JP2007090684A - 感熱記録体 - Google Patents

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JP2007090684A JP2005283826A JP2005283826A JP2007090684A JP 2007090684 A JP2007090684 A JP 2007090684A JP 2005283826 A JP2005283826 A JP 2005283826A JP 2005283826 A JP2005283826 A JP 2005283826A JP 2007090684 A JP2007090684 A JP 2007090684A
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Abstract

【課題】低温発色および高温発色のそれぞれにおいて鮮明な色調が得られ、長期間太陽光に曝されても発色部分が退色しない、また白紙部分が変色しにくい多色感熱記録体を提供する。
【解決手段】支持体上に、それぞれ異なる色調に発色する2種類以上の無色ないし淡色の染料前駆体と、該染料前駆体と反応して発色させる有機顕色剤とを含有する感熱記録層を設けた多色感熱記録体において、前記染料前駆体の少なくとも1種が、多価イソシアネート化合物の重合体と融点または軟化温度が50℃〜150℃の範囲にある樹脂とを含有する複合微粒子に含有されており、かつ、有機顕色剤として下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする感熱記録体。

Description

本発明は、染料前駆体と高分子物質との複合微粒子を用いた多色感熱記録体に関するものである。
感熱記録方式は、支持体上に電子供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体と電子受容性の顕色剤を主成分とする感熱記録層を設け、それを熱ヘッド、熱ペン、レーザー光などで加熱することにより、染料前駆体と顕色剤を瞬時に反応させて記録画像を得ようとすることは本出願前から知られている。このような感熱記録体は、現像定着の必要がなく、比較的簡単な装置で非常に鮮明な画像が得られる。また、機器は比較的安価、コンパクトであり、保守が容易なこと、騒音の発生がないことなどの利点があり、ファクシミリ、プリンター、計測記録計、ラベル、乗車券の自動販売機など広範囲の分野で利用されている。感熱記録体に対しては、その用途の拡大に伴って要求される品質も多様化しており、例えば高感度化、画像の安定化、記録画像の多色化等を挙げることができる。特に、多色化に関しては、強調したい文字あるいは図形を他の部分とは異なる色調で記録可能であるため、視覚効果に優れるなどの利点がある。
多色感熱記録体としては、支持体上にそれぞれ異なる色調に発色する複数の発色層を設け、加熱温度あるいは熱エネルギーの差を利用して記録画像を形成する積層タイプと、同一の発色層内に異なる色調に発色する2種以上の染料前駆体を含有する単層タイプが知られている。
複数層タイプは、高温発色層と、高温発色層よりも低い温度域あるいは熱エネルギーで発色する低温発色層とを積層し、消色あるいは加色によって多色化する。消色型における発色機構は、低温加熱により低温発色層のみが発色し、高温加熱に際しては低温発色層の発色系に対して消色作用を有する消色剤が作用し、高温発色層のみが発色するというものである。この方式では、発色色調を自由に選択できるという長所を有するが、低温発色層に対して十分な消色効果を得るには多量の消色剤を添加する必要があり、記録画像の保存性悪化や、消色剤の溶融に多量の熱エネルギーが消費されるため、記録感度が低下するなどの問題点を抱えていた。
加色型では、低温加熱で低温発色層が発色し、高温加熱でさらに高温発色層も発色して両発色層が発色し、その際に両層の色が混合して得られるために、実質的には高温発色層を黒発色系とすることが不可欠であった。また、高温発色層の黒色画像は低温発色層の発色系との混色によって得られるために、黒色画像に低温発色層の色がかぶってしまい、発色色調の差が不明確であったり、特に周縁部において混色が著しく鮮明な黒色となりにくい。さらに、車のダッシュボード上などの高温雰囲気下に曝された場合には、高温発色層が発色してしまい低温発色色調にかぶりが生じる、あるいは黒色になってしまう等の問題を抱えていた。また、最近では、感熱記録体を領収書等に使用する用途も多くなり、その際の十分な記録画像の保存性を有するものは得られていないのが現状である。
単層タイプの多色感熱記録体においては、マイクロカプセルの利用が知られている。塩基性無色染料と有機溶媒とを芯に含有するマイクロカプセルの壁が、加熱によって不透過性から染料を透過し得る透過性になること、また、染料前駆体とマイクロカプセル壁材とを水に難溶または不溶の有機溶剤に溶解した溶液を親水性コロイド溶液中に乳化分散した後、系を昇温するとともに反応容器内の圧を減圧することにより、有機溶剤を留去しつつマイクロカプセルの壁を形成する製造方法がある。
しかし、前述の場合、異なる色調に発色する染料を別々にマイクロカプセル化すると、カプセル壁に完全に隔離されているためそれぞれ発色感度が低下し、色分離性に劣るという問題がある。また、後者のような方法で得られるマイクロカプセルは、圧力によって破壊されやすい。さらに、マイクロカプセルは、染料を溶質とし、有機溶剤を溶媒とする油性溶液を水性液体中に乳化分散し、油性液滴の周りに高分子物質からなる壁膜を形成する方法によって調整されることが知られているが、有機溶剤を使用したマイクロカプセルの場合、有機溶剤を介してロイコ染料と顕色剤との発色反応が引き起こされ、地色が悪化したり、摩擦等によって汚れやすいという問題がある。また、マイクロカプセルは破壊されやすく、地色や耐擦過性に劣るなど十分な品質の多色感熱記録体を得ることができない。このようなマイクロカプセルの欠点を補うため、染料前駆体をポリウレアまたはポリウレタンからなる高分子物質と複合化した複合微粒子を用いることが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかしこの方法では、カプセル破壊という面では改善されるものの、高温発色性が未だ不十分である。
