JP2007092783A - 動圧流体軸受の製造方法、動圧流体軸受およびスピンドルモータ - Google Patents

動圧流体軸受の製造方法、動圧流体軸受およびスピンドルモータ Download PDF

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直司 戒能
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彰人 白井
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Abstract

【課題】 軸受の円滑な動作に必要な軸方向の隙間を十分に確保できる、動圧流体軸受およびその製造方法、スピンドルモータを提供する。
【解決手段】 シャフト7と、シャフト7に対して相対回転可能な状態で取り付けられているスリーブ8と、シャフト7に固定または一体化された第1のフランジ部材6と、シャフト7に固定された第2のフランジ部材9とを少なくとも備えた軸受ユニット101の製造方法であって、シャフト7にスリーブ8を挿入し、該シャフトに第2のフランジ部材9を挿入する第1のステップと、第2のフランジ部材9の軸方向における上端面を押圧する第2のステップと、その押圧した状態を維持しながら、シャフト7および第2のフランジ部材9を溶接して、第2のフランジ部材9をシャフト7に固定する第3のステップと、を少なくとも有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、スピンドルモータ等に使用される動圧流体軸受とその製造方法、およびスピンドルモータに関する。
近年、ハードディスク駆動装置(以下、HDD)等のディスク駆動装置に搭載されるスピンドルモータは、非接触回転によって低NRROや低騒音が実現できる流体軸受モータが用いられている。
この流体軸受モータのモータ構造に関して、従来の動圧流体軸受(例えば、特許文献1参照)は、図9に示すように、ねじ止めによって構成されている。この例では、ラジアル軸受・スラスト軸受を兼ねたテーパ部分104を有するシャフト103に、同様のテーパを有するテーパ部分106を嵌合し、ネジカバー114で固定している。また、スリーブ112には、テーパベアリングシェル108が嵌合されている。そして、シャフト103のテーパ部分とテーパベアリングシェル108の間には潤滑剤が満たされている。
このような動圧流体軸受を製造する際には、上記各部品間を、圧入や接着剤等を用いることにより固着して必要な強度を持たせつつ、小型化を実現させてきた。具体的な方法としては、焼き嵌めによる方法、または接着剤を用いる固着工法等が用いられていた。しかし、いずれの方法も、例えば構成部品の寸法変化あるいは接着剤の部品内部への流入により、最終的に軸受の性能を低下させてしまう問題があった。
そのため、近年の動圧流体軸受(例えば、特許文献2参照)においては、シャフト7の一部に第1のシール部材としての大径部(第1のフランジ部材)6を一体的に形成し、そこにスリーブ8を挿入し、所定のスラスト隙間を保持しながら、第2のシール部材としての第2のフランジ部材9を圧入している(例えば、図2参照)。なお、図2は本発明に係る動圧流体軸受の構成を示す図であるが、ここでは便宜上、従来の動圧流体軸受に関する構成の説明に使用する。しかし、これでも、シャフト7に第2のフランジ部材9を圧入するとき、圧入によるバリが発生し、そのバリが軸受部品内部に入り込み、軸受の性能を低下させてしまう問題が、頻度は小さいが内在している。そこで、バリを発生させないために、溶接工法が一般的に用いられている(例えば、特許文献3参照)。
実用新案登録第2525216号公報 特開2002−070849号公報 特開2002−369438号公報
しかしながら、上記従来の構成および方法では、以下に示すような問題点をさらに有している。
すなわち、部品間を溶接することにより、溶接固化に伴う部品の収縮応力が変化し、所定の部品寸法が確保できないという問題が生じる。特に、特許文献3に開示されているように、スラスト軸受部分を構成するシャフトとフランジを溶接する場合、フランジが溶接により軸線方向に移動し、さらに溶接時に付与される熱により上下方向に反ってしまう。そのため、スラスト軸受に必要な軸方向の隙間を十分に確保できないという問題がある。
そこで、本発明の課題は、上記問題を解決することが可能な、動圧流体軸受およびその製造方法、スピンドルモータを提供することにある。
第1の発明に係る方法は、シャフトと、スリーブと、第1のフランジ部材と、第2のフランジ部材と、を少なくとも備えた動圧流体軸受の製造方法であって、シャフトにスリーブを挿入し、該シャフトに第2のフランジ部材を挿入する第1のステップと、第2のフランジ部材の軸方向における上端面を押圧する第2のステップと、押圧した状態を維持しながら、シャフトおよび第2のフランジ部材を溶接して、第2のフランジ部材をシャフトに固定する第3のステップとを有している。ここで、スリーブは、シャフトに対して相対回転可能な状態で取り付けられている。第1のフランジ部材は、シャフトに固定または一体化されている。第2のフランジ部材は、シャフトに固定されている。
ここでは、第2のフランジ部材とシャフトを溶接する際に、第2のフランジ部材の軸方向における上端面を押圧する、動圧流体軸受の製造方法を示す。
