JP2007086582A - レーザ光発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 外部共振器型非線形波長変換スキームにおいて、生成された波を共振波(単数または複数の)から空間的に分離する手段を提供して、ダイクロイックミラーの利用をなくす。
【解決手段】レーザ光発生装置は、レーザ光を出射するためのレーザ光源1と、レーザ光に光学的にカップリングされた光学共振器と、該光学共振器内に配置され該レーザ光を異なる周波数にパラメトリック変換する非線形光学結晶素子6とを有する。前記光学共振器および非線形光学結晶素子6は、レーザ光が異なる光路で2度非線形光学結晶素子6に入り、生成された異なる周波数のレーザ光が入射レーザ光の光路と比較して異なる方向に伝播可能とするノンコリニア位相整合が非線形光学結晶素子内で生じるよう、構成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明はレーザ光発生装置に関する。本発明は特に、非線形結晶内でのノンコリニア位相整合および共振キャビティ(resonant cavity)を用いた非線形変換を利用するレーザ光発生装置に関する。
これまで、共振キャビティでの周波数変換については広範囲な研究が行われてきた。それら構成では、入力基本レーザビームが共振キャビティにカップリングされている。そのキャビティ内では、通常、基本光の一部だけが非線形結晶を通る単一パス中に変換され、該基本光の残りは共振キャビティに残り、再び非線形結晶との相互作用が可能となる。このようにして、低い強度および低い単一パス変換効率により、全体としては高い合計変換効率が得られる。そのようなスキームは、連続波を用いた運用には特に魅力的である。というのは、高い単一パス変換効率を得ることが通常難しいからである。更に、パルス源の場合、共振周波数スキームによりシステムの効率および寿命を大きく伸ばすことができる。必要な強度が低いということは、より高い強度では非線形結晶がダメージを被るレーザビーム生成スキームにおいて、特に魅力的である。
共振キャビティでの周波数変換の通常のコリニア構成では、生成されたビームおよび基本ビームは、強いウォークオフ(Walkoff)を伴う変換または角度を持ってカットされた結晶に対して生じ得るわずかな違いを除き、基本的には同じ方向へ伝播する。しかしながら、通常、ビームの分離は小さい。このため、ビームの分離には、通常は基本波長で高い反射率および生成された波長で高い透過率を有するダイクロイックミラー(dichroic cavity mirror)が必要である。
このダイクロイックミラーは、1つの波長での反射用に生産するだけでよい他の共振ミラーと比較して、著しく複雑な設計を要する。また、基本波および生成波の存在は、より低いダメージ閾値に結びつく場合がある。これは高い平均パワー生成について問題となり得る。
可視スペクトル領域(400nm〜800nm波長)の基本波長での高い反射率およびUVスペクトル領域(400nm未満)での高い透過率が必要な、深紫外線(Deep Ultra Violet(DUV))の発生システムでは、ダイクロイックミラーのダメージ閾値は特に重要な要因となる得る。現在の技術では、可視スペクトル領域で最も高い反射率を提供するコーティング材は、UVスペクトル領域で幾らかの吸収を示す。その吸収は、鏡面効果(熱変形および熱レンズ作用)の熱変化に結びつくことがある。さらに、UV光の存在によって、UV光の透過率および基本波長での反射率が下がり、鏡面コーティングに永久的なダメージを与えることがある。信頼性のある長期運用は容易に実現できるものではなく、ダイクロイックミラーの組立ておよび設計に対して強い制限を与える。基本波長の反射率が少しでも減少した場合、システム全体の総合的効率を大きく減少させることがあり得る。共振キャビティを用いる2次高調波発生(SHG)変換スキームでの低損失の重要性は、特許文献1で詳細に議論されており、変換効率について次の方程式を開示している:

