JP2007085327A - マグナス型風力発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】低風速域から比較的高風速域にかけて効率よく発電できるマグナス型風力発電装置を提供すること。
【解決手段】発電機構部2に回転トルクを伝達する水平回転軸3と、この水平回転軸3から放射状に配設された回転円柱5と、各々の回転円柱5をこれら回転円柱5の軸周りに回転駆動する駆動モータ15とを備え、各々の回転円柱5の回転と風力との相互作用で生じるマグナス揚力により水平回転軸3を回転させて発電機構部2を駆動するマグナス型風力発電装置Aであって、回転円柱5の外周表面に空気流動を発生させてマグナス揚力を増大させる空気流動手段6が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、各回転円柱の回転と風力との相互作用で生じるマグナス揚力により水平回転軸を回転させて発電機構部を駆動させるマグナス型の風力発電装置に関する。
効率型風力発電装置として、サボニウス風車を用いたものが実用化されているが、サボニウス風車の翼は風速以上に回転することができず、発電能力も小さいことから、大電力発電には不向きであり、一方、比較的発電能力の高い実用的風力発電装置としてプロペラ型風車を用いたものがあるが、風車効率を比較的低風速域で高めることができないという問題がある。
これら方式の他には、水平回転軸に対して放射状に所要数配設した回転円柱にマグナス揚力を発生させ、水平回転軸を回転させて発電を行うマグナス型風力発電装置もすでに公知である(例えば、特許文献1、2参照)。
米国特許第4366386号明細書 ロシア連邦特許第2189494C2号明細書
特許文献1に示すようなマグナス型風力発電装置は、回転円柱を回転させることでマグナス揚力を発生させ、水平回転軸を回転させて発電を行っているため、発電量を上げるためには、回転円柱の回転速度を上げてマグナス揚力を強める必要がある。しかし、回転円柱を高速で回転させるためには、多くのエネルギーが消費されてしまい発電効率が悪くなる。
また、特許文献2に記載のマグナス型風力発電装置は、風力により回転するサボニウスロータを用いて回転円柱を回転させているので、回転円柱の伝動機構を省略でき、かつ回転円柱を回転させるための駆動モータ等を設ける必要がないが、サボニウスロータは風速以上に回転することができず、回転円柱の回転速度を上げることができないため、大きなマグナス揚力を発生できず、効率のよい発電には不向きとなる。
本発明は、このような問題を一挙に解決し、低風速域から比較的高風速域にかけて効率よく発電できるマグナス型風力発電装置を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のマグナス型風力発電装置は、発電機構部に回転トルクを伝達する水平回転軸と、該水平回転軸から放射状に所要数配設された回転円柱と、該各回転円柱をこれら回転円柱の軸周りに回転駆動する駆動モータとを備え、前記各回転円柱の回転と風力との相互作用で生じるマグナス揚力により前記水平回転軸を回転させて発電機構部を駆動するマグナス型風力発電装置であって、前記回転円柱の外周表面に空気流動を発生させてマグナス揚力を増大させる空気流動手段が、所定位置に設けられていることを特徴としている。
本発明は、自然風や回転円柱と伴に回転する回転円柱の表層の空気の動きとは別に、回転円柱の外周表面に空気流動を発生させることにより、各回転円柱の回転と風力との相互作用で生じるマグナス揚力が増大するという発明者が見出した新しい原理に基づいており、発電機構部を駆動する水平回転軸の回転トルクを増大させ、風力発電装置の発電効率を低風速域から比較的高風速域にかけて格段に上昇させることに成功した。
本発明の請求項2に記載のマグナス型風力発電装置は、請求項1に記載のマグナス型風力発電装置であって、前記空気流動手段は、前記回転円柱の外周表面に少なくとも該回転円柱の軸と平行な空気の流れ成分を発生させる手段であることを特徴としている。
この特徴によれば、自然風と、回転円柱と伴に回転する回転円柱の表層の空気の動きとで形成されるマグナス揚力に対して、更に回転円柱の軸と平行の空気流の成分を与えることにより、三次元的な空気流が形成され、実験で確認されるように、マグナス揚力、すなわち回転円柱に加わる力が増大する。ここで、空気流動手段で与えられる空気の流れは、全てが回転円柱と平行である必要はなく、少なくとも回転円柱と平行なベクトル成分があれば十分効果がある。
本発明の請求項3に記載のマグナス型風力発電装置は、請求項1または2に記載のマグナス型風力発電装置であって、前記空気流動手段は、前記回転円柱の外周表面に該回転円柱の軸と平行、かつ前記水平回転軸から離れる方向に向けて空気の流れ成分を発生させる手段であることを特徴としている。
この特徴によれば、空気流動手段によって、回転円柱の外周表面に、水平回転軸から離れる方向に向けて空気の流れを発生させることで、回転円柱に生じるマグナス揚力が増大されるようになる。
本発明の請求項4に記載のマグナス型風力発電装置は、請求項1または2に記載のマグナス型風力発電装置であって、前記空気流動手段は、前記回転円柱の外周表面に該回転円柱の軸と平行、かつ前記水平回転軸に向けて空気の流れ成分を発生させる手段であることを特徴としている。
この特徴によれば、空気流動手段によって、回転円柱の外周表面に、水平回転軸に向けて空気の流れを発生させることで、回転円柱に生じるマグナス揚力が増大されるようになる。
