JP2007091098A - エアバッグ装置 - Google Patents

エアバッグ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2007091098A
JP2007091098A JP2005284537A JP2005284537A JP2007091098A JP 2007091098 A JP2007091098 A JP 2007091098A JP 2005284537 A JP2005284537 A JP 2005284537A JP 2005284537 A JP2005284537 A JP 2005284537A JP 2007091098 A JP2007091098 A JP 2007091098A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
airbag
discharge hole
inflator
inflation
occupant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005284537A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4604944B2 (ja
Inventor
Kazuaki Bito
和彰 尾藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Gosei Co Ltd filed Critical Toyoda Gosei Co Ltd
Priority to JP2005284537A priority Critical patent/JP4604944B2/ja
Publication of JP2007091098A publication Critical patent/JP2007091098A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4604944B2 publication Critical patent/JP4604944B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air Bags (AREA)

Abstract

【課題】乗員の着座状態や車両の衝突状態等に応じて、乗員を的確に保護可能なエアバッグ装置を提供すること。
【解決手段】本発明のエアバッグ装置Mでは、エアバッグ40が、膨張完了時にインフレーター側となるインフレーター側膨張部と、インフレーターから離れた外周側となる外周側膨張部と、の少なくとも2つの膨張部を備えている。インフレーター側膨張部と外周側膨張部との間は、区画壁部51により区画されている。区画壁部51に、インフレーター側膨張部から外周側膨張部に向かって膨張用ガスを排出可能とする排出孔52と、排出孔52を開閉可能とする弁機構59と、が、配設される。弁機構59が、乗員を受け止めるエアバッグ40の好適膨張モードを判断する制御装置によって作動を制御されて、エアバッグ40の膨張前に、排出孔52を、開き状態若しくは閉じ状態に、設定される。
【選択図】図4

