JP2007085190A - 内燃機関のピストン - Google Patents

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Tatsuo Kobayashi
辰夫 小林
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Abstract

【課題】 燃焼室の気密性をより一層高めることができる内燃機関のピストンを提供すること。
【解決手段】 このピストン40は、燃焼室70の気密性を高めるためにピストン本体41の側面に配設されたコンプレッションリング43を備える。このコンプレッションリング43は、切れ目がない円環形状を有するとともに、その内径側部分がピストン本体41に対して相対移動しないように同ピストン本体41に固定される。このコンプレッションリング43は、固定された内径側部分より外径側の部分が同内径側部分に対してシリンダの中心軸と平行な方向において相対移動することに伴って同コンプレッションリング43の外径を増加させようとする。これにより、同外径側の部分がシリンダの内壁面21を押圧する。この結果、燃焼室70の気密性をより一層高めることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関の燃焼室内の気密性を高めるためにピストン本体の側壁に配設されたコンプレッションリングを備えたピストンに関する。
従来から、内燃機関の燃焼室の気密性を高めるためのコンプレッションリングがピストン本体の側壁に配設されたピストンが知られている。このような従来のピストンが備えるコンプレッションリングの一つは、合口を有している(特許文献1を参照。)。
特開平6−331029号公報
このコンプレッションリングは、合口に形成される隙間を小さくすることにより同コンプレッションリングの径を縮小した状態にてピストンの側壁面とシリンダの内壁面との間に配設される。これにより、コンプレッションリングは、同コンプレッションリングの径を拡大しようとする復元力(張力)によりシリンダの内壁面を押圧する。
しかしながら、上記従来のピストンによれば、コンプレッションリングの合口に形成された隙間から燃焼室内のガスが流出するので燃焼室の気密性が低くなってしまう恐れがあった。
本発明は上述した課題に対処するためになされたものであって、その目的の一つは、燃焼室の気密性をより一層高めることができる内燃機関のピストンを提供することにある。
かかる目的を達成するため本発明に係る内燃機関のピストンは、
内燃機関のシリンダ内を往復動するピストン本体と、同ピストン本体と同シリンダとにより構成される燃焼室の気密性を高めるために同ピストン本体の側面に配設されたコンプレッションリングと、を備える。
更に、前記コンプレッションリングは、切れ目がない円環形状を有するとともに、その内径側部分が前記ピストン本体に対して相対移動しないように同ピストン本体に固定され、一方、同内径側部分より外径側の部分が同内径側部分に対して前記シリンダの中心軸と平行な方向において相対移動可能であって且つ同相対移動に伴って同コンプレッションリングの外径を変化させるように構成されてなる。
これによれば、外径側の部分の相対移動に伴ってコンプレッションリングの外径が変化する。コンプレッションリングは、この外径の変化によりシリンダの内壁面を押圧するようにシリンダ内に配設される。これにより、燃焼室内の気密性が維持される。
更に、コンプレッションリングは、切れ目がない円環形状を有する(即ち、合口を有さない)ので、切れ目からガスが流出することもない。この結果、コンプレッションリングが合口を有する従来のピストンと比較して燃焼室の気密性をより一層高めることができる。従って、燃焼室内のガスがピストンの下方に流出することにより内燃機関の効率が悪化することを防止することができる。
また、コンプレッションリングは、切れ目がない円環形状の樹脂からなるアウターリングと、同アウターリングをシリンダの内壁面に向けて付勢するエキスパンダ(付勢手段)と、を含む複雑な構造を有しないので、容易に製造することが可能なコンプレッションリングを備えたピストンを提供することができる。
この場合、前記コンプレッションリングは、前記シリンダの中心軸と平行な方向であって前記燃焼室と反対側の向きへの前記外径側の部分の前記内径側部分に対する相対移動の量が大きくなるにつれて同コンプレッションリングの外径を大きくするように構成されることが好適である。
圧縮行程、膨張行程及び排気行程においては、燃焼室内のガスの圧力は特に高くなる。燃焼室内のガスの圧力が高くなるほど、燃焼室内のガスは同燃焼室から流出しやすくなる。従って、圧縮行程、膨張行程及び排気行程においては、燃焼室の気密性を維持することが困難になる。
一方、燃焼室内のガスの圧力が高くなるにつれて、同ガスの圧力によりコンプレッションリングの外径側の部分は、燃焼室と反対側に向けて強く押圧される。従って、上記構成のコンプレッションリングによれば、燃焼室内のガスの圧力が高くなるにつれて、外径側の部分が同コンプレッションリングの外径を大きくしようとする力が大きくなるので同コンプレッションリングにより同シリンダの内壁面が強く押圧される。この結果、圧縮行程、膨張行程及び排気行程において、燃焼室の気密性を確実に維持することができる。
この場合、前記ピストン本体は、その内部に前記コンプレッションリングの内径側部分が配置され、且つ、鋳造により一体的に形成されてなることが好適である。
これによれば、コンプレッションリングがピストン本体と隙間なく密着した状態にて同ピストン本体に固定されるので、ピストン本体からコンプレッションリングを介してシリンダの内壁面へ伝達される熱量を一層増加させることができる。この結果、ピストンの温度が高くなり過ぎることを防止することができる。
一方、前記ピストン本体は、同ピストン本体の前記燃焼室側の部分であるピストン頂部を含む第1ピストン構成体と、同第1ピストン構成体と固定された第2ピストン構成体と、を含み、
前記コンプレッションリングは、前記内径側部分が前記第1ピストン構成体の前記燃焼室と反対側の面と、前記第2ピストン構成体の同燃焼室側の面と、に挟まれることにより同ピストン本体に固定されてなることが好適である。
これによれば、ピストン本体を構成する部材(第1ピストン構成体及び第2ピストン構成体)と、コンプレッションリングと、をそれぞれ個別に製造した後、コンプレッションリングが固定されたピストンを製造することができる。従って、ピストン本体を構成する部材と、コンプレッションリングと、を同一の加工条件(例えば、鋳込み温度等)下で製造する必要がないので、コンプレッションリングの材料を自由に選択することができる。
この場合、前記第1ピストン構成体は、クランク軸に連結されたコネクティングロッドに連結されるための連結部を含むことが好適である。
これによれば、燃焼により発生した力が加えられる部分であるピストン頂部と、ピストン頂部に加えられた力をコネクティングロッドを介してクランク軸に伝達する部分である連結部と、が一体に構成されているので、ピストン頂部及び連結部が分離することを防止することができる。即ち、強度が高いピストンを提供することができる。
この場合、前記第1ピストン構成体の前記燃焼室側の面は、前記ピストン本体が前記シリンダ内に配置された状態にて同シリンダの中心軸に一致する軸であって同ピストン本体を基準とした軸であるピストン本体中心軸に平行な平面を側壁面の一部とする凹部を形成し、