本発明の請求項5に記載のマグナス型風力発電装置は、請求項1ないし4のいずれかに記載のマグナス型風力発電装置であって、前記空気流動手段は、前記回転円柱の外周表面に形設されたフィン部材であることを特徴としている。
この特徴によれば、回転円柱の回転時に、回転円柱の周りの空気がフィン部材で流動されるようになり、回転円柱に生じるマグナス揚力を増大できる。
本発明の請求項6に記載のマグナス型風力発電装置は、請求項5に記載のマグナス型風力発電装置であって、前記空気流動手段としてのフィン部材は、前記回転円柱の外周表面に形設されたスパイラル状の突条であることを特徴としている。
この特徴によれば、回転円柱の回転時に、スパイラル状の突条によって空気を均一かつ安定させて回転円柱の広い表面に流すことができ、マグナス揚力を増大できるとともに、風切り音が低減されるようになる。
本発明の請求項7に記載のマグナス型風力発電装置は、請求項1ないし6のいずれかに記載のマグナス型風力発電装置であって、前記回転円柱の先端に該回転円柱より大径のエンドキャップが設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、前記空気流を与えた場合に、エンドキャップを取り付ける方が、マグナス効果が高まることが実験的に証明できており、また、実験によれば、エンドキャップを設けた場合、水平回転軸方向に空気を流す本方式が、それと逆に放射方向に空気を流す方式に比較してマグナス効果が増大していることが分かる。
本発明の請求項8に記載のマグナス型風力発電装置は、請求項6または7に記載のマグナス型風力発電装置であって、前記突条は、多条スパイラルで構成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、多条スパイラルを設けることで、スパイラルの径を大きくしなくても、より多くの空気を滑らかに回転円柱の表面に流すことができ、マグナス効果が向上する。
本発明の請求項9に記載のマグナス型風力発電装置は、請求項1ないし8のいずれかに記載のマグナス型風力発電装置であって、前記回転円柱の外周表面には、複数のデンプルが形成されていることを特徴としている。
この特徴によれば、回転円柱が軸周りに回転する際、複数のデンプルが回転円柱の表層流(境界層)をかく乱し、剥離を抑えて循環を増し、回転円柱に生じるマグナス揚力を付加的に増大させることができる。ここでデンプルとは表層流とかく乱させるための凹凸であればどのような形状でもよい。
本発明の請求項10に記載のマグナス型風力発電装置は、請求項6に記載のマグナス型風力発電装置であって、前記突条の先端外表面にデンプル又は突起が形設されていることを特徴としている。
この特徴によれば、デンプル又は突起が突条の先端外表面の表層流(境界層)をかく乱し、剥離を抑えて循環を増し、マグナス揚力が付加的に増える。
本発明の請求項11に記載のマグナス型風力発電装置は、請求項1ないし10のいずれかに記載のマグナス型風力発電装置であって、前記回転円柱は、水平回転軸に対し径方向に伸縮自在に支持されていることを特徴としている。
この特徴によれば、回転円柱が伸縮自在となっていることで、自然風の向きや風速に応じて回転円柱を伸縮させて発電できるようになり、通常時には、回転円柱を伸ばして受風面積を最大にして回転円柱の揚力を増大させることができ、かつ強風時には、回転円柱を縮めることで、受風面積を小さくでき、支台の倒壊や回転円柱の破損を防ぐことができる。
本発明の請求項12に記載のマグナス型風力発電装置は、請求項1ないし11のいずれかに記載のマグナス型風力発電装置であって、前記回転円柱の所要数よりも少ない数の前記駆動モータを用いて該各回転円柱を同時に回転駆動できるようになっていることを特徴としている。
この特徴によれば、駆動モータを駆動させるための電力を節約できるので、風力発電装置の発電効率を上げることができる。
本発明の実施例を以下に説明する。
本発明の実施例に係るマグナス型風力発電装置を図面に基づいて説明すると、先ず図1は、本発明の実施例1におけるマグナス型風力発電装置を示す正面図であり、図2は、マグナス揚力の説明図であり、図3は、図1における回転円柱を示すA−A断面図であり、図4は、突条が設けられた回転円柱を示す正面図である。
一般的なマグナス揚力の発生メカニズムについて説明すると、図2に示すように、回転円柱Cの正面側に当たった空気の流れは、図2のような回転円柱Cの回転方向と空気流の向きでは、回転円柱Cの回転とともに上方に流れるようになり、このとき回転円柱Cの上方側を流れる空気が、回転円柱Cの下方側を流れる空気の速度よりも速く流れるので、回転円柱Cの上方側の負圧と下方側の正圧とで空気圧に差が生じるマグナス効果が生じるようになり、回転円柱Cには、空気の流れと直角をなす方向にマグナス揚力Yが発生するようになっている。
図1の符号Aは、本発明の適用されたマグナス型風力発電装置であり、このマグナス型風力発電装置Aは、地面に立設された支台1の上部に、鉛直モータ(図示略)を中心に水平方向に旋回自在に軸支される発電機構部2が配置されており、この発電機構部2は、垂直方向に回転自在に軸支された水平回転軸3を有し、この水平回転軸3の一端は、発電機構部2の内部に配設された発電機(図示略)に連結されるとともに、水平回転軸3の他端は回転体4に固着される。
図1に示すように、回転体4の内部には、6つの駆動モータ15が配置されるとともに、回転体4の外周には、6本の回転円柱5が放射状に配置されており、各々の回転円柱5の基部は、回転体4内部に配設された各々の駆動モータ15に連結され、各々の回転円柱5が各々の駆動モータ15の駆動によって回転できるように軸支される。また、回転円柱5の先端面には、回転円柱5の直径よりも大きな直径を有する円盤状のエンドキャップ16が取り付けられている。
