JP2007092229A - アクリル系複合繊維およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】アクリル系繊維の特徴である良好な染色性、風合いなどを保ち、繊維の基本特性である単糸の強度、伸度を保持しながら、優れた高伸縮性を有するアクリル系合成繊維およびその製造方法を提供する。
【解決手段】アクリル系重合体およびポリウレタン重合体が繊維軸方向に沿って3層以上に接合された多層構造を有するアクリル系複合繊維であって、該繊維中のアクリル系重合体含有量が10重量%〜80重量%、ポリウレタン重合体含有量が90重量%〜20重量%であり、単糸の強度が2.0CN/dtex以上6.0CN/dtex以下であることを特徴するアクリル系複合繊維およびその製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、高伸縮性の多層複合型のアクリル系複合繊維及びその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、アクリル系繊維の特徴である、良好な染色性、風合い等を保ち、かつ繊維の基本特性である、単糸の強度、伸度を保持し、高伸縮性を有した多層複合型アクリル系複合繊維およびその製造方法に関するものである。
アクリル系繊維はその良好な染色性、風合いの豊かさ等により、衣料、寝装、インテリア分野に広く用いられている。近年、加工方法、加工技術の進歩により、高収縮タイプの繊維を混紡して、高嵩高糸、人工獣毛等の素材としても用いられてきている。
しかしながら、従来の高収縮綿のアクリル系繊維は、長期間使用すると形くずれ(伸び、たるみ、へこみ、変形等)が生じ著しく商品価値を低下させる傾向が著しかった。その原因は、収縮綿、或いは高収縮原綿の製造方法自体によるものである。
例えば、可塑性成分の量を通常より増加させ、延伸性や収縮率を上げるという方法(特許文献1)で得られた収縮綿は、その耐熱性の低下の為に、繊維自体の物性(耐熱性、形態安定性、強度、クリンプ安定性等)が低下し、特に収縮時に繊維が硬く、風合がゴワゴワしたものとなる。従って少量の混紡では嵩高性の付与、風合いの改良が不十分であり、逆に多量の混紡では風合い外観の低下をまねくものであった。
延伸後のトウの乾燥を緩和な条件下で行い、更に必要ならば2次延伸を行い残留収縮率を上げた方法(特許文献2)で得られた繊維は繊維自体の物性(耐熱性、形態安定性、クリンプ安定性等)が低く、かつ、染色性、収縮時の再失透等に問題があった。
アクリル系重合体にポリウレタンを混合し、収縮率を上げる等の方法(特許文献3)で得られた収縮綿は、アクリル系重合体とポリウレタンを均一混合しているため、操業性、繊維の耐熱性、形態安定性、風合い、染色性等を満足するものではなかった。
アクリル系重合体と、ポリウレタン重合体の芯鞘紡糸法で収縮率を与える等の方法(特許文献4)で得られた繊維は、芯部にポリウレタン重合体があるため、満足する収縮率を与えることはできなかった。
特公昭49−8818号公報 特公昭40−1825号公報 特公平2−27444号公報 特開2005−187988号公報
本発明は、かかる従来技術の欠点を改善し、アクリル系繊維の特徴である良好な染色性、風合いなどを保ち、繊維の基本特性である単糸の強度、伸度を保持しながら、優れた高伸縮性を有するアクリル系合成繊維およびその製造方法を提供することにある。
すなわち、本発明は、ポリウレタン重合体を繊維に均一に練り込むのではなく、少なくとも一つのアクリル系重合体とポリウレタンが繊維軸方向に沿って3層以上に接合して複合紡糸することにより製造時の操業性、および優れた高伸縮性を有するアクリル合成繊維ができる事を見い出した。
すなわち本発明は、アクリル系重合体およびポリウレタン重合体が繊維軸方向に沿って3層以上に接合された多層構造を有するアクリル系複合繊維であって、該繊維中のアクリル系重合体含有量が10重量%〜80重量%、ポリウレタン重合体含有量が90重量%〜20重量%であり、単糸の強度が2.0CN/dtex以上6.0CN/dtex以下あることを特徴するアクリル系複合繊維およびその製造方法である。
