対するシムの影響は非対称となる。このことは、
(1)式における係数an及びbnを混合するときに効果
的な方法である。特に、理想的な4極ビームライン磁石
においては、0でない多極係数はb1だけである。しか
し実際には、多くの0でない係数がある。作業者は、各
シムの幅及び径方向厚さを注意深く調節すると同時に、
軸方向中心線69に対して選択的に位置をずらして配置
されたシムによって、磁極12a〜12dの相対的強度
を調節して、0でない多極係数をほぼ0と認められるレ
ベルまで低減できる。前記のように、軸方向中心線69
に対して対称でないいかなるシムもまた、それが接する
磁石面32の全長を覆っても覆わなくてもよい。例え
ば、部分的なシム33aは、磁石面32をその軸方向中
心線69に沿う長さの一部のみ覆うことができ、さら
に、各装置において要求される特殊な補正磁界によっ
て、軸方向中心線69に沿ういかなる位置にも配置され
ることができる。
【0084】異なる磁界の補正を要求通りに達成するた
めに、様々なシムの形状及び配置が可能である。この技
術分野に熟練した者にとっては明らかであるように、磁
極強度及び磁界に対する特殊なシムの正確な影響は、例
えば対称モデルのような種々の解析的モデル又は直接測
定に基づいて特定される。一般にシムを用いた装置のさ
らなる詳細、特にシムの効果の測定方法及びシムの形状
及び配置を最適化するための測定を用いる方法は、ここ
に引用する米国特許5,010,640号に見ることが
できる。
めに、様々なシムの形状及び配置が可能である。この技
術分野に熟練した者にとっては明らかであるように、磁
極強度及び磁界に対する特殊なシムの正確な影響は、例
えば対称モデルのような種々の解析的モデル又は直接測
定に基づいて特定される。一般にシムを用いた装置のさ
らなる詳細、特にシムの効果の測定方法及びシムの形状
及び配置を最適化するための測定を用いる方法は、ここ
に引用する米国特許5,010,640号に見ることが
できる。
【0085】先の説明は特定の4極装置に対してなされ
たものであるが、この技術分野に熟練した者にとっては
明らかであるように、他の全ての多極装置も、本発明に
従って同様に実施できかつ容易に構成できる。具体例と
して、図9を参照すると、6極のビームライン磁石70
は、中心角30°、90°、150°、210°、27
0°、330°に配置された6つの磁極72を含んで形
成される。6つの磁石74a〜74fは、中心角0°、
60°、120°、180°、240°、300°に配
置される。6極ビームライン磁石70においては、磁極
72により形成される中央空間78に面する磁極面76
は、高品質の6極磁界パターンを発生させる「R3*s
in(3θ)」(一定値)を満足する形状を有すること
が好ましい。ここでθは、この技術分野ではよく知られ
ているように、x軸に対する角度である。
たものであるが、この技術分野に熟練した者にとっては
明らかであるように、他の全ての多極装置も、本発明に
従って同様に実施できかつ容易に構成できる。具体例と
して、図9を参照すると、6極のビームライン磁石70
は、中心角30°、90°、150°、210°、27
0°、330°に配置された6つの磁極72を含んで形
成される。6つの磁石74a〜74fは、中心角0°、
60°、120°、180°、240°、300°に配
置される。6極ビームライン磁石70においては、磁極
72により形成される中央空間78に面する磁極面76
は、高品質の6極磁界パターンを発生させる「R3*s
in(3θ)」(一定値)を満足する形状を有すること
が好ましい。ここでθは、この技術分野ではよく知られ
ているように、x軸に対する角度である。
【0086】4極の装置の場合と同様に、6つの磁石7
4a〜74fを放射状に均一に外側及び内側へ動かすこ
とは、磁石74a〜74fが移動した距離の関数とし
て、磁界を線形的にそれぞれ減少及び増加させる。仮
に、0°の位置にある磁石74aが機械軸線80から離
れる方向に1単位移動し、かつ120°及び240°に
それぞれ位置する磁石74c及び74eが機械軸線80
へ向かう方向に2単位移動した場合は、初期は機械軸線
80と一致していた磁気中心線は、その1単位に比例し
た量だけ、0°の軸に沿って新たな位置82へ移動す
る。より一般的に言うと、仮に、120°の位置にある
磁石74cが機械軸線80へ向けてxだけ移動し、24
0°の位置にある磁石74eが機械軸線80から離れて
yだけ移動し、かつ0°の位置にある磁石74aが機械
軸線80へ向けて(x−y)/2だけ移動した場合は、
初期は機械軸線80と一致していた磁気中心線は、(x
