JP2007095303A - 情報記録方法、情報記録装置及び情報処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 従来の再生専用メディアの記録フォーマットとの互換性を維持しながら、光ディスク媒体をCAV方式で駆動する簡易な方法を用いて、光ディスク媒体前面に渡って均一な信号特性で記録できる情報記録方法を提供する。
【解決手段】 CAV方式による回転駆動において、先頭加熱部のパルス幅の記録クロック周期Tに対する比Ttopと、先頭加熱部の記録パワーPtopと後続加熱部の記録パワーPrearとの比ε(=Ptop/Prear)とを共に変化させるように、所望の記録線速度に応じて先頭加熱部の前エッジ位置とその記録パワーPtop及び後続加熱部の記録パワーPrearの各設定値を所定の間隔で更新させることで、最内周位置から最外周位置に渡る全面についての均一な特性の記録が可能となるようにした。
【選択図】図1
【解決手段】 CAV方式による回転駆動において、先頭加熱部のパルス幅の記録クロック周期Tに対する比Ttopと、先頭加熱部の記録パワーPtopと後続加熱部の記録パワーPrearとの比ε(=Ptop/Prear)とを共に変化させるように、所望の記録線速度に応じて先頭加熱部の前エッジ位置とその記録パワーPtop及び後続加熱部の記録パワーPrearの各設定値を所定の間隔で更新させることで、最内周位置から最外周位置に渡る全面についての均一な特性の記録が可能となるようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、映像用DVD(Digital Video 又はVersatile Disk )やDVD−ROMなどの再生専用のDVDメディアとフォーマットの互換性を有するDVD−R(Recodable )又はDVD−RW(ReWritable)ディスク等の光ディスク媒体に対する情報記録方法、情報記録装置及びこの装置を用いた情報処理装置に関する。
マルチメディアの普及に伴い、映像用DVDやDVD−ROMなどの再生専用メディアや、記録層として色素材料を用いた追記型のDVD−R及び、相変化材料を用いた書換型のDVD−RWなどの情報記録メディアが開発されている。
これらのDVDメディアに記録されている情報(この例ではセクタ)は、図12(a)に示すようなフォーマットである。このようなフォーマットでは、図12(d)に示すようにメディアの全トラック上に一定の線密度で連続的にデータ(セクタ)が記録されている。
この再生専用メディアと互換性を有するフォーマットの情報記録媒体とするために、従来では、情報記録媒体(メディア)の回転速度制御法として図12(b)に示すようにCLV(Constant Linear Velocity:線速度一定)方式を用いて、トラック半径に反比例した回転数になるようにメディアの回転速度を制御し、トラックの線速度を常に一定にしながら、一定の記録チャンネルクロックの周波数で情報の記録を行っている。
しかしながら、CLV方式により回転速度の制御を行うためには、トラックの線速度を常に一定にするために、メディアの回転速度を変化させる必要がある。即ち、メディアを回転駆動するスピンドルモータの変速を伴なうため、大きな回転トルクを必要とし大型で高コストなモータが必要となる。また、シーク時において、スピンドルモータの変速を完了するまでに待ち時間がかかるため、HDDやMOドライブなどと比較して、多大なアクセス時間を要するという欠点がある。
このようなことから、メディアの回転速度を変速制御することなく常に一定にして、メディアに記録を行うには、メディアに記録される情報のフォーマットを図13に示すようなものにすることも考えられている。即ち、図13(c)に示すように、メディアに記録するチャンネルクロックの周波数を、トラックの半径位置に比例させて、内周側で小さく、外周側で大きくさせるものである。この場合には、記録線速度は内周側で小さく外周側で大きくなるため、図13(d)に示すように記録線密度は一定である。また、メディアの回転数(回転速度)を図13(b)に示すように常に一定として、即ち、CAV(Constant AngularVelocity:回転角一定)方式で、メディアに情報を記録することが可能となる。
これによって、メディアを回転駆動するスピンドルモータの回転変速制御が不要となり、従って、低回転トルクで良く、小型で低コストなモータが使用できるようになる。また、変速を行わないためシーク時の変速待ち時間が不要となりアクセス時間を大幅に短縮することができる。
しかしながら、一般的にヒートモードによってマーク(ピット)が形成される色素系のDVD−Rメディアは、特定の記録線速度において記録時のレーザ発光による記録パルスのパルス幅と記録パワーとが各々異なる最適値となるため、異なった記録線速度では形成されるマークやスペースの状態が変化する。例えば、レーザ光の記録パルス発光形状が、高めの記録パワーの先頭加熱部とこの先頭加熱部よりも記録パワーの低い後続加熱部とを連続させてなる記録パルスの場合において、マークの形成に必要な先頭加熱部による熱量の不足が発生したり、記録層の最適な分解温度に対して到達する加熱温度が異なってマークの平均長がばらついたり、最適な先頭加熱部のパルス幅の記録クロック周期Tに対する比が異なって均一なマーク幅が得られなくなり、マーク長に応じた太りや細り(いわゆる涙型マーク)が生じたりして、ジッタ特性が悪化してしまう。
この点、例えば特許文献1によれば、個々の光ディスクの全記録可能領域に対応する最適記録光量を比較的短時間に求めるために、試し書き用領域に少なくとも2つの位置に等しい記録線速度で最適記録光量を求め、補間ルーチンにより求めた2つの記録線速度における最適記録光量に対して内挿処理又は外挿処理を行うことにより、全ての記録線速度での最適記録光量を求めるようにしている。