本発明によれば、ポリウレタン重合体が密集して存在する層ではポリウレタン重合体同士の距離が小さくなりポリウレタン重合体同士の相互作用により、繊維全体にポリウレタン重合体を均一に練り込んだ場合より高い高伸縮性を有するアクリル系合成繊維が得られる。また、芯鞘繊維のような複雑な口金を用いる事が無く製造できるので、操業性に優れる。すなわち、本発明によれば、アクリル系繊維中にポリウレタン重合体を多層複合させ、製造工程で乾燥緻密化を行わないことにより、高伸縮性を有し、アクリル系繊維の特徴を損なうことのない高伸縮性多層複合アクリル系繊維が提供できる。
本発明を詳細に説明する。
本発明において用いるアクリル系重合体は、繊維形成性を有するアクリル系ポリマー、すなわち、アクリロニトリルを80重量%以上含有するアクリル系ポリマーおよび共重合ポリマーであれば好ましく、特に限定されるものではないが、製糸性、耐失透性、染色性などの面から、アクリロニトリルを90重量%以上含有し、共重合量が10重量%以下であるものがさらに好ましい。
また、このアクリル系重合体における共重合成分には、例えばアクリル酸、メタクリル酸およびそれらの低級アルキルエステル類、イタコン酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、塩化ビニリデンなどのビニル系化合物の他に、ビニルスルホン酸、アクリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、パラスチレンスルホン酸などの不飽和スルホン酸およびそれらの塩類などの酸性モノマー類の同種または異種を用いることができる。好ましくは、アクリル酸、メタクリルスルホン酸等を用いる。
上記アクリル系重合体は、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシドなどの有機溶剤中で適宜重合または溶解し、ポリマー濃度が10〜25重量%の紡糸原液とするのが好ましい。好ましくは、ジメチルスルホオキシド溶媒を使用し、ポリマー濃度23重量%〜25重量%の紡糸原液を用いる。
次に、本発明で用いるポリウレタン重合体溶液は通常のものが使用できる。例えば、ポリウレタン重合体の組成は、エステル系、エステル/エーテル系、エーテル系、ポリカーボネート系が挙げられる。好ましくは、エステル系あるいはエーテル系を用いる。
本発明の高伸縮性アクリル系複合繊維は、伸長弾性率が20%以上100%以下であることが好ましい。この所望の伸長弾性率を得るために、アクリル系重合体とポリウレタン重合体の含量を相互に調整することが必要である。すなわち、アクリル系重合体含有量10重量%〜80重量%、ポリウレタン重合体含有量90重量%〜20重量%の層を含み、繊維全体のポリウレタン重合体含有量が80重量%〜20重量%以下であることが重要である。
本発明では、繊維中のポリウレタン重合体の含有量は20〜90重量%である必要がある。20%未満であると高伸縮性を得ることができない。含有量は好ましくは25重量%〜75重量%、さらに好ましくは30重量%〜70重量%である。ポリウレタン重合体が多いほど高伸縮性は高くなるが、その反面アクリル系繊維の特徴が失われることになるので、ポリウレタン重合体含有量を好ましくは、30重量%〜70重量%にすることにより操業性が良好で、優れた高伸縮性を有するアクリル系複合繊維を得ることができる。
一方、アクリル系重合体はポリウレタン重合体を全く含まないものである。さらに、繊維全体に含まれるアクリル系重合体含有量が10〜80重量%である必要がある。ポリウレタン重合体を層状に練り込むことで効果的に高伸縮性を有するアクリル系複合繊維を得ることはできるが、その場合でも10重量%未満では高伸縮性の良好なアクリル系複合繊維を得ることはできない。10〜80重量%にすることにより繊維断面中でポリウレタン重合体を含む層の割合がそれほど大きくならないので、繊維物性を阻害することがない。
本発明の繊維を製造する方法としては、少なくとも一つのアクリル系重合体10重量%〜80重量%、ポリウレタン重合体含有量90重量%〜20重量%のアクリル系重合体を、繊維軸方向に沿って3層以上に接合して複合紡糸する。