Description

本発明は、可撓性を有した袋状とされるとともに、インフレーターからの膨張用ガスを流入させて座席に着座した乗員を保護可能に膨張するエアバッグを備える構成のエアバッグ装置に関する。
従来、エアバッグ装置としては、エアバッグにおいて、インフレーターからの膨張用ガスを流入させるように開口したガス流入口近傍部位と、膨張完了時に乗員側となる乗員側壁部と、を、テザーにより連結し、膨張完了時におけるガス流入口近傍と乗員側壁部との離隔距離を規制している構成のものがあった。そして、従来のエアバッグ装置では、このテザーの長さ寸法を変更することにより、乗員の着座位置・着座姿勢等に応じてエアバッグの膨張完了形状を調整する構成であった(例えば、特許文献1参照)。
特開平9−240403号公報
しかし、従来のエアバッグ装置では、ガス流入口近傍部位と乗員側壁部との離隔距離を規制するテザーを利用して、エアバッグの膨張完了形状を調整していることから、エアバッグの膨張完了時における乗員側への突出量は変更できるものの、積極的にエアバッグの容積を調整して、的確なエアバッグのクッション作用の確保や膨張完了時間の設定に関し、改善の余地があった。
本発明は、上述の課題を解決するものであり、乗員の着座状態や車両の衝突状態等に応じて、乗員を的確に保護可能なエアバッグ装置を提供することを目的とする。
本発明に係るエアバッグ装置は、折り畳まれて収納されるエアバッグと、エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、を備える構成とされて、
エアバッグが、可撓性を有した袋状とされて、インフレーターからの膨張用ガスを流入させて座席に着座した乗員を保護可能に膨張する構成のエアバッグ装置であって、
エアバッグが、膨張完了時にインフレーター側となるインフレーター側膨張部と、インフレーターから離れた外周側となる外周側膨張部と、の少なくとも2つの膨張部を備える構成とされて、インフレーター側膨張部と外周側膨張部との間は、区画壁部により区画された構成とされ、
区画壁部に、インフレーター側膨張部から外周側膨張部に向かって膨張用ガスを排出可能とする排出孔と、排出孔を開閉可能とする弁機構と、が、配設され、
弁機構が、乗員を受け止めるエアバッグの好適膨張モードを判断する制御装置によって作動を制御されて、エアバッグの膨張前に、排出孔を、開き状態若しくは閉じ状態に、設定されることを特徴とする。
本発明のエアバッグ装置では、エアバッグが、内部を、区画壁部により少なくともインフレーター側膨張部と外周側膨張部との2つの膨張部に区画されており、外周側膨張部内には、区画壁部に配設される弁機構によって排出孔が開き状態とされた場合にのみ、インフレーター側膨張部から膨張用ガスが流出されることとなる。そして、この弁機構は、乗員の着座状態や車両の衝突状態に応じた制御装置の制御により、エアバッグの膨張前に、排出孔を、開き状態若しくは閉じ状態に、設定されることとなる。
そのため、本発明のエアバッグ装置において、例えば、小柄な乗員が前方に着座している場合には、弁機構により排出孔を閉じた状態でエアバッグを展開膨張させれば、エアバッグが、インフレーター側膨張部のみを膨張させるようにして膨張を完了させることとなり、容積を小さくして膨張完了までの時間を短く設定することができる。エアバッグの容積を小さくして膨張完了までの時間を短く設定すれば、前方に着座した乗員が前方移動してきても、エアバッグを迅速に展開膨張させることができ、膨張を完了させたエアバッグにより、運動エネルギーの小さな小柄乗員を的確に保護することができる。逆に、大柄な乗員が後方に着座している場合には、弁機構により排出孔を開いた状態でエアバッグを展開膨張させれば、エアバッグが、インフレーター側膨張部と外周側膨張部とを膨張させるようにして膨張を完了させることとなり、容積を大きくして膨張完了までの時間を長く設定することができる。乗員が後方に着座している場合には、乗員の初期位置からエアバッグまでの距離が長いことから、容積を大きくして膨張完了までの時間を長く設定されるエアバッグであっても、膨張を完了させたエアバッグにより、前方移動してくる運動エネルギーの大きな大柄乗員を的確に保護することができる。
また、本発明のエアバッグ装置において、小柄な乗員が後方に着座している場合であっても、車速が速い状態で衝突した場合には、弁機構により排出孔を開いた状態でエアバッグを展開膨張させることにより、エアバッグを、インフレーター側膨張部と外周側膨張部とを膨張させるように構成することもでき、容積を大きくして膨張させたエアバッグにより、速度を高めた状態で前方移動してくる乗員を、的確に保護することができる。
したがって、本発明のエアバッグ装置では、乗員の着座状態や車両の衝突状態等に応じて、乗員を的確に保護することができる。
なお、本発明において、エアバッグの膨張前とは、エアバッグ装置を車両に搭載した後、弁機構の作動が可能な時期までを含めるものであり、厳密な膨張用ガスの流入前ではなく、膨張用ガスの流入直後、具体的には、後述する弁機構の閉塞部材にテンションが発生する前であってもよい。
また、上記構成のエアバッグ装置において、弁機構を、初期状態において、排出孔を閉じるように、設定させることもできる。
この場合、弁機構を、排出孔を塞ぎ可能に構成される可撓性を有した略帯状材からなる閉塞部材を備える構成とし、
閉塞部材を、先端側を区画壁部に対して固定させ、元部側を排出孔の開閉を調整する調整機構に係止させるとともに、先端側と元部側との間の部位を、排出孔を閉塞するように、排出孔周縁の区画壁部に対して、剥離可能に結合させる構成とし、
調整機構を、制御装置によって作動を制御される構成とし、
閉塞部材との係止を解除することにより、排出孔の閉じ状態を維持可能とし、
閉塞部材との係止を維持することにより、閉塞部材が区画壁部から剥離して、前記排出孔を開かせるように、構成することが好ましい。
上記構成のエアバッグ装置では、弁機構が、区画壁部の排出孔を塞ぎ可能な可撓性を有した略帯状材からなる閉塞部材から構成されることから、エアバッグの折り畳み作業時に、エアバッグとともに、閉塞部材を、支障なく、折り畳むことができる。また、上記構成のエアバッグ装置では、弁機構の開閉を、調整機構と閉塞部材との係止状態若しくは係止解除状態により、簡便に調整することができて、好ましい。
さらに、上記構成のエアバッグ装置において、排出孔及び弁機構を、複数個配設させ、それぞれ、独立して、制御装置により排出孔の開閉を制御される構成とすれば、排出孔の配置位置や、弁機構を構成する閉塞部材の元部から先端までの長さ等を、適宜選択して設定することにより、エアバッグの膨張途中の形態を調整することができて、乗員の体格や着座位置に応じて、エアバッグの膨張形態を一層細かく調整することができて、好ましい。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜4に、本発明の一実施形態であるステアリングホイール用のエアバッグ装置Mを示す。
なお、実施形態における前後・上下・左右の方向は、特に断らない限り、車両に搭載させたステアリングホイールWの直進操舵時を基準とするものであり、ステアリングホイールWを組み付けるステアリングシャフトSS(図2・3参照)の軸方向に沿った上下を上下方向とし、ステアリングシャフトSSの軸直交方向である車両の前後方向を前後方向とし、ステアリングシャフトSSの軸直交方向である車両の左右方向を左右方向として、前後・上下・左右方向を示すものである。
エアバッグ装置Mは、図2〜4に示すように、ステアリングホイールWの中央のボス部Bにおける上部に配置される構成である。ステアリングホイールWは、操舵時に把持するリング部Rと、中央に配置されてステアリングシャフトSSに連結されるボス部Bと、ボス部Bとリング部Rとを連結する4本のスポーク部Sと、を備えて構成されている。また、ステアリングホイールWは、構成部品上では、エアバッグ装置Mとステアリングホイール本体1とから構成されている。
ステアリングホイール本体1は、リング部R・ボス部B・スポーク部Sの各部を連結するように配置されるアルミニウム合金等からなる芯金2と、リング部Rとリング部R側の各スポーク部Sとの芯金2を被覆する合成樹脂製の被覆層3と、ボス部Bの下部に配置される合成樹脂製のロアカバー4と、を備えて構成されている。
