JP2007096202A - 集積回路及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】Al配線の層間絶縁膜であるシリコン窒化膜を用いてマイクロレンズアレイを形成する集積回路において、Al配線のストレスマイグレーション及びレンズ形状の崩れを防止する。
【解決手段】半導体基板20の上に第1層の配線26と第2層の配線28との層間絶縁膜としてシリコン窒化膜42を形成する。撮像部24にはシリコン窒化膜42の表面をレンズ形状として凸レンズ44が密集配置されたレンズアレイが形成される。このシリコン窒化膜42の表面にシリコン酸化膜48を成膜する。第2層のAl膜はシリコン酸化膜48の表面に形成する。Al膜は、レンズアレイ表面等、不要部分からエッチング除去され、配線28が形成される。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロレンズを備えた集積回路に関し、特にレンズアレイ及び配線の形成に関する。
近年、CCD(Charge Coupled Device)撮像素子やCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)撮像素子は高画素化が求められている。特に、携帯電話などのモバイル機器にて用いられる小型の撮像装置で求められるように、撮像素子を小型に保ちつつ、又はより小型化を図りつつ、高画素の撮像素子を実現するためには、単位画素の面積を小さくする必要がある。
この単位画素の面積縮小に伴い単位画素内の受光部の面積も縮小し、撮像素子の感度は低下する。この問題への対策として、撮像装置の個々の受光画素に対応してマイクロレンズを形成する構成が知られている。マイクロレンズを形成することで、受光部の面積より広い領域の光を当該受光部に集光させて情報電荷を生成することができるので、撮像装置の感度低下を抑制することができる。
マイクロレンズの形成方法として、撮像素子の配線形成後に積層される透明樹脂層を用いて形成する方法の他に、配線形成を完了する前に例えば、層間絶縁膜を用いて形成する方法がある。図5は、この後者の方法で形成された固体撮像素子の模式的な断面図である。シリコン半導体基板2には受光部が形成され、この半導体基板2の表面にシリコン酸化膜4が形成される。このシリコン酸化膜4の上に、第1の配線層(配線膜)を形成するアルミニウム(Al)等の金属膜が形成される。この配線層をパターニングして第1層配線6を形成した後、透明の層間絶縁膜8が積層される。
この層間絶縁膜8は、酸化シリコン(SiO)より光の屈折率が大きい窒化シリコン(Si)で形成される。撮像素子の撮像部には層間絶縁膜8の表面に複数の凸部10が形成され、これらがそれぞれレンズアレイの凸レンズを構成する。また、層間絶縁膜8は、配線が形成される回路領域においては、第1層配線6の上に形成される第2層配線12との間に配置され、両配線間の絶縁を実現する。第2層配線12を形成するための金属からなる配線膜は、回路領域だけでなく、レンズアレイが形成された撮像部にも成膜される。第2層配線12は、この配線膜をパターニングして不要部分をエッチング除去して形成される。第2層配線12の形成後、撮像素子の表面には樹脂等からなる平坦化膜16や、さらにその上にカラーフィルタ(図示せず)が形成される。
ここで、平坦化膜を構成する樹脂の屈折率は窒化シリコンより小さく、この屈折率の違いにより、窒化シリコンで形成された各凸部10は、その表面にて撮像部に入射した光を屈折させて、それぞれ対応する受光部に向けて集光するレンズ機能を発揮する。このようにして、撮像素子の撮像部には、半導体基板2上の受光部の配列に対応して当該凸レンズ構造が配列され、レンズアレイが形成される。ここで集光効率を高めるために、各レンズの面積はできるだけ大きくすることが好ましい。そこで、レンズアレイは、隣り合うレンズ同士ができるだけ近接するように密集配置される。
なお、図5では、第2層配線12の形成後、平坦化膜16の形成に先立って、素子の表面に比較的薄いシリコン窒化膜14を形成する構成を示している。この場合には、層間絶縁膜8とシリコン窒化膜14とが一体となって凸レンズを構成する。
