(第1の実施の形態)
以下、本発明を実施するための最良の形態の第1の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図1、図2、図3は、本発明に係るイメージスキャナ等の画像読取装置1の構成を示す説明図である。本発明に係る画像読取装置1は、印刷媒体等に印刷され形成された画像を読み取る読取動作を行うキャリッジ8と、後述する制御部であるメイン制御部15からの信号によりキャリッジ8の読取動作の駆動力を発生するモータ10と、画像読取装置1全体の制御を行うメイン基板15と、ユーザが選択操作や決定操作等を行うための例えば読取動作を開始させるスタートボタン、読取動作を中止させるキャンセルボタン等が設けられた操作部21と、パーソナルコンピュータや画像形成装置との接続に使用されこれらの外部に接続された外部機器に対して情報の送受信を行うためのUSBまたはIEEE1394等のI/F部39とを備えている。
制御部であるメイン基板15は、入力されたデジタル信号又はアナログ信号を変換してアナログ信号又はデジタル信号として出力する第1の信号分別部18と、外部から電力を得て画像読取装置1に電力を出力する電源部22と、画像読取装置1の各部の制御を行って画像読取動作、画像読取動作により得られた画像データに対する処理等を行う第2の信号送受信部であるメイン制御部23と、入力されたDC電力を内部に有するフィルタにかけ整流作用を施す第1の信号重畳部24と、画像読取動作により読み取った画像データを一時的に格納するメモリ29とを備えている。
画像読取部であるキャリッジ8は、後に詳細に説明する導電性レール9の上に沿って直線方向にスライドして平行移動可能となるように乗せられており、この導電性レール9の両端の近傍に配置されたプーリA11、プーリB12にかけ回され導電性レール9に沿って移動する無端状のベルト13上に設けられたベルト取付部14を介してベルト13に取り付けられている。
また、キャリッジ8は、キャリッジ8内の各部の制御を行って画像読取動作を行う第1の信号送受信部である読取制御部3と、キャリッジ8の外部下方に突出して取り付けられ導電性レール9に付加された電力を後述する第2の信号重畳部25に導電する電力取得部17と、入力されたデジタル信号又はアナログ信号を変換してアナログ信号又はデジタル信号として出力する第2の信号分別部19と、撮像素子4、レンズ5、ミラー6、ランプ7を有するセンサ部20と、入力されたDC電力を内部に有するフィルタにかけ整流作用を施す第2の信号重畳部25と、入力されたDC電圧に対して電圧変換を行うDC−DCコンバータ26と、画像読取動作により読み取った画像データを一時的に格納するメモリ28とを備えている。センサ部20は、キャリッジ8の上側に構成された原稿台上にセットされた印刷媒体に印刷された画像を読み取る読取動作の際には、ランプ7が照明して印刷媒体に光を当てると、印刷媒体表面上の画像を反射してミラー6に到達した光がミラー6によって反射され、この光をレンズ5によって集光して例えばCCD等の撮像素子4に集め、これを撮像素子4で光電変換を行い電気信号に変えて画像データを生成するようになっている。
以上のような構成を有するキャリッジ8は、原稿台の一方の端部からこれに対向する端部までの直線方向に沿って原稿台の幅に合わせて平行に配置された2本の直線状の導電性部材により構成された導電性レール9の上に乗せられている。そして、プーリA11の中心軸に接続されたモータ10の回転により駆動力を与えられてプーリA11が回転し、ベルト13が回転してベルト取付部14を介してキャリッジ8が導電性レール9に沿って平行移動する。キャリッジ8の外部下方に突出し導電性レール9に接触している電力取得部17は、キャリッジ8の平行移動に応じて導電性レール9の表面上を摺動するようになっている。電力取得部17がキャリッジ8の平行移動の間にも導電性レール9上を摺動して接触する構成としては例えば板バネ等により導電性レール9を押圧するものが考えられるが、電力取得部17が常に導電性レール9に接触している構成であれば他の構成であっても良い。
移動レールである導電性レール9は、メイン基板15内の第1の信号重畳部24に接続されこの導電性レール9に電力を付加する電力付加部16を備えており、キャリッジ8とメイン基板15とは導電性レール9を介してのみ電気的に接続されている。導電性レール9に電力付加部16により電力が付加されると、導電性レール9を介してこの導電性レール9上を摺動する電力取得部17に、キャリッジ8が読取動作を行って平行移動しているか否かに関わらず、電力が伝わっていき、キャリッジ8に電力が供給される。この単線の伝送路である導電性レール9を介した電力の導電によって、メイン制御部23および読取制御部3間の命令信号や画像データ等の送受信による制御と、電源部22からのキャリッジ8への電力の供給の全2重通信が行われる。すなわち、電力付加部16からの電力とメイン制御部23及び読み取り制御部3間で送受信される信号とが重畳される。全2重通信の方式としては、例えば、送受信の信号や電力を異なる周波数を用いて行うものとする。
続いて、画像読取装置1が以上のような構成を有することにより生じる作用効果について詳細に説明する。まず、画像読取装置1のキャリッジ8への電力の供給について説明する。画像読取装置1の電力が投入されると、画像読取装置1が設置された室内のコンセント等や商用電源から電源部22に電力が供給される。電源部22はこの電力のAC−DC変換を行い、DC電力を得る。そして、このDC電力を画像読取装置1の各部、即ち、キャリッジ8、モータ10、第1の信号分別部18、操作部21、メイン制御部23、第1の信号重畳部24、メモリ29、I/F部39に供給する。キャリッジ8に電力を供給するルートは以下のようになる。