前記第1ピストン構成体及び前記第2ピストン構成体は、前記ピストン本体中心軸を回転軸として相対回転することにより互いに螺合するように形成されることが好適である。
これによれば、第1ピストン構成体の燃焼室側の面(ピストンの頂面)は、ピストン本体中心軸に平行な平面を側壁面の一部とする凹部を形成している。例えば、凹部は、ピストン本体中心軸に垂直な平面にて切断した断面における開口形状が四角形、六角形又は半円形等の直線部を有する形状となる凹部である。
従って、凹部に嵌め合わされる工具を用いることにより、ピストン本体中心軸を回転軸としたトルクを同第1ピストン構成体に対して加えることができるので、同第1ピストン構成体と、第2ピストン構成体と、を容易に固定することができる。
この場合、前記コンプレッションリングは、シート状の金属を介して前記第1ピストン構成体及び前記第2ピストン構成体の間に固定されることが好適である。
これによれば、シート状の金属を介さずに固定された場合と比較して第1ピストン構成体及び第2ピストン構成体とコンプレッションリングとの間に隙間が形成されにくくなる。これにより、燃焼室内のガスが流出することを防止することができる。更に、第1ピストン構成体及び第2ピストン構成体からコンプレッションリングへ伝達される熱量を隙間が形成される場合と比較して増加させることができるので、ピストンの温度が高くなり過ぎることを防止することができる。
この場合、前記第1ピストン構成体は、断熱材からなる外径部構成体と、同外径部構成体より内径側の部分を構成する中央部構成体と、から構成され、
前記コンプレッションリングは、前記外径部構成体及び前記第2ピストン構成体の間に固定されることが好適である。
これによれば、ピストン頂部のうちのシリンダの内壁面近傍の部分が断熱材により構成されているので、シリンダの内壁面近傍の混合ガスの温度を下がりにくくすることができる。この結果、同混合ガスを確実に燃焼させることができるので、未燃のHCの排出量を低減することができる。
この場合、前記ピストンであって前記断熱材がセラミックスからなるピストンは、
火花発生用電圧を発生する電圧発生手段、前記シリンダと前記シリンダの上部に配置されたシリンダヘッドとの間に配設され且つ前記燃焼室に少なくとも一面が露呈するように配設された絶縁体及び同燃焼室に露呈した絶縁体の一面の所定位置からそれぞれ突出する一対の突出部からなる火花発生用ギャップを複数形成するとともに同電圧発生手段に対して同複数の火花発生用ギャップを直列に接続する火花発生用導体を含む多点火花発生手段を備えた内燃機関に適用されることが好適である。
これによれば、ピストン頂部のうちのシリンダの内壁面近傍の部分が絶縁体であるセラミックスにより構成されているので、一対の突出部とピストン頂部との間で異常な放電が起こる(火花が発生する)ことを防止することができる。これにより、燃焼室内の複数の火花発生用ギャップにて確実に火花を発生させることができる。この結果、燃焼室内に形成された混合ガスに確実に着火することができる。
また、前記コンプレッションリングは、少なくとも前記シリンダの内壁面と接する部分に固体潤滑膜が形成されてなることが好適である。
これによれば、シリンダの内壁面にエンジンオイルによる油膜が形成されない場合であっても、コンプレッションリングとシリンダの内壁面との間の摩擦力を小さくすることができるので、同摩擦による損失を低減することができるとともに、コンプレッションリング及びシリンダの内壁面が摩耗することを防止することができる。
この場合、前記コンプレッションリングは、同コンプレッションリングの外径側端部近傍部位の表面であって前記シリンダの内壁面側の表面が同シリンダの中心軸を通る平面にて同コンプレッションリングを切断した断面視において同表面よりも同シリンダの中心軸側に中心を有する円弧形状を有するように構成され、且つ、同表面の同円弧形状を有する部分にて同シリンダの内壁面を押圧することが好適である。
これによれば、コンプレッションリングは、円弧形状を有する部分にてシリンダの内壁面を押圧するから、シリンダの内壁面に付着したエンジンオイルが過剰に掻き落とされることを防止することができる。この結果、同エンジンオイルが不足することにより生じるコンプレッションリングとシリンダの内壁面との間の摩擦による損失の発生を防止することができる。
この場合、前記ピストン本体は、同ピストン本体に固定された前記コンプレッションリングの内径側部分のうちの最も外径側に位置する部分が同ピストン本体の側壁より前記シリンダの中心軸側に位置するように構成されることが好適である。
これによれば、ピストン本体に固定されたコンプレッションリングの内径側部分に対して相対移動する外径側の部分の径方向における長さが長くなる。これにより、コンプレッションリングを構成する各微小部分が大きく変形しなくとも、コンプレッションリングの外径側の端部を十分に大きく変位させることができる。即ち、各微小部分が大きく変形させられることにより劣化する恐れが小さいコンプレッションリングを備えたピストンを提供することができる。
この場合、前記ピストン本体は、前記コンプレッションリングのうちの前記内径側部分より外径側の部分を沿わせながら変形させる壁面を備えることが好適である。
これによれば、コンプレッションリングが局所的に大きく変形することを防止できるので、コンプレッションリングが破壊されることを防止することができる。
以下、本発明の各実施形態に係る内燃機関のピストンについて、図面を参照しながら説明する。このピストンは、図1にある気筒の部分断面を示した多気筒(4気筒)内燃機関10に適用される。
この内燃機関10は、中心軸を有する中空円筒状のシリンダを備えるシリンダブロック部20、シリンダブロック部20の上部に配置されたシリンダヘッド部30、シリンダ内を往復動するピストン40及びコネクティングロッド50、を含んでいる。シリンダの内壁面(ボア壁面)21と、シリンダヘッド部30の下面と、ピストン40の頂面(ピストンヘッド)と、は燃焼室70を形成している。以下、本明細書においては、シリンダの中心軸に沿った方向であって、ピストン40からシリンダヘッド部30に向かう方向を上方向と称呼し、その逆の方向を下方向と称呼する。
シリンダヘッド部30は、内燃機関10の外部と燃焼室70とを連通する吸気ポート31、吸気ポート31を開閉する吸気弁32、内燃機関10の外部と燃焼室70とを連通する排気ポート33、排気ポート33を開閉する排気弁34、燃料を燃焼室70内に直接噴射する燃料噴射弁(燃料噴射手段)35及び燃焼室70内にて火花を発生する点火プラグ部(火花発生手段)36を備えている。
ピストン40は、ピストン本体41と、ピストンピン42と、コンプレッションリング43と、オイルリング44と、を含んでいる。ピストン本体41は、シリンダの内径(ボア径)より所定の微小な長さだけ小径の略円柱形状を有している。ピストン本体41は、シリンダと同軸に同シリンダ内に配置される。ピストン本体41は、後述するコンプレッションリング43を保持した状態にて鋳造により一体的に形成される。ピストン本体41の側壁には、図2に示したように、円環状のコンプレッションリング用溝41aと、円環状のオイルリング用溝41bと、が形成されている。
コンプレッションリング用溝41aの側壁面は、挟持部41a1と、湾曲部(ガイド部)41a2と、からなる。挟持部41a1は、コンプレッションリング用溝41aの底面と同底面から所定の距離(本例では、コンプレッションリング用溝41aの深さの2/3の長さ)だけコンプレッションリング用溝41aの開口部に向けて移動した挟持部最外径位置との間の部分であって、シリンダの中心軸に直交する一対の平面からなる。
