JP2007087804A - 表面処理方法および装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】大気圧近傍条件下で基材表面を撥液化処理する表面処理方法において、処理ガス中の化合物ガス比率を非常に多くしないと十分な撥液効果が得られず、安価な希釈ガスを用いたとしてもランニングコストの削減が難しい。
【解決手段】互いに対向する一対の電極間に電界を形成し、前記電界が形成される空間に流れる処理ガスをプラズマ化する工程と、該プラズマにより被処理基材表面を撥液化する表面処理工程とを含み、前記表面処理工程が第1および第2段階の表面処理から構成され、各段階の表面処理に用いられる処理ガスが互いに異なるガス種あるいはガス組成よりなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマを用いて基材表面に撥液性を発現させるプラズマ表面処理方法に関し、さらに詳しくは、半導体素子や液晶表示素子などの各種デバイスの製造工程におけるプラズマを利用した表面処理方法および装置に関する。
従来から、低圧条件下でグロー放電プラズマを発生させて、表面改質を行う表面処理方法が開示/実用化されている。これらの低圧条件下におけるプラズマ処理は、目的とする処理に応じた処理ガスに対して高電界を印加することにより、処理ガスをプラズマ状態にし、該プラズマ中に発生した活性種を用いて表面エネルギーを制御することにより基材表面を改質する表面処理方法である。しかし、該プラズマを発生させる圧力が低圧であるため前記活性種の密度が小さく処理速度が遅く、装置自体のスループットが低くなってしまうという課題があった。また、低圧環境を実現するための真空チャンバー、真空排気装置等が必須となること、それに伴い被処理基材を処理空間へと移送する手段が複雑化することなどにより、装置自体の価格も高価なものとなるため、結果として製品コスト上昇の一因となっていた。この問題点を解決する方法として、近年、大気圧近傍の圧力下でプラズマを発生させるプラズマ処理方法および装置が提案されてきており、比較的簡易な装置において均一性の高い処理が可能であることから、LCD、PDP、ELなどのフラットパネルディスプレイ分野への展開が試みられている。
このような大気圧近傍の圧力下でのプラズマ表面処理により被処理基材表面を撥液化するプラズマ処理方法の一例として、従来から知られているプラズマ処理方法および装置について以下に簡単に説明する(例えば、特許文献1参照)。
図3は、従来のグロー放電プラズマ処理装置の一例である。このプラズマ処理装置では、直流電源111が接続された下部電極115上に固体誘電体116が設置されており、前記固体誘電体116と高電圧パルス電源(交流電源)110が接続された上部電極114の間の空間にグロー放電プラズマが発生する。全体を囲う容器112は、前記電極以外にガス導入口118および希釈ガス導入口119、ガス排出口120、121を備えており、処理ガスはガス導入口118から、希釈用ガスはガス導入口119より、それぞれ放電プラズマ発生空間113に供給される。また、当該特許文献1における表面処理方法は、一対の対向電極114,115を有し、当該電極の対向面の少なくとも一方に固体誘電体116が設置されている装置において、上記電極の一方に固体誘電体を設置した場合は固体誘電体と電極の間の空間、上記電極の双方に固体誘電体を設置した場合は固体誘電体同士の空間に被処理基材を設置し、当該空間中に発生する放電プラズマにより被処理基材表面を処理するものである。
さらに、上記表面処理においては、放電プラズマ発生空間113に存在する気体(以下、処理ガスと記述する。)を選択することにより任意の表面処理が可能であり、例えば上記処理ガスとしてフッ素含有化合物ガスを用いることにより、被処理基材表面にフッ素含有基を形成させて表面エネルギーを低くし、撥液性表面が得られる。
また、この従来の装置では、上記フッ素元素含有化合物として、安全上の観点からは、有害ガスであるフッ化水素を生成しない4フッ化炭素(CF4)、6フッ化プロピレン(CF3CFCF2)、8フッ化シクロブタン(C48)を用いることが好ましく、さらに経済性の観点からは、上記処理ガス単独雰囲気よりも、ヘリウム、アルゴン等の希ガス、窒素気体等の希釈ガスによって希釈された雰囲気中で処理を行うことが好ましいとされている。