電源部22から第1の信号重畳部24に電力が供給されると、第1の信号重畳部24を介して電力付加部16に電力が伝わり、電力付加部16からこの電力が導電性レール9に、図4に示すように、電圧が変化して付加される。導電性レール9に付加された電力は、キャリッジ8の電力取得部17に伝わり、このとき、導電性レール9はそのレールの全てが導電性部材で構成され、電力取得部17は導電性レール9上を摺動しているため、キャリッジ8が画像の読取動作によって導電性レール9上を平行移動して電力取得部17がどの位置にあったとしても電力が伝わる。そして、電力取得部17に伝わった電力は、第2の信号重畳部25に導電し、第2の信号重畳部内部に有するフィルタによって整流されて交流成分がカットされ、その後、DC−DCコンバータ26で電圧変換されてキャリッジ8内の各部、即ち、読取制御部3、第2の信号分別部19、センサ部20、画像メモリ28に供給される。
続いて、画像の読取動作における画像読取装置1全体の処理について図5に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。画像読取装置1の電源が投入され上述のように各部に電力が供給されると、画像読取装置1の電源がON状態となる。そして、画像読取装置の各部へ電力が供給される(STEP1)。
次に画像読取装置1は、メイン制御部23を起動させ、第1の信号分別部18から第2の信号分別部19への通信が可能か否かを判定する処理を行う(STEP2)。具体的には画像読取装置1は、自身の電源がON状態となると、まずメイン制御部23を起動させる。次に、画像読取装置1は、第1の信号分別部18を起動させ、さらにその後、キャリッジ8内において第2の信号分別部19を起動させる。ここで、第2の信号分別部19が起動すると、第2の信号分別部19は、例えば自動的に第1の信号分別部18に対して所定の信号を送信し、第2の信号分別部19が起動した旨を通知する。ここで、第1の信号分別部18に送信された所定の信号は、第1の信号分別部18を介してメイン制御部23に送信される。第1の信号分別部18から送信された所定の信号を受信したメイン制御部23は、この信号を受信したことにより第2の信号分別部19が起動を完了して通信が可能な状態であると判定する。一方、メイン制御部23が所定時間経過後においても第1の信号分別部18から所定の信号を受信しなかった場合は、画像読取装置1は、エラーが発生して第2の信号分別部19が通信可能な状態にないと判定し、一連の処理を終了する。
次に画像読取装置1は、メイン制御部23が通信が可能であると判定した時は、イニシャル動作を行う(STEP3)。イニシャル動作を行う方法としては、まず、メイン制御部23が例えばメモリ29に格納されているデータに基づいて16ビット等の複数ビットからなるデジタル信号を生成し、このデジタル信号をパラレルに第1の信号分別部18に送信する。第1の信号分別部18はデジタル信号を受信すると、内部に有する第1の変調復調回路によって当該受信したデジタル信号をアナログ信号に変換する。そして、このアナログ信号を表した電圧信号等を含む電力は、第1の信号分別部18から第1の信号重畳部24に伝達され、第1の信号重畳部24を介して電力付加部16に伝達され、電力付加部16によって導電性レール9に付加される。導電性レール9に付加された電力は、導電性レール9を伝わって電力取得部17に伝達され、電力取得部17から第2の信号重畳部25に伝達される。第2の信号重畳部25に伝達された電力は、第2の信号重畳部25から第2の信号分別部19に伝達される。当該電力を伝達された第2の信号分別部19は、内部に有する第2の変調復調回路を用いて当該伝達された電力に含まれるアナログ信号をデジタル信号に変換する。そして、このデジタル信号は第2の信号分別部19から出力されて読取制御部3に送信され、読取制御部3はデジタル信号を受信すると、この信号に従ってイニシャル動作を行う。イニシャル動作としては、センサ部20の画像の読取動作で生成される画像データの出力の補正を行い、例えば原稿台の上側を覆う白い板の蓋に対して、画像の読取動作を実行し、この読取動作で読み取った画像データと、予め画像メモリ28に格納された調整用の画像データとを比較し、当該比較結果に基づいてセンサ部20の出力レベルの調整等を行う動作がある。
次に画像読取装置1は、ユーザからの操作の待機状態として画像の読取動作開始の指示を待つ状態となる。具体的には、画像読取装置1は、ユーザによって読取開始ボタンの押下されるのを待つ(STEP4)。
次に画像読取装置1は、ユーザのスタートボタンの押下操作に応じて各部材に対して画像の読取動作開始を指示する処理を行う(STEP5)。ユーザが操作部21を操作して画像の読取動作開始を指示するスタートボタンを押下すると、まずメイン制御部23は、読取動作開始信号として16ビット等の複数ビットからなるデジタル信号を生成する。ここで生成されるデジタル信号は、例えば予めメモリ29に格納された各種の信号データの参照等を行い、キャリッジ8に対して画像の読取動作の開始を指示する信号である。メイン制御部23において生成された読取動作開始信号は、パラレルに第1の信号分別部18に送信される。第1の信号分別部18は読取動作開始信号を受信すると、内部に有する第1の変調復調回路によって当該デジタル信号をアナログ信号に変換する。そして、このアナログ信号を表した電圧信号等を含む電力は、第1の信号分別部18から第1の信号重畳部24に伝達され、第1の信号重畳部24を介して電力付加部16に伝達され、電力付加部16によって導電性レール9に付加される。導電性レール9に付加された電力は、導電性レール9を伝わって電力取得部17に伝達され、電力取得部17から第2の信号重畳部25に伝達される。第2の信号重畳部25に伝達された電力は、第2の信号重畳部25から第2の信号分別部19に伝達される。当該電力を伝達された第2の信号分別部19は、内部に有する第2の変調復調回路を用いて当該伝達された電力に含まれるアナログ信号をデジタル信号に変換する。そして、このデジタル信号は第2の信号分別部19から出力されて読取制御部3に送信され、読取制御部3はデジタル信号を受信する。
