JP2007095798A - 精密機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 衝撃によって破損しやすい部品群を保護して耐衝撃性を向上すると共に精密機器を小型化、薄型化し、また設計の自由度を損なわない精密機器を提供する。
【解決手段】 支持部材1と部品群2とは、締結部材3により締結してあり、支持部材1(支持面1a)と部品群2と間には第1緩衝材4が配置してある。締結部材3は、押さえ部3aと連結部3bを有し、連結部3bを部品群2に挿入して連結することにより部品群2と支持部材1とを締結する。押さえ部3aは、支持部材1を押圧するように連結部3bより広い面積の押圧面3asを有し、押さえ部3aと支持部材1の間で第2緩衝材5を押圧挟持するように締結されている。
【選択図】 図1
【解決手段】 支持部材1と部品群2とは、締結部材3により締結してあり、支持部材1(支持面1a)と部品群2と間には第1緩衝材4が配置してある。締結部材3は、押さえ部3aと連結部3bを有し、連結部3bを部品群2に挿入して連結することにより部品群2と支持部材1とを締結する。押さえ部3aは、支持部材1を押圧するように連結部3bより広い面積の押圧面3asを有し、押さえ部3aと支持部材1の間で第2緩衝材5を押圧挟持するように締結されている。
【選択図】 図1
Description
本発明は、締結部材により部品群を支持部材に締結する構造を有する精密機器に関する。
近年、携帯電話機やデジタルスチルカメラなどの小型化、軽量化した携帯機器(携帯型の精密機器)が広く普及している。このような精密機器は、使用者が誤って落下させた場合など、落下時の衝突に伴う衝撃によって精密機器内部の部品が破損する恐れがあることから、厳しい耐落下特性(耐衝撃性)が求められている。
例えば、特に広く普及している精密機器として、撮像装置を搭載した携帯電話装置がある。撮像装置内部の固体撮像素子や光学部品は、撮像装置の筐体やその他の機構部品に比べて耐衝撃性が弱いことから、落下時の衝突による衝撃が作用した場合に破損しやすい。
落下時の衝突による破損を防ぐ手法として、粘弾性物質などの緩衝材を介して精密機器内部の部品を支持する手法が知られている。
図7は、従来例1に係る精密機器の概略構成を模式的に示す断面図である。従来例1のような技術は、例えば特許文献1に開示されている。
精密機器としての携帯電話装置110は、上下に対向して配置された第1筐体121、第2筐体122で外形を構成し、内部に実装基板140、実装基板140に搭載された電子部品142を備える。また、携帯電話装置110は、カメラ機能を有することから、カメラモジュール130、カメラモジュール130の実装基板を構成するモジュール基板132を備える。カメラモジュール130は、耐衝撃性を向上させるために緩衝材133、134を介して第1筐体121、第2筐体122により挟持される構成としてある。
このように構成された携帯電話装置110においては、撮像装置としてのカメラモジュール130が第1筐体121及び第2筐体122から緩衝材133、134を介して支持されていることから、携帯電話装置110が床などに落下した場合、車両運搬時などに衝撃や振動が作用した場合であっても、その衝撃などは緩和された状態で伝達されるので、カメラモジュール130内部の衝撃に弱い部品(例えば、焦点調整用レンズまたはズーム用レンズを駆動するための静電アクチュエータなど)が破損し難い特性を有する。
従来例1では、対向する2つの支持面としての第1筐体121、第2筐体122の間に部品群としてのカメラモジュール130を配置し、カメラモジュール130と第1筐体121、第2筐体122の間に緩衝材133、134を配置しなければ、両方向からの衝撃を吸収することができない。また、対向する支持面の両方(第1筐体121、第2筐体122)に緩衝材133、134を保持、固定する機構を設ける必要があり、全体の形状が大きくなるという問題がある。