通常、第2のフランジ部材をシャフトに固定する方法として、レーザ溶接が用いられる。レーザ溶接は、圧入や接着剤等を用いて部材を固着させる従来方法の欠点を解決するために導入されたものであり、従来方法に比べて最終的な動圧流体軸受の軸受性能を低下させない利点がある。しかし、溶接時に、第2のフランジ部材が軸線方向に移動し、さらには溶接時に付与される熱によって上下方向に反って変形してしまうため、所定の軸方向の隙間を十分に確保できない問題がある。軸方向の間隙には、潤滑流体が注入され、非接触回転を行う動圧流体軸受の円滑な動作を担う。そのため、所定の寸法どおりに部品を製造することができず、ひいては動圧流体軸受の性能が低下してしまう。
そこで、本願の動圧流体軸受の製造方法では、溶接時に、第2のフランジ部材の軸方向における上端面を押圧しておく。第2のフランジ部材を固定し、かつ変形を抑えるために、押圧部位は第2のフランジ部材の軸方向における上端面であればよい。特に、溶接部位の収縮応力を考慮すると、上記上端面の外周側であれば好ましい。
これにより、第2のフランジ部材の移動と変形を防ぐことができるため、溶接を用いた場合において、所定の軸方向の隙間を十分に確保しつつ、精度よく動圧流体軸受を製造することが可能になる。従って、動圧流体軸受の性能を確保できる。
第2の発明に係る方法は、第1の発明に係る動圧流体軸受の製造方法であって、第2のステップにおいて、第2のフランジ部材の軸方向における上端面を押圧する際に、さらにシャフトの軸方向における上端面も押圧する。
ここでは、第2のフランジ部材とシャフトを溶接する際に、第2のフランジ部材のみならず、シャフトの軸方向における上端面も押圧する、動圧流体軸受の製造方法を示す。
溶接時のさらなる問題として、溶接部位の収縮応力の影響を受けて、さらにシャフトが浮き上がってくる点がある。これによっても、上記と同様、所定の軸方向の隙間を十分に確保できない。そのため、所定の寸法どおりに部品を製造することができず、ひいては動圧流体軸受の性能が低下してしまう。
そこで、溶接時にシャフトの軸方向における上端面も同時に押圧しておき、シャフトを固定する。
これにより、シャフトの浮き上がりを防ぐことができるため、溶接を用いた場合において、所定の軸方向の隙間を十分に確保しつつ、精度よく動圧流体軸受を製造することが可能になる。従って、さらに動圧流体軸受の性能を確保できる。
第3の発明に係る方法は、第2の発明に係る動圧流体軸受の製造方法であって、シャフトは、端面にねじ穴を有し、第2のステップにおいて、ねじ穴を塞ぎながら、シャフトの軸方向における上端面を押圧する。
ここでは、第2のフランジ部材とシャフトを溶接する際に、シャフトが有するねじ穴を塞いだ状態で、同時にシャフトの上端面を押圧する動圧流体軸受の製造方法を示す。
通常、動圧流体軸受の構成として、シャフトには、スピンドルモータの上面を覆うカバーを固定するためのねじ穴が、軸方向における上端面に開口している形状で設けられている。このような構成の場合、上述した第2のフランジ部材の移動、変形、およびシャフトの浮き上がりの他に、溶接時にスパッタなどの溶接ヒュームが飛び散り、ねじ穴に入り込んでしまう問題がある。そのため、最終的に動圧流体軸受の製造精度が低下してしまう。
そこで、本願の製造方法では、シャフトの上端面を押圧する際に、シャフトのねじ穴を塞ぐようにする。
これにより、溶接ヒュームの飛散を防ぐことができ、動圧流体軸受の製造精度の低下を抑えることができる。
第4の発明に係る方法は、第1から第3のいずれか1つの発明に係る動圧流体軸受の製造方法であって、シャフトの軸方向における上端面の押圧には、押さえ治具を用いる。
ここでは、シャフトの軸方向における上端面の押圧する部材について示す。
押さえ治具は、押圧力がシャフトに均等に伝達する形状であればよい。
これにより、シャフトの上端面を精度よく押圧することができる。
第5の発明に係る方法は、第4の発明に係る動圧流体軸受の製造方法であって、押さえ治具は、剛性を有する。
ここでは、押さえ治具が、剛性を有する物体であってもよいことを示す。
押さえ治具は、例えば、硬質なゴム材等を用いることができる。
これにより、均等に押圧力を付与できるため、シャフトの上端面を精度よく押圧することができる。
第6の発明に係る方法は、第4または第5の発明に係る動圧流体軸受の製造方法であって、押さえ治具は、先端に球体形状を有する。
ここでは、押さえ治具の形状の例として、その先端が球体形状になっているものを示す。
押さえ治具の形状は、シャフトの軸方向における上端面を傷つけない形状であることが好ましい。
そこで、押さえ治具の先端、すなわちシャフトの軸方向における上端面と接する部位を球体形状とする。
これにより、シャフトの上端面を傷つけることなく、精度よく押圧することができる。
第7の発明に係る方法は、第1から第6のいずれか1つの発明に係る動圧流体軸受の製造方法であって、第2のフランジ部材は、溶接によってシャフトに固定される。
ここでは、第1のフランジ部材をシャフトに固定する際の方法を示す。
第1のフランジ部材は、シャフトに一体加工して形成される場合と、シャフトに固定される場合とがある。一般に、固定する場合の方法として、例えば、圧入接着がある。しかし、圧入時にバリが生じてしまい、動圧流体軸受の製造に影響を与える問題がある。
そこで、固定する場合には、第2のフランジ部材をシャフトに溶接して形成する場合と同様に、溶接を用いる。
これにより、バリを発生させることなく、動圧流体軸受を精度よく製造することが可能になる。
なお、溶接法は、例えば、レーザ溶接であればよい。
第8の発明に係る方法は、第1から第7のいずれか1つの発明に係る動圧流体軸受の製造方法であって、第2のフランジ部材は、軸方向における上端面の内周側に凹部を有し、第3のステップにおけるシャフトおよび第2のフランジ部材の溶接は、凹部とシャフトの境界部近傍に対して行われる。