−y)に比例した量だけ、90°の軸に沿って新たな位
置84へシフトされる。この最後に説明した磁気中心線
をシフトする方法においては、磁石の付加的かつ対称的
な(すなわち放射状に内側又は外側への)移動は、重畳
されることができ、6極磁界強度のいかなる減少又は増
加も補償できる。このことの実質的効果は、磁界強度を
一切変えずに6極の磁気中心線をシフトできることであ
る。
4a〜74fを放射状に均一に外側及び内側へ動かすこ
とは、磁石74a〜74fが移動した距離の関数とし
て、磁界を線形的にそれぞれ減少及び増加させる。仮
に、0°の位置にある磁石74aが機械軸線80から離
れる方向に1単位移動し、かつ120°及び240°に
それぞれ位置する磁石74c及び74eが機械軸線80
へ向かう方向に2単位移動した場合は、初期は機械軸線
80と一致していた磁気中心線は、その1単位に比例し
た量だけ、0°の軸に沿って新たな位置82へ移動す
る。より一般的に言うと、仮に、120°の位置にある
磁石74cが機械軸線80へ向けてxだけ移動し、24
0°の位置にある磁石74eが機械軸線80から離れて
yだけ移動し、かつ0°の位置にある磁石74aが機械
軸線80へ向けて(x−y)/2だけ移動した場合は、
初期は機械軸線80と一致していた磁気中心線は、(x
−y)に比例した量だけ、90°の軸に沿って新たな位
置84へシフトされる。この最後に説明した磁気中心線
をシフトする方法においては、磁石の付加的かつ対称的
な(すなわち放射状に内側又は外側への)移動は、重畳
されることができ、6極磁界強度のいかなる減少又は増
加も補償できる。このことの実質的効果は、磁界強度を
一切変えずに6極の磁気中心線をシフトできることであ
る。
【0087】本発明の好適な実施形態が図示されかつ説
明されているが、本発明の精神及び範囲から逸脱するこ
となしに様々な変更が可能であることが理解されるであ
ろう。
明されているが、本発明の精神及び範囲から逸脱するこ
となしに様々な変更が可能であることが理解されるであ
ろう。
【図1】本発明による、4つの固定式磁極及び4つの可
動磁石を有する4極ビームライン磁石の分解組立図であ
る。
動磁石を有する4極ビームライン磁石の分解組立図であ
る。
【図2】(A)図1に示す4極ビームライン磁石につい
て、4つの磁極及び4つの永久磁石を示した部分平面
図、(B)図2(A)に示す4つの磁極及び4つの永久
磁石について、磁界強度を線形的に減少させるために、
4つの永久磁石が集合的かつ放射状に引込まれた状態を
示した図、(C)図2(A)に示す4つの磁極及び4つ
の永久磁石について、磁気中心線を直線的に移動させる
ために、一対の相対する永久磁石が集合的に一方向に移
動する状態を示した図である。
て、4つの磁極及び4つの永久磁石を示した部分平面
図、(B)図2(A)に示す4つの磁極及び4つの永久
磁石について、磁界強度を線形的に減少させるために、
4つの永久磁石が集合的かつ放射状に引込まれた状態を
示した図、(C)図2(A)に示す4つの磁極及び4つ
の永久磁石について、磁気中心線を直線的に移動させる
ために、一対の相対する永久磁石が集合的に一方向に移
動する状態を示した図である。
【図3】(A)図1に示す4極ビームライン磁石につい
て、エンドキャップに取付けられた4つの磁極及び4つ
の永久磁石をx−y平面に沿って示した概略断面図、
(B)図3(A)に示すビームライン磁石について、凹
んだ永久磁石面を示した部分拡大図である。
て、エンドキャップに取付けられた4つの磁極及び4つ
の永久磁石をx−y平面に沿って示した概略断面図、
(B)図3(A)に示すビームライン磁石について、凹
んだ永久磁石面を示した部分拡大図である。
【図4】図1に示す4極ビームライン磁石について、4
つの磁極及び4つの永久磁石、エンドキャップ並びにエ
ンクロージャをx−y平面に沿って示した部分断面図で
ある。
つの磁極及び4つの永久磁石、エンドキャップ並びにエ
ンクロージャをx−y平面に沿って示した部分断面図で
ある。
【図5】図3の部分図であって、磁束の一部が中央空間
から分流している状態における平行な磁束分流構造を図
式的に示した図である。
から分流している状態における平行な磁束分流構造を図
式的に示した図である。
【図6】磁界強度の変化を永久磁石の引込量の関数とし
て表し、本発明によるビームライン磁石を用いることで
磁界の線形的な調節が達成されたことを示すグラフであ
る。
て表し、本発明によるビームライン磁石を用いることで
磁界の線形的な調節が達成されたことを示すグラフであ
る。
【図7】図4に示すビームライン磁石について、さらに
電磁式補正コイルを概略的に示した図である。