更に、近年新たな用途として宝くじ等の金券用感熱紙が、購入者の視認性向上のため2色化される傾向にある。この場合、青や赤といった黒以外の色素は耐光性が極度に低いため、耐光性に耐する要望はあるものの、不十分であるのが現状である。特許文献3には、黒発色する染料前駆体を複合微粒子化し特定の顕色剤を含有することが記載されているが、満足できる品質は得られない。
特開平9−142025号公報 特開平9−290565号公報 特開2005−219250号公報
上記の事情から本発明は、低温発色および高温発色のそれぞれにおいて鮮明な色調が得られ、長期間太陽光に曝されても発色部分が退色しない、また白紙部分が変色しにくい多色感熱記録体を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の染料前駆体複合微粒子を用いることにより、本発明をなすに至った。
すなわち本発明は、支持体上に、それぞれ異なる色調に発色する2種類以上の無色ないし淡色の染料前駆体と、該染料前駆体と反応して発色させる有機顕色剤とを含有する感熱記録層を設けた多色感熱記録体において、前記染料前駆体の少なくとも1種が、多価イソシアネート化合物の重合体と融点または軟化温度が50℃〜150℃の範囲にある樹脂とを含有する複合微粒子に含有されており、かつ、有機顕色剤として、下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする感熱記録体に関する。
Figure 2007090684
〔式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表し、Aは1〜6の整数を表し、Bは0、1又は2を表し、m及びmは、それぞれ独立して0又は1〜3の整数を表す。但し、m及びmは同時に0ではない。R及びRは、それぞれ独立してニトロ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基又はC2〜C6のアルケニル基を表し、m及びmは、それぞれ独立して0、1又は2の整数を表し、m及びmがそれぞれ2のとき、R及びRはそれぞれ異なってもよく、Mは、CO又はNRCO(式中、Rは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表す。)を表す。但し、MがCOの場合は、mは1であり、mが0でMがNRCOのとき、Bは0ではない。〕
一般に、染料、特に黒以外の発色染料は光に対する安定性が弱く、印字部が消えたり、発色色調が変ったり、地発色しやすい傾向にある。それに対し、特に本発明の顕色剤を添加すると、理由は明らかではないが極めて耐光性、特に黒以外の赤や青に発色する染料の耐光性が向上するという結果が得られた。
以上のように、本発明の多色感熱記録体は、低温発色および高温発色のそれぞれにおいて色調が鮮明であり、耐光性に優れ、極めて有用なものとなっている。
以下に本発明を具体的に説明する。まず、本発明において用いられる染料前駆体と多価イソシアネートの重合体とを含有する複合微粒子の製造方法を以下に述べる。染料前駆体としては、各種公知のものが使用でき、例えば下記のものが挙げられる。
<黒色発色性染料前駆体>
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−メチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−メチルアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルアニリノ)フルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジ−n−ペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−7−(p−クロロアニリノ)フルオラン
3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン
2−クロロ−3−メチル−6−〔p−(p−フェニルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
2−クロロ−6−〔p−(p−ジメチルアミノフェニル)アミノアニリノ〕フルオラン
3,3−ビス〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド
3,3−ビス〔2−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−(p−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3,3−ビス〔1,1−ビス(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラブロモフタリド
3,3−ビス〔1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル〕−4,5,6,7−テトラクロロフタリド
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニリノフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロロ−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルアミノフルオラン
<青色発色性染料前駆体>
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド
3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド
3,3−ビス(p−ジエチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ−n−プロピルアミノフタリド
トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−ベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジフェニルメチルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−ジナフチルメチルアミノフルオラン
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−シクロヘキシルメチルアミノ−2−メトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
3−(4−ジエチルアミノ−2−n−ヘキシルオキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド
<緑色発色性染料前駆体>
3−ジエチルアミノ−7−アニリノフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−5−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−7−アニリノフルオラン
3−ピロリジノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−シクロヘキシルアミノフルオラン
3−(N−p−トルイル−N−エチルアミノ)−7−(N−メチル−N−フェニルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(N−メチル−N−フェニルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−n−オクチルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(N−シクロヘキシル−N−ベンジルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(ジ−p−クロロベンジルアミノ)フルオラン
3−(N−エチル−N−ヘキシルアミノ)−7−(N−メチル−N−フェニルアミノ)フルオラン
3−ピロリジル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロベンジルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリノフルオラン
<赤色発色性染料前駆体>
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−ベンゾ〔a〕フルオラン
10−ジエチルアミノ−4−ジメチルアミノベンゾ〔a〕フルオラン
3−ジエチルアミノ−7−(ジ−p−メチルベンジルアミノ)フルオラン
3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアミノフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン
3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−ベンゾ〔a〕フルオラン
3−(N−エチル−N−p−トルイルアミノ)−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラン
3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチルフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン
3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン
3−ジエチルアミノ−6,8−ジメチルフルオラン
3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4′−ニトロ)アニリノラクタム
3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド
3,3−ビス(1−n−ブチル−2−メチルインドール−3−イル)フタリド
3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−アニリノラクタム
これらの染料前駆体は単独で用いても良いし、また2種類以上を混合して用いても良い。本発明においては、黒色系の染料前駆体としては、発色性の良好な多色感熱記録体が得られることから、特に3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン<ODB−2>、3−(N−イソブチル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン<PSD−184>が好ましく用いられる。
本発明で用いられる多価イソシアネート化合物とは、水と反応することによりポリウレアまたはポリウレタン−ポリウレアを形成する化合物であり、多価イソシアネート化合物のみであってもよいし、又は多価イソシアネート化合物及びこれと反応するポリオールとの混合物、或いは多価イソシアネート化合物とポリオールの付加物、ビウレット体、イソシアヌレート体等の多量体であってもよい。例えば、多価イソシアネート化合物としては、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、5−イソシアナト−1−(イソシアナトメチル)−1,3,3−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート等のジイソシアネート類、4,4′,4″−トリフェニルメタントリイソシアネート、トルエン−2,4,6−トリイソシアネート等のトリイソシアネート類、4,4′−ジメチルジフェニルメタン−2,2′,5,5′−テトライソシアネート等のテトライソシアネート類、などがある。