湾曲部41a2は、前記挟持部最外径位置と前記開口部との間の部分であって、同開口部に向かうにつれて互いを隔てる距離(間隔)が大きくなる一対の曲面からなる。各曲面は、シリンダの中心軸を通る平面にてピストン40を切断した断面視において、ピストン本体41の側壁面よりシリンダの中心軸側の位置を中心とした円弧形状を有するように構成されている。
オイルリング用溝41bは、コンプレッションリング用溝41aより幅広の溝である。オイルリング用溝41bの底面には、ピストン40の下方の空間に連通した貫通孔41b1が開口している。
ピストン本体41には、下面(燃焼室70と反対側の面)に開口した空間が形成されている。この空間は、ピストン本体41の中央部を含んでいる。ピストン本体41は、この空間内であって同ピストン本体41の中央部に連結部41cを有している。
連結部41cは、シリンダの中心軸に平行であって、互いに平行な1対の板状部材である。この1対の板状部材は、所定の距離を隔てて互いに対向している。各板状部材には、円柱状のピストンピン用穴が形成されている。
コネクティングロッド50の端部の一方には、ピストンピン用穴と同径の円柱状の貫通穴が形成されている。コネクティングロッド50の図示しない端部の他方は、図示しないクランク軸に連結されている。
ピストンピン42は、連結部41cのピストンピン用穴と同径の外径を有する中空円筒状の部材である。ピストンピン42は、ピストンピン用穴及びコネクティングロッド50の貫通穴を通るように配設されている。このような構成により、ピストン40と、コネクティングロッド50と、は相対回転自在に連結されている。これにより、ピストン40のシリンダ内における往復運動が図示しないクランク軸の回転運動に変換される。
コンプレッションリング43は、熱伝達率が樹脂の熱伝達率より高く、且つ、銅やアルミニウム等の一般的な金属より大きく弾性変形することが可能な材料(本例では、ゴムメタル(登録商標))からなる。
コンプレッションリング43は、薄板部材である。コンプレッションリング43の厚さは、コンプレッションリング用溝41aの挟持部41a1を構成する一対の平面間の距離(間隔)と同じ厚さである。
コンプレッションリング43は、切れ目がない円環形状を有している。コンプレッションリング43の外径側端部近傍部位は、上方に向けて湾曲している。即ち、この部位の表面であってコンプレッションリング43の外周側の表面(外周側表面)は、同コンプレッションリング43の中心軸を通る平面にて同コンプレッションリング43を切断した断面視において同表面よりも同中心軸側に中心を有する円弧形状を有するように構成されている。
この外周側表面には、固体潤滑膜が形成されている。固体潤滑膜は、本例においては、スパッタ法により形成された二硫化モリブデンからなる膜である。
コンプレッションリング43の内径は、ピストン本体41の径よりコンプレッションリング用溝41aの深さだけ小さい径である。
コンプレッションリング43の内径側部分(コンプレッションリング固定部)は、ピストン本体41に対して相対移動しないようにコンプレッションリング用溝41aの側壁面の挟持部41a1にて挟持・固定されている。即ち、コンプレッションリング固定部は、その最も外径側に位置する部分がピストン本体41の側壁より同ピストン本体41の中心軸側に位置するようにピストン本体41の内部に配置されている。
このような構成により、コンプレッションリング固定部より外径側の部分(コンプレッションリング可動部)が同コンプレッションリング固定部に対してシリンダの下方向へ押し曲げられることによって、コンプレッションリング43の外径は大きくなる。
上面視におけるコンプレッションリング43の外径は、シリンダの内径と同径である。従って、コンプレッションリング43が挟持部41a1により保持されるとともにピストン40がシリンダ内に配置された状態にて、同コンプレッションリング43の外径側端部近傍部位の外周側表面のうちの最も外径側の部分は、シリンダの内壁面21に当接している。
このように、コンプレッションリング43がピストン本体41と隙間なく密着した状態にて同ピストン本体41に固定されているので、ピストン本体41からコンプレッションリング43を介してシリンダの内壁面21へ伝達される熱量を一層増加させることができる。この結果、ピストン40の温度が高くなり過ぎることを防止することができる。
更に、コンプレッションリング43の上記外周側表面に固体潤滑膜が形成されているので、シリンダの内壁面21にエンジンオイルによる油膜が形成されない場合であっても、コンプレッションリング43とシリンダの内壁面21との間の摩擦力を小さくすることができる。その結果、摩擦による損失を低減することができるとともに、コンプレッションリング43及びシリンダの内壁面21が摩耗することを防止することができる。
オイルリング44は、アウターリング44aと、エキスパンダ44bと、からなる。
アウターリング44aは、鋼からなる。アウターリング44aは、ピストン40の径より所定の微小な長さだけ小径の内径と、シリンダの内径より所定の微小な長さだけ小径の外径とを有する円環形状である。アウターリング44aの厚さは、オイルリング用溝41bの幅より所定の微小な長さだけ短い厚さである。
アウターリング44aには、その外周面に開口した円環状のオイル収容用溝44a1が形成されている。オイル収容用溝44a1の底面には、アウターリング44aの内周面に開口した貫通孔44a2が開口している。この貫通孔44a2は、アウターリング44aの中心軸に対する周方向における複数の位置にて等間隔に配置されている。アウターリング44aには、その内周面に開口した円環状のエキスパンダ用溝44a3が形成されている。
エキスパンダ44bは、鋼からなる。エキスパンダ44bは、アウターリング44aの内径より所定の微小な長さだけ大径の円形状を有している。エキスパンダ44bは、同エキスパンダ44bの周方向にて伸縮可能なコイル状のバネである。エキスパンダ44bは、圧縮された状態にてその外周面がエキスパンダ用溝44a3の壁面に当接するようにアウターリング44aの内径側にてオイルリング用溝41bに配設されている。
このような構成により、エキスパンダ44bは、アウターリング44aをシリンダの内壁面21に向けて付勢する。これにより、シリンダの内壁面21に付着した過剰なエンジンオイルは、アウターリング44aがピストン40とともにシリンダ内を往復動する際に、アウターリング44aのオイル収容用溝44a1内に掻き集められる。そして、オイル収容用溝44a1内に収容されたエンジンオイルは、貫通孔44a2及び貫通孔41b1を通ってピストン40の下方に流れ落ちる。このようにして、シリンダの内壁面21に付着するエンジンオイルの量が過剰な量とならないように同エンジンオイルの量を制御することができる。
上記のように構成されたピストン40の作動について、運転中の内燃機関10が圧縮行程、膨張行程又は排気行程にある場合から説明する。この場合、圧縮された混合ガス又は燃焼により生成された燃焼ガスにより燃焼室70内の圧力がピストン40の下方の圧力より高くなる。
従って、図3に示したように、コンプレッションリング43のうちのピストン本体41に固定された内径側部分(コンプレッションリング固定部)より外径側の部分(コンプレッションリング可動部)が下方に押し曲げられる。