また、特許文献2によれば、ジッタ特性を悪化させることなく、記録に必要なレーザパワーを低減させるために、光ディスクを一定の回転数で回転させながら、領域によって異なる基準クロックに基づき情報信号に応じて強度変調された光ビームを照射することによって、外周側の領域で内周側の領域より高い周波数で情報を記録する方法において、光ビームを、各領域において基準クロックの周波数の整数倍の周波数で周期的にパルス発光する光ビームとし、かつ、外周側の領域に光ビームが照射されるときに、内周側の領域に光ビームが照射されるときより、パルス発光のデューティ比を大きくするようにしている。
さらに、特許文献3によれば、高速・高信頼性の記録が可能な光ディスク装置を提供するために、光ディスク、光ヘッド、同期信号生成手段、VCO 、位相比較手段、コントローラ及び記録信号生成手段を具備し、記録線速度に応じて記録信号のパルス高さ・幅を変化させることで、常に最良の記録条件で記録を行えるようにしている。
特開平5−225570号公報
特開平5−274678号公報
特開平10−106008号公報
即ち、これらの公報例の場合、CAV方式において記録線速度に応じてパルス発光のデューティ比等の記録パルスの何らかの要素の設定値を可変させるように制御しているものであるが、これらの制御は光ディスク媒体に対する定性的な効果を持つに過ぎず、特にDVDの記録メディアに対しては不十分である。即ち、ジッタ特性等の記録情報(RF信号)の特性変動には複数の要因が相互に作用しているため、これらの特許文献例のような記録方法では不十分で必ずしも光ディスク媒体の全面に渡って均一な信号特性で記録することができず、必ずしも所望の効果が得られるものではない。また、記録パルスの設定値を変化させるにしても、その変化のさせ方について定量的には検討されていないものである。
また、先頭加熱部と後続加熱部とからなる記録パルスの設定値を変化させる場合も、設定を変化させた前後で再生信号の変調度やアシンメトリの変化が生じ、2値化するためのスライスレベルが追従できなくなりジッタの悪化が生じてしまう。
そこで、本発明は、光ディスク媒体を回転駆動しながら先頭加熱部と後続加熱部とからなる記録パルスを用いて情報を記録するとき、光ディスク媒体の回転速度を変速制御することなく、また、従来の再生専用メディアの記録フォーマットとの互換性を維持しながら、簡易な方法を用いて、光ディスク媒体全面に渡って均一な信号特性で記録することが可能な情報記録方法及び情報記録装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、2値化のスライスレベルに対する変動を抑え、ジッタ特性の悪化を防止して、再生クロックのPLLも安定動作するような情報記録方法及び情報記録装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、CAV制御によって記録を行う場合においても、全ての記録線速度に対して蓄熱の影響によるマークのエッジシフトを補正して光ディスク媒体全面に渡って低ジッタな記録を行える情報記録方法及び情報記録装置を提供することを目的とする。
さらに、このような情報記録装置を用いることにより、情報の記憶装置として有効に活用できる情報処理装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明の情報記録方法は、先頭加熱部と後続加熱部とからなる記録パルス発光波形のレーザ光により情報が記録される記録層を有する光ディスク媒体上に段階的に記録線速度を変化させながら記録する際に、段階的な記録線速度の変化に応じて記録クロック周期Tを段階的に変化させて、記録線密度が略一定となるようにして記録を行うとともに、段階的な記録線速度の変化に応じて前記先頭加熱部のパルス幅の記録クロック周期Tに対する比Ttop及び先頭加熱部の記録パワーPtopと後続加熱部の記録パワーPrearとの比ε(=Ptop/Prear)を段階的に同時に更新させることを特徴とする。
従って、ディスク回転数を一定とするCAV制御によって記録線速度が変化しても、各々の記録線速度に対して最適な記録パルスが設定できるようになり、光ディスク媒体全面に渡って均一な特性の記録が可能となる。特に、パルス幅の可変として先頭加熱部の前エッジ位置を可変させるので、制御が容易で処理を簡素化させ得る。
請求項2記載の発明の情報記録装置は、先頭加熱部と後続加熱部とからなる記録パルス発光波形のレーザ光により情報が記録される記録層を有する光ディスク媒体上に段階的に記録線速度を変化させながら記録する際に、段階的な記録線速度の変化に応じて記録クロック周期Tを段階的に変化させて、記録線密度が略一定となるようにして記録を行う情報記録装置であって、前記先頭加熱部のパルス幅の記録クロック周期Tに対する比Ttop及び先頭加熱部の記録パワーPtopと後続加熱部の記録パワーPrearとの比ε(=Ptop/Prear)を段階的に同時に更新させるとともに、検出されたアドレス情報に対応した前記先頭加熱部の前エッジ位置とその記録パワー及び前記後続加熱部の記録パワーを算出するコントローラと、少なくとも前記記録パルスにおける前記先頭加熱部の前エッジ位置を変化させるための前エッジ信号を出力する多数段のエッジ信号生成回路と、このエッジ信号生成回路から出力される多数段の前エッジ信号の中から、少なくとも検出されたアドレス情報に対応した前記先頭加熱部の前エッジ位置に相当する前エッジ信号を選択するセレクタと、検出されたアドレス情報に対応した前記先頭加熱部の記録パワー及び前記後続加熱部の記録パワーに応じて前記レーザ光源の出射光量を随時更新するドライバ回路と、を備えたことを特徴とする。
従って、ディスク回転数を一定とするCAV制御によって記録線速度が変化しても、各々の記録線速度に対して最適な記録パルスが設定できるようになり、光ディスク媒体全面に渡って均一な特性の記録が可能となる。特に、簡易で小規模な回路構成で、CAV制御による記録が可能となる。
請求項3記載の発明の情報処理装置は、請求項2に記載の情報記録装置を内蔵したことを特徴とする。
従って、請求項2記載の情報記録装置を内蔵しているので、光ディスク媒体を回転駆動しながら先頭加熱部と後続加熱部とからなる記録パルスを用いて情報を記録するとき、光ディスク媒体の回転速度を変速制御することなく、また、従来の再生専用メディアの記録フォーマットとの互換性を維持しながら、光ディスク媒体全面に渡って均一な信号特性で記録することができ、情報の記憶装置として有効に活用することができる。