電磁式補正コイルを概略的に示した図である。
【図8】(A)永久磁石面に接するシムを含む、図1に
示す4つの磁極及び4つの永久磁石の部分平面図、
(B)永久磁石面に接するシムを含む、図1に示す4つ
の磁極及び4つの永久磁石の部分平面図である。
示す4つの磁極及び4つの永久磁石の部分平面図、
(B)永久磁石面に接するシムを含む、図1に示す4つ
の磁極及び4つの永久磁石の部分平面図である。
【図9】本発明による、6つの固定式磁極及び6つの可
動磁石を有する6極ビームライン磁石の平面図である。
動磁石を有する6極ビームライン磁石の平面図である。
10…4極ビームライン磁石
12…磁極
14…永久磁石
16…中央空間
18…機械軸線
20…リニアドライブ
33…シム
34…エンドキャップ
36…遮蔽板
44…磁界センサー
46…電子ビームセンサー
47…温度補償材料
55,56,57,58…補正コイル
70…6極ビームライン磁石
72…磁極
74…永久磁石
78…中央空間
80…機械軸線
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 スティーブン シー.ゴッツチャルク
アメリカ合衆国,ワシントン 98072,ウ
ッドインビル,ノースイースト ワンハン
ドレッドナインティーンエイス ストリー
ト 14918
Fターム(参考) 2G085 BA14 BC08 BC11 CA16 CA26
Claims (53)
- 【請求項1】 選択的に磁界を調節できる多極ビームラ
イン磁石であって、複数の固定式強磁性磁極と、前記複
数の固定式強磁性磁極の間に配置される1つ以上の永久
磁石であって、該永久磁石のそれぞれは、近接する2つ
の固定式強磁性磁極に起磁力を供給し、それにより前記
固定式強磁性磁極は、前記固定式強磁性磁極により形成
される中央空間に磁界を発生させ、前記ビームライン磁
石が有する機械軸線は、前記磁極及び前記永久磁石によ
り形成される面に垂直に前記中央空間を通って伸びてい
る、永久磁石と、前記1つ以上の永久磁石を前記機械軸
線に対して垂直に動かすためのリニアドライブと、を有
する多極ビームライン磁石。 - 【請求項2】 前記磁極及び前記永久磁石を挟む非磁性
のエンドキャップをさらに有する請求項1に記載の多極
ビームライン磁石。 - 【請求項3】 前記エンドキャップが、前記1つ以上の
永久磁石をそれぞれ移動可能に取付けるための1つ以上
のガイド溝を形成する請求項2に記載の多極ビームライ
ン磁石。 - 【請求項4】 前記リニアドライブが、送りねじ、リニ
アモーター、リニアステッパーモーター、油圧アクチュ
エーター及びカムを含むグループから選択されている請
求項1に記載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項5】 前記中央空間内に発生した前記磁界の強
度を測定する磁界センサーをさらに有する請求項1に記
載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項6】 少なくとも2つの永久磁石を備える請求
項1に記載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項7】 少なくとも2つのリニアドライブを備え
るとともに、前記永久磁石の各々が前記リニアドライブ
の各々に取付けられている請求項6に記載の多極ビーム
ライン磁石。 - 【請求項8】 前記永久磁石の全てが、等しい形状に作
製されている請求項6に記載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項9】 少なくとも2つの永久磁石が異なる磁化
方向を有する請求項6に記載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項10】 前記永久磁石が、等角度に配置されて
いる請求項6に記載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項11】 前記1つ以上の永久磁石のうち少なく
とも1つが、矩形形状、その4つの角の少なくとも1つ
が面取りされた矩形形状、楔形状並びに矩形形状及び台
形形状の組合わせを含むグループから選択された形状に
作製される請求項1に記載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項12】 前記1つ以上の永久磁石のうち少なく
とも1つが、該永久磁石を形成するように接合された複
数の副磁石を有する請求項1に記載の多極ビームライン
磁石。 - 【請求項13】 前記永久磁石を形成するための前記複