このとき、コンプレッションリング可動部がコンプレッションリング固定部に対して下方に向けて相対移動することに伴って同コンプレッションリング可動部が同コンプレッションリング43の外径を増加させようとする。これにより、コンプレッションリング可動部がシリンダの内壁面21を押圧する。この結果、燃焼室70の気密性が維持される。
また、コンプレッションリング可動部は、ピストン40の側壁に形成されたコンプレッションリング用溝41aの側壁面の湾曲部41a2に沿いながら変形する。これにより、コンプレッションリング43が局所的に大きく変形することを防止できるので、コンプレッションリング43が破壊されることを防止することができる。
加えて、コンプレッションリング用溝の側壁面が挟持部のみからなる(即ち、上記コンプレッションリング固定部のうちの最も外径側に位置する部分がピストン本体の側壁に位置する)場合と比較して、コンプレッションリング可動部の径方向における長さが長くされているので、コンプレッションリング43を構成する各微小部分が大きく変形しなくとも、コンプレッションリング43の外径側の端部を十分に大きく変位させることができる。即ち、各微小部分が大きく変形させられることにより劣化する恐れが小さいコンプレッションリング43を備えたピストン40を提供することができる。
更に、コンプレッションリング43は、その外径側端部近傍部位の外周側表面の円弧形状を有する部分にてシリンダの内壁面21を押圧する。これにより、シリンダの内壁面21に付着したエンジンオイルが過剰に掻き落とされることを防止することができる。この結果、同エンジンオイルが不足することにより生じるコンプレッションリング43とシリンダの内壁面21との間の摩擦による損失の発生を防止することができる。
また、燃焼室70内のガスの圧力が高くなるにつれて、同ガスの圧力によりコンプレッションリング可動部が燃焼室70と反対側に向けて強く押圧される。これにより、コンプレッションリング可動部がコンプレッションリング43の外径を大きくしようとする力が大きくなるので同コンプレッションリング43によりシリンダの内壁面21が強く押圧される。この結果、圧縮行程、膨張行程及び排気行程において、燃焼室70の気密性を確実に維持することができる。
加えて、コンプレッションリング43は、切れ目がない円環形状を有する(即ち、合口を有さない)ので、切れ目からガスが流出することもない。この結果、コンプレッションリング43が合口を有する従来のピストンと比較して燃焼室70の気密性をより一層高めることができる。従って、燃焼室70内のガスがピストン40の下方に流出することにより内燃機関10の効率が悪化することを防止することができる。
また、コンプレッションリング43は、切れ目がない円環形状の樹脂からなるアウターリングと、同アウターリングをシリンダの内壁面21に向けて付勢するエキスパンダ(付勢手段)と、を含む複雑な構造を有しないので、容易に製造することが可能なコンプレッションリング43を備えたピストン40を提供することができる。
次に、運転中の内燃機関10が吸気行程にある場合について説明する。この場合、ピストン40は、下降することにより燃焼室70の容積を増加させる。これにより、燃焼室70内の圧力が大気圧より低くなるので、吸気ポート31を通って空気が燃焼室70内に導入される。
このとき、ピストン40の下方の圧力は、燃焼室70内の圧力より高くなる。従って、コンプレッションリング43は、上方に押し曲げられる。これにより、コンプレッションリング43の外径は減少する。この結果、コンプレッションリング43がシリンダの内壁面21から離間するので、コンプレッションリング43とシリンダの内壁面21との間の摩擦による損失の発生を防止することができる。また、ピストン40の下方の圧力が燃焼室70内の圧力より高いので、燃焼室70内のガスがピストン40の下方に流出することはない。
以上、説明したように、本発明による内燃機関のピストンの第1実施形態によれば、燃焼室70の気密性をより一層高めることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る内燃機関のピストンについて説明する。第2実施形態に係るピストンは、上記第1実施形態のピストン本体41に代わる2つの部材からなるピストン本体を備える点のみにおいて上記第1実施形態に係るピストン40と相違している。以下、かかる相違点を中心として説明する。
図4に示したように、このピストン40Aのピストン本体は、ピストン頂部構成体(第1ピストン構成体)81と、ピストン頂部構成体81の下部に配置・固定されるピストン下部構成体(第2ピストン構成体)82と、を備える。ピストン頂部構成体81及びピストン下部構成体82は、ピストン頂部構成体81がピストン下部構成体82の上部に配置・固定された状態にて上記第1実施形態に係るピストン40が備えるピストン本体41と略同じ形状を有している。
ピストン頂部構成体81は、略円盤状の部材である。ピストン頂部構成体81の径はピストン本体41の径と同径である。ピストン頂部構成体81のピストン下部構成体82と逆側の面(燃焼室70側の面、即ち、ピストン頂面)は、正六角柱状の凹部81aを形成している。従って、この凹部81aの側壁面は、ピストン頂部構成体81の中心軸(ピストン頂部構成体81がシリンダ内に配置された状態にて同シリンダの中心軸に一致する軸であって同ピストン頂部構成体81を基準とした軸であるピストン本体中心軸)に平行な平面を構成している。この凹部81aは、ピストン頂部構成体81と同軸に位置している(図4及びピストン頂部構成体81を燃焼室70側から見た図5を参照。)。
ピストン頂部構成体81のピストン下部構成体82側の面は、円柱状の凸部を形成している。この凸部は、ピストン頂部構成体81と同軸に位置している。この凸部の側壁には、ネジ山81bが形成されている。ピストン頂部構成体81のピストン下部構成体82側の面であって外径側の端部の面は、湾曲部81cを形成している。湾曲部81cは、外径側へ向かうにつれて同面が上方側に位置するように上方へ湾曲した曲面である。
ピストン下部構成体82は、略円柱状の部材である。ピストン下部構成体82は、小径部82aと、小径部82aよりも大径の大径部82bと、からなる。小径部82aは、ピストン下部構成体82のうちの最もピストン頂部構成体81側に位置している。小径部82aの径は、上記第1実施形態のピストン本体41の径から上記第1実施形態のコンプレッションリング用溝41aの深さを減じた径(即ち、コンプレッションリング43の内径と同径)である。小径部82aの厚さ(シリンダの中心軸方向における長さ)は、上記第1実施形態のコンプレッションリング用溝41aの挟持部41a1の間隔(即ち、コンプレッションリング43の厚さ)と同じ厚さである。
大径部82bは、ピストン下部構成体82のうちの小径部82a以外の部分である。大径部82bの径は、上記第1実施形態のピストン本体41の径と同径である。大径部82bのピストン頂部構成体81側の面であって外径側の端部の面は、湾曲部82cを形成している。湾曲部82cは、外径側へ向かうにつれて同面が下方側に位置するように下方へ湾曲した曲面である。
ピストン下部構成体82のピストン頂部構成体81側の面は、ピストン頂部構成体81の凸部と同径の円柱状の凹部を形成している。この凹部は、ピストン下部構成体82と同軸に位置している。この凹部の側壁には、ネジ山81bと螺合するネジ溝82dが形成されている。