エアバッグ装置Mは、図3・4に示すように、折り畳まれたエアバッグ40と、エアバッグ40に膨張用ガスを供給するインフレーター8と、エアバッグ40とインフレーター8とを収納して保持するケースとしてのバッグホルダ12と、バッグホルダ12の開口12aを覆うように配設されるエアバッグカバーとしてのパッド29と、ホーンスイッチ18を介在させてバッグホルダ12に連結されるとともにエアバッグ装置Mをステアリングホイール本体1に連結させるための2つの連結板22と、を備えて構成されている。
インフレーター8は、上部に膨張用ガスを吐出する複数のガス吐出口8bを備えた略円柱状の本体8aと、本体8aの外周面から突出して配置される略四角板状のフランジ部8cと、を備えて構成されている。フランジ部8cには、後述するリテーナ6から突出するボルト6aを挿通させるための挿通孔8dが、形成されている。インフレーター8には、図1に示すエアバッグ作動回路Cと電気的に接続されており、エアバッグ作動回路Cに電気的に接続される図示しない衝突検知センサが衝突を検知した際に、エアバッグ作動回路Cからの作動信号を受けて、エアバッグ40内に膨張用ガスを吐出可能に構成されている。
リテーナ6は、略四角環状体の板金製として、四隅に、下方へ突出するボルト6aを備えて構成されている。このリテーナ6は、エアバッグ40の内周面側におけるガス流入口の周縁を上方側から押えるとともに、ボルト6aを、ガス流入口の周縁やバッグホルダ12を経て、インフレーター8のフランジ部8cから突出させる。そして、各ボルト6aにナット7を締結することにより、エアバッグ40とインフレーター8とが、リテーナ6を利用して、バッグホルダ12に取り付けられている。
バッグホルダ12は、図3・4に示すように、それぞれ、板金製とするホルダ本体13と2つの保持プレート17とを備えて構成されている。2つの保持プレート17は、ホルダ本体13の前後両側における下面側に固着されている。
ホルダ本体13は、略四角板状の底壁部14と、底壁部14の周縁から上方に延びるとともに上端側を開口させて構成される側壁部15と、を備えて構成されている。底壁部14における中央付近には、円形に開口してインフレーター8の本体8aを下方から上方へ挿通可能な挿通孔14aが、形成されている。挿通孔14aの周縁には、リテーナ6の各ボルト6aを挿通させる4つの挿通孔14bが、形成されている。また、底壁部14における挿通孔14aの左右両側には、エアバッグ40の後述する閉塞部材59の押え部材65に形成される突出部65aを挿通可能とする略四角形状の貫通孔14cが、前後方向に沿った2箇所ずつに、それぞれ、配設されている。
また、底壁部14の下部側であって、貫通孔14cの近傍となる部位には、押え部材65をホルダ本体13側に係止する調整機構としての係止部材24が、配設されている(図4・5参照)。調整機構としての係止部材24は、各貫通孔14cの近傍となる4箇所に配設され、それぞれ、先端25a側を底壁部14から突出している押え部材65の突出部65aの底壁65bに係止可能とされる係止フック25と、係止フック25を駆動させる駆動源としてのマイクロガスジェネレーター26と、から構成されている。係止フック25は、実施形態の場合、車両搭載時において、先端25aを突出部65aの底壁65bに係止されるように、配設されている。マイクロガスジェネレーター26は、制御装置としてのエアバッグ作動回路Cと電気的に接続されている。制御装置としてのエアバッグ作動回路Cは、図示しない衝突検知センサ、及び、図1に示す乗員検知センサSA・SBと電気的に接続されており、乗員を受け止めるエアバッグ40の好適膨張モードを判断して、係止フック25を駆動させるマイクロガスジェネレーター26に作動信号を入力させるように、構成されている。具体的には、実施形態の場合、エアバッグ作動回路Cは、乗員検知センサSA・SBにより検知された乗員の体格や着座位置に応じて、マイクロガスジェネレーター26に作動信号を入力させるように、構成されている。
実施形態の場合、乗員検知センサとしては、図1に示すごとく、ステアリングホイールWと乗員(運転者)MP1・MP2との距離を測定可能な距離センサSAと、乗員(運転者)MP1・MP2の重量を測定可能な重量センサSBと、が、配設されて、座席に着座した乗員(運転者)MP1・MP2の体格や着座位置を検知可能とされている。距離センサSAは、具体的には、ステアリングホイールWの周辺部位に配置され、光や超音波等を利用した光センサや超音波センサ等から構成されている。重量センサSBは、乗員MP1・MP2が着座している座席SEに配置されている。
そして、実施形態の場合、乗員検知センサSA・SBが、小柄で前方に着座している乗員MP2を検知した状態で、衝突検知センサが車両の衝突を検知した場合に、エアバッグ作動回路Cからの作動信号が、インフレーター8への作動信号と略同時に、調整機構としての係止部材24のマイクロガスジェネレーター26に入力されて、マイクロガスジェネレーター26が、係止フック25を突出させるように作動し、係止フック先端25aと突出部65aの底壁65bとの係止状態が解除されることとなる(図16参照)。逆に、乗員検知センサSA・SBが、大柄で後方に着座している乗員MP1を検知した状態で、衝突検知センサが車両の衝突を検知した場合には、係止部材24のマイクロガスジェネレーター26は作動せず、係止フック先端25aと突出部65aの底壁65bとの係止状態が維持されたままとなる(図14参照)。
ホルダ本体13における側壁部15は、前後の部位の上端に、外方の下方へ延びる係止爪15aを備え、これらの係止爪15aは、パッド29の後述する側壁部34における前後の位置の段差部34aに、係止されることとなる。
ホルダ本体13に固着された前後2つの保持プレート17は、それぞれ、左右両側のスポーク部Sにおけるリング部R近傍の被覆層3の部位付近まで延びる保持部17aを備え、各保持部17aには、ホーンスイッチ18が取り付けられている。各保持プレート17は、リベット37を挿通させる取付孔17bを備えている。
2つの連結板22は、エアバッグ装置Mの左右両側の下面で、それぞれ、前後方向に沿うような帯状に配設され、前後方向の略中間部位を、ステアリングホイール本体1の芯金2に固定させるように構成され、また、前後両端を、それぞれ、保持プレート17の左右両端の保持部17aの下方に配設させるとともに、スポーク部Sの部位の芯金2に支持させるように、構成されている。そして、連結板22の前後両端と保持部17aとは、ホーンスイッチ18を介在させて連結されている。すなわち、エアバッグ装置Mは、ホーンスイッチ18を介在させた状態で、左右の連結板22に支持され、連結板22が芯金2に固定されることにより、ステアリングホイール本体1のボス部Bの上部に装着されることとなる。
エアバッグカバーとしてのパッド29は、オレフィン系熱可塑性エラストマー等の合成樹脂製とされて、図2〜4に示すように、ボス部Bの上部側を覆う天井壁部30と、天井壁部30の外周縁から下方へ延びる略四角筒形状の側壁部34と、を備えて構成されている。天井壁部30における側壁部34の内側部位は、折り畳まれたエアバッグ40を覆う部位として構成され、その部位には、エアバッグ40の膨張時に開く複数の扉部32が、周囲に破断予定部31を設けて、配設されている。扉部32は、実施形態の場合、図2に示すごとく、前後方向に沿って2枚並設されており、内部に膨張用ガスを流入させたエアバッグ40に押圧されて、周囲の略H字形状の破断予定部31を破断させて、前後に開く構成である。側壁部34には、水平方向に貫通する複数の取付孔35が、形成されている。これらの取付孔35には、パッド29をバッグホルダ12に保持させるための固着手段としてのリベット37が挿入されている。
エアバッグ40は、図12・13に示すように、膨張用ガスを流入させて膨張する袋状とされており、内部に配設される区画壁部51により、膨張完了時にインフレーター8側となるインフレーター側膨張部41と、インフレーター8から離れた外周側に配設される外周側膨張部42と、に区画される構成である。