多価イソシアネート化合物とポリオールとの付加物としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、2,4−トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、トリレンジイソシアネートのヘキサントリオール付加物等のイソシアネートプレポリマーを用いることができる。また多価イソシアネート化合物、例えばヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体、イソシアヌレート体等の多量体も、本発明に使用することができる。これらは単独で用いても良いし、また2種類以上を混合して用いても良い。中でも、キシリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートから選ばれる少なくとも1種の多価イソシアネート化合物を含むことが好ましい。
また、ポリオール化合物またはポリアミンとしては、例えばエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、プロピレングリコール、2,3−ジヒドロキシブタン、1,2−ジヒドロキシブタン、1,3−ジヒドロキシブタン、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジヒドロキシシクロヘキサン、ジエチレングリコール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、フェニルエチレングリコール、1,1,1−トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、グリセリン等の脂肪族ポリオール、1,4−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン等の芳香族多価アルコールとアルキレンオキサイドとの縮合生成物、p−キシリレングリコール、m−キシリレングリコール、α,α′−ジヒドロキシ−p−ジイソプロピルベンゼン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルメタン、2−(p,p′−ジヒドロキシジフェニルメチル)ベンジルアルコール、4,4′−イソプロピリデンジフェノール、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−イソプロピリデンジフェノールのエチレンオキサイド付加物、4,4′−イソプロピリデンジフェノールのプロピレンオキサイド付加物、2−ヒドロキシアクリレートのような分子内にヒドロキシ基のあるアクリレート等が挙げられる。
次に、ポリアミン化合物としては、例えばエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ピペラジン、2−メチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、2−ヒドロキシトリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチルアミノプロピルアミン、テトラエチレンペンタミン、エポキシ化合物のアミン付加物等が挙げられる。もちろん、これらポリオール化合物、ポリアミン化合物も、前記化合物に限定されるものではなく、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
次に、これらの材料を溶解する溶媒としては、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル、塩化メチレン、塩化ブチル、塩化プロピル等が挙げられる。この溶媒は、染料前駆体、多価イソシアネート化合物を十分に溶解させるものが好ましい。また、本発明の染料前駆体複合微粒子には、n−ブタノール、エチレングリコールのようなアルコール類、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系、ベンゾオキサジノン系等の紫外線吸収剤や、ヒンダードアミン系、ヒンダードフェノール系の酸化防止剤を含有することもできる。また、発色感度を高めるために、感熱記録材料で知られているような増感剤を添加することもできる。
また、融点あるいは軟化温度が50〜150℃の範囲にある樹脂を含有することは、高温発色色調の低温発色色調へのかぶりを抑えることに有効である。このような樹脂としては、熱可塑性樹脂が使用でき、例えばポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢ビ共重合樹脂、エチレン−塩ビ共重合樹脂、エチレン・酢ビ−塩ビグラフト共重合樹脂、塩化ビニリデン樹脂、塩化ビニル樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、フェノキシ樹脂、フッソ樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリアリレート、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリパラメチルスチレン樹脂、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイト樹脂、メタクリル樹脂、アイオノマー樹脂、AAS樹脂、AES樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、MBS樹脂等が挙げられる。これらのうち、特に軟化温度が80〜120℃のものは効果が高く好ましく用いられる。中でも、ポリスチレンは、染料前駆体の溶解性が高く、複合微粒子の熱応答性も優れることから、最も好ましく用いられる。なお、本発明において軟化温度とは、「理化学辞典」(岩波新書、1998年7月5日発行第4版)に記載されている、温度が上昇してある温度を超えると顕著な流動性をもった軟らかい状態となる温度をいう。この融点または軟化温度が50〜150℃の範囲にある樹脂の含有割合は、求める性能レベルに応じて調整することができるが、含有量が少なすぎると、樹脂の持っている作用が発揮されにくくなり、多すぎると、適当な粒径を持った複合微粒子とすることが難しくなる。本発明では、多価イソシアネート化合物1部に対し10重量%以上、好ましくは25重量%以上で、400重量%以下、好ましくは100重量%以下の範囲内にあることが好ましい。