η= γSHc 2/Pi SH/(δCAVSH)
本方程式において、係数ηは、共振器増強型SHG変換処理(resonator enhanced SHG conversion processing)の変換効率を示し、γSHは、非線形変換係数(結晶を通る単一のパスについて)を示し、Pcは、キャビティ内で循環するパワーであり、Piは、キャビティへの入射パワーであり、ηSHは、キャビティ内(intra-cavity)パワーPcに関する単一パス変換効率であり、δCAVは、キャビティでの損失を表わす。
特開平06−061084号
特許文献1に記載されているシステムでは、通常、単一のパス変換効率ηSHは非常に低い。したがって、さらに効率的な変換を達成するためには、キャビティの損失が極めて低いことが必要である。例えば、典型的な値ηSH=0.5%およびδCAV=0.5%と仮定する場合、合計した変換係数は、η=50%である。
もしキャビティ内の損失が1%だけ(例えばダイクロイックミラーの劣化により)増加すると、δCAV=1.5%であり、一方、システムが同じ単一のパス変換効率ηSH=0.5%を達成し得ると仮定すると、合計変換効率は、η=25%まで減少する。これは、システム全体の出力パワーが、2の因数だけ減少することを意味する。実際に達成された変換はさらに低くなる。これは、最適化されたシステムでは、キャビティ内損失の増加によりキャビティ内パワーが低下し、結果として、より低い単一パス変換効率ηSHとなるためである。
さらに、インピーダンス整合も低下する。これにより、システムの総効率もさらに減少する。したがって、共振器損失をシステム動作中に低く維持することは、高いシステム性能の達成には不可欠である。また、ダイクロイックミラーまたは他のキャビティコンポーネントの性能が少しでも低下することは、受け容れられない。これらの問題は、著しく高いパワーレベルでの動作をターゲットとする次世代の発生システムではさらに難しくなる。その理由としては、ダメージおよび劣化の状況が、パワーレベルの増加に伴い大きく増加するからである。
従って、キャビティ増強型周波数変換スキーム(cavity enhanced frequency conversion scheme)において共振波から生成された波を空間的に分離する手段を提供することで、ダイクロイックミラーの使用をなくすことが望ましい。本発明は上記問題を考慮してなされた。
本発明の一実施の形態では、レーザ光を出射するためのレーザ光源と、前記レーザ光と光学的にカップリングされた光学共振器と、前記光学共振器内に配置され、前記レーザ光を異なる周波数にパラメトリック変換する非線形光学結晶素子とを有するレーザ光発生装置が提供される。前記光学共振器および前記非線形光学結晶素子は、前記レーザ光が異なる光路で前記非線形光学結晶素子へ2度入射し、該入射したレーザ光の光路と比較して異なる方向へ、生成された前記異なる周波数のレーザ光が伝播可能であるように、前記非線形光学結晶素子内でノンコリニア位相整合が生じるよう構成される。
本実施の形態では、前記生成されたレーザ光が、前記入射レーザ光の光路と比較して異なる方向へ、前記非線形光学結晶素子から外部へ伝播するため、ダイクロイックミラーを使用することなく前記生成されたレーザ光を共振波から分離することが可能になる。
本発明によれば、キャビティ増強型周波数変換スキームでの生成波を共振波から空間的に分離する手段を提供することが可能であり、これによってダイクロイックミラーを使用をなくことができる。
本発明の一実施の形態によれば、レーザ光発生装置が提供される。本装置は、レーザ光またはレーザ光のビームを出射するためのレーザ光源と、レーザ光に光学的にカップリングされた光学共振器と、光学共振器内に配置されレーザ光を異なる周波数にパラメトリック変換する非線形光学結晶素子とを備えている。光学共振器および非線形光学結晶素子は、レーザ光が異なる光路で2度非線形光学結晶素子に入射すると共に、生成された異なる周波数のレーザ光が入射レーザ光の光路と比較して異なる方向に伝播するようにノンコリニア位相整合が非線形光学結晶素子内で生じるように構成されている。