回転円柱5の軸外周面には、本実施例における空気流動手段としてのフィン部材、すなわちスパイラル状の突条6が一体に巻き回して形設されており、この突条6は合成樹脂等の材質、若しくは耐候性軽量合金等の材質などで製作することができ、この突条6について説明すると、図4に示すように、所要幅、所要高さの1条の突条6が、回転円柱5の先端面から見たときに右ネジ状の右螺旋状をなすように固着されている。
図1に示すマグナス型風力発電装置Aを用いて発電する際には、先ず風向計(図示略)によって風向きを検出し、制御回路(図示略)が鉛直モータ(図示略)を駆動させて、回転体4の正面側から風が当たるように、風向きに合わせて発電機構部2を旋回させる。そして、回転体4内部の各々の駆動モータ15を駆動させることで、各々の回転円柱5を回転させる。
回転円柱5の回転方向と突条6の巻き方について詳述すると、図1及び図3に示すように、回転円柱5の先端部方向から見たときに、回転円柱5のスパイラル状の突条6の巻き方が右ネジ状の右螺旋状をなす場合、回転円柱5の回転方向は左回りとなっている。突条6のスパイラルの巻き方向が回転円柱5の回転方向に対して逆向きとなっているため、回転円柱5の外周表面を流れる空気を水平回転軸3側に向けて流すことができる。尚、突条6のスパイラルの巻き方向が回転円柱5の回転方向と同じ向きになっている場合には、回転円柱5の外周表面を流れる空気を水平回転軸3から離れる方向(放射方向)に向けて流すことができる。
図4に示すように、スパイラル状の突条6が回転円柱5に施されることにより、回転円柱5の回転時に、スパイラル状の突条6によって、空気の流れFが発生する。この際、回転円柱5の外周表面に、自然風や回転円柱5と伴に回転する回転円柱5の表層の空気の動きとは別に、回転円柱5の軸と平行な空気の流れ成分Vを発生させることができる。
図3及び図4に示すように、回転円柱5の外周の空気流、すなわち回転円柱5の外周表面に空気流動Fを発生させることで、自然風と、回転円柱5と伴に回転する回転円柱5の表層の空気の動きとで形成される三次元的な空気流が形成される。
後述する実験で確認されるように、各々の回転円柱5の回転と風力との相互作用で生じるマグナス揚力Yが増大される(図3参照)。ここで言う空気流動手段で与えられる空気の流れFは、全てが回転円柱5と平行である必要はなく、少なくとも回転円柱5と平行なベクトル成分Vがあれば十分効果がある。考察であるが、マグナス揚力Yが高まる理由として、回転円柱5に加わる負圧と正圧との差圧が高まる現象や、揚力発生面が拡大する現象等が発生していると考えられる。
また、エンドキャップ16を利用すると、マグナス効果が向上する点も実験的に証明されている。すなわちエンドキャップ16が回転円柱5の先端面に設けられることによって、このエンドキャップ16が空気流Fに好影響を与え、マグナス揚力Yの向上が見られる。また、後述するように、実験によればエンドキャップ16を設けた場合、水平回転軸方向に空気を流す本方式が、それと逆に放射方向に空気を流す方式に比較してマグナス効果が増大していることが分かる。
図1に示すように、各々の回転円柱5に発生したマグナス揚力Yによって、回転円柱5及び回転体4は、水平回転軸3を中心として回転されるようになり、水平回転軸3の一端に連結された発電機(図示略)が駆動されて発電を行うことができるようになっている。そして、スパイラル状の突条6が回転円柱5に設けられることによって、発電機(図示略)を駆動する水平回転軸3のトルク値(回転トルク)が増大されるようになり、マグナス型風力発電装置Aの発電効率を上げることができるようになっている。発電機(図示略)によって発電が開始されると、この発電された電力の一部を、回転円柱5を回転させるための駆動モータ15に供給させ、補助電力として利用できる。
次に、本実施例に用いられる回転円柱5を風洞実験室内にて実証実験を行った。本実施例におけるマグナス型風力発電装置Aの回転円柱5と、他の発明における回転円柱及び理想流体における周速比θと揚力係数Cyに関して表1を用いて説明すると、表1は、周速比θと揚力係数Cyとの関係を示すグラフであり、回転円柱の直径(m)をdとし、回転円柱の毎秒の回転数(r/s)をnとし、風速(m/s)をuとすると、回転円柱の周速比θは、θ=πdn/uで表され、揚力係数Cyは、揚力Yを単位体積あたりの風の運動エネルギー(1/2)ρuと、回転円柱の投影面積dl(lは回転円柱の長さ)との積で割った値であり、理想流体ではCy=2πθで表される。周速比θは、直径d、回転数n、風速uの違いによってできるだけ実験結果が変化しなようにするためのものであり、揚力係数Cyも実験結果ができるだけ風速uや回転円柱の寸法d、lや流体の密度ρによって変わらないようにするために用いられるものである。
Figure 2007085327
表1に示すように、グラフ(イ)は、本発明のマグナス型風力発電装置Aの回転円柱5の周速比θと揚力係数Cyとの関係を示すグラフであり、グラフ(ロ)は、ITAM(ロシア)のマグナス型風力発電装置の回転円柱の周速比θと揚力係数Cyとの関係を示すグラフであり、グラフ(ハ)は、プロペラ風車型の風力発電装置に採用されることの多いNACA4415の翼(迎角12度のプロペラ翼)に係る周速比θ(回転円柱の周速比θに対応する換算値)と揚力係数Cyとの関係を示すグラフである。