したがって、緩衝材133、134の配置によって、携帯電話装置110全体の設計が影響を受けることとなり、小型化、薄型化、軽量化が要請される携帯型の精密機器には、このような構成の緩衝材133、134を用いることは好ましいことではない。
また、従来例1に開示された技術を精密機器(携帯機器)に適用した場合、精密機器内部での衝撃に弱い撮像装置などの部品群に伝達される衝撃を緩和するためには、部品群を対向する2つの支持面によって支持しなければ実用上の効果は得られないことから、部品群を緩衝材によって全体的に挟持する必要がある。
しかしながら、緩衝材は圧縮される(部品群と部品群を支持する支持面とが近づく)方向に作用する衝撃には効果があるが、緩衝材が伸びる(部品群と部品群を支持する支持面とが離れる)方向への衝撃に対しては、緩衝材と保護する部品とが接着されていない限り効果は得られない。この対策として接着材などにより部品群と支持面とを接着しても、接着材は落下衝撃に対し剥離しやすいため、破損する可能性がある。
したがって、部品群を対向する2つの支持面により挟持し、2つの支持面と部品群との間に緩衝材を介挿しなければならない。また、落下時衝突は、任意の方向から作用しうることから、任意の方向から作用する衝撃を吸収するためには、少なくとも3組の支持面、すなわち6つの支持面によって部品群を支持し、部品群全体を緩衝材で覆わなければならない。また、撮像装置全体を緩衝材で保護しようとすると、撮像装置全体の質量に作用する衝撃を吸収する必要があるため、緩衝材の厚みを大きくしなければ、緩衝材の底突きが発生し、十分に衝撃を吸収できない。
つまり、部品群全体を緩衝材で覆うことから、緩衝材の厚みを考慮して精密機器を設計する必要が生じるため、精密機器(携帯機器)の外形(筐体)は大きくなると共に設計の自由度が低下するという問題がある。
また、耐衝撃性を向上させる技術として、従来例1の他に次に示す従来例2が知られている。
例えば、落下衝突時の衝撃で破損しやすい装置を粘弾性物質により締結支持して装置を衝撃から保護する装置(従来例2)として、ネジの締結部において粘弾性物質により構成した防振部(緩衝材)を介して筐体に取り付けることにより、落下時の衝突に伴う衝撃を吸収する装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
従来例2に開示された技術を精密機器(携帯機器)に適用した場合、衝撃の作用する方向によっては、対向する2つの支持面において緩衝材を支持しなければ強い衝撃により緩衝材が抜け落ちてしまう恐れがある。つまり、衝撃から装置を保護するために、緩衝材を固定するための構造を対向する2つの支持面両方に設けなければならない。
したがって、筐体への緩衝材の実装方法が制限され、精密機器での設計の自由度が低下するという問題がある。
上述したとおり、携帯型の精密機器(携帯機器)では小型・薄型であることが求められることから、従来例1、従来例2などで提案されているような公知の技術手段を用いて耐衝撃性を上げようとすると、小型化・薄型化が困難となり、小型化・薄型化の要求と耐衝撃性の向上との両立は困難であるという問題があった。
特開2004−61530号公報
特開平9−251765号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、搭載される部品群を支持部材に締結する精密機器(の締結構造)において、部品群と支持部材との間に配置される第1緩衝材に加えて、締結部材の押さえ部と支持部材との間に第2緩衝材を備えることにより、衝撃によって破損しやすい部品群を保護して耐衝撃性を向上すると共に精密機器を小型化、薄型化し、また設計の自由度を損なわない精密機器を提供することを目的とする。
また、本発明は、搭載される部品群を支持部材に締結する精密機器(の締結構造)において、部品群と支持部材との間に配置される第1緩衝材に加えて、締結部材の押さえ部と部品群との間に第2緩衝材を備えることにより、衝撃によって破損しやすい部品群を保護して耐衝撃性を向上すると共に精密機器を小型化、薄型化し、また設計の自由度を損なわない精密機器を提供することを他の目的とする。