光学共振器は、例えば目標周波数のレーザ光が内部で共振し得るように構成した4枚のミラーで構成された、光学キャビティを含んでいてもよい。
レーザ光発生装置は、光学共振器とレーザ光源とをカップリングするロッキング手段をさらに含んでいてもよい。ロッキング手段には、下記技術のうち少なくとも1つを使用することができる:(a)Ditherロッキングスキーム;(b)Hansch-Couillaudロッキングスキーム(Hansch and Couillaud, Opt. Comm., 35, 414-444 (1980));(c)Pound-Drever-Hallロッキングスキーム(R.W.P. Drever et al., Appl. Phys. B., 31, 97-105);(d)例えばモードロック・レーザ等のパルスレーザ光源の場合、基本レーザの反復レートと光学共振器の反復レートとをマッチングさせるスキーム(例えば、R. Jason Jones, Opt. Lett., 29, 2812-2814参照)。
レーザ光発生装置は、光学共振器内に、入力したレーザ光の増幅のための増幅素子をさらに含んでいてもよい。
レーザ光源は、連続波レーザ光またはパルスレーザ光または連続波モードロック・レーザ光を出射してもよい。レーザ光源は、単一周波数連続波レーザであってもよい。レーザ光源は、波長1064nmまたは532nmのレーザ光を出射してもよい。
レーザ光発生装置では、生成された異なる周波数のビームは、紫外線のスペクトル領域(波長400nm未満)にあってもよい。
レーザ光発生装置では、レーザ光源からのビームは、非線形光学結晶素子内で楕円プロフィールを持っていてもよい。更に、レーザ光源のビームは、非線形光学結晶素子に垂直に入射しなくてもよい。
非線形光学結晶素子の材質は、ベータホウ酸バリウム(BBO)、BiB36(BiBO)、CsB35(CBO)、CsLiB610(CLBO)、KBe2BO32(KBBF)、KTiOPO4(KTP)、LiB35(LBO)、LiNbO3(C−LN)、LiNbO3(S−LN)、LiTaO3(C−LT)、LiTaO3(S−LT)および周期分極反転結晶のグループに属してもよい。あるいは、非線形光学結晶素子の材質は、ベータホウ酸バリウム(BBO)、BiB36(BiBO)、CsB35(CBO)、CsLiB610(CLBO)、KBe2BO32(KBBF)、KTiOPO4(KTP)、LiB35(LBO)、LiNbO3(C−LN)、LiNbO3(S−LN)、LiTaO3(C−LT)、LiTaO3(S−LT)および周期分極反転結晶の少なくとも1つであるか、またはこれを含んでいてもよい。また、レーザ光を異なる周波数へ変換する非線形パラメトリック変換と、該生成された異なる周波数のレーザ光が、入射レーザ光と比較して、異なる方向に伝播し得るようなノンコリニア位相整合が可能な素子であるならば、他の材質を非線形光学結晶素子に使用してもよい。
更に、非線形光学結晶素子は、入射または生成されたビームのブリュースター角またはそれに近い角度で使用してもよい。
また、レーザ光発生装置は、レーザ光源として、電気的にまたは光学的にポンピングされる少なくとも1つのレーザ媒質を含んでいてもよい。この構成では、光学共振器は、レーザ媒質の1つのレーザ波長でレーザ光を共振させることができる。
本発明の他の実施の形態によれば、レーザ光ビーム生成装置が提供される。本装置は、基本波長のレーザ光のビームを出射するためのレーザ光源と、該基本波長のレーザ光と光学的にカップリングされた光学共振器と、該光学共振器内に配置され該基本波長のレーザ光が入力された場合、調波波長(harmonic wavelength)のビームを生成する非線形光学結晶素子とを備える。光学共振器および非線形光学結晶素子は、基本波長のレーザ光が異なる光路で非線形光学結晶素子へ2度入射し、該入射したレーザ光の光路と比較して異なる方向へ、生成された調波波長のレーザ光が伝播可能であるように、非線形光学結晶素子内でノンコリニア位相整合が生じるよう構成されている。