ITAMの回転円柱のグラフ(ロ)及びNACA4415の翼のグラフ(ハ)と、本発明の回転円柱5のグラフ(イ)を比較した場合、本発明の回転円柱5のグラフ(イ)は、理想流体(摩擦や剥離を考慮する必要がない、理想的に流動する損失の生じない流体)のグラフに近い曲線を描くようになっている。
特に、本発明の回転円柱5のグラフ(イ)と、ITAMの回転円柱のグラフ(ロ)とを比べてみると、周速比θが低い状態(θ≒1.5以下)において、本発明の回転円柱5のグラフ(イ)の揚力係数Cyの方が、ITAMの回転円柱のグラフ(ロ)の揚力係数Cyの方よりも高くなっている。
このことは、回転円柱の回転数nが比較的低い状態において、本発明のマグナス型風力発電装置Aの回転円柱5が、最も効率よくマグナス揚力Yを発生させることが可能であることを示しており、本発明のマグナス型風力発電装置Aは、回転円柱5が低い回転数nであっても高いマグナス揚力Yで水平回転軸3を回転させることができるので、回転円柱5を回転駆動させるための駆動モータ15の消費電力を節約でき、効率よく発電できるようになっている。
次に、本実施例におけるマグナス型風力発電装置Aのエンドキャップ16と、発電機構部2における水平回転軸3のトルク値N(回転トルク)と、周速比θに関して表2及び表3を用いて説明する。以下、本実施例において回転円柱5の外周表面を流れる空気を水平回転軸3に向けて流す回転円柱5の回転方向を正回転と称し、回転円柱5の外周表面を流れる空気を水平回転軸3から離れる方向に向けて流す回転円柱5の回転方向を逆回転と称する。
表2は、直径が70Φの回転円柱5を正回転させたときの周速比θとトルク値Nの関係を示すグラフであり、グラフ(a)は、スパイラル状の突条6やエンドキャップ16が設けられていない回転円柱5の周速比θとトルク値Nの関係を示すグラフであり、グラフ(b)は、スパイラル状の突条6が設けられた回転円柱5の周速比θとトルク値Nの関係を示すグラフであり、グラフ(c)は、スパイラル状の突条6が設けられた回転円柱5に直径が140Φのエンドキャップ16を取り付けたときの周速比θとトルク値Nの関係を示すグラフであり、グラフ(d)は、スパイラル状の突条6が設けられた回転円柱5に直径が200Φのエンドキャップ16を取り付けたときの周速比θとトルク値Nの関係を示すグラフである。
Figure 2007085327
スパイラル状の突条6が設けられていない回転円柱5のグラフ(a)と、スパイラル状の突条6が設けられた回転円柱5の正回転のグラフ(b)を比較すると、突条6によって回転円柱5に生じるマグナス揚力Yが増大されるため、突条6が設けられた回転円柱5のグラフ(b)のトルク値Nの方が、突条6が設けられていない回転円柱5のグラフ(a)のトルク値Nよりも高くなっている。
また、スパイラル状の突条6が設けられた回転円柱5の正回転のグラフ(b)及びグラフ(c)において、エンドキャップ16が設けられていない回転円柱5のグラフ(b)と、回転円柱5に直径が140Φのエンドキャップ16を取り付けたときのグラフ(c)を比較すると、エンドキャップ16には、回転円柱5におけるエンドキャップ16近傍に発生するマグナス効果によるトルク値Nの向上が見られ、エンドキャップ16が設けられることによって、回転円柱5の先端面近傍に大きなマグナス揚力Yが発生している。すなわちエンドキャップ16が設けられた回転円柱5のグラフ(c)のトルク値Nの方が、エンドキャップ16が設けられていない回転円柱5のグラフ(b)のトルク値Nよりも高くなるようになっている。
正回転時において、回転円柱5に直径が140Φのエンドキャップ16を取り付けたときのグラフ(c)と、回転円柱5に直径が200Φのエンドキャップ16を取り付けたときのグラフ(d)を比較すると、直径の大きいエンドキャップ16を取り付けた回転円柱5のグラフ(d)のトルク値Nの方が、直径の小さいエンドキャップ16を取り付けた回転円柱5のグラフ(c)のトルク値Nよりも高くなるようになっている。この表2に示すように、突条6が設けられた回転円柱5にエンドキャップ16を取り付けることによって、より大きなマグナス揚力Yが発生することが分かる。
表3は、回転円柱5を逆回転させたときの周速比θとトルク値Nの関係を示すグラフであり、グラフ(a)は、スパイラル状の突条6やエンドキャップ16が設けられていない回転円柱5の周速比θとトルク値Nの関係を示すグラフであり、グラフ(e)は、スパイラル状の突条6が設けられた回転円柱5の周速比θとトルク値Nの関係を示すグラフであり、グラフ(f)は、スパイラル状の突条6が設けられた回転円柱5に直径が140Φのエンドキャップ16を取り付けたときの周速比θとトルク値Nの関係を示すグラフであり、グラフ(g)は、スパイラル状の突条6が設けられた回転円柱5に直径が200Φのエンドキャップ16を取り付けたときの周速比θとトルク値Nの関係を示すグラフである。
Figure 2007085327
スパイラル状の突条6が設けられていない回転円柱5のグラフ(a)と、スパイラル状の突条6が設けられた回転円柱5の逆回転のグラフ(e)を比較すると、突条6によって回転円柱5に生じるマグナス揚力Yが増大されるため、突条6が設けられた回転円柱5のグラフ(e)のトルク値Nの方が、突条6が設けられていない回転円柱5のグラフ(a)のトルク値Nよりも高くなっている。