ピストン下部構成体82の側壁には、上記第1実施形態のピストン本体41の側壁に形成されたオイルリング用溝41bと同様に、オイルリング用溝82eが形成されている。また、ピストン下部構成体82は、その中央部に、上記第1実施形態のピストン本体41の連結部41cと同様の連結部82fを有している。
上記のように構成されたピストン40Aを組み付ける際には、ピストン頂部構成体81、コンプレッションリング43及びピストン下部構成体82を同軸に順に配置するとともに、ピストン頂部構成体81とコンプレッションリング43との間、ピストン下部構成体82とコンプレッションリング43との間及びピストン頂部構成体81とピストン下部構成体82との間に図示しないシート状の金属(本例では、銅)を配設し、ピストン頂部構成体81及びピストン下部構成体82をピストン頂部構成体81及びピストン下部構成体82の中心軸(ピストン本体中心軸)を回転軸として相対回転させる。このとき、凹部81aに嵌め合わされる工具を用いることによって、ピストン本体中心軸を回転軸としたトルクをピストン頂部構成体81に対して加える。これにより、ピストン頂部構成体81のネジ山81bと、ピストン下部構成体82のネジ溝82dと、が螺合するので、ピストン頂部構成体81とピストン下部構成体82とが固定される。
このようにして、ピストン頂部構成体81と、ピストン下部構成体82と、が固定された状態においては、ピストン頂部構成体81及びピストン下部構成体82からなるピストン本体の側壁に、上記第1実施形態のピストン本体41の側壁に形成されたコンプレッションリング用溝41aと同じ形状の溝が形成されている。
従って、コンプレッションリング43は、上記第1実施形態と同様に、この溝の側壁により挟持・固定されている。より具体的には、コンプレッションリング固定部(コンプレッションリング43の内径側部分)がピストン頂部構成体81の燃焼室70と反対側の面と、ピストン下部構成体82の大径部82bの燃焼室70側の面と、に挟まれることにより、コンプレッションリング43は、ピストン本体に固定されている。
以上、説明したように、本発明による内燃機関のピストンの第2実施形態によれば、ピストン本体を構成する部材(ピストン頂部構成体81及びピストン下部構成体82)と、コンプレッションリング43と、をそれぞれ個別に製造した後、コンプレッションリング43が固定されたピストン40Aを製造することができる。従って、ピストン本体を構成する部材と、コンプレッションリング43と、を同一の加工条件(例えば、鋳込み温度等)下で製造する必要がないので、コンプレッションリング43の材料を自由に選択することができる。
更に、上記第2実施形態によれば、シート状の金属を介さずに固定された場合と比較してピストン頂部構成体81及びピストン下部構成体82とコンプレッションリング43との間に隙間が形成されにくくなる。これにより、燃焼室70内のガスが流出することを防止することができる。更に、ピストン頂部構成体81及びピストン下部構成体82からコンプレッションリング43へ伝達される熱量を隙間が形成される場合と比較して増加させることができるので、ピストン40Aの温度が高くなり過ぎることを防止することができる。
また、上記第2実施形態において、ピストン頂部構成体81の燃焼室70側の面(ピストンの頂面)は、ピストン本体中心軸に平行な平面を側壁面の一部とする凹部81aを形成している。従って、凹部81aに嵌め合わされる工具を用いることにより、ピストン本体中心軸を回転軸としたトルクを同ピストン頂部構成体81に対して加えることができるので、同ピストン頂部構成体81と、ピストン下部構成体82と、を容易に固定することができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る内燃機関のピストンについて説明する。第3実施形態に係るピストンは、上記第1実施形態のピストン本体41に代わる2つの部材からなるピストン本体を備える点のみにおいて上記第1実施形態に係るピストン40と相違している。以下、かかる相違点を中心として説明する。
図6に示したように、このピストン40Bのピストン本体は、ピストン基部構成体(第1ピストン構成体)91と、ピストン基部構成体91の下部に配置・固定されるピストンスカート部構成体(第2ピストン構成体)92と、を備える。ピストン基部構成体91及びピストンスカート部構成体92は、ピストンスカート部構成体92がピストン基部構成体91の下部に配置・固定された状態にて第1実施形態に係るピストン40が備えるピストン本体41と同じ形状を有している。
ピストン基部構成体91は、大径の略円盤状の大径部(ピストン頂部)91aと、大径部91aよりも小径の略円盤状の小径部91bと、連結部91cと、からなる。大径部91aは、ピストン基部構成体91のうちの最も燃焼室70側に位置している。大径部91aの径は、上記第1実施形態のピストン本体41の径と同径である。大径部91aの燃焼室70と反対側の面であって外径側の端部の面は、湾曲部91a1を形成している。湾曲部91a1は、外径側へ向かうにつれて同面が上方側に位置するように上方へ湾曲した曲面である。
小径部91bは、大径部91aの燃焼室70と反対側の面に連接している。小径部91bは、大径部91aと同軸に位置している。小径部91bの径は、上記第1実施形態のピストン本体41の径から上記第1実施形態のコンプレッションリング用溝41aの深さを減じた径(即ち、コンプレッションリング43の内径)より所定の長さだけ短い径である。
連結部91cは、上記第1実施形態のピストン本体41の連結部41cと同一の構成を有している。連結部91cは、小径部91bの燃焼室70と反対側の面に連接している。連結部91cは、ピストンスカート部構成体92がピストン基部構成体91の下部に配置・固定された状態にて、上記第1実施形態の連結部41cと同様に、ピストン40Bの中央部に位置している。
ピストンスカート部構成体92は、中空円筒状の部材である。ピストンスカート部構成体92は、小内径部92aと、内径が小内径部92aの内径よりも大径の大内径部92bと、からなる。
小内径部92aは、ピストンスカート部構成体92のうちの最も燃焼室70側に位置している。小内径部92aの内径は、ピストン基部構成体91の小径部91bの径と同径である。小内径部92aの厚さ(シリンダの中心軸方向における長さ)は、ピストン基部構成体91の小径部91bの厚さと同じ厚さである。小内径部92aは、上部92a1と、下部92a2と、からなる。
小内径部92aの上部92a1は、小内径部92aのうちの最も燃焼室70側に位置している。上部92a1の外径は、上記第1実施形態のピストン本体41の径から上記第1実施形態のコンプレッションリング用溝41aの深さを減じた径(即ち、コンプレッションリング43の内径と同径)である。上部92a1の厚さは、上記第1実施形態のコンプレッションリング用溝41aの挟持部41a1の間隔(即ち、コンプレッションリング43の厚さ)と同じ厚さである。
小内径部92aの下部92a2は、小内径部92aのうちの上部92a1以外の部分である。下部92a2の外径は、上記第1実施形態のピストン本体41の径と同径である。下部92a2の燃焼室70側の面であって外径側の端部の面は、湾曲部92a3を形成している。湾曲部92a3は、外径側へ向かうにつれて同面が下方側に位置するように下方へ湾曲した曲面である。
大内径部92bは、ピストンスカート部構成体92のうちの小内径部92a以外の部分である。大内径部92bの外径は、上記第1実施形態のピストン本体41の径と同径である。大内径部92bの側壁には、上記第1実施形態のピストン本体41の側壁に形成されたオイルリング用溝41bと同様に、オイルリング用溝92b1が形成されている。