請求項1記載の発明の情報記録方法によれば、ディスク回転数を一定とするCAV制御によって記録線速度が変化しても、各々の記録線速度に対して最適な記録パルスが設定できるようになり、光ディスク媒体全面に渡って均一な特性の記録が可能となり、特に、パルス幅の可変として先頭加熱部の前エッジ位置を可変させるので、制御が容易で処理を簡素化させることもできる。
請求項2記載の発明の情報記録装置によれば、ディスク回転数を一定とするCAV制御によって記録線速度が変化しても、各々の記録線速度に対して最適な記録パルスが設定できるようになり、光ディスク媒体全面に渡って均一な特性の記録が可能となり、特に、簡易で小規模な回路構成で、CAV制御による記録が可能となる。
請求項3記載の発明の情報処理装置によれば、請求項2記載の情報記録装置を内蔵しているので、光ディスク媒体を回転駆動しながら先頭加熱部と後続加熱部とからなる記録パルスを用いて情報を記録するとき、光ディスク媒体の回転速度を変速制御することなく、また、従来の再生専用メディアの記録フォーマットとの互換性を維持しながら、光ディスク媒体全面に渡って均一な信号特性で記録することができ、情報の記憶装置として有効に活用することができる。
本発明の第一の実施の形態を図1ないし図6に基づいて説明する。まず、光ディスク媒体である色素系光ディスクで用いる基本的な記録パルスの設定として、図1に示すように、各々のマークデータ長nTに対する記録パルスは先頭加熱部と後続加熱部とによって構成している。
これらの加熱部のパルス幅の設定は、記録クロック周期Tに対する比として先頭加熱部がTtop、後続加熱部がTrearとしている。また、記録パワーの設定は、先頭加熱部の記録パワーPtop、後続加熱部の記録パワーPrearがあり(ただし、Ptop>Prear)、別にスペース部用のバイアスパワーPbがある。記録パワーについては、マーク形成の状態は記録線速度Lvと強い相関を持ち、記録線速度が大きくなると記録パワーの最適値が大きくなることは周知の通りである。ここでは、最内周位置、即ち、最小記録線速度における最適記録パワーPrearminに対する所望の任意の半径位置(記録線速度)における記録パワーPrearの比ρ=Prear/Prearminとし、先頭加熱部と後続加熱部との記録パワーの比ε=Ptop/Prearとする。
本実施の形態では、これらの設定値のうち先頭加熱部のパルス幅の記録クロック周期Tに対する比Ttopと、先頭加熱部と後続加熱部との記録パワーの比ε=Ptop/Prearとについて、より詳細な設定を行うものである。また、本実施の形態ではこれらの他に、記録されるマークデータ長及び直前のスペース長に応じた先頭加熱部の前エッジ位置や後続加熱部の後エッジ位置についても、より詳細な設定を行うようにしている。
直径120mmの色素系のDVDディスクに対してCAV方式で記録制御を行うと、記録線速度はディスクの最内周位置で約3.5m/s、最外周位置で約8.4m/s程度となり、記録クロック周波数はディスクの最内周位置で26.2MHz、最外周位置で63.3MHzとなる。このような約2.4倍の記録線速度の変化が必要な記録を色素系のDVDディスクで行うとき、全域に渡って同一の記録パルス及び記録パワーの設定値を用いると、高い記録線速度になるに従って(外周になるに従って)、先頭加熱部による予備加熱に過不足が生じてRF信号の変調度がばらついたり、RF信号の対称性(アシンメトリ)のばらつきが大きくなる。また、先頭加熱部と後続加熱部との記録パワーの比εの最適値にずれを生じ、記録マーク幅が不均一になってジッタ特性が悪化してしまう。本実施の形態では、以下に説明するように、光ディスク媒体の最内周位置から最外周位置に渡って均一な信号特性を有して低ジッタな記録を可能とするものである。
まず、図2に示すように最内周位置における最小記録線速度においては、マークデータ長nに対して、先頭加熱部のパルス幅の比Ttopを0.55T、後続加熱部のパルス幅の比を0.65T+(n−3)T、記録パルスを構成する全パルス長(先頭加熱部+後続加熱部)を(n−1.8)Tとして、先頭加熱部の記録パワーPtopを8.2mW、後続加熱部の記録パワーPrearを7.8mWに設定している。これらの設定値は、色素系の記録ディスクの代表的な数値であり、各種チューニングや記録材料の種類によって異なった最適値となる。そして、図2に示すように、記録線速度の増加に応じて先頭加熱部のパルス幅の比Ttop及び先頭加熱部と後続加熱部との記録パワーの比ε(=Ptop/Prear)を、何れも増加するように変化させることで、マーク先頭部分に最適な熱量を加え、かつ、最適な記録パワーで記録することができるようになり、マーク幅が均一に形成できるようになり、ジッタ特性を良好に維持することができる。
このように、記録線速度が半径位置によって変化するCAV方式によって記録する場合、これらの設定値を以下のように更新することで良好な記録が可能となる。即ち、具体的な設定例としては、図3又は図4に示すように、先頭加熱部のパルス幅の記録クロック周期Tに対する比Ttopを、最内周位置での0.55T(≒21.0ns)から最外周位置での0.95T(≒14.9ns)まで変化させ、累積の増加分で0.4T長くなるように設定値を更新変更させている。
逆に、後続加熱部の加熱パルスの記録クロック周期Tに対する比Trearは、最内周位置から最外周位置まで記録線速度に依らず0.65T(≒24.8ns)なる一定の設定値としている。また、先頭加熱部の後エッジ(後続加熱部の前エッジと同一)は記録クロックに対して常に同期した設定としている。