エアバッグ40は、膨張完了時の外周壁(車体側・乗員側壁部)44・49及び区画壁部51が、ポリアミド糸やポリエステル糸等からなる可撓性を有した織布から形成されている。エアバッグ40の外周壁は、図7〜10に示すように、膨張完了時にステアリングホイールW側となる車体側壁部44と、膨張完了時に乗員(運転者)側となる乗員側壁部49と、から構成されている。車体側壁部44は、主に、インフレーター側膨張部41のステアリングホイールW側の壁部を構成する部位であり、中央付近にガス流入口45を配設させて構成されている。乗員側壁部49は、外周側膨張部42の乗員側の壁部を構成する部位となる。区画壁部51は、車体側壁部44と乗員側壁部49との間において、インフレーター側膨張部41と外周側膨張部42とを区画するように、配設されている。インフレーター側膨張部41と外周側膨張部42とがともに膨張を完了させたエアバッグ40の膨張完了時において、外周側膨張部42は、インフレーター側膨張部41の上方と前後左右両縁側とを全面にかけて覆うように、配設されることとなる(図12参照)。
車体側壁部44に形成されるガス流入口45は、インフレーター8の本体8aを下方から挿入させて、インフレーター8のガス吐出口8bから吐出される膨張用ガスを、インフレーター側膨張部41内に流入させるための部位である。また、ガス流入口45の周縁には、図8に示すごとく、リテーナ6に形成されたボルト6aを挿通させる取付孔46が、4個形成されている。また、ガス流入口45の左右両側であって、取付孔46の近傍となる部位には、押え部材65の突出部65aを突出可能な貫通孔47が、4箇所に、形成されている。
区画壁部51においてガス流入口45を中心として略左右対称となる左右両縁側となる部位には、それぞれ、排出孔52と、排出孔52を開閉可能とする弁機構としての閉塞部材59が、配設されている。
インフレーター側膨張部41と外周側膨張部42とは、図11に示すように、エアバッグ40の車体側壁部44を構成する円形状の車体側基布54と、乗員側壁部49を構成する円形状の乗員側基布55と、区画壁部51を構成する円形状の区画用基布56と、から構成されている。車体側基布54と乗員側基布55とは外径寸法D1を略同一に設定されており、区画用基布56は、外径寸法D2を、車体側・乗員側基布54・55の外径寸法D1よりも小さく設定されている(図11参照)。車体側基布54の中央には、ガス流入口45を構成する開口54aが、形成されている。また、車体側基布54には、取付孔46・貫通孔47に対応した位置に、取付孔54b・貫通孔54cが、それぞれ、形成されている。区画用基布56における左右両縁側の部位には、排出孔52を構成する開口56aが、形成されている。エアバッグ40は、各車体側・乗員側・区画用基布54・55・56の中央を略一致させるように重ねた状態で、区画用基布56の周縁を車体側基布54に縫着させ、車体側基布54と乗員側基布55との周縁相互を縫着させることにより、構成されることとなる。
閉塞部材59は、図9・11〜13に示すごとく、各排出孔52に対応して、インフレーター側膨張部41の内周面側となる区画壁部51の下面側に、それぞれ、配設されるもので、排出孔52を塞ぐ本体布60と、本体布60の元部60b側に配置されて本体布60を調整機構としての係止部材24に係止可能とする押え部材65と、を備える構成とされている。
本体布60は、実施形態の場合、エアバッグ40を構成する基布54・55・56と同様に、ポリアミド糸やポリエステル糸等からなる可撓性を有した織布から形成されるもので、実施形態の場合、排出孔52を塞ぎ可能な幅寸法を備えた長尺の帯状とされている。本体布60は、長手方向を、エアバッグ40の左右方向に略沿わせるように配設されており、それぞれ、先端60a近傍を、区画壁部51における排出孔52周縁であって、左右方向の縁部側に、縫合糸T1を用いて縫着されて、区画壁部51に固定されている。この縫合部位62は、本体布60の幅方向の略全域にわたって前後方向に略沿うように形成されて、エアバッグ40の展開膨張時にも破断せず、エアバッグ40の膨張完了時において、本体布60と区画壁部51とを連結することとなる。
また、各本体布60は、元部60b側に、押え部材65を配置させる連結部61を配設させた構成とされている。連結部61は、本体布60の縁部を折り返して本体布60に縫着させて構成されるループ状とされて、板金製の押え部材65を挿通可能で、かつ、エアバッグの展開膨張時にも押え部材65が連通部61から抜け不能な寸法に、設定されている。また、連結部61には、押え部材65に形成される突出部65aを突出可能な貫通孔61aが、2箇所に、形成されている(図6・8参照)。そして、連結部61は、車体側壁部44におけるガス流入口45近傍となる部位において、押え部材65により、ホルダ本体13の下部側に配設される係止部材24に対して、係止状態を維持、あるいは、解除可能に、係止されている。
また、本体布60は、先端60aと元部60bとの間となる先端60a側の部位において、排出孔52を閉塞するように、区画壁部51における排出孔52周縁部位に、縫合糸T2を用いて縫着されている。縫合糸T2を用いて形成される縫合部位63は、本体布60の先端60aを縫着させる縫合部位62も含めて、排出孔52の周囲を全周にわたって囲むように配設されており、実施形態の場合、縫合部位62・63は、図8・11に示すように、縫合部位63の先端63aを元部60b側に向けるように配置された略ホームベース状とされている。縫合部位63(縫合糸T2)は、連結部61が押え部材65により、ガス流入口45近傍となる部位において係止部材24に係止された状態でエアバッグ40が展開膨張する際に、本体布60と区画壁部51との間に所定以上の引張力が作用すると、排出孔52を閉塞している本体布60を、区画壁部51から剥離させるように、破断可能な強度に設定されている。この縫合部位63は、元部60b側から破断することとなり、破断しやすいように、元部60b側となる先端63aを鋭角状に構成している。
実施形態の場合、本体布60は、2種類の縫合糸T1・T2を用いて区画壁部51に縫着されているが、縫合部位62を構成する縫合糸T1は、通常のエアバッグ40の展開膨張時には破断しないように、破断する縫合糸T2よりも破断強度を高く設定されている。
押え部材65は、帯状の板金素材を曲げ加工して構成されるもので、図5・6に示すように、長手方向(前後方向)に沿った2箇所に、下方に突出させるように屈曲させて構成される突出部65aを備えている。押え部材65は、前後方向に沿った長さ寸法を、本体布60の幅寸法と略同一に設定されている。また、押え部材65における突出部65aの突出高さは、図5・6に示すように、エアバッグ40をバッグホルダ12内に収納した際に、底壁部14から下方に突出して、底壁65bを、底壁部14の下部側に配設される係止部材24の係止フック25の先端25aに係止可能な高さ寸法に、設定されている。
そして、閉塞部材59は、エアバッグ装置Mの車両搭載時において、図10に示すように、押え部材65の突出部65aを、ガス流入口45の近傍に配置される貫通孔47から下方に突出させるようにして、エアバッグ40内に配設されることとなる。そして、押え部材65は、ホルダ本体13の底壁部14から下方に突出させた突出部65aの底壁65bを、係止部材24の係止フック先端25aにより係止された状態で、折り畳まれたエアバッグ40とともに車両に搭載されることとなる。
エアバッグ40内には、図12・13に示すごとく、膨張完了時の形状を規制するテザー68・72が、配設されている。テザー68・72は、エアバッグ40を構成する基布54・55・56及び閉塞部材59の本体布60と同様に、ポリアミド糸やポリエステル糸等からなる可撓性を有した織布から形成されている。
テザー68は、インフレーター側膨張部41内において、車体側壁部44におけるガス流入口45近傍部位と、区画壁部51の中央付近と、を連結するように、配設されている。テザー68は、帯状とされており、インフレーター側膨張部41の膨張完了時において、車体側壁部44からの区画壁部51の離隔距離を規制するように、ガス流入口45の前後両側となる2箇所に、配設されている。なお、実施形態の場合、テザー68は、車体側壁部44側と区画壁部51側とに配設される2枚のテザー用基布69・70、から構成されている。各テザー用基布69・70は、略円形とされて各車体側・区画壁部44・51に連結される連結部69a・70aと、各連結部69a・70aの前後両縁側から前後に突出するように配設される帯状の延設部69b・70bと、から構成されている。テザー用基布69の連結部69aには、ガス流入口45や取付孔46・貫通孔47に対応して、開口(図符号省略)が形成されている。
