JP2004030914A - 情報記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】記録パルスとしてマルチパルスによる発光波形が予め指定された光記録媒体に対して、当該マルチパルスによる記録では記録パワー不足となるような記録条件であっても、当該装置における許容最大パワーを超えることなく良好な記録マークを形成できる情報記録装置を提供する。
【解決手段】記録パルスとして、先頭加熱パルスと後続の加熱パルスとの組合せによるマルチパルスと、単パルスによる矩形パルスとの各々を生成可能な記録パルス生成手段17と、記録条件に応じてマルチパルスと矩形パルスとを切換え選択して光源駆動手段23を介してレーザ光源4を発光させる記録パルス選択手段21と、を備え、記録パルス選択手段17は、記録条件としてレーザ光源4の波長のバラツキを用い、レーザ光源4の波長が660nm±5nmの範囲に入らないものであれば矩形パルスを選択するようにした。
【選択図】 図7
【解決手段】記録パルスとして、先頭加熱パルスと後続の加熱パルスとの組合せによるマルチパルスと、単パルスによる矩形パルスとの各々を生成可能な記録パルス生成手段17と、記録条件に応じてマルチパルスと矩形パルスとを切換え選択して光源駆動手段23を介してレーザ光源4を発光させる記録パルス選択手段21と、を備え、記録パルス選択手段17は、記録条件としてレーザ光源4の波長のバラツキを用い、レーザ光源4の波長が660nm±5nmの範囲に入らないものであれば矩形パルスを選択するようにした。
【選択図】 図7
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像用DVD(Digital Video又はVersatile Disc)やDVD−ROMなどの再生専用のDVDメディアとフォーマットの互換性を有するDVD−R(Recodable)ディスク等の光ディスク媒体に対する情報記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マルチメディアの普及に伴い、映像用DVDやDVD−ROMなどの再生専用メディアや、記録層として色素材料を用いた追記型のDVD−Rなどの情報記録メディアが開発されている。
【0003】
これらのDVDメディアに記録されている情報(この例ではセクタ)は、図9(a)に示すようなフォーマットである。このようなフォーマットでは、図9(d)に示すようにメディアの全トラック上に一定の線密度で連続的にデータ(セクタ)が記録されている。この再生専用メディアと互換性を有するフォーマットの情報記録媒体とするために、従来では、情報記録媒体(メディア)の回転速度制御法として図9(b)に示すようにCLV(Constant Linear Velocity:線速度一定)方式を用いて、トラック半径に反比例した回転数になるようにメディアの回転速度を制御し、トラックの線速度を常に一定にしながら、一定の記録チャンネルクロックの周波数で情報の記録を行っている。
【0004】
このCLV方式により記録を行う場合、所定の記録線速度を一定の倍率で変化させ異なる速度で記録することが可能である。一般的に、標準化された光記録媒体は所定の記録線速度が規定され、DVD−Rでは1倍速、即ち、3.49m/sの記録線速度としており、記録クロック周波数は26.16MHzである。このような光記録媒体を用いる情報記録装置で、さらに高記録速度の設定をするためには当該情報記録装置の内部で新たな記録条件を設定するか、独自の記録方式を用いて再生信号が低ジッタ特性となるように記録する必要がある。
【0005】
しかしながら、一般的に、ヒートモードによってマーク(ピット)が形成される色素系のDVD−Rメディアは、特定の記録線速度毎に記録時のレーザ発光による記録パルスのパルス幅と記録パワーが異なる最適値となるため、異なった記録線速度では形成されるマークやスペースの状態が変化する。
【0006】
即ち、マークの形成に必要な先頭加熱部による熱量の不足が発生したり、最適な分解温度に対して到達する加熱温度が異なってマークの平均長がばらついたり、最適な加熱パルスの記録クロック周期Tに対する比が異なって均一なマーク幅が得られなくなり、マーク長に応じた太りや細り(いわゆる涙型マーク)が生じたりして、ジッタ特性が悪化してしまう。
【0007】
この点、例えば特許文献1によれば、DVD−Rなどの色素系光ディスクの記録を行うときに、矩形波パルスを用いるようにしている。このとき記録線速度に応じて記録パワーと発光パルス長を変化させるようにしている。
【0008】
また、特許文献2によれば、DVD−Rなどの色素系光ディスクの記録を行うときに、矩形波パルスを用いるようにしている。このとき最短マーク長のときのみ2種の記録パワーレベルと発光パルス幅を記録線速度に応じて変化させるようにしている。
【0009】
これらの記録方式は、色素系光ディスクの低記録パワー化に有効であるが、推奨される記録線速度ではマルチパルスによる記録を行うことが規格によって定められており、情報記録装置での記録可能な速度や装置内部の温度変化に伴う光源波長シフトの影響による最適記録パワーの変化に対しての記録波形については考慮されていない。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−155339
【特許文献2】
特開2001−176073
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、これらの公報例の場合、記録線速度に応じてパルス発光のデューティ比等、記録パルス列の何らかの要素の設定値を可変させるように制御しているものであるが、情報記録装置で設定する記録パルスのパルス幅の設定や記録パワーの許容値には限界があり、光ディスク媒体のプリフォーマット情報で指定される記録条件に基づく設定を求めたとしても、最適な記録条件に設定することに困難が生じる場合がある。
【0012】
つまり、情報記録装置に搭載されるレーザ光源の最大出力パワーは当該装置の内部温度によって出力されるレーザ光の波長が長波長側にシフトすることによって、DVD−Rなどで用いられる色素材料の記録感度が低下すると、試し書きなどで求められた最適記録パワーが当該波長のシフトによってずれを生じ、良好な記録が困難となってしまう。また、Running−OPCと呼ばれる記録中のマーク形成状態による記録パワーの補正機能を用いたとしても、波長シフトによる感度低下は1nm当り約3%も生じるため、レーザ光源の許容範囲を超えてしまう場合がある。
【0013】
そこで、本発明は、記録パルスとしてマルチパルスによる発光波形が予め指定された光記録媒体に対して、当該マルチパルスによる記録では記録パワー不足となるような記録条件であっても、当該情報記録装置における許容最大パワーを超えることなく良好な記録マークを形成できる記録パルスの発光波形を選択することが可能な情報記録装置を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、試し書きによって得られた最適記録パワーから、必要となる記録パワーを予測することで光記録媒体の特性に応じて記録パワー不足による記録品質の低下や記録不能を防止することが可能な情報記録装置を提供することを目的とする。
【0015】
さらに、本発明は、当該情報記録装置の内部温度の上昇やレーザ光源の波長ばらつきによる、記録時の波長変動や長波長へのシフトによって、色素系の光記録媒体の感度低下を予測して記録パルスの発光波形を変更することが可能な情報記録装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、記録パルスに従った発光波形のレーザ光を照射することにより記録情報がマークとして形成される記録層を有する光記録媒体に記録する情報記録装置において、前記光記録媒体を回転させる回転駆動機構と、この回転駆動機構による前記光記録媒体の回転動作を指定された記録線速度に応じて制御する回転制御手段と、前記レーザ光を発するレーザ光源と、このレーザ光源を発光させる光源駆動手段と、前記記録パルスとして、先頭加熱パルスと後続の加熱パルスとの組合せによるマルチパルスと、単パルスによる矩形パルスとの各々を生成可能な記録パルス生成手段と、記録条件に応じて前記マルチパルスと前記矩形パルスとを切換え選択して前記光源駆動手段を介して前記レーザ光源を発光させる記録パルス選択手段と、を備え、前記記録パルス選択手段は、記録条件として前記レーザ光源の波長のバラツキを用い、前記レーザ光源の波長が660nm±5nmの範囲に入らないものであれば前記矩形パルスを選択するようにした。
【0017】
従って、例えば記録条件が、推奨されるマルチパルスによる記録では記録パワー不足となるような高速の記録線速度となっても、矩形パルスによる記録に切換えることにより、十分低い記録パワーを用いることができ、更なる高速記録が実現できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図1ないし図7に基づいて説明する。
【0019】
まず、本実施の形態の情報記録装置に適用される情報記録方法について説明する。
【0020】
[記録方法1]
本実施の形態では、記録対象となる光記録媒体として、色素材料を用いた追記型光ディスクであるDVD−Rであって、その推奨される記録パルスとしてマルチパルスを用いることが規定されている場合を想定している。
【0021】
即ち、DVD−Rなる光記録媒体に用いる基本的な記録パルスとしては、図1(c)に示すように、図1(b)のような各々のマークデータ長nT(Tは記録チャネルクロックの周期を示し、nは自然数を示す。EFM(plus)変調の場合であれば、n=3〜11,14))に対する記録パルス列が先頭加熱パルス部と後続の複数の加熱パルス部とからなるマルチパルスによって構成されている。これらの加熱パルスのパルス幅の設定は、図1(a)に示す記録チャネルクロックの周期Tに対する比として先頭加熱パルスがTtop、後続の加熱パルス部がTmpとされている。また、記録パワーPwの設定は、先頭パルス部と後続の加熱パルス部ともに同一である。このとき、所定の記録線速度での最適記録パワーをPoとしている。