次に、記録パワーの設定については、最内周位置、即ち、最小記録線速度における最適記録パワーPrearminに対する所望の任意の半径位置(記録線速度)における記録パワーPrearの比ρ=Prear/Prearminを1から1.45まで、即ち、累積の増加分で0.45大きくなるように記録線速度の増加に応じて変化させるようにした。また、先頭加熱部の記録パワーPtopの設定は、この先頭加熱部の記録パワーPtopと後続加熱部の記録パワーPrearとの比ε=Ptop/Prearを最内周位置での最小記録線速度では1.05として、最外周位置での最大記録線速度における設定は1.15としている。よって、記録パワーの比εの設定値は最内周位置から最外周位置までの累積の増加分として、0.10となるように、記録線速度の増加に応じて変化させるようにしている。このように設定された、最内周位置と最外周位置との記録パルスを時間軸を合わせて相対的に比較すると図5に示すような発光波形が得られる。図5では、7Tマークデータの場合をデータの代表例として図示している。
つまり、本実施の形態は、比Ttopと比εとを共に変化させるように、記録線速度に応じて先頭加熱部の前エッジ位置とその記録パワーPtopと後続加熱部の記録パワーPrearとの設定値を更新変更させるわけであるが、これは、より一般的にいうと、図5中にベクトル的矢印Aで示すように、最低限、先頭加熱部のパルス幅とその記録パワーとを記録線速度に応じて共に変化させ、そのパルス形状を更新させることを意味する。また、このベクトル的矢印Aからもわかるように、パルス幅を変化させる割合と記録パワー(比ε)を変化させる割合とが異なるものである。
ちなみに、先頭加熱部の前エッジ位置の変化に限らず、先頭加熱部の後エッジ位置を変化させたり、後続加熱部の後エッジ位置を変化させることで先頭加熱部のパルス幅を変化させるようにしてもよいが、本実施の形態のように先頭加熱部の後エッジ位置及び後続加熱部の後エッジ位置を固定的とし、先頭加熱部の前エッジ位置を変化させる方法によれば、制御が容易で処理を簡略化させ得る。
より具体的な記録パワーの設定値は、最内周位置の最小記録線速度での試し書き(OPC)により最適記録パワーとしてPtopminが8.2mW、Prearminが7.8mWが算出された場合、前述の比ρと比εによって、最外周位置での先頭加熱部の記録パワーPtopmaxは13.0mW、後続加熱部の記録パワーPrearmaxは11.3mWまで変化させている。
このような記録パワーの設定方法を用いることにより、異なる光ディスク媒体であっても、最内周位置での最適記録パワーの設定値から、記録パワーの比ρと比εを更新しながら設定することで光ディスク媒体全面に渡って容易に最適な設定値とすることができ、均一でジッタ特性の良好な記録が可能となる。
また、記録されるマークデータ長を前述したような設定値で記録する場合、マークデータ長に依存する蓄熱作用に伴なってマークの前後エッジがシフトする現象が生じやすい。このエッジシフトはマークデータ長が光スポット径(1/e2)に対して小さい場合に顕著である。DVDでは記録データとしてEFMパルスと呼ばれる変調方式を用いており、最短のデータ長は3Tであり最長のデータ長は14Tである。
従って、本実施の形態では、記録する全てのマーク長とその前後のスペース長が高精度に記録クロック周期の整数倍となるように、記録パルスの前後のエッジを補正するようにしている。より具体的には、図6に示すように、前述の先頭加熱部のパルス幅の設定値0.55Tに対し、最短の3Tマークデータのとき+0.25Tだけ前エッジ位置を補正して0.80Tに長くして、4T及び5Tマークデータのとき+0.10Tだけ前エッジ位置を補正して0.65Tに長く設定する。さらに、より高精度に補正するため6Tマークデータのときも+0.10Tだけ前エッジ位置を補正して0.65Tに長く設定している。
また、前述の後続加熱部のパルス幅の設定値0.65T+(n−3)Tに対しても同様に、3Tマークデータのとき+0.45Tだけ後エッジ位置を補正して1.10T+(n−3)T=1.10Tに長くして、4Tマークデータのとき+0.20Tだけ後エッジ位置を補正して0.85T+(n−3)T=1.85Tに長くして、5Tマークデータのとき+0.10Tだけ後エッジ位置を補正して0.75T+(n−3)T=2.75Tに長く設定している。さらに、より高精度に補正するため6Tマークデータのときも+0.05Tだけ後エッジ位置を補正して0.70T+(n−3)T=3.70Tに長く設定している。
なお、6Tマークデータに対する補正は、必ずしも必要とはしないが光ディスク媒体によってはエッジシフト防止の効果が認められる。このように、記録されるマークデータ長に応じて記録パルスの前後エッジ位置を補正することで、マーク長依存のエッジシフトを防止することができ、ジッタ特性を良好に記録することが可能となる。
これらの前後のエッジ位置の補正に適応した、先頭加熱部と後続加熱部との設定値を表1に示す。
このようにこれらの各々のパルス幅や記録パワーの設定値(比ρ、比ε、Ptopの設定値)の全てをディスク外周側になるにつれて何れも増加させるように更新変更することで、再生されたRF信号は14T変調度(Modulation)や3T変調度(Resolution)やアシンメトリの変化が少なく、ジッタの増加も少ない信号となり、良好な記録が可能となるものである。
ところで、上述した各設定値は、特定の色素材料と溝構成でのディスクについての代表的な値である。しかしながら、色素系の記録ディスクはレーザ光照射による熱分解やそれに伴う基板変形による光学的変化を生じさせ、その変化によりマークを形成することで情報の記録が行われる。このようなヒートモードによりマークが形成される場合、本実施の形態に良く適合する。代表的な有機色素の例としては、ポリメチン色素、シアニン系、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、スクアリリウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン系(インダンスレン系)、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレン系、フェナンスレン系、トリフェノチアジン系染料及びアゾ系等の金属錯体化合物などが挙げられる。これらの色素は光学特性、記録感度、信号特性などの向上の目的で他の有機色素及び金属、金属化合物と混合又は積層化して用いても良い。また、金属、金属化合物の例としてはIn、Te、Bi、Se、Sb、Ge、Sn、Al、Be、TeO2、SnO、As,Cdなどが挙げられ、各々を分散混合或いは積層の形態で用いることができる。記録層の形成方法としては、蒸着、スパッタリング、CVD又は溶剤塗布などの通常の手段によって行うことができる。塗布法を用いる場合には上記染料などを有機溶剤に溶解して、スプレー、ローラーコーティグ、ディピング及びスピンコーティングなどの慣用のコーティング法によって行うことができる。