ここでは、第2のフランジ部材の上端面に、凹部を設けた構成を示す。
通常、第2のフランジ部材とシャフトを溶接する際、溶接部位は、フランジ部材とシャフトの上部接点近傍である。しかし、このままでは、溶接中に溶接ヒューム等が飛び散り、他の部品の製造精度に影響を与える場合がある。そのため、最終的に動圧流体軸受の製造精度が低下してしまう。
そこで、第2のフランジ部材に、軸方向における上端面の内周側に凹部を設け、凹部の底面とシャフトの境界部近傍を溶接する。この時生じる溶接ヒュームは、凹部内に留まる。
これにより、溶接ヒュームの飛散を防ぐことができるため、動圧流体軸受の製造精度の低下を抑えることができる。
第9の発明に係る動圧流体軸受は、シャフトと、スリーブと、第1のフランジ部材と、第2のフランジ部材とを少なくとも備える。スリーブは、シャフトに対して相対回転可能に取り付けられている。第1のフランジ部材は、シャフトに固定または一体化されている。第2のフランジ部材は、シャフトに固定される。また、第2のフランジ部材は、軸方向における上端面の内周側に凹部を有している。
ここでは、本願の動圧流体軸受の基本構成と、そのうちの第2のフランジ部材に係る形状について、その軸方向における上端面の内周側に凹部を設けた例を示す。
通常、第2のフランジ部材とシャフトを溶接する際、溶接部位は、フランジ部材とシャフトの上部接点近傍である。しかし、このままでは、溶接中に溶接ヒューム等が飛び散り、他の部品の精度に影響を与える場合がある。そのため、最終的に動圧流体軸受の動作精度を低下させてしまう。
そこで、第2のフランジ部材に、軸方向における上端面の内周側に凹部を設け、凹部の底面とシャフトの境界部近傍を溶接する。この時生じる溶接ヒュームは、凹部内に留まる。
これにより、溶接ヒュームの飛散を防ぐことができる、動作精度のよい動圧流体軸受が得られる。
第10の発明に係る動圧流体軸受は、第9の発明に係る動圧流体軸受であって、第2のフランジ部材は、軸方向における下端面の内周側に凹部をさらに有している。
ここでは、第2のフランジ部材が、その下端面にも凹部を有することを示す。
通常、動圧流体軸受を動作させると、各部品の間隙に注入した潤滑流体から気泡が発生し、動圧流体軸受の円滑な動作を妨げる場合がある。
そこで、レーザ溶接に使用しない、軸方向における下端面の内周側に凹部を設けて気泡逃げ部とする。
これにより、気泡を凹部に流入させて、円滑な動作が維持できる動圧流体軸受が得られる。
第11の発明に係る動圧流体軸受は、シャフトと、スリーブと、第1のフランジ部材と、第2のフランジ部材とを少なくとも備える。スリーブは、シャフトに対して相対回転可能に取り付けられている。第1のフランジ部材は、シャフトに固定または一体化されている。第2のフランジ部材は、シャフトに固定される。また、本発明の動圧流体軸受は、第1のシール部材と、第2のシール部材との少なくともいずれか一方をさらに有している。第1のシール部材は、第1のフランジ部材の軸方向における下端面を覆うようにスリーブに固定される。第2のシール部材は、第2のフランジ部材の軸方向における上端面を覆うようにスリーブに固定される。
ここでは、フランジ部材を覆うシール部材を設けた構成を示す。
各フランジ部材とスリーブとの間隙には、潤滑流体が注入されている。この間隙について、軸方向における下端面から異物が混入したり、潤滑流体が漏出したりする場合がある。また、上端面からも異物が混入する場合がある。その結果、動圧流体軸受の円滑な動作を妨げてしまう。
そこで、カバーの役目を果たすシール部材を、フランジ部材を覆うような形状でスリーブに固定して形成する。なお、各フランジ部材とスリーブとの間隙を覆うようにすればよいので、シール部材は少なくともフランジ部材の軸方向における面の外周側に架かるようにする。
これにより、異物の混入や潤滑流体の漏出を防いで、円滑な動作が維持できる動圧流体軸受が得られる。
第12の発明に係るスピンドルモータは、第9から11のいずれか1つの発明に係る動圧流体軸受と、ハブと、マグネットと、ベースプレートと、ステータコアと、を少なくとも備えている。ハブは、動圧流体軸受に固定され、動圧流体軸受を回転可能にする。マグネットは、ハブに固定されている。ベースプレートは、動圧流体軸受を固定する。ステータコアは、マグネットと対向するようにベースプレートに固定されている。
ここでは、本願の動圧流体軸受を採用した、スピンドルモータの構成の基本構成を示す。
通常、スピンドルモータには、動圧流体軸受が用いられている。動圧流体軸受は、非接触回転によって低NRROや低騒音が実現できるため、その軸受性能はスピンドルモータの性能を左右する。そのため、所定の寸法どおり正確に製造され、かつ精度のよい動圧流体軸受を用いる必要がある。
そこで、本願の動圧流体軸受を用いることで、安定した軸受性能が得られる。この動圧流体軸受は、第2のフランジ部材に、軸方向における上端面の内周側に凹部を設けている。その凹部の底面角とシャフトの接点近傍を溶接することで、溶接ヒュームを凹部内に留まらせることができ、動作性能のよい動圧流体軸受が得られる。また、この動圧流体軸受は、レーザ溶接に使用しない、軸方向における下端面の内周側に凹部を設けて気泡逃げ部としてもよい。
これにより、気泡を凹部に流入させて、円滑な動作が維持できる動圧流体軸受が得られるため、動作性能のよいスピンドルモータが得られる。