数の副磁石が、異なる形状に作製されている請求項12
に記載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項14】 前記機械軸線から最も離れて配置され
ている第1副磁石が、第1磁化方向を有して補正磁石を
形成し、前記第1副磁石に隣接する第2副磁石が、前記
第1方向とは異なる第2磁化方向を有する請求項12に
記載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項15】 前記中央空間と前記1つ以上の永久磁
石との間にそれぞれ提供される1つ以上の固定式補助磁
石をさらに有する請求項1に記載の多極ビームライン磁
石。 - 【請求項16】 前記補助磁石とそれに近接する永久磁
石とが等しい磁化方向を有する請求項15に記載の多極
ビームライン磁石。 - 【請求項17】 前記補助磁石とそれに近接する永久磁
石とが異なる形状を有する請求項15に記載の多極ビー
ムライン磁石。 - 【請求項18】 磁界誤差を補正するための調整シムを
さらに有する多極ビームライン磁石であって、前記調整
シムによって発生した磁界の方向が、誤差を含む磁界の
方向と反対である請求項1に記載の多極ビームライン磁
石。 - 【請求項19】 前記調整シムが、前記1つ以上の永久
磁石の1つに対して、前記中央空間に面する前記永久磁
石の面に接合されている請求項18に記載の多極ビーム
ライン磁石。 - 【請求項20】 前記調整シムが、前記中央空間に面す
る前記永久磁石の面の全幅を覆うように形成されている
請求項19に記載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項21】 前記調整シムが、前記中央空間に面す
る前記永久磁石の面の幅の一部を覆うように形成されて
いる請求項19に記載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項22】 前記調整シムが、前記永久磁石の軸方
向中心線に対して非対称に取付けられている請求項21
に記載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項23】 前記調整シムが、前記永久磁石の軸方
向中心線に対して対称に取付けられている請求項21に
記載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項24】 前記調整シムが、前記中央空間に面す
る前記永久磁石の面の全長を覆うように形成されている
請求項19に記載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項25】 前記調整シムが、前記中央空間に面す
る前記永久磁石の面の長さの一部を覆うように形成され
ているとともに、前記永久磁石の軸方向中心線に沿って
予め定めた場所に配置されている請求項19に記載の多
極ビームライン磁石。 - 【請求項26】 末端磁石をさらに有する請求項1に記
載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項27】 前記磁極及び前記永久磁石を挟むよう
な一対の強磁性遮蔽板をさらに有する請求項1に記載の
多極ビームライン磁石。 - 【請求項28】 少なくとも1つの前記固定式磁極の磁
極面が等ポテンシャル面を有する請求項1に記載の多極
ビームライン磁石。 - 【請求項29】 平行な磁束分流形状にて前記1つ以上
の永久磁石に磁気的に接続される温度補償材料をさらに
有する請求項1に記載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項30】 前記温度補償材料が、径方向に見た前
記1つ以上の永久磁石の背面に取付けられる請求項29
に記載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項31】 前記温度補償材料が、前記複数の固定
式磁極に取付けられる請求項29に記載の多極ビームラ
イン磁石。 - 【請求項32】 少なくとも2つの永久磁石を備え、該
少なくとも2つの永久磁石に対して等しい量の温度補償
材料が取付けられる請求項29に記載の多極ビームライ
ン磁石。 - 【請求項33】 少なくとも2つの永久磁石を備え、該
少なくとも2つの永久磁石に対して異なる量の温度補償
材料が取付けられる請求項29に記載の多極ビームライ
ン磁石。 - 【請求項34】 複数の電磁式補正コイルをさらに有す
る多極ビームライン磁石であって、前記コイルが、前記
複数の固定式磁極に予め定めた起磁力を供給するため