次に画像読取装置1は、キャリッジ8を用いて画像の読取動作を開始する(STEP6)。キャリッジ8は、まずセンサ部20に画像の読取動作の開始信号を送信する。読取動作の開始信号を受信したセンサ部20は、画像の読取動作として、原稿台上にセットされた印刷媒体をランプ7により照明し、印刷媒体から反射した光が更にミラー6によってレンズ5がある方向に反射される。ミラー6から反射された光は、レンズ5によって撮像素子4に集められ、撮像素子4は、当該集められた光に基づいて画像データを生成する。このときキャリッジ8は、モータ10の駆動力により導電性レール9上を平行移動する為、センサ部20もキャリッジ8と共に平行移動することとなる。画像読取装置1においは、センサ部20が、平行移動する際もこの様な読取動作を行いながら、キャリッジ8が平行移動する動作に伴って、原稿台の一方の端部の読取動作開始位置からこの端部に対向するもう一方の端部の読取動作終了位置まで移動することで画像データが生成される。ここで生成された画像データは、センサ部20から読取制御部3に順次送信されていき、読取制御部3はこの画像データを含むデジタル信号をパラレルに第2の信号分別部19に送信する。第2の信号分別部19は画像データを含むデジタル信号を受信すると、内部に有する第2の変調復調回路によってアナログ信号に変換する。そして、このアナログ信号を表した電力は第2の信号分別部19から出力されて第2の信号重畳部25を介して電力取得部17により導電性レール9に伝達される。導電性レール9に伝達された電力はこのレール上を伝わって電力付加部16に伝わり、電力付加部16から第1の信号重畳部24に伝達される。第1の信号重畳部24に伝達された電力は、第1の信号分別部18に伝達され、第1の信号分別部18は、内部に有する第1の変調復調回路によって当該伝達された電力に含まれるアナログ信号をデジタル信号に変換する。そして、このデジタル信号は第1の信号分別部18から出力されてメイン制御部23に送信され、メイン制御部23はデジタル信号を受信する。メイン制御部23は、デジタル信号に含まれる画像データをメモリ29に順次格納していき、この格納処理と平行して画像データをI/F部39を介して、このI/F部39に接続された外部機器に順次転送していく。このとき、導電性レール9はそのレールの全てが導電性部材で構成され、電力取得部17は導電性レール9上を摺動しているため、キャリッジ8が画像の読取動作によって導電性レール9上を平行移動して電力取得部17がどの位置にあったとしても、アナログ信号を表した電力が伝わり、画像データがメイン制御部23に送信される。
次に画像読取装置1は、画像の読取動作が完了したか否かを判定する処理を行う(STEP7)。画像読取装置1は、キャリッジ8が原稿台の読取動作終了位置まで画像の読取動作を行い、メイン制御部23に対して、読取動作が完了した旨の情報を含むデジタル信号を送信する。メイン制御部23が画像データを順次受信していき最後に完了した旨の情報を含むデジタル信号を受信した場合には、画像の読取動作が完了したと判定する。完了した旨の情報を含むデジタル信号を受信しない場合には、継続して画像の読取動作を行う。
次に画像読取装置1は、キャリッジ8をホームポジションに戻す処理を行う(STEP8)。この場合メイン制御部23は、例えば予めメモリ29に格納された各種の信号データの参照等を行って、キャリッジ8に対してホームポジションに戻る旨を指示する信号を生成し、上述のように読取制御部3に送信する。読取制御部3はモータ10の駆動力によりキャリッジ8を平行移動させ、原稿台の読取動作開始位置の待機場所に戻す処理を行う。そして、キャリッジ8をホームポジションに戻した後、電源がOFFとなるまで、ユーザによる読取開始ボタンの押下待ちとなる。
このように、画像読取装置1は、電源が投入されると、電源部22から画像読取装置1の各部に電力が供給される。キャリッジ8に電力を供給するルートとして第1の信号重畳部24を介して電力付加部16に電力が伝わり、導電性レール9に付加される。さらに、キャリッジ8の電力取得部17に伝わり、このとき、導電性レール9はそのレールの全てが導電性部材で構成されているため、キャリッジ8が画像の読取動作によって導電性レール9上を平行移動して電力取得部17がどの位置にあったとしても電力が伝わる。そして、キャリッジ8内の各部に供給される。
また、画像の読取動作の際には、生成された画像データが、センサ部20から読取制御部3に順次送信されていき、第2の変調復調回路によってアナログ信号に変換される。そして、このアナログ信号を表した電力が第2の信号重畳部25を介して電力取得部17により導電性レール9に伝達され、このレール上を伝わって電力付加部16に伝わり、第1の変調復調回路によってデジタル信号に変換される。そして、このデジタル信号を受信したメイン制御部23はデジタル信号に含まれる画像データをメモリ29に順次格納する。このとき、導電性レール9はそのレールの全てが導電性部材で構成され、電力取得部17は導電性レール9上を摺動しているため、キャリッジ8が画像の読取動作によって導電性レール9上を平行移動して電力取得部17がどの位置にあったとしても、アナログ信号を表した電力が伝わり、画像データがメイン制御部23に送信される。
このため、従来の画像読取装置におけるキャリッジおよびメイン基板間を接続するフレキシブルケーブル等のように、キャリッジが画像読取動作を行うことにより、フレキシブルケーブルに傷やひびが生じること等のトラブルが発生することが無く、優れた耐久性を実現して画像の読取動作を行うキャリッジ8が導電性レール9上のどの位置でも電源部22からの電力をキャリッジ8に対して供給することが可能である。さらにフレキシブルケーブルが可動し、撓むためのスペースを設ける必要が無いため小型化を実現できる。
また、優れた耐久性を実現して画像の読取動作を行うキャリッジ8が導電性レール9上のどの位置でもメイン制御部23および読取制御部3間の画像読取開始を指示する信号や画像データの送受信を行うことが可能である。
(第2の実施の形態)
続いて、本発明を実施するための最良の形態の第2の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図6、図7は、本実施の形態における画像読取装置1の構成を示す説明図である。本実施の形態における画像読取装置1は、画像読取装置1全体の制御を行うメイン基板15が備えている第1の信号分別部18が入力されたデジタル信号又はシリアル信号を変換してシリアル信号又はデジタル信号として出力する機能を有するようになっており、キャリッジ8が備えている第2の信号分別部19が入力されたデジタル信号又はシリアル信号を変換してシリアル信号又はデジタル信号として出力する機能を有するようになっている。