これらの種々の色素系の記録ディスクでは、最適な各設定値は異なった値となる。しかしながら、CAV方式による記録を行う場合には、先頭加熱部と後続加熱部の各々のパルス幅や記録パワーの設定値(比ρ、比ε、Ptop、Prearの設定値)については、何れの記録ディスクについても記録線速度Lvに対して同様な最適化で適応できる。
前述した例では、一般的なアゾ系色素材料の光ディスク媒体で最適な記録パルスの設定値を示している。その他の代表的な構成の光ディスク媒体で詳細に記録パルスの設定を検討した結果、最内周位置に対する最外周位置での各設定値の増加分は、先頭加熱部のパルス幅の記録クロック周期Tに対する比Ttopが0.3T〜0.5Tの範囲であり、先頭加熱部の記録パワーPtopと後続加熱部の記録パワーPrearとの比ε=Ptop/Prearの増加分は0.05〜0.15の範囲であった。このような範囲に設定することにより、記録感度(パワー)の異なるような大多数の光ディスク媒体に対して良好な記録が可能であった。
次に、先頭加熱部のパルス幅については、最短マークデータ長3Tに対するパルス幅が+0.15T〜+0.35Tの範囲で長くなるように前エッジ位置を補正し、かつ、マークデータ長4T及び5Tに対するパルス幅が+0.05T〜+0.15Tの範囲で長くなるように前エッジ位置を補正する。また、後続加熱部のパルス幅については、最短マークデータ長3Tに対するパルス幅が+0.35T〜+0.65Tの範囲で長くなるように後エッジ位置を補正し、かつ、マークデータ長4T及び5Tに対するパルス幅が+0.05T〜+0.35Tの範囲で長くなるように後エッジ位置を補正する。このような範囲に設定することにより、前述のように色素材料によって補正量が異なるような大多数の光ディスク媒体に対して良好な記録が可能であった。
次に、記録するマークの直前のスペース長が最短長3Tであるときの、マークを形成する記録パルスの先頭加熱部の前エッジ位置の補正については、先頭加熱部のパルス幅が短くなるように、記録線速度の変化に対して同一の−0.05T〜−0.15Tの範囲で補正する。このような範囲に設定することにより、隣接するマーク間の熱干渉の影響が異なる大多数の光ディスク媒体に対して良好な記録が可能となる。
以下に各々の設定値について、より詳細に説明する。一般的に色素系の記録ディスクに対して異なる記録線速度で記録する場合、記録パワーは記録線速度の平方根に略比例することが知られている(例えば、前述した特開平10−106008号公報参照)。即ち、記録パワーをPw、記録線速度をLv、定数をKlvとすると、Pw=Klv√Lvで算出された記録パワーとしている。しかしながら、前述のように先頭加熱部のパルス幅の記録クロック周期Tに対する比Ttop及び後続加熱部のパルス幅に関する比Trearと、先頭加熱部の記録パワーPtopと後続加熱部の記録パワーPrearとの比ε=Ptop/Prearとを含めた全ての設定値を、記録線速度Lvに応じて最適化する場合においては、前述の記録パワーの比をρ、定数Kpwとすると、最小と最大の記録線速度での最適な記録パワーは、ρ=Klv×Lv+Kpwによって直線近似して算出した記録パワーが、全域の記録線速度に対して適正な値を示すようになる。また、比Ttop、比Trear、比εについても同様に直線近似して算出した設定値を用いることで全域の記録線速度に対して最適な設定値を得ることができる。本実施の形態の設定値においては、各々
Ttop=0.08×Lv+0.26
Prear=Prearmin×ρ=Prearmin×(0.09×Lv+0.68)
ε=0.02×Lv+0.98
なる近似式を用いている。このような記録線速度の関数の他に、半径位置の関数として記録パルスの設定を更新するようにしてもよい。従って、設定値を更新する設定方法を用いることで、簡易な演算によって任意の記録線速度に対して最適な設定値を算出することが可能となる。
Ttop=0.08×Lv+0.26
Prear=Prearmin×ρ=Prearmin×(0.09×Lv+0.68)
ε=0.02×Lv+0.98
なる近似式を用いている。このような記録線速度の関数の他に、半径位置の関数として記録パルスの設定を更新するようにしてもよい。従って、設定値を更新する設定方法を用いることで、簡易な演算によって任意の記録線速度に対して最適な設定値を算出することが可能となる。
本発明の第二の実施の形態について説明する。前述した実施の形態のように、色素系の記録ディスクに対して、低ジッタな記録を行うためには、記録するデータ長に応じて先頭加熱部のパルス幅の記録クロック周期Tに対する比Ttopを変化させるようにその前エッジ位置を補正することが有効である。本実施の形態では、より一層低ジッタに記録するため、比Ttopの前エッジ位置をさらに以下のように補正させるものである。
一般的に、記録層に色素材料を用いた場合、記録するマークの直前のスペース長に応じて蓄積された加熱量が異なり、マークの前エッジ位置がシフトしてしまう。この現象は最短スペース長において顕著となるため、本実施の形態では、記録するマークの直前のスペース長に応じて先頭加熱部の前エッジ位置を補正するようにした。具体的には、表2に示すように直前の最短スペース長3Tに対して、記録するマーク長全ての先頭加熱部のパルス幅の比Ttopが短くなるように前エッジ位置を−0.10Tだけ補正している。このように補正して記録を行うことで一層低ジッタな記録が実現できる。なお、後続加熱部のパルス幅の設定は表1の場合と同等である。