レーザ光発生装置は、光学共振器内に、光学共振器内で基本波長の光ビームを増幅するための増幅素子をさらに含んでいてもよい。
レーザ光源は、可視スペクトル領域(400nm〜800nm)の基本波長でレーザ光のビームを出射してもよい。さらに、非線形光学結晶素子は、基本波長のレーザビームが入力された場合、紫外線スペクトル領域(400nm未満)の調波波長の光ビームを生成してもよい。
上述の実施の形態における光学共振器および非線形光学結晶素子の構成によれば、調波波長で生成されたビームは、光学共振器を構成するミラーのうちの1つを通る必要がない。さらに、そのような構成によれば、調波波長で生成されたビームおよび基本波長での入射ビームは、非線形光学結晶素子内でオーバラップするだけである。
以下、添付図面を参照して、本発明の他の実施の形態について説明する。本発明の実施の形態では、レーザ光発生装置の光学共振器内に配置された非線形光学結晶素子内において、ノンコリニア位相整合技術が用いられている。
図1(a)は、本発明の一実施の形態によるレーザ光発生装置を示す。本レーザ光発生装置では、基本レーザ光源(光源1)からの入力ビームは、入力ミラー2を経て、ミラー2、3、4および5でリング状キャビティとして構成される光学共振器にカップリングされる。光学共振器の内部では、キャビティ内ビーム(本実施の形態でのリング状キャビティの基本波長の入射レーザビーム)が、非線形光学結晶素子6を2度通るように非線形光学結晶素子6が配され、その中でノンコリニア位相整合スキームを可能としている。新しい周波数の光が生成され、キャビティモードと異なる方向に伝播する。本実施の形態では、生成された波は、図1(a)のにおいて「UV出力」として示される。
より詳細には、光学共振器および非線形光学結晶素子6は、これらの基本ビームが非線形光学結晶素子6内でのみ交差するようにして構成されている。これらのビームは、所望の新しい波長でビームを生成するための位相整合ができるように角度がつけられている。更に、これらの基本ビームウエストで、ビームがそのように交差をしていることが好ましい。非線形光学結晶素子6は、両方のビームからのエネルギーを新しい波長のビームに変換し、基本ビームとは異なる方向に出射する。従って、生成されたビームを、基本ビームから空間的に分離することができるので、ダイクロイックミラーの必要性を無くすことができる。
これら基本ビームの角度および非線形光学結晶6内の相互作用の長さ/位置は、基本ビームと生成された波長とのオーバラップが非線形光学結晶素子6の出口面では起きないように構成しても良い。図1(b)は、非線形光学結晶素子6の出口面でのビームプロフィールの一例を示す。参照番号100は、基本ビームを示し、また、参照番号200は、生成されたビームを示す。
本構成は、特に、生成されたビームが表面の質が低下させる場合に役立ち得る。ノンコリニアシステムでは、そのような低下は、生成された波の追加損失に結びつくだけである。例えば、生成されたビームについての透過率が1%減少すれば、生成されたビームのパワー合計は1%のみ減少するであろう。
一方、従来のコリニアシステムでは、生成されたビームの透過率の減少によって、基本波の透過率が通常減少する。すなわち、共振キャビティのより高い損失に結びつく。そのような、より高い損失によって、基本ビーム用のキャビティのフィネス(finesse)が実質的に劣り、したがって、全体の総効率が減少する。上記の方程式によれば、上述の従来の例において、生成されたビームのパワーは、1%の追加損失によって少なくとも50%減少するであろう。さらに、2光子吸収(基本周波数からの1つの光子および生成された波長からの1つ)のような被覆面上に2つの波長の存在することから、追加のダメージまたは吸収メカニズムが発生している場合がある。
典型的な外部共振周波数生成(resonant external frequency generation)での他の重要な問題は、システムの汚染による緩慢な表面劣化である。この場合、共振キャビティのガス雰囲気の物質が光学面に堆積し、性能をゆっくりと劣化させる。光の存在は、劣化速度を非常に増大させる場合がある。特に、UV光は、損失の急速な増大に結びつく場合がある。