本発明に係る精密機器は、複数の部品を含む部品群と、該部品群を支持する支持部材と、押さえ部を有し前記部品群と前記支持部材とを締結する締結部材と、前記部品群と支持部材の間に配置された第1緩衝材とを備える精密機器であって、前記締結部材の押さえ部と前記支持部材との間に第2緩衝材を備えることを特徴とする。
この構成により、自由な設計が可能で小型化と耐衝撃性とを併せて実現する精密機器となる。
本発明に係る精密機器は、複数の部品を含む部品群と、該部品群を支持する支持部材と、押さえ部を有し前記部品群と前記支持部材とを締結する締結部材と、前記部品群と支持部材の間に配置された第1緩衝材とを備えた精密機器であって、前記締結部材の押さえ部と前記部品群との間に第2緩衝材を備えることを特徴とする。
この構成により、自由な設計が可能で小型化と耐衝撃性とを併せて実現する精密機器となる。
本発明に係る精密機器では、前記部品は、精密部品または光学部品であることを特徴とする。
この構成により、特に高い耐衝撃性を要求される精密部品、光学部品に対する耐衝撃性を向上することができる。
本発明に係る精密機器では、前記第1緩衝材及び前記第2緩衝材は、前記締結部材が貫通する貫通孔を備えることを特徴とする。
この構成により、緩衝材により締結が妨害されることがなくなるので、容易に正確な締結を行うことができる。
本発明に係る精密機器では、前記押さえ部が前記第2緩衝材を押圧する押圧面は、前記第1緩衝材と圧接する前記支持部材の支持面と交差する方向に形成された交差面を有することを特徴とする。
この構成により、支持面と垂直方向に作用する衝撃に限らず、支持面と交差する方向の交差面に対する方向で作用する衝撃に対しても吸収作用を及ぼすことができる。
本発明に係る精密機器では、前記第2緩衝材は、前記締結部材と一体化してあることを特徴とする。
この構成により、締結構造が簡単になり、組み立てがさらに容易になる。
本発明に係る精密機器では、前記締結部材はネジであることを特徴とする。
この構成により、簡単な構造の締結部材とすることができ、組み立てが容易になる。
本発明に係る精密機器では、前記支持部材は法線方向の異なる少なくとも3つの支持面を備えることを特徴とする。
この構成により、三次元の衝撃に対しても耐衝撃性を向上することができる精密機器となる。
本発明に係る精密機器によれば、部品群と支持部材との間に配置される第1緩衝材に加えて、締結部材の押さえ部と支持部材との間に第2緩衝材を備えることから、衝撃によって破損しやすい部品群を保護することにより耐衝撃性を向上すると共に精密機器を小型化、薄型化し、また設計の自由度を損なわない精密機器を提供できるという効果を奏する。
本発明に係る精密機器によれば、部品群と支持部材との間に配置される第1緩衝材に加えて、締結部材の押さえ部と部品群との間に第2緩衝材を備えることから、衝撃によって破損しやすい部品群を保護することにより耐衝撃性を向上すると共に精密機器を小型化、薄型化し、また設計の自由度を損なわない精密機器を提供できるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1に係る精密機器の締結構造を模式的に示す断面図である。
図1は、本発明の実施の形態1に係る精密機器の締結構造を模式的に示す断面図である。
本実施の形態に係る精密機器10は、例えば配線基板などで構成される支持部材1、精密機器10の機能を動作させるための各種の部品を複数含む部品群2を基本構成として含む。部品群2は、例えば精密部品または光学部品などで構成され、支持部材1に締結されることにより支持、固定される。支持部材1は、部品群2に対向して部品群2を締結固定する面である支持面1aを有する。