特開平10−154598号公報
しかしながら、このような従来のプラズマ処理方法では、フッ素含有化合物ガスをある程度多く使用しないと十分な撥液効果が得られず、更なるランニングコストの削減が難しいという課題があった。さらに、フッ素含有化合物ガスを使用した場合には、近年の地球温暖化防止の観点から、使用量に係わらず処理済みガスを分解/除害処理する必要がある。したがって、フッ素含有化合物ガスを多く使用すればする程、分解/除害処理設備の負担が増大し、設備コストの増大を招いてしまう。
本発明は上記問題に鑑み、大気圧下でプラズマを生成し被処理基材を撥液化する表面処理方法において、ランニングコストや設備コストを低減できる表面処理方法と装置を提供するものである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討/研究を行った結果、大気圧近傍条件下で安定した放電状態を実現できるプラズマ処理装置において、従来は1段階で実施されていたプラズマ表面処理を2段階に分割処理することにより、ランニングコストや設備コストを低減し、環境への悪影響をも緩和できる表面処理方法を見出し、本発明を完成させた。すなわち、プラズマ表面処理を2段階に分割処理することにより、処理ガス中のフッ素含有化合物ガスの必要使用量を低減し、処理ガスにかかるランニングコスト、また処理済みガスの分解/除害設備にかかる設備コストを低減することが可能となる。
つまり、本発明は、互いに対向する一対の電極間に電界を形成し、前記電界が形成される空間に流れる処理ガスをプラズマ化する工程と、該プラズマにより被処理基材表面を撥液化する表面処理工程とを含み、前記表面処理工程が第1および第2段階の表面処理から構成され、各段階の表面処理に用いられる処理ガスが互いに異なるガス種あるいはガス組成よりなることを特徴とする表面処理方法を提供するものである。
前記表面処理工程が、大気圧近傍の圧力の下で行われてもよい。
第1段階の表面処理に用いられる処理ガスがヘリウムガスと窒素ガスからなり、第2段階の表面処理に用いられる処理ガスがヘリウムガスとフッ素含有化合物ガスからなってもよい。
第1段階の表面処理に用いられる処理ガスが窒素ガスを5体積%以上含み、第2段階の表面処理に用いられる処理ガスがフッ素含有化合物ガスを1体積%以上含んでもよい。
第1段階の表面処理は、被処理基材表面が直接プラズマに晒されるダイレクト方式により行われ、第2段階の表面処理は、被処理基材表面が直接プラズマに晒されないリモート方式により行われてもよい。
さらに、この発明は、別の観点から第1と第2の表面処理部を備え、各表面処理部は、互いに対向する一対の電極間に電界を形成し、前記電界が形成される空間に流れる処理ガスをプラズマ化し、該プラズマにより被処理基材表面を撥液化する表面処理部からなり、前記各表面処理部に導入される処理ガスが互いに異なるガス種あるいはガス組成よりなることを特徴とする表面処理装置を提供するものである。
前記各表面処理部は、大気圧近傍の圧力の下で被処理基材表面を撥液化してもよい。
第1の表面処理部に用いられる処理ガスがヘリウムガスと窒素ガスからなり、第2の表面処理部に用いられる処理ガスがヘリウムガスとフッ素含有化合物ガスからなってもよい。
第1の表面処理部は、被処理基材表面が直接プラズマに晒されるダイレクト方式を採用し、第2の表面処理部は、被処理基材表面が直接プラズマに晒されないリモート方式を採用してもよい。
本発明の表面処理方法および装置によれば、処理ガス中に含まれる化合物ガスの必要使用量を低減することができるため、撥液化処理にかかるランニングコスト、また処理済みガスの分解/除害設備にかかる設備コストを低減することが可能となり、半導体素子、液晶表示素子などの各種デバイス製造工程の低コスト化に寄与することができる。