テザー72は、外周側膨張部42内において、区画壁部51と乗員側壁部49とを連結するように、配設されている。テザー72は、帯状とされており、外周側膨張部42の膨張完了時において、区画壁部51からの乗員側壁部49の離隔距離を規制するように、それぞれ、中央と前後方向の端部との略中間となる2箇所に、配設されている。なお、図面では省略されているが、車体側壁部44におけるガス流入口45の周縁部位には、ガス流入口45の周縁部位を補強するための補強布が、インフレーター8の出力に応じて、適宜、配設されることとなる。
次に、本発明のエアバッグ装置Mの車両への搭載について説明をする。まず、各貫通孔47から押え部材65の突出部65aを突出させるように、閉塞部材59の押え部材65を、ガス流入口45近傍に配置させる(図10参照)。そして、リテーナ6をガス流入口45からエアバッグ40内に挿入させて、各ボルト6aを取付孔46から突出させる。その後、エアバッグ40を、突出部65aの貫通孔47からの突出状態を維持させつつ、バッグホルダ12内に収納可能なように、折り畳む。
次いで、各ボルト6aを底壁部14の挿通孔14bから突出させ、押え部材65の突出部65aを底壁部14の貫通孔14cから突出させるようにして、折り畳まれたエアバッグ40を、予め係止部材24とホーンスイッチ18と連結板22とを取り付けておいたバッグホルダ12内に収納させる。そして、係止部材24の係止フック25を、底壁部14から突出している突出部65aの底壁65bに係止させ、閉塞部材59における本体布60の元部60b側を、調整機構としての係止部材24に係止させる。その後、インフレーター8の本体8aを、下方から底壁部14の挿通孔14a内に挿入させて、各ボルト6aを、フランジ部8cの挿通孔8dから突出させる。そして、各ボルト6aにナット7を締結させて、バッグホルダ12に、エアバッグ40とインフレーター8とを保持させる。
その後、エアバッグ40にパッド29を被せて、側壁部34の段差部34aにバッグホルダ12の係止爪15aを係止させるとともに、バッグホルダ12と側壁部34との取付孔17b・35相互を一致させ、リベット37を挿通させて、バッグホルダ12と側壁部34とを、リベット37により締結すれば、エアバッグ装置Mを組み立てることができる。
このようにして組み立てたエアバッグ装置Mは、車両に取付済みのステアリングホイール本体1の図示しない取付座に対し、所定のボルトを使用して、連結板22を連結させれば、ステアリングホイール本体1に組み付けることができ、このとき、ステアリングホイールWの組立と、車両へのステアリングホイールWの搭載と、が完了することとなる。
ステアリングホイールWの車両への搭載後、衝突検知センサが衝突を検知すると、インフレーター8が、エアバッグ作動回路Cからの作動信号を受けて、本体8aのガス吐出口8bから膨張用ガスを吐出させるように作動し、折り畳まれたエアバッグ40が、膨張用ガスを流入させて膨張し、パッド29の天井壁部30を押し上げ、破断予定部31を破断させて扉部32を押し開き、扉部32が開いて形成された開口12aから、エアバッグ40が大きく突出して、膨張を完了させることとなる。
そして、実施形態のエアバッグ装置Mでは、エアバッグ作動回路Cに連結される乗員検知センサSA・SBが検知した乗員MP1・MP2の体格や着座位置等に応じて、好適膨張モードによって、エアバッグ40が展開膨張することとなる。
すなわち、乗員検知センサSA・SBが、小柄で前方に着座している乗員MP2を検知した状態で、衝突検知センサが車両の衝突を検知した場合には、エアバッグ作動回路Cからの作動信号が、インフレーター8への作動信号と略同時に、マイクロガスジェネレーター26に入力されて、マイクロガスジェネレーター26が、係止フック25を突出させるように作動し、図16に示すように、係止フック先端25aと突出部65aの底壁65bとの係止状態(閉塞部材59の元部60b側と係止部材24との係止状態)が解除されることとなる。そして、インフレーター8から吐出される膨張用ガスG1がインフレーター側膨張部41内に流入すると、押え部材65の突出部65aが、エアバッグ40の貫通孔47から抜け、閉塞部材59が、図16・17に示すごとく、展開する区画壁部51に伴って連動して移動し、閉塞部材59の本体布60が排出孔52を閉塞したまま、エアバッグ40が、インフレーター側膨張部41のみを膨張させるようにして、膨張を完了させることとなる(図13参照)。
乗員検知センサSA・SBが、大柄で後方に着座している乗員MP1を検知した状態で、衝突検知センサが車両の衝突を検知した場合には、マイクロガスジェネレーター26は作動せず、係止フック先端25aと突出部65aの底壁65bとの係止状態(閉塞部材59の元部60b側と係止部材24との係止状態)が維持されたままとなる(図14参照)。そして、インフレーター8から吐出される膨張用ガスG1がインフレーター側膨張部41内に流入すると、インフレーター側膨張部41の膨張に伴って区画壁部51が展開することとなるが、閉塞部材59の本体布60が、元部60b側を、ガス流入口45近傍となる部位において、押え部材65を利用して、係止部材24により係止されていることから、区画壁部51に伴って移動できない。そして、インフレーター側膨張部41がさらに展開膨張して、本体布60と区画壁部51との間に所定以上の引張力が作用すると、縫合部位63を構成している縫合糸T2が破断して、図14・15に示すように、排出孔52を閉塞している本体布60が、区画壁部51から剥離され、排出孔52が開口することとなる。そして、排出孔52から、外周側膨張部42側に向かって膨張用ガスG2が排出され、外周側膨張部42が膨張することとなって、エアバッグ40が、インフレーター側膨張部41と外周側膨張部42とを膨張させるようにして、膨張を完了させることとなる(図12参照)。
上記のごとく、実施形態のエアバッグ装置Mでは、エアバッグ40が、内部を、区画壁部51によりインフレーター側膨張部41と外周側膨張部42との2つの膨張部に区画されており、外周側膨張部41内には、区画壁部51に配設される弁機構としての閉塞部材59による閉塞が解除されて排出孔52が開き状態とされた場合にのみ、インフレーター側膨張部41から膨張用ガスG2が流出されることとなる。そして、この閉塞部材59は、乗員MP1・MP2の着座状態に応じたエアバッグ作動回路(制御装置)Cの制御により、エアバッグ40の膨張前に、排出孔52を、開き状態若しくは閉じ状態に、設定されることとなる。
そのため、実施形態のエアバッグ装置Mにおいて、例えば、小柄な乗員MP2が前方に着座している場合には、閉塞部材59の本体布60により排出孔52を閉じた状態でエアバッグ40を展開膨張させれば、エアバッグ40が、インフレーター側膨張部41のみを膨張させるようにして膨張を完了させることとなり、容積を小さくして膨張完了までの時間を短く設定することができる。エアバッグ40の容積を小さくして膨張完了までの時間を短く設定すれば、前方に着座した乗員MP2が前方移動してきても、エアバッグ40を迅速に展開膨張させることができ、膨張を完了させたエアバッグ40により、運動エネルギーの小さな小柄乗員MP2を的確に保護することができる。逆に、大柄な乗員MP1が後方に着座している場合には、閉塞部材59の本体布60による閉塞を解除して、排出孔52を開いた状態でエアバッグ40を展開膨張させれば、エアバッグ40が、インフレーター側膨張部41と外周側膨張部42とを膨張させるようにして膨張を完了させることとなり、容積を大きくして膨張完了までの時間を長く設定することができる。乗員MP1が後方に着座している場合には、乗員MP1の初期位置からエアバッグまでの距離が長いことから、容積を大きくして膨張完了までの時間を長く設定されるエアバッグ40であっても、膨張を完了させたエアバッグ40により、前方移動してくる運動エネルギーの大きな大柄乗員MP1を的確に保護することができる。
したがって、実施形態のエアバッグ装置Mでは、乗員MP1・MP2の着座状態に応じて、乗員MP1・MP2を的確に保護することができる。
また、実施形態のエアバッグ装置Mでは、弁機構として、排出孔52を塞ぎ可能に構成される可撓性を有した略帯状材からなる閉塞部材59(本体布60)を使用していることから、エアバッグ40の折り畳み作業時に、エアバッグ40とともに、閉塞部材59(本体布60)を、支障なく、折り畳むことができる。また、実施形態のエアバッグ装置Mでは、弁機構としての閉塞部材59の開閉を、閉塞部材59における本体布元部60bと係止部材24との係止状態若しくは係止解除状態により、設定していることから、簡便に調整することができて、好ましい。
