JP2007089237A - 発電方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 コスト高になることなく瞬間的にも、また積算電力としてみた場合にも高効率の発電ができる発電方法及び装置を得る。
【解決手段】 廃棄物熱処理装置内の炉内ガス流路に配置されて導電性流体の流動のための流路となる発電流路3と、発電流路3に直交する磁界を発生する電磁石5と、発電流路3に導電性流体が流れるときに発生する電流を取り出す電極とを備えてなるMHD発電機6と、廃棄物に由来する導電性物質および/または酸素含有ガスを前記発電流路3に流れる炉内ガスに添加する添加装置7と、を備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、廃棄物焼却炉または溶融炉などの廃棄物熱処理装置の炉内ガスを利用してMHD発電を行う発電方法及び装置に関する。
電離気体(プラズマ)あるいは液体金属のような導電性のある流体を、磁界を横切って運動させることによって発電するものとして、MHD(Magneto-Hydro-Dynamic)発電が知られている。このMHD発電は、石炭や重油、天然ガスの燃焼により得られる高温燃焼排ガスを作動流体として強磁場中を通過させ、磁束を横切ることによって発電する方式である。この方式においては作動流体である高温燃焼排ガスの導電性を高めることが発電効率を上げるのに必要であり、このためシード物質と呼ばれるNaやK等を添加して発電効率を向上させる方法が知られている。
しかしながら、この方法ではシード剤であるアルカリ金属が高価なことから、これを添加することはコスト高となり、また、シード剤を回収して再生のための装置が必要となり、さらにコスト高となるという問題がある。
そこで、シード剤を添加することなく高効率の発電ができる発電方法として、廃棄物焼却炉または溶融炉において発生する炉内ガスに衝撃波を照射して得られた高温導電性ガスを利用してMHD発電を行う方法が提案されている(特許文献1参照)。
この方法は衝撃波が発電流路内の炉内ガスに照射されると、炉内ガスが衝撃波によって高圧・高温となり、電離または解離して導電性流体となり、さらに圧縮流体が高速度で流れることによって、導電性流体が発電流路内を高速度で流れることにより、MHD発電を効率よく行うことができるというものである。
特開2005−176552号公報
確かに、特許文献1による発電方法はシード剤を新たに添加する必要がないことから優れた方法である。
しかし、炉内ガスに衝撃波を照射する方法では、間欠的な発電になり、積算電力としてみた場合には発電効率が低いという問題がある。
そこで、シード剤を新たに添加してコスト高になることがなく、また積算電力を高めるような発電方法および装置の開発が望まれていた。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、コスト高になることなく瞬間的にも、また積算電力としてみた場合にも高効率の発電ができる発電方法及び装置を得ることを目的としている。
(1)本発明に係る発電方法は、廃棄物熱処理装置において発生する炉内ガスに廃棄物に由来する導電性物質および/または酸素含有ガスを添加して得られた高温導電性ガスを導電性流体として発電流路に流すことによってMHD発電を行うことを特徴とするものである。
廃棄物処理装置の炉内ガスには廃棄物中の塩類から由来するNa、K等のアルカリ金属やPb等の重金属を含むダストが含まれていて、そのダスト中のアルカリ金属等が高温下で電離しており、炉内ガスは導電性がある。発電流路内を流れる炉内ガスに廃棄物を焼却あるいは溶融する際に発生する飛灰や飛灰蒸気、灰溶融炉排ガス等の廃棄物に由来する導電性物質を添加することにより、炉内ガスの電気伝導度をさらに高め、効率の高いMHD発電を行うことができる。
上記のように、導電性物質は廃棄物に由来するものであり、別途導電性物質を添加するのに比較して安価であり、運転費を安価にできる。
また、炉内ガスがMHD発電に供されることにより、流路内ガス温度が低下する。これによって炉内ガス温度が低下するので、炉本体の高負荷運転時の炉内の内壁焼損を防止でき、炉の長寿命化が実現できる。また、内壁焼損を防止できるので、廃棄物処理量を増加させることができる。