上記のように構成されたピストン40Bを組み付ける際には、図7に示したように、ピストン基部構成体91、コンプレッションリング43及びピストンスカート部構成体92を同軸に順に配置するとともに、ピストン基部構成体91とコンプレッションリング43との間、ピストンスカート部構成体92とコンプレッションリング43との間及びピストン基部構成体91とピストンスカート部構成体92との間に図示しないシート状の金属(本例では、銅)を配設し、ピストン基部構成体91の小径部91bをピストンスカート部構成体92の小内径部92aの内部(中空部分)に圧入する。更に、図6の符号MPにより示した部分(小径部91bと小内径部92aとが接触している部分の下端部)を溶接する。
このようにして、ピストン基部構成体91と、ピストンスカート部構成体92と、を容易に固定することができる。
ピストン基部構成体91と、ピストンスカート部構成体92と、が互いに固定された状態においては、ピストン基部構成体91及びピストンスカート部構成体92からなるピストン本体の側壁に、上記第1実施形態のピストン本体41の側壁に形成されたコンプレッションリング用溝41aと同じ形状の溝が形成される。
従って、コンプレッションリング43は、上記第1実施形態と同様に、この溝の側壁により挟持・固定されている。より具体的には、コンプレッションリング固定部(コンプレッションリング43の内径側部分)がピストン基部構成体91の大径部91aの燃焼室70と反対側の面と、ピストンスカート部構成体92の下部92a2の燃焼室70側の面と、に挟まれることにより、コンプレッションリング43は、ピストン本体に固定されている。
以上、説明したように、本発明による内燃機関のピストンの第3実施形態によれば、上記第2実施形態と異なり、燃焼により発生した力が加えられる部分であるピストン頂部(ピストン基部構成体91の大径部91a)と、ピストン頂部に加えられた力をコネクティングロッド50を介してクランク軸に伝達する部分である連結部91cと、が一体に構成されているので、ピストン頂部及び連結部91cが分離することを防止することができる。即ち、強度が高いピストン40Bを提供することができる。
更に、上記第3実施形態によれば、上記第2実施形態と同様に、ピストン本体を構成する部材(ピストン基部構成体91及びピストンスカート部構成体92)と、コンプレッションリング43と、をそれぞれ個別に製造した後、コンプレッションリング43が固定されたピストン40Bを製造することができる。従って、ピストン本体を構成する部材と、コンプレッションリング43と、を同一の加工条件(例えば、鋳込み温度等)下で製造する必要がないので、コンプレッションリング43の材料を自由に選択することができる。
加えて、上記第3実施形態によれば、上記第2実施形態と同様に、ピストン基部構成体91及びピストンスカート部構成体92とコンプレッションリング43とをシート状の金属を介して密着させることができる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る内燃機関のピストンについて説明する。第4実施形態に係るピストンは、上記第3実施形態のピストン基部構成体91に代わる2つの部材からなるピストン基部構成体を備える点及び上記内燃機関10が備える点火プラグ部36に代わる多点型点火装置を備えた内燃機関に適用される点のみにおいて上記第3実施形態に係るピストン40Bと相違している。以下、かかる相違点を中心として説明する。
図8に示したように、この内燃機関10Aは、上記第1実施形態に係る内燃機関10が備える点火プラグ部36に代わる多点型点火装置(多点火花発生手段)60を備える。多点型点火装置60は、図8及び図9に示したように、点火プレート部61と、点火用プラグ62と、点火コイル63と、一次電流制御部64と、を備える。なお、点火コイル63及び一次電流制御部64は、電圧発生手段を構成している。
点火プレート部61は、板状絶縁体61aと、板状絶縁体61aに保持された接地用接続線61bと、板状絶縁体61aに保持された火花発生用導線61cと、を備える。
板状絶縁体61aは、セラミックスからなる絶縁体である。板状絶縁体61aは、平板形状を有する。板状絶縁体61aは、厚み方向に貫通した貫通穴であって、シリンダの内径と同径の円柱状の貫通穴を有する。板状絶縁体61aは、その貫通穴がシリンダと同軸となるようにシリンダブロック部20と、シリンダヘッド部30と、の間に配設される。
また、板状絶縁体61aの貫通穴の側壁面は、板状絶縁体61aがシリンダブロック部20とシリンダヘッド部30との間に配設された状態において、燃焼室70に露呈する燃焼室露呈面を構成している。板状絶縁体61aの貫通穴の側壁面は、同貫通穴の中心軸に対する周方向にて等間隔に配置された複数(本例では、8個)の凹部61a1を形成している。
凹部61a1の開口部は、板状絶縁体61aの貫通穴の側壁面の正面視において、板状絶縁体61aの貫通穴の中心軸と平行な短軸と、同中心軸に対する周方向に伸びる長軸と、を有する楕円形状である(図8を参照。)。板状絶縁体61aの貫通穴の中心軸と直交する平面により同凹部61a1を切断した断面の形状は略半円形である(図9を参照。)。更に、板状絶縁体61aは、点火用プラグ62の導線の先端部が一つの凹部61a1を構成する壁面から突出するように点火用プラグ62を保持している。
接地用接続線61bの一端は、図示しない導線を介してシリンダブロック部20と電気的に接続(即ち、エンジンアース)されている。接地用接続線61bの他端は、点火プラグ62の導線の先端部が突出している一つの凹部61a1に隣接した凹部61a1を構成する壁面から突出している。
火花発生用導線61cは、上記凹部61a1の数より一つだけ少ない数の接続線61c1〜61c7からなっている。接続線61c1〜61c7のそれぞれは、円弧形状を有している。各接続線61c1〜61c7の両端は、隣接する凹部61a1を構成する壁面からそれぞれ突出している。
火花発生用導線61cの一方の端部に位置する接続線61c1の一つの端部は、点火プラグ62の導線の先端部が突出している一つの凹部61a1において同点火プラグ62の先端部と所定の距離を隔てて対向し、一つの火花発生用ギャップGPを形成している。
火花発生用導線61cの他方の端部に位置する接続線61c7の一つの端部は、接地用接続線61bの先端部が突出している一つの凹部61a1において同接地用接続線61bの先端部と所定の距離を隔てて対向し、一つの火花発生用ギャップGPを形成している。
凹部61a1を構成する壁面から突出した各接続線61c1〜61c7の端部(点火プラグ62の先端部と対向している端部及び接地用接続線61bの先端部と対向している端部を除く。)は、その接続線61c1〜61c7に隣接する接続線の端部と凹部61a1において所定の距離を隔てて対向し、火花発生用ギャップGPを形成している。
以上の構成により、火花発生用導線61cは、板状絶縁体61aの燃焼室露呈面の所定位置(凹部61a1を構成する壁面内の位置)からそれぞれ突出する一対の突出部からなる火花発生用ギャップGPを複数形成するとともに、点火プラグ62と接地用接続線61bとの間に同複数の火花発生用ギャップGPを直列に接続している。
点火コイル63は、点火用プラグ62に接続されている。点火コイル63は、一次コイルと、一次コイルとの間の相互誘導作用により火花発生用電圧を発生する二次コイルと、を備えている。