以上のような材料を用いて、本発明の染料前駆体複合微粒子は例えば、染料前駆体、多価イソシアネート化合物、融点または軟化温度が50〜150℃の範囲にある樹脂、および、必要に応じてその他の成分を、低沸点水不溶性有機溶剤に溶解し、次いでこの溶液を保護コロイド物質を溶解含有している水分散性媒体中に乳化分散し、さらに必要によりポリアミン等の反応性物質を混合後、この乳化分散液を加温することにより、これら高分子形成性材料を重合させることによって高分子化することによって製造することができる。
具体的には、一例として、まず100℃以下の沸点を有する有機溶媒中に、染料前駆体、多価イソシアネート化合物、融点または軟化温度が50〜150℃の範囲にある樹脂を、30℃〜100℃の間で溶解した後、乳化剤を用いて乳化分散させる。その際、1万回転の回転数で10分以下の時間で乳化が行われる。使用する乳化剤としては公知の分散剤が用いられるが、特にポリビニルアルコールが好ましい。
続いて、50℃〜100℃で1時間〜3時間の加熱で有機溶媒を蒸発させ、さらにその温度で1時間〜3時間反応させることで多価イソシアネート化合物を重合させる。その後室温まで冷却して複合微粒子の分散液が調製できる。
また、他に、多価イソシアネート化合物を溶媒とし、この中に染料前駆体を含有する溶質を溶解して、得られた溶液を親水性コロイド水溶液中に乳化分散することにより、多価イソシアネート化合物の重合反応に関与させる方法もある。
得られた複合微粒子は、平均粒径0.1μm〜10.0μm、好ましくは1μm以下に微粒化して用いると、発色感度がより向上して望ましい。
また、本発明において、複合微粒子に含有される染料前駆体の割合は、好ましくは複合微粒子の全重量の40重量%以上、80%以下であるが、より好ましくは55重量%以上、75重量%以下である。染料前駆体を十分に含有することにより、高温発色時の発色性が改善されると考えられる。染料前駆体が多すぎると、良好な性能の複合微粒子を得ることができない。
次に、本発明の多色感熱記録体は、感熱記録層中に上記の複合微粒子に加えて、複合微粒子に含有される染料前駆体とは異なる色調に発色する染料前駆体を含有する。この染料前駆体は、複合微粒子よりも低温で発色することが望ましい。前述した染料前駆体など、各種公知の染料前駆体の中から適宜選択可能であり、一般の感熱記録体において使用される形態、すなわち固体微粒子状態に分散され用いられる。
本発明の感熱記録体に使用する有機顕色剤は、下記一般式(1)で表される化合物である。
Figure 2007090684
〔式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表し、Aは1〜6の整数を表し、Bは0、1又は2を表し、m及びmは、それぞれ独立して0又は1〜3の整数を表す。但し、m及びmは同時に0ではない。R及びRは、それぞれ独立してニトロ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基又はC2〜C6のアルケニル基を表し、m及びmは、それぞれ独立して0、1又は2の整数を表し、m及びmがそれぞれ2のとき、R及びRはそれぞれ異なってもよく、Mは、CO又はNRCO(式中、Rは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表す。)を表す。但し、MがCOの場合は、mは1であり、mが0でMがNRCOのとき、Bは0ではない。〕
これらの中でも、一般式(1)中、MがNRCOである化合物が好ましく、MがNHCOである化合物であるのがより好ましい。かかる化合物としては、例えば、N−(2’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−2−ヒドロキシアニリン、N−(2’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−3−ヒドロキシアニリン、N−(2’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−4−ヒドロキシアニリン、N−(3’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−2−ヒドロキシアニリン、N−(3’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−3−ヒドロキシアニリン、N−(3’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−4−ヒドロキシアニリン、N−(4’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−2−ヒドロキシアニリン、N−(4’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−3−ヒドロキシアニリン、N−(4’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−4−ヒドロキシアニリン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、一般式(1)で表される化合物は、1種または2種以上を混合して用いることもできる。