また、MHD発電の発電量は導電性流体の電気伝導度に比例し、流速の2乗に比例して増加するので、下記のようにして発電量を増加できる。
発電流路内に酸素含有ガスを添加することで発電流路内で炉内ガスの部分燃焼を発生させ、ガス温度を上昇させて導電性物質の電子温度を高くして電気伝導度を高くし、また、炉内ガスの部分燃焼によりガス温度を上昇させ、膨張により発電流路を流れる炉内ガスの実流速を増加させることにより発電効率を高め、発電量を増加できる。
酸素含有ガスとしては、廃棄物熱処理装置の焼却炉や溶融炉から排出される排ガスを循環する再循環排ガス、排ガスと空気との混合ガスまたは空気を用いる。
なお、添加する酸素含有ガスは発電流路内で消費可能な量とすることで、MHD発電機の電極の酸化・減肉を抑制できる。
(2)また、廃棄物熱処理装置において発生する炉内ガスの一部または全部を炉外に取り出し、該炉外に取り出した炉内ガスに廃棄物に由来する導電性物質および/または酸素含有ガスを添加して得られた高温導電性ガスを導電性流体として発電流路に流すことによってMHD発電を行うことを特徴とするものである。
炉外で直接発電するので、廃棄物熱処理炉への影響が少なく、総合発電量を安定化させることができる。
また、MHD発電機を炉外に設けるので、MHD発電機の外面が高熱にさらされることがなく、その冷却構造は内部のみに着目すればよく簡易でよい。
(3)また、上記(1)または(2)における導電性物質は、固体状または液体状の導電性物質を加熱して蒸気にした導電性物質蒸気であることを特徴とするものである。
導電性物質蒸気とすることにより、高温導電性ガスの電気伝導度が高くなり、発電効率がさらに向上する。
(4)また、上記(1)〜(3)に記載のものおいて、MHD発電を行った後の炉内ガスから熱回収して蒸気タービン発電することを特徴とするものである。
炉内ガスを高温では直接発電に利用し、中温で従来型発電に利用するので、熱のカスケード利用が実現され、熱効率が高く、発電量が増加する。
(5)また、本発明に係る発電装置は、廃棄物熱処理装置内の炉内ガス流路に配置されて導電性流体の流動のための流路となる発電流路と、該発電流路に直交する磁界を発生する磁極と、前記発電流路に導電性流体が流れるときに発生する電流を取り出す電極とを備えてなるMHD発電機と、廃棄物に由来する導電性物質および/または酸素含有ガスを前記発電流路に流れる炉内ガスに添加する添加装置と、を備えたことを特徴とするものである。
(6)また、上記(5)における導電性物質が廃棄物熱処理装置から排出される飛灰であることを特徴とするものである。
飛灰にはNa、K等のアルカリ金属やPb等の重金属が含有されているので、高温下で電離されて高い電気伝導度の導電性物質として用いることができる。
飛灰を利用するので別途導電性物質を添加するのに比較して安価であり、運転費を安価にできる。
(7)また、上記(5)における導電性物質は、加熱して蒸気にした導電性物質蒸気であることを特徴とするものである。蒸気状の導電性物質の電気伝導度は固体状の導電性物質に比べてかなり高いので発電効率がさらに向上する。
また、廃棄物を焼却する際に発生した焼却灰や飛灰を灰溶融炉により溶融処理する際の灰溶融炉排ガスには灰に含まれるアルカリ金属の蒸気が多く含まれており、この灰溶融炉排ガスを導電性物質蒸気として利用することができる。
(8)上記(5)〜(7)における廃棄物熱処理装置が二回流式のストーカ型廃棄物焼却炉であり、副煙道に発電流路を設けたことを特徴とするものである。
二回流式ストーカ炉では、焼却炉内に中間天井を設けて、その中間天井と炉上部壁との間を副煙道としている。副煙道には廃棄物の熱分解や部分酸化により発生した可燃性ガスを多く含み低酸素濃度の炉内ガスが流通して二次燃焼室へ導かれる。このような副煙道にMHD発電機の発電流路を設置したので、発電流路内を流れる可燃性ガスを多く含む炉内ガスを部分燃焼させて前述のように発電効率を高くすることができる。さらに、この部分は前記のように低酸素濃度であり、電極の酸化が防止され減肉を抑止できる。そのため、究極的には発電装置の寿命を延ばすことができ、運転費を安価にできる。
また、副煙道ではガス温度が高いので、発電流路を通過する炉内ガスの流速が大きく発電量を大きくできる。