また、キャリッジ8は、キャリッジ8の外部下方に突出して取り付けられ後述する第1の導電性レール9に付加された電力を第2の信号重畳部25に導電する第1の電力取得部17に加えて、同様の機能を有して取り付けられ、後述する第2の導電性レール40に付加された電力を第2の信号重畳部25に導電する第2の電力取得部42を備えている。
第1の実施の形態における導電性レール9は、第1の導電性レール9および第2の導電性レール40に置き換えられており、第1の導電性レール9はメイン基板15内の第1の信号重畳部24に接続され、第1の導電性レール9に電力を付加する第1の電力付加部16を備える。さらに第2の導電性レール40も同様にメイン基板15内の第1の信号重畳部24に接続されこの第2の導電性レール40に電力を付加する第2の電力付加部41を備えている。その他の構成は、第1の実施の形態における画像読取装置1と同様であり説明を省略する。
続いて、画像読取装置1が以上のような構成を有することにより生じる作用効果について詳細に説明する。まず、画像読取装置1のキャリッジ8への電力の供給について説明する。画像読取装置1の電力が投入されると、画像読取装置1が設置された室内のコンセント等や商用電源から電源部22に電力が供給される。電源部22はこの電力のAC−DC変換を行い、DC電力を得る。そして、このDC電力を画像読取装置1の各部、即ち、キャリッジ8、モータ10、第1の信号分別部18、操作部21、メイン制御部23、第1の信号重畳部24、メモリ29、I/F部39に供給する。キャリッジ8に電力を供給するルートは以下のようになる。
電源部22から第1の信号重畳部24に電力が供給されると、第1の信号重畳部24を介して第1の電力付加部16および第2の電力付加部41に電力が伝わり、第1の電力付加部16および第2の電力付加部41からこの電力が第1の導電性レール9および第2の導電性レール40に、電圧が変化して付加される。第1の導電性レール9に付加された電力は、キャリッジ8の第1の電力取得部17および第2の電力取得部42に伝わり、このとき、第1の導電性レール9および第2の導電性レール40はそのレールの全てが導電性部材で構成され、第1の電力取得部17および第2の電力取得部42は第1の導電性レール9および第2の導電性レール40上を摺動しているため、キャリッジ8が画像の読取動作によって第1の導電性レール9および第2の導電性レール40上を平行移動して第1の電力取得部17および第2の電力取得部42がどの位置にあったとしても電力が伝わる。そして、第1の電力取得部17および第2の電力取得部42に伝わった電力は、第2の信号重畳部25に導電し、第2の信号重畳部内部に有するフィルタによって整流されて交流成分がカットされ、その後、DC−DCコンバータ26で電圧変換されてキャリッジ8内の各部、即ち、読取制御部3、第2の信号分別部19、センサ部20、画像メモリ28に供給される。
続いて、画像の読取動作における画像読取装置1全体の処理について図8に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。画像読取装置1の電源が投入され上述のように各部に電力が供給されると、画像読取装置1の電源がON状態となる。そして、画像読取装置の各部へ電力が供給される(STEP1)。
次に画像読取装置1は、メイン制御部23が通信が可能であると判定した時は、イニシャル動作を行う(STEP2)。イニシャル動作を行う方法としては、まず、メイン制御部23が例えばメモリ29に格納されているデータに基づいて16ビット等の複数ビットからなるデジタル信号を生成し、このデジタル信号をパラレルに第1の信号分別部18に送信する。第1の信号分別部18はデジタル信号を受信すると、内部に有するP/S変換部によって当該受信したデジタル信号をシリアル信号に変換する。そして、このシリアル信号を表した電圧信号等を含む電力は、第1の信号分別部18から第1の信号重畳部24に伝達され、第1の信号重畳部24を介して第2の電力付加部41に伝達され、第2の電力付加部41によって第2の導電性レール40に付加される。第2の導電性レール40に付加された電力はこのレール上を伝わって第2の電力取得部42に伝達され、第2の電力取得部42から第2の信号重畳部25に伝達される。第2の信号重畳部25に伝達された電力は、第2の信号重畳部25から第2の信号分別部19に伝達される。当該電力を伝達された第2の信号分別部19は、内部に有するS/P変換部を用いて当該伝達された電力に含まれるアナログ信号をデジタル信号に変換する。そして、このデジタル信号は第2の信号分別部19から出力されて読取制御部3にパラレルに送信され、読取制御部3はデジタル信号を受信すると、この信号に従ってイニシャル動作を行う。イニシャル動作としては、センサ部20の画像の読取動作で生成される画像データの出力の補正を行い、例えば原稿台の上側を覆う白い板の蓋に対して、画像の読取動作を実行し、この読取動作で読み取った画像データと、予め画像メモリ28に格納された調整用の画像データとを比較し、当該比較結果に基づいてセンサ部20の出力レベルの調整等を行う動作がある。
次に画像読取装置1は、ユーザからの操作の待機状態として画像の読取動作開始の指示を待つ状態となる。具体的には、画像読取装置1は、ユーザによって読取開始ボタンの押下されるのを待つ(STEP3)。
次に画像読取装置1は、ユーザのスタートボタン押下操作に応じて画像の読取動作開始を指示する処理を行う(STEP4)。ユーザが操作部21を操作して画像の読取動作開始を指示するスタートボタンを押下すると、まずメイン制御部23は、読取動作開始信号として16ビット等の複数ビットからなるデジタル信号を生成する。ここで生成されるデジタル信号は、例えば予めメモリ29に格納された各種の信号データの参照等を行い、キャリッジ8に対して画像の読取動作の開始を指示する信号である。メイン制御部23において生成された読取動作開始信号は、パラレルに第1の信号分別部18に送信される。第1の信号分別部18は読取動作開始信号を受信すると、内部に有するP/S変換部によって当該デジタル信号をシリアル信号に変換する。そして、このシリアル信号を表した電圧信号等を含む電力は、第1の信号分別部18から第1の信号重畳部24に伝達され、第1の信号重畳部24を介して第2の電力付加部41に伝達され、第2の電力付加部41によって第2の導電性レール42に付加される。第2の導電性レール42に付加された電力は、第2の導電性レール42を伝わって第2の電力取得部42に伝達され、第2の電力取得部42から第2の信号重畳部25に伝達される。第2の信号重畳部25に伝達された電力は、第2の信号重畳部25から第2の信号分別部19に伝達される。当該電力を伝達された第2の信号分別部19は、内部に有するS/P変換部を用いて当該伝達された電力に含まれるシリアル信号をデジタル信号に変換する。そして、このデジタル信号は第2の信号分別部19から出力されて読取制御部3にパラレルに送信され、読取制御部3はデジタル信号を受信する。