第13の発明に係るスピンドルモータは、第9から11のいずれか1つの発明に係る動圧流体軸受と、ハブと、マグネットと、ベースプレートと、ステータコアと、を少なくとも備えている。ハブは、動圧流体軸受に固定され、動圧流体軸受を回転可能にする。マグネットは、ハブに固定されている。ベースプレートは、動圧流体軸受を固定する。ステータコアは、マグネットと対向するようにベースプレートに固定されている。さらに、ベースプレートは凹部を有し、動圧流体軸受における第1のフランジ部材およびスリーブの下端面は、ベースプレートとの間に所定の間隙を保持しながら、凹部に挿入されている。
ここでは、スピンドルモータを構成する動圧流体軸受とベースプレートの構造関係を示す。
スピンドルモータを構成する際には、スピンドルモータの動作性能を確保するために、動圧流体軸受が有する間隙に外部からの異物が混入しない、またモータ内部への潤滑流体の飛散を防ぐような構造にすることが好ましい。
そこで、動圧流体軸受を組み付けるベースプレートに凹部を設け、その凹部に動圧流体軸受を挿入する構成にする。
これにより、凹部を設けない場合と比べて、凹部の深さが存在する分、外部からの異物が混入や潤滑流体の飛散が起こりにくい。従って、さらに動作性能のよいスピンドルモータが得られる。
第1の発明に係る動圧流体軸受の製造方法によれば、動圧流体軸受の性能を確保できる。
第2の発明に係る動圧流体軸受の製造方法によれば、さらに動圧流体軸受の性能を確保できる。
第3の発明に係る動圧流体軸受の製造方法によれば、動圧流体軸受の製造精度の低下を抑えることができる。
第4の発明に係る動圧流体軸受の製造方法によれば、シャフトの上端面を精度よく押圧することができる。
第5の発明に係る動圧流体軸受の製造方法によれば、シャフトの上端面を精度よく押圧することができる。
第6の発明に係る動圧流体軸受の製造方法によれば、シャフトの上端面を精度よく押圧することができる。
第7の発明に係る動圧流体軸受の製造方法によれば、動圧流体軸受を精度よく製造することが可能になる。
第8の発明に係る動圧流体軸受の製造方法によれば、動圧流体軸受の製造方法の製造精度の低下を抑えることができる。
第9の発明に係る動圧流体軸受によれば、動作精度のよい動圧流体軸受が得られる。
第10の発明に係る動圧流体軸受によれば、円滑な動作が維持できる動圧流体軸受が得られる。
第11の発明に係る動圧流体軸受によれば、円滑な動作が維持できる動圧流体軸受が得られる。
第12の発明に係るスピンドルモータによれば、動作性能のよいスピンドルモータが得られる。
第13の発明に係るスピンドルモータによれば、さらに動作性能のよいスピンドルモータが得られる。
本発明の一実施形態に係る動圧流体軸受である軸受ユニット101を用いたスピンドルモータ100について、図1から図5を用いて説明すれば以下の通りである。
[スピンドルモータ100の構成]
スピンドルモータ100は、大きく分けて静止部材と回転部材とから構成されている。
静止部材とは、例えば、図1に示すように、ベースプレート1、ステータコア2、コイル3、絶縁チューブ4、第1のフランジ部材6、シャフト7、第2のフランジ部材9、円筒壁部16である。ベースプレート1は、アルミ合金等からなる(★ 受け治具の記載削除)。ステータコア2にはケイ素鋼板等が用いられ、銅系金属等からなるコイル3が巻回されてステータコア組立を形成する。ステータコア組立は、ベースプレート1に圧入接着等で固定されている。絶縁チューブ4は、片方の端部がステータコア2に挿入され、他方の端部が装置外部とつながっている。なお、絶縁チューブ4には、ポリオレフィン系樹脂等からなる熱収縮チューブが用いられることが多い。各フランジ部材6,9は、動圧発生部であり、ステンレス鋼材等からなる。シャフト7は、後述する軸受ユニット101とひいてはスピンドルモータ100の安定性を担う支柱の役割を果たす。なお、シャフト7は、ステンレス鋼材等からなり、ベースプレート1に圧入接着される。円筒壁部16は、ベースプレート1に凹部を形成している。
回転部材とは、例えば、図1に示すように、スリーブ8、バックヨーク13、エアシール14、マグネット15である。スリーブには、銅合金に無電解ニッケルメッキ処理したもの等が用いられる。アルミ合金等からなるハブ12は、図示しない記録媒体等を保持し、スリーブ8に固着されて一体回転する。バックヨーク13は、無電解ニッケルメッキ処理を鉄系金属に施した磁性材料等からなり、ハブ12に圧入等で固定されている。マグネット15は、バックヨーク13に接着固定された後、加熱硬化される。なお、マグネットには、Ne−Fe−Bo系の樹脂マグネットが通常使用されている。エアシール14は、主に記録媒体が保持されている空間とステータコア組立を有する空間を遮断する。マグネット15は、ステータコア組立に対向して配置され、回転部材の回転の原動力となる。この凹部に第1のフランジ部材6とスリーブ7の下端を挿入し、いわゆるラビリンス構造とする。ここで、スリーブ8外周と円筒壁部16内周との隙間L3は、例えば0.25mm以下であればよい。
また、ベースプレート1と第1のフランジ部材6の下端面との間に所定の間隙L4が形成されている。間隙L4は、ベースプレート1にシャフト7を圧入する際に、シャフト7の高さ位置を調整するために必要である。同時に、第1のフランジ部材6の下端面およびスリーブの下端面には撥油剤24が塗布されるため(詳細は後述)、その分の間隙として設けておく必要がある。通常、間隙L4は約0.2mmであればよい。
上記各部品の中で、シャフト7、各フランジ部材6,9、スリーブ8、潤滑流体116は、動圧流体軸受である軸受ユニット101を構成する。なお、軸受ユニット101の詳細な構成については以下で述べる。
[軸受ユニット101の構成]
軸受ユニット101の構成の一例について、図2を用いて説明すれば、以下の通りである。
軸受ユニット101は、シャフト7、各フランジ部材6,9、スリーブ8、潤滑流体116が図2に示すように組み合わされて構成される。