(9)上記(5)〜(8)に記載のものにおいて、発電流路に流れる炉内ガスの流速を調整するための流速調整装置を設けたことを特徴とするものである。
流速調整装置を設けることで、発電流路内のガス流速を調整でき、MHD発電による直接発電量を調整できる。
(10)上記(9)における流速調整装置が、排ガスを発電流路内に吹き込む排ガス再循環装置、流路断面積調整装置および発電流路以外に流れる炉内ガス量を調整する装置のうち少なくとも一つにより発電流路に流れる炉内ガス量を調整する炉内ガス流量調整装置であることを特徴とするものである。
流路断面積調整装置は炉内ガス流路にゲートを設けて流路断面積を調整するものである。
発電流路以外に流れる炉内ガス量を調整する炉内ガス流量調整装置は、二回流式のストーカ炉の副煙道とは別の炉内ガスの流路である主煙道側に流れるガス量を調整するエアーカーテンを形成するリバースジェットも含む。
(11)上記(5)〜(10)のいずれかに記載のものにおいて、発電流路に流れる炉内ガスの流量を周期的に変動させ発電流路の内壁近傍に脈動流を形成する脈動流形成手段を設けたことを特徴とするものである。
脈動流を形成することで、発電流路内壁付近の温度境界層が剥離し、ダストの熱泳動による付着が阻止でき、ダストトラブルを回避できる。
また、脈動流を形成することで発電流路を流れる炉内ガスの非定常燃焼が促進され、炉内ガス温度が上昇することにより導電性物質の電子温度が上昇し、これによって電気伝導度が高まり、発電効率が向上し、発電量が増加する。また、発電流路内の導電性物資の電子温度を均一化させて発電効率を向上できる。
(12)上記(5)〜(11)に記載のものにおいて、発電を行った後の炉内ガスから熱回収して発電する蒸気タービン発電装置を設けたことを特徴とするものである。
炉内ガスを高温では直接発電に利用し、中温で従来型発電に利用するので、熱のカスケード利用が実現され、熱効率が高く、発電量が増加する。
(13)また、導電性流体の流動のための発電流路と、該発電流路に直交する磁界を発生する磁極と、前記発電流路に導電性流体が流れるときに発生する電流を取り出す電極とを備えてなるMHD発電機と、廃棄物熱処理装置で発生する炉内ガスを外部に取り出して前記発電流路に流す取出管と、廃棄物に由来する導電性物質および/または酸素含有ガスを前記発電流路に流れる炉内ガスに添加する添加装置と、を備えたことを特徴とするものである。
(14)また、上記(13)に記載の取出し管を1/4波長管としたことを特徴とするものである。
1/4波長管で取出し管を構成することで、発電流路あるいはその上流で震動を発生でき、ダスト付着が防止できてダストトラブルによるメンテナンスを少なくでき、その結果、稼働率が向上して運転費が安価となる。
また、発電流路を流れる炉内ガスの非定常燃焼が促進され、炉内ガス温度が上昇することにより導電性物質の電子温度が上昇して電気伝導度が高まり、発電量が増加する。
(15)本発明に係る廃棄物熱処理装置は、廃棄物を熱処理するものであって、上記(5)〜(14)の何れかに記載のMHD発電装置を備えたことを特徴とするものである。
本発明においては、廃棄物熱処理装置において発生する炉内ガスに廃棄物に由来する導電性物質および/または酸素含有ガスを添加して得られた高温導電性ガスを導電性流体として発電流路に流すことによってMHD発電を行うようにしたので、コスト高になることなく瞬間的にも、また積算電力としてみた場合にも高効率の発電ができる発電を実現できる。
[実施の形態1]
図1は本発明の一実施の形態の全体構成の説明図、図2は図1に示した本実施の形態の要部の説明図である。なお、図2においては、図中の矢視A−A断面図を同一図中に記載している。以下、図1、図2に基づいて本実施形態を説明する。なお、本実施の形態の発電装置は廃棄物熱処理装置としての焼却炉内に設置したものである。
本実施の形態の発電装置は、焼却炉1内の炉内ガス流路に配置されて導電性流体の流動のための流路となる発電流路3と、該発電流路3に直交する磁界を発生する磁極としての電磁石5と、発電流路3に導電性流体が流れるときに発生する電流を取り出す図示しない電極とを備えてなるMHD発電機6と、廃棄物に由来する導電性物質としての飛灰蒸気を発電流路3に流れる炉内ガスに添加する添加装置7と、を備えている。