【0022】
これらの記録条件は、DVD−Rディスクのトラック溝を蛇行させて得られたプッシュプル信号からBPFを用いて分離検出したウォブル信号や、トラック溝を分断して形成したランドプリピットの変調信号を復調して得られるLPP信号によって当該DVD−Rディスクに予めプリフォーマットされたプリフォーマット情報を読み出すことで得ることができる。一般的なDVD−Rディスクは、Ttop≒1.35T,Tmp≒0.60T,Po≒9.5mW程度である。このような記録方式と記録条件は標準化されており、DVD−Rディスクの諸特性が全て満足するように設計されている。
【0023】
このようなマルチパルスによる記録を推奨されたDVD−Rディスクに対し、情報記録装置は独自の記録パルス列を用いて記録することが可能である。例えば、CD−Rディスクで推奨される図1(d)に示すような、各々のマークデータ長nTに対する記録パルス列が単パルスからなる矩形パルスを用いる記録方式である。この矩形パルスをDVD−Rディスクに適応するには、そのパルス幅Tmarkや最適記録パワーPoを独自に最適化した設定値を用いなくてはならない。一般的なDVD−Rディスクに対しては、Tmark≒(n−1.2)T,Po=7.8mW程度である。
【0024】
さらに矩形パルスによる記録では、図2に示すように、データ長nT毎にパルス幅Tmarkの前エッジ位置と後エッジ位置とを所定量だけ補正し、マーク及びスペースデータ長による蓄熱作用などにより形成されるエッジシフトを補正している。このエッジシフトの補正は、各々の記録線速度で最適化したり、直前又は直後のスペース長とマーク長との組合せ毎に最適化することで、一層低ジッタに記録することがマルチパルス若しくは矩形パルスの何れの生成方法でも可能である。
【0025】
代表的なDVD−Rディスクに2.5倍速記録を行うときの前述した補正値は、図2に示す各補正位置を表1のように設定している。
【0026】
【表1】
【0027】
次に、最適記録パワーPoについては、マーク形成の状態が記録線速度Lvに強い相関を持ち、記録線速度(即ち、記録倍速Xでも等価である。記録倍速の場合であれば、基準の記録線速度を1倍速とする)が大きくなると最適記録パワーPoが記録線速度Lvの平方根に略比例して大きくなることは周知の通りである。ここで、DVD−Rディスクの基準の記録線速度である3.5m/sをX=1倍速とすると、マルチパルスによる記録では、Po=k×√Lv若しくはPo=k´×√X(k,k´は定数、Xは倍速)と近似できる。
【0028】
例えば、前述のマルチパルスでは、k=5.1若しくはk´=9.5である。
【0029】
また、DVD−Rディスクの情報記録装置に用いる光ピックアップは、例えば半導体レーザLDの最大出力パワー50mWに対し、定常的に使用可能な最適記録パワーは約30%の15mWを最大値(許容最大パワー)とする。さらに、マルチパルスによる記録における、前述の記録倍速Xに対する最適記録パワーPoは、図3(LD波長=668nm時)に示すような変化となるため、2倍速では光ピックアップの最大値15mWをオーバーしてしまう。
【0030】
従って、本実施の形態の記録方法1では、図4に示すように、最適記録パワーが最大値15mWを超えない2倍速未満の低速度側の記録倍速の領域、即ち、1倍速と1.5倍速とによる記録時には推奨されるマルチパルスによる記録を用いるようにし、2倍速以上の記録倍速で記録する場合には推奨されたマルチパルスによる記録から、矩形パルスによる記録に切換えて最適記録パワーが最大値15mWを超えないようにすることで、図5に示すように更なる高速な記録を実現できるようにしている。
【0031】
即ち、記録に用いる記録パルスとして、先頭加熱パルスと後続の加熱パルスとの組合せによるマルチパルスと、単パルスによる矩形パルスとの各々を生成可能に用意しておき、記録条件としての記録線速度(記録倍速)に応じてマルチパルスによる記録と矩形パルスによる記録とを切換え選択するようにしたものであり、ここでは、対象となるDVD−Rディスク毎に予め設定されている記録倍速1.5X以下の低い低速記録倍速の範囲内での記録時にはマルチパルスを用い、予め設定されている記録倍速1.5を超える高速記録倍速、例えば、2.0X以上の範囲内での記録時には矩形パルスを用いるようにしたものである。
【0032】
[記録方法2]
前述したようなDVD−Rディスクは、その製造メーカ毎に記録層に用いる色素材料が異なっているため、所定の記録倍速における最適記録パワーPoや半導体レーザLDの波長に対する感度が異なっている。また、情報記録装置に用いる半導体レーザLDの波長も例えば660nm±5nmのようにバラツキを有しており、さらに情報記録装置の内部温度によっても半導体レーザLDが発するレーザ光の波長はシフトする。
【0033】
従って、特定のDVD−Rディスクと情報記録装置との組合せ毎に、最適記録パワーPoは異なっている。このため、記録の準備段階として所定の半径位置にレイアウトされた試し書き領域を用いて、低パワーから高パワーまでステップ的に異なる記録パワーによる試し書き記録を行い、その領域を読み取ることで、実際に用いる最適記録パワーPoを取得するようにしている。
【0034】
このとき、記録感度が高いか若しくは波長依存性の少ないDVD−Rディスクの場合であれば、前述のような2倍速以上の記録倍速であっても、最適記録パワーPoは十分低い値を得ることができるため、推奨されるマルチパルスによる記録を実行することができる。逆に、記録感度が低いか若しくは波長依存性の大きいDVD−Rディスクの場合には、前述のような2倍速以上の記録倍速で試し書きを行うと、取得される最適記録パワーPoは光ピックアップの許容最大パワー(ここでは、15mW)をオーバーしてしまう。従って、このままマルチパルスによる最適記録パワーPoの記録を行うと半導体レーザLDの寿命を低下させたり破壊させる不具合が生じ、かといって、記録パワーを低下させるとパワー不足のため再生信号のジッタ特性は悪化して良好な記録ディスクを得ることはできない。
【0035】
そこで、本実施の形態の記録方法2では、このように試し書きにより取得される最適記録パワーPoが光ピックアップの許容最大パワーをオーバーしてしまう場合には、マルチパルスによる記録から矩形パルスによる記録に切換えることで、良好な記録を実現できるようにしている。
【0036】
より具体的には、特定メーカ製のDVD−Rディスクを用いて、記録時の半導体レーザLDのレーザ波長が668nmとなっている状態で試し書きを行ったとき、図4のように最適記録パワーPoとして15.2mWが算出された場合に、初期設定のマルチパルスによる記録を行うと記録パワー変動やR−OPCのパワー制御などで、光ピックアップの許容最大パワー(15mW)を超える出力を定常的に使用することになり、半導体レーザLDの故障をもたらす。このような許容最大パワーを超えるような最適記録パワーPoを算出した場合は、その時点でマルチパルスから矩形パルスによる記録に切換え、再び試し書き記録を実行することで矩形パルスでの最適記録パワーPoを算出する。この最適記録パワーPoとしては図5に示すように、12.5mWが得られており、半導体レーザLDにとって十分低いパワーで適応することが可能となる。一般的な色素材料では、矩形パルスに変更することで最適記録パワーPoを15〜20%程度低減できる。従って、マルチパルスでは困難となる2倍速や2.5倍速の記録を行うことが可能となる。
【0037】
[記録方法3]
本実施の形態の記録方法3としては、DVD−Rディスクに予めプリフォーマットされているプリフォーマット情報のプッシュプル信号から分離検出したLPP信号を復調して得られたプリフォーマット情報の中から記録条件であるマルチパルスのパルス幅の設定値と最適記録パワー値などを読み出す。このとき、記録時の記録倍速(記録線速度)として2.5倍速のような最適記録パワーPoが明らかに不足すると判断される記録倍速を設定する場合は、前述の読み出されたマルチパルスの設定値を元に、予め準備された変換テーブルを用いて矩形パルスのパルス幅Tmarkの設定値を算出する。この変換テーブルは、情報記録装置に設置された記録条件記録部に保存されている。また、最適記録パワーPoも所定の係数(≒0.85〜0.80)を乗じて、矩形パルスでの最適記録パワーPoを算出する。さらにこれらの設定値を用いて低パワーから高パワーに8種類のステップで試し書きパワーを設定し、DVD−Rディスクの最内周領域にレイアウトされたPCA部で試し書きを実行する。さらに、再生信号から各々のパワー領域でのAC結合後のRF信号のアシンメトリ:β値=(RFpeak+RFbottom)/(RFpeak−RFbottom)を検出し、目標のβtarget値(≒0)となる記録パワーを算出することで最適記録パワーPを得る。このような矩形パルスの記録条件の設定値を得ることで、推奨されるマルチパルスでは記録不可能であった高速の記録倍速であっても、半導体レーザLDにダメージを与えることなく良好な記録が可能となる。
【0038】
[記録方法4]
まず、図4及び図5に示すように、記録層に色素材料を用いたDVD−Rディスクは、その光ピックアップの半導体レーザLDのレーザ光波長により記録感度特性が変化するため、情報記録装置に使用した半導体レーザLDの波長ばらつき、即ち、長波長側へのシフトにより最適記録パワーは大きな値側シフトする。さらに、情報記録装置の内部温度、即ち、半導体レーザLD周辺部の温度上昇に対しても、半導体レーザLDのレーザ光波長は長波長側にシフトする。従って、情報記録装置の内部温度の上昇によって最適記録パワーPoは大きな値側にシフトする。