また、実施形態のエアバッグ装置Mでは、エアバッグ40における外周側膨張部42内に、区画壁部51と乗員側壁部49とを連結するテザー72を配設させていることから、図12・13に示すごとく、エアバッグ40を、容積だけでなく、膨張完了時における車体側壁部44と乗員側壁部49との離隔距離を、異ならせるようにして、膨張させることができる。実施形態のエアバッグ40では、インフレーター側膨張部41と外周側膨張部42とを膨張させる場合の方が、インフレーター側膨張部41のみを膨張させる場合よりも、テザー72が配設される分、膨張完了時の厚さを厚くするように、膨張を完了させることが可能となる。そのため、運動エネルギーの大きな大柄乗員が前方移動してきた場合にも、厚く膨張を完了させたエアバッグ40により、底付きを招くことなく、的確に保護することができる。勿論、このような点を考慮しなければ、外周側膨張部42内にテザーを配設させず、区画壁部51と乗員側壁部49とを、中央付近で直接縫着させるように構成してもよい。
さらに、実施形態では、押え部材65の係止部材24との係止状態を解除されて状態で膨張を完了させたエアバッグ40において、閉塞部材59の本体布60を、区画壁部51に固定される先端60a側(縫合部位62側)を排出孔52周縁における乗員側壁部49から離れた側に位置させ、区画壁部51に対して破断可能に連結される元部60b側の縫合部位63を排出孔52周縁における乗員側壁部49に近接する側に位置させるように、区画壁部51に対して連結させている構成であるが、本体布60の向きはこれに限られるものではなく、例えば、元部60b側に連結される押え部材65が剛性が高く、かつ、重量の大きな部材から構成される場合には、図19に示すエアバッグ40Aのごとく、本体布60Aを配設させてもよい。エアバッグ40Aでは、前述の本体布60とは逆に、本体布60Aは、先端60a側(縫合部位62側)を排出孔52周縁における排出孔52周縁における乗員側壁部49に近接する側に位置させ、元部60b側の縫合部位63を排出孔52周縁における乗員側壁部49から離れた側に位置させるように、区画壁部51に対して連結されている。すなわち、エアバッグ40Aでは、本体布60Aは、元部60b側を乗員側壁部49から離れた側に向けるようにして、エアバッグ40A内に配設されることとなる。そのため、エアバッグ40Aが、図19のBに示すごとく、押え部材65の係止部材24との係止状態を解除された状態で、膨張を完了させた場合に、元部60b側の押え部材65が、乗員側壁部49から離れた車体側壁部44側に位置して、乗員側壁部49への接触を防止することができて、押え部材65として剛性が高く、かつ、重量の大きなものを使用した場合にも、膨張を完了させたエアバッグ40Aにより、乗員を円滑に保護することができる。
なお、実施形態のエアバッグ装置Mでは、排出孔52と閉塞部材59とを、それぞれ、中央から左右両側となる2箇所に配設させ、この左右の排出孔52を、エアバッグ40の展開膨張時に、略同時に開かせる構成であるが、排出孔及び閉塞部材(弁機構)の配置位置、配置数等は、実施形態に限られるものはない。例えば、エアバッグ40Aとして、排出孔及び閉塞部材を、中央の前後両側となる2箇所に配設させて、さらに、下方に配設される排出孔を、上方に配設される排出孔よりも早く開かせる構成とすれば、図18に示すごとく、エアバッグ40Aの膨張初期において、乗員の腹部に近接して配設される下部側部位を、上部側よりも迅速に膨張させるように、エアバッグ40Aの膨張を制御することも可能となる。そのため、乗員の体格や着座位置に応じて、エアバッグの膨張形態を一層細かく調整することができて、好ましい。このような排出孔52の開口時期の制御は、実施形態のような構成のエアバッグ装置では、閉塞部材59の本体布60を区画壁部51に縫着させて排出孔52の周囲に配設されている縫合部位63の形状や、縫合部位63を構成する縫合糸の破断強度の変更、あるいは、本体布60の長さ等を変えることにより、容易に設定変更可能である。
また、外周側膨張部を2個以上配設させ、それぞれに、排出孔と弁機構とを配設させて、乗員の体格や着座位置に応じて、各弁機構の開閉を、制御する構成としてもよい。
なお、実施形態では、調整機構としての係止部材は、エアバッグ作動回路Cが、乗員検知センサSA・SBにより検知された乗員の体格や着座位置に応じて、作動を制御されているが、乗員検知センサに限らず、衝突検知センサからの衝突状態に応じて、係止部材の作動を制御する構成としてもよい。具体的には、小柄な乗員が後方に着座している場合であっても、衝突検知センサが、車速が速い状態での衝突を検知した場合には、係止部材を作動させず、弁機構により排出孔を開いた状態でエアバッグを展開膨張させることにより、エアバッグを、インフレーター側膨張部と外周側膨張部とを膨張させるように構成すれば、容積を大きくして膨張させたエアバッグにより、速度を高めた状態で前方移動してくる乗員を、的確に保護することができる。勿論、乗員検知センサあるいは衝突検知センサのどちらか一方のみではなく、係止部材を、乗員検知センサと衝突検知センサとの両方のセンサにより検知された乗員の体格差や着座位置、そして、車両の衝突状態に応じて、適宜、乗員を受け止めるエアバッグの好適膨張モードを判断し、エアバッグの膨張を制御する構成としてもよい。
実施形態では、エアバッグ装置として、ステアリングホイール用のエアバッグ装置を例に採り説明しているが、本発明を適用可能なエアバッグ装置はこれに限られるものではなく、例えば、助手席用のエアバッグ装置にも、本発明を適用可能である。
本発明の一実施形態であるステアリングホイール用エアバッグ装置を搭載した車両のステアリングホイール付近を示す概略図である。 同実施形態のエアバッグ装置が使用されるステアリングホイールの平面図である。 同実施形態のステアリングホイールの概略断面図であり、図2のIII−III部位に対応する。 同実施形態のステアリングホイールの概略断面図であり、図2のIV−IV部位に対応する。 同実施形態のエアバッグ装置において、係止部材の部位付近を示す部分拡大概略断面図である。 図5のVI−VI部位付近の断面図である。 同実施形態のエアバッグ装置に使用されるエアバッグの平面図である。 同実施形態のエアバッグの底面図である。 同実施形態のエアバッグの断面図である。 同実施形態のエアバッグの断面図であり、閉塞部材に配設される押え部材をガス流入口近傍に係止させた状態の断面を示す図である。 同実施形態のエアバッグの製造時における構成部材を示す概略分解斜視図である。 同実施形態のエアバッグの膨張完了状態を示す概略図であり、押え部材をガス流入口近傍への係止状態を維持させて膨張を完了させた状態を示す図である。 同実施形態のエアバッグの膨張完了状態を示す概略図であり、押え部材をガス流入口近傍への係止を解除させて膨張を完了させた状態を示す図である。 同実施形態のエアバッグ装置におけるエアバッグの展開膨張過程を示す概略断面図であり、閉塞部材が係止部材による係止を維持させて膨張する状態の図である。 同実施形態のエアバッグ装置におけるエアバッグの膨張過程を示す概略断面図であり、図14の後の状態を示す図である。 同実施形態のエアバッグ装置におけるエアバッグの展開膨張過程を示す概略断面図であり、閉塞部材が係止部材による係止を解除させて膨張する状態の図である。 同実施形態のエアバッグ装置におけるエアバッグの膨張過程を示す概略断面図であり、図16の後の状態を示す図である。 実施形態のエアバッグ装置において、他の態様のエアバッグの膨張過程を示す概略図である。 本発明の変形例のエアバッグを示す模式図である。
符号の説明
8…インフレーター、
12…バッグホルダ、
24…係止部材(調整機構)、
40…エアバッグ、
41…インフレーター側膨張部、
42…外周側膨張部、
45…ガス流入口、
47…貫通孔、
51…区画壁部、
52…排出孔、
59…閉塞部材(弁機構)、
60…本体布、
60a…先端、
60b…元部、
63…縫合部位、
65…押え部材、
C…エアバッグ作動回路、
MP1・MP2…乗員、
SA・SB…乗員検知センサ、
W…ステアリングホイール、
M…エアバッグ装置。