また、本実施の形態においては、焼却炉1の燃焼排ガスの廃熱を利用して蒸気を発生するボイラ9、ボイラ9の蒸気によって駆動する蒸気タービン11、蒸気タービン11によって駆動される発電機13を備えている。
このように、本実施の形態の発電装置は、MHD発電機5と蒸気タービン11によって駆動される発電機13とを備えており、複合発電装置が実現されている。
以下、各構成を詳細に説明する。
(1)焼却炉
本実施の形態に係る焼却炉は二回流式のストーカ型焼却炉である。二回流式のストーカ型焼却炉とは、主燃焼室14の火格子15の上方に炉内ガスが二次燃焼室16に直通するのを防止するための中間天井17を設けたものである。
また、本実施の形態においては、二次燃焼室の入口近傍に中間天井17と所定間隔を離してこれに対向する突出壁19を設けている。中間天井17と突出壁19の間を副煙道18と称している。副煙道18には、廃棄物の熱分解や部分酸化によって発生する可燃性ガスを含む炉内ガスが流れ、二次燃焼室16に導かれる。
また、燃焼によって生成した排ガスを主燃焼室14に戻すEGR21(エグゾーストガスリサーキュレーション:排ガス再循環装置)が設けられており、副煙道18を流れる炉内ガスに排ガスが添加される。炉内ガスに排ガスを添加することにより発電流路内で炉内ガスの部分燃焼を発生させ、ガス温度を上昇させて導電性物質の電子温度を高くして電気伝導度を高くし、また、炉内ガスの部分燃焼によりガス温度を上昇させ、膨張により発電流路を流れる炉内ガスの実流速を増加させることにより発電効率を高め、発電量を増加できる。
前述したように、MHD発電の発電効率は作動流体の流動速度の2乗に比例して増大するので、上記のように排ガスの添加による部分燃焼によって炉内ガスの実流速を増加させることで発電効率が向上する。
なお、ここで添加する排ガス中の酸素量は発電流路内で消費可能な量とするのが望ましい。
上記の説明から明らかなように、飛灰の蒸気を添加することなく排ガスのみを添加する場合であっても一定の効果を奏することは言うまでもない。
また、EGR21から噴射するガス流速を調整することによって炉内ガスの流速を調整するようにしている。したがって、EGR21は本発明の流速調整装置として機能する。
また、EGR21のガス噴射を例えばバルブの開閉を間欠的に行うことにより、発電流路3を通過する炉内ガスに脈動流を形成するようにしてもよい。このときEGR21が本発明の脈動流形成手段として機能する。
脈動流を形成することにより、発電流路3の内壁付近の温度境界層が剥離し、ダストの熱泳動による付着を阻止してトラブルの発生を防止できる。
また、脈動流を形成することにより、発電流路を流れる炉内ガスの非定常燃焼が促進され、炉内ガス温度が上昇することにより導電性物質の電子温度が高くなる。電子温度が高くなると電気伝導度が高くなり、その結果、発電量を多くすることができる。
なお、脈動流の形成方法の他の例として、別途設けたパルスバーナの排ガスを発電流路3に供給するようにしてもよい。
(2)MHD発電機
MHD発電機6は焼却炉1内における副煙道18に配置されており、図2のA−A断面図に示すように、この発電流路3が副煙道18に位置しており、発電流路3は炉内ガスの流路となっている。
発電流路3の両側には電磁石5が互いに対向して設けられており、これら電磁石5は発電流路3に向けて磁場を生ずる。また、発電流路3における他方の両側(中間天井17と突出壁19に沿う側)には図示しない一対の電極が設置されており、これら電極はインバータ25(図1参照)に接続されている。インバータ25は、前記一対の電極から取り出された電流を交流電流に変換する。
(3)添加装置
添加装置7は、前述のように、発電流路3の上流側に設けられて発電流路3に流れる炉内ガスに飛灰の蒸気を添加する。
このような機能を有する添加装置7は飛灰供給部、飛灰加熱蒸発部、排灰蒸気供給量調整部で構成される。飛灰加熱蒸発部は電気ヒータやプラズマによって加熱される小型加熱器や爆轟加熱器を用いることができる。飛灰加熱蒸発部に飛灰供給部の切り出し供給機構により飛灰が適量供給され、加熱されて蒸気を発生させる。
飛灰蒸気を飛灰蒸気供給量調整部により所定量に調整して発電流路3に流れる炉内ガスに添加する。