【0039】
このようなレーザ光の波長変化によって、前述の試し書きによる最適記録パワーPoの算出結果は、その時点での温度に対して適正な値であっても、内部温度の変化によって最適記録パワーPoは増減する変化を示すようになる。一般的には、情報記録装置の電源を投入直後から、長時間の記録に伴って半導体部品や半導体レーザLDそのものの発熱によって、常温から60℃程度に上昇し、30℃以上の温度上昇幅を示すようになる(図6参照…図6は30℃基準でLD波長変動の温度依存性を示す)。
【0040】
従って、情報記録装置の光ピックアップ(半導体レーザLD)近傍に、温度センサを配設し、試し書き時点での内部温度を検出するようにする。このような温度検出を行って内部温度が十分高温に上昇した状態で、試し書き時点での最適記録パワーPoが小さい値を示した場合は、推奨されたマルチパルスによる記録を実行するようにする。しかしながら、このときの内部温度が低温でかつ最適記録パワーPoが高い状態の場合、マルチパルスによる記録を行うと内部温度の上昇に応じてLD波長が長波長側にシフトし、光ピックアップの許容最大パワーをオーバーするに至る。従って、検出された内部温度が低温であった場合は、マルチパルスから前述の矩形パルスによる記録に切換えるようにすることで、許容最大パワーを超えることなく良好な記録が可能となる。
【0041】
さらに、試し書き時点で検出された内部温度と、情報記録装置で予め設定した許容最大温度との差を算出し、記録を開始してから起こり得る最大の温度上昇値から、レーザ光波長の長波長側へのシフト量を算出する。一般的に、LDの温度上昇による波長シフトは+0.2nm/+1℃であり、このLD波長シフトによるDVD−Rディスクの最適記録パワーの上昇は+3%/+1nmである。よって、これらの変動係数から、例えば、試し書きで得られた最適記録パワーが13mWで内部温度が30℃で許容最大温度が60℃とすると、波長シフトは+6nmとなり、最適記録パワーの上昇値としては+18%上昇するため最大で15.3mWに変化する。この上昇値を加算した最大値は許容最大パワー15mWを超えており、マルチパルスによる記録は不可であると判断する。この結果から、矩形パルスによる記録に切換えることで、図4と図5との比較から分かるように、最適記録パワーPoは約16%低減され、内部温度が最大値(60℃)まで上昇したとしても、半導体レーザLDにダメージを与えることなく良好な記録が可能となる。
【0042】
また、これらの内部温度とLD波長との関係は、「変動量」で表現できる他に、図7から分かるように、前述の傾きを持った「1次近似式」で表すことができる。即ち、レーザ光源近傍若しくは周辺部から検出された装置内部温度と、レーザ光源の波長との関係は搭載したレーザ光源の固有の特性であって、直線近似による簡易な近似式で表すことが可能であり、この近似式を予め設定しておくことで、温度変動に対する波長変動量を算出することができる。また、図4及び図5から分かるように、DVD−Rディスクの最適記録パワーのLD波長依存性も前述の傾きを持った「1次近似式」で表すことができ、両者の簡易な近似法を用いることで検出された内部温度と許容最大温度との差から、LD波長シフトの最大変動量と、最適記録パワーの最大変動量を算出することができる。即ち、DVD−Rディスクの記録パワーの波長依存性も使用した色素材料に応じて固有の特性を持っており、この波長依存性は、DVD−Rディスクのプリフォーマット情報から製造メーカやディスク型式を読み取り、予め設定した波長依存性の対応データに照合することで、容易に得ることができる。さらに、試し書きで得られた最適記録パワーPoにこの最大変動量(上昇値)を加算することで、光ピックアップの許容最大パワーを超えるか否かを判別することが可能となる。
【0043】
このように試し書き時点の内部温度検出によって、試し書き記録によって得られた最適記録パワーが装置の許容パワーより十分低いと判定した場合は、マルチパルス記録を選択し、最適記録パワーが許容パワーに対し波長シフトを考慮したパワーが不足すると判定した場合は、矩形パルス記録を選択するようにした。このような判定処理は情報記録装置に設けられているシステムコントローラ中のCPU及び搭載されるファームウエアのプログラムで実行され、特別な構成を必要としない。このように矩形パルスによる記録を選択することで、記録パワーを約20%低減できるようになりディスクアットワンスのような長時間の記録時に記録不良を起こすことなく良好な記録が実現できる。また、最外周で2.5倍速相当となるCAV記録や、2倍速から3倍速記録などのCLV記録の高速化に対応することが可能となる。
【0044】
なお、上述した記録条件などの各設定値は、特定の色素材料と溝構成でのDVD−Rディスクについての代表的な値である。しかしながら、色素系のDVD−Rディスクはレーザ光照射による熱分解やそれに伴う基板変形による光学的変化を生じさせ、その変化によりマークを形成することで情報の記録が行われる。このようなヒートモードによりマークが形成される場合、本実施の形態に良く適合する。代表的な有機色素の例としては、ポリメチン色素、シアニン系、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、スクアリリウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン系(インダンスレン系)、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレン系、フェナンスレン系、トリフェノチアジン系染料及びアゾ系等の金属錯体化合物などが挙げられる。これらの色素は光学特性、記録感度、信号特性などの向上の目的で他の有機色素及び金属、金属化合物と混合又は積層化して用いても良い。また、金属、金属化合物の例としてはIn、Te、Bi、Se、Sb、Ge、Sn、Al、Be、TeO2、SnO、As,Cdなどが挙げられ、各々を分散混合或いは積層の形態で用いることができる。記録層の形成方法としては、蒸着、スパッタリング、CVD又は溶剤塗布などの通常の手段によって行うことができる。塗布法を用いる場合には上記染料などを有機溶剤に溶解して、スプレー、ローラコーティグ、ディピング及びスピンコーティングなどの慣用のコーティング法によって行うことができる。
【0045】
これらの種々の色素系のDVD−Rディスクでは、最適な各設定値は異なった値となる。しかしながら、記録線速度やLD波長の変動や記録パルスに応じた最適記録パワーの変化の傾向は同様の特長を有している。従って、何れの光記録媒体についても本発明の効果が得られる。
【0046】
[装置構成例]
つづいて、上述したような記録方法1〜4のような方法を実施するための情報記録装置の構成例について図7を参照して説明する。本実施の形態の情報記録装置は、上述した記録パルスとして、最適記録パワーPが許容最大パワー(例えば、15mW)を満足するようにマルチパルス又は矩形パルスを選択して記録を行ない、かつ、再生も可能な情報記録再生装置である。
【0047】
まず、色素材料による記録層を有するDVD−Rディスクのような光記録媒体1を回転駆動させるスピンドルモータ2を含む回転駆動機構3が設けられているとともに、光記録媒体1に対してレーザ光を集光照射させる対物レンズや半導体レーザ(LD)4等のレーザ光源や光記録媒体1からの反射光を受光する受光素子(PD)5等を備えた光ピックアップ6がディスク半径方向にシーク移動自在に設けられている。光ピックアップ6の対物レンズ駆動装置や出力系に対してはサーボ機構7が接続されている。このサーボ機構7にはプログラマブルBPF8を含むウォブル検出部9が接続されている。ウォブル検出部9には検出されたウォブル信号からアドレスを復調するアドレス復調回路10が接続されている。このアドレス復調回路10にはPLLシンセサイザ回路12を含む記録クロック生成部13が接続されている。PLLシンセサイザ回路12には指定された記録線速度に応じた制御を行う回転制御手段として機能するドライブコントローラ14が接続されている。また、システムコントローラ15に接続されたこのドライブコントローラ14には、回転駆動機構3、サーボ機構7、ウォブル検出部9及びアドレス復調回路10も接続されている。また、システムコントローラ15にはEFMエンコーダ16や記録パルス生成手段17及び情報保持手段としての記録条件記憶手段18が接続されている。
【0048】
なお、記録条件記憶手段18には対象となる光記録媒体1のプリフォーマット情報から得られない詳細なパルス幅の補正値や、ディスクの推奨よりさらに高速記録を行なうときに選択するための矩形パルスに関する詳細な設定値、及び半導体レーザLD4のレーザ光波長の温度依存性による変化量や近似式などが保存されている。
【0049】
このような情報記録再生装置の構成に対して、光記録媒体1においては、トラッキングエラー信号(プッシュプル信号)を得るためのグルーブ溝が形成されており、グルーブ溝を蛇行して得られるウォブル信号が重畳されており、この周波数変調や位相変調によって符号化された情報を復調することで、未記録ディスクであってもディスク固有のアドレス情報とディスク情報が得られるようになっている。DVD−Rディスクの場合、これらの情報はランド部の切り込み状の断続ピット(Land−PrePit信号)を復調することで生成している。
【0050】
さらに、各々の記録線速度における、記録線速度に対応したBPFの中心周波数をドライブコントローラ14によりプログラマブルBPF8にセットし、ウォブル検出部9により検出されたウォブル信号からアドレス復調回路10によりアドレス復調するとともに、ドライブコントローラ14によって基本クロック周波数を変化させたPLLシンセサイザ回路12により、任意の記録線速度における記録チャンネルクロックを生成し記録パルス生成手段17に出力する。