以下、本発明にかかる表面処理方法について詳細に説明するが、まず表面処理装置の構造、および表面処理方法の基本処理手順について説明した後、具体的な実施例について説明することとする。なお、本発明は本実施例の説明に用いた電極構造以外の電極構造を有するプラズマ処理装置においても有効であり、本実施例に用いた表面処理装置のみに限定されるものではない。
まず、本発明にかかる表面処理方法を実現する表面処理装置の構造について説明する。図1は、本発明の表面処理方法に用いることができる大気圧プラズマ装置の一例であり、装置全体を基材の流れる川幅方向に垂直な面で切った時の側面断面図である。ここで、図1における第1の電極ユニット(A)と第2の電極ユニット(B)は同構成のユニットであり、2段階連続プラズマ処理をするために並列に配置されている。また、図2は前記電極ユニットの要部拡大図である。
図1に示す大気圧プラズマ装置において、上部電極ユニット3と下部電極ユニット4は所定の間隔をあけて互いに対向させて配置されており、上部電極ユニット3には高周波電源51が電力伝送路61,62により接続され、また、下部電極ユニット4には高周波電源51とは周波数が同じで位相の異なる高周波電源52が電力伝送路63,64により接続されている。上部電極ユニット3と下部電極ユニット4との間には、被処理基材31が設置され、基材搬送用ローラ24により基材31が所定の方向に所定の速度で搬送されるようになっている。また、2つの電極ユニット3、4および表面処理される被処理基材31は、上部チャンバ1、下部チャンバ2および上部電極カバー32によって囲まれる空間の内部にあり、上部チャンバ1と下部チャンバ2との間には、被処理基材31が通過可能な基材搬出入口36が基材進行方向の前後に設けられている。上部電極カバー3および下部チャンバ2には、ガス供給口21が設けられており、処理に必要な処理ガスが当該ガス供給口21から供給される。また、下部チャンバ2には、ガス排気口22が設けられており、ガス溜り23にあるガスを排出できる構造となっている。
図2において、上部電極ユニット3は、電圧印加側電極5、グランド側電極6、電圧印加側誘電体7およびグランド側誘電体8を含み、グランド側電極6は電力伝送路62により高周波電源51に接続され、電圧印加側電極5は、電力伝送路61により高周波電源51に接続されている。電圧印加側電極5は電圧印加側誘電体7により囲まれ、また、グランド側電極6の一部にはグランド側誘電体8が設けられており、これらの誘電体間には処理ガスが通過可能な間隔10が設けられ、当該間隔10において予備放電を行うことができる。また、電圧印加側電極5と上部電極カバー3との間には、ガス溜り9が設けられており、ガス供給口21から供給された処理ガスは、ガス溜り9に一旦溜められた後、ガス流路11を通ってガス噴出口12から間隔10を通過してプラズマ処理空間25に供給される。同様に、下部電極ユニット4は、電圧印加側電極13、グランド側電極14、電圧印加側誘電体15およびグランド側誘電体16を含み、電圧印加側電極13は電力伝送路63により高周波電源52に接続され、グランド側電極14は電力伝送路64により高周波電源52に接続されている。電圧印加側電極13は電圧印加側誘電体15により囲まれ、また、グランド側電極14の一部にはグランド側誘電体16が設けられており、これらの誘電体間には処理ガスが通過可能な間隔17が設けられ、当該間隔17において予備放電を行うことができる。また、電圧印加側電極13と下部チャンバ2との間には、ガス溜9が設けられ、ガス供給口21から供給された処理ガスは、ガス溜9に一旦溜められた後、ガス流路18を通ってガス噴出口19から間隔17を通過してプラズマ処理空間25に供給される。なお、電圧印加側電極5,13およびグランド側電極6,14には、冷却水流路20(図2中のメッシュパターン)がそれぞれ設けられており、矢印は処理ガス等の気体の流れ方向を示している。
次に、表面処理を行う際の手順/動作について、図1および図2を用いて説明する。