添加装置7としては市販されている粉体の爆轟溶射コーティング装置やプラズマ溶射機を改造して用いてもよい。
次に、以上のように構成された本実施の形態の動作を説明する。
廃棄物を焼却炉1に投入して、燃焼を開始する。廃棄物の熱分解や部分酸化によって発生する可燃性ガスを含む炉内ガスは副煙道18、すなわちMHD発電機の発電流路3に流入する。
発電を開始するときは、添加装置7により発電流路内の炉内ガスに飛灰の蒸気を噴射する。
炉内ガスにはゴミに含まれる塩分や乾電池等に由来するNa、Li、K等のアルカリ金属やPb等の重金属を含むダストが含まれている。そして、炉内ガスは1100K以上の高温であり、アルカリ金属や重金属は高温状態では電離または解離し易く導電性物質として働き、炉内ガスは電子密度の高い高温導電性ガスとなる。
電離または解離した炉内ガスが導電性流体として発電流路3を高速で移動すると一対の電磁石5の磁場に直交して流動することになるので、流動方向と直交する方向に電流が生じる。この電流は図示しない電極によって取り出され、インバータ25により、交流電流に変換される。
MHD発電の発電効率は作動流体の流速の2乗に比例し、電気伝導度に比例して増大する。
したがって、添加装置7により発電流路内の炉内ガスに飛灰の蒸気を噴射することにより、飛灰に含まれるアルカリ金属の蒸気によって発電流路内の導電性物質の密度が増し、電子密度が増大して導電性が大きくなり、発電効率が向上する。
また、炉内ガスに排ガスを添加することにより発電流路内で炉内ガスの部分燃焼を発生させ、ガス温度を上昇させて導電性物質の電子温度を高くして電気伝導度を高くし、また、炉内ガスの部分燃焼によりガス温度を上昇させ、膨張により発電流路を流れる炉内ガスの実流速を増加させることにより発電効率を高め、発電量を増加できる。
前述したように、MHD発電の発電効率は作動流体の流速の2乗に比例して増大するので、上記のように排ガスの添加による部分燃焼によって炉内ガスの実流速を増加させることで発電効率が向上する。
なお、ここで添加する排ガス中の酸素量は発電流路内で消費可能な量とするのが望ましい。
上記の説明から明らかなように、飛灰の蒸気を添加することなく排ガスのみを添加する場合であっても一定の効果を奏することは言うまでもない。
また、EGR21による排ガス供給量を調整して発電流路3を流れる炉内ガスの流速を調整することで発電量を調整することができる。
発電流路3を通過した炉内ガスは、後燃焼火格子からの燃焼用空気と燃焼排ガスと共に二次燃焼室16へと流入し、混合されて未燃分が二次燃焼される。二次燃焼室16から排出された排ガスはボイラ9へと導かれ、ここで蒸気を発生する。発生した蒸気が蒸気タービン11に供給されて発電機13による発電が行われる。
ボイラ9に供給された排ガスは排ガス処理装置27によって処理され、処理された排ガスは誘引ブロア29によって誘引されて煙突31から大気に放出される。排ガス処理装置27では飛灰が回収され、ここで回収された飛灰が加熱蒸発され、その蒸気が添加装置7に供給される。
以上のように、本実施の形態によれば、アルカリ金属を多量に含む炉内ガスを導電性流体として用い、さらに飛灰の蒸気を添加することによって導電性物質の密度を増して電子密度を増しているので、シード剤として別途高価なアルカリ金属を添加することなく高効率の発電が可能となる。
また、上記の例ではMHD発電機6を二回流式ストーカ型焼却炉1の副煙道18に設置したので、酸素濃度が低く電極の酸化・減肉が抑制され、その結果、MHD発電機6の部品寿命が延びるので運転費が安価となる。
また、発電流路3に再循環排ガスを供給して部分燃焼を促進させ、ガス温度を上昇させるので、発電流路3を流れる炉内ガスの流速が速く、効率的な発電が行われる。
また、二回流式ストーカ型焼却炉1の副煙道18に配置する場合には傾斜配置となり、発電流路3が傾斜するので、発電流路3内にダストが堆積しにくく、稼働率が向上するという効果も得られる。
もっとも、MHD発電機6の設置位置は二回流式ストーカ型焼却炉1の副煙道18に限られるものではなく、例えば図3に示すように、主燃焼室14の上部にMHD発電機6の発電流路3が水平になるように配置してもよい。この場合、発電流路3の出口側が中間天井17の上端近傍に配置されるようにするのが好ましい。