アクリル系重合体はアクリル系重合体を熔解する溶媒に熔解して紡糸原液を製造する。溶媒はアクリル系重合体の重合溶媒をそのまま使用することもできる。すなわち、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトン等の有機溶媒や硝酸、ロダン酸ソーダ、塩化亜鉛などの無機系溶媒が好ましく用いられる。これら溶媒に溶解し、紡糸原液とする。紡糸原液中の重合体濃度は通常10〜30重量%に設定する。この紡糸原液中に繊維形成能および操業性を阻害しないその他の添加剤を練り込んでも構わない。例えば酸化チタン、染料、顔料などであるが、これに限らない。
ポリウレタン重合体とアクリル系重合体を複合紡糸する方法を図2により説明する。図2は本発明の繊維を製造するための複合紡糸装置の一実施態様の平面図である。まず、ポリウレタン重合体紡糸原液(1)とアクリル系重合体紡糸原液(2)を用意する。これら2種の紡糸原液を図2の紡糸装置を用いて混合する。2種の紡糸原液(1)、(2)は各々濾過部(図示せず)を通過した後、スタティックミキサー(3)に供給され、混練される。このスタティックミキサー(3)で多層に積層された後、配流板を通って口金ユニット(4)に入り、紡糸孔(5)より流出されフィラメント群として吐出される。
紡糸に用いるスタティックミキサー(3)は、例えばケニックス社製「スタティックミキサー」、東レエンジニアリング社製「ミキシングユニット」、スルーザー社製ミキシングエレメントなど公知のものが用いられる。多層構造を有する繊維の形状は、紡糸孔の形状により、丸断面、三角断面、C型断面、扁平などの任意の形状を選択することができる。
凝固方法としては、凝固浴は、凝固速度が速いことが重要で、無機溶剤に比して、凝固速度の速いジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド(以下DMSOという)等の有機溶剤を水と混合して用いることができる。
中でも凝固速度が速いDMSOが好ましく使用される。なお、凝固浴の組成としては好ましくは有機溶剤10〜70重量%/水90〜10重量%、より好ましくは有機溶剤30〜60重量%/水70〜40重量%で使用する。
さらに凝固浴温度は、好ましくは5〜60℃、より好ましくは20〜45℃の範囲に保持する。凝固浴温度が5℃より低いと紡糸性、特に可紡性が低下するので好ましくない。
凝固浴温度が60℃より高いと、得られる繊維に失透現象が起き、染色性が低下するので好ましくない。
凝固浴より導出された凝固糸条は、水洗処理、水洗と同時に延伸処理、延伸後水洗処理、水洗後延伸処理のいずれかの処理をした後に、乾燥緻密化前の状態で
機械捲縮を付与し、60〜90℃の熱風で乾燥した後、所定の長さにカットして短繊維集合体を得ることができる。
かくして、本発明のアクリル系重合体が繊維軸方向に沿って3層以上接合された多層構造を有する高伸縮性を有するアクリル系複合繊維を得ることができる。
ここで、多層構造とは、繊維の長手方向に延在するアクリル共重合体の層が、繊維の長手方向に延在するポリウレタン重合体の層と接触し、ポリウレタン重合体は任意に1つ以上の別のアクリル系重合体の層と接触する繊維を意味する。
本発明の3層以上接合された多層構造を有するアクリル系複合繊維の一実施態様を図1に示す。図1は本発明の一実施態様の横断面図である。ポリウレタン重合体(11)とアクリル系重合体(12)が層状に接合された多層構造を形成している。
図1にあるようにポリウレタン重合体(11)とアクリル系重合体(12)を3層以上になるよう複合紡糸し、繊維外周部でアクリル系重合体(12)が外側に露出するようにすることが好ましい。それによって従来のアクリル系合成繊維と同程度の加工性を得ることができる。
また、本発明の繊維において、地層状に成分が異なる層が3層以上積み重なり、それを繊維断面に応じて、切り抜いた時、各層は直線状である必要はなく、曲線や波線状でも構わないし、層の厚みは一定である必要はない。しかし、各層の両端は繊維外周に接しているか、もしくは繊維外周からの距離が繊維断面に外接する円の直径の1/6以内である必要がある。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
実施例中のポリウレタン重合体溶液である市販の“サンプレンLQ−336N”は、次のような性状を有するものである。
外観:淡黄色液状、粘度:100,000Mpa・s(20℃),蒸発残分質量%:30、エステル系のポリウレタン重合体溶液。