支持部材1と部品群2とは、締結部材3により締結してあり、支持部材1(支持面1a)と部品群2と間には第1緩衝材4が配置してある。締結部材3は、押さえ部3aと連結部3bを有し、連結部3bを部品群2に挿入して連結することにより部品群2と支持部材1とを締結する構成としてある。また、押さえ部3aは支持部材1を押圧するように連結部3bより広い面積の押圧面3asを有する構成としてある。
本実施の形態では、押さえ部3aが支持部材1の側に配置され、押さえ部3aと部品群2との間に支持部材1が挟持される構成となっている。また、締結部材3は、支持部材1と部品群2の間で第1緩衝材4を、押さえ部3aと支持部材1の間で第2緩衝材5をそれぞれ押圧挟持するように締結されている。
衝撃により破損しやすい部品群2を備える精密機器10において、第1緩衝材4に加えて第2緩衝材5を備えることから、相互に対向する2つの支持面(従来例1の緩衝材133、134に対応する第1筐体121、第2筐体122の内側面が対応する。本実施の形態では、部品群2の内側(支持面1a)および外側(矢符Fa側の面))によって部品群2を挟持する必要がない。
つまり、矢符Fa方向の衝撃(部品群2が支持面1aに近づく方向に作用する衝撃)に対しては第1緩衝材4の収縮により衝撃を吸収し、矢符Fb方向の衝撃(部品群2が支持面1aから離れる方向に作用する衝撃)に対しては押さえ部3aと支持部材1との間に配置された第2緩衝材5の収縮により衝撃を吸収することが可能となる。
したがって、本実施の形態に係る精密機器10では、部品群2を締結する支持面1aは1つであるが、部品群2を挟持するためのもう1つの支持面及び緩衝材の配置を検討することや、もう1つの支持面側に緩衝材を固定するための構造を設ける必要がない。
締結部材3は一般的にネジなどの微小な部材で良く、構成が簡単かつコンパクトであるため、小型化が可能であり、衝撃により破損しやすい部品群を落下時の衝撃から保護することができる。また、部品群2に対する締結に限らず、個別の部品単位での締結も可能となる。
第2緩衝材5は、締結部材3と一体化することが可能であり、一体化することにより、締結構造が簡単になり、締結の組み立てが簡単になるという効果を生じる。
押さえ部3aが第2緩衝材5を押圧して挟持するための押圧面3asは、支持面1aと平行な面と、平行でない面を有する。つまり、第1緩衝材4と圧接する支持部材1の支持面1aと交差する方向の傾斜を有する交差面を押圧面3asの外周に設けることから、矢符Fa、Fb方向の衝撃だけでなく、部品群2が回転するように作用する衝撃(交差面に対する方向で作用する衝撃)を吸収するという効果を生じる。本実施の形態では、交差面は先端を切断した円錐形とし、支持面1aに対して平行な面と交差する面とを構成してある。
また、第1緩衝材4および第2緩衝材5は締結部材3が貫通する貫通孔を適宜設けてあることから、第1緩衝材4および第2緩衝材5が締結を妨害することがないので、正確な締結が容易にできるという効果を生じる。
本実施の形態に係る精密機器10によれば、衝撃により破損しやすい部品群2に対してのみ耐衝撃構造を適用するだけで良いことから、さらなる省スペース化を実現することが可能であり、例えば、携帯電話機に搭載する小型化した撮像装置のような小型の精密機器の内部に適用することが可能となる。
つまり、精密機器10(例えば、撮像装置)の内部に耐衝撃構造(すなわち、衝撃により破損しやすい部品群2に伝達される衝撃を吸収し緩和する機構)を備えることから、従来例1のような精密機器(携帯電話装置110)と撮像装置(カメラモジュール130)との間に緩衝材133、134及び緩衝材を固定するための手段を設ける必要が全く無くなり、精密機器(携帯電話機)の設計の自由度を損なわずに、精密機器(携帯電話機)の小型化が可能となる。
また、特に衝撃に弱い部品のみに対して本実施の形態を適用することも可能であり、例えば撮像装置の内部に適用した場合には、撮像装置単体でも十分な耐衝撃性を実現することができる。