特に、下記式(1−1)で表されるN−(4’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−4−ヒドロキシアニリン、および(1−2)で表されるN−(4’−ヒドロキシフェニルチオ)アセチル−2−ヒドロキシアニリンが好ましく用いられ、これらの1:1混合物がより好ましい。
Figure 2007090684
また、それ以外に本発明の効果を阻害しない範囲で公知の有機顕色剤を使用することができ、例えば、特開平3−207688号、特開平5−24366号公報等に記載のビスフェノールA類、4−ヒドロキシ安息香酸エステル類、4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類、フタル酸モノエステル類、ビス−(ヒドロキシフェニル)スルフィド類、4−ヒドロキシフェニルアリールスルホン類、4−ヒドロキシフェニルアリールスルホナート類、1,3−ジ[2−(ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]−ベンゼン類、4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸エステル、ビスフェノールスルホン類、特開平8−59603記載のアミノベンゼンスルホンアミド誘導体、国際公開WO97/16420記載のジフェニルスルホン架橋型化合物が例示される。これらの顕色剤は単独または2種類以上混合しても良い。
この他に、特開平10−258577号記載の高級脂肪酸金属複塩と多価ヒドロキシ芳香族化合物などの金属キレート型発色成分を画像形成材料として使用することもできる。また、これらのキレート発色成分は単独或いは前述のロイコ染料及び有機顕色剤と併用して用いられる。
さらに、通常感熱記録体では、感度向上を目的として増感剤が使用される。本発明においても、目的に応じて感熱記録層中に増感剤を添加することができる。以下にその具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではなく、また2種類以上混合して使用しても良い。
メトキシカルボニル−N−ステアリン酸ベンズアミド、N−ベンゾイルステアリン酸アミド、N−エイコサン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、メチロールアミド、N−メチロールステアリン酸アミド、テレフタル酸ジベンジル、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジオクチル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジル、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸−ジ−p−メチルベンジル、シュウ酸−ジ−p−クロロベンジル、2−ナフチルベンジルエーテル、m−ターフェニル、p−ベンジルビフェニル、1,2−ビス(フェノキシメチル)ベンゼン<PMB−2>、トリルビフェニルエーテル、ジ(p−メトキシフェノキシエチル)エーテル、1,2−ジ(3−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メチルフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−メトキシフェノキシ)エタン、1,2−ジ(4−クロロフェノキシ)エタン、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−メトキシフェノキシ)−2−(2−メチルフェノキシ)エタン、p−メチルチオフェニルベンジルエーテル、1,4−ジ(フェニルチオ)ブタン、p−アセトトルイジド、p−アセトフェネチジド、N−アセトアセチル−p−トルイジン、ジ(−ビフェニルエトキシ)ベンゼン、p−ジ(ビニルオキシエトキシ)ベンゼン、1−イソプロピルフェニル−2−フェニルエタン等が例示される。これらの増感剤は、通常、複合微粒子および固体微粒子として含有される染料前駆体の合計量の1重量部に対して0.1〜10重量部が使用される。
また、本発明の多色感熱記録体には、保存時の安定化のために保存安定剤を使用することができる。具体例としては、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4’−ブチリデンビス(2−tertーブチル−5−メチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−tertーブチル−5−メチルフェノール)、2,2’−チオビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−メチルフェノール)などのヒンダードフェノール化合物、4−ベンジロキシ−4’−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、ナトリウム2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスフェート等が挙げられ、これらの保存安定剤は、通常複合微粒子および固体微粒子として含有される染料前駆体の合計量の1重量部に対して0.1〜10重量部が使用される。
本発明の多色感熱記録体において、使用されるバインダーの具体例としては、デンプン類、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、カゼイン、アラビアガム、ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、ケイ素変性ポリビニルアルコール、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、エチレン−無水マレイン酸共重合体アルカリ塩、スチレン−アクリル酸共重合体アルカリ塩などの水溶性バインダー、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸メチル−ブタジエン共重合体などのラテックス類、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂などの水分散性バインダーなどが挙げられる。