また、スパイラル状の突条6が設けられた回転円柱5の逆回転のグラフ(e)及びグラフ(f)において、エンドキャップ16が設けられていない回転円柱5のグラフ(e)と、回転円柱5に直径が140Φのエンドキャップ16を取り付けたときのグラフ(f)を比較すると、エンドキャップ16には、回転円柱5におけるエンドキャップ16近傍に発生するマグナス効果によるトルク値Nの向上が見られ、エンドキャップ16が設けられることによって、回転円柱5の先端面近傍に大きなマグナス揚力Yが発生している。すなわちエンドキャップ16が設けられた回転円柱5のグラフ(f)のトルク値Nの方が、エンドキャップ16が設けられていない回転円柱5のグラフ(e)のトルク値Nよりも高くなるようになっている。
逆回転時において、回転円柱5に直径が140Φのエンドキャップ16を取り付けたときのグラフ(f)と、回転円柱5に直径が200Φのエンドキャップ16を取り付けたときのグラフ(g)を比較すると、直径の大きいエンドキャップ16を取り付けた回転円柱5のグラフ(g)のトルク値Nの方が、直径の小さいエンドキャップ16を取り付けた回転円柱5のグラフ(f)のトルク値Nよりも高くなるようになっている。この表3に示すように、突条6が設けられた回転円柱5にエンドキャップ16を取り付けることによって、より大きなマグナス揚力Yが発生することが分かる。
また、表2及び表3に示すように、突条6などの空気流動手段を設けた回転円柱5のグラフ(b〜g)方が、空気流動手段を設けてない回転円柱5のグラフ(a)よりもトルク値Nが増大されることが分かり、この実験結果から自然風や回転円柱5と伴に回転する回転円柱5の表層の空気の動きとは別に、回転円柱5の外周表面に空気流動を発生させることにより、各回転円柱5の回転と風力との相互作用で生じるマグナス揚力Yが増大するという新しい原理を見出すことができ、本実施例におけるマグナス型風力発電装置Aにおいて、発電機構部2を駆動する水平回転軸3のトルク値Nを増大させ、マグナス型風力発電装置Aの発電効率を低風速域から比較的高風速域にかけて格段に上昇させることに成功した。また、空気流を与えた場合に、エンドキャップ16を取り付ける方が、マグナス効果が高まることが実験的にも証明されたことになる。
更に、表2と表3とを比較した場合、回転円柱5を正回転させたグラフ(b〜d)と、回転円柱5を逆回転させたグラフ(e〜g)を比較すると、回転円柱5の外周表面を流れる空気を水平回転軸3に向けて流すように回転円柱5を正回転させる方が、トルク値Nが増大されており、この実験結果によれば、エンドキャップ16を設けた場合、水平回転軸3の方向に空気を流す方式が、それと逆に水平回転軸3から離れる方向(放射方向)に空気を流す方式と比較してマグナス効果が増大していることが分かる。
次に、本実施例におけるマグナス型風力発電装置Aの突条6と、発電機構部2における水平回転軸3のトルク値N(回転トルク)と、風速uに関して表4を用いて説明する。表4は、回転円柱5を回転数1080[min−1]で回転させたときの風速uとトルク値Nの関係を示すグラフであり、グラフ(h)は、スパイラル状の突条6が設けられていない回転円柱5の風速uとトルク値Nの関係を示すグラフであり、グラフ(i)は、スパイラル状の突条6が設けられた回転円柱5の風速uとトルク値Nの関係を示すグラフである。
Figure 2007085327
すなわち、回転円柱5に沿って空気流動を付加する手段としての突条6が設けられていない回転円柱5のグラフ(h)と、突条6が設けられた回転円柱5のグラフ(i)を比較すると、突条6が設けられていない回転円柱5のグラフ(h)のトルク値Nは、風速uに係らずほぼ一定であるのに対し、突条6が設けられた回転円柱5のグラフ(i)のトルク値Nは、風速uが高速になるに伴って増大されるようになっており、風力が効率よくマグナス揚力Yに換えられていることが分かる。
このことは、自然風における風速が低速の通常時から風速が高速の強風時に渡って、本発明のマグナス型風力発電装置Aの回転円柱5が、最も効率よくマグナス揚力Yを発生させることが可能であることを示しており、そのため水平回転軸3の回転効率を向上させることができ、エネルギー損失の少ないマグナス型風力発電装置Aの製作が可能となっているとともに、自然風における低速域から高速域に渡って発電できることを示している。
また表4に示すように、突条6が設けられていない回転円柱5のグラフ(h)において、風速uが20mになったときに、逆マグナス効果が発生してトルク値Nがマイナスを示すようになっているが、グラフ(i)に示す突条6が設けられた回転円柱5では逆マグナス効果の影響を受け難く、トルク値Nが増大されることを示している。
次に、本実施例におけるマグナス型風力発電装置Aを屋外にて実証実験を行い、その実験結果を用いて、本実施例におけるマグナス型風力発電装置Aと、プロペラ型風力発電装置との風速と発電された発電出力Wに関して表5を用いて説明する。表5は、風車の直径が2mの本実施例におけるマグナス型風力発電装置Aと、プロペラ型風力発電装置の風速と発電出力Wの関係を示すグラフであり、グラフ(j)は、従来型のプロペラ型風力発電装置の風速と発電出力Wを示すグラフであり、グラフ(k)は、本実施例におけるマグナス型風力発電装置Aの風速と発電出力Wを示すグラフであり、グラフ(l)は、年間平均風速を6mとしたときの風速のレイリー分布を示すグラフである(観測地:秋田県)。
Figure 2007085327
年間平均風速のレイリー分布のグラフ(l)における風速相対度数(%)の最も高い風速5m付近において、従来型のプロペラ型風力発電装置のグラフ(j)の発電出力Wと、本実施例におけるマグナス型風力発電装置Aのグラフ(k)の発電出力Wを比較すると、マグナス型風力発電装置Aのグラフ(k)の発電出力Wの方が、プロペラ型風力発電装置のグラフ(j)の発電出力Wよりも高くなっている。