【0051】
次に、半導体レーザLD4による記録パルス列を発生させるため、記録パルス生成手段17には記録チャンネルクロックと記録情報であるEFMデータが記録クロック生成部13、EFMエンコーダ16から各々入力され、記録パルス制御信号を生成する。ここに、本実施の形態の記録パルス生成手段17はマルチパルスを生成するマルチパルス生成部19と矩形パルスを生成する矩形パルス生成部20とを有し、記録パルスとしてマルチパルスでも矩形パルスでも生成可能とされている。また、記録パルス生成手段17中にはシステムコントローラ15による制御の下に記録パルスとしてマルチパルス生成部19により生成されたマルチパルスと矩形パルス生成部20により生成された矩形パルスとの何れかを選択切換えする記録パルス選択手段21が設けられている。
【0052】
さらに、記録パルス生成手段17中には記録パルス生成に際して利用されるエッジ信号生成部22が設けられている。このエッジ信号生成部22としては、ゲート素子を用いた遅延量0.5ns程度の多段遅延回路を配置するか、若しくは、多段遅延素子の代わりに、位相比較器とループフィルタとVCO(電圧制御発振器)と分周器を用いたPLL構成のエッジ信号生成部としてもよい。この構成では、記録チャネルクロックを20〜40逓倍した高分解能クロックをPLLシンセサイザ回路12によって発生させて、これらの多段のエッジ信号をマルチプレクサ構成のエッジセレクタに入力した後、システムコントローラ15によって選択されたエッジ信号によってマルチパルス若しくは矩形パルスの前エッジ及び後エッジを可変する記録パルス制御信号を生成する。
【0053】
このような構成によって、最適記録パワーPoが許容最大パワーを満足するように選択された記録パルス(即ち、マルチパルスと矩形パルスとの何れか)の設定値を決定し、所望の記録発光波形が得られるように動作させている。
【0054】
そして、光源駆動手段としてのLDドライバ回路23で記録パワーPw及びバイアスパワーPbとの各々の駆動電流源24を記録パルス生成手段17から出力される記録パルスに従ってスイッチングすることで、図1(c)又は(d)に示したような記録パルスのレーザ発光波形を得ることができる。
【0055】
また、半導体レーザLD4付近(近傍又は周辺部)の装置内部の温度を検出するための温度検出手段として温度センサ25が配設され、その温度情報がドライブコントローラ14を介してシステムコントローラ15に取り込まれるように構成されている。なお、検出する内部温度としては極力半導体レーザLD4近傍の温度を取得することが望ましく、温度センサ25は光ピックアップ6中の半導体レーザLD4近傍に取り付けられている。温度センサ25としては、測温抵抗体やサーミスタチップや熱電対などを用い得る他、トランジスタのBE間電圧や、アンプの温度ドリフトなどを利用して検出するようにしてもよい。
【0056】
このような構成において、記録方法1の場合であれば、指定された記録線速度が対象となる光記録媒体1毎に予め設定されている記録倍速1.5X以下の低い低速記録倍速の範囲内での記録時であればシステムコントローラ15は記録パルス選択手段21に対してマルチパルスの選択を指示し、予め設定されている記録倍速1.5を超える高速記録倍速、例えば、2.0X以上の範囲内での記録時にはシステムコントローラ15は記録パルス選択手段21に対して矩形パルスの選択を指示することにより、実現される。
【0057】
一方、記録方法2〜4の場合であれば、CPU内蔵のシステムコントローラ15により実行される図8に示すような処理制御例により実現される。記録動作に際しては記録線速度が指定されるが、この記録線速度の指定(ステップS1のY)に引き続き、対象となる光記録媒体1毎に記録条件としてプリフォーマットされた記録線速度におけるマルチパルスのパルス幅と記録パワーとの設定値なる記録条件を読出し(S2)、これらの設定値に基づき当該光記録媒体1に対するマルチパルスでの最大記録線速度の情報を取得する。このステップS2の処理が速度情報取得手段、記録条件取得手段の機能として実行される。併せて、温度センサ25を備えている場合にはこの温度センサ25による温度情報も取得しておく(S3)。
【0058】
ステップS1で指定された記録線速度がステップS2の処理により取得された最大記録線速度を超えるか否かを判断し(S4)、超える場合には(S4のY)、マルチパルスによる記録に代えて矩形パルスによる記録とするように記録パルス選択手段21に対して指示する(S5)。この指示を受けて、記録パルス選択手段21は記録パルスとして矩形パルス生成部20により生成される矩形パルスを選択する。
【0059】
この矩形パルスによる記録動作に際して、システムコントローラ15では、対象となる光記録媒体1から前述のように読み出されたプリフォーマット情報である所定の記録線速度におけるマルチパルスのパルス幅と記録パワーとの設定値に基づき最大記録線速度を超える指定された記録線速度での当該矩形パルスのパルス幅と記録パワーとに関する条件を算出する(S6)。このステップS6の処理が矩形パルス用算出手段の機能として実行される。引き続き、ステップS6で算出された算出値に基づき対象となる指定の記録線速度において異なる記録パワーを用いて当該光記録媒体1のPCA領域に対して試し書きを行い、矩形パルス記録用の最適記録パワーを取得する(S7)。このステップS7の処理が矩形パルス用試し書き手段の機能として実行される。その後、ステップS7で取得した最適記録パワーによる矩形パルスで記録を行わせる(S8)。
【0060】
一方、ステップS1で指定された記録線速度がこのステップS2の処理により取得された最大記録線速度を超えない場合には(S4のN)、基本的には、マルチパルスによる記録のままとなるが(S12)、その最終判断の前に、指定された記録線速度においてマルチパルス方式で異なる記録パワーを用いてPCA領域に対して試し書きを行い、マルチパルス記録用の最適記録パワーを取得する(S9)。このステップS9の処理が試し書き手段の機能として実行される。引き続き、このステップS9で取得した最適記録パワーが当該情報記録装置に設定されている許容最大パワーを超えるか否かを判定する(S10)。このステップS10の処理が判定手段の機能として実行される。最適記録パワーが許容最大パワーを超える場合には(S10のY)、前述の場合と同様に、記録パルス選択手段21に対して矩形パルスによる記録を指示する(S5)。
【0061】
最適記録パワーが許容最大パワーを超えない場合には(S10のN)、基本的には、記録パルス選択手段21に対してマルチパルスによる記録を指示するが(S13)、その前に、ステップS3で取得した温度情報と、ステップS9で取得した最適記録パワーとを用いて、検出温度と予め設定されている許容最大温度との温度差に基づき最適記録パワーがどの位上昇するかの上昇値を算出する(S11)。このステップS11の処理が記録パワー上昇算出手段の機能として実行される。引き続き、今度は、このステップS11により算出された上昇値分を加えた最適記録パワーが許容最大パワーを超えるか否かを判定する(S12)。このステップS12の処理も判定手段の機能として実行される。最適記録パワーが上昇値を加算した許容最大パワーを超える場合には(S12のY)、前述の場合と同様に、記録パルス選択手段21に対して矩形パルスによる記録を指示する(S5)。
【0062】
最適記録パワーが上昇値を加算した許容最大パワーを超えない場合には(S12のN)、記録パルス選択手段21に対してマルチパルスによる記録を指示する(S13)。この指示を受けて、記録パルス選択手段21は記録パルスとしてマルチパルス生成部19により生成されるマルチパルスを選択する。そして、ステップS9で取得した最適記録パワーによるマルチパルスで記録を行わせる(S8)。
【0063】
従って、本実施の形態の情報記録装置によれば、簡易で小規模な回路構成で前述したように、半導体レーザLD4のレーザ光波長のバラツキや情報記録装置の内部温度の上昇による長波長側シフトに対しても、色素系記録ディスクの推奨する記録線速度を超える高速度で半導体レーザLD4にダメージを与えることなく良好な記録が可能となる。
【0064】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、例えば記録条件が、推奨されるマルチパルスによる記録では記録パワー不足となるような高速の記録線速度となっても、矩形パルスによる記録に切換えることにより、十分低い記録パワーを用いることができ、更なる高速記録を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のマルチパルス記録方式及び矩形パルス記録方式を示すパルス波形図である。
【図2】矩形パルスによる記録時の補正処理例を示す波形図である。
【図3】最適記録パワーの記録倍速依存性を示す特性図である。
【図4】マルチパルス時の最適記録パワーの波長依存性を示す特性図である。
【図5】矩形パルス時の最適記録パワーの波長依存性を示す特性図である。
【図6】LD波長変動の温度依存性を示す特性図である。
【図7】本実施の形態の情報記録装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】システムコントローラによる処理制御例を示す概略フローチャートである。
【図9】DVDメディアの一般的な記録方式を示す説明図である。
【符号の説明】
1 光記録媒体
3 回転駆動機構
4 レーザ光源
14 回転制御手段
17 記録パルス生成手段
21 記録パルス選択手段
23 光源駆動手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、映像用DVD(Digital Video又はVersatile Disc)やDVD−ROMなどの再生専用のDVDメディアとフォーマットの互換性を有するDVD−R(Recodable)ディスク等の光ディスク媒体に対する情報記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