本実施の形態では、衝撃により破損しやすい部品のみへの適用が可能となることから、従来例1などの場合に比べて耐衝撃構造の質量は小さくなり、緩衝材による底突きが発生しにくくなるので、緩衝材の厚みを薄くして少量で構成しても十分な効果が得られる。
<実施の形態2>
図2は、本発明の実施の形態2に係る精密機器の締結構造を模式的に示す断面図である。
図2は、本発明の実施の形態2に係る精密機器の締結構造を模式的に示す断面図である。
本実施の形態の基本構成は実施の形態1と同様である。つまり、支持面1aを有する支持部材1と、部品群2と、押さえ部3a、押圧面3as、連結部3bを有する締結部材3と、第1緩衝材4と、第2緩衝材5とを備える。
本実施の形態では、押さえ部3aが部品群2の側に配置され、押さえ部3aと支持部材1との間に部品群2が挟持される構成となっている点が実施の形態1と異なる。したがって、締結部材3は、支持部材1と部品群2の間で第1緩衝材4を、押さえ部3aと部品群2の間で第2緩衝材5をそれぞれ押圧挟持するように締結される。なお、その他の点では作用も含めて実施の形態1と共通するので、説明を適宜省略する。
本実施の形態によっても実施の形態1と同様の作用を得ることができ、衝撃により破損しやすい部品群2を備える精密機器10において、第1緩衝材4に加えて第2緩衝材5を備えることから、相互に対向する2つの支持面(従来例1の緩衝材133、134に対応する第1筐体121、第2筐体122の内側面が対応する。本実施の形態では、部品群2の内側(支持面1a)および外側(矢符Fa側の面))によって部品群2を挟持する必要がない。
つまり、矢符Fa方向の衝撃(部品群2が支持面1aに近づく方向に作用する衝撃)に対しては第1緩衝材4の収縮により衝撃を吸収し、矢符Fb方向の衝撃(部品群2が支持面1aから離れる方向に作用する衝撃)に対しては押さえ部3aと支持部材1との間に配置された第2緩衝材5の収縮により衝撃を吸収することが可能となる。
したがって、本実施の形態に係る精密機器10では、部品群2を締結する支持面1aは1つであるが、部品群2を挟持するためのもう1つの支持面及び緩衝材の配置を検討することや、もう1つの支持面側に緩衝材を固定するための構造を設ける必要がない。
<実施の形態3>
図3は、本発明の実施の形態3に係る精密機器の締結構造を模式的に示す断面図である。
図3は、本発明の実施の形態3に係る精密機器の締結構造を模式的に示す断面図である。
本実施の形態の基本構成は実施の形態1と同様である。押さえ部3aの構造を実施の形態1、実施の形態2の場合と異なる構造としてある。
つまり、押さえ部3aを円柱形として、円柱の側面(支持面1aと交差する方向に形成された交差面)にも第2緩衝材5を配置したものである。このような構成によっても実施の形態1、実施の形態2の場合と同様に交差面に対する方向で作用する衝撃を吸収する作用を生じることができる。
なお、その他の点では作用も含めて実施の形態1と同様であるので、詳細な説明は省略する。
<実施の形態4>
本実施の形態では、実施の形態1(ないし実施の形態3)に対応する精密機器10の耐衝撃性を検証した。
本実施の形態では、実施の形態1(ないし実施の形態3)に対応する精密機器10の耐衝撃性を検証した。
図4は、本発明の実施の形態4に係る精密機器の耐衝撃性試験に用いた精密機器の試験モジュールの概略を示す模式図である。
本実施の形態での試験モジュール40は、精密機器41の部品群2に加速度センサ42を取り付け、適宜のケース43に組み込むことにより構成してある。精密機器41は、実施の形態1での精密機器10と同様の構成としてある。
つまり、支持部材1(部品群2を締結する面としての支持面1a)と部品群2との間に第1緩衝材4を当接配置し、支持部材1の外側面(支持面1aと反対側の面)に締結部材3の押さえ部3aを配置している。支持部材1および第1緩衝材4を介して部品群2に締結部材3の連結部3bを挿入して支持部材1と部品群2とを締結してある。なお、部品群2としては試験用のダミーを用いた。また、押さえ部3aと支持部材1の間で第2緩衝材5が挟持されるように締結してある。