このことは、年間を通じて平均して発生することが最も多い風速が低速域(5m以下)の自然風において、本実施例におけるマグナス型風力発電装置Aが、プロペラ型風力発電装置よりも高い効率で発電できること示しており、本実施例のマグナス型風力発電装置Aを用いれば、従来のプロペラ型風力発電装置に比べて、より多くの年間発電量を確保できるようになっている。
次に、実施例2に係る回転円柱5bの空気流動手段について、図5を参照して説明する。尚、前述した構成と同一構成で重複する説明を省略する。
図5は、実施例2における複合体9bが設けられた回転円柱5bを示す正面図であり、合成樹脂製や耐候性軽量合金製などで構成された被覆材8bの表面に、多数のデンプル7bが凹凸設され、この被覆材8bの表面に所要リードで一体に巻き回される本実施例における空気流動手段としてのフィン部材、すなわちスパイラル状の突条6bとの組み合わせによる複合体9bが、回転円柱5bの軸外周面に一体に被覆されている。
図5に示すように、デンプル7bが回転円柱5bの表面に設けられることで、回転円柱5bの表面積が増えるとともに、複数のデンプル7bで表層流(境界層)がかく乱されるようになり、空気の流れをスパイラル状の突条6bによって滑らかに回転円柱5bの表面に流すことができ、回転円柱5bの外周表面に発生する空気流動Fの空気の流れ成分Vを発生させることで剥離を抑えて循環が増し、回転円柱5bに生じるマグナス揚力Yが増大されるようになっている。
尚、被覆材8bを用いることなく回転円柱5bの表面に直接、多数のデンプル7bを凹凸設して、デンプル7bが凹凸設された回転円柱5bの表面に突条6bを巻き回すものであってもよい。また、ここで言うデンプル5bとは表層流をかく乱させるための凹凸であればどのような形状であってもよい。
次に、実施例3に係る回転円柱5cの空気流動手段について、図6を参照して説明する。尚、前述した構成と同一構成で重複する説明を省略する。
図6は、実施例3における複合体9cにおける突条6cにデンプル7cが設けられた回転円柱5cを示す正面図であり、多数のデンプル7cが凹凸設された被覆材8cと、この被覆材8cの表面に設けられた本実施例における空気流動手段としてのフィン部材、すなわちスパイラル状の突条6cと、スパイラル状の突条6cの本実施例における先端外表面としての天面10cに凹凸設された多数のデンプル7cの組み合わせによる複合体9cが、回転円柱5cの軸外周面に一体に被覆されている。
図6に示すように、被覆材8cに凹凸設された多数のデンプル7cの他に、スパイラル状の突条6cの天面10cに、多数のデンプル7cが形成されることによって、かつ複数のデンプル7cで表層流(境界層)がかく乱されるため、回転円柱5cに生じるマグナス揚力Yが増えるようになっている。また、突条6cによって、空気を滑らかに回転円柱5cの表面に流すことができ、回転円柱5cの外周表面に発生する空気流動Fの空気の流れ成分Vを発生させることができる。
尚、この複合体9cの突条6cにおける先端外表面としての天面10cには、デンプル7cの他に、半球形状の突起を突設することもでき、デンプル7cまたは突起が突条6cの先端外表面の表層流をかく乱するとともに、剥離を抑えて循環を増大させ、回転円柱5cに生じるマグナス揚力Yが付加的に増大されるようになる。
次に、実施例4に係る回転円柱5dの空気流動手段について、図7を参照して説明する。尚、前述した構成と同一構成で重複する説明を省略する。
図7は、実施例4における凹条17dが設けられた回転円柱5dを示す正面図であり、回転円柱5dの軸外周面には、本実施例における空気流動手段としてのスパイラル状の凹条17dが凹設されており、この凹条17dは、回転円柱5dの先端面から見たときに右ネジ状の右螺旋状をなすように形成されるとともに、回転円柱5dの先端面には、エンドキャップ16dが取り付けられている。
また、回転円柱5dの回転させる場合には、回転円柱5dの先端部方向から見たときに、回転円柱5dの凹条17dが右ネジ状の右螺旋状をなす場合、回転円柱5dの回転方向は左回りとなっており、凹条17dのスパイラル巻き方向は回転円柱5dの回転方向に対して逆向きとなっている。
そのため回転円柱5dの外周表面を流れる空気を水平回転軸側に向けて流すことができるので、回転円柱5dの外周表面に空気流動Fを発生させることができ、回転円柱5dの軸と平行な空気の流れ成分Vを発生させ、回転円柱5dに生じるマグナス揚力Yが増大されるようになっており、かつ回転円柱5dの先端面に設けられたエンドキャップ16dによって、エンドキャップ16d近傍の空気の流れに影響を与えるようにし、回転円柱5dのエンドキャップ16d近傍に大きなマグナス揚力Yが発生させるようになっている。
次に、実施例5に係る回転円柱5eの空気流動手段について、図8及び図9を参照して説明する。尚、前述した構成と同一構成で重複する説明を省略する。
図8は、実施例5における2条の突条6eが設けられた回転円柱5eを示す正面図であり、図9は、2条の突条6eが設けられた回転円柱5eを示す斜視図であり、本実施例における空気流動手段としてのフィン部材、すなわち2条のスパイラル状の突条6eが、回転円柱5eの軸外周面に取り付けられており、この二重螺旋をなす突条6eは、回転円柱5eの先端面から見たときに右ネジ状の右螺旋状をなすように固着されるとともに、回転円柱5eの先端面には、エンドキャップ16eが取り付けられている。