マルチメディアの普及に伴い、映像用DVDやDVD−ROMなどの再生専用メディアや、記録層として色素材料を用いた追記型のDVD−Rなどの情報記録メディアが開発されている。
【0003】
これらのDVDメディアに記録されている情報(この例ではセクタ)は、図9(a)に示すようなフォーマットである。このようなフォーマットでは、図9(d)に示すようにメディアの全トラック上に一定の線密度で連続的にデータ(セクタ)が記録されている。この再生専用メディアと互換性を有するフォーマットの情報記録媒体とするために、従来では、情報記録媒体(メディア)の回転速度制御法として図9(b)に示すようにCLV(Constant Linear Velocity:線速度一定)方式を用いて、トラック半径に反比例した回転数になるようにメディアの回転速度を制御し、トラックの線速度を常に一定にしながら、一定の記録チャンネルクロックの周波数で情報の記録を行っている。
【0004】
このCLV方式により記録を行う場合、所定の記録線速度を一定の倍率で変化させ異なる速度で記録することが可能である。一般的に、標準化された光記録媒体は所定の記録線速度が規定され、DVD−Rでは1倍速、即ち、3.49m/sの記録線速度としており、記録クロック周波数は26.16MHzである。このような光記録媒体を用いる情報記録装置で、さらに高記録速度の設定をするためには当該情報記録装置の内部で新たな記録条件を設定するか、独自の記録方式を用いて再生信号が低ジッタ特性となるように記録する必要がある。
【0005】
しかしながら、一般的に、ヒートモードによってマーク(ピット)が形成される色素系のDVD−Rメディアは、特定の記録線速度毎に記録時のレーザ発光による記録パルスのパルス幅と記録パワーが異なる最適値となるため、異なった記録線速度では形成されるマークやスペースの状態が変化する。
【0006】
即ち、マークの形成に必要な先頭加熱部による熱量の不足が発生したり、最適な分解温度に対して到達する加熱温度が異なってマークの平均長がばらついたり、最適な加熱パルスの記録クロック周期Tに対する比が異なって均一なマーク幅が得られなくなり、マーク長に応じた太りや細り(いわゆる涙型マーク)が生じたりして、ジッタ特性が悪化してしまう。
【0007】
この点、例えば特許文献1によれば、DVD−Rなどの色素系光ディスクの記録を行うときに、矩形波パルスを用いるようにしている。このとき記録線速度に応じて記録パワーと発光パルス長を変化させるようにしている。
【0008】
また、特許文献2によれば、DVD−Rなどの色素系光ディスクの記録を行うときに、矩形波パルスを用いるようにしている。このとき最短マーク長のときのみ2種の記録パワーレベルと発光パルス幅を記録線速度に応じて変化させるようにしている。
【0009】
これらの記録方式は、色素系光ディスクの低記録パワー化に有効であるが、推奨される記録線速度ではマルチパルスによる記録を行うことが規格によって定められており、情報記録装置での記録可能な速度や装置内部の温度変化に伴う光源波長シフトの影響による最適記録パワーの変化に対しての記録波形については考慮されていない。
【0010】
【特許文献1】
特開2001−155339
【特許文献2】
特開2001−176073
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
即ち、これらの公報例の場合、記録線速度に応じてパルス発光のデューティ比等、記録パルス列の何らかの要素の設定値を可変させるように制御しているものであるが、情報記録装置で設定する記録パルスのパルス幅の設定や記録パワーの許容値には限界があり、光ディスク媒体のプリフォーマット情報で指定される記録条件に基づく設定を求めたとしても、最適な記録条件に設定することに困難が生じる場合がある。
【0012】
つまり、情報記録装置に搭載されるレーザ光源の最大出力パワーは当該装置の内部温度によって出力されるレーザ光の波長が長波長側にシフトすることによって、DVD−Rなどで用いられる色素材料の記録感度が低下すると、試し書きなどで求められた最適記録パワーが当該波長のシフトによってずれを生じ、良好な記録が困難となってしまう。また、Running−OPCと呼ばれる記録中のマーク形成状態による記録パワーの補正機能を用いたとしても、波長シフトによる感度低下は1nm当り約3%も生じるため、レーザ光源の許容範囲を超えてしまう場合がある。
【0013】
そこで、本発明は、記録パルスとしてマルチパルスによる発光波形が予め指定された光記録媒体に対して、当該マルチパルスによる記録では記録パワー不足となるような記録条件であっても、当該情報記録装置における許容最大パワーを超えることなく良好な記録マークを形成できる記録パルスの発光波形を選択することが可能な情報記録装置を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明は、試し書きによって得られた最適記録パワーから、必要となる記録パワーを予測することで光記録媒体の特性に応じて記録パワー不足による記録品質の低下や記録不能を防止することが可能な情報記録装置を提供することを目的とする。
【0015】
さらに、本発明は、当該情報記録装置の内部温度の上昇やレーザ光源の波長ばらつきによる、記録時の波長変動や長波長へのシフトによって、色素系の光記録媒体の感度低下を予測して記録パルスの発光波形を変更することが可能な情報記録装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、記録パルスに従った発光波形のレーザ光を照射することにより記録情報がマークとして形成される記録層を有する光記録媒体に記録する情報記録装置において、前記光記録媒体を回転させる回転駆動機構と、この回転駆動機構による前記光記録媒体の回転動作を指定された記録線速度に応じて制御する回転制御手段と、前記レーザ光を発するレーザ光源と、このレーザ光源を発光させる光源駆動手段と、前記記録パルスとして、先頭加熱パルスと後続の加熱パルスとの組合せによるマルチパルスと、単パルスによる矩形パルスとの各々を生成可能な記録パルス生成手段と、記録条件に応じて前記マルチパルスと前記矩形パルスとを切換え選択して前記光源駆動手段を介して前記レーザ光源を発光させる記録パルス選択手段と、を備え、前記記録パルス選択手段は、記録条件として前記レーザ光源の波長のバラツキを用い、前記レーザ光源の波長が660nm±5nmの範囲に入らないものであれば前記矩形パルスを選択するようにした。
【0017】
従って、例えば記録条件が、推奨されるマルチパルスによる記録では記録パワー不足となるような高速の記録線速度となっても、矩形パルスによる記録に切換えることにより、十分低い記録パワーを用いることができ、更なる高速記録が実現できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態を図1ないし図7に基づいて説明する。
【0019】
まず、本実施の形態の情報記録装置に適用される情報記録方法について説明する。
【0020】
[記録方法1]
本実施の形態では、記録対象となる光記録媒体として、色素材料を用いた追記型光ディスクであるDVD−Rであって、その推奨される記録パルスとしてマルチパルスを用いることが規定されている場合を想定している。
【0021】
即ち、DVD−Rなる光記録媒体に用いる基本的な記録パルスとしては、図1(c)に示すように、図1(b)のような各々のマークデータ長nT(Tは記録チャネルクロックの周期を示し、nは自然数を示す。EFM(plus)変調の場合であれば、n=3〜11,14))に対する記録パルス列が先頭加熱パルス部と後続の複数の加熱パルス部とからなるマルチパルスによって構成されている。これらの加熱パルスのパルス幅の設定は、図1(a)に示す記録チャネルクロックの周期Tに対する比として先頭加熱パルスがTtop、後続の加熱パルス部がTmpとされている。また、記録パワーPwの設定は、先頭パルス部と後続の加熱パルス部ともに同一である。このとき、所定の記録線速度での最適記録パワーをPoとしている。
【0022】
これらの記録条件は、DVD−Rディスクのトラック溝を蛇行させて得られたプッシュプル信号からBPFを用いて分離検出したウォブル信号や、トラック溝を分断して形成したランドプリピットの変調信号を復調して得られるLPP信号によって当該DVD−Rディスクに予めプリフォーマットされたプリフォーマット情報を読み出すことで得ることができる。一般的なDVD−Rディスクは、Ttop≒1.35T,Tmp≒0.60T,Po≒9.5mW程度である。このような記録方式と記録条件は標準化されており、DVD−Rディスクの諸特性が全て満足するように設計されている。
【0023】
このようなマルチパルスによる記録を推奨されたDVD−Rディスクに対し、情報記録装置は独自の記録パルス列を用いて記録することが可能である。例えば、CD−Rディスクで推奨される図1(d)に示すような、各々のマークデータ長nTに対する記録パルス列が単パルスからなる矩形パルスを用いる記録方式である。この矩形パルスをDVD−Rディスクに適応するには、そのパルス幅Tmarkや最適記録パワーPoを独自に最適化した設定値を用いなくてはならない。一般的なDVD−Rディスクに対しては、Tmark≒(n−1.2)T,Po=7.8mW程度である。
【0024】
さらに矩形パルスによる記録では、図2に示すように、データ長nT毎にパルス幅Tmarkの前エッジ位置と後エッジ位置とを所定量だけ補正し、マーク及びスペースデータ長による蓄熱作用などにより形成されるエッジシフトを補正している。このエッジシフトの補正は、各々の記録線速度で最適化したり、直前又は直後のスペース長とマーク長との組合せ毎に最適化することで、一層低ジッタに記録することがマルチパルス若しくは矩形パルスの何れの生成方法でも可能である。