一次電流制御部64は、点火コイル63の一次コイルに定常的に所定の大きさの電圧を印加するとともに、所定のタイミングにて同一次コイルを電流が流れる状態である導通状態又は電流が流れない状態である遮断状態(非導通状態)に制御するようになっている。
このような構成により、一次電流制御部64は、所定のタイミングにて一次コイルを導通状態から遮断状態へ切り替える。これにより、一次コイルとの間の相互誘導作用によって、二次コイルは一次コイルに印加された電圧より大きな火花発生用電圧を発生する。多点型点火装置60は、この発生した火花発生用電圧に基づいて燃焼室70内の複数の火花発生用ギャップGPにて火花を発生させる。
図10に示したように、ピストン40Cのピストン基部構成体は、上記第3実施形態のピストン基部構成体91に代えて、ピストン中央部構成体101と、ピストン外径頂部構成体(外径部構成体)102と、を備える。
ピストン中央部構成体101は、所定の厚さを有する大径の略円盤状の大径部101aと、小径の略円盤状の小径部101bと、連結部101cと、からなる。大径部101aは、ピストン中央部構成体101のうちの最も燃焼室70側に位置している。大径部101aの径は、上記第1実施形態のピストン本体41の径より小径であってピストンスカート部構成体92の小内径部92aの内径より大径である。
小径部101bは、大径部101aの燃焼室70と反対側の面に連接している。小径部101bは、大径部101aと同軸に位置している。小径部101bの径は、ピストンスカート部構成体92の小内径部92aの内径と同径である。小径部101bの厚さは、上記第3実施形態のピストン基部構成体91の大径部91aの厚さと小径部91bの厚さとの和から大径部101aの厚さを減じた厚さである。
連結部101cは、上記第3実施形態のピストン基部構成体91の連結部91cと同一の構成を有している。連結部101cは、小径部101bの燃焼室70と反対側の面に連接している。連結部101cは、ピストンスカート部構成体92がピストン中央部構成体101及びピストン外径部構成体102の下部に配置・固定された状態にて、上記第3実施形態の連結部91cと同様に、ピストン40Cの中央部に位置している。
ピストン外径部構成体102は、絶縁体であって断熱材であるセラミックスからなる。ピストン外径部構成体102は、円環状の部材である。ピストン外径部構成体102の外径は、上記第1実施形態に係るピストン本体41の径と同径である。ピストン外径部構成体102は、大内径部102aと、内径が大内径部102aの内径より小径の小内径部102bと、からなる。
大内径部102aは、ピストン外径部構成体102のうちの最も燃焼室70側に位置している。大内径部102aの内径は、ピストン中央部構成体101の大径部101aの径と同径である。大内径部102aの厚さは、大径部101aの厚さと同じ厚さである。
小内径部102bは、大内径部102aの燃焼室70と反対側の面に連接している。小内径部102bの内径は、ピストン中央部構成体101の小径部101bの径と同径である。小内径部102bの厚さは、上記第3実施形態のピストン基部構成体91の大径部91aの厚さから大内径部102aの厚さを減じた厚さである。小内径部102bの燃焼室70と反対側の面であって外径側の端部の面は、湾曲部102b1を形成している。湾曲部102b1は、外径側へ向かうにつれて同面が上方側に位置するように上方へ湾曲した曲面である。
上記のように構成されたピストン40Cを組み付ける際には、ピストン中央部構成体101、ピストン外径部構成体102、コンプレッションリング43及びピストンスカート部構成体92を同軸に順に配置するとともに、ピストン外径部構成体102とコンプレッションリング43との間、ピストンスカート部構成体92とコンプレッションリング43との間及びピストン外径部構成体102とピストンスカート部構成体92との間に図示しないシート状の金属(本例では、銅)を配設し、且つ、ピストン中央部構成体101とピストン外径部構成体102との間に弾性部材ELを配設し、ピストン中央部構成体101の小径部101bの下方部分をピストンスカート部構成体92の小内径部92aの内部(中空部分)に圧入する。更に、図10の符号MPにより示した部分(小径部101bと小内径部92aとが接触している部分の下端部)を溶接する。
このようにして、ピストン中央部構成体101と、ピストン外径部構成体102と、ピストンスカート部構成体92と、を容易に固定することができる。
ピストン中央部構成体101と、ピストン外径部構成体102と、ピストンスカート部構成体92と、が互いに固定された状態においては、ピストン外径部構成体102及びピストンスカート部構成体92からなるピストン本体の側壁に、上記第1実施形態のピストン本体41の側壁に形成されたコンプレッションリング用溝41aと同じ形状の溝が形成されている。
従って、コンプレッションリング43は、上記第1実施形態と同様に、この溝の側壁により挟持・固定されている。より具体的には、コンプレッションリング固定部(コンプレッションリング43の内径側部分)がピストン外径部構成体102の小内径部102bの燃焼室70と反対側の面と、ピストンスカート部構成体92の下部92a2の燃焼室70側の面と、に挟まれることにより、コンプレッションリング43は、ピストン本体に固定されている。
以上、説明したように、本発明による内燃機関のピストンの第4実施形態によれば、ピストン頂部のうちのシリンダの内壁面21近傍の部分(ピストン外径部構成体102)が断熱材であるセラミックスにより構成されているので、燃焼室70内のシリンダの内壁面21近傍の領域にて混合ガスの温度を下がりにくくすることができる。この結果、同混合ガスを確実に燃焼させることができるので、未燃のHCの排出量を低減することができる。
更に、上記第4実施形態によれば、ピストン頂部のうちのシリンダの内壁面21近傍の部分(ピストン外径部構成体102)が絶縁体であるセラミックスにより構成されているので、火花発生用ギャップGPを形成する一対の突出部とピストン頂部との間で異常な放電が起こる(火花が発生する)ことを防止することができる。これにより、燃焼室70内の複数の火花発生用ギャップGPにて確実に火花を発生させることができる。この結果、燃焼室70内に形成された混合ガスに確実に着火することができる。
加えて、上記第4実施形態によれば、断熱材であるセラミックスからなる板状絶縁体61aの一面(燃焼室露呈面)が燃焼室70に露呈しているので、同燃焼室露呈面の近傍の領域にて混合ガスの温度が下がりにくくなる。これにより、同領域における混合ガスを確実に燃焼させることができる。この結果、未燃のHCの排出量を低減することができる。また、特に、同燃焼室露呈面とピストントップランド(ピストン40Cの側壁面のうちのコンプレッションリング43より燃焼室70側の部分)とが対向する期間においては、壁面との熱伝達により温度が下がりやすい同ピストントップランドの近傍領域における混合ガスの温度を下がりにくくすることができる。これにより、同領域における混合ガスも燃焼させることができるので、未燃のHCの排出量をより一層低減することができる。
また、上記第4実施形態によれば、ピストン中央部構成体101とピストン外径部構成体102との間に弾性部材ELが配設されているので、ピストン中央部構成体101が燃焼室70内の燃焼による熱によってシリンダの中心軸に対する径方向にて膨張した場合であっても、弾性部材ELが同径方向にて収縮することにより、ピストン外径部構成体102に過大な力が加えられることを防止することができる。これにより、ピストン外径部構成体102が破壊されることを防止することができる。
