以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明を、静止画像の撮影を行うデジタル電子スチルカメラ(以下、「デジタルカメラ」という。)に適用した場合について説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の外観上の構成を説明する。
デジタルカメラ10の正面には、被写体像を結像させるためのレンズ21と、撮影時に必要に応じて被写体に照射する光を発するストロボ44と、撮影する被写体の構図を決定するために用いられるファインダ20と、が備えられている。また、デジタルカメラ10の上面には、撮影を実行する際に押圧操作されるレリーズスイッチ(所謂シャッター)56Aと、電源スイッチ56Bと、モード切替スイッチ56Cと、が備えられている。
なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10のレリーズスイッチ56Aは、中間位置まで押下される状態(以下、「半押し状態」という。)と、当該中間位置を超えた最終押下位置まで押下される状態(以下、「全押し状態」という。)と、の2段階の押圧操作が検出可能に構成されている。
そして、デジタルカメラ10では、レリーズスイッチ56Aを半押し状態にすることによりAE(Automatic Exposure、自動露出)機能が働いて露出状態(シャッタースピード、絞りの状態)が設定された後、AF(Auto Focus、自動合焦)機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態にすると露光(撮影)が行われる。
また、モード切替スイッチ56Cは、撮影を行うモードである撮影モード及び被写体像を後述するLCD38に再生するモードである再生モードの何れかのモードに設定する際に回転操作される。
一方、デジタルカメラ10の背面には、前述のファインダ20の接眼部と、撮影された被写体像やメニュー画面等を表示する液晶ディスプレイ(以下、「LCD」という。)38と、十字カーソルスイッチ56Dと、が備えられている。なお、十字カーソルスイッチ56Dは、LCD38の表示領域における上・下・左・右の4方向の移動方向を示す4つの矢印キーを含んで構成されている。
更に、デジタルカメラ10の背面には、LCD38にメニュー画面を表示させるときに押圧操作されるメニュースイッチと、それまでの操作内容を確定するときに押圧操作される決定スイッチと、直前の操作内容をキャンセルするときに押圧操作されるキャンセルスイッチと、が備えられている。
次に、図2を参照して、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の電気系の要部構成を説明する。
デジタルカメラ10は、前述のレンズ21を含んで構成された光学ユニット22と、レンズ21の光軸後方に配設された電荷結合素子(以下、「CCD」という。)24と、入力されたアナログ信号に対して各種のアナログ信号処理を行うアナログ信号処理部26と、を含んで構成されている。
また、デジタルカメラ10は、入力されたアナログ信号をデジタルデータに変換するアナログ/デジタル変換器(以下、「ADC」という。)28と、入力されたデジタルデータに対して各種のデジタル信号処理を行うデジタル信号処理部30と、を含んで構成されている。
なお、デジタル信号処理部30は、所定容量のラインバッファを内蔵し、入力されたデジタルデータを後述するメモリ48の所定領域に直接記憶させる制御も行う。
CCD24の出力端はアナログ信号処理部26の入力端に、アナログ信号処理部26の出力端はADC28の入力端に、ADC28の出力端はデジタル信号処理部30の入力端に、各々接続されている。従って、CCD24から出力された被写体像を示すアナログ信号はアナログ信号処理部26によって所定のアナログ信号処理が施され、ADC28によってデジタル画像データに変換された後にデジタル信号処理部30に入力される。
一方、デジタルカメラ10は、被写体像やメニュー画面等をLCD38に表示させるための信号を生成してLCD38に供給するLCDインタフェース36と、デジタルカメラ10全体の動作を司るCPU(中央処理装置)40と、撮影により得られたデジタル画像データ等を一時的に記憶するメモリ48と、メモリ48に対するアクセスの制御を行うメモリインタフェース46と、を含んで構成されている。
更に、デジタルカメラ10は、可搬型のメモリカード52をデジタルカメラ10でアクセス可能とするための外部メモリインタフェース50と、デジタル画像データに対する圧縮処理及び伸張処理を行う圧縮・伸張処理回路54と、を含んで構成されている。
なお、本実施の形態のデジタルカメラ10では、メモリ48としてフラッシュ・メモリ(Flash Memory)が用いられ、メモリカード52としてスマートメディア(Smart Media(登録商標))が用いられている。