まず、マスフローメータ等により所定ガス種を所定比率で混合した処理ガスを、ガス供給口21より供給する。供給された処理ガスは、ガス溜り9で一旦紙面に対して垂直な方向に広がり、ガス溜り9より十分小さい断面積を持つスリット状またはシャワー状のガス流路11,18を通過して、ガス噴出口12,19から間隔10,17を経て被処理基材31に向けて噴き出される。一方、高周波電源51から出力された高周波電力は電力伝送路61を経由して電極5に、また高周波電源51と周波数は同じで位相の異なる高周波電源52から出力された高周波電力は電力伝送路63を経由して電極13にそれぞれ与えられる。これにより、電極5と電極13との間で電界が形成される。この電界により、間隔10,17より基材31に向けて噴出した処理ガスは、プラズマ処理空間25において、大気圧下でプラズマ化される。なお、本実施例における大気圧とは0.1気圧以上、2気圧以下の圧力範囲のことである。プラズマ処理空間25でプラズマ化された処理ガスと被処理基材31が接触/反応することにより、被処理基材31の表面に所望の表面処理がなされ、表面処理反応後の処理ガス(使用済みガス)はガス溜り23に一旦溜まったのち、排気口22を通って排気ポンプ等により除害装置へと導かれ、分解/除害されてから処理系外へ排出される。 被処理基材31に、さらに続けて第2段階の表面処理を実施する場合には、隣接する第2の電極ユニット(B)内を連続して搬送することにより、同様に第2段階の表面処理を実施する。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明の効果は本実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜3、比較例1〜5)
本実施例では、処理ガスとして4フッ化炭素/ヘリウム/窒素の混合ガスを用い、表1の実施例1〜3に示すようなガス種、ガス組成の条件で第1段階、および第2段階の表面処理を連続して行い、その撥液性を評価した。また、従来の比較例として、表1の比較例1〜5の条件で1段階だけの表面処理を行い、実施例と同様に撥液性を評価した。
なお、実施例および比較例における共通条件として、プラズマ処理空間25の間隔は、被処理基材31−上部電極ユニット3間2.3mm、被処理基材31−下部電極ユニット4間1mmとし、電力としては周波数20kHz、電極5−6間および電極13−14間にそれぞれ±9kVを付与した。また、被処理基材31には、カーボンブラック(以下、CB)を含有した有機膜が表面に形成された厚さ0.7mmのガラス基板を用い、該基板を1000mm/minの速度で搬送し、表面処理を行った。なお、処理ガスの総量は全実施例および比較例共通で、基材の川幅1cm当たり250ml/min.とした。
また、撥液性の評価には微小領域接触角計を用い、滴下液としてはエーテル系溶剤を用いて接触角を評価した。測定条件としては、先端直径が30μmのキャピラリー(毛細管)を用いて前記溶剤を処理後の被処理基材表面に滴下/評価し、測定点3点の平均を該当試料の接触角とした。
表1に各実施例および比較例の処理ガス条件と接触角の測定結果を示す。なお、処理前の被処理基材31表面の接触角は何れも10°以下であった。また、撥液性については、便宜上、接触角50°以上を撥液性の目安として、それ以上の場合を撥液性判定“○”、それ以下の場合を撥液性判定“×”として評価した。
Figure 2007087804
従来の1段階だけの表面処理の結果についてみると、比較例1と4、あるいは比較例2と5の結果比較より、十分な撥液性表面を得るには処理ガス中の4フッ化炭素比率が5体積%以上必要であることがわかる。また、比較例2と3の結果比較より、4フッ化炭素/ヘリウムのみからなる処理ガスでは十分な撥液性が得られず、窒素が単なる希釈ガスとしての働きだけでなく、撥液性発現に対して重要な役割を果たしていることが明らかとなった。したがって、従来の1段階だけの表面処理による撥液化処理の場合、十分な撥液性を得るには、4フッ化炭素/ヘリウム/窒素を全て含み、かつ4フッ化炭素比率が5体積%以上、窒素比率が5体積%以上の処理ガスが必要であることがわかる。