Claims (4)

  1. 折り畳まれて収納されるエアバッグと、該エアバッグに膨張用ガスを供給するインフレーターと、を備える構成とされて、
    前記エアバッグが、可撓性を有した袋状とされて、前記インフレーターからの膨張用ガスを流入させて座席に着座した乗員を保護可能に膨張する構成のエアバッグ装置であって、
    前記エアバッグが、膨張完了時に前記インフレーター側となるインフレーター側膨張部と、前記インフレーターから離れた外周側となる外周側膨張部と、の少なくとも2つの膨張部を備える構成とされて、前記インフレーター側膨張部と前記外周側膨張部との間は、区画壁部により区画された構成とされ、
    前記区画壁部に、前記インフレーター側膨張部から前記外周側膨張部に向かって膨張用ガスを排出可能とする排出孔と、該排出孔を開閉可能とする弁機構と、が、配設され、
    該弁機構が、前記乗員を受け止める前記エアバッグの好適膨張モードを判断する制御装置によって作動を制御されて、前記エアバッグの膨張前に、前記排出孔を、開き状態若しくは閉じ状態に、設定されることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 前記弁機構が、初期状態において、前記排出孔を閉じるように、設定されていることを特徴とする請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記弁機構が、該排出孔を塞ぎ可能に構成される可撓性を有した略帯状材からなる閉塞部材を備える構成とされ、
    該閉塞部材が、先端側を、前記区画壁部に対して固定させ、元部側を、前記排出孔の開閉を調整する調整機構に係止させるとともに、先端側と元部側との間の部位を、前記排出孔を閉塞するように、前記排出孔周縁の前記区画壁部に対して、剥離可能に結合される構成とされ、
    該調整機構が、前記制御装置によって作動を制御される構成とされ、
    前記閉塞部材との係止を解除することにより、前記排出孔の閉じ状態を維持可能とし、
    前記閉塞部材との係止を維持することにより、前記閉塞部材が前記区画壁部から剥離して、前記排出孔を開かせるように、構成されていることを特徴とする請求項2に記載のエアバッグ装置。
  4. 前記排出孔及び前記弁機構が、複数個配設され、それぞれ、独立して、前記制御装置により前記排出孔の開閉を制御されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエアバッグ装置。