具体的な形状は次のように構成した。すなわち、第1緩衝材4の寸法は10mm×15mm、厚み0.3mmとした。第2緩衝材5の寸法は外形3mm、内径1mm、厚み0.3mmとし、締結部は3ヶ所(2ヶ所のみ図示)とした。部品群2および加速度センサ42の合計重量は5gとした。また、ケース43および支持部材1の合計重量は100gとした。
部品群2に加速度センサ42を取り付け、1.7mからの落下衝突時に部品群2に作用する加速度を計測した。落下方向は、落下衝突時に第1緩衝材4が圧縮される矢符Fa方向および落下衝突時に第2緩衝材5が圧縮される矢符Fb方向とした。
落下試験の結果、本実施の形態での精密機器10では5651G(矢符Fa方向)、4199G(矢符Fb方向)の落下衝突加速度となった。
なお、比較試験として第1緩衝材4および第2緩衝材5を取り除いた構成による落下試験を実施した。その結果、第1緩衝材4および第2緩衝材を取り除いた構成では9960Gの落下衝突加速度が作用した。
したがって、本実施の形態では、矢符Fa、Fb方向において落下衝突加速度を40〜60%程度低減することができ、耐衝撃性を大幅に向上できることを確認できた。
<実施の形態5>
図5は、本発明の実施の形態5に係る精密機器の分解斜視図である。図6は、本発明の実施の形態5に係る精密機器の締結構造を模式的に示す断面図である。
図5は、本発明の実施の形態5に係る精密機器の分解斜視図である。図6は、本発明の実施の形態5に係る精密機器の締結構造を模式的に示す断面図である。
本実施の形態に係る精密機器20は、具体的には小型撮像装置である。基本構成は、実施の形態1ないし実施の形態3の精密機器10と同様であり、支持部材21、部品群22、締結部材23、第1緩衝材24、第2緩衝材25で構成してある。また、実施の形態1と同様に、押さえ部23aが支持部材21の側に配置され、押さえ部23aと部品群22との間に支持部材21が挟持される構成となっている。また、押さえ部23aは支持部材21を押圧するように連結部23bより広い面積の押圧面23asを有する構成としてある。
部品群22は、例えば光学レンズ、CCD受光素子など特に衝撃により破損を生じやすい光学部品で構成してある。光学レンズは、例えば接着剤により接着されることから衝撃による剥離が生じやすい。また、CCD受光素子は、セラミック基板に実装されており、セラミック基板は衝撃により破損しやすい。
部品群22は、それぞれの光学部品が立体構造を有することから、例えばXYZの3次元で交差する法線に直交する3つの支持面21a(支持部材21)それぞれにおいて、ネジで構成される締結部材23(円柱形をした押さえ部23aおよび連結部23b)それぞれにより支持部材21に締結されている。つまり、支持部材21は法線方向の異なる少なくとも3つの支持面21aを備えており、部品群22は、XYZの3次元に対応する複数の締結部材23それぞれによりそれぞれの支持部材21と締結されている。
また、締結部材23は、小型撮像装置の筐体で構成される支持部材21と部品群22とのそれぞれの間に第1緩衝材24を押圧挟持するように支持部材21と部品群22とを押さえ部23aおよび連結部23bにより締結している。さらに、押さえ部23aのそれぞれは、押さえ部23aと支持部材21の間で第2緩衝材25のそれぞれを押圧挟持するように締結されている。
つまり、実施の形態1ないし実施の形態3の場合と同様に、第1緩衝材24によって、部品群22と支持面21aとが衝突するように作用する支持面21aの法線方向の衝撃を吸収し、また、第2緩衝材25によって、部品群22と支持面21aとが離れるように作用する支持面21aの法線方向の衝撃を吸収することが可能となる。
また、実施の形態1ないし実施の形態3の場合と同様に、締結構造はXYZ各方向それぞれにおいて一方向とするだけで良く、XYZ各方向それぞれで対向する両面から締結する必要は全く生じない。さらに、第1緩衝材4および第2緩衝材5を固定するための特別な構造は全く必要が無い。