シャフト7は、軸受ユニット101の中心に位置し、その下端はベースプレート1(図1参照)に圧入接着等により固定される。また、シャフト7は、その上端面に、スピンドルモータ100(図1参照)の上面を覆う図示しないカバーを固定するためのねじ穴11を有する。シャフト7の外周面またはスリーブ8の内周面には、ラジアル動圧発生溝が形成されている。第1のフランジ部材6は、シャフト7に固定または一体化されていてもよい。第1のフランジ部材6のスリーブ側の対向面、またはスリーブ8の第1のフランジ部材6側の対向面には、スラスト動圧発生溝が形成されている。第2のフランジ部材9は、シャフト7に固定されている。第2のフランジ部材9のスリーブ側の対向面またはスリーブ8の第2のフランジ部材側の対向面には、スラスト動圧発生溝が形成されている。これらの動圧発生溝が形成されている空間すなわち軸受隙間には潤滑流体116が注入されている。
スリーブ8には、上記2つのスラスト動圧発生溝を連通する連通路19が形成されており、軸受内部の圧力均衡を行っている。連通路19は、スリーブ8に孔加工を施してもよいし、またはスリーブを外スリーブと内スリーブとに分け、内スリーブ外周を一部Dカット等してそれらを嵌合組立することにより形成してもよい。
[軸受ユニット101の製造方法]
次に、軸受ユニット101の製造方法の一例について、図3を用いて説明すれば、以下の通りである。
まず、図3に示すように、表面が研磨された受け治具20に、第1のフランジ部材6が形成されたシャフト7の下端側を挿入する。受け治具20は、軸受ユニット101を安定、かつ水平に固定するための土台となる。次に、スリーブ8がシャフト7に対して回転可能な状態となるように、スリーブ8を自重落下させてシャフト7に挿通する。
第1のフランジ部材6が受け治具20に当接する面(A面)と、スリーブ8が受け治具20に当接する面(B面)は、受け治具20における同一面上にある。ただし、第1のフランジ部材6とスリーブ8の形状・寸法によっては、A面とB面は、受け治具20における異なる面上にあってもよい。
ここで、B面からスリーブ8側の動圧面までの距離をL1、A面から第1のフランジ部材6側の動圧面までの距離をL2とする。この時、L1>L2とする。L1−L2=Gsとすると、Gsは、第1のフランジ部材6とスリーブ8との間隙の距離、すなわちスラスト軸受のギャップである。
ここで、Gsが広いと軸方向の動圧がアンバランスになり、スラスト剛性が低下してモータ性能が低下する。逆に、Gsが狭いと潤滑流体の抵抗が大きくなり、軸受ロスが増加してモータの電流値が高くなる。従って、組み立ての作業性と組み立て後のスラスト剛性およびモータの消費電流とを考慮すると、Gsは15から25μmの距離であればよい。より好ましくは、20μmで規制するのがよい。
第2のフランジ部材9をシャフト7に溶接する際に、第2のフランジ部材9の上端面は押圧される。そのため、第2のフランジ部材9は、第2のフランジ部材9と対向するスリーブ8の軸方向の面に密着して固定されることが好ましい。第2のフランジ部材9とスリーブ8との軸方向における間隙は、溶接後にスリーブ8をシャフト7に対して軸方向下向きに相対移動させることで形成できればよい。
このようにGsの距離を規制した状態で、第2のフランジ部材9を挿入する。
次に、第2のフランジ部材9の軸方向における上端面の外周部を押圧しながら、シャフト7の上端面に、押さえ治具である球状治具10を置く。この球状治具10は、封止部材でもある。このため、球状治具10でねじ穴11を封止しながら、シャフト7の軸方向における上端面を押圧し、シャフト7と第2のフランジ部材9の境界線近傍の全周、または複数箇所をレーザ溶接する。このレーザは、YAGレーザ等を用いればよい。レーザ溶接箇所は、図4に示す。なお、球状治具10は、シャフト7のねじ穴11を傷つけないように封止でき、かつシャフト7を均等に押圧できればよいので、シャフト7との接触面が球状であればよい。
その後、図5のように、軸受ユニット101の上端側において、第2のフランジ部材9の上端面外周部およびスリーブ8の軸受ユニット101開口部近傍の内周面とに、撥油剤24を塗布する。また、軸受ユニット101の下端側において、第1のフランジ部材6の下端面外周部およびスリーブ8の下端面の内周部若しくは全域とに、撥油剤24を塗布する。通常、撥油剤24としては、フッ素系撥油剤が用いられる。
上記方法により組立てられた軸受ユニット101を、図示しない真空チャンバに入れ、真空引きを行うことで低圧環境に置いた状態で、軸受の隙間に潤滑流体116を滴下する。軸受の隙間全体に潤滑流体116が満たされた後、真空チャンバを大気圧に戻し、その状態で一定時間放置しておく。なお、潤滑流体とは、例えば、オイルであればよい。
この後、適宜、第1のフランジ部材9の上端面に、図示しないトップカバーを接着固定により設けてもよい。
以上の方法により、レーザ溶接を用いた場合でも、各フランジ部材6,9とスリーブ8の間隙が正確に保持可能となり、精度よく軸受ユニット101を製造することが可能になる。
[本製造方法の特徴]
(1)
本実施形態で製造される軸受ユニット101の構成要素は、シャフト7と、シャフト7に対して相対回転可能な状態で取り付けられているスリーブ8と、シャフト7に固定または一体化された第1のフランジ部材6と、シャフト7に固定された第2のフランジ部材9等である。この軸受ユニット101の製造工程は、以下の工程を含んでいる。(1)第2のフランジ部材9を、シャフト7とスリーブ8との間に挿入、(2)第2のフランジ部材9の軸方向における上端面を押圧、(3)その押圧した状態を維持しながら、シャフト7および第2のフランジ部材9を溶接して、第2のフランジ部材9をシャフト7に固定する。