実施例中の単繊維強度、伸縮率(伸長弾性率)は、下記の測定方法による。
[単繊維引張り強度及び伸度の測定方法]
JIS−L−1015、7.7の引張強さ及び伸び率の測定方法により測定し算出する。試験回数は30回とし、その平均値をJIS Z 8401によって求めた。強度は小数点以下2けた、伸度は小数点以下1けたに丸めて算出した値である。
[伸長弾性率測定方法]
試験測定法は、JIS−L1015、7.10、A法により測定し算出する。10回の試験回数試験し、その平均値をJIS Z 8401によって整数位まで算出した値である。
実施例中の繊維の層構造の確認は次のようにして行った。
[層構造]
繊維の断面を位相差顕微鏡を用い撮影したものである。
実施例1
繊維を形成するポリマーとして、アクリロニトリル(以下、ANという)94mol%、アクリル酸メチル5.5mol%、およびメタクリルスルホン酸ソーダ0.5mol%を用い、これを溶媒ジメチルスルホキシド(DMSO)にポリマー濃度25重量%になるよう溶解して紡糸原液を得た。 ポリウレタン重合体として市販の“サンプレンLQ−336N”(三洋化成工業(株)製)のポリウレタン樹脂溶液を用いた。
このアクリル系重合体の紡糸原液とポリウレタン重合体を、両者の合計量に対してポリウレタン重合体が35重量%になるよう図2に示す装置にて東レエンジニアリング社製「ミキシングユニット」を用いて複合紡糸した。紡糸浴はDMSO濃度55重量%、温度35℃の水溶液であった。
紡糸原液を紡糸浴中に口金より押し出し、凝固させた。口金は孔径0.055mmφ、口金孔数400Hを使用し、凝固浴中に湿式紡糸して凝固糸条を作製した。この凝固糸条を98℃の熱水中で5.5倍に延伸し、この延伸糸条を十分水洗した後、この糸条を75℃で予熱し、機械捲縮を付与した後、80℃の熱風で乾燥し、単繊維繊度3.3dtexのアクリル系繊維の繊維集合体を得た。得られたアクリル系繊維はポリウレタン重合体とアクリル重合体6層が接合された層構造を有する複合繊維であった。こうして得られたアクリル系繊維は単糸の強度が、3.5CN/dtex、伸長弾性率52%の優れた高伸縮性を有するアクリル系複合繊維であった。
実施例2
繊維を形成するポリマーとして、AN94mol%、アクリル酸メチル5.5mol%、およびメタクリルスルホン酸ソーダ0.5mol%を用い、これを溶媒DMSOにポリマー濃度25重量%になるよう溶解して紡糸原液を得た。ポリウレタン重合体として市販の“サンプレンLQ−336N”(三洋化成工業(株)製)のポリウレタン樹脂溶液を用いた。
このアクリル系重合体の紡糸原液と、ポリウレタン重合体がアクリル系重合体紡糸原液にポリウレタン重合体が45%になるよう図2に示す装置にて東レエンジニアリング社製「ミキシングユニット」を用いて複合紡糸した。紡糸浴はDMSO濃度55重量%、温度35℃の水溶液であった。
紡糸原液を紡糸浴中に口金より押し出し、凝固させた。口金は孔径0.055mmφ、口金孔数400Hを使用し、凝固浴中に湿式紡糸して凝固糸条を作製した。この凝固糸条を98℃の熱水中で5.5倍に延伸し、この延伸糸条を十分水洗した後、この糸条を75℃で予熱し、機械捲縮を付与した後、80℃の熱風で乾燥し、単繊維繊度3.3dtexのアクリル系繊維の繊維集合体を得た。こうして得られたアクリル系繊維は単糸の強度が、3.1CN/dtex、伸長弾性率68%の優れた高伸縮性を有するアクリル系複合繊維であった。
実施例3
繊維を形成するポリマーとして、AN94mol%、アクリル酸メチル5.5mol%、およびメタクリルスルホン酸ソーダ0.5mol%を用い、これを溶媒DMSOにポリマー濃度25重量%になるよう溶解して紡糸原液を得た。ポリウレタン重合体として市販の“サンプレンLQ−336N”(三洋化成工業(株)製)のポリウレタン樹脂溶液を用いた。
このアクリル系重合体の紡糸原液とポリウレタン重合体を、両者の合計量に対してポリウレタン重合体が65重量%になるよう図2に示す装置にて東レエンジニアリング社製「ミキシングユニット」を用いて複合紡糸した。紡糸浴はDMSO濃度55重量%、温度35℃の水溶液であった。