次に画像読取装置1は、キャリッジ8を用いて画像の読取動作を開始する(STEP5)。キャリッジ8は、まずセンサ部20に画像の読取動作の開始信号を送信する。読取動作の開始信号を受信したセンサ部20は、画像の読取動作として、原稿台上にセットされた印刷媒体をランプ7により照明し、印刷媒体から反射した光が更にミラー6によってレンズ5がある方向に反射される。ミラー6から反射された光は、レンズ5によって撮像素子4に集められ、撮像素子4は、当該集められた光に基づいて画像データを生成する。このときキャリッジ8は、モータ10の駆動力により第1および第2の導電性レール9,40上を平行移動する為、センサ部20もキャリッジ8と共に平行移動することとなる。画像読取装置1においは、センサ部20が、平行移動する際もこの様な読取動作を行いながら、キャリッジ8が平行移動する動作に伴って、原稿台の一方の端部の読取動作開始位置からこの端部に対向するもう一方の端部の読取動作終了位置まで移動することで画像データが生成される。ここで生成された画像データは、センサ部20から読取制御部3に順次送信されていき、読取制御部3はこの画像データを含むデジタル信号をパラレルに第2の信号分別部19に送信する。第2の信号分別部19は画像データを含むデジタル信号を受信すると、内部に有する第2の変調復調回路によってシリアル信号に変換する。そして、このシリアル信号を表した電力は第2の信号分別部19から出力されて第2の信号重畳部25を介して電力取得部17により導電性レール9に伝達される。導電性レール9に伝達された電力はこのレール上を伝わって電力付加部16に伝わり、電力付加部16から第1の信号重畳部24に伝達される。第1の信号重畳部24に伝達された電力は、第1の信号分別部18に伝達され、第1の信号分別部18は、内部に有するS/P変換部によって当該伝達された電力に含まれるシリアル信号をデジタル信号に変換する。そして、このデジタル信号は第1の信号分別部18から出力されてメイン制御部23にパラレルに送信され、メイン制御部23はデジタル信号を受信する。メイン制御部23は、デジタル信号に含まれる画像データをメモリ29に順次格納していき、この格納処理と平行して画像データをI/F部39を介して、このI/F部39に接続された外部機器に順次転送していく。このとき、導電性レール9はそのレールの全てが導電性部材で構成され、第1の電力取得部17は導電性レール9上を摺動しているため、キャリッジ8が画像の読取動作によって導電性レール9上を平行移動して第1の電力取得部17がどの位置にあったとしても、シリアル信号を表した電力が伝わり、画像データがメイン制御部23に送信される。
次に画像読取装置1は、画像の読取動作が完了したか否かを判定する処理を行う(STEP6)。画像読取装置1は、キャリッジ8が原稿台の読取動作終了位置まで画像の読取動作を行い、メイン制御部23に対して、読取動作が完了した旨の情報を含むデジタル信号を送信する。メイン制御部23が画像データを順次受信していき最後に完了した旨の情報を含むデジタル信号を受信した場合には、画像の読取動作が完了したと判定する。完了した旨の情報を含むデジタル信号を受信しない場合には、継続して画像の読取動作を行う。
次に画像読取装置1は、キャリッジ8をホームポジションに戻す処理を行う(STEP7)。この場合メイン制御部23は、例えば予めメモリ29に格納された各種の信号データの参照等を行って、キャリッジ8に対してホームポジションに戻る旨を指示する信号を生成し、上述のように読取制御部3に送信する。読取制御部3はモータ10の駆動力によりキャリッジ8を平行移動させ、原稿台の読取動作開始位置の待機場所に戻す処理を行う。そして、キャリッジ8をホームポジションに戻した後、電源がOFFとなるまで、ユーザによる読取開始ボタンの押下待ちとなる。
このように、画像読取装置1は、電源が投入されると、電源部22から画像読取装置1の各部に電力が供給される。キャリッジ8に電力を供給するルートとして第1の信号重畳部24を介して第1および第2の電力付加部16、41に電力が伝わり、第1および第2の導電性レール9、40に付加される。さらに、キャリッジ8の第1および第2の電力取得部17、42に伝わり、このとき、第1および第2の導電性レール9、40はそのレールの全てが導電性部材で構成されているため、キャリッジ8が画像の読取動作によって第1および第2の導電性レール9、40上を平行移動して第1および第2の電力取得部17、42がどの位置にあったとしても電力が伝わる。そして、キャリッジ8内の各部に供給される。
また、画像の読取動作の際には、生成された画像データが、センサ部20から読取制御部3に順次送信されていき、P/S変換部によってシリアル信号に変換される。そして、このシリアル信号を表した電力が第2の信号重畳部25を介して第1の電力取得部17により第1の導電性レール9に伝達され、このレール上を伝わって第1の電力付加部16に伝わり、S/P変換部によってデジタル信号に変換される。そして、このデジタル信号をパラレルに受信したメイン制御部23はデジタル信号に含まれる画像データをメモリ29に順次格納する。このとき、第1の導電性レール9はそのレールの全てが導電性部材で構成されているため、キャリッジ8が画像の読取動作によって第1の導電性レール9上を平行移動して第1の電力取得部17がどの位置にあったとしても、シリアル信号を表した電力が伝わり、画像データがメイン制御部23に送信される。したがって、本実施の形態2では、画像読取部の画像読取動作によって損傷等を招くことなく優れた耐久性を実現して画像読取部と画像データに対して処理を行う制御部とを接続することが可能である。