図3に示す例は、MHD発電機6を既設の焼却炉に設置する場合には、設置が容易であることから好適である。
なお、図3に示す例においては、発電流路3に添加する導電性物質として主灰を溶融する灰溶融炉の高温排ガスを添加する例を示している。灰溶融炉の高温排ガスにも飛灰の蒸気と同様にアルカリ金属が多量に含まれており、飛灰の蒸気を添加するのと同様の効果が得られる。
また、MHD発電機6の設置位置としては、これ以外であっても可燃性ガスを含む高温の炉内ガスが存在する箇所、例えばストーカ型焼却炉の主燃焼室の燃焼開始領域、流動床型焼却炉のフリーボード部下部、およびガス化溶融炉のフリーボード部に配置することもできる。
また、本実施の形態においては、発電流路3を通過してMHD発電に供された炉内ガスは、上述したように、後燃焼火格子からの燃焼排ガスと共に二次燃焼室16へと流入し、混合されて未燃分が二次燃焼され、その排ガスによって蒸気タービン9による発電が行われる。このように、炉内ガスを高温では直接発電に利用し、中温で蒸気タービンによる発電をするので、熱のカスケード利用が実現され、熱効率が高く、多くの発電量を得ることができる。
また、上記の実施の形態では発電流路3を流れる炉内ガスの流速調整装置としてEGR21を示したが、主煙道側に流れる炉内ガス量を調整することで発電流路3に流れる炉内ガスの流速を調整するようにしてもよい。この場合の具体例としては、例えば主燃焼室14内において主煙道側に流れる炉内ガス量を制御できるようなエアーカーテンを作れるようにしてもよい。
なお、流速調整装置として、直接発電流路3に流れる炉内ガス量を調整する手段と、主煙道側に流れる炉内ガス量を調整することによって発電流路3に流れる炉内ガス量を間接的に調整する手段を併用してもよい。
[実施の形態2]
本実施の形態においては、焼却炉で発生した炉内ガスを外部に取り出し、この炉内ガスに飛灰の蒸気を添加して作動流体としてMHD発電を行うというものである。
本実施の形態におけるMHD発電機の構成は、それが炉外に配置される点以外は実施の形態1と同様である。
もっとも、本実施の形態ではMHD発電機を炉外に配置するので、炉内ガスは取出し管によって外部に取り出す。
炉内ガスを取り出すことにより高い導電性の作動流体とするには、炉内ガスは廃棄物の熱分解・部分酸化によって発生する可燃性ガスを多く含み、かつ、高温となっていることが好ましい。そのため、炉内ガスの取り出しは、例えば、二回流式ストーカ型焼却炉の中間天井と天井との領域(燃焼火格子の上流側)、流動床型焼却炉のフリーボード部下部およびガス化溶融炉のフリーボード部から行うのが好ましい。
取出し管は、1/4波長管(Rijke Tube)であることが好ましい。
1/4波長管とは、全体の配管の一端から配管長の1/4の長さの場所にバーナー等の加熱器を設置し、他端から配管長の1/4の長さの場所に冷却ジャケット等の冷却器を設置して、配管内の気体に音響学的な振動(ヘルムホルツ振動)を発生させることにより、管内へのダストの付着や堆積を防止すると共に、ダストの排出作用を起こさせるものである。
1/4波長管を用いることで、取出し管内でのダスト付着等の防止になるのみならず、炉内から取り出す炉内ガスに脈動を与え、発電流路を通過する導電性流体に脈動流を形成する脈動流形成手段として機能する。
導電性流体に脈動流を形成することにより、実施の形態で説明したように、発電流路の内壁付近の温度境界層が剥離し、ダストの熱泳動を阻止してトラブルの発生を防止できる。
また、脈動流を形成することにより、非定常燃焼が促進され、電子温度が高くなる。電子温度が高くなると電気伝導度が高くなり、その結果、発電量を多くすることができる。
本実施の形態においては、MHD発電機を炉外に設置するのでMHD発電機は外部が高温にさらされることがなく、その冷却構造としては、発電流路等の内部からの高温に対する対策のみでよく、構造が簡単になる。
なお、上記実施形態1,2で示した廃棄物焼却炉で燃焼する廃棄物としては、都市ごみ、産業廃棄物、汚泥等がある。また、焼却炉としては、実施の形態1で説明したストーカ炉の他に、流動床炉、固定床炉がある。
また、本発明の廃棄物熱処理装置としては廃棄物焼却炉の他に溶融炉もふくまれる、その例としては、熱分解溶融炉(ガス化溶融炉)、電気抵抗式灰溶融炉、プラズマ式灰溶融炉等がある。