デジタル信号処理部30、LCDインタフェース36、CPU40、メモリインタフェース46、外部メモリインタフェース50及び圧縮・伸張処理回路54はシステムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU40は、デジタル信号処理部30及び圧縮・伸張処理回路54の作動の制御、LCD38に対するLCDインタフェース36を介した各種情報の表示、メモリ48及びメモリカード52へのメモリインタフェース46ないし外部メモリインタフェース50を介したアクセスを各々行うことができる。
一方、デジタルカメラ10には、主としてCCD24を駆動させるためのタイミング信号を生成してCCD24に供給するタイミングジェネレータ32が備えられており、CCD24の駆動はCPU40によりタイミングジェネレータ32を介して制御される。
更に、デジタルカメラ10にはモータ駆動部34が備えられており、光学ユニット22に備えられた図示しない焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータの駆動もCPU40によりモータ駆動部34を介して制御される。
すなわち、本実施の形態に係るレンズ21は複数枚のレンズを有し、焦点距離の変更(変倍)が可能なズームレンズとして構成されており、図示しないレンズ駆動機構を備えている。このレンズ駆動機構に上記焦点調整モータ、ズームモータ及び絞り駆動モータは含まれるものであり、これらのモータは各々CPU40の制御によりモータ駆動部34から供給された駆動信号によって駆動される。
更に、前述のレリーズスイッチ56A、電源スイッチ56B、モード切替スイッチ56C、十字カーソルスイッチ56D、メニュースイッチ等の各種スイッチ(同図では、「操作部56」と総称。)はCPU40に接続されており、CPU40は、これらの操作部56に対する操作状態を常時把握できる。
また、デジタルカメラ10には、ストロボ44とCPU40との間に介在されると共に、CPU40の制御によりストロボ44を発光させるための電力を充電する充電部42が備えられている。更に、ストロボ44はCPU40にも接続されており、ストロボ44の発光はCPU40によって制御される。
なお、本実施の形態に係るCCD24は、当該CCD24の駆動状態の検査用で、内部回路の温度を検出するための後述する検査用出力端子を有しており、デジタルカメラ10には、当該検査用出力端子に接続されると共に、当該端子の電圧レベルに応じて上記温度を検知しデジタルデータとして出力する温度検知部58が備えられている。そして、温度検知部58の当該デジタルデータを出力する出力端子はCPU40に接続されており、CPU40はCCD24の内部回路の温度を把握することができる。
次に、図3を参照して、本実施の形態に係るCCD24の構成を説明する。
同図に示されるように、CCD24の内部には当該CCD24の本体であるシリコン半導体として構成されたダイ(Die)24Aが設けられている。
ダイ24Aには、当該CCD24の駆動状態の検査用で、かつ内部回路の温度を検出するための検出用回路24Bが設けられている。検出用回路24Bは、所定電圧とされたリファレンス電圧Vrefが一端部に印加される抵抗器24Cと、アノードに抵抗器24Cの他端部が接続され、かつカソードが接地されたダイオード24Dを含んで構成されている。そして、ダイオード24Dのアノードは検査用出力端子24Eに電気的に接続されている。なお、当該検査用出力端子24Eが前述した温度検知部58に接続されることになる。
すなわち、本実施の形態に係る検出用回路24Bは、温度の変化に対するダイオードの電気的特性の変化を利用して、ダイオード24Dのアノード・カソード間電圧の大きさからダイ24Aの温度を測定するものである。なお、図示は省略するが、ダイ24Aには、受光部(撮像部)や当該受光部による撮像によって蓄積された電荷を転送する転送部等が設けられている。
次に、本実施の形態に係るデジタルカメラ10の撮影時における全体的な動作について簡単に説明する。
まず、CCD24は、光学ユニット22を介した撮像を行い、被写体像を示すR(赤)、G(緑)、B(青)毎のアナログ信号をアナログ信号処理部26に順次出力する。アナログ信号処理部26は、CCD24から入力されたアナログ信号に対して相関二重サンプリング処理等のアナログ信号処理を施した後にADC28に順次出力する。
ADC28は、アナログ信号処理部26から入力されたR、G、B毎のアナログ信号を各々12ビットのR、G、Bの信号(デジタル画像データ)に変換してデジタル信号処理部30に順次出力する。デジタル信号処理部30は、内蔵しているラインバッファにADC28から順次入力されるデジタル画像データを蓄積して一旦メモリ48の所定領域に直接格納する。
メモリ48の所定領域に格納されたデジタル画像データは、CPU40による制御に応じてデジタル信号処理部30により読み出され、所定の物理量に応じたR,G,B毎のデジタルゲインをかけることでホワイトバランス調整を行うと共に、ガンマ処理及びシャープネス処理を行って8ビットのデジタル画像データを生成する。