なお、締結部材23はネジの大きさで良いことから、部品群22が小型の光学部品の場合にも十分適用することが可能であり、落下時の衝撃などによる破損が生じにくくなる。さらに、押さえ部23aは、実施の形態3と同様に円柱形で構成してあり、支持面21aと平行ではない面(支持面21aと交差する方向に形成された交差面、つまり、円柱の側面)に対しても第2緩衝材25が配置されているため、部品群22を回転させるように作用する衝撃も吸収することが可能となり、耐衝撃性をさらに向上させる効果が生じる。
本実施の形態では、部品群22は、それぞれの法線が相互に直交し、互いに1次独立している3つの支持面21aに対応して締結されることから、任意の方向から精密機器20に作用する衝撃を広く吸収し、部品群22を衝撃から保護することができる。つまり、支持面21aが3つだけであっても、任意の方向からの衝撃を吸収できるため、部品群22の実装構造が容易となり、実装作業も容易となる。また、小型化、薄型化、軽量化を容易に実現することが可能となる。
また、本実施の形態の精密機器は、小型撮像装置のように特に衝撃に弱い構造を有する精密機器に対しても十分な耐衝撃性を確保することが可能となり、小型撮像装置単体に対しても十分な耐衝撃性を確保することができる。
精密機器10、20
1、21 支持部材
1a、21a 支持面
2、22 部品群
3、23 締結部材
3a、23a 押さえ部
3as、23as 押圧面
3b、23b 連結部
4、24 第1緩衝材
5、25 第2緩衝材
1、21 支持部材
1a、21a 支持面
2、22 部品群
3、23 締結部材
3a、23a 押さえ部
3as、23as 押圧面
3b、23b 連結部
4、24 第1緩衝材
5、25 第2緩衝材
Claims (8)
- 複数の部品を含む部品群と、該部品群を支持する支持部材と、押さえ部を有し前記部品群と前記支持部材とを締結する締結部材と、前記部品群と支持部材の間に配置された第1緩衝材とを備える精密機器であって、
前記締結部材の押さえ部と前記支持部材との間に第2緩衝材を備えることを特徴とする精密機器。 - 複数の部品を含む部品群と、該部品群を支持する支持部材と、押さえ部を有し前記部品群と前記支持部材とを締結する締結部材と、前記部品群と支持部材の間に配置された第1緩衝材とを備えた精密機器であって、
前記締結部材の押さえ部と前記部品群との間に第2緩衝材を備えることを特徴とする精密機器。 - 前記部品は、精密部品または光学部品であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の精密機器。
- 前記第1緩衝材及び前記第2緩衝材は、前記締結部材が貫通する貫通孔を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の精密機器。
- 前記押さえ部が前記第2緩衝材を押圧する押圧面は、前記第1緩衝材と圧接する前記支持部材の支持面と交差する方向に形成された交差面を有することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一つに記載の精密機器。
- 前記第2緩衝材は、前記締結部材と一体化してあることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一つに記載の精密機器。
- 前記締結部材はネジであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一つに記載の精密機器。
- 前記支持部材は法線方向の異なる少なくとも3つの支持面を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一つに記載の精密機器。
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