本発明の一実施の形態の説明図である。 図1の要部を詳細に示した説明図である。 本発明の一実施の形態の他の態様の説明図である。
符号の説明
1 焼却炉、3 発電流路、5 電磁石、6 MHD発電機、7 添加装置、9 ボイラ、11 蒸気タービン、13 発電機、14 主燃焼室、15 火格子、16 二次燃焼室、17 中間天井、19 突出壁、21 EGR、25 インバータ。

Claims (15)

  1. 廃棄物熱処理装置において発生する炉内ガスに廃棄物に由来する導電性物質および/または酸素含有ガスを添加して得られた高温導電性ガスを導電性流体として発電流路に流すことによってMHD発電を行うことを特徴とする発電方法。
  2. 廃棄物熱処理装置において発生する炉内ガスの一部または全部を炉外に取り出し、該炉外に取り出した炉内ガスに廃棄物に由来する導電性物質および/または酸素含有ガスを添加して得られた高温導電性ガスを導電性流体として発電流路に流すことによってMHD発電を行うことを特徴とする発電方法。
  3. 導電性物質は、固体状または液体状の導電性物質を加熱して蒸気にした導電性物質蒸気であることを特徴とする請求項1または2に記載の発電方法。
  4. MHD発電を行った後の炉内ガスから熱回収して蒸気タービン発電することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発電方法。
  5. 廃棄物熱処理装置内の炉内ガス流路に配置されて導電性流体の流動のための流路となる発電流路と、該発電流路に直交する磁界を発生する磁極と、前記発電流路に導電性流体が流れるときに発生する電流を取り出す電極とを備えてなるMHD発電機と、廃棄物に由来する導電性物質および/または酸素含有ガスを前記発電流路に流れる炉内ガスに添加する添加装置と、を備えたことを特徴とする発電装置。
  6. 導電性物質が、廃棄物熱処理装置から排出される飛灰であることを特徴とする請求項5に記載の発電装置。
  7. 導電性物質が、加熱して蒸気にした導電性物質蒸気であることを特徴とする請求項5に記載の発電装置。
  8. 廃棄物熱処理装置が二回流式のストーカ型廃棄物焼却炉であり、副煙道に発電流路を設けたことを特徴とする請求項5〜7の何れか一項に記載の発電装置。
  9. 発電流路に流れる炉内ガスの流速を調整するための流速調整装置を設けたことを特徴とする請求項5〜8の何れか一項に記載の発電装置。
  10. 流速調整装置が、排ガスを発電流路内に吹き込む排ガス再循環装置、流路断面積調整装置および発電流路以外に流れる炉内ガス量を調整する装置のうち少なくとも一つにより発電流路に流れる炉内ガス量を調整する炉内ガス流量調整装置であることを特徴とする請求項9に記載の発電装置。
  11. 発電流路に流れる炉内ガスの流量を周期的に変動させて発電流路の内壁近傍に脈動流を形成する脈動流形成手段を設けたことを特徴とする請求項5〜10の何れか一項に記載の発電装置。
  12. MHD発電を行った後の炉内ガスから熱回収して発電する蒸気タービン発電装置を設けたことを特徴とする請求項5〜11の何れか一項に記載の発電装置。
  13. 導電性流体の流動のための発電流路と、該発電流路に直交する磁界を発生する磁極と、前記発電流路に導電性流体が流れるときに発生する電流を取り出す電極とを備えてなるMHD発電機と、廃棄物熱処理装置で発生する炉内ガスを外部に取り出して前記発電流路に流す取出管と、廃棄物に由来する導電性物質および/または酸素含有ガスを前記発電流路に流れる炉内ガスに添加する添加装置と、を備えたことを特徴とする発電装置。
  14. 取出し管を1/4波長管としたことを特徴とする請求項13記載の発電装置。
  15. 請求項5〜14の何れかに記載の発電装置を備えたことを特徴とする廃棄物熱処理装置。
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CN105443178A (zh) * 2015-12-18 2016-03-30 南京航空航天大学 基于液态金属磁流体发电的船舶余热发电装置及其工作方法

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