また、填料としては、活性白土、クレー、焼成クレー、ケイソウ土、タルク、カオリン、焼成カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム等の無機填料、尿素−ホルマリン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノール樹脂等の有機填料などが利用される。
さらに、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどの分散剤、界面活性剤、消泡剤、蛍光増白剤、耐水化剤、滑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが所望に応じて利用される。
支持体としては、上質紙、中質紙、再生紙、コート紙等の紙が主として利用されるが、各種の不織布、プラスチックフィルム、合成紙、金属箔等あるいはこれらを組み合わせた複合シートなどが任意に用いられる。
さらに、保存性を高める目的で高分子物質等のオーバーコート層を感熱記録層上に設けたり、発色感度を高める目的で填料を含有した高分子物質等のアンダーコート層を感熱記録層下に設けることもできる。感熱記録層とオーバーコート層との間に中間層を設けてもよい。
以上述べたような各種材料を用いて、本発明の多色感熱記録体は従来公知の方法によって製造することができる。感熱記録体の各層用塗液の調製方法については特に限定するものではなく、一般に水を分散媒体とし、染料前駆体複合微粒子、これとは発色色調が異なる固体微粒子状の染料前駆体、および有機顕色剤の他、バインダーや必要に応じて添加される填料、滑剤などを混合撹拌して調製される。これらの材料は、通常それぞれ別々に水系でサンドグラインダー、アトライター、ボールミルなどで粉砕、分散した後、混合することによって水系の塗料を得ることができる。染料前駆体と顕色剤との使用比率は、用いる染料前駆体や顕色剤の種類に応じて適宜選択され特に限定するものではないが、複合微粒子および固体微粒子として含有される染料前駆体の合計量の1重量部に対して1〜50重量部、好ましくは2〜10重量部程度の顕色剤が使用される。バインダーは、各層の全固形量に対して15〜80重量部の範囲で使用される。さらに、複合微粒子中の染料前駆体に対する固形微粒子状の染料前駆体の割合は、特に制限されないが、50重量%〜300重量%が望ましい。
各層の形成方法については特に限定されず、エアーナイフコーティング、バリバーブレードコーティング、ピュアーブレードコーティング、ロッドブレードコーティング、ショートドウェルコーティング、カーテンコーティング、ダイコーティング等を適宜選択することができ、例えば感熱記録層用塗液を支持体上に塗布、乾燥した後、さらにオーバーコート層用塗液を感熱記録層上に塗布、乾燥する等の方法で形成される。また、感熱記録層用塗液の塗布量は乾燥重量で2〜12g/m2程度、好ましくは3〜10g/m2程度、アンダーコート層、中間層またはオーバーコート層用塗液の塗布量は乾燥重量で、0.1〜15g/m2程度、好ましくは0.5〜7g/m2程度の範囲で調節される。
なお、必要に応じて支持体の裏面側にバックコート層を設け、保存性を一層高めることも可能である。さらに、各層形成後にスーパーカレンダー掛けなどの平滑化処理等を施すことができる。
本発明の多色感熱記録体は、業務用や家庭用のファクシミリ用紙、POS用、物流用、工業用のラベル用紙、ワープロ用のプリンター用紙、スーパーやレジのプリンター用紙、医療計測用のプリンター用紙、工業計測用のプリンター用紙、銀行のATM用紙、チケット用紙等、一般に感熱記録体が使われる分野に応用できるものである。
以下、本発明を具体的な実施例により詳述する。ただし本発明はこれらに限定されるものではない。なお、「部」および「%」は、特に断らない限りそれぞれ「重量部」および「重量%」を示す。
[複合微粒子Aの合成]
黒色染料前駆体として3−(N−イソブチル−N−エチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン<PSD−184>10部とポリスチレン(融点95℃、三洋化成製ハイマーST95)2部を酢酸エチル20部に60〜70℃で溶解し、この溶液にキシリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのモル比3:1付加物(三井武田ケミカル製タケネートD110N、75重量%酢酸エチル溶液)10.7部を添加して均一に混合した。次にこの混合液を、ホモジナイザーで9000rpmに回転させたポリビニルアルコール(クラレ製PVA−217)の6%水溶液55部に、徐々に添加し乳化した。その後、水を80部添加し、この分散液を60℃で2時間加温することで酢酸エチルを除去し、その後70℃で3時間攪拌を行ってイソシアネートを重合し、平均粒径0.5μmの複合微粒子Aの分散液(20%)を調製した。
[実施例1]
1液(青色染料前駆体分散液)
3,3−ビス−ジメチルアミノフェニル−6−ジメチルアミノフタリド
<CVL> 30.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 50.0部
水 20.0部
上記の組成物の混合液をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕した。
2液(一般式[1]の化合物分散液)
ステアリン酸アミド (融点:99℃) 30.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 20.0部
水 10.0部
上記の組成物の混合液をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕した。
3液(顕色剤分散液)
N−(4−ヒドロキシフェニルチオアセチル)−2−ヒドロキシアニリンとN−(4−ヒドロキシフェニルチオアセチル)−4−ヒドロキシアニリンの1:1の混合物