これにより、溶接時に第2のフランジ部材が軸線方向に移動し、さらには溶接時に付与される熱によって上下方向に反って変形してしまうため、所定の軸方向の隙間を十分に確保できない問題を回避できる。
従って、所定の軸方向の隙間を十分に確保しつつ、精度よく動圧流体軸受を製造することが可能になる。
(2)
本実施形態の軸受ユニット101の製造方法は、上記第2のステップにおいて、第2のフランジ部材9の軸方向における上端面を押圧する際に、さらにシャフト7の軸方向における上端面も押圧する。
シャフト7と第2のフランジ部材9の溶接時には、溶接部位の収縮応力の影響を受けて、シャフトまでも浮き上がってしまい、所定の軸方向の隙間を十分に確保できない問題がある。
そこで、溶接時にシャフト7を固定するよう、シャフト7の軸方向における上端面も押圧すればよい。
これにより、所定の軸方向の隙間を十分に確保しつつ、さらに精度よく動圧流体軸受を製造することが可能になる。
(3)
本実施形態の軸受ユニット101のシャフト7は、端面にねじ穴11を有し、本実施形態の軸受ユニット101の製造方法は、上記第2のステップにおいて、ねじ穴11を塞ぎながら、シャフト7の軸方向における上端面を押圧する。
これにより、溶接時に、溶接ヒューム等が飛び散り、ねじ穴に入り込んでしまう問題を回避できる。
従って、動圧流体軸受の製造精度の低下を抑えることができる。
(4)
本実施形態の軸受ユニット101の製造方法は、シャフトの軸方向における上端面の押圧には、押さえ治具を用いる。
これにより、シャフト7の上端面を精度よく押圧することができる。
(5)
本実施形態の軸受ユニット101の製造方法において、上記押さえ治具は、剛性を有している。
これにより、シャフト7の上端面に対して均等に押圧力を付与できる。
従って、シャフト7の上端を精度よく押圧することができる。
(6)
本実施形態の軸受ユニット101の製造方法において、上記押さえ治具は、先端に球体形状を有している。
これにより、シャフト7の上端面を傷つけることなく、精度よく押圧することができる。
(7)
本実施形態の軸受ユニット101の製造方法において、第2のフランジ部材9は、溶接によってシャフト7に固定される。
部材の固定方法としては、一般に圧入接着等の方法があるが、本発明においてこの方法は適切ではない。これは、シャフト7の外周面には、隣接部材との間に間隙が設けられており、圧入接着などにより生じるバリなどの異物の混入は避ける必要があるためである。
また、上述したように、軸受ユニット101の製造方法は、溶接における問題点を回避できるものである。
このため、溶接を用いることにより、軸受ユニット101を精度よく製造することが可能になる。
[他の実施の形態]
(A)
上記実施形態では、第2のフランジ部材9をシャフト7に固定するために、シャフト7と第2のフランジ部材9の境界線近傍をレーザ溶接する例を、図4を挙げて説明した。この時、第2のフランジ部材9の形状は、これに限定されるものではない。例えば、図6(a)に示すように、第2のフランジ部材は、軸方向における上端面の内周側に凹部5を有し、レーザ溶接は、この凹部5の底面とシャフト7の境界部近傍に対して行うものであってもよい。
凹部5の効果としては、溶接による第2のフランジ部材9の反り防止と異物飛散防止がある。
図4に示す構成で溶接を行うと、第2のフランジ部材9の上端面を内周側に引き込む向きに負荷がかかる。そのため、第2のフランジ部材9は、軸方向上向きに反った状態(外周部が内周部より高い状態)になる場合がある。
上記実施形態では、この反りを所定の範囲内に抑えるために、第2のフランジ部材9の軸方向における上端面の外周側を押圧している。これに加えて、図6(a)に示す凹部5を設けると、溶解によって内周側に引き込まれる負荷がかかるのは凹部5の底面付近となり、上端面への影響は抑えることができる。従って、第2のフランジ部材9の反りは緩和される。
また、溶接中には、通常、溶接ヒュームや溶接でできたスス等の異物が飛び散り、他の部品の製造精度に影響を与える場合がある。そのため、レーザ溶接後に、これらの異物を拭き取りやエア吸引等で除去し清浄することが好ましいが、その時でさえ、異物は飛散してしまう。
そこで、図6(a)に示すように、第2のフランジ部材9の内周側に凹部5を設けることにより、異物の飛散を抑えることができる。
これにより、より性能のよい軸受ユニット101を提供できる。
(B)
上記実施形態、および上記(A)では、レーザ溶接を用いて第2のフランジ部材9をシャフト7に固定する例を説明した。この後、レーザ溶接箇所をさらに接着剤等でオーバーコートしてもよい。
これは、レーザ溶接箇所に生じる細かな亀裂(マイクロクラック)から脱落・飛散する異物(コンタミ)によって、軸受ユニット101あるいはスピンドルモータ100の内部が汚損されることを防止するためである。
これにより、さらに性能のよい軸受ユニット101を提供できる。
(C)
上記実施形態、および上記(A)において、第2のフランジ部材9の形状について説明した。しかし、この形状はこれに限定されるものではない。例えば、第2のフランジ部材9は、図6(b)に示すように、軸方向における下端面の内周側に凹部である気泡逃げ部21をさらに有していてもよい。
製造後に軸受ユニット101を動作させると、各部品の間隙に注入した潤滑流体116から気泡が発生し、軸受ユニット101の円滑な動作を妨げる場合がある。ラジアル軸受領域からスラスト軸受領域に移動した気泡は、その境界部に滞留しようとする。それは、軸受が作動中は潤滑流体に遠心力が働き、比重の大きい潤滑流体はスラスト軸受外方に移動し、逆に比重の小さい気泡はスラスト軸受内方に移動させられるからである。また、スラスト軸受領域で発生した気泡は、上記と同様にスラスト軸受内方に移動する。