本実施の形態2では、電力を第1及び第2の導電性レール9、40に供給し、第2の導電性レール40を介してメイン制御部23から読取制御部3に信号を送信し、第1の導電性レール9を介して読取制御部3からメイン制御部23に信号を送信するようにしたが、電力を第1の導電性レール9に供給し、第2の導電性レール40を介して読取制御部3とメイン制御部23との間で信号を送受信するようにしてもよい。すなわち、電力付加部16と電力取得部17は、第1の導電性レール9に接続され、第1の信号分別部18と第2の信号分別部19は、第2の導電性レール40に接続されていてもよい。これにより、キャリッジ8の画像読取動作によって損傷等を招くことなく優れた耐久性を実現する。
このため、従来の画像読取装置におけるキャリッジおよびメイン基板間を接続するフレキシブルケーブル等のように、キャリッジが画像読取動作を行うことにより、フレキシブルケーブルに傷やひびが生じること等のトラブルが発生することが無く、電源部22からの電力をキャリッジ8に対して供給することが可能である。
また、デジタル信号をアナログ信号ではなくシリアル信号に変換して送受信するため、メイン制御部23および読取制御部3間の画像読取開始を指示する信号や画像データの送受信を、第1の実施の形態と比較して高速に行うことが可能である。
(第3の実施の形態)
続いて、本発明を実施するための最良の形態の第3の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図9、図10は、本実施の形態における画像読取装置1の構成を示す説明図である。本実施の形態における画像読取装置1は、画像読取装置1全体の制御を行うメイン基板15が備えている第1の信号分別部18が入力されたデジタル信号又は光信号を変換して光信号又はデジタル信号として出力する機能を有するようになっており、キャリッジ8が備えている第2の信号分別部19が入力されたデジタル信号又は光信号を変換して光信号又はデジタル信号として出力する機能を有するようになっている。
第1の信号分別部18は、メイン制御部23からパラレルに送信され入力されたデジタル信号をシリアル信号に変換するP/S変換部と、P/S変換部が変換したシリアル信号を光信号に変換して出力する光送信変換部31と、外部から入力された光信号をシリアル信号に変換する光受信変換部30と、光受信変換部が変換したシリアル信号をデジタル信号に変換して出力するS/P変換部とを備えている。第2の信号分別部19は、読取制御部3からパラレルに送信され入力されたデジタル信号をシリアル信号に変換するP/S変換部と、P/S変換部が変換したシリアル信号を光信号に変換して出力する光送信変換部32と、外部から入力された光信号をシリアル信号に変換する光受信変換部33と、光受信変換部33が変換したシリアル信号をデジタル信号に変換して出力するS/P変換部とを備えている。
そして、光送信変換部31と光受信変換部33とは、光信号の送受信が可能な第1の光ケーブル35によって接続されており、光送信変換部32と光受信変換部30とは、光信号の送受信が可能な第2の光ケーブル34によって接続されている。その他の構成は、第1の実施の形態における画像読取装置1と同様であり説明を省略する。
続いて、画像読取装置1が以上のような構成を有することにより生じる作用効果について詳細に説明する。画像読取装置1のキャリッジ8への電力の供給については第1の実施の形態と同様であるため、画像の読取動作における画像読取装置1全体の処理について図8に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。画像読取装置1の電源が投入され上述のように各部に電力が供給されると、画像読取装置1の電源がON状態となる(STEP1)。
次に画像読取装置1は、メイン制御部23が通信が可能か否かを判定する処理を行う(STEP1)。画像読取装置1は、メイン制御部23が通信可能な状態にあると判定した時は、イニシャル動作を行う(STEP2)。イニシャル動作を行う方法としては、まず、メイン制御部23が例えばメモリ29に格納されているデータに基づいて16ビット等の複数ビットからなるデジタル信号を生成し、このデジタル信号をパラレルに第1の信号分別部18に送信する。第1の信号分別部18はデジタル信号を受信すると、内部に有する第1の変調復調回路によって当該受信したデジタル信号をシリアル信号に変換し、更に、このシリアル信号を光送信変換部31を用いて光信号に変換する。この光信号は光送信変換部31から第1の光ケーブル35に送信され、第1の光ケーブル35を介して第2の信号分別部19内の光受信変換部33送信される。光信号を送信された光受信変換部33は、送信された光信号をシリアル信号に変換する。光受信変換部33において変換されたシリアル信号は、更に、第2の信号分別部19内部のS/P変換部によってがデジタル信号に変換される。そして、このデジタル信号は第2の信号分別部19から出力されて読取制御部3にパラレルに送信される。読取制御部3はデジタル信号を受信すると、この信号に従ってイニシャル動作を行う。イニシャル動作としては、センサ部20の画像の読取動作で生成される画像データの出力の補正を行い、例えば原稿台の上側を覆う白い板の蓋に対して、画像の読取動作を実行し、この読取動作で読み取った画像データと、予め画像メモリ28に格納された調整用の画像データとを比較し、当該比較結果に基づいてセンサ部20の出力レベルの調整等を行う動作がある。
次に画像読取装置1は、ユーザからの操作の待機状態として画像の読取動作開始の指示を待つ状態となる。具体的には、画像読取装置1は、ユーザによって読取開始ボタンの押下されるのを待つ(STEP3)。