本発明の実施の形態で用いられたノンコリニアシステムにおいては、基本キャビティモードと生成された波長とのオーバラップが非線形光学結晶素子6にのみ生じるように、本システムを構成してもよい。したがって、ガス雰囲気と生成された波長との相互作用によって引き起こされる汚染損失も、基本波ではなく生成された波に影響するだけである。上に議論されるように、そのような損失は全体的な変換効率に対して、基本波に対する損失よりも実質的に低い影響を及ぼす。基本波のパワーは、通常著しく高い(典型的には10〜200倍)ので、基本波で引き起こされた少しの吸収でさえ、非線形光学結晶素子への強い熱負荷を引き起こし、熱変形を引き起こし、その結果ダメージとなる。
ノンコリニアシステムの他の利点は、ノンコリニア位相整合スキームである。このスキームでは、非線形変換が2つのビームの相互作用によって達成され、より高い変換効率に結びつく場合がある。例えば、比較的低い単一パス変換(非線形変換は低い変換限界で近似できる)のSHGの場合には、所与のキャビティ内パワーでは、ノンコリニアシステムで達成された非線形変換がコリニアシステムのおよそ4倍になるであろう。
更に、生成されたビームの横モード(transverse mode)の質が、非線形光学結晶中のウォークオフ効果によって変形される状況では、ノンコリニアシステムによって、横ビーム特性が改善される場合がある。これは、例えば、非線形光学結晶中での相互作用の長さを短くすることによって、または、より詳細には、基本ビームの入力角度を最適化することまたは単に短い結晶で動作させることによって、達成され得る。非線形の相互作用の長さがより短いと、変換効率が低下することがあるが、この低下は、ノンコリニアスキームでのキャビティ内パワーに関する高い変換率により補償できる。
従って、本発明の実施の形態によるノンコリニアシステムを用いるレーザ光発生装置は、コリニア装置を備えたレーザ光発生装置と比較して、改善された横ビーム特性で比肩可能なより高い出力パワーを供給することができるよう設計することができる。
他の場合では、非線形光学結晶内で相互作用するビームの重複を増加させることは有益であり得る。これは、非線形光学結晶に楕円のビーム形状を用いることにより達成し得る。さらにこのような技術は、ウォークオフの場合、または、結晶の端面で光強度を減少する場合、有利となる。
ノンコリニアシステムでは、非線形結晶表面で基本波についての損失を減少させることは有用であり得る。本基本波はキャビティを4往復通過するのに対して、コリニアのセットアップでは2回だけである。これは、反射防止被覆を施すか、またはブリュースター角に近い角度で結晶を使用することによって成し得る。
図2は、本発明の他の実施の形態によるレーザ光発生装置を示す。本発明の様々な実施の形態間の比較を容易にするために、以下の説明では全図で同じ構成要素については同じ参照番号を付す。
本実施の形態では、基本レーザ光源(光源1)からの入力ビームは、入力ミラー2を経て、ミラー2、3、4、5、21および22によって構成される光学共振器にカップリングされる。参照番号24は、ミラーホルダを示し、これはミラー22を保持するための保持機構、および光学共振器の光路に沿ったミラー22の位置を変更するためのアクチュエータを有する。アクチュエータは、例えばボイスコイルモータによって実現し得る。
光学共振器の内部には、非線形光学結晶素子6をキャビティ内ビームが2度通過するよう非線形光学結晶素子6が配され、ノンコリニア位相整合スキームを可能としている。新しい周波数の光が生成されて、キャビティモードと異なる方向に伝播する。
本実施の形態によれば、光学共振器のキャビティの長さを変更することができるレーザ光発生装置において、生成されたビームを基本ビームから空間的に分離することができるため、ダイクロイックミラーの必要性がなくなる。