【0025】
代表的なDVD−Rディスクに2.5倍速記録を行うときの前述した補正値は、図2に示す各補正位置を表1のように設定している。
【0026】
【表1】
【0027】
次に、最適記録パワーPoについては、マーク形成の状態が記録線速度Lvに強い相関を持ち、記録線速度(即ち、記録倍速Xでも等価である。記録倍速の場合であれば、基準の記録線速度を1倍速とする)が大きくなると最適記録パワーPoが記録線速度Lvの平方根に略比例して大きくなることは周知の通りである。ここで、DVD−Rディスクの基準の記録線速度である3.5m/sをX=1倍速とすると、マルチパルスによる記録では、Po=k×√Lv若しくはPo=k´×√X(k,k´は定数、Xは倍速)と近似できる。
【0028】
例えば、前述のマルチパルスでは、k=5.1若しくはk´=9.5である。
【0029】
また、DVD−Rディスクの情報記録装置に用いる光ピックアップは、例えば半導体レーザLDの最大出力パワー50mWに対し、定常的に使用可能な最適記録パワーは約30%の15mWを最大値(許容最大パワー)とする。さらに、マルチパルスによる記録における、前述の記録倍速Xに対する最適記録パワーPoは、図3(LD波長=668nm時)に示すような変化となるため、2倍速では光ピックアップの最大値15mWをオーバーしてしまう。
【0030】
従って、本実施の形態の記録方法1では、図4に示すように、最適記録パワーが最大値15mWを超えない2倍速未満の低速度側の記録倍速の領域、即ち、1倍速と1.5倍速とによる記録時には推奨されるマルチパルスによる記録を用いるようにし、2倍速以上の記録倍速で記録する場合には推奨されたマルチパルスによる記録から、矩形パルスによる記録に切換えて最適記録パワーが最大値15mWを超えないようにすることで、図5に示すように更なる高速な記録を実現できるようにしている。
【0031】
即ち、記録に用いる記録パルスとして、先頭加熱パルスと後続の加熱パルスとの組合せによるマルチパルスと、単パルスによる矩形パルスとの各々を生成可能に用意しておき、記録条件としての記録線速度(記録倍速)に応じてマルチパルスによる記録と矩形パルスによる記録とを切換え選択するようにしたものであり、ここでは、対象となるDVD−Rディスク毎に予め設定されている記録倍速1.5X以下の低い低速記録倍速の範囲内での記録時にはマルチパルスを用い、予め設定されている記録倍速1.5を超える高速記録倍速、例えば、2.0X以上の範囲内での記録時には矩形パルスを用いるようにしたものである。
【0032】
[記録方法2]
前述したようなDVD−Rディスクは、その製造メーカ毎に記録層に用いる色素材料が異なっているため、所定の記録倍速における最適記録パワーPoや半導体レーザLDの波長に対する感度が異なっている。また、情報記録装置に用いる半導体レーザLDの波長も例えば660nm±5nmのようにバラツキを有しており、さらに情報記録装置の内部温度によっても半導体レーザLDが発するレーザ光の波長はシフトする。
【0033】
従って、特定のDVD−Rディスクと情報記録装置との組合せ毎に、最適記録パワーPoは異なっている。このため、記録の準備段階として所定の半径位置にレイアウトされた試し書き領域を用いて、低パワーから高パワーまでステップ的に異なる記録パワーによる試し書き記録を行い、その領域を読み取ることで、実際に用いる最適記録パワーPoを取得するようにしている。
【0034】
このとき、記録感度が高いか若しくは波長依存性の少ないDVD−Rディスクの場合であれば、前述のような2倍速以上の記録倍速であっても、最適記録パワーPoは十分低い値を得ることができるため、推奨されるマルチパルスによる記録を実行することができる。逆に、記録感度が低いか若しくは波長依存性の大きいDVD−Rディスクの場合には、前述のような2倍速以上の記録倍速で試し書きを行うと、取得される最適記録パワーPoは光ピックアップの許容最大パワー(ここでは、15mW)をオーバーしてしまう。従って、このままマルチパルスによる最適記録パワーPoの記録を行うと半導体レーザLDの寿命を低下させたり破壊させる不具合が生じ、かといって、記録パワーを低下させるとパワー不足のため再生信号のジッタ特性は悪化して良好な記録ディスクを得ることはできない。
【0035】
そこで、本実施の形態の記録方法2では、このように試し書きにより取得される最適記録パワーPoが光ピックアップの許容最大パワーをオーバーしてしまう場合には、マルチパルスによる記録から矩形パルスによる記録に切換えることで、良好な記録を実現できるようにしている。
【0036】
より具体的には、特定メーカ製のDVD−Rディスクを用いて、記録時の半導体レーザLDのレーザ波長が668nmとなっている状態で試し書きを行ったとき、図4のように最適記録パワーPoとして15.2mWが算出された場合に、初期設定のマルチパルスによる記録を行うと記録パワー変動やR−OPCのパワー制御などで、光ピックアップの許容最大パワー(15mW)を超える出力を定常的に使用することになり、半導体レーザLDの故障をもたらす。このような許容最大パワーを超えるような最適記録パワーPoを算出した場合は、その時点でマルチパルスから矩形パルスによる記録に切換え、再び試し書き記録を実行することで矩形パルスでの最適記録パワーPoを算出する。この最適記録パワーPoとしては図5に示すように、12.5mWが得られており、半導体レーザLDにとって十分低いパワーで適応することが可能となる。一般的な色素材料では、矩形パルスに変更することで最適記録パワーPoを15〜20%程度低減できる。従って、マルチパルスでは困難となる2倍速や2.5倍速の記録を行うことが可能となる。
【0037】
[記録方法3]
本実施の形態の記録方法3としては、DVD−Rディスクに予めプリフォーマットされているプリフォーマット情報のプッシュプル信号から分離検出したLPP信号を復調して得られたプリフォーマット情報の中から記録条件であるマルチパルスのパルス幅の設定値と最適記録パワー値などを読み出す。このとき、記録時の記録倍速(記録線速度)として2.5倍速のような最適記録パワーPoが明らかに不足すると判断される記録倍速を設定する場合は、前述の読み出されたマルチパルスの設定値を元に、予め準備された変換テーブルを用いて矩形パルスのパルス幅Tmarkの設定値を算出する。この変換テーブルは、情報記録装置に設置された記録条件記録部に保存されている。また、最適記録パワーPoも所定の係数(≒0.85〜0.80)を乗じて、矩形パルスでの最適記録パワーPoを算出する。さらにこれらの設定値を用いて低パワーから高パワーに8種類のステップで試し書きパワーを設定し、DVD−Rディスクの最内周領域にレイアウトされたPCA部で試し書きを実行する。さらに、再生信号から各々のパワー領域でのAC結合後のRF信号のアシンメトリ:β値=(RFpeak+RFbottom)/(RFpeak−RFbottom)を検出し、目標のβtarget値(≒0)となる記録パワーを算出することで最適記録パワーPを得る。このような矩形パルスの記録条件の設定値を得ることで、推奨されるマルチパルスでは記録不可能であった高速の記録倍速であっても、半導体レーザLDにダメージを与えることなく良好な記録が可能となる。
【0038】
[記録方法4]
まず、図4及び図5に示すように、記録層に色素材料を用いたDVD−Rディスクは、その光ピックアップの半導体レーザLDのレーザ光波長により記録感度特性が変化するため、情報記録装置に使用した半導体レーザLDの波長ばらつき、即ち、長波長側へのシフトにより最適記録パワーは大きな値側シフトする。さらに、情報記録装置の内部温度、即ち、半導体レーザLD周辺部の温度上昇に対しても、半導体レーザLDのレーザ光波長は長波長側にシフトする。従って、情報記録装置の内部温度の上昇によって最適記録パワーPoは大きな値側にシフトする。
【0039】
このようなレーザ光の波長変化によって、前述の試し書きによる最適記録パワーPoの算出結果は、その時点での温度に対して適正な値であっても、内部温度の変化によって最適記録パワーPoは増減する変化を示すようになる。一般的には、情報記録装置の電源を投入直後から、長時間の記録に伴って半導体部品や半導体レーザLDそのものの発熱によって、常温から60℃程度に上昇し、30℃以上の温度上昇幅を示すようになる(図6参照…図6は30℃基準でLD波長変動の温度依存性を示す)。
【0040】
従って、情報記録装置の光ピックアップ(半導体レーザLD)近傍に、温度センサを配設し、試し書き時点での内部温度を検出するようにする。このような温度検出を行って内部温度が十分高温に上昇した状態で、試し書き時点での最適記録パワーPoが小さい値を示した場合は、推奨されたマルチパルスによる記録を実行するようにする。しかしながら、このときの内部温度が低温でかつ最適記録パワーPoが高い状態の場合、マルチパルスによる記録を行うと内部温度の上昇に応じてLD波長が長波長側にシフトし、光ピックアップの許容最大パワーをオーバーするに至る。従って、検出された内部温度が低温であった場合は、マルチパルスから前述の矩形パルスによる記録に切換えるようにすることで、許容最大パワーを超えることなく良好な記録が可能となる。
【0041】