尚、回転円柱5eに設けられる突条6eは2条のスパイラルに限ることなく、3条や4条、若しくはそれ以上の多条スパイラルで構成されてもよく、多数の突条6eを設けることでスパイラルの径を大きくしなくても、より多くの空気を突条6eで滑らかに回転円柱5eの表面に流すことができるので、回転円柱5eの外周表面に空気流動Fを発生させることができ、回転円柱5eの軸と平行な空気の流れ成分Vが発生して、回転円柱5eに生じるマグナス効果が向上し、マグナス揚力Yが増大されるようになっている。
次に、実施例6に係る回転円柱5fの空気流動手段について、図10を参照して説明する。尚、前述した構成と同一構成で重複する説明を省略する。
図10は、実施例6における回転円柱5fを示す正面図であり、回転円柱5fの先端部には、エンドキャップ16fが取り付けられており、回転円柱5fの先端部近傍の軸外周面には、本実施例における空気流動手段としてのフィン部材、すなわち2つの突条6fが取り付けられている。回転円柱5fの先端部にエンドキャップ16fが設けられるとともに、突条6fが回転円柱5fの先端部近傍に設けられることによって、回転円柱5fの先端部近傍に生じるマグナス揚力Yを増大することができるようになっている。
次に、実施例7に係る回転円柱5gの空気流動手段について、図11を参照して説明する。尚、前述した構成と同一構成で重複する説明を省略する。
図11は、実施例7におけるエンドキャップ16gを示す斜視図であり、回転円柱5gの先端面には円盤状のエンドキャップ16gが取り付けられており、このエンドキャップ16gの回転円柱5gを向く内面には、本実施例における空気流動手段としての複数のフィン6gが設けられている。このフィン6gは外方に向かって放射状に広がるように取り付けられているとともに、回転円柱5g近傍の空気を流動させるために湾曲して形成されている。
図11に示す回転円柱5gを正回転させると、エンドキャップ16g近傍の空気は、エンドキャップ16gに設けられたフィン6gによって回転円柱5g側に引き込まれるように流動されるので、回転円柱5g表面に空気流動が発生し、回転円柱5gに生じるマグナス揚力Yを増大させることができる。また、回転円柱5gを逆回転したときは、エンドキャップ16g近傍の空気が外方に放出されるように流動されるので、回転円柱5g表面に空気流動が発生し、回転円柱5gに生じるマグナス揚力Yを増大させることができる。
次に、実施例8に係るマグナス型風力発電装置Aについて、図12を参照して説明する。尚、前述した構成と同一構成で重複する説明を省略する。
図12は、実施例8におけるマグナス型風力発電装置Aを示す正面図であり、マグナス型風力発電装置Aの回転円柱25は、回転体24に対して固着された内筒39と、この内筒39の外周に摺動自在に取り付けられた外筒40で構成されており、外筒40は制御回路(図示略)の制御に応じて駆動される伸縮モータ(図示略)によって、水平回転軸23に対して径方向にスライドされるようになっている。
外筒40の軸外周面には、図4に示した実施例1における空気流動手段としてのフィン部材、すなわち突条26が固着されるとともに、回転体24に固定された内筒39の軸外周面には、図5に示した実施例2における多数のデンプル7bが凹凸設される。尚、図6から図11に示したその他の実施例3〜7における空気流動手段を、内筒19または外筒20に設けることもできるようになっている。
図12に示すように、回転円柱25が伸縮自在となっていることで、自然風の向きや風速に応じて回転円柱25を伸縮させることができるようになっており、風速が低速の通常時においては、回転円柱25の外筒40を外方にスライドさせ、回転円柱25を伸ばすことで回転円柱25の受風面積を最大にすることができ、回転円柱25に生じるマグナス揚力Yを増大させることができるので、マグナス型風力発電装置Aが効率よく発電できるようになっている。
また、風速が高速となる強風時には、回転円柱25の外筒40を内方にスライドさせ、回転円柱25を縮めることで、回転円柱25の受風面積を小さくでき、支台21の倒壊や回転円柱25の破損を防ぐことができるようになっている。更に強風時には、回転円柱25を回転させる駆動モータ35の駆動を停止させることで、回転円柱25に生じるマグナス揚力Yが無くなり、回転体24の回転を停止できるようになっており、マグナス型風力発電装置Aの破壊が防止されるようになっている。特に本実施例においては、突条26を備えた外筒40が回転円柱25の先端側に存在するため、トルクを最大限獲得できることになる。
次に、実施例9に係るマグナス型風力発電装置について、図13及び図14を参照して説明する。尚、前述した構成と同一構成で重複する説明を省略する。
図13は、実施例9におけるマグナス型風力発電装置の回転体41を示す縦断側面図であり、図14は、図13における回転体41を示すB−B縦断背面図である。図13に示すように、発電機構部に連結された水平回転軸42の正面側の回転体41の外周には、6本の回転円柱43が配置されており、回転体41の内部には、回転円柱43を回転させるための1個の駆動モータ44が配置されている。
駆動モータ44は大径の傘歯車45に連結されており、図14に示すように、この傘歯車45は回転体41の中心に配置されているとともに、6本の回転円柱43に設けられた小径の傘歯車46に連結されるようになっている。駆動モータ44を駆動させると、6本の回転円柱43を回転させることができ、回転円柱43の本数よりも少ない個数の駆動モータ44を用いて各回転円柱43を回転させることができるため、駆動モータ44を駆動させるための電力を節約できるようになり、マグナス型風力発電装置の発電効率を上げることができるようになっている。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