本スキームには、例えば、より大きな直径のミラーホルダ24を容易にキャビティと一体化し得るという利点がある。ミラーホルダ24がより大きな直径を持つということは、例えば能動的にキャビティの長さを変更する場合、有利となる。
図3は、本発明のさらに他の実施の形態によるレーザ光発生装置を示す。本実施の形態では、本装置は一体化されたロッキング機構を具備する。
本実施の形態では、光源1からの入力ビームが、先ず位相モジュレータ30を経て送られる。入力ビームは1つまたは複数のレンズ31とモードマッチングされ、入力ミラー32を経て、ミラー2、3、4、22および32で構成される光学共振器へカップリングされる。入力カップラー32からの反射光は、光検出器33上へ送られる。光検出器33からの信号が、制御器34(ミラーホルダ24の移動によって共振器中のキャビティ長さを制御する)へ送られ、ロッキング機構が実現される。
光学共振器の内部には、キャビティ内ビームが2度通過するように非線形光学結晶素子6が配され、ノンコリニア位相整合スキームを可能としている。新しい周波数の光が生成され、キャビティモードと異なる方向に伝播する。従って、生成されたビームを空間的に基本ビームから分離することができるため、ダイクロイックミラーの必要性がなくなる。
また、本実施の形態によれば、例えば能動的にキャビティの長さを変更するために、より大きな直径のミラーホルダ24を、キャビティへ容易に一体化できるという、さらなる利点がある。更に、入力カップラーとしてのミラー32の使用は、入射・反射ビーム間でのより大きな角度をもたらすため、光検出器33での検出のための反射ビームの分離が簡単になる。
図3で示される装置セットアップは実験的に実現された。基本波の光源1として、532nmの連続波単一周波数レーザを使用した。光学共振器は、曲率半径100mmの4枚のミラー2、3、4および5、並びに2枚の水平なミラー32および33で構成された。非線形光学結晶素子6として、6mm長BBO結晶を使用した。BBO結晶面は、基本波長のために反射防止被覆をした。光学共振器およびBBO結晶は、BBOの内部で2つの基本ビームが50μmのウエスト半径を有し、266nmで生成された第2高調波波長と基本ビームとのオーバラップが、当該BBO結晶の内部でのみ生じるように、構成された。ミラー3と4の間のギャップを通って出射された調波波長の分離に、ダイクロイックミラーは不要であった。
光学共振器への基本レーザビームのカップリングするために、Pound-Drever-Hallロッキングスキームを採用し、電気・光学モジュレータ30、反射ビームパワー検知のためのフォトダイオード33、光学共振器の長さ調節用のミラーホルダ24のミラーマウント中のボイスコイルモータ、および制御回路34を用いた。本システムは、完全には最適化しなかったが(例えば、インピーダンス整合は完全ではなく、また使用されたミラーの質は比較的低かった)、20%の総変換効率で既に、266nm光の200mWを超える光出力パワーを安定して得られた。シミュレーションは、最適化されたコンポーネントを用いることで、40%を超える程度の変換効率が簡単に達成可能であることを示している。
図4は、本発明の他の実施の形態によるレーザ光発生装置を示す。本実施の形態において装置は、一体化されたロッキング機構および増幅レーザ媒質を備えている。
本実施の形態では、光源1からの入力ビームは、位相モジュレータ30を経て送られる。続いて、入力ビームは、1つまたは複数のレンズ31とモードマッチングされ、入力ミラー32を経て、ミラー2、3、4、5、22および32で構成された光学共振器へカップリングされる。入力カップラー32からの反射光は、光検出器33上に送られる。光検出器33からの信号は、ミラーホルダ24の移動を経て光学共振器のキャビティ長さを制御する制御器34へ送られる。
光学共振器の内部には、キャビティ内ビームが2度通過するように非線形光学結晶素子6が配され、ノンコリニア位相整合スキームを可能としている。新しい周波数の光が生成され、キャビティモードビームとは異なる方向に伝播する。基本周波数のキャビティ内ビームは、光学レーザ増幅素子40を用いて増幅される。