次に画像読取装置1は、ユーザのスタートボタンの押下操作に応じて各部材に対して画像の読取動作開始を指示する処理を行う(STEP4)。ユーザが操作部21を操作して画像の読取動作開始を指示するスタートボタンを押下すると、ユーザが操作部21を操作して画像の読取動作開始を指示するスタートボタンを押下すると、まずメイン制御部23は、読取動作開始信号として16ビット等の複数ビットからなるデジタル信号を生成する。ここで生成されるデジタル信号は、例えば予めメモリ29に格納された各種の信号データの参照等を行い、キャリッジ8に対して画像の読取動作の開始を指示する信号である。メイン制御部23において生成された読取動作開始信号は、パラレルに第1の信号分別部18に送信される。第1の信号分別部18は読取動作開始信号を受信すると、内部に有するP/S変換部によって当該デジタル信号をシリアル信号に変換する。この光信号は光送信変換部31から出力されて第1の光ケーブル35を伝わって第2の信号分別部19内の光受信変換部33に送信される。光信号を受信した光受信変換部33は、送信された光信号をシリアル信号に変換する。更に、このシリアル信号は、第2の信号分別部19内部のS/P変換部によって読取動作開始信号に変換される。そして、この読取動作開始信号は第2の信号分別部19から出力されて読取制御部3にパラレルに送信され、読取制御部3は読取動作開始信号を受信する。
次に画像読取装置1は、キャリッジ8を用いて画像の読取動作を開始する(STEP5)。キャリッジ8は、まずセンサ部20に画像の読取動作の開始信号を送信する。読取動作の開始信号を受信したセンサ部20は、画像の読取動作として、原稿台上にセットされた印刷媒体をランプ7により照明し、印刷媒体から反射した光が更にミラー6によってレンズ5がある方向に反射される。ミラー6から反射された光は、レンズ5によって撮像素子4に集められ、撮像素子4は、当該集められた光に基づいて画像データを生成する。このときキャリッジ8は、モータ10の駆動力により導電性レール9,40上を平行移動する為、センサ部20もキャリッジ8と共に平行移動することとなる。画像読取装置1においは、センサ部20が、平行移動する際もこの様な読取動作を行いながら、キャリッジ8が平行移動する動作に伴って、原稿台の一方の端部の読取動作開始位置からこの端部に対向するもう一方の端部の読取動作終了位置まで移動することで画像データが生成される。ここで生成された画像データは、センサ部20から読取制御部3に順次送信されていき、読取制御部3はこの画像データを含むデジタル信号をパラレルに第2の信号分別部19に送信する。第2の信号分別部19は画像データを含むデジタル信号を受信すると、内部に有するP/S変換部によってシリアル信号に変換され、更に、このシリアル信号は光送信変換部32によって光信号に変換される。光送信変換部32において変換された光信号は光送信変換部32から出力されて第2の光ケーブル34を伝わって第1の信号分別部18内の光受信変換部30に送信される。光信号を受信した光受信変換部30は送信された光信号をシリアル信号に変換する。更に、このシリアル信号は、第1の信号分別部18内部のS/P変換部によってデジタル信号に変換される。そして、このデジタル信号は第1の信号分別部18から出力されてメイン制御部23にパラレルに送信され、メイン制御部23はデジタル信号を受信する。メイン制御部23は、デジタル信号に含まれる画像データをメモリ29に順次格納していき、この格納処理と平行して画像データをI/F部39を介して、このI/F部39に接続された外部機器に順次転送していく。このとき、画像データを含むデジタル信号は、光信号に変換されて第2の光ケーブル34を伝わるため、デジタル信号よりも高速で送信される。
次に画像読取装置1は、画像の読取動作が完了したか否かを判定する処理を行う(STEP6)。画像読取装置1は、キャリッジ8が原稿台の読取動作終了位置まで画像の読取動作を行い、メイン制御部23に対して、読取動作が完了した旨の情報を含むデジタル信号を送信する。メイン制御部23が画像データを順次受信していき最後に完了した旨の情報を含むデジタル信号を受信した場合には、画像の読取動作が完了したと判定する。完了した旨の情報を含むデジタル信号を受信しない場合には、継続して画像の読取動作を行う。
次に画像読取装置1は、キャリッジ8をホームポジションに戻す処理を行う(STEP7)。メイン制御部23が、例えば予めメモリ29に格納された各種の信号データの参照等を行って、キャリッジ8に対してホームポジションに戻る旨を指示する信号を生成し、上述のように読取制御部3に送信する。読取制御部3はモータ10の駆動力によりキャリッジ8を平行移動させ、原稿台の読取動作開始位置の待機場所に戻す処理を行う。
このように、画像の読取動作の際には、生成された画像データが、センサ部20から読取制御部3に順次送信されていき、P/S変換部によってシリアル信号に変換され、光送信変換部32により光信号に変換される。そして、この光信号が第2の光ケーブル34を伝わり、第1の信号分別部18内の光受信変換部30に送信されシリアル信号に変換され、S/P変換部によってデジタル信号に変換される。そして、このデジタル信号をパラレルに受信したメイン制御部23はデジタル信号に含まれる画像データをメモリ29に順次格納する。このとき、画像データを含むデジタル信号は、光信号に変換されて第2の光ケーブル34を伝わるため、デジタル信号よりも高速で送信される。
このため、従来の画像読取装置におけるキャリッジおよびメイン基板間を接続するフレキシブルケーブル等のように、キャリッジが画像読取動作を行うことにより、フレキシブルケーブルに傷やひびが生じること等のトラブルが発生することが無く、デジタル信号を光信号に変換して送受信するため、優れた耐久性を実現して画像の読取動作を行うキャリッジ8が導電性レール9上のどの位置でもメイン制御部23および読取制御部3間の画像読取開始を指示する信号や画像データの送受信を、第1の実施の形態と比較して高速に行うことが可能である。また、メイン基板15およびキャリッジ8間の信号の送受信における不要輻射ノイズの発生を抑制することが可能である。
(第4の実施の形態)
続いて、本発明を実施するための最良の形態の第4の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。図11、図12は、本実施の形態における画像読取装置1の構成を示す説明図である。本実施の形態における画像読取装置1は、メイン基板15が備えている第1の信号分別部18が電源部22から供給された電力を得て充電する充電回路43に置き換えられ、キャリッジ8が備えている第2の信号分別部19および信号取得部17が後述する受電部38から伝達された電力を蓄電する蓄電部36に置き換えられている。