シリコン窒化膜に接して形成された配線は、素子形成時や経時変化により断線等の欠陥を比較的生じやすいという問題がある。これは、シリコン窒化膜の熱膨張係数が比較的大きい等の理由により、配線に対して機械的な応力のサイクルが作用しストレスマイグレーションが起こりやすいためであると考えられている。特に、このストレスマイグレーションはAl配線で起こりやすい。さらに、密集配置されたレンズアレイにおいては、シリコン窒化膜の上に成膜された配線膜のパターニングにおいて凸部10のレンズ形状が崩れやすいという問題があった。具体的には、レンズアレイを構成する層間絶縁膜8の表面には、近接した凸レンズの境界に、レンズの凸面同士に挟まれて狭い谷状の溝18、例えばV字型の溝が形成され、この上に成膜される配線膜をパターニングする際のエッチングで、当該溝18に配線膜が残りやすい。ここで、シリコン窒化膜はエッチング方法によっては比較的浸食されやすい場合があり、そのため、溝18の配線膜を好適に取り除くためにエッチングを多めにすると、シリコン窒化膜にもエッチングされる部分が生じる。その結果、レンズ形状が変化し、集光率が低下する等の不都合を生じ得る。これらの問題は、レンズアレイを形成する層間絶縁膜が純粋なシリコン窒化膜である場合に限られず、例えば、窒化シリコンと酸化シリコンとが混合されたシリコンオキシナイトライドであっても起こり得るし、屈折率が大きくレンズを形成し得る一方で熱膨張率や配線膜のエッチングに対するエッチングレートも大きいという性質を有する他の材料を層間絶縁膜に用いた場合にも起こり得る。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、固体撮像素子等の集積回路において、レンズアレイ及び配線の双方を簡易な構成で好適に形成することを目的とする。
本発明に係る集積回路は、基板上に、レンズアレイが形成されるレンズ領域と配線膜をパターニングして配線が形成される回路領域とが併設される集積回路において、前記レンズ領域及び前記回路領域に積層され、前記レンズ領域では表面がそれぞれ凸面又は凹面である複数のレンズを構成する第1の透明絶縁膜と、前記第1の透明絶縁膜の表面に積層される第2の透明絶縁膜と、を有し、前記レンズアレイにて隣り合う前記レンズは密集配置され、前記配線膜が、前記第2の透明絶縁膜の表面に積層され、前記第2の透明絶縁膜が、前記第1の透明絶縁膜より酸化シリコンの含有率が高く、かつ前記配線膜のパターニングにおけるエッチングに対し前記第1の透明絶縁膜よりエッチングレートが低いものである。
他の本発明に係る集積回路においては、前記レンズアレイにて隣り合う前記レンズが、互いの前記凸面又は凹面の縁を接するように密集配置される。
本発明の好適な態様は、前記基板が、半導体基板であり、前記レンズ領域が、前記レンズ毎に、受光量に応じた信号電荷を生じる受光画素が前記半導体基板に形成された撮像部を構成する集積回路である。
本発明に係る集積回路の製造方法は、基板上に、レンズアレイが形成されるレンズ領域と配線膜をパターニングして配線が形成される回路領域とが併設される集積回路の製造方法であって、前記レンズ領域及び前記回路領域に第1の透明絶縁膜を積層する工程と、前記レンズ領域に積層された前記第1の透明絶縁膜の表面に凹凸を形成し、複数のレンズが密集配置された前記レンズアレイを形成する工程と、前記レンズ領域及び前記回路領域の第1の透明絶縁膜の表面に第2の透明絶縁膜を積層する工程と、前記配線膜を前記第2の透明絶縁膜の表面に積層する工程と、少なくとも前記レンズ領域を含む不要領域の前記配線膜をエッチング除去し、前記配線を形成する工程と、を有し、前記第2の透明絶縁膜が、前記第1の透明絶縁膜より酸化シリコンの含有率が高く、かつ前記配線膜の前記エッチングに対し前記第1の透明絶縁膜よりエッチングレートが低い材料で形成される。