従って、一体化されたロッキング機構および増幅レーザ媒質を備えたレーザ光発生装置においては、生成されたビームを基本ビームから空間的に分離することができ、ダイクロイックミラーの必要性がなくなる。
以下、上記実施の形態によるいくつかの結果について議論する。
(1)ダイクロイックミラーの除去:より単純なシステムおよびより高いダメージ閾値:
上記実施の形態の主な利点は、キャビティ増強型周波数変換スキームで共振波(1または複数)から生成された波を空間的に分離することにある。このようにして、ダイクロイックミラーを除去し、より単純でより安価な共振ミラーと取り替えることができる。さらに、このミラー中でダメージが発生する可能性が少なくなるので、より高いパワーレベルを目標とすることができる。
(2)非線形光学結晶内だけでオーバーラップ:より単純な結晶被覆並びにダメージおよび汚染の影響低減:
上記実施の形態の他の利点は、生成された波が単に基本波または非線形光学結晶内の波とオーバーラップするシステムを実現することができるということである。したがって、結晶表面の被覆条件は非常に少なくなる。周波数変換キャビティの周囲環境では、基本キャビティモードビームは、光学コンポーネントの生成されたビームと同じ表面を通過しない。生成されたビームが表面劣化の傾向を呈する場合、または生成されたビームが在る状態で表面汚染のインパクトがより強い場合でも、キャビティモードビームに対し極めて鈍感であるため、著しく高い長期的安定性および高い変換効率をもたらす。
(3)2つのビームの相互作用によるより高い変換係数:
上記実施の形態の他の利点は、所与のキャビティ内ビームパワーに対し、達成される変換効率がノンコリニア変換スキームではより高いということである。これは、典型的なコリニアスキームでは、キャビティ内ビームが非線形光学結晶を一度だけ通過するのに対し、ノンコリニアスキームでは、非線形の相互作用が2つのキャビティ内ビームの組合せによって行われるからである。したがって、変換係数は4倍にまで達する。
(4)ウォークオフの場合でのより高いビーム品質の設計:
典型的なコリニアシステムよりも高い横ビーム特性を有するノンコリニアシステムを設計することができる可能性もある。上述の段落でも述べられるように、ノンコリニアシステムは、所与のキャビティ内ビームパワーに対し、より高い変換係数を有する。同じ変換係数だけが必要な場合、非線形媒質内の相互作用長さを短くすることができるため、ウォークオフを有する非線形周波数変換の場合、生成された光の横モード特性の向上をもたらすことができる。
なお、様々な改変、組合せ、副次的組合せおよび変更が、添付の特許請求の範囲またはそれと均等な範囲内である限り、設計必要条件および他の要因に依って生じ得ることは、当業者によって理解され得るものである。
本発明の実施の形態によるレーザ光発生装置を示す模式図である。 図1(a)で示されるレーザ光発生装置の非線形結晶素子の端面でビームプロファイルの一例を示す模式図である。 本発明の他の実施の形態によるレーザ光発生装置を示す模式図である。 本発明の他の実施の形態によるレーザ光発生装置を示す模式図である。 本発明の一実施の形態によるレーザ光発生装置を示す模式図である。 2つの基本ビームおよび非線形光学結晶素子の出口面で生成されたビームの位置の一例を示す模式図である。
符号の説明
1:光源
2、3、4、5:ミラー
6:非線形光学結晶素子
21、22:平面ミラー
24:ミラーホルダ
30:位相モジュレータ
31:レンズ
32:平面ミラー(入力カップラー)
33:光検出器
34:制御器
40:増幅素子

Claims (14)

  1. レーザ光を出射するためのレーザ光源と、
    前記レーザ光と光学的にカップリングされた光学共振器と、
    前記光学共振器内に配置され、前記レーザ光を異なる周波数にパラメトリック変換する非線形光学結晶素子とを有し、