本実施の形態では、EFMパルス変調された記録データを用いているので、直前スペース長が3Tで、マーク長が3T〜14Tの全てに対して−0.10Tだけ先頭加熱部のパルス幅が短くなるように前エッジ位置を補正している。基本的にマーク長全てに同一の補正量で十分な効果が得られるが、3T−3T、3T−4T、3T−5Tの組合せに対して補正量を調整することでより大きな効果が期待できる。また、この補正は、全ての直前スペース長とマーク長との組合せで実施可能であるが、4T以上の直前スペース長に対するジッタの低減の効果は小さい。
第一の実施の形態に示したようなCAV方式によって記録を行う場合においても、本実施の形態の補正は全ての記録線速度Lvに対して適応している。即ち、最内周位置における最小記録線速度での補正量は、約−0.38ns(−0.10T)である。また、最外周位置における最大記録線速度での補正量は、クロック周期Tに対しては同一の補正量でよく、約−0.16ns(−0.10T)である。このように、形成されるマークの直前のスペース長が最短長であるとき、そのマークを形成する記録パルスの先頭加熱部の前エッジ位置をパルス幅が短くなるように、CAV記録における記録線速度の変化に対して同一の補正量によって補正して記録を行うことで、記録ディスク全面に渡って低ジッタな記録が可能となる。ただし、各々の記録線速度で補正量を最適化したり、直前スペース長とマーク長の組合せ毎に補正量を最適化することで、一層低ジッタに記録することが可能であることは言うまでもない。
なお、補正量については、色素材料の種類や溝構成のチューニングによって異なった記録ディスクであっても、−0.05T〜−0.15Tの範囲で補正量を設定することで大多数の記録ディスクに対応することが可能となる。
また、記録線速度Lvの増加に対応して、各設定値を更新する間隔としてはRF信号の特性上は、極力、細かなステップが望ましいがコントローラの負担が増大する。しかしながら、設定値を更新した前後におけるRF信号の最長データと最短データとのアシンメトリの差は、再生された情報のエラーレートなどに多大な影響を及ぼしてしまう。ここで、アシンメトリは図7に示すように、RF信号の最長データ振幅の平均レベルと最短データ振幅の平均レベルとの差を最長データ振幅で正規化した値であり、マーク長とスペース長の非対称性を示している。EFMパルス変調の場合、14TスペースレベルをI14H、14TマークレベルをI14L、3TスペースレベルをI3H、3TマークレベルをI3Lとすると、
アシンメトリ=[(I14H+I14L)/2−(I3H+I3L)/2]/(I14H−I14L)
となる。
アシンメトリ=[(I14H+I14L)/2−(I3H+I3L)/2]/(I14H−I14L)
となる。
また、図7及び図8に示すように、設定値を更新変更した時点前後のアシンメトリの差が±10%近傍になると、急激にジッタ特性が悪化する。従って、アシンメトリの差は、±10%以内にする必要がある。また、一般的なDVD再生装置のRF信号を2値化するためのスライス回路は、このアシンメトリの差に追従する時定数をもたないため正確な2値化が行えず、RF信号に大きなエッジシフトが生じてしまう。場合によっては、再生クロック生成のためのPLLが外れることもある。なお、より詳細な考察によれば、ジッタ特性やPLL安定性を考慮すると、アシンメトリの差が±5%以内となるように、前述の設定値を更新することが望ましい。
また、上述した4つの設定値(先頭加熱部のパルス幅Ttop、後続加熱部のパルス幅Trear、内外周に対する記録パワー比ρ、PtopとPrearの記録パワー比εの設定値)は各々単独でも多少の効果は認められるが、RF信号の特性変動は相互作用をもつため、4つの設定値全てを更新しながら設定することが望ましい。
前述のようにアシンメトリの差を考慮して、設定値を更新する間隔を決める必要がある。第一、第二の実施の形態ではともに、先頭加熱部のパルス幅の比Ttop、後続加熱部のパルス幅の比Trear、内外周に対する記録パワー比ρ、PtopとPrearとの記録パワーの比εの設定値の何れも、記録線速度の幅で約0.35m/sのステップとして段階的に更新させている(図3及び図4参照)。この間隔はかなり大きな幅をもっているがアシンメトリの差を十分抑制することが可能である。しかしながら、ジッタ特性もこれらの設定値のずれにより劣化するため、より小さい間隔で頻繁に設定を更新することが望ましい。また、記録線速度を一定の幅で更新する他に、後述の多段遅延回路などのパルスエッジ生成回路での最小分解能のステップで段階的に更新しても良い。
本発明の第三の実施の形態を図9を参照して説明する。CDやDVDなどの記録ディスクには、一般的にトラッキングエラー信号(プッシュプル信号)を得るためのグルーブ溝が形成されており、グルーブ溝を蛇行して得られるウォブル信号を重畳しており、各々の記録線速度において、プログラマブルBPFによって検出し、周波数変調や位相変調によって符号化された情報を復調することで、未記録ディスクであってもディスク固有のアドレス情報とディスク情報が得られるようになっている。これらの情報は、ランド部の切り込み状の断続ピット(Land−PrePit信号)によって生成する場合も知られている。
このようなディスク情報に、最小(最内周)記録線速度と最大(最外周)記録線速度と中間(中周)記録線速度などの複数の記録線速度における、推奨する記録パルスの先頭加熱部と後続加熱部との記録クロック周期Tに対する各々の比Ttopと比Trear、及び、推奨する記録パワーPtop若しくはPrear、及び、先頭加熱部と後続加熱部との記録パワーの比ε、及び、内外周での記録パワーの比ρなどの設定値を予め埋め込んでおく。本実施の形態では、これら推奨の設定値をメディアから読み出して設定したり、当該情報記録装置で新たに設定し直すようにすることで(ステップS1)、内外周での最適な設定値を得た後、記録線速度に対する線形近似された設定値の変化量(又は、その勾配)を算出する(S2)。
なお、変化量や勾配は、光ディスク媒体の特性に合わせて算出すればよく、線形近似やそれ以外の多項近似式で高精度に算出することもできる。次に、CAV制御における記録線速度の範囲から、適正な設定値の更新間隔を算出する(S3)(本実施の形態では、前述した実施の形態の場合と同様に、約0.35m/s毎としている)。