30.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 20.0部
水 10.0部
上記の組成物の混合液をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕した。
次いで下記の割合で分散液を混合して塗液とした。
黒色複合微粒子A分散液 32.0部
1液(青色染料前駆体分散液) 10.0部
2液(一般式[1]の化合物分散液) 10.0部
3液(顕色剤分散液) 12.0部
シリカ30%分散液 40.0部
上記塗液を60g/mの紙の片面にメイヤーバーを用いて塗布量6.0g/mになるように塗布乾燥して感熱記録体を作成した。
[実施例2]
青染料前駆体の替りに、赤染料前駆体3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラン、顕色剤としてN−(4−ヒドロキシフェニルチオアセチル)−2−ヒドロキシアニリンを使用して、それ以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作成した。
[比較例1]
分散液3液の代わりに、下記分散液4液を10.0部用いて、それ以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作成した。
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン 30.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 20.0部
水 10.0部
上記の組成物の混合液をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕した。
[比較例2]
分散液3液の代わりに、下記分散液5液を10.0部用いて、それ以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作成した。
4−ヒドロキシ−4’−イソプロポキシジフェニルスルホン 30.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 20.0部
水 10.0部
上記の組成物の混合液をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕した。
[比較例3]
分散液3液の代わりに、下記分散液6液を10.0部用いて、それ以外は実施例1と同様にして感熱記録体を作成した。
3,3’−ジアリル−4、4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン 30.0部
10%ポリビニルアルコール水溶液 20.0部
水 10.0部
上記の組成物の混合液をサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンまで磨砕した。
[評価試験]
上記のようにして得られた多色感熱記録体に次の試験を行い、結果を表1に示す。
・発色性
MARKPOINT社製感熱プリンター(ROHN社製サーマルヘッドKM2004−A3を装着)を用い、低温発色として印加エネルギー0.076mj/dot、および高温発色として印加エネルギー0.219mj/dotで印字し、得られた画像をマクベス濃度計(RD−914)を用いて測定した。なお、黒発色画像(高温発色画像)はイエローフィルターを用いた濃度で、青発色画像(低温発色画像)はシアンフィルターを用いた数値からイエローフィルターを用いた数値を引いた濃度で、赤発色画像(低温発色画像)はマゼンタフィルターを用いた数値からイエローフィルターを用いた数値を引いた濃度で示す。発色色調は目視により判定した。
・耐光性試験
大倉電機社製のTH−PMDを使用し、印加エネルギー0.34mJ/dotで印字したサンプルに関してアトラス社製Ci3000F型キセノンフェードメーターを用い、出力66W/mで24時間処理を行った。処理後に印字部のマクベス濃度を測定した。
Figure 2007090684


Claims (2)

  1. 支持体上に、それぞれ異なる色調に発色する2種類以上の無色ないし淡色の染料前駆体と、該染料前駆体と反応して発色させる有機顕色剤とを含有する感熱記録層を設けた多色感熱記録体において、前記染料前駆体の少なくとも1種が、多価イソシアネート化合物の重合体と融点または軟化温度が50℃〜150℃の範囲にある樹脂とを含有する複合微粒子に含有されており、かつ、有機顕色剤として下記一般式(1)で表される化合物を含むことを特徴とする感熱記録体。
    Figure 2007090684
    〔式中、R及びRは、それぞれ独立して水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表し、Aは1〜6の整数を表し、Bは0、1又は2を表し、m及びmは、それぞれ独立して0又は1〜3の整数を表す。但し、m及びmは同時に0ではない。R及びRは、それぞれ独立してニトロ基、カルボキシル基、ハロゲン原子、C1〜C6のアルキル基又はC2〜C6のアルケニル基を表し、m及びmは、それぞれ独立して0、1又は2の整数を表し、m及びmがそれぞれ2のとき、R及びRはそれぞれ異なってもよく、Mは、CO又はNRCO(式中、Rは、水素原子又はC1〜C6のアルキル基を表す。)を表す。但し、MがCOの場合は、mは1であり、mが0でMがNRCOのとき、Bは0ではない。〕
  2. 前記有機顕色剤が、N−(4−ヒドロキシフェニルチオアセチル)−2−ヒドロキシアニリン、またはN−(4−ヒドロキシフェニルチオアセチル)−2−ヒドロキシアニリンとN−(4−ヒドロキシフェニルチオアセチル)−4−ヒドロキシアニリンの1:1の混合物であることを特徴とする、請求項1記載の感熱記録体。

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