紡糸原液を紡糸浴中に口金より押し出し、凝固させた。口金は孔径0.055mmφ、口金孔数400Hを使用し、凝固浴中に湿式紡糸して凝固糸条を作製した。この凝固糸条を98℃の熱水中で5.5倍に延伸し、この延伸糸条を十分水洗した後、この糸条を75℃で予熱し、機械捲縮を付与した後、80℃の熱風で乾燥し、単繊維繊度3.3dtexのアクリル系繊維の繊維集合体を得た。こうして得られたアクリル系繊維は単糸の強度が、2.8CN/dtex、伸長弾性率85%の優れた高伸縮性を有するアクリル系複合繊維であった。
比較例1
繊維を形成するポリマーとして、AN94mol%、アクリル酸メチル5.5mol%、およびメタクリルスルホン酸ソーダ0.5mol%を用い、これを溶媒DMSOにポリマー濃度25重量%になるよう溶解して紡糸原液を得た。
ポリウレタン重合体として市販の“サンプレンLQ−336N”(三洋化成工業(株)製)のポリウレタン樹脂溶液を用いた。
このアクリル系重合体の紡糸原液とポリウレタン重合体を、両者の合計量に対してポリウレタン重合体が10%になるよう図2に示す装置にて東レエンジニアリング社製「ミキシングユニット」を用いて複合紡糸した。紡糸浴はDMSO濃度55重量%、温度35℃の水溶液であった。
紡糸原液を紡糸浴中に口金より押し出し、凝固させた。口金は孔径0.055mmφ、口金孔数400Hを使用し、凝固浴中に湿式紡糸して凝固糸条を作製した。この凝固糸条を98℃の熱水中で5.5倍に延伸し、この延伸糸条を十分水洗した後、この糸条を75℃で予熱し、機械捲縮を付与した後、80℃の熱風で乾燥し、単繊維繊度3.3dtexのアクリル系繊維の繊維集合体を得た。
こうして得られたアクリル系繊維は単糸の強度が、3.8CN/dtex、伸長弾性率15%であり、満足する高伸縮性を有するアクリル系複合繊維が得られなかった。
比較例2
繊維を形成するポリマーとして、アクリロニトリル(以下、ANという)94mol%、アクリル酸メチル5.5mol%、およびメタクリルスルホン酸ソーダ0.5mol%を用い、これを溶媒ジメチルスルホキシド(DMSO)にポリマー濃度25重量%になるよう溶解して紡糸原液を得た。
ポリウレタン重合体として市販の“サンプレンLQ−336N”(三洋化成工業(株)製)のポリウレタン重合体を用いた。
このアクリル系重合体の紡糸原液とポリウレタン重合体を、両者の合計量に対してポリウレタン重合体が90%になるよう図2に示す装置にて東レエンジニアリング社製「ミキシングユニット」を用いて複合紡糸した。紡糸浴はDMSO濃度55重量%、温度35℃の水溶液であった。
紡糸原液を紡糸浴中に口金より押し出し、凝固させた。口金は孔径0.055mmφ、口金孔数400Hを使用し、凝固浴中に湿式紡糸して凝固糸条を作製した。この凝固糸条を98℃の熱水中で5.5倍に延伸し、この延伸糸条を十分水洗した後、この糸条を75℃で予熱し、機械捲縮を付与した後、80℃の熱風で乾燥し、単繊維繊度3.3dtexのアクリル系繊維の繊維集合体を得た。
こうして得られたアクリル系繊維は単糸の強度が、1.7CN/dtex、伸長弾性率98%であったが、紡糸性が不安定で、得られた繊維もアクリル繊維の特徴を満足するものが得られなかった。
本発明の繊維は、例えば、レッグ、ジャージィー、人工獣毛、針灸治療用貼付材、その他高伸縮性を要求される分野の素材として好適である。
本発明の一実施態様の繊維の概略横断面図である。 本発明の繊維を製造するための複合紡糸装置の一実施態様の概略平面図である。
符号の説明
1.ポリウレタン重合体紡糸原液
2.アクリル系重合体紡糸原液
3.スタティックミキサー
4.口金ユニット
5.紡糸孔
11.ポリウレタン重合体層
12.アクリル系重合体層

Claims (2)

  1. アクリル系重合体およびポリウレタン重合体が繊維軸方向に沿って3層以上に接合された多層構造を有するアクリル系複合繊維であって、該繊維中のアクリル系重合体含有量が10重量%〜80重量%、ポリウレタン重合体含有量が90重量%〜20重量%であり、単糸の強度が2.0CN/dtex以上6.0CN/dtex以下であることを特徴するアクリル系複合繊維。
  2. 少なくとも一つのアクリル系重合体およびポリウレタン重合体を繊維軸方向に沿って3層以上に接合して複合紡糸することを特徴とする、請求項1記載のアクリル系複合繊維の製造方法。
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