このようにして得られた設定値の変化量は記録線速度に対するものであり、実際には前述のウォブル信号やPLL信号を復調して得られるアドレス情報で認識する必要がある。特定のアドレスが最内周位置から最外周位置まで決められており、記録線速度と対応づけできる。次に、設定値を更新する間隔と、その間隔に対応したアドレスの範囲を割り付けることで(S4)、更新すべきアドレスに到達した時点で、設定値を更新することができる(S5)。実際のCAV制御による記録中においては、現在のアドレスを読み出しながら(S6)、設定値を更新する範囲内、即ち、アドレス範囲内にあるかを判定し(S7)、範囲外になった場合、新たに算出された設定値に更新して(S4,S5)、連続的に記録を行うことができる。アドレス範囲内にある場合には、前述した通り、CAV制御にて記録を行い(S8)、記録終了のアドレスに達するまで同様の処理を繰り返す(S9)。このような構成とすることで、コントローラによる記録パルスの制御管理の負担を大幅に軽減することができる。
なお、記録パワーPtopとPrearは、最内周位置と最外周位置とに対応した少なくとも2種の記録線速度における試し書き(OPC)によって最適値を求めたり、ウォブル信号から得られた記録パワーの情報を置換したり補正したりすることで、より高精度な設定を行うことも可能である。
本発明の第四の実施の形態を図10に基づいて説明する。本実施の形態は、上述した情報記録方法(先頭加熱部に関する比Ttop、後続加熱部に関する比Trear、記録パワーPrearの最内外周比ρ、先頭加熱部と後続加熱部との記録パワー比εの設定値を更新設定する)を用いて光ディスク媒体に記録するための情報記録装置に関する。
まず、光ディスク媒体1に対して、この光ディスク媒体1を回転駆動させるスピンドルモータ2を含む回転機構3が設けられているとともに、光ディスク媒体1に対してレーザ光を集光照射させる対物レンズや半導体レーザ等の光源を備えた光ヘッド4がディスク半径方向にシーク移動自在に設けられている。光ヘッド4の対物レンズ駆動装置や出力系に対してはサーボ機構5が接続されている。このサーボ機構5にはプログラマブルBPF6を含むウォブル検出部7が接続されている。ウォブル検出部7には検出されたウォブル信号からアドレスを復調するアドレス復調回路8が接続されている。このアドレス復調回路8にはPLLシンセサイザ回路9を含む記録クロック生成部10が接続されている。PLLシンセサイザ回路9にはドライブコントローラ11が接続されている。システムコントローラ12に接続されたこのドライブコントローラ11には、回転機構3、サーボ機構5、ウォブル検出部7及びアドレス復調回路8も接続されている。また、システムコントローラ12にはEFMエンコーダ13や記録パルス制御部14が接続されている。この記録パルス制御部14は、先頭加熱部と後続加熱部とを含む加熱パルス制御信号を生成する記録パルス生成部15の他、後述するセレクタであるエッジセレクタ16及びエッジ信号生成部(エッジ信号生成回路=パルス幅可変手段)17を含む。記録パルス制御部14の出力側には記録パワーPtopとPrearとバイアスパワーPbとの各々の駆動電流源18をスイッチングすることで光ヘッド4中の半導体レーザを駆動させるドライバ回路であるLDドライバ19が接続されている。
このような構成において、記録線速度に対応したBPFの中心周波数をドライブコントローラ11によりプログラマブルBPF6にセットし、ウォブル検出部7により検出されたウォブル信号からアドレス復調回路8によりアドレス復調するとともに、ドライブコントローラ11によって基本クロック周波数を変化させたPLLシンセサイザ回路9により、任意の記録線速度における記録チャンネルクロックを生成し記録パルス制御部14に出力する。
次に、半導体レーザによる記録パルスを発生させるため、記録パルス制御部14には記録チャンネルクロックと記録情報であるEFMデータが記録パルス制御部14、EFMエンコーダ13から各々入力され、記録パルス生成部15で、先頭加熱部と後続加熱部とによる記録パルスに対する記録パルス制御信号を生成する。そして、LDドライバ19で記録パワーPtopとPrear及びバイアスパワーPbとの各々の駆動電流源18をスイッチングする。記録時にはバイアス電流源により定常的に再生パワー相当のバイアスパワーPbで半導体レーザを発光させ、前述の記録パルス生成部15で生成された記録パルス制御信号により図1に示したような記録パルスのレーザ発光波形を得ることができる。
ここに、本実施の形態では、記録パルス生成部15中の先頭加熱部の前エッジ信号生成部17として、ゲート素子を用いた遅延量0.5ns程度の多段遅延回路を配置しており、マルチプレクサ構成のエッジセレクタ16に入力された後、システムコントローラ12によって選択されたエッジパルスによって前エッジ位置を可変する先頭加熱部の記録パルス制御信号(前エッジ信号)が生成される。同様に、後続加熱部の加熱パルスの後エッジ位置を可変する記録パルス生成部15中のエッジ信号生成部17においても、ゲート素子を用いた遅延量0.5ns程度の多段遅延素子を配置し、エッジセレクタ16に入力された後、システムコントローラ12によって選択されたエッジパルスによって、後続加熱部の記録パルス制御信号(後エッジ信号)が生成される。
このような構成によって、前述した情報記録方法のように各々の設定値を決定し、所望の記録線速度で最適なエッジパルスが選択され、所望の記録パルスが発生するように動作させている。また、このような構成で生成した記録パルスを所定の間隔で更新させるようにすると、各々の設定値は図3に示すように階段状に変化する。よって、多段遅延素子を用いると更新区間中は、各々のパルス幅が固定値となり記録チャンネルクロックの変化に応じてパルス幅の比やデューティ比は変化するように設定される。