なお、本発明は上記各実施形態に限定されることはなく、本発明の範囲内において種々の変形例を採用することができる。例えば、ピストンは、複数のコンプレッションリングを備えていてもよい。
本発明の第1実施形態に係る内燃機関の燃焼室近傍の部分拡大断面図である。 図1に示したピストンの拡大断面図である。 図1に示したコンプレッションリングの拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係るピストンの拡大断面図である。 図4に示したピストン頂部構成体の上面図である。 本発明の第3実施形態に係るピストンの拡大断面図である。 図6に示したピストンを組み付ける際の配置を示した説明図である。 本発明の第4実施形態に係る内燃機関の燃焼室近傍の部分拡大断面図である。 図8に示した多点型点火装置を1−1線に沿った平面にて切断した断面図である。 図8に示したピストンの拡大断面図である。
符号の説明
10,10A…内燃機関、20…シリンダブロック部、21…内壁面、30…シリンダヘッド部、40,40A,40B,40C…ピストン、41…ピストン本体、41a…コンプレッションリング用溝、41c…連結部、43…コンプレッションリング、50…コネクティングロッド、60…多点型点火装置、61…点火プレート部、61a…板状絶縁体、61b…接地用接続線、61c…火花発生用導線、61c1〜61c7…接続線、62…点火用プラグ、63…点火コイル、64…一次電流制御部、70…燃焼室、81…ピストン頂部構成体、81a…凹部、81b…ネジ山、81c…湾曲部、82…ピストン下部構成体、82c…湾曲部、82d…ネジ溝、82f…連結部、91…ピストン基部構成体、91a1…湾曲部、91c…連結部、92…ピストンスカート部構成体、92a3…湾曲部、101…ピストン中央部構成体、101c…連結部、102…ピストン外径部構成体、102b1…湾曲部、GP…火花発生用ギャップ、EL…弾性部材。

Claims (13)

  1. 内燃機関のシリンダ内を往復動するピストン本体と、同ピストン本体と同シリンダとにより構成される燃焼室の気密性を高めるために同ピストン本体の側面に配設されたコンプレッションリングと、を備えたピストンであって、
    前記コンプレッションリングは、切れ目がない円環形状を有するとともに、その内径側部分が前記ピストン本体に対して相対移動しないように同ピストン本体に固定され、一方、同内径側部分より外径側の部分が同内径側部分に対して前記シリンダの中心軸と平行な方向において相対移動可能であって且つ同相対移動に伴って同コンプレッションリングの外径を変化させるように構成されてなるピストン。
  2. 請求項1に記載のピストンにおいて、
    前記コンプレッションリングは、前記シリンダの中心軸と平行な方向であって前記燃焼室と反対側の向きへの前記外径側の部分の前記内径側部分に対する相対移動の量が大きくなるにつれて同コンプレッションリングの外径を大きくするように構成されたピストン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のピストンにおいて、
    前記ピストン本体は、その内部に前記コンプレッションリングの内径側部分が配置され、且つ、鋳造により一体的に形成されてなるピストン。
  4. 請求項1又は請求項2に記載のピストンにおいて、
    前記ピストン本体は、同ピストン本体の前記燃焼室側の部分であるピストン頂部を含む第1ピストン構成体と、同第1ピストン構成体と固定された第2ピストン構成体と、を含み、
    前記コンプレッションリングは、前記内径側部分が前記第1ピストン構成体の前記燃焼室と反対側の面と、前記第2ピストン構成体の同燃焼室側の面と、に挟まれることにより同ピストン本体に固定されてなるピストン。
  5. 請求項4に記載のピストンにおいて、
    前記第1ピストン構成体は、クランク軸に連結されたコネクティングロッドに連結されるための連結部を含むピストン。
  6. 請求項4又は請求項5に記載のピストンにおいて、
    前記第1ピストン構成体の前記燃焼室側の面は、前記ピストン本体が前記シリンダ内に配置された状態にて同シリンダの中心軸に一致する軸であって同ピストン本体を基準とした軸であるピストン本体中心軸に平行な平面を側壁面の一部とする凹部を形成し、
    前記第1ピストン構成体及び前記第2ピストン構成体は、前記ピストン本体中心軸を回転軸として相対回転することにより互いに螺合するように形成されたピストン。
  7. 請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載のピストンにおいて、
    前記コンプレッションリングは、シート状の金属を介して前記第1ピストン構成体及び前記第2ピストン構成体の間に固定されたピストン。
  8. 請求項4乃至請求項7のいずれか一項に記載のピストンにおいて、
    前記第1ピストン構成体は、断熱材からなる外径部構成体と、同外径部構成体より内径側の部分を構成する中央部構成体と、から構成され、
    前記コンプレッションリングは、前記外径部構成体及び前記第2ピストン構成体の間に固定されたピストン。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載のピストンにおいて、
    前記コンプレッションリングは、少なくとも前記シリンダの内壁面と接する部分に固体潤滑膜が形成されてなるピストン。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載のピストンにおいて、
    前記コンプレッションリングは、同コンプレッションリングの外径側端部近傍部位の表面であって前記シリンダの内壁面側の表面が同シリンダの中心軸を通る平面にて同コンプレッションリングを切断した断面視において同表面よりも同シリンダの中心軸側に中心を有する円弧形状を有するように構成され、且つ、同表面の同円弧形状を有する部分にて同シリンダの内壁面を押圧するピストン。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載のピストンにおいて、
    前記ピストン本体は、同ピストン本体に固定された前記コンプレッションリングの内径側部分のうちの最も外径側に位置する部分が同ピストン本体の側壁より前記シリンダの中心軸側に位置するように構成されたピストン。
  12. 請求項11に記載のピストンにおいて、
    前記ピストン本体は、前記コンプレッションリングのうちの前記内径側部分より外径側の部分を沿わせながら変形させる壁面を備えるピストン。
  13. 請求項8に記載のピストンであって前記断熱材がセラミックスからなるピストンと、
    火花発生用電圧を発生する電圧発生手段、前記シリンダと前記シリンダの上部に配置されたシリンダヘッドとの間に配設され且つ前記燃焼室に少なくとも一面が露呈するように配設された絶縁体及び同燃焼室に露呈した絶縁体の一面の所定位置からそれぞれ突出する一対の突出部からなる火花発生用ギャップを複数形成するとともに同電圧発生手段に対して同複数の火花発生用ギャップを直列に接続する火花発生用導体を含む多点火花発生手段と、
    を備えた内燃機関。
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