本発明によれば、レンズの凹凸が形成される第1の透明絶縁膜の表面に、酸化シリコンを含有する第2の透明絶縁膜が形成される。配線膜はこの第2の透明絶縁膜の表面に形成され、パターニングされる。酸化シリコンの屈折率は従来、第1の透明絶縁膜の表面に接して配置されていた平坦化膜の屈折率に近く、よって、基本的に第1の透明絶縁膜より酸化シリコンの含有率が高い第2の透明絶縁膜の方が屈折率が小さくなる。そのため、第2の透明絶縁膜に形成された凸レンズの集光機能を損なわない。さらに、酸化シリコンは、熱膨張率が比較的小さいと共に、一般的な配線材料のエッチングに対するエッチングレートも比較的小さい。よって、第2の透明絶縁膜は、その上に形成される配線のストレスマイグレーションを抑制し得ると共に、凸レンズの境界が接したV字型の溝部に残りがちな配線膜を除去するためにオーバーエッチングしても、凸レンズの形状の崩れを抑制し得る。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る固体撮像素子の断面構造を説明する模式図である。この図においてシリコン半導体基板20には、当該半導体基板20の表面に複数の受光部22が配列された撮像部24と、撮像部24の外側であって配線26,28が配置される回路領域30と設けられている。
半導体基板20の表面には、熱酸化等のプロセスによりシリコン酸化膜40が形成される。なお、撮像部24及び回路領域30それぞれのシリコン酸化膜40を別工程で形成し、撮像部24ではシリコン酸化膜40を薄いゲート酸化膜、回路領域30ではシリコン酸化膜40を厚い局所酸化膜(LOCOS)とすることができる。
回路領域30においては、シリコン酸化膜40の表面上に第1の配線層からなる配線26が形成される。配線26と、さらにその上層にて形成される第2の配線層からなる配線28との間を絶縁する層間絶縁膜として、配線26,28相互間にシリコン窒化膜42が形成される。
シリコン窒化膜42は撮像部24にも積層される。シリコン窒化膜42は透明であり、かつ屈折率がシリコン酸化膜や、平坦化膜を構成する樹脂に比べて大きく、撮像部24においてはレンズアレイを構成する。撮像部24上のシリコン窒化膜42は、表面に凹凸が形成され、凸部は、表面が基本的に上向きに凸の曲面に形成され、凸レンズ44を構成し、凹部は、凸レンズ44が互いに隣接する境界におおむねV字型の溝46に形成される。凸レンズ44は各受光部22の上方に配置され、外部から撮像部24へ入射する光を受光部22に集光する働きを有する。
シリコン窒化膜42の表面には、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などによりシリコン酸化膜48が積層される。シリコン酸化膜48は配線26,28の相互間の層間絶縁膜の一部を構成し、このシリコン酸化膜48の表面上に配線28が形成される。
配線28の形成後、素子表面の凹凸を平坦化するためにシリコン酸化膜等からなる平坦化膜50が積層され、さらに必要に応じてカラーフィルタアレイ(図示せず)が積層される。
次の本固体撮像素子の上述の構成の製造方法を説明する。図2〜図4は、その製造方法の主要な工程での固体撮像素子の断面構造を示す模式図である。ここでは、半導体基板20に周知の製造方法で受光部22が形成され、さらにシリコン酸化膜40が積層された状態(図2(a))、以降の工程を説明する。シリコン酸化膜40の表面には第1の配線層として、例えば、Al膜60がPVD(Physical Vapor Deposition)法などにより成長される。Al膜60の上にはレジストが塗布され、当該レジスト膜はフォトマスクを用いた露光及び現像工程により配線26に応じた形状に加工される。このレジスト膜をマスクとしてAl膜60のエッチングが行われ、回路領域30の上に配線26が形成される(図2(b))。なお、レジスト膜はAl膜60のエッチング終了後、除去される。