JP2005284537A 2005-09-29 2005-09-29 エアバッグ装置 Active JP4604944B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005284537A JP4604944B2 (ja) 2005-09-29 2005-09-29 エアバッグ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005284537A JP4604944B2 (ja) 2005-09-29 2005-09-29 エアバッグ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007091098A true JP2007091098A (ja) 2007-04-12
JP4604944B2 JP4604944B2 (ja) 2011-01-05

Family

ID=37977305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005284537A Active JP4604944B2 (ja) 2005-09-29 2005-09-29 エアバッグ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4604944B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010221911A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Nippon Plast Co Ltd エアバッグ装置
JP2010254140A (ja) * 2009-04-24 2010-11-11 Nippon Plast Co Ltd エアバッグ及びエアバッグの製造方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61117051U (ja) * 1985-01-08 1986-07-24
JP2000043672A (ja) * 1998-07-27 2000-02-15 Nippon Plast Co Ltd 自動車用安全装置
JP2001055108A (ja) * 1999-08-19 2001-02-27 Takata Corp エアバッグ装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61117051U (ja) * 1985-01-08 1986-07-24
JP2000043672A (ja) * 1998-07-27 2000-02-15 Nippon Plast Co Ltd 自動車用安全装置
JP2001055108A (ja) * 1999-08-19 2001-02-27 Takata Corp エアバッグ装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010221911A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Nippon Plast Co Ltd エアバッグ装置
JP2010254140A (ja) * 2009-04-24 2010-11-11 Nippon Plast Co Ltd エアバッグ及びエアバッグの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4604944B2 (ja) 2011-01-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10688954B2 (en) Airbag assembly with tethered reaction surface and cushion configured to permit forward head rotation
JP4840157B2 (ja) エアバッグ装置
JP4923879B2 (ja) エアバッグ装置
JP7037943B2 (ja) エアバッグ
JP4743014B2 (ja) 助手席用エアバッグ
JP2007230501A (ja) 助手席用エアバッグ装置
JP2007261411A (ja) エアバッグ装置
JP2006312451A (ja) 厚み適応型エアバッグ
US20140284905A1 (en) Airbag device
JP2008081002A (ja) エアバッグ及びエアバッグ装置
WO2007088961A1 (ja) エアバッグ及びエアバッグ装置
US20140265269A1 (en) Air bag deployment restrictor
JP2004521822A (ja) ドア取り付け式側部拘束機構
JP2010023592A (ja) エアバッグ装置
JP2007302192A (ja) ステアリングホイール用エアバッグ装置
JP2007099122A (ja) エアバッグ及びエアバッグ装置
JP2006168690A (ja) 頭部保護エアバッグ
JP2005104323A (ja) ステアリングホイール用エアバッグ
JP2007276535A (ja) 助手席用エアバッグ装置
JP2007307990A (ja) エアバッグ装置
JP2007196855A (ja) 助手席用エアバッグ装置
JP2007091018A (ja) エアバッグ装置
JP2005153726A (ja) エアバッグ及びエアバッグ装置
JP4604944B2 (ja) エアバッグ装置
JP2007145181A (ja) エアバッグ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071024

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100330

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100526

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100907

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100920

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4604944

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131015

Year of fee payment: 3