そして、デジタル信号処理部30は、生成した8ビットのデジタル画像データに対しYC信号処理を施して輝度信号Yとクロマ信号Cr、Cb(以下、「YC信号」という。)を生成し、YC信号をメモリ48の上記所定領域とは異なる領域に格納する。
なお、LCD38は、CCD24による連続的な撮像によって得られた動画像(スルー画像)を表示してファインダとして使用することができるものとして構成されており、LCD38をファインダとして使用する場合には、生成したYC信号を、LCDインタフェース36を介して順次LCD38に出力する。これによってLCD38にスルー画像が表示されることになる。
ここで、レリーズスイッチ56Aがユーザによって半押し状態とされたタイミングで前述のようにAE機能が働いて露出状態が設定された後、AF機能が働いて合焦制御され、その後、引き続き全押し状態とされたタイミングで、その時点でメモリ48に格納されているYC信号を、圧縮・伸張処理回路54によって所定の圧縮形式(本実施の形態では、JPEG形式)で圧縮した後に外部メモリインタフェース50を介してメモリカード52に電子化ファイル(画像ファイル)として記録する。
次に、図4を参照して、欠陥画素検出処理を実行する際のデジタルカメラ10の作用を説明する。なお、図4は、デジタルカメラ10の出荷検査時に当該デジタルカメラ10のCPU40によって実行される欠陥画素検出処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムはメモリ48の所定領域に予め記憶されている。
まず、ステップ100では、CCD24に対する駆動用の給電を開始し、次のステップ102では、温度検知部58からCCD24のダイ24Aの温度Tを取得し、次のステップ104にて、温度Tが所定温度Kに達したか否かを判定して、否定判定となった場合は上記ステップ102に戻る一方、肯定判定となった時点でステップ106に移行する。上記ステップ102〜ステップ104の処理により、温度Tが所定温度Kに達するまで待機することになる。なお、本実施の形態に係る欠陥画素検出処理プログラムでは、上記所定温度Kとして、デジタルカメラ10が実際に使用される際のCCD24のダイ24Aにおける最大温度を適用しているが、これに限らず、例えば、CCD24の欠陥画素による撮像画像の画質の劣化が視覚的に把握される最低の温度や、CCD24の欠陥画素を検出することのできる最低の温度等を適用する形態とすることもできる。
ステップ106では、所定期間だけ予め用意されている検査用の画像に対するCCD24による撮像を行うことにより当該CCD24の受光部による電荷蓄積を行い、次のステップ108にて、以上の処理によってCCD24から出力され、最終的にメモリ48に記憶されたデジタル画像データ(YC信号)の輝度信号Yが所定レベル以上である画素を欠陥画素であるものとして検出する。なお、上記所定期間、上記検査用の画像、及び上記所定レベルとしては、以上の処理によって欠陥画素を十分に検出することのできるものとして予め定められたものを適用することができる。
次のステップ110では、上記ステップ108の処理によって検出された欠陥画素の位置を示す位置情報をメモリ48の所定領域に記憶し、次のステップ112にて、上記ステップ100において開始したCCD24に対する給電を停止し、その後に本欠陥画素検出処理プログラムを終了する。
図5には、以上の処理によってメモリ48に記憶される欠陥画素の位置を示す位置情報のデータ構造例が示されている。同図に示されるように、本実施の形態に係る欠陥画素検出処理プログラムでは、上記位置情報として、欠陥画素の水平位置及び垂直位置の各位置を示す座標値を適用しているが、これに限らず、欠陥画素の位置を示すことのできる他の位置情報を適用する形態とすることができることは言うまでもない。
ところで、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、CCD24による露光時間が所定時間(例えば、5秒)以上である長時間露光時と、当該所定時間未満である通常露光時とで画素欠陥補正処理の処理内容が異なるものとされている。
ここで、通常露光時には、上記欠陥画素検出処理プログラムによってメモリ48に記憶された位置情報により示される位置の画素の画素データを、当該画素に隣接し、かつ欠陥画素でない複数の画素の画素データによる線形補間等により導出して適用する画素欠陥補正処理を行う。なお、この技術は従来既知の技術であるので、これ以上のここでの説明は省略する。
次に、図6を参照して、長時間露光時において画素欠陥補正処理を行う際のデジタルカメラ10の作用を説明する。なお、図6は、長時間露光の直後にデジタルカメラ10のCPU40によって実行される画素欠陥補正処理プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、当該プログラムもメモリ48の所定領域に予め記憶されている。