これに対し、本発明に係る2段階表面処理を行った結果についてみると、実施例1、2に見られるように、ヘリウム/窒素のみからなる処理ガスを用いた第1段階の表面処理を行ったあと、引き続いてヘリウム/4フッ化炭素のみからなる処理ガスを用いた第2段階の表面処理を行った場合、第2段階の表面処理に用いる処理ガス中の4フッ化炭素比率を1体積%まで低減しても十分な撥液性が得られることがわかった。また、実施例3の結果からは、第1段階の処理ガス中の窒素比率を5体積%まで低減しても、撥液性は低下しないことがわかった。
(実施例4〜6)
次に、第1、第2の表面処理に関して、被処理基材表面が直接該プラズマに晒されるかどうかによる影響について検討を行った。前記表面処理方法が被処理基材表面が直接プラズマに晒される“ダイレクト方式”であるのに対して、前記表面処理手順において下部電極ユニット4への電力供給を行わない場合は、前記間隔10、17での予備放電によりプラズマ化された活性種が被処理基材表面に到達して表面処理が行われる“リモート方式”となる。実施例4〜6では、第1および第2段階の表面処理を表2に示すような組合せで連続して行い、その撥液性および表面粗度を評価した。
なお、その他の条件に関しては、全て実施例3と同様とした。
また、表面粗度については、AFM(原子間力顕微鏡)を用いてRms(表面平均二乗粗さ)を測定して3ポイント測定し、その平均値で評価した。
表2に各実施例の接触角および表面粗度の評価結果を示す。なお、表2には比較例として実施例3の結果についても示した。
Figure 2007087804
これより、第1、および第2段階の表面処理をともに“ダイレクト方式”で行った場合に比べて、いかなる組合せの場合も大きな接触角の低下は見られず、十分な撥液性表面が得られていることがわかる。ただし、表面粗度の評価結果より、第2段階の表面処理を“リモート方式”で行った場合の方が、最終的な被処理基材表面の表面粗さは低く抑えられており、かつ高い撥液性が得られている。これより、表面処理後に成膜する薄膜等に与える影響を考慮すると、第1段階の表面処理を“ダイレクト方式”で、さらに第2段階の表面処理を“リモート方式”で行うことがより好ましいことがわかる。
以上の結果から、本発明に係る2段階の表面処理を行うことにより、処理ガス中における4フッ化炭素比率を従来の1/5まで低減しても、従来の1段階のみの表面処理の場合と同様の撥液性表面を得ることが可能となることがわかった。このことから、本発明にかかる2段階の表面処理を行うことにより、処理ガス中で最も高価かつ環境負荷の大きいフッ素含有化合物ガスの必要使用量を従来の1/5まで低減することが可能となり、その結果として、同一撥液化処理におけるプロセスランニングコストや除害設備導入等にかかる設備コストを大きく低減することができる。
なお、本実施例においては、基材表面を撥液化するプラズマを発生させるための処理ガスにフッ素含有化合物/ヘリウム/窒素の混合ガスを用い、そのうちフッ素含有化合物ガスとしては4フッ化炭素(CF4)を用いたが、前記フッ素含有化合物ガスとしては、他に6フッ化炭素(C26)、6フッ化プロピレン(CF3CFCF2)、8フッ化シクロブタン(C48)等のフッ素−炭素化合物や、1塩素3フッ化炭素(CClF3)等のハロゲン−炭素化合物、6フッ化硫黄(SF6)等のフッ素−硫黄化合物が挙げられる。ただし、安全上の観点から、有害ガスであるフッ化水素を生成しない4フッ化炭素、6フッ化プロピレン、8フッ化シクロブタンを用いることが好ましい。
また、本実施例においては、基材としてCB含有有機膜が表面に形成された厚さ0.7mmのガラス基板を用いたが、これは本発明の適用範囲を限定するものではなく、これ以外にも染料や顔料を含有した有機膜、プラスチックなどに対してもその基本的な効果に変わりはない。他の基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル樹脂のプラスチック、ガラス、セラミック、金属等が挙げられる。
また、基材の形状としては、他に板状、フィルム状等のものが挙げられるが、本発明の効果は、特にこれらに限定されるものではなく、プラズマ処理空間に置くことができれば任意とすることが可能である。