配線26の形成後、第1のシリコン窒化膜62を形成する(図2(c))。この第1のシリコン窒化膜62は、CVD法やPVD法などの各種成膜技術を用いて形成することができる。シリコン窒化膜62の表面上には、上述のAl膜60に対する場合と同様の技術によりパターニングされたレジスト膜が形成される。レジスト膜は各受光部22に対応する位置及び回路領域30に残される。この残されたレジスト膜をマスクとして、シリコン窒化膜62に対してエッチングが施され、受光部22毎に凸部64が形成される。ここで、エッチングはドライエッチングであってもよいしウェットエッチングであってもよい。このエッチングで形成されるシリコン窒化膜62の凸部64が後の工程により、撮像部24のレンズアレイにおける凸レンズ形状の基礎となる。よって、シリコン窒化膜62のエッチング量は必要とする凸レンズの高さに応じて決定される。図2(d)には、ドライエッチングプロセスにより半導体基板20の表面に対してほぼ垂直方向にシリコン窒化膜62をエッチングした例を示しているが、ウェットエッチングプロセスによって凸部64をテーパー状に形成することもできる。
凸部64の平面形状は所望の凸レンズの平面形状に応じて定めることができる。できるだけレンズ面積を大きくして集光効率を高める観点からは、レンズの平面形状は単位画素の形状に相似とすることが好適であり、これに伴い、凸部64の平面形状も受光画素の形状に応じて決定することができる。例えば、受光画素が長方形の場合は直方体の凸部64を形成することが好適である。
撮像部24に凸部64を形成した後、シリコン窒化膜62の表面上に第2のシリコン窒化膜66を形成する(図3(a))。第2のシリコン窒化膜66は、CVD法を用いて、凸部64の形成された撮像部24、及び回路領域30の第1のシリコン窒化膜62の露出された表面に対しておよそ均一の膜厚で形成される。第2のシリコン窒化膜66の形成には、CVD法以外にも、露出された表面に対しておよそ均一の膜厚で形成することが可能な成膜方法であれば適用することができる。
凸部64は、第2のシリコン窒化膜66を被着され、一回り大きな凸部68を形成する。この凸部68を有する第2のシリコン窒化膜66に対して、ガスイオンを照射する。このガスイオンの照射は凸部68の角部を削り落とす目的で実施される。ここで、ガスイオンは不活性ガスイオンであることが好ましく、不活性ガスイオンとしてアルゴンイオンを用いることができるが、他の不活性ガスイオンを照射してもよい。アルゴンイオンを照射する場合、アルゴンイオンプラズマを生成し、生成されたプラズマに電界を掛けることにより第2のシリコン窒化膜66にアルゴンイオンを照射(衝突)させる。このとき、アルゴンイオンの運動エネルギーは、第2のシリコン窒化膜66の表面原子または分子の結合を切断し、かつ照射方向の他の原子または分子との再結合を許容するよう(表面原子又は分子が凸部68の近傍のみに移動するよう)、その大きさが調整される。
アルゴンイオンが照射された後のシリコン窒化膜62,66からなる光透過膜は、図3(b)に示すように、第2のシリコン窒化膜66の凸部68の角部が削り落とされ、その削り落とされた部分が凸部68の周辺部分に移動する。こうして、凸部64上の第2のシリコン窒化膜66の表面に曲部が形成され、第1及び第2のシリコン窒化膜62,66が一体となって凸レンズ44を構成する。この第2のシリコン窒化膜66を形成した上でガスイオンを照射する工程によって、凸部68相互間の溝の部分まで拡大した凸レンズ44の曲面が形成され、受光面の広いレンズを効率よく形成することができる。
ちなみに、第1のシリコン窒化膜62の凸部64の間隔は、それを形成する際のエッチングに対しマスクとされるレジストパターンの間隔に応じて制限される。このレジストパターンの間隔はフォトリソグラフィ技術による制約を受け、それを小さくすることには限界がある。そのため、凸部64に対してガスイオンを照射して角を削りレンズ面積を拡大させても、隣り合うレンズ同士が境界を接するように、凸部64の間隔を小さく設定することは必ずしも可能ではない。これに対して、本構成では第2のシリコン窒化膜66で凸部64を覆って、より大きな凸部68を形成することで、凸部68の間隔を凸部64の間隔より狭めることができ、隣り合うレンズ同士が境界を接し密集配置されたレンズアレイを形成することが容易となる。
ここで示す製造方法では、図1に示した構造のシリコン窒化膜42が2層のシリコン窒化膜62,66を積層して構成され、それらシリコン窒化膜62,66を用いて撮像部24に複数の凸レンズが密集配置されたレンズアレイが形成される(図3(b))。このレンズ形状の形成後、シリコン窒化膜66の表面上にシリコン酸化膜48を形成する(図3(c))。