まず、ステップ200では、この時点のCCD24のダイ24Aの温度Tを温度検知部58から取得し、次のステップ202では、上記長時間露光時におけるCCD24の電荷蓄積時間T1と上記ステップ200の処理によって取得された温度Tに基づいて、補正用露光時間T2を導出する。
なお、補正用露光時間T2は、本画素欠陥補正処理プログラムの実行直前に行われた長時間露光による撮影によって得られた被写体像を示すデジタル画像データにおける欠陥画素の画素データを補正するための補正用画素データを、当該長時間露光時と同一の温度となる条件下で得るためのものである。
すなわち、一例として図7に示すように、CCD24の露光時間(電荷蓄積時間)とダイ24Aの温度との関係はCCD24の電気的特性やデジタルカメラ10の仕様等によって一義的に定められるため、当該関係に基づいて電荷蓄積時間T1と現時点の温度Tから補正用露光時間T2を導出することができる。なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10では、電荷蓄積時間T1及び温度Tを入力として補正用露光時間T2を出力とするルックアップテーブルを予め用意しておき、当該ルックアップテーブルに電荷蓄積時間T1及び温度Tを入力することにより補正用露光時間T2を導出するものとしているが、これに限らず、電荷蓄積時間T1及び温度Tを入力として補正用露光時間T2を出力とする関数を用意しておき、これに電荷蓄積時間T1及び温度Tを入力することによって導出する形態等とすることもできる。
次のステップ204では、光学ユニット22に備えられた絞りを閉じることにより遮光し、次のステップ206にて、CCD24による露光動作を開始させた後、次のステップ208にて、補正用露光時間T2の経過待ちを行う。以上の処理により、CCD24のダイ24Aの温度を長時間露光時の温度と略同一とすることができる。
そこで、次のステップ210では、上記ステップ206にて開始した露光動作を終了し、次のステップ212にて、上記欠陥画素検出処理プログラムによって記憶された位置情報をメモリ48から読み出した後、次のステップ214にて、読み出した位置情報と、この時点でメモリ48に記憶されているデジタル画像データ(YC信号)に基づいて、本画素欠陥補正処理プログラムの実行直前に行われた長時間露光による撮影によって得られた被写体像を示すデジタル画像データに対する画素欠陥補正を行う。
なお、本実施の形態に係る画素欠陥補正処理プログラムでは、上記画素欠陥補正を、上記長時間露光による撮影によって得られたデジタル画像データから、この時点でメモリ48に記憶されているデジタル画像データを減算することを、上記ステップ212において読み出した位置情報によって示される位置の画素について行うことにより行う。
そして、以上のような画素欠陥補正が終了すると本画素欠陥補正処理プログラムを終了する。
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、駆動状態の検査用で、かつ内部回路の温度を検出するための電子素子(ここでは、ダイオード24D)が内蔵された固体撮像素子(ここでは、CCD24)を有すると共に、前記電子素子によって検出された前記温度が所定温度以上である場合に前記固体撮像素子によって得られた画像情報に基づいて当該固体撮像素子の欠陥画素を検出し、検出した欠陥画素の位置を示す位置情報を記憶しているので、コストの上昇や装置の大型化を招くことなく、高精度に欠陥画素を検出することができる。
また、本実施の形態では、前記記憶した位置情報によって示される位置の画素の画素情報に対する欠陥画素補正を行っているので、的確に欠陥画素補正を行うことができる。
特に、本実施の形態では、撮影時における前記固体撮像素子の露光時間が所定時間以上である場合に、当該撮影時の前記固体撮像素子の温度と同一の温度となる期間だけ遮光した状態にて前記固体撮像素子による露光動作を行い、これによって得られた画像情報を前記撮影によって得られた画像情報から減算することを、前記位置情報によって示される位置の画素について行うことにより前記欠陥画素補正を行っているので、欠陥画素自身により撮像された画像(画素)を示す画素情報を用いて当該欠陥画素に対する補正を行う結果、従来既知の周辺画素の画素情報を用いて線形補間等を行うことにより補正を行う場合に比較して、より高精度な欠陥画素補正を行うことができる。
なお、本実施の形態では、電荷蓄積時間T1及び温度Tに基づいて補正用露光時間T2を導出し、補正用露光時間T2だけCCD24の露光動作を行うことにより、長時間露光時の温度と同一温度とされた状態での補正用画素データを得る場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、電荷蓄積時間T1と当該電荷蓄積時間T1による露光時のCCD24のダイ24Aの温度Sとの関係はCCD24の電気的特性やデジタルカメラ10の仕様等によって一義的に定められるため、電荷蓄積時間T1から温度Sを導出した後、補正用露光の開始後に温度検知部58を介して検出される温度が温度Sに達するまで待機し、その後に補正用画素データを得る形態とすることもできる。この場合も、本実施の形態と同様の効果を奏することができる。