次に、本実施の別の形態としては、記録パルス生成部15中の先頭加熱部及び後続加熱部での多段遅延素子の代わりに、位相比較器とループフィルタとVCO(電圧制御発振器)と分周器を用いたPLL構成のパルスエッジ生成部としてもよい。この構成では、記録チャンネルクロックを20逓倍した高分解能クロックをPLLによって発生させ、パルスエッジ信号としては0.05T、即ち、1.9ns〜0.8ns程度の分解能を有している。このような多段のパルスエッジ信号をマルチプレクサ構成のエッジセレクタ16に入力された後、システムコントローラ12によって選択されたエッジパルスによって先頭加熱部の前エッジ位置を可変する前エッジ信号が生成される。同様に、後続加熱部の後エッジ位置を可変する記録パルス生成部15中のエッジパルス生成回路においても、PLL構成のパルスエッジ生成部を配置し、エッジセレクタ16に入力された後、システムコントローラ12によって選択されたエッジパルスによって、後続加熱部の後エッジ位置を可変する後エッジ信号が生成されている。
このような構成によって、前述した情報記録方法のように各々の設定値を決定し、所望の記録線速度で最適なエッジパルスが選択され、所望の記録パルスが発生するように動作させている。また、このような構成で生成した記録パルスを所定の間隔で更新させるようにすると、各々の設定値は図4に示すようなのこぎり歯形状に変化する。よって、PLL構成のエッジパルス生成部を用いると更新区間中は、各々のパルス幅の比TtopとTrearは記録クロック周波数の変化に対しても一定値となるように設定される。
なお、本発明はこれらの構成の何れに対しても、CAV記録時において均一な記録が可能であり、記録パルス生成部としては種々の回路方式を用いることができる。
従って、本実施の形態の情報記録装置によれば、簡易で小規模な回路構成で前述したような先頭加熱部のパルス幅の比Ttop、後続加熱部のパルス幅の比Trear、記録パワー比ρ及び先頭加熱部と後続加熱部と記録パワー比εの設定値の更新設定を伴う情報記録方法を用いたCAV制御による記録が可能となる。
本発明の第五の実施の形態を図11に基づいて説明する。本実施の形態は、情報処理装置としてパーソナルコンピュータ21に適用したものであり、3.5型FDドライブ装置22の他に、前述したような構成の情報記録装置23をDVD−Rドライブとして内蔵した構成とされている。
このようなパーソナルコンピュータ21によれば、上述したような情報記録装置23を一体に内蔵しているので、光ディスク媒体1を回転駆動しながら先頭加熱部と後続加熱部とからなる記録パルスを用いて情報を記録するとき、光ディスク媒体1の回転速度を変速制御することなくCAV方式を用いて、かつ、従来の再生専用メディアの記録フォーマットとの互換性を維持しながら、光ディスク媒体1全面に渡って均一な信号特性で記録することができ、情報の記憶装置として有効に活用することができる。
本発明に係る情報記録方法、情報記録装置及び情報処理装置は、ディスク回転数を一定とするCAV制御によって記録線速度が変化しても、各々の記録線速度に対して最適な記録パルスが設定でき、光ディスク媒体全面に渡って均一な特性の記録が可能で、特に、パルス幅の可変として先頭加熱部の前エッジ位置を可変させるので、制御が容易で処理を簡素化させること、また再生される記録情報の最長データと最短データとのアシンメトリの差が、2値化のスライスレベルに対する変動を抑えて、ジッタ特性が悪化することなく、再生クロックのPLLの安定性も良好となる記録ができ、映像用DVD(Digital Video 又はVersatile Disk )やDVD−ROMなどの再生専用のDVDメディアとフォーマットの互換性を有するDVD−R(Recodable )又はDVD−RW(ReWritable)ディスク等の光ディスク媒体に対する情報記録として有用である。
1 光ディスク媒体
12 コントローラ
16 セレクタ
17 エッジ信号生成回路
19 ドライバ回路
23 情報記録装置
12 コントローラ
16 セレクタ
17 エッジ信号生成回路
19 ドライバ回路
23 情報記録装置
Claims (3)
- 先頭加熱部と後続加熱部とからなる記録パルス発光波形のレーザ光により情報が記録される記録層を有する光ディスク媒体上に段階的に記録線速度を変化させながら記録する際に、段階的な記録線速度の変化に応じて記録クロック周期Tを段階的に変化させて、記録線密度が略一定となるようにして記録を行うとともに、段階的な記録線速度の変化に応じて前記先頭加熱部のパルス幅の記録クロック周期Tに対する比Ttop及び先頭加熱部の記録パワーPtopと後続加熱部の記録パワーPrearとの比ε(=Ptop/Prear)を段階的に同時に更新させることを特徴とする情報記録方法。
- 先頭加熱部と後続加熱部とからなる記録パルス発光波形のレーザ光により情報が記録される記録層を有する光ディスク媒体上に段階的に記録線速度を変化させながら記録する際に、段階的な記録線速度の変化に応じて記録クロック周期Tを段階的に変化させて、記録線密度が略一定となるようにして記録を行う情報記録装置であって、
前記先頭加熱部のパルス幅の記録クロック周期Tに対する比Ttop及び先頭加熱部の記録パワーPtopと後続加熱部の記録パワーPrearとの比ε(=Ptop/Prear)を段階的に同時に更新させるとともに、検出されたアドレス情報に対応した前記先頭加熱部の前エッジ位置とその記録パワー及び前記後続加熱部の記録パワーを算出するコントローラと、少なくとも前記記録パルスにおける前記先頭加熱部の前エッジ位置を変化させるための前エッジ信号を出力する多数段のエッジ信号生成回路と、このエッジ信号生成回路から出力される多数段の前エッジ信号の中から、少なくとも検出されたアドレス情報に対応した前記先頭加熱部の前エッジ位置に相当する前エッジ信号を選択するセレクタと、検出されたアドレス情報に対応した前記先頭加熱部の記録パワー及び前記後続加熱部の記録パワーに応じて前記レーザ光源の出射光量を随時更新するドライバ回路と、を備えたことを特徴とする情報記録装置。 - 請求項2に記載の情報記録装置を内蔵したことを特徴とする情報処理装置。
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