シリコン酸化膜48の表面上に第2の配線層として、例えば、Al膜70がPVD法などにより成長される。Al膜70の上にはレジストが塗布され、フォトマスクを用いた露光及び現像工程により、形成しようとする配線28に応じた形状のレジスト膜72が形成される(図4(a))。このレジスト膜72をマスクとしてAl膜70のエッチングが行われ、回路領域30においてシリコン酸化膜48の表面に配線28が形成される(図4(b))。
Al等の配線層のエッチング方法としてはウェットエッチング及びドライエッチングのいずれも可能であるが、配線の微細化に伴い、現在では、ウェットエッチングより加工精度が高いドライエッチングが主に用いられる。本製造方法においても、配線26,28のパターニングをドライエッチングにて行う。ここで、ドライエッチングのエッチングレートは、概してシリコン窒化膜よりシリコン酸化膜の方が小さくなる。例えば、プラズマエッチングでは、ガス組成や種類、条件等を変えても、シリコン窒化膜よりシリコン酸化膜の方がエッチングレートが小さくなるという関係が基本的に成り立つことが知られている。またケミカルドライエッチングにおいても同様の関係が成り立つことが知られている。本固体撮像素子では、シリコン窒化膜42の表面にシリコン酸化膜48を形成することで、Al膜70のエッチング除去時に撮像部24の凸レンズ44がエッチングされて形状が崩れることが防止される。
Al膜70のエッチング終了後、その表面のレジストを除去した上で、平坦化膜50が積層され(図4(c))、本固体撮像素子の基本的な構造ができ上がる。ここで、平坦化膜50の屈折率は従来同様、シリコン窒化膜42より小さく、またシリコン酸化膜48の屈折率も平坦化膜50に近い値でありシリコン窒化膜42より小さい。そのため、外部から半導体基板20の表面へ向けて入射する光は、凸レンズ44の表面にて屈折して、受光部22に向けて集光する。すなわち、シリコン酸化膜48は、凸レンズ44の集光機能を損なわない。
本固体撮像素子では、シリコン窒化膜42で凸レンズ44を形成し、その表面をシリコン酸化膜48で覆う。このシリコン酸化膜48は、シリコン窒化膜42に起因する配線28のストレスマイグレーションを防止するために、シリコン窒化膜42と配線28との間に形成するシリコン酸化膜と共通である。すなわち、回路領域30における配線28のストレスマイグレーション防止のためのシリコン酸化膜と撮像部24における凸レンズ44の形状保護のためのシリコン酸化膜とを同一工程で形成することができる。
ここでは、シリコン窒化膜42の上に積層する膜はシリコン酸化膜48としたが、酸化シリコンに加えて他の成分を含む材料で形成しても良い。またシリコン窒化膜42に代えて、窒化シリコンに加えて他の成分を含む材料の膜で凸レンズ44及び配線26,28の層間絶縁膜を形成しても良い。例えば、シリコン窒化膜42、シリコン酸化膜48をそれぞれシリコンオキシナイトライドとすることができ、その場合、シリコン窒化膜42に代わる下層膜における窒化シリコンの含有率をシリコン酸化膜48に代わる上層膜よりも大きくし、また、上層膜における酸化シリコンの含有率を下層膜よりも大きくすることで、上述の配線28のストレスマイグレーションの防止と、凸レンズ44の形状保護及び集光機能確保とを図ることが可能である。また、シリコン窒化膜42等で形成され密集配置されるレンズの形状は凸レンズに限られず、凹レンズとしてもよい。この場合にも、レンズアレイ部分では、表面の凹凸に起因して、配線を形成するためのAl膜のエッチングの進行にばらつきが生じ得る。そのため、シリコン窒化膜42等のレンズ形成膜の表面に、シリコン酸化膜48等の比較的エッチングレートが低い膜を積層することで、レンズ形状のくずれが防止される。
上述の本発明の実施形態は固体撮像素子であったが、本発明は、マイクロレンズアレイを備える他の集積回路、例えば、表示装置等に用いることもできる。