[第2の実施の形態]
本第2の実施の形態では、固体撮像素子にダイの温度を示す情報を無線にて送信する機能を設けた場合の形態例について説明する。
まず、図8を参照して、本第2の実施の形態に係るCCD24’の構成を説明する。なお、同図における図3と同一の構成要素には図3と同一の符号を付して、その説明を省略する。
同図に示されるように、本第2の実施の形態に係るCCD24’は、ダイ24Aに対して温度検知部58と同様の構成とされた温度検知部24Fと、予め定められた通信規格にて無線送信を行うことのできる無線送信部24Gとが新たに設けられると共に、検査用出力端子24Eがなくなっている点が上記第1の実施の形態に係るCCD24と異なっている。
温度検知部24Fの入力端は検出用回路24Bにおけるダイオード24Dのアノードに接続されており、温度検知部24Fの出力端は無線送信部24Gの入力端に接続されている。従って、無線送信部24Gには、ダイ24Aの温度を示すデジタルデータが温度検知部24Fから入力されることになる。そして、無線送信部24Gでは、温度検知部24Fから入力されたデジタルデータにより示される温度を無線信号として送信する。
一方、図9には、本第2の実施の形態に係るデジタルカメラ10’の電気系の要部構成が示されている。なお、同図における図2と同一の構成要素には図2と同一の符号を付して、その説明を省略する。
同図に示されるように、本第2の実施の形態に係るデジタルカメラ10’は、温度検知部58が設けられていない点、及びCPU40に接続された無線受信部60が新たに設けられている点のみが上記第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10と異なっている。
ここで、無線受信部60は、無線送信部24Gによって送信された情報を受信することができるものとして構成されている。従って、CPU40は、温度検知部24Fによって検出されたCCD24’のダイ24Aの温度を、無線受信部60を介して把握することができる。
なお、本実施の形態に係るデジタルカメラ10’の作用は、CCDのダイの温度の取得先が温度検知部58に代えて無線受信部60になる点を除いて上記第1の実施の形態に係るデジタルカメラ10と同様であるので、ここでの説明は省略する。
以上詳細に説明したように、本実施の形態では、上記第1の実施の形態と同様の効果を奏することができると共に、固体撮像素子(ここでは、CCD24’)に、電子素子(ここでは、ダイオード24D)によって検出された温度を示す情報を無線で送信する送信手段(ここでは、無線送信部24G)を設け、前記送信手段によって送信された情報を受信する受信手段(ここでは、無線受信部60)を更に備えると共に、前記受信手段によって受信された情報により示される温度が所定温度以上である場合に前記固体撮像素子の欠陥画素を検出するものとしているので、固体撮像素子の配置位置の制限を緩和することができ、利便性を向上させることができる。
なお、上記各実施の形態では、本発明の電子素子としてダイオードを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、トランジスタを適用する形態とすることもできる。この場合、温度の変化に対するトランジスタの電気的特性の変化を利用して温度を検出することになる。この場合も、上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
また、上記各実施の形態では、本発明の固体撮像素子としてCCDを適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、CMOSイメージ・センサを適用する形態とすることもできる。この場合も、上記各実施の形態と同様の効果を奏することができる。
その他、上記各実施の形態に係るデジタルカメラ10、10’の構成(図1,図2,図9参照。)は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
また、上記各実施の形態に係るCCD24、24’の構成(図3,図8参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
また、上記各実施の形態において説明した各種処理プログラムの処理の流れ(図4,図6参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において、各ステップの処理順序の変更、不要なステップの削除、新たなステップの追加等を行うことができることは言うまでもない。
更に、上記各実施の形態では、本発明をデジタルカメラに適用した場合について説明したが、本発明は、PDA、携帯電話機等、固体撮像素子による撮影機能を有する情報機器であれば如何なるものにでも適用できることは言うまでもない。