そこで、第2のフランジ部材9の軸方向における下端面の内周側に、気泡逃げ部21として凹部を設ける。この凹部に気泡が流入して堆積し、軸受ユニット101の円滑な動作を妨げない。
これにより、軸受ユニット101の円滑な動作を維持することが可能になる。
なお、凹部5および気泡逃げ部21の寸法については、例えば、シャフト7の径を約φ3.5〜φ4.5、第2のフランジ部材9の厚みを約2〜4mmとすると、凹部5の内径は約φ5.5(シャフト径の1.5〜2倍)、深さは約1mm(第2のフランジ部材9の厚みの1/3以下)であり、気泡逃げ部21の内径は約φ3.7(スリーブ内径以上かつスラスト軸受溝部の最内径以下)、深さは約1mm(スラスト隙間以上かつ第2のフランジ部材9の厚みの1/3以下)である。
(D)
上記実施形態、および上記(A)から(C)では、本発明に係る軸受ユニット101について説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、スピンドルモータ100’が備える軸受ユニット101’は、図7に示すような構成であってもよい。すなわち、軸受ユニット101’は、シャフト7と、シャフト7に対して相対回転可能な状態で取り付けられているスリーブ8と、シャフト7に固定または一体化された第1のフランジ部材6と、シャフト7に固定された第2のフランジ部材9とを少なくとも備えつつ、第1のフランジ部材6の軸方向における下端面を覆うようにスリーブ8に固定された第1のシール部材18と、第2のフランジ部材9の軸方向における上端面を覆うようにスリーブ8に固定された第2のシール部材17と、の少なくともいずれか一方をさらに有していてもよい。
各フランジ部材6,9とスリーブ8との間隙には、潤滑流体116が注入されている。この間隙について、軸方向における下端面から異物が混入したり、潤滑流体116が漏出したりする場合がある。また、上端面からも異物が混入する場合がある。その結果、軸受ユニット101の円滑な動作を妨げてしまう。
また、通常、スリーブ8および第1のフランジ部材6は、ベースプレート1に近接して配置され、ベースプレート1との間には所定の間隙が設けられている。この間隙の距離は、軸方向における下端面からの異物の混入、および潤滑流体116の漏出を防ぐために、微小なものである。そのため、スピンドルモータ製造時には、高い精度が要求され、スピンドルモータの設計自由度も制限されてしまう。
そこで、各フランジ部材6,9とスリーブ8との間隙を封止するために、各シール部材17,18を、各フランジ部材6,9それぞれの軸方向における面を覆うように配置して、スリーブ8に固定する。上記間隙を封止できるのであれば、各シール部材17,18を各フランジ部材6,9それぞれの軸方向における面の外周側に少なくとも架かるように配置してもよい。なお、この際、各シール部材17,18は、接着等によってスリーブ8に固定されればよい。
このように構成することにより、異物の混入や潤滑流体116の漏出が抑えられるのみならず、軸受ユニット101’を必ずしもベースプレート1に近接配置する必要がなくなり、設計の自由度も向上することができる。
これにより、動作性能のよい軸受ユニット101’が得られる。
(E)
上記実施形態では、球状治具10を用いて直接シャフト7を押圧する方法の例を挙げて説明した。しかし、本発明はこの方法に限定されるものではない。例えば、硬質ゴム材などの他の部材を介して押圧してもよい。
これによっても、精度よく軸受ユニット101を製造することが可能になる。
(F)
上記実施形態、および上記(A)〜(E)では、シャフト7が静止部材である例を挙げて説明した。しかし、本発明は、その構成に限定されて適用されるものではない。例えば、図8に示すように、シャフト7’が回転部材であり、スリーブ8’が静止部材であるような構成の、いわゆるシャフト回転型の軸受ユニット102に適用されるものであってもよい。
軸受ユニット102において、ハブ12’は、シャフト7’に固着され、シャフト7’と一体回転する。スリーブ8’は、ベースプレート1の凹部に圧入接着され、ベースプレート1に固定される。なお、その際、ベースプレート1とスリーブ8’との間には、図8に示すような通気孔22を形成することが好ましい。通気孔22は、軸受ユニット102とベースプレート1との間隙が密閉されることで逃げ場のなくなった空気によって、潤滑流体が漏れ出すことを防ぐ役割を果たす。その他、他の部材は、上記実施形態、または上記(A)〜(E)のいずれかと同様の構成を取る。
これによっても、上記実施形態、および上記(A)〜(E)による同様の効果が得られる。
本発明は、動圧流体軸受を有するモータ、例えばスピンドルモータに適用することができる。さらには、ディスクを複数枚有する記録媒体制御装置に使用される、両端開放軸固定型スピンドルモータに適用することもできる。
本発明の実施の形態における動圧流体軸受を有するスピンドルモータの構成を示す断面図 本発明の実施の形態における動圧流体軸受の構成を示す図 本発明の実施の形態における動圧流体軸受の製造方法を示す図 本発明の実施の形態における動圧流体軸受の溶接箇所を示す図 本発明の実施の形態における動圧流体軸受の撥油剤塗布位置を示す図 (a)は、本発明の他の実施の形態における動圧流体軸受の構成および溶接箇所を示す図(b)は、さらなる他の実施の形態における動圧流体軸受の構成の一部を示す拡大図 本発明の他の実施の形態におけるスピンドルモータの構成を示す図 本発明の他の実施の形態におけるスピンドルモータの構成を示す図 従来の動圧流体軸受の構成を示す図