本発明の実施形態に係る固体撮像素子の断面構造を説明する模式図である。 本発明の実施形態に係る固体撮像素子の主要な製造工程での断面構造を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る固体撮像素子の主要な製造工程での断面構造を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る固体撮像素子の主要な製造工程での断面構造を示す模式図である。 最上層の配線の形成前にレンズアレイが形成される固体撮像素子の模式的な断面図である。
符号の説明
20 半導体基板、22 受光部、24 撮像部、26,28 配線、30 回路領域、40,48 シリコン酸化膜、42,62,66 シリコン窒化膜、44 凸レンズ、46 溝、50 平坦化膜、60,70 Al膜、62 層間絶縁膜、64,68 凸部、72 レジスト膜。

Claims (7)

  1. 基板上に、レンズアレイが形成されるレンズ領域と配線膜をパターニングして配線が形成される回路領域とが併設される集積回路において、
    前記レンズ領域及び前記回路領域に積層され、前記レンズ領域では表面がそれぞれ凸面又は凹面である複数のレンズを構成する第1の透明絶縁膜と、
    前記第1の透明絶縁膜の表面に積層される第2の透明絶縁膜と、
    を有し、
    前記レンズアレイにて隣り合う前記レンズは、密集配置され、
    前記配線膜は、前記第2の透明絶縁膜の表面に積層され、
    前記第2の透明絶縁膜は、前記第1の透明絶縁膜より酸化シリコンの含有率が高く、かつ前記配線膜のパターニングにおけるエッチングに対し前記第1の透明絶縁膜よりエッチングレートが低いこと、
    を特徴とする集積回路。
  2. 請求項1に記載の集積回路において、
    前記レンズアレイにて隣り合う前記レンズは、互いの前記凸面又は凹面の縁を接するように密集配置されること、を特徴とする集積回路。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の集積回路において、
    前記第1の透明絶縁膜は、前記第2の透明絶縁膜より窒化シリコンの含有率が高いこと、を特徴とする集積回路。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の集積回路において、
    前記第1の透明絶縁膜は、シリコン窒化膜であり、
    前記第2の透明絶縁膜は、シリコン酸化膜であること、
    を特徴とする集積回路。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の集積回路において、
    前記配線膜はアルミニウム膜であること、を特徴とする集積回路。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の集積回路において、
    前記基板は、半導体基板であり、
    前記レンズ領域は、前記レンズ毎に、受光量に応じた信号電荷を生じる受光画素が前記半導体基板に形成された撮像部を構成すること、
    を特徴とする集積回路。
  7. 基板上に、レンズアレイが形成されるレンズ領域と配線膜をパターニングして配線が形成される回路領域とが併設される集積回路の製造方法において、
    前記レンズ領域及び前記回路領域に第1の透明絶縁膜を積層する工程と、
    前記レンズ領域に積層された前記第1の透明絶縁膜の表面に凹凸を形成し、複数のレンズが密集配置された前記レンズアレイを形成する工程と、
    前記レンズ領域及び前記回路領域の第1の透明絶縁膜の表面に第2の透明絶縁膜を積層する工程と、
    前記配線膜を前記第2の透明絶縁膜の表面に積層する工程と、
    少なくとも前記レンズ領域を含む不要領域の前記配線膜をエッチング除去し、前記配線を形成する工程と、
    を有し、
    前記第2の透明絶縁膜は、前記第1の透明絶縁膜より酸化シリコンの含有率が高く、かつ前記配線膜の前記エッチングに対し前記第1の透明絶縁膜よりエッチングレートが低い材料で形成されること、
    を特徴とする集積回路の製造方法。
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