に、選択的に巻かれるとともに前記コイルを通して選択
的に電流を流すように形成されている請求項1に記載の
多極ビームライン磁石。 - 【請求項35】 前記電磁式補正コイルが、前記固定式
磁極が有する径方向に見た外表面に近接して配置されて
いる請求項34に記載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項36】 前記中央空間に近接するビーム位置セ
ンサーをさらに有する請求項1に記載の多極ビームライ
ン磁石。 - 【請求項37】 前記固定式強磁性磁極が等角度配置さ
れている請求項1に記載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項38】 前記固定式強磁性磁極及び前記永久磁
石を同数備えている請求項1に記載の多極ビームライン
磁石。 - 【請求項39】 前記固定式強磁性磁極を偶数個備える
請求項1に記載の多極ビームライン磁石。 - 【請求項40】 多極ビームライン磁石における磁界を
選択的に調節する方法であって、複数の固定式強磁性磁
極を用意するステップと、前記複数の固定式強磁性磁極
の間に配置される複数の永久磁石であって、該永久磁石
のそれぞれは、近接する2つの固定式強磁性磁極に起磁
力を供給し、それにより前記固定式強磁性磁極は、前記
固定式強磁性磁極により形成される中央空間に磁界を発
生させ、機械軸線は、前記磁極及び前記永久磁石により
形成される面に垂直に前記中央空間を通って伸びてい
る、複数の永久磁石を用意するステップと、1つ以上の
前記永久磁石を前記機械軸線に対して垂直に直線的に動
かすステップと、を有する方法。 - 【請求項41】 前記永久磁石を動かす前記ステップ
が、前記永久磁石を動かして、前記中央空間内の前記磁
界の強度を線形的に増加又は減少させることを有する請
求項40に記載の方法。 - 【請求項42】 前記永久磁石を動かす前記ステップ
が、前記永久磁石を動かして、前記磁界の分布を変えず
に、前記中央空間内の前記磁界の強度を増加又は減少さ
せることを有する請求項40に記載の方法。 - 【請求項43】 前記永久磁石を動かす前記ステップ
が、前記永久磁石の全てを放射状に内側又は外側の方向
へ集合的に動かして、前記中央空間内の前記磁界の強度
をそれぞれ増加又は減少させることを有する請求項40
に記載の方法。 - 【請求項44】 前記永久磁石を動かす前記ステップ
が、前記永久磁石を動かして、磁気中心線を直線的にシ
フトさせることを有する請求項40に記載の方法。 - 【請求項45】 前記永久磁石を動かす前記ステップ
が、前記永久磁石を動かして、前記磁界強度を変えず
に、磁気中心線をシフトさせることを有する請求項40
に記載の方法。 - 【請求項46】 一対の相対する永久磁石が中心角18
0°離れて位置するとともに、前記永久磁石を動かす前
記ステップが、前記一対の相対する永久磁石を一方向に
動かして、磁気中心線を前記方向と同じ方向にシフトさ
せることを有する請求項40に記載の方法。 - 【請求項47】 前記1つ以上の永久磁石に磁気的に接
合されて前記中央空間から磁束を分流させる調整シムを
用意することをさらに有する請求項40に記載の方法。 - 【請求項48】 平行な磁束分流形状にて前記1つ以上
の永久磁石に磁気的に接合される温度補償材料を用意す
ることをさらに有する請求項40に記載の方法。 - 【請求項49】 前記温度補償材料が前記1つ以上の永
久磁石に選択的に取付けられ、それにより前記中央空間
付近の磁界強度が周囲温度の変化に関わらず実質的に一
定に保たれる請求項48に記載の方法。 - 【請求項50】 前記温度補償材料が前記1つ以上の永
久磁石に選択的に取付けられ、それにより磁気中心線が
周囲温度の変化に関わらず実質的に固定された位置に保
たれる請求項48に記載の方法。 - 【請求項51】 複数の電磁式補正コイルを用意するス
テップと、と、前記複数の電磁式補正コイルを選択的に
巻くステップと、前記固定式強磁性磁極に予め定めた起
磁力を供給するために、前記巻かれたコイルを通して選
択的に電流を流すステップと、をさらに有する請求項4
0に記載の方法。 - 【請求項52】 前記中央空間内に発生した前記磁界の
強度を測定するステップをさらに有する請求項40に記
載の方法。 - 【請求項53】 前記1つ以上の永久磁石を直線的に動
かす前記ステップが、前記磁界の前記測定された強度に
基づいて、前記1つ以上の永久磁石を動かすことを有す
る請求項52に記載の方法。
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