    前記光学共振器および前記非線形光学結晶素子は、前記レーザ光が異なる光路で前記非線形光学結晶素子へ2度入射し、該入射したレーザ光の光路と比較して異なる方向へ、生成された前記異なる周波数のレーザ光が伝播可能であるように、前記非線形光学結晶素子内でノンコリニア位相整合が生じるよう構成されていること
    を特徴とするレーザ光発生装置。
  2. 前記光学共振器と前記レーザ光源とをカップリングするためのロッキング手段をさらに備えること
    を特徴とする請求項1記載のレーザ光発生装置。
  3. 前記光学共振器内に配置され、前記入力されたレーザ光を増幅するための増幅素子をさらに有すること
    を特徴とする請求項1記載のレーザ光発生装置。
  4. 前記レーザ光源が、連続波レーザ光またはパルスレーザ光またはモードロックされた連続波レーザ光を出射すること
    を特徴とする請求項1記載のレーザ光発生装置。
  5. 前記レーザ光源が、波長1064nmまたは532nmのレーザ光を出射すること
    を特徴とする請求項1記載のレーザ光発生装置。
  6. 前記生成された異なる周波数のビームが、紫外線スペクトル領域にあること
    を特徴とする請求項1記載のレーザ光発生装置。
  7. 前記レーザ光源からのビームが、前記非線形光学結晶素子の内部では楕円形状を有すること
    を特徴とする請求項1記載のレーザ光発生装置。
  8. 前記レーザ光源からのビームが、前記非線形光学結晶素子へ垂直入射しないこと
    を特徴とする請求項1記載のレーザ光発生装置。
  9. 前記非線形光学結晶素子の材質が、ベータホウ酸バリウム(BBO)、BiB36(BiBO)、CsB35(CBO)、CsLiB610(CLBO)、KBe2BO32(KBBF)、KTiOPO4(KTP)、LiB35(LBO)、LiNbO3(C−LN)、LiNbO3(S−LN)、LiTaO3(C−LT)、LiTaO3(S−LT)および周期分極反転結晶からなるグループに属すること
    を特徴とする請求項1記載のレーザ光発生装置。
  10. 前記非線形光学結晶素子が、入射または生成ビームのブリュースター角またはこれに近い角度で使用されること
    を特徴とする請求項1記載のレーザ光発生装置。
  11. 前記レーザ光源が、電気的または光学的にポンピングされる少なくとも1つのレーザ媒質であり、前記光学共振器が、該レーザ媒質の1つのレーザ波長でレーザ光を共振させること
    を特徴とする請求項1記載のレーザ光発生装置。
  12. 基本波長のレーザ光を出射するためのレーザ光源と、
    前記基本波長のレーザ光と光学的にカップリングされた光学共振器と、
    前記光学共振器内に配置され、前記基本波長のレーザ光が入力された場合、調波波長(harmonic wavelength)のビームを生成する非線形光学結晶素子とを備え、
    前記光学共振器および前記非線形光学結晶素子は、前記基本波長のレーザ光が異なる光路で前記非線形光学結晶素子へ2度入射し、該入射したレーザ光の光路と比較して異なる方向へ、生成された前記調波波長のレーザ光が伝播可能であるように、前記非線形光学結晶素子内でノンコリニア位相整合が生じるよう構成されていること
    を特徴とするレーザ光発生装置。
  13. 前記光学共振器内に配置され、前記基本波長の光ビームを増幅する増幅素子をさらに備えること
    を特徴とする請求項12のレーザ光発生装置。
  14. 前記レーザ光源が、可視スペクトル領域の基本波長のレーザ光を出射し、
    前記非線形光学結晶素子が、前記基本波長のレーザ光が入力された場合、紫外線スペクトル領域の調波波長の光ビームを生成すること
    を特徴とする請求項12のレーザ光発生装置。

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JP2022179351A (ja) * 2021-05-21 2022-12-02 レーザーテック株式会社 光源装置及び検査装置

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