さらに、いずれの実施例においてもエーテル系の溶剤を用いて撥液性評価を行ったが、これについても本発明の適用範囲を限定するものではなく、本質的に液体であれば水であろうと、アルコールであろうとその程度には差があるものの撥液効果については変わりはない。また、表面処理装置に関しても、本実施例で示したような電極形態に限定するものではなく、いかなる電極形状を有する表面処理装置であっても、本発明の示す本質的な効果については何ら変わりがない。
今回、開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の表面処理方法に用いることができる装置の断面図である。 図1に記載の装置の、電極ユニット部の主要部拡大図である。 従来の表面処理方法に用いる装置の断面図である。
符号の説明
(A)第1の電極ユニット
(B)第2の電極ユニット
1 上部チャンバ
2 下部チャンバ
3 上部電極ユニット
4 下部電極ユニット
5,13 電圧印加側電極
6,14 グランド側電極
7,15 電圧印加側誘電体
8,16 グランド側誘電体
9、23 ガス溜り
10,17 間隔
11,18 ガス流路
12,19 ガス噴出口
20 冷媒
21 ガス供給口
22 ガス排気口
24 基材搬送用ローラ
25 プラズマ処理空間
31 基材
32 上部電極カバー
36 基材搬出入口
51,52 高周波電源
61,62,63,64 電力伝送路
110 高電圧パルス電源
111 直流電源
113 放電プラズマ発生空間
114 上部電極
115 下部電極
116 固体誘電体
117 基材
118 ガス導入口
119 希釈ガス導入口
112 パイレックス(登録商標)製ガラス容器
120,121 ガス排出口

Claims (9)

  1. 互いに対向する一対の電極間に電界を形成し、前記電界が形成される空間に流れる処理ガスをプラズマ化する工程と、該プラズマにより被処理基材表面を撥液化する表面処理工程とを含み、前記表面処理工程が第1および第2段階の表面処理から構成され、各段階の表面処理に用いられる処理ガスが互いに異なるガス種あるいはガス組成よりなることを特徴とする表面処理方法。
  2. 前記表面処理工程が、大気圧近傍の圧力の下で行われることを特徴とする請求項1に記載の表面処理方法。
  3. 第1段階の表面処理に用いられる処理ガスがヘリウムガスと窒素ガスからなり、第2段階の表面処理に用いられる処理ガスがヘリウムガスとフッ素含有化合物ガスからなることを特徴とする請求項1および2のいずれかに記載の表面処理方法。
  4. 第1段階の表面処理に用いられる処理ガスが窒素ガスを5体積%以上含み、第2段階の表面処理に用いられる処理ガスがフッ素含有化合物ガスを1体積%以上含むことを特徴とする請求項3に記載の表面処理方法。
  5. 第1段階の表面処理は、被処理基材表面が直接プラズマに晒されるダイレクト方式により行われ、第2段階の表面処理は、被処理基材表面が直接プラズマに晒されないリモート方式により行われることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の表面処理方法。
  6. 第1と第2の表面処理部を備え、各表面処理部は、互いに対向する一対の電極間に電界を形成し、前記電界が形成される空間に流れる処理ガスをプラズマ化し、該プラズマにより被処理基材表面を撥液化する表面処理部からなり、前記各表面処理部に導入される処理ガスが互いに異なるガス種あるいはガス組成よりなることを特徴とする表面処理装置。
  7. 前記各表面処理部は、大気圧近傍の圧力の下で被処理基材表面を撥液化することを特徴とする請求項6に記載の表面処理装置。
  8. 第1の表面処理部に用いられる処理ガスがヘリウムガスと窒素ガスからなり、第2の表面処理部に用いられる処理ガスがヘリウムガスとフッ素含有化合物ガスからなることを特徴とする請求項6および7のいずれかに記載の表面処理装置。
  9. 第1の表面処理部は、被処理基材表面が直接プラズマに晒されるダイレクト方式を採用し、第2の表面処理部は、被処理基材表面が直接プラズマに晒されないリモート方式を採用することを特徴とする請求項6から8のいずれかに記載の表面処理装置。
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