例えば、上記実施例では、回転円柱に施される空気流動手段として、スパイラル状の突条が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、回転円柱の表面に揚力を発生させる面が形成されていれば、どのような方法で空気流動を与えてもよいことは明らかである。
更に、上記実施例では、円盤状のエンドキャップが、回転円柱の先端面に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、正圧側と負圧側の圧力差を維持する働きをすれば、どのような形状でもよい。
尚、上記実施例では、6本の回転円柱が回転体に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、2本や3本、若しくはそれ以上の所要本数の回転円柱を設けてもよい。
本発明のマグナス型風力発電装置によれば、大型風力発電から家庭用の小型風力発電に及んで活用できるようになり、風力発電業界に多大に貢献するようになる。更に、本発明のマグナス型の揚力発生メカニズムを、ロータ船、ロータビークル等に利用すれば、乗物における運動効率も向上すると考えられる。
本発明の実施例1におけるマグナス型風力発電装置を示す正面図である。 マグナス揚力の説明図である。 図1における回転円柱を示すA−A断面図である。 突条が設けられた回転円柱を示す正面図である。 実施例2における複合体が設けられた回転円柱を示す正面図である。 実施例3における複合体における突条にデンプルが設けられた回転円柱を示す正面図である。 実施例4における凹条が設けられた回転円柱を示す正面図である。 実施例5における2条の突条が設けられた回転円柱を示す正面図である。 2条の突条が設けられた回転円柱を示す斜視図である。 実施例6における回転円柱を示す正面図である。 実施例7におけるエンドキャップを示す斜視図である。 実施例8におけるマグナス型風力発電装置を示す正面図である。 実施例9におけるマグナス型風力発電装置の回転体を示す縦断側面図である。 図13における回転体を示すB−B縦断背面図である。
符号の説明
A マグナス型風力発電装置
1 支台
2 発電機構部
3 水平回転軸
4 回転体
5、5b、5c 回転円柱
5d、5e 回転円柱
5f、5g 回転円柱
6、6b、6c、 突条(空気流動手段、フィン部材)
6e、6f 突条(空気流動手段、フィン部材)
6g フィン(空気流動手段)
7b、7c デンプル
8b、8c 被覆材
9b、9c 複合体
10c 天面(先端外表面)
15 駆動モータ
16、16d エンドキャップ
16e、16f エンドキャップ
16g エンドキャップ
17d 凹条(空気流動手段)
19 内筒
20 外筒
21 支台
23 水平回転軸
24 回転体
25 回転円柱
26 突条(空気流動手段、フィン部材)
35 駆動モータ
39 内筒
40 外筒
41 回転体
42 水平回転軸
43 回転円柱
44 駆動モータ
45、46 傘歯車

Claims (12)

  1. 発電機構部に回転トルクを伝達する水平回転軸と、該水平回転軸から放射状に所要数配設された回転円柱と、該各回転円柱をこれら回転円柱の軸周りに回転駆動する駆動モータとを備え、前記各回転円柱の回転と風力との相互作用で生じるマグナス揚力により前記水平回転軸を回転させて発電機構部を駆動するマグナス型風力発電装置であって、前記回転円柱の外周表面に空気流動を発生させてマグナス揚力を増大させる空気流動手段が、所定位置に設けられていることを特徴とするマグナス型風力発電装置。
  2. 前記空気流動手段は、前記回転円柱の外周表面に少なくとも該回転円柱の軸と平行な空気の流れ成分を発生させる手段である請求項1に記載のマグナス型風力発電装置。
  3. 前記空気流動手段は、前記回転円柱の外周表面に該回転円柱の軸と平行、かつ前記水平回転軸から離れる方向に向けて空気の流れ成分を発生させる手段である請求項1または2に記載のマグナス型風力発電装置。
  4. 前記空気流動手段は、前記回転円柱の外周表面に該回転円柱の軸と平行、かつ前記水平回転軸に向けて空気の流れ成分を発生させる手段である請求項1または2に記載のマグナス型風力発電装置。
  5. 前記空気流動手段は、前記回転円柱の外周表面に形設されたフィン部材である請求項1ないし4のいずれかに記載のマグナス型風力発電装置。
  6. 前記空気流動手段としてのフィン部材は、前記回転円柱の外周表面に形設されたスパイラル状の突条である請求項5に記載のマグナス型風力発電装置。
  7. 前記回転円柱の先端に該回転円柱より大径のエンドキャップが設けられている請求項1ないし6のいずれかに記載のマグナス型風力発電装置。
  8. 前記突条は、多条スパイラルで構成されている請求項6または7に記載のマグナス型風力発電装置。
  9. 前記回転円柱の外周表面には、複数のデンプルが形成されている請求項1ないし8のいずれかに記載のマグナス型風力発電装置。
  10. 前記突条の先端外表面にデンプル又は突起が形設されている請求項6に記載のマグナス型風力発電装置。
  11. 前記回転円柱は、水平回転軸に対し径方向に伸縮自在に支持されている請求項1ないし10のいずれかに記載のマグナス型風力発電装置。
  12. 前記回転円柱の所要数よりも少ない数の前記駆動モータを用いて該各回転円柱を同時に回転駆動できるようになっている請求項1ないし11のいずれかに記載のマグナス型風力発電装置。
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