符号の説明
1 ベースプレート
2 ステータコア
3 コイル
4 絶縁チューブ
5 凹部
6 第1のフランジ部材
7,103 シャフト
8,112 スリーブ
9 第2のフランジ部材
10 球状治具(押さえ治具)
11 ねじ穴
12 ハブ
13 バックヨーク
14 エアシール
15 マグネット
16 円筒壁部
17 第2のシール部材
18 第1のシール部材
19 連通路
20 受け治具
21 気泡逃げ部
22 通気孔
100,100’ スピンドルモータ
101,101’,102 軸受ユニット(動圧流体軸受)
104,106 テーパ部分
108 テーパベアリングシェル
114 ネジカバー
116 潤滑流体

Claims (13)

  1. シャフトと、
    前記シャフトに対して相対回転可能な状態で取り付けられているスリーブと、
    前記シャフトに固定または一体化された第1のフランジ部材と、
    前記シャフトに固定された第2のフランジ部材と、
    を備えた動圧流体軸受の製造方法であって、
    前記シャフトに前記スリーブを挿入し、該シャフトに前記第2のフランジ部材を挿入する第1のステップと、
    前記第2のフランジ部材の軸方向における上端面を押圧する第2のステップと、
    前記押圧した状態を維持しながら、前記シャフトおよび前記第2のフランジ部材を溶接して、前記第2のフランジ部材を前記シャフトに固定する第3のステップと、
    を有している、動圧流体軸受の製造方法。
  2. 前記第2のステップにおいて、前記第2のフランジ部材の軸方向における上端面を押圧する際に、さらに前記シャフトの軸方向における上端面も押圧する、
    請求項1に記載の動圧流体軸受の製造方法。
  3. 前記シャフトは、端面にねじ穴を有し、
    前記第2のステップにおいて、前記ねじ穴を塞ぎながら、前記シャフトの軸方向における上端面を押圧する、
    請求項2に記載の動圧流体軸受の製造方法。
  4. 前記第2のステップにおいて、前記シャフトの軸方向における上端面の押圧には、押さえ治具を用いる、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の動圧流体軸受の製造方法。
  5. 前記押さえ治具は、剛性を有している、
    請求項4に記載の動圧流体軸受の製造方法。
  6. 前記押さえ治具は、先端に球体形状を有している、
    請求項4または5に記載の動圧流体軸受の製造方法。
  7. 前記第2のフランジ部材は、溶接によって前記シャフトに固定される、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の動圧流体軸受の製造方法。
  8. 前記第2のフランジ部材は、軸方向における上端面の内周側に凹部を有し、
    前記第3のステップにおける前記シャフトおよび前記第2のフランジ部材の溶接は、前記凹部と前記シャフトの境界部近傍に対して行われる、
    請求項1から7のいずれか1項に記載の動圧流体軸受の製造方法。
  9. シャフトと、
    前記シャフトに対して相対回転可能な状態で取り付けられているスリーブと、
    前記シャフトに固定または一体化された第1のフランジ部材と、
    前記シャフトに固定された第2のフランジ部材と、
    を備え、
    前記第2のフランジ部材は、軸方向における上端面の内周側に凹部を有している、
    動圧流体軸受。
  10. 前記第2のフランジ部材は、軸方向における下端面の内周側に凹部をさらに有している、
    請求項9に記載の動圧流体軸受。
  11. シャフトと、
    前記シャフトに対して相対回転可能な状態で取り付けられているスリーブと、
    前記シャフトに固定または一体化された第1のフランジ部材と、
    前記シャフトに固定された第2のフランジ部材と、
    を備え、
    前記第1のフランジ部材の軸方向における下端面を覆うように前記スリーブに固定された第1のシール部材と、
    前記第2のフランジ部材の軸方向における上端面を覆うように前記スリーブに固定された第2のシール部材と、
    の少なくともいずれか一方をさらに備えている、
    動圧型流体軸受。
  12. 請求項9から11のいずれか1項に記載の動圧流体軸受と、
    前記動圧流体軸受に固定され、前記動圧流体軸受を回転可能にするハブと、
    前記ハブに固定されたマグネットと、
    前記動圧流体軸受を固定するベースプレートと、
    前記マグネットと対向するように前記ベースプレートに固定されたステータコアと、
    を備えている、スピンドルモータ。
  13. 請求項9から11のいずれか1項に記載の動圧流体軸受と、
    前記動圧流体軸受に固定され、前記動圧流体軸受を回転可能にするハブと、
    前記ハブに固定されたマグネットと、
    前記動圧流体軸受を固定するベースプレートと、
    前記マグネットと対向するように前記ベースプレートに固定されたステータコアと、
    を備えており、
    前記ベースプレートは、凹部を有し、
    前記動圧流体軸受における前記第1のフランジ部材および前記スリーブの下端面は、前記ベースプレートとの間に所定の間隙を保持しながら、前記凹部に挿入されている、
    スピンドルモータ。
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