そして、導電性レール9が充電回路43に接続された電力供給部37と蓄電部36に接続された受電部38とに置き換えられる。これら電力供給部37と受電部38とは、電力供給部37が所定の位置に固定され、キャリッジ8の原稿台の一方の端部の読取動作開始位置または予め定められた位置にあるときに、キャリッジ8に取り付けられキャリッジ8と共に平行移動する受電部38が電力供給部37に接触または結合する。電力供給部37と受電部38とが接触または結合すると、電力供給部37から受電部38に電力が供給されるようになっている。電力供給部37および受電部38の接触部分の形状は例えば、互いに嵌め合いが可能な形状となっており電力を供給することが可能な接触面積が確保されているようになっていても良い。その他の構成は、第3の実施の形態における画像読取装置1と同様であり説明を省略する。
続いて、画像読取装置1が以上のような構成を有することにより生じる作用効果について詳細に説明する。第4の実施の形態においては、画像読取装置1のキャリッジ8への電力の供給のみが第3の実施の形態と異なっているため、この電力の供給のみについて説明する。画像読取装置1の電力が投入されると、画像読取装置1が設置された室内のコンセント等や商用電源から電源部22に電力が供給される。電源部22はこの電力のAC−DC変換を行い、DC電力を得る。そして、このDC電力を画像読取装置1の各部、即ち、キャリッジ8、モータ10、第1の信号分別部18、操作部21、メイン制御部23、第1の信号重畳部24、メモリ29、I/F部39に供給する。キャリッジ8に電力を供給するルートは以下のようになる。
電源部22から充電回路43に電力が供給される。このとき、キャリッジ8が原稿台の一方の端部の読取動作開始位置または予め定められた位置に移動され、電力供給部37と受電部38とが接触または結合する。すると、充電回路43に供給されていた電力が受電部38に供給され、受電部38から伝達されて蓄電部36に供給され充電が行われる。蓄電部38は電力が供給されるとこれを得てキャリッジ8を動作させるための電力として用いるために蓄電を行う。この蓄電はキャリッジ8が読取動作開始位置または予め定められた位置にあるときには、この充電回路43から蓄電部38までの電力の供給が常時行われ、キャリッジ8を作動させるための十分な電力が確保されると、DC−DCコンバータ26に伝達され電圧変換されてキャリッジ8内の各部、即ち、読取制御部3、第2の信号分別部19、センサ部20、画像メモリ28に供給される。
このように、画像読取装置1は、電源が投入されると、電源部22から画像読取装置1の各部に電力が供給される。キャリッジ8に電力を供給するルートとして充電回路43に電力が供給され充電が行われる。キャリッジ8が読取動作開始位置または予め定められた位置にあり電力供給部37と受電部38とが接触または結合していると、充電回路43から電力が電力供給部37、受電部38を介して蓄電部36に供給される。蓄電部36は電力が供給されると蓄電を行い、キャリッジ8を作動させるための十分な電力が確保されると、キャリッジ8内の各部に供給される。
このため、従来の画像読取装置におけるキャリッジおよびメイン基板間を接続するフレキシブルケーブル等のように、キャリッジが画像読取動作を行うことにより、フレキシブルケーブルに傷やひびが生じること等のトラブルが発生することが無く、優れた耐久性を実現して画像の読取動作を行うキャリッジ8が読取動作開始位置または予め定められた位置にある際に電源部22からの電力の供給を行って、キャリッジ8を動作させることが可能である。また、電力取得部17等が導電性レール9上を摺動することがないため、この摺動する際の不要輻射ノイズの発生を効果的に抑制することが可能である。
上述の実施の形態において、蓄電部36が内部に蓄電した電力の内部電圧を検出する電圧検出手段と信号出力手段を備え、電圧検出手段がキャリッジ8を動作させるためには電力が不足していることを示す電圧を検出した場合には、信号出力手段が読取制御部3を介してメイン制御部23に対してキャリッジ8を読取動作開始位置または予め定められた位置に戻す旨の信号を送信し、メイン制御部23は、その信号を受けて、モータ10の駆動させて移動部であるベルト13及びベルト取付部14を移動することで、画像読取部を移動させてもよい。これにより、電力の不足に基づいて、画像読取部が移動し、受電部38と電力供給部37とが接触又は結合し、電力供給部37から受電部38に電力が供給される。
また、蓄電部36としては、例えば所定の数値の電圧を確保することが可能な高容量コンデンサや、2次電池を用いても良い。これにより、受電部38が受電した電力を蓄電部36が確実に蓄電することが可能である。
上述の実施の形態の画像読取装置における本発明の構成は、動作中に内部に設けられた構成がレールに沿って直線移動や平行移動等の移動を行う内部構成を有する装置において利用することが可能である。
上述の実施の形態において、第1および第2の電力取得部17、42は、キャリッジ8から外部下方に突出して取り付けられていたが、これに限られずキャリッジ8の下部に取り付けられ第1および第2の導電性レール9、40上を転動して進む車輪形状に導電性部材を成形したものであっても良い。
上述の実施の形態において、光送信変換部31、32から送信され光受信変換部30、33により受信される光信号は、第1または第2の光ケーブル35、34を伝わることとなっているが、これに限られず、光送信変換部31、32から光信号として光が発光されこれらの光送信変換部31、32と所定の間隔をおいて対向する位置に設置された光受信変換部30、33により発行された光を受光して光信号を受信する光無線による光信号の送受信を行うようにしても良い。例えば、赤外線通信であってもよい。また、音波を使用した音響通信でもよい。
第1および第2の導電性レール9、40には、第1および第2の電力取得部17、42がそれらの上を摺動しても摩耗等による損傷を防ぐために導電性の潤滑油や潤滑剤が塗布されていても良い。