さらに、試し書き時点で検出された内部温度と、情報記録装置で予め設定した許容最大温度との差を算出し、記録を開始してから起こり得る最大の温度上昇値から、レーザ光波長の長波長側へのシフト量を算出する。一般的に、LDの温度上昇による波長シフトは+0.2nm/+1℃であり、このLD波長シフトによるDVD−Rディスクの最適記録パワーの上昇は+3%/+1nmである。よって、これらの変動係数から、例えば、試し書きで得られた最適記録パワーが13mWで内部温度が30℃で許容最大温度が60℃とすると、波長シフトは+6nmとなり、最適記録パワーの上昇値としては+18%上昇するため最大で15.3mWに変化する。この上昇値を加算した最大値は許容最大パワー15mWを超えており、マルチパルスによる記録は不可であると判断する。この結果から、矩形パルスによる記録に切換えることで、図4と図5との比較から分かるように、最適記録パワーPoは約16%低減され、内部温度が最大値(60℃)まで上昇したとしても、半導体レーザLDにダメージを与えることなく良好な記録が可能となる。
【0042】
また、これらの内部温度とLD波長との関係は、「変動量」で表現できる他に、図7から分かるように、前述の傾きを持った「1次近似式」で表すことができる。即ち、レーザ光源近傍若しくは周辺部から検出された装置内部温度と、レーザ光源の波長との関係は搭載したレーザ光源の固有の特性であって、直線近似による簡易な近似式で表すことが可能であり、この近似式を予め設定しておくことで、温度変動に対する波長変動量を算出することができる。また、図4及び図5から分かるように、DVD−Rディスクの最適記録パワーのLD波長依存性も前述の傾きを持った「1次近似式」で表すことができ、両者の簡易な近似法を用いることで検出された内部温度と許容最大温度との差から、LD波長シフトの最大変動量と、最適記録パワーの最大変動量を算出することができる。即ち、DVD−Rディスクの記録パワーの波長依存性も使用した色素材料に応じて固有の特性を持っており、この波長依存性は、DVD−Rディスクのプリフォーマット情報から製造メーカやディスク型式を読み取り、予め設定した波長依存性の対応データに照合することで、容易に得ることができる。さらに、試し書きで得られた最適記録パワーPoにこの最大変動量(上昇値)を加算することで、光ピックアップの許容最大パワーを超えるか否かを判別することが可能となる。
【0043】
このように試し書き時点の内部温度検出によって、試し書き記録によって得られた最適記録パワーが装置の許容パワーより十分低いと判定した場合は、マルチパルス記録を選択し、最適記録パワーが許容パワーに対し波長シフトを考慮したパワーが不足すると判定した場合は、矩形パルス記録を選択するようにした。このような判定処理は情報記録装置に設けられているシステムコントローラ中のCPU及び搭載されるファームウエアのプログラムで実行され、特別な構成を必要としない。このように矩形パルスによる記録を選択することで、記録パワーを約20%低減できるようになりディスクアットワンスのような長時間の記録時に記録不良を起こすことなく良好な記録が実現できる。また、最外周で2.5倍速相当となるCAV記録や、2倍速から3倍速記録などのCLV記録の高速化に対応することが可能となる。
【0044】
なお、上述した記録条件などの各設定値は、特定の色素材料と溝構成でのDVD−Rディスクについての代表的な値である。しかしながら、色素系のDVD−Rディスクはレーザ光照射による熱分解やそれに伴う基板変形による光学的変化を生じさせ、その変化によりマークを形成することで情報の記録が行われる。このようなヒートモードによりマークが形成される場合、本実施の形態に良く適合する。代表的な有機色素の例としては、ポリメチン色素、シアニン系、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、スクアリリウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン系(インダンスレン系)、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレン系、フェナンスレン系、トリフェノチアジン系染料及びアゾ系等の金属錯体化合物などが挙げられる。これらの色素は光学特性、記録感度、信号特性などの向上の目的で他の有機色素及び金属、金属化合物と混合又は積層化して用いても良い。また、金属、金属化合物の例としてはIn、Te、Bi、Se、Sb、Ge、Sn、Al、Be、TeO2、SnO、As,Cdなどが挙げられ、各々を分散混合或いは積層の形態で用いることができる。記録層の形成方法としては、蒸着、スパッタリング、CVD又は溶剤塗布などの通常の手段によって行うことができる。塗布法を用いる場合には上記染料などを有機溶剤に溶解して、スプレー、ローラコーティグ、ディピング及びスピンコーティングなどの慣用のコーティング法によって行うことができる。
【0045】
これらの種々の色素系のDVD−Rディスクでは、最適な各設定値は異なった値となる。しかしながら、記録線速度やLD波長の変動や記録パルスに応じた最適記録パワーの変化の傾向は同様の特長を有している。従って、何れの光記録媒体についても本発明の効果が得られる。
【0046】
[装置構成例]
つづいて、上述したような記録方法1〜4のような方法を実施するための情報記録装置の構成例について図7を参照して説明する。本実施の形態の情報記録装置は、上述した記録パルスとして、最適記録パワーPが許容最大パワー(例えば、15mW)を満足するようにマルチパルス又は矩形パルスを選択して記録を行ない、かつ、再生も可能な情報記録再生装置である。
【0047】
まず、色素材料による記録層を有するDVD−Rディスクのような光記録媒体1を回転駆動させるスピンドルモータ2を含む回転駆動機構3が設けられているとともに、光記録媒体1に対してレーザ光を集光照射させる対物レンズや半導体レーザ(LD)4等のレーザ光源や光記録媒体1からの反射光を受光する受光素子(PD)5等を備えた光ピックアップ6がディスク半径方向にシーク移動自在に設けられている。光ピックアップ6の対物レンズ駆動装置や出力系に対してはサーボ機構7が接続されている。このサーボ機構7にはプログラマブルBPF8を含むウォブル検出部9が接続されている。ウォブル検出部9には検出されたウォブル信号からアドレスを復調するアドレス復調回路10が接続されている。このアドレス復調回路10にはPLLシンセサイザ回路12を含む記録クロック生成部13が接続されている。PLLシンセサイザ回路12には指定された記録線速度に応じた制御を行う回転制御手段として機能するドライブコントローラ14が接続されている。また、システムコントローラ15に接続されたこのドライブコントローラ14には、回転駆動機構3、サーボ機構7、ウォブル検出部9及びアドレス復調回路10も接続されている。また、システムコントローラ15にはEFMエンコーダ16や記録パルス生成手段17及び情報保持手段としての記録条件記憶手段18が接続されている。
【0048】
なお、記録条件記憶手段18には対象となる光記録媒体1のプリフォーマット情報から得られない詳細なパルス幅の補正値や、ディスクの推奨よりさらに高速記録を行なうときに選択するための矩形パルスに関する詳細な設定値、及び半導体レーザLD4のレーザ光波長の温度依存性による変化量や近似式などが保存されている。
【0049】
このような情報記録再生装置の構成に対して、光記録媒体1においては、トラッキングエラー信号(プッシュプル信号)を得るためのグルーブ溝が形成されており、グルーブ溝を蛇行して得られるウォブル信号が重畳されており、この周波数変調や位相変調によって符号化された情報を復調することで、未記録ディスクであってもディスク固有のアドレス情報とディスク情報が得られるようになっている。DVD−Rディスクの場合、これらの情報はランド部の切り込み状の断続ピット(Land−PrePit信号)を復調することで生成している。
【0050】
さらに、各々の記録線速度における、記録線速度に対応したBPFの中心周波数をドライブコントローラ14によりプログラマブルBPF8にセットし、ウォブル検出部9により検出されたウォブル信号からアドレス復調回路10によりアドレス復調するとともに、ドライブコントローラ14によって基本クロック周波数を変化させたPLLシンセサイザ回路12により、任意の記録線速度における記録チャンネルクロックを生成し記録パルス生成手段17に出力する。
【0051】
次に、半導体レーザLD4による記録パルス列を発生させるため、記録パルス生成手段17には記録チャンネルクロックと記録情報であるEFMデータが記録クロック生成部13、EFMエンコーダ16から各々入力され、記録パルス制御信号を生成する。ここに、本実施の形態の記録パルス生成手段17はマルチパルスを生成するマルチパルス生成部19と矩形パルスを生成する矩形パルス生成部20とを有し、記録パルスとしてマルチパルスでも矩形パルスでも生成可能とされている。また、記録パルス生成手段17中にはシステムコントローラ15による制御の下に記録パルスとしてマルチパルス生成部19により生成されたマルチパルスと矩形パルス生成部20により生成された矩形パルスとの何れかを選択切換えする記録パルス選択手段21が設けられている。
【0052】
さらに、記録パルス生成手段17中には記録パルス生成に際して利用されるエッジ信号生成部22が設けられている。このエッジ信号生成部22としては、ゲート素子を用いた遅延量0.5ns程度の多段遅延回路を配置するか、若しくは、多段遅延素子の代わりに、位相比較器とループフィルタとVCO(電圧制御発振器)と分周器を用いたPLL構成のエッジ信号生成部としてもよい。この構成では、記録チャネルクロックを20〜40逓倍した高分解能クロックをPLLシンセサイザ回路12によって発生させて、これらの多段のエッジ信号をマルチプレクサ構成のエッジセレクタに入力した後、システムコントローラ15によって選択されたエッジ信号によってマルチパルス若しくは矩形パルスの前エッジ及び後エッジを可変する記録パルス制御信号を生成する。
【0053】
このような構成によって、最適記録パワーPoが許容最大パワーを満足するように選択された記録パルス(即ち、マルチパルスと矩形パルスとの何れか)の設定値を決定し、所望の記録発光波形が得られるように動作させている。
【0054】
そして、光源駆動手段としてのLDドライバ回路23で記録パワーPw及びバイアスパワーPbとの各々の駆動電流源24を記録パルス生成手段17から出力される記録パルスに従ってスイッチングすることで、図1(c)又は(d)に示したような記録パルスのレーザ発光波形を得ることができる。
【0055】
また、半導体レーザLD4付近(近傍又は周辺部)の装置内部の温度を検出するための温度検出手段として温度センサ25が配設され、その温度情報がドライブコントローラ14を介してシステムコントローラ15に取り込まれるように構成されている。なお、検出する内部温度としては極力半導体レーザLD4近傍の温度を取得することが望ましく、温度センサ25は光ピックアップ6中の半導体レーザLD4近傍に取り付けられている。温度センサ25としては、測温抵抗体やサーミスタチップや熱電対などを用い得る他、トランジスタのBE間電圧や、アンプの温度ドリフトなどを利用して検出するようにしてもよい。
【0056】
このような構成において、記録方法1の場合であれば、指定された記録線速度が対象となる光記録媒体1毎に予め設定されている記録倍速1.5X以下の低い低速記録倍速の範囲内での記録時であればシステムコントローラ15は記録パルス選択手段21に対してマルチパルスの選択を指示し、予め設定されている記録倍速1.5を超える高速記録倍速、例えば、2.0X以上の範囲内での記録時にはシステムコントローラ15は記録パルス選択手段21に対して矩形パルスの選択を指示することにより、実現される。
【0057】
一方、記録方法2〜4の場合であれば、CPU内蔵のシステムコントローラ15により実行される図8に示すような処理制御例により実現される。記録動作に際しては記録線速度が指定されるが、この記録線速度の指定(ステップS1のY)に引き続き、対象となる光記録媒体1毎に記録条件としてプリフォーマットされた記録線速度におけるマルチパルスのパルス幅と記録パワーとの設定値なる記録条件を読出し(S2)、これらの設定値に基づき当該光記録媒体1に対するマルチパルスでの最大記録線速度の情報を取得する。このステップS2の処理が速度情報取得手段、記録条件取得手段の機能として実行される。併せて、温度センサ25を備えている場合にはこの温度センサ25による温度情報も取得しておく(S3)。
【0058】
ステップS1で指定された記録線速度がステップS2の処理により取得された最大記録線速度を超えるか否かを判断し(S4)、超える場合には(S4のY)、マルチパルスによる記録に代えて矩形パルスによる記録とするように記録パルス選択手段21に対して指示する(S5)。この指示を受けて、記録パルス選択手段21は記録パルスとして矩形パルス生成部20により生成される矩形パルスを選択する。
【0059】
この矩形パルスによる記録動作に際して、システムコントローラ15では、対象となる光記録媒体1から前述のように読み出されたプリフォーマット情報である所定の記録線速度におけるマルチパルスのパルス幅と記録パワーとの設定値に基づき最大記録線速度を超える指定された記録線速度での当該矩形パルスのパルス幅と記録パワーとに関する条件を算出する(S6)。このステップS6の処理が矩形パルス用算出手段の機能として実行される。引き続き、ステップS6で算出された算出値に基づき対象となる指定の記録線速度において異なる記録パワーを用いて当該光記録媒体1のPCA領域に対して試し書きを行い、矩形パルス記録用の最適記録パワーを取得する(S7)。このステップS7の処理が矩形パルス用試し書き手段の機能として実行される。その後、ステップS7で取得した最適記録パワーによる矩形パルスで記録を行わせる(S8)。
【0060】
一方、ステップS1で指定された記録線速度がこのステップS2の処理により取得された最大記録線速度を超えない場合には(S4のN)、基本的には、マルチパルスによる記録のままとなるが(S12)、その最終判断の前に、指定された記録線速度においてマルチパルス方式で異なる記録パワーを用いてPCA領域に対して試し書きを行い、マルチパルス記録用の最適記録パワーを取得する(S9)。このステップS9の処理が試し書き手段の機能として実行される。引き続き、このステップS9で取得した最適記録パワーが当該情報記録装置に設定されている許容最大パワーを超えるか否かを判定する(S10)。このステップS10の処理が判定手段の機能として実行される。最適記録パワーが許容最大パワーを超える場合には(S10のY)、前述の場合と同様に、記録パルス選択手段21に対して矩形パルスによる記録を指示する(S5)。
【0061】
最適記録パワーが許容最大パワーを超えない場合には(S10のN)、基本的には、記録パルス選択手段21に対してマルチパルスによる記録を指示するが(S13)、その前に、ステップS3で取得した温度情報と、ステップS9で取得した最適記録パワーとを用いて、検出温度と予め設定されている許容最大温度との温度差に基づき最適記録パワーがどの位上昇するかの上昇値を算出する(S11)。このステップS11の処理が記録パワー上昇算出手段の機能として実行される。引き続き、今度は、このステップS11により算出された上昇値分を加えた最適記録パワーが許容最大パワーを超えるか否かを判定する(S12)。このステップS12の処理も判定手段の機能として実行される。最適記録パワーが上昇値を加算した許容最大パワーを超える場合には(S12のY)、前述の場合と同様に、記録パルス選択手段21に対して矩形パルスによる記録を指示する(S5)。
【0062】
最適記録パワーが上昇値を加算した許容最大パワーを超えない場合には(S12のN)、記録パルス選択手段21に対してマルチパルスによる記録を指示する(S13)。この指示を受けて、記録パルス選択手段21は記録パルスとしてマルチパルス生成部19により生成されるマルチパルスを選択する。そして、ステップS9で取得した最適記録パワーによるマルチパルスで記録を行わせる(S8)。
【0063】
従って、本実施の形態の情報記録装置によれば、簡易で小規模な回路構成で前述したように、半導体レーザLD4のレーザ光波長のバラツキや情報記録装置の内部温度の上昇による長波長側シフトに対しても、色素系記録ディスクの推奨する記録線速度を超える高速度で半導体レーザLD4にダメージを与えることなく良好な記録が可能となる。
【0064】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、例えば記録条件が、推奨されるマルチパルスによる記録では記録パワー不足となるような高速の記録線速度となっても、矩形パルスによる記録に切換えることにより、十分低い記録パワーを用いることができ、更なる高速記録を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のマルチパルス記録方式及び矩形パルス記録方式を示すパルス波形図である。
【図2】矩形パルスによる記録時の補正処理例を示す波形図である。
【図3】最適記録パワーの記録倍速依存性を示す特性図である。
【図4】マルチパルス時の最適記録パワーの波長依存性を示す特性図である。
【図5】矩形パルス時の最適記録パワーの波長依存性を示す特性図である。
【図6】LD波長変動の温度依存性を示す特性図である。
【図7】本実施の形態の情報記録装置の構成例を示すブロック図である。
【図8】システムコントローラによる処理制御例を示す概略フローチャートである。
【図9】DVDメディアの一般的な記録方式を示す説明図である。
【符号の説明】
1 光記録媒体
3 回転駆動機構
4 レーザ光源
14 回転制御手段
17 記録パルス生成手段
21 記録パルス選択手段
23 光源駆動手段
Claims (1)
- 記録パルスに従った発光波形のレーザ光を照射することにより記録情報がマークとして形成される記録層を有する光記録媒体に記録する情報記録装置において、
前記光記録媒体を回転させる回転駆動機構と、
この回転駆動機構による前記光記録媒体の回転動作を指定された記録線速度に応じて制御する回転制御手段と、
前記レーザ光を発するレーザ光源と、
このレーザ光源を発光させる光源駆動手段と、
前記記録パルスとして、先頭加熱パルスと後続の加熱パルスとの組合せによるマルチパルスと、単パルスによる矩形パルスとの各々を生成可能な記録パルス生成手段と、
記録条件に応じて前記マルチパルスと前記矩形パルスとを切換え選択して前記光源駆動手段を介して前記レーザ光源を発光させる記録パルス選択手段と、
を備え、前記記録パルス選択手段は、記録条件として前記レーザ光源の波長のバラツキを用い、前記レーザ光源の波長が660nm±5nmの範囲に入らないものであれば前記矩形パルスを選択するようにした特徴とする情報記録装置。
Priority Applications (1)
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Related Parent Applications (1)
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Family Applications (1)
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JP2003195465A Pending JP2004030914A (ja) | 2003-07-11 | 2003-07-11 | 情報記録装置 |
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JP (1) | JP2004030914A (ja) |
-
2003
- 2003-07-11 JP JP2003195465A patent/